中村中学校 の過去問分析
中村中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
中村中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回相当・算数 16 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都江東区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 一般入試 2 月 1 日午前・2 月 2 日午前・2 月 4 日午後(3 日程を合わせて 80 名)/特待生入試 2 月 1 日午後・2 月 2 日午後(2 日程を合わせて 25 名)/適性検査での受験 2 月 1 日午前/ポテンシャル入試 2 月 4 日午前(合わせて 9 名)。一般入試・特待生入試は 2 科(国語・算数)または 4 科の選択制です(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 一般入試・特待生入試: 国語 50 分 100 点、算数 50 分 100 点、理科と社会は合わせて 50 分で理科 50 点・社会 50 点(理社の内訳は公表されていません)/適性検査での受験: 適性Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 各 45 分 100 点(都立両国中・都立白鷗中の問題を意識した出題)/ポテンシャル入試: 活動アピール 5 分+個別面接 10 分+作文 30 分(テーマは事前に発表)、または英語 1 科 60 分(英検 4〜3 級程度) |
| 面接 | ポテンシャル入試で活動アピールを選んだ場合に個別面接 10 分があります。ほかの回に面接はありません |
| 特待 | 特待生入試には S・A・B の特待合格があります |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科目とも、大問の数と「何番に何の種類の問題が来るか」という座席(問題の置き場所)が固定されています。算数は大問 4 つ、理科は生物 → 物理 → 地学 → 化学、社会は地理 → 歴史 → 公民・国際 → 現代の課題、国語は漢字 10 問 → 説明文 → 物語の順です。
- 固定されているのは並びだけで、中身(題材・単元)は毎年作り直されます。
- 記述が 4 科目すべてにあります。理科は 17〜33%、社会は 3 年とも 5 問、算数は大問 3・4 で 2〜3 問、国語は 2016 年度に 31 問中 7 問でした。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 2 の 9 枠を、枠ごとに 3 年分縦に解きます。
- 理科と社会を合わせて 50 分で通す演習をします。
- 社会の資料読み取りの記述を 1 日 1 問、2 文で書きます。
今週やる 1 つ
- 2025 年度の理科と社会を、合わせて 50 分で続けて解いて、どちらから解くか・記述をどこで書くかを決めます。
注意
- 過去問の資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、入試回の区別が付きません。2 月 1 日午前の一般入試(4 科)に相当するものと見て読んでいます。国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。図形の細部は図の説明文からの読み取りになるが、大問構成と題材の把握に支障はない |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010・2012〜2022) | 15 年(2010・2012〜2025。2011 年度は資料が無い) | 中〜高。図と写真の多い年は転写の粒度が粗くなる。小問数は 18〜21 で読み取れた |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010〜2013・2015〜2022) | 15 年(2010〜2013・2015〜2025。2014 年度は資料が無い) | 中。資料(グラフ・写真・断面図)の比重が大きい科目で、資料そのものは文字の説明に置き換えられている。2023 の大問 1(問 6)と 2024 の大問 4(3)は転写が一部欠けており、その小問は分析から外した |
