開智未来中学校 の過去問分析

開智未来中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

開智未来中学校 過去問分析(2011〜2026 年度・収録は 1 年 1 科目 1 冊・算数 13 年/理科 10 年/社会 5 年/国語 5 年)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 埼玉県加須市
男女 共学
入試回と日程 探究 1: 1 月 10 日午前/第 1 回: 1 月 10 日午後/探究 2: 1 月 11 日午前/算数 1 科: 1 月 11 日午後/T 未来: 1 月 12 日午後(2026 年度募集要項)。ここに挙げたのは代表的な回で、全回は募集要項
科目・試験時間・配点 探究 1・探究 2 は 3 領域(計算基礎 20 分 50 点・読解基礎 30 分 50 点・探究〈科学または社会または英語〉40 分 100 点)/第 1 回は 2 科(国語・算数 各 40 分 100 点)/算数 1 科は 60 分 100 点/T 未来は 3 科または 4 科(国語・算数 各 40 分 100 点。4 科は社会と理科を合わせて 40 分 100 点)
名前の似た別の学校 開智・開智日本橋学園・開智所沢・開智望の各校とは、別の学校です

いまの小 6 は 2027 年 1 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 算数は大問 6・小問 18 という形が 13 年(2012・2015〜2026)動きません。大問 1(1) は計算、大問 1(2) は逆算(□にあてはまる数を求める計算)、大問 2(4) は図形が 6 年連続(2021〜2026)で同じ座席(問題の置き場所)に来ます。
  2. 国語も大問 3(知識)の 13 問が、2015・2016・2022 の 3 年で設問文までそろっています。
  3. 理科と社会は毎年作り直す作りで、位置で狙い撃ちはできません。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1・大問 2 の 8 問だけを、2021〜2026 の 6 年分、縦に並べて解きます。
  2. 国語の大問 3 の 13 問を、資料のある年ぶん解きます。
  3. 算数の大問 3(規則性)を 2023〜2026 の 4 年分、続けて解きます。

今週やる 1 つ

  1. 直近 2 年(2025・2026)の大問 1・大問 2 の 8 問ずつを解いて、10 分で取り切れるか確かめます。

注意

  1. 収録は 1 年 1 科目 1 冊で、年によって違う回の冊子が並んでいる可能性が高いところです。社会は 2017 年度、国語は 2022 年度、理科は 2023 年度で資料が止まっています(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 6 年(2021〜2026) 7 年(2012・2015〜2020) 13 年(2012、2015〜2026。2011、2013、2014 は資料が無い) 高。2023・2025 は図の数値が転写で落ちている小問がある(2023 の大問 6 と 2025 の大問 2(4))。設問文と大問構成の読み取りには支障がない
理科 3 年(2021・2022・2023) 3 年(2018・2019・2020) 10 年(2012、2015〜2023。2011、2013、2014、2024〜2026 は資料が無い) 高。2020 のみ転写の確度が低い
社会 5 年(2012・2013・2015・2016・2017) 0 年 5 年(同じ 5 年。2011、2014、2018 年度以降すべては資料が無い) 2012 と 2017 は転写の確度が低い。2017 は設問の一部で語尾が乱れている
国語 5 年(2011・2012・2015・2016・2022) 0 年 5 年(同じ 5 年。2013、2014、2017〜2021、2023 年度以降は資料が無い。著作権処理の関係で掲載されない年が多い) 高。ただし 2016 の説明文の著者名は転写で 1 字欠けており、2022 は本文末尾の出典表記そのものが転写に入っていない

5. 一番大きな結論

算数と国語は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校、理科と社会は「毎年作り直す」学校です。

したがって過去問の使い方は科目で分けるのがよいところです。算数と国語は、同じ座席の問題を年度をまたいで縦に並べて解きます(算数の大問 1・2 の 8 問だけを 6 年分、大問 3 だけを 4 年分、国語の大問 3 だけを資料のある年ぶん)。理科と社会は、年度通しで長い導入文ごと読み切る練習に使います。理科は 1 大問あたりの分量が多く、社会は記述が全体の 2〜5 割を占めるので、時間の使い方そのものが練習の対象になります。回し方の手順は 過去問の使い方 にまとめてあります。

もう一つ、科目をまたいで一貫しているものがあります。「未来くん(未来君・未来さん)」という登場人物で、理科は 2018〜2023 の 6 年連続、国語は 2022 の設問文に出てきます。会話文や自由研究の形で「考える過程」を見せてから問う作りが、理科・社会・国語に共通しています。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。同じ座席の問題を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数・大問 1 と大問 2 の 8 問を 6 年分縦に解く(2021〜2026)。計算 → 逆算 → 一行題(数行で終わる短い文章題)→ 図形、という並びが崩れていません。18 問中 8 問がここです。10 分で取り切る形をまず作ります。(確認: 〜2026 年度)
  2. [毎日 10 分] 国語・大問 3 の 13 問。 主語述語・慣用句と四字熟語の漢字一字・敬語・作家と作品・漢字 6 問。設問文が年をまたいで同じなので、資料のある年の分をそのまま解けば形式に慣れます。作家と作品は太宰治・高村光太郎・宮沢賢治のように近代の代表作家から出るので、教科書レベルの作家 20 人ぶんの代表作を覚えておきます。敬語は「校長先生が私の家に来ます」「私が校長先生の自宅に行きます」のような主語の入れ替えで尊敬・謙譲を選び分ける形です。読解 2 題と合わせて時間内に回すため、知識を先に片づける順番も決めておきます。(確認: 〜2022 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・大問 3 の規則性を 4 年分(2023 は分数列、2024 は 2 倍して 1 を足す数列、2025 は差を交互にくり返す数列、2026 はルールにしたがう移動)。「n 番目」「1 番目から n 番目までの和」「割ったあまり」の 3 通りの聞き方に慣れます。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 算数・平面図形の面積比。2025 大問 2(4)・大問 6、2026 大問 2(4)・大問 5・大問 6 と、直近 2 年で図形の比重が上がりました。正三角形・正六角形を等分して部分の面積を出す形を厚めに。大問 2(4) の図形の一行題だけを 6 年分抜き出して連続で解くと、「図から比を読んで面積か角度を出す」手順が共通していることが見えます。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週末 60 分] 国語・意見と想像の記述を 70 字で。2016「あなたが『ぼく』ならチロに話しかけるように 70 字以内」、2022「あなたなら空欄 X にどのような文章を入れますか。40 字〜75 字」。読解 2 題の締めが毎回これです。「あなたなら」「登場人物に話しかけるように」という指示に合わせて、本文の内容を必ず 1 つ入れます。あわせて「文章中の言葉を使いながら」書く記述を 40〜70 字で、理由(〜から。)・内容説明(〜こと。)・心情(〜気持ち。)に書き分けます。(確認: 〜2022 年度)
  6. [週末 60 分] 理科・表から数値を読む計算 3 系統。水溶液と気体の判別(2021・2022)、中和と溶解度(2020・2023)、気象の湿度計算(2020・2023)。表から比例を読んで、過不足と濃さを出す。湿度は飽和水蒸気量の表を使った露点と凝結量です。理由記述は 1〜2 文で、「表のデータに着目して」などの条件を必ず答えに入れます。(確認: 〜2023 年度)
  7. [週末 60 分] 社会・記述 3 種。「あなたならどうするか」の提案記述(2013・2015・2016)は、資料の中の語を必ず 1 つ以上使って「〜だから、〜する」の形で 2〜3 文。理由説明は「〜だから。」で終える形を 40〜60 字で、2017 のように字数と語句が指定される場合に備えて指定語句を必ず入れる練習も。史料の読み取りは、武家諸法度・五品江戸廻送令のような短い原文から「誰が何をしたか」を 20 字で言い切ります。(確認: 提案記述は〜2016 年度、理由説明と史料は〜2017 年度)
  8. [週 1 回] 算数・立体の切断と、その場でルールを読む問題。立体の切断は 2021・2022・2023 に大問、2024・2025 は消え、2026 は小問 1 つだけ。3 年連続で出ていた枠なので、戻ってきたときのために 3 題は通しておきます。その場でルールを読む問題(2021 大問 4 の玉の並べ方、2024 大問 4 の自己言及の文、2026 大問 3 の土地の移動)は、習った解法をあてはめるのではなく、条件を書き出して整理する練習として週 1 題。(確認: 〜2026 年度)