| 国語 | 3 年(2010・2015・2016) | 0 年 | 3 年(2010・2015・2016)。2011〜2014・2017〜2025 は問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) | 高(ただし 3 年分のみ) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 過去問の資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、入試回の区別が付きません。2 月 1 日午前の一般入試(4 科)に相当するものと見て読みました。特待生入試・適性検査による入試・ポテンシャル入試・帰国生入試の問題は、この資料には含まれていません。
- 資料そのものの異常(他校の解答の混入・年度のずれ・同じ設問文の重複)は、今回精読した 12 冊(算数・理科・社会 各 3 年+国語 3 年)では見つかりませんでした。
- 国語について: 2017 年度以降の問題文が資料に無いのは、著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです。国語の記述は 2010・2015・2016 年度に限った話として読んでください。
- 試験時間・配点は 1 節にまとめました。理科と社会の 50 分の内訳は公表されていません。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、大問の数と「何番に何の種類の問題が来るか」という座席がよく固定されています。ただし「同じ問題が出る」のではなく、「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味の固定です。
精読した 2023・2024・2025 の 3 年で確認できた座席は次のとおりです。
- 算数: 大問 4 つ。大問 1 は計算 2 問(「円周率は 3.14 とします」の但し書き付き)、大問 2 は一行題(数行で終わる短い文章題)9 問、大問 3・4 は「図や式や考え方も解答用紙にかきなさい」が付く大問です。しかも大問 2 の中の並びまでそろっていて、(1) は 3 年とも食塩水の濃度、(6) は 3 年とも角度、(7) は 3 年とも平面図形、(8)(9) は 3 年とも立体か量の変化を図で追う問題でした。構成だけ数えた年まで含めると、大問 1 が計算という並びは 2010 年度から 16 年間動いていません。
- 理科: 大問 4 つ。大問 1 生物 → 大問 2 物理 → 大問 3 地学 → 大問 4 化学の並びが 3 年連続です。構成だけ数えた年まで含めると、大問 1 が生物・大問 3 が地学という並びは 2012 年度から 14 年、大問 2 が物理は 2020 年度から 6 年、大問 4 が化学は 2023 年度から 3 年続いています。
- 社会: 大問 4 つ。大問 1 地理 → 大問 2 歴史 → 大問 3 公民・国際 → 大問 4 現代の課題という並びが 3 年連続です。社会が大問 4 つになったのは 2019 年度からで、そこから 7 年続いています(2018 年度以前は大問 2 つでした)。
- 国語: 大問 3 つ。大問 1 が漢字の書き取り 10 問、大問 2 が説明文、大問 3 が物語です。この並びは 2010・2015・2016 の 3 年とも同じでした(2017 年度以降は資料がありません)。
一方で毎年作り直されるのは中身です。算数の大問 3・4 の題材(推理・規則性・売買損益・速さとグラフ)、理科の各分野の中の単元(てこ → 音 → 光、気象 → 星 → 月)、社会の切り口(修学旅行・米作り・遊び/道の歴史・経済の歴史)は年ごとに入れ替わります。数値まで同じ問題の再出題は、今回精読した範囲では見つかっていません。
したがって過去問の使い方は「同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解く」がいちばん効きます。算数の大問 2 の (1)(6)(7) を 3 年分並べる、理科の大問 4(化学)だけを 3 年分解く、社会の大問 4(現代の課題の記述)だけを 3 年分書く、という使い方です(手順は 過去問の使い方)。時間配分の練習は別に必要で、とくに理科と社会が合わせて 50 分である以上、理社を一続きで解く通し演習は欠かせません。
もうひとつの柱が記述です。理科は 3 年とも 17〜33%、社会は 3 年とも 5 問(23〜26%)、算数も大問 3・4 で 2〜3 問が「考え方を書く」設問です。国語も 2016 年度には 31 問中 7 問が記述でした。書いて答える練習を 4 科目すべてで積むことが、この学校の過去問から読み取れる最大の要求です。
6. この学校らしさが出る場所
- 問題文に自校の生徒が登場します。 理科は 2023 が 4 大問中 3 題、2024 が 4 題すべて、2025 が 4 題中 3 題で「中村中学校の◯◯さん」が主人公です。社会も 2023 の大問 1 は「清香さんと直子さん、明美さん」の修学旅行の会話、2025 の大問 3 は「中村中学校に通うあかりさんときよみさん」の教室での会話から始まります。ほかに澄江さん・清子さん・清美さん・澄子さんが出てきます。受験生が自分の学校生活を重ねながら読む作りになっているように見えます。
- 江東区と東京の低地が社会で 3 年連続です。2023 は江東区長のウクライナ声明、2024 は江東区の河川と親水化事業・江東区内の地下鉄駅の出入口が階段を上ってから下る理由、2025 は清澄白河駅の防災備蓄倉庫。地形・水・防災という筋で地元が繰り返し題材になります。
- 身近な道具と生活から理科に入ります。てこ(2023)、ギターの弦(2024)、鏡(2025)、ペットショップのメダカ(2023)、アサガオの観察(2024)、理科部のカルメ焼き(2024)、七夕の織姫と彦星(2024)、パリの開会式(2025)、摩耶山へのハイキングと与謝蕪村の句(2025)。実験室の装置より先に、生活の中のものが入口になります。
- 「あなたはどうするか」を書かせます。社会 2023 の「消費者としてフードロス削減のためにできること」(50 字以内)、社会 2024 の「戦争を許さないために私たちが努力できること」、国語 2016 の「ある特定の知識を一つ例に挙げ、それを持っていることで他の場面でどのように生かせるか」。知識を答えて終わりにしない設問が、科目をまたいで置かれています。
- 絵とスケッチで答えさせます。メダカのメスの絵を参考にオスを描く(理科 2023)、台風に吹き込む風を矢印で(理科 2023)、2 枚の鏡での光の道すじ(理科 2025)、鏡に映った自分のハンカチを塗る(理科 2025)。
- 社会の歴史は「1 本の筋で通す」作りです。修学旅行(2023)ではなく、道と交通の歴史(2024 リニアから延喜式・十六夜日記・東海道・新幹線へ)、経済活動の歴史(2025 物々交換から和同開珎・室町の貿易・幕末の開港・石油危機へ)。時代別の暗記より、ひとつのテーマを縦に追う読み方が合います。
- 国語の説明文は研究や実験の紹介が多くなっています。精読した 3 年のうち 2 年(2015 アサリの殻の成長線を調べる実験、2016 文章理解と既有知識の心理学)がこれで、残る 1 年(2010)もレオナルド・ダ・ヴィンチの評伝でした。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。同じ座席の問題を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 2 の 9 枠を枠ごとに縦に解く。 (1) 食塩水は「濃度と食塩水の量から食塩の量」「食塩の量と濃度から食塩水の量」「水を加えたあとの濃度」の 3 つの聞かれ方でそろえます。(6) の角度は正三角形・平行四辺形・二等辺三角形を組み合わせた図で「ア」を求める作りなので、外角と錯角で寄せる手順を固めます。(7) の平面図形は円周率 3.14 の計算をためらわないスピードとセットで。(8)(9) の立体・グラフ(展開図で重なる辺、組み立てたときの文字の向き、直方体を切り取った体積、回転体、水量とグラフ)は一行題の中でいちばん重く、時間切れの原因になりやすい枠です。(2)〜(5) に来る文章題の 9 単元は 1 単元 3 問ずつ、週 1 巡で薄く回します。ここが取れるかどうかで大問 1・2 の 11 問の出来が決まるので、3 年とも同じ枠は確実に取りにいきます。仕上げに大問 1・2 だけを切り出した前半 11 問 20 分のタイムトライアルを、年度通しの演習とは別に置きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科と社会を合わせて 50 分で解く通し演習。 理科 18〜21 問+社会 19〜22 問=40 問前後を 50 分です。どちらから解くか、記述をどこで書くかを自分の手順として決めておきます。