8. 科目別の詳細

まず 4 科目を一枚に並べます。短答(語句や数値を短く答える形式)・記述・選択の比率は、精読した年で数えたものです。

科目 形式の固定度 中身の性格 まず時間をかける価値があるもの
算数 大問 6・小問 18 が 13 年不変。大問ごとの小問数も 4-4-2〜3-2〜3。答えのみ 100%、記述・作図は精読した 6 年で 0 問 大問 1・2 は小問集合、大問 3 は規則性(2023〜2026)、大問 4〜6 は文章題と図形。図形は 2026 に 2 題まで増え、速さは 2025・2026 に消えた 大問 1・2 の 8 問を 6 年分縦に。大問 2(4) の図形の一行題と大問 3 の規則性
国語 大問 3(説明文・物語・知識)が 5 年不変。大問 3 は 13 問で設問文まで同じ。短答 60%/記述 24%/選択 16% 説明文は思想・哲学寄り、物語は家族と別れ。読解の締めは必ず意見・想像の記述(70 字前後) 大問 3 の知識 13 問。次に「文章中の言葉を使いながら」の記述
理科 2018・2019 は 4 大問(28〜30 問)、2020〜2023 は 3 大問(19〜25 問)。短答 62〜75%/選択 16〜25%/記述 0〜12%/作図 0〜8% 会話文・実験文つきの長い題材。表やグラフからの計算が必ず入る。3 大問しかないので毎年どれか 1 分野が休む 化学の計算 2 系統(水溶液・気体/中和・溶解度)と気象の湿度計算。長い導入文を読み切る訓練
社会 5 年とも 2 大問・小問 12〜20。記述が 19〜47% 1 つの題材に地理・歴史・公民が混ざる。「あなたならどうするか」の提案記述が 5 年中 3 年 資料を根拠にして 2〜3 文で自分の案を書く練習。環境・資源と古代〜幕末

8-1. 算数

資料のある年は 2012・2015〜2026 の 13 年分です。ここでは設問文まで一問ずつ読み直した 2021〜2026 の 6 年を中心に書きます。試験時間は年度の募集要項では回によって 40 分(国算 2 科の回)と 60 分(算数 1 科の回)に分かれますが、冊子そのものに時間の印字は見当たりませんでした。

年度×大問の題材表(精読した 6 年)

年度 大問 1(4 問) 大問 2(4 問) 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6
2021 計算/逆算/1÷7 の小数第 2021 位/さいころ 3 個の積が偶数 食塩水/数列の和/電車とバスの集合/円の色分け面積差 速さ(24cm の線香に火をつける) 場合の数(赤・緑・黄の玉をルールつきで並べる) 速さとグラフ(A・B 間を往復する 2 人) 立体の切断(立方体を 3 点で切る)
2022 計算/逆算/4 数の和差算/道順 約数が 3 個の数/速さ(同じ向きに歩く 2 人)/円周 9 等分の三角形/長方形と正方形の面積 数の性質(裏返した 3 枚のカードを推理) 立体(三角柱 2 つの重なりの体積) 速さ(マラソン大会の 4 人) 平面図形(正六角形上を動く 2 点と三角形の面積)
2023 計算/逆算/5 問のアンケートの答え方/マス目の中の正方形の個数 速さ(旅人算)/時計算/「かたたたき」の並べ方/相似で長さを出す 規則性(5/2, 5/3, 9/4, 9/5 … の分数列) 平面図形(三角形を回転させた図) 立体(立方体を切り落としてできる立体の面と体積) 速さ(円周上を回る 2 点と正三角形)
2024 計算/逆算/食塩水の蒸発/正三角形をくみ合わせた図の正三角形の個数 速さ(100m を 15 秒)/1・2・3 を並べた 6 けたの整数/年齢算/面積 規則性(1, 3, 7, 15, 31, 63, 127 …) 推理(「この文の中に 1 という数字は□個ある」) 割合と比(長方形の中の三角形の面積比) 食塩水(2 つのじゃ口で水そうに入れる)
2025 計算/逆算/食塩水の追加/アからクの角の和 仕事算/みかんとりんごの和差算/3 でも 4 でも割って 2 あまる数/正六角形の面積 規則性(1, 3, 8, 10, 15, 17, 22, 24, 29 …) 売買損益(りんご 100 個の仕入れと定価) 場合の数(1〜4 から 3 つ選ぶ 3 けたの整数) 平面図形(半円・直角三角形・台形の組み合わせ)
2026 計算/逆算/1 の位が 6 の 2 けたの整数の和/1 辺 2026cm と 1013cm の立方体の体積比 4 人から 2 人/3.138・22/7・3.14・158/49 の大小/年齢算/長方形の折り返しの角 規則性(A〜G の土地をルールにしたがって移動する) 仕事算(A・B・C のじゃ口) 平面図形(正三角形の各辺を 3 等分した図) 平面図形(3 種類のピースで正方形を作る)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