理科は 3 年とも全大問が会話文・観察記録から始まるので、長文をつかむ速さそのものが得点になります。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 社会・資料読み取りの記述。3 年とも 5 問が記述で、うち 2〜3 問がグラフや写真を読んで説明する形です。1 日 1 問、資料 2 枚から言えることを 2 文で書きます。あわせて「理由を制度や地形と結びつけて書く」練習(税のしくみ・地形・都市の構造から説明する書き方。2024 の大問 2 問 2 と大問 4 問 2・問 3 がそのまま見本になります)と、語句指定つき記述(指定された語を必ず答えに入れる癖をつける。指定語が採点の軸です)を回します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科・「理由を説明しなさい」の練習。試験管の口がくもる理由、重曹を入れる理由、卵の数が多くても成体が増えない理由と、4 分野すべてで出ます。答えを覚えるのではなく、なぜそうなるかを口で言えるようにしてから書きます。実験を自分で組み立てる設問(2024 大問 1 の「アサガオが自家受粉することを確かめるにはどのような実験を行えばよいか」)には、条件を 1 つだけ変える・比べる相手を用意する、という書き方で答えます。大問 4 の化学は 3 年ともこの枠で、2023・2024 は 2 年連続で気体でした。気体の発生(金属+酸、重曹の加熱)・集め方(水上置換/上方置換/下方置換)・水溶液の判別(リトマス紙・蒸発乾固・結晶の形)をセットで扱います。大問 2 の物理は身近な道具(てこ・ギター・鏡)から入るので、教科書の実験装置ではなく道具の写真や実物で理屈を確かめておきます。大問 3 の地学は天体と気象を交互に置き、月の満ち欠けと時刻・星の日周と年周運動・台風と風向きのどれかが毎年来ると考えて回します。絵や図で答える練習(生き物のスケッチ、風向きの矢印、光の道すじ、鏡像)も、他校の過去問では代用しにくいので別に置きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3・4 の「図や式や考え方も書く」記述。規則性・推理・速さとグラフの 3 系統を 3 年分そろえて練習します。答えだけでなく、「〜だから」「この式は〜を表す」を 1 行入れるだけで採点者に伝わるので、その書き方まで固めます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字の書き取り 10 問。3 年とも大問 1 がまるごとこれで、カタカナを漢字に直す形だけなので、配点上の比重が大きい枠です。送り仮名つきの訓読み(カタらう・アビる・ソらす・タバねる・カギる)を重点的に。同じく毎年同じ場所で問われる、不・未・非・無の使い分け(大問 2 に 3 年連続。熟語 30 個で表を作る)、接続語と副詞の空欄補充(「とはいえ/あるいは/そこで」「あえて/たとえ/なおさら」を前後の文の関係で説明できるように)、物語文の擬態語・様子を表す言葉(オノマトペを場面ごとに集めておく)も、ここに束ねて毎日回します。(確認: 〜2016 年度)
- [週 1 回] 社会・江東区と東京の低地。荒川・隅田川・中川、水運、ゼロメートル地帯、地下鉄と防災、親水化事業。3 年連続で題材になっているので、地図帳で江東区周辺を実際に見ておく価値があります。同じ回に、歴史を「テーマで通す」読み方(道・貨幣・貿易・交通といった 1 つの筋で原始から現代まで並べ直す)、文 A・B の正誤組合せと並べかえ(毎年出ます。ひとつの文の中の誤りを 1 か所見つける読み方)、地図記号・八方位・雨温図・工業地帯の統計(大問 1 の前半で毎年どれかが問われます)を足します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 国語・字数指定つき記述と「自分の考え」。20 字・30 字・40 字・50 字・60 字の書き分けを、「〜から。」(理由)「〜こと。」(内容)「〜気持ち。」(心情)の文末から逆算します。「性格の点」「仕事の点」のように観点を分けて書かせる設問には、指定された 2 つの観点それぞれに 20 字ずつというきざみ方で慣れます。「自分ならどうするか」を書く練習(社会 2023 のフードロス 50 字以内、社会 2024 の「戦争を許さないために私たちが努力できること」、国語 2016 の「知識をどう生かせるか」)は 3 科目にまたがって同じ姿勢が求められているので、ここでまとめて扱います。フードロス・平和・共生といったテーマで、「私は〜する。なぜなら〜だから。」を 50 字に収める練習が効きます。説明文は研究・実験の紹介に慣れておき、手順と結論を追いながら読みます。2017 年度以降は市販の過去問集で、①大問 3 つの構成が続いているか、②記述の数(2016 で 7 問まで増えていました)、③意見記述の有無、の 3 点をまず確かめてください。(確認: 〜2016 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 16〜18)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。大問の数と各大問の役割は 3 年とも同じで、構成だけ数えた年まで含めると大問 4 つという枠は 2010〜2025 の 16 年間動いていません。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1(計算 2 問) | 大問 2(一行題 9 問) | 大問 3(考え方を書かせる) | 大問 4(考え方を書かせる) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4/17 | 分数の四則/整数の四則 | (1) 食塩水 (2)〜(5) 数列(58,43,30,19…)・植木算(200m に 20m おき)・過不足算(えんぴつ)・速さ(1200m 先を追いかける) (6) 角度(合同な正三角形 2 つ) (7) おうぎ形のまわりの長さ (8)(9) 展開図で重なる辺・直方体から切り取った立体の体積 |
推理・論理(5 チームの勝敗表と勝ち点) | 売買損益(コーヒー豆 A・B・C の配合と代金) |
| 2024 | 4/18 | 分数・小数の混合/帯分数の四則 | (1) 食塩水 (2)〜(5) 集合(野球とサッカー 60 人)・平均算(A 組 B 組)・和差算(姉妹の折り紙 66 枚)・流水算(時速 30km の船) (6) 角度(平行四辺形と正三角形) (7) 正方形と半円の色つき面積 (8)(9) 立体の体積・展開図に MATH の文字を書き入れる作図 |
規則性(A〜E の 5 枚のカードとさいころの目) | 速さとグラフ(中村さんが家 → ケーキ屋 → 忘れ物で家 → 友達の家) |
| 2025 | 4/16 | 分数・小数の混合/中かっこ入りの逆算(□にあてはまる数を求める計算) | (1) 食塩水(水を加える) (2)〜(5) 過不足算(あと玉)・数列(1 2 3 の繰り返し)・速さ(家と公園)・場合の数(0〜4 のカード 2 枚) (6) 角度 (7) 1cm・2cm・3cm の正方形を並べた図の面積 (8)(9) 回転体の体積・水量とグラフ |
規則性(正三角形を段に並べて数を入れる) | 推理・論理(的当てゲームの 3 点・2 点・1 点) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ番号に来るという意味の固定が、この科目ではかなり強く出ています。
- 大問 1 は計算 2 問だけです。しかも冒頭に「円周率は 3.14 とします」の但し書きが 3 年とも付きます。大問 1 が計算であること自体は、構成だけ数えた年まで含めると 2010 年度から 16 年間変わっていません。
- 大問 2 は一行題 9 問で、この 9 枠の並びが 3 年連続でそろっています。
- (1) は 3 年とも食塩水の濃度です。2023「7% の食塩水□g に含まれる食塩は 24.5g」、2024「3% の食塩水 140g に含まれる食塩の量は□g」、2025「6% の食塩水 200g に水 100g を加えてできる食塩水は□%」と、聞き方を入れ替えただけの同じ枠です。
- (2)〜(5) の 4 枠は文章題です。3 年で使われたのは 数列・植木算・過不足算・速さ・集合・平均算・和差算・流水算・場合の数 の 9 単元で、過不足算(2023・2025)、速さ(2023・2025)、規則性(2023・2025)が 2 回ずつ出ています。
- (6) は 3 年とも角度です。図の中の「ア」の角度を求める形も 3 年同じです。
- (7) は 3 年とも平面図形です(おうぎ形のまわりの長さ/正方形と半円の色つき面積/正方形 3 つを並べた図の面積)。
- (8)(9) は 3 年とも立体か、量の変化を図で追う問題です(展開図・体積・回転体・水量とグラフ)。