頻出単元と周期(2021〜2026 の 6 年で数えた)

単元 出た年(大問または小問の位置) 回数
場合の数 2021 大問 1(4)・大問 4、2022 大問 1(4)・大問 2(3)、2023 大問 1(3)(4)・大問 2(3)、2024 大問 2(2)、2025 大問 5、2026 大問 2(1) 6 年すべて
平面図形の面積・面積比 2021 大問 2(4)、2022 大問 2(4)・大問 6、2023 大問 2(4)・大問 4、2024 大問 1(4)・大問 2(4)・大問 5、2025 大問 2(4)・大問 6、2026 大問 2(4)・大問 5・大問 6 6 年すべて
速さ 2021 大問 3・大問 5、2022 大問 2(2)・大問 5、2023 大問 2(1)・大問 6、2024 大問 2(1) 4 年(2025・2026 は無し)
規則性・数列 2021 大問 1(3)・大問 2(2)、2023〜2026 の大問 3 5 年
数の性質 2022 大問 2(1)・大問 3、2025 大問 2(3)、2026 大問 1(3)・大問 2(2) 3 年
食塩水の濃度 2021 大問 2(1)、2024 大問 1(3)・大問 6、2025 大問 1(3) 3 年
立体図形 2021 大問 6、2022 大問 4、2023 大問 5、2026 大問 1(4) 4 年(大問としては 2023 が最後)
仕事算 2025 大問 2(1)、2026 大問 4 2 年
年齢算 2024 大問 2(3)、2026 大問 2(3) 2 年

速さは 2021〜2024 の 4 年連続で大問に入っていたのに、2025・2026 は小問にも出ていません。逆に平面図形は 2026 に大問 5・大問 6 と 2 題まで増えました。図形の比重が上がり、速さが引いた 2 年が続いている、という読み方ができます。

食塩水は出方が 3 通りに分かれます。蒸発(2024 大問 1(3))・追加(2025 大問 1(3))・じゃ口から入れ続ける(2024 大問 6)で、家では 3 通りとも通しておくと取りこぼしがありません。

問い方の特徴

8-2. 理科

資料のある年は 2012・2015〜2023 の 10 年分で、2024 年度以降の理科は資料にありません。ここでは設問文まで読み直した 2021・2022・2023 と、大問構成だけ確認した 2018〜2020 を使います。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2018 4/30 エタノール水溶液の重さと体積 星・星座 てこ実験器で 3 種のおもりの重さを比べる 埼玉県内の河川敷の生態系(父と子の会話)
2019 4/28 田んぼの跡地とソーラーパネルの生き物 色の粒を分ける実験(開智未来の体験授業) 積み重ねた本とつり合い 埼玉県の地形と地層
2020 3/19 洗濯物と湿度(母との会話) 中和と結晶 庭と畑の植物のつくり
2021 3/25 地球上の水の循環と地層(図 2 枚) 水溶液と電流(科学クラブの会話+実験 1〜8) 「どこから見るか」で変わる運動(電車と回転台)
2022 3/24 ツノの大きなカブトムシと小さなカブトムシ 星の明るさと色・惑星の分類 5 種類の気体を実験で見分ける
2023 3/20 ふりことおもりの衝突 5 月の空と台風・湿度(先生との会話) 中和と溶解度

空欄はその年にその番号の大問が無いことを示します。

同じ場所に同じ種類の問題が出るか

理科の座席は算数ほど固まっていません。 2018・2019 は 4 大問(生物・化学・物理・地学が 1 題ずつ)だったのが、2020 年から 3 大問に減り、2020〜2023 の 4 年はすべて 3 大問です。分野の並び順も年ごとに入れ替わります(2021 は地学→化学→物理、2022 は生物→地学→化学、2023 は物理→地学→化学)。位置で狙い撃ちする学校ではありません。

固まっているのは中身ではなく作り方のほうで、次の 3 つは 2018〜2023 の 6 年すべてに共通していました。

  1. 長い導入文(会話文・実験の説明)を読ませてから問います。3 大問のうち 2 題以上が【会話文】または【実験】つき。導入文の平均は 1,379 字(自動集計)で、設問文(2,194 字)とほぼ同じ量を読ませます。
  2. 表やグラフの数値を使った計算が必ず入ります。2021 は電気分解で発生する気体の体積、2022 は空気中のアルゴンの体積、2023 は湿度(1m³ に含む水蒸気量)と中和で残る固体の重さ。「小数第 1 位を四捨五入して整数で」のような桁指定が付きます。
  3. 主人公が「未来くん(未来君・未来さん)」です。2018・2019・2020・2021・2022 の会話文・実験文にこの名前が出てきます(2023 は「未来さんと開智先生の会話」)。6 年連続です。

頻出単元と周期(2018〜2023 の 6 年)

分野 単元 出た年
化学 水溶液の性質・気体の判別 2018(エタノール水溶液)・2019(色の粒の分離)・2021(水溶液と電流)・2022(5 種の気体)
化学 中和・溶解度 2020・2023
地学 気象(湿度・台風) 2020・2023
地学 地層・流水 2019・2021
地学 星・惑星 2018・2022
物理 てこ・つり合い 2018・2019
物理 物体の運動(ふりこ・相対運動) 2021・2023
生物 こん虫・動物 2019・2022
生物 生態系・食物連鎖 2018・2019(大問 1 の中)・2022(大問 1 の中)
生物 植物のつくり 2020

化学は 6 年すべてに入っていて、水溶液(判別・気体)と中和・溶解度の 2 系統が交互に見えます。地学も 6 年すべて。物理は 2020・2022 に大問がありません。生物は 2021・2023 に大問がありません。3 大問しか無いぶん、毎年どれか 1 分野が休みます。

問い方の特徴

8-3. 社会

資料のある年は 2012・2013・2015・2016・2017 の 5 年分だけで、2018 年度以降の社会は資料にありません。ここに書いたのは 2012〜2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 記述の割合
2012 2/16 人口と首都圏(国勢調査・埼玉県の隣県) 幕末〜明治(ノルマントン号事件と治外法権) 19%(3 問)
2013 2/20 琵琶湖の環境(植物プランクトンの異常発生・人口増減率) 江戸(武家諸法度・楽市楽座) 35%(7 問)
2015 2/16 埼玉県行田市の古墳から飛鳥・奈良(先生と生徒の会話) 琵琶湖フィールドワークの図(環境と条例) 25%(4 問)
2016 2/19 生徒が作った史跡紹介ホームページ(平泉・城・大輪田泊) みかん「みらい」の価格とお金の役割(自由研究) 47%(9 問)
2017 2/12 資料 I〜V(地形図・自然エネルギー・観光客数) 茶の歴史(奈良〜平安〜幕末の史料) 33%(4 問)

大問の並びと中身

問い方の特徴

頻出テーマ

テーマ 出た年
環境・資源・エネルギー 2013(琵琶湖の水質)・2015(琵琶湖の条例)・2017(地熱・自然エネルギー)
古代(飛鳥・奈良・平安) 2015・2016・2017
江戸〜幕末 2012(治外法権)・2013(武家諸法度・楽市楽座)・2017(五品江戸廻送令)
経済・お金 2016(需要と供給・貨幣の役割・キャッシュレス)
人口・都市 2012・2013
地形図の読図 2017

8-4. 国語

資料のある年は 2011・2012・2015・2016・2022 の 5 年分です。2023 年度以降の国語は資料に無く、2017〜2021 も飛んでいます(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2011〜2022 年度のうち精読した 5 年に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1(説明文・論説) 大問 2(物語・小説) 大問 3(知識)
2011 3/16 庭・灯籠・蹲と茶の湯、一休の生き方 父の仕事に気づく少年(雨とひなたの匂い) 詩の読解+ことわざ(植物名)+漢字
2012 3/28 小惑星探査機「MUSES−C」の技術 むち打ちの母と祖母(涙が光る場面) 文節と単語の数・主語述語・語句の意味・慣用句・漢字 5 問
2015 3/25 「若者言葉」と「やばい」——感情の質 村中でする「かいぼり」と子どもたち 主語述語・慣用句・敬語・作品と作者(太宰治)・漢字 6 問
2016 3/26 ソクラテスの反駁的対話と実践理性 犬のチロの死と外国暮らしの家族 主語述語・四字熟語・敬語・作品と作者(高村光太郎)・漢字 6 問
2022 3/25 忠誠と離脱——『論語』と『葉隠』の諫言 阪神・淡路大震災で身を寄せた祖母と孫 主語述語・慣用句・敬語・作品と作者(宮沢賢治)・漢字 6 問

同じ場所に同じ種類の問題が出る(この学校で最もはっきりしている固定)

大問 3 の知識問題は、設問の並びも問い方の文も、2015・2016・2022 の 3 年で一字一句そろっています。 原本で並べて確認できたのは次の 5 つです。

位置 問い方(3 年とも同文) 2015 2016 2022
問一(2 問) 「次の各文(文節で区切ってある)の主語と述語を記号で答えなさい。文中になければ『なし』と答えなさい。」
問二(2 問) 「下の意味を読み、□にあてはまる最もふさわしい言葉を、漢字一字で答えなさい。」
問三(2 問) 「次の文を読み、線部を正しい尊敬語または謙譲語に直しなさい。」
問四(1 問) 「次の作品の中から『◯◯』の著書を、次のア〜エの中から選び、記号で答えなさい。」 太宰治 高村光太郎 宮沢賢治
問五(6 問) 「次の各文の線部を漢字に直しなさい。」

2012 の大問 3 も同じ路線で、主語述語(「次の各文(文節で区切ってある)の主語と述語を記号で答えなさい」)と慣用句の漢字一字、漢字 5 問が入っていました(敬語と作品・作者は無く、代わりに文節・単語の数と語句の意味が入ります)。大問 3 だけで 13 問(2015・2016・2022)、小問全体の半分がここにあります。

問い方の特徴

出典(原本の本文末尾の表記で確認できたものだけ)

年度 大問 1 大問 2 その他
2011 上田篤『庭と日本人』 長野まゆみ『野川』 大問 3 に野上弥生子『花』
2012 佐藤真澄『小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』 重松清『かあちゃん』
2015 清水真木『感情とは何か——プラトンからアレントまで』 阿部夏丸『泣けない魚たち』
2016 『ヨーロッパ思想入門』(著者名は転写で 1 字欠けているため書きません) 岩城けい『Masato』
2022 本文末尾の出典表記が転写に無いため書きません 同左

説明文は思想・哲学・科学の入門書から、物語は家族と別れ(父の仕事、母と祖母、犬の死、震災)から採られている年が多いところです。2016 の大問 1(ソクラテス)と 2022 の大問 1(『論語』と『葉隠』)は、小学生向けの説明文としてはかなり硬い部類に入ります。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

精読した年の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認できた年度を指します(算数は 2026 年度、国語は 2022 年度、理科は 2023 年度、社会は 2017 年度までを見ています)。

科目 単元 出た年 最終確認年度 状況
算数 立体図形(切断・体積) 2021 大問 6・2022 大問 4・2023 大問 5・2026 大問 1(4) 2026 年度(大問としては 2023 年度) 3 年連続で大問だったのに 2024・2025 は消え、2026 は大問 1 の小問 1 つだけ。戻ってくる候補の筆頭
算数 速さ・速さとグラフ 2021 大問 3・大問 5、2022 大問 5、2023 大問 6、2024 大問 2(1) 2024 年度 2021〜2024 は毎年あったのに 2025・2026 は小問にも無い。2 年空き。ダイヤグラムを読む形は 2021 大問 5 が最後
算数 売買損益 2025 大問 4 2025 年度 6 年で 1 回だけ。文章題の枠(大問 4〜5)で入れ替わる単元の 1 つ
算数 集合(ベン図) 2021 大問 2(3) 2021 年度 6 年で 1 回。小問集合の枠に戻る候補
算数 時計算 2023 大問 2(2) 2023 年度 6 年で 1 回
理科 星・星座 2018・2022 2022 年度 4 年周期。2022 を最後に空き
理科 てこ・つり合い 2018・2019 2019 年度 2020 以降は大問として出ていない
理科 植物のつくり 2020 2020 年度 2021〜2023 は空き。生物の大問が来る年の候補
理科 電気・電流 2021(大問 2 の中) 2021 年度 電気分解として出ただけ。回路そのものは 2018〜2023 の 6 年に大問が無い
理科 4 大問の並び 2018・2019 2019 年度 2020 から 3 大問。回によって冊子が違う可能性があるので、市販の過去問で大問数を確認してほしい
社会 地形図の読図 2017 2017 年度 精読した 5 年で 1 回。2017 で新しく入った形なので、以後も続いている可能性がある
社会 公民(経済・金融) 2016 2016 年度 精読した 5 年で 1 回。憲法・国会・選挙を正面から問う設問は 5 年に見当たらない
社会 近現代(明治以降) 2012・2017 2017 年度 幕末で止まる年が多い
国語 詩の読解 2011 大問 3 2011 年度 精読した 5 年で 1 回。大問 3 が知識だけになる前の形

10. 形式面の注意


11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)

この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さが最優先です。算数の大問 1(1)(2) は 6 年連続で計算と逆算なので、分数と小数の混じった四則、かっこが二重・三重になる逆算を、時間を計らずに正確に。図形は「目で分ける」練習の入口だけ——正三角形・正六角形を等分する、折り返した角を見つける、という見方です。この学校の図形は道具(相似・面積比)より「どう分けるか」で決まる問題が多いところです。読解と短い記述は、3〜4 文の文章について「なぜそう思うか」を 2 文で書く習慣を。理科・社会・国語のすべてで最後は「自分の考えを書く」形になります。漢字語彙は、国語の大問 3 の漢字 6 問が毎年書き取りのみなので、送り仮名を含めて書けるように。この段階で時間計測はしません
小 5(幅) 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と逆算(大問 1(1)(2) の形)を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つに使います。単元は次の順に置き、8-1 節の「頻出単元と周期」の表を、小 5 で全分野をひととおり学び終えるための単元リストとして使ってください。速さ → 売買損益(原価・定価・利益を行き来する・受験用教材の単元)→ 食塩水(蒸発・追加・じゃ口から入れ続けるの 3 通り)→ 仕事算(全体を 1 とおいて日数を出す・受験用教材の単元)→ 年齢算(年齢の差が変わらないことを使う・受験用教材の単元)→ 数の性質 → 場合の数 → 規則性・数列 → 平面図形の面積比 → 立体の切断。この学校の大問 4〜6 に入る文章題は、売買損益・仕事算・年齢算・食塩水・場合の数・速さ・数の性質と幅広いところです。理科は 4 分野を均等に回します。3 大問しかないぶん毎年どれかが休むので、山を張らずに全分野を回してください。特に化学(水溶液・気体・中和・溶解度)は 6 年すべてに入っていました。ただし 2024 年度以降の理科は資料がありません(→ 13 節)。社会は「なぜ」を 2〜3 文で書く訓練をここから。記述が全体の 2〜5 割という科目は珍しく、知識を覚えるだけでは形になりません。ただし 2018 年度以降の社会は資料がありません(→ 13 節)。国語は敬語と文法(主語述語・文節)をここで固めておくと、小 6 で大問 3 が丸ごと得点源になります。ただし 2023 年度以降の国語は資料がありません(→ 13 節)。本を読む量も、この学年でつけます。国語の本文は A4 換算で 20 頁ぶん、理科の導入文も 1,300 字を超えるので、長い文章に耐える体力が要ります
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目がそのまま小 6 の優先順です。夏までは、算数の大問 1・2 を 6 年分縦に、国語の大問 3 を資料のある年ぶん縦に。ここは「同じ座席の問題を縦に並べて解く」使い方です。秋以降は、理科と社会を年度通しで、時間を計って解きます。理科は 3 大問を最後まで読み切れるか、社会は記述を残さず埋められるかを見てください(理科は 2024 年度以降、社会は 2018 年度以降の資料がありません。→ 13 節)。直前期は、算数の大問 3(規則性)と大問 4〜6 の後半 1 問。最後の 1 問だけが重い作りなので、「(1)(2) を確実に取って (3) に時間を残す」配分を決めておきます

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 小 5 の幅と、小 6 の反復の両方が効く、めずらしい学校です。算数の大問 1・2 と国語の大問 3 は、座席が決まっているぶん小 6 の反復で確実に伸びます(合わせて算数 8 問・国語 13 問)。一方で、算数の大問 4〜6 に入る文章題の単元、理科の 4 分野、社会の題材は毎年入れ替わるので、小 5 までに幅を作っていないと後半の大問で手が止まります。小 4〜小 5 で幅を作り、小 6 で固定されている座席を反復する——この順番が、この学校の出題の作りにいちばん合っています。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。入試日程の重なり・難易度・偏差値帯・通学圏・共学か別学かは扱いません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。 算数だけで見ると、東京都市大学等々力中学校(東京都・共学)の近さが 8 校で最上位で、大問数・小問数の作りが近い一方、社会の作りは離れています。


13. 資料の限界


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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