- 大問 3 と大問 4 は「図や式や考え方も解答用紙にかきなさい」が付く大問です。3 年とも、この 2 題のうち 2〜3 問にこの但し書きが付きます。規則性・数列は 2024・2025 と 2 年連続で大問 3 に入り、推理・論理は 2023 が大問 3、2025 が大問 4 と、隔年でこの 2 枠を行き来しています。
つまり過去問の使い方は「同じ座席を縦に解く」に近くなります。大問 2 の (1)(6)(7) を 3 年分並べて解くと、この学校が毎年同じ場所で何を測っているかがはっきり見えます。
問い方のくせ
- 大問 2 は「次の□にあてはまる数を求めなさい」という一括の指示で 9 問をまとめて出します。答えのみで、途中式は要りません。□に入るのは答えそのものではなく文中の数という年もある(2023 (1) は食塩水の重さが□、2025 (1) は濃度が□)ので、何を聞かれているかを読み違えない練習が要ります。
- 大問 3・4 の記述は「答え+その根拠を図や式で示す」形です。2025 大問 4 (2) は「考えられるすべての組み合わせを答えなさい」で、場合を数え上げて漏れがないことを示すところまでが答えになっています。
- 記号選択の問題はごく少なく、3 年で 2 問だけです(2023 大問 3 (1)「○か×か」、2024 大問 3 (1)「どのカードか」)。
- 図のある小問は全体の 4 割前後で、大問 2 の (6)〜(9) と大問 3・4 に集中します。
- 展開図と見取り図を往復する問題は、3 年とも大問 2 の (8) か (9) に入っています。
8-2. 理科(社会と合わせて 50 分・50 点・大問 4・小問 18〜21)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 小問数 | 大問 1 生物(5 問) | 大問 2 物理(5 問) | 大問 3 地学(4〜5 問) | 大問 4 化学(4〜5 問) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 20 | メダカ(ペットショップの品種・ヒレ・オスの絵・川に流してはいけない理由) | てこ(力点・作用点・支点、実験 1・2 のつり合いの計算) | 気象(猛暑日・台風に吹き込む風・都道府県庁所在地の最高気温の資料・沸騰する温度) | 気体(亜鉛+硫酸で発生する気体・集め方・同じ方法で集まる気体・試験管の口がくもる理由) |
| 2024 | 21 | アサガオの花のつくりと自家受粉・風媒花・受粉後のめしべの変化 | 音(ギターの弦の太さ・張り・長さと音の高さ) | 星・星座(織姫と彦星、わし座・こと座・夏の大三角・等星の明るさ・オリオン座の日周と年周) | 気体(カルメ焼きと重曹・発生する気体・同じ気体を出す方法・重曹を入れる理由) |
| 2025 | 18 | 動物の生まれ方(胎生・へその緒・ヒトの妊娠期間・こん虫の冬越し・卵の数と成体の数) | 光(鏡の反射・2 枚の鏡・鏡像の左右・全身を映すのに必要な鏡の大きさ・凹面鏡で光が集まる理由) | 月(公転日数・与謝蕪村の句に合う月の位置・7 日後と 10 日後の月・月の出と南中の時刻) | 水溶液(同じ濃度の 5 種類 A〜E の判別・リトマス紙・結晶の形・火を使う実験の注意) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 生物 → 大問 2 物理 → 大問 3 地学 → 大問 4 化学の並びが 3 年とも同じです。 構成だけ数えた年まで含めると、大問 1 が生物である並びは 2012 年度から 14 年、大問 3 が地学である並びも同じく 14 年続いています。大問 2 が物理という並びは 2020 年度から 6 年、大問 4 が化学という並びは 2023 年度から 3 年です。
- 大問 4 が 2 年連続で気体でした(2023 は亜鉛と硫酸から出る気体、2024 はカルメ焼きの重曹から出る気体)。どちらも「何の気体か → どう集めるか → 同じ気体を出す別の方法」という同じ道すじをたどります。
- 大問はすべて会話文か観察記録から始まります。3 年 12 大問のうち、「中村中学校の◯◯さん」が登場する導入は 2023 が 4 題中 3 題、2024 が 4 題中 4 題、2025 が 4 題中 3 題。設問は下線部と空欄に紐づくので、会話文を読み飛ばすと解けない作りが 3 年とも共通しています。
- 大問 4 つ・小問 18〜21 という枠は 3 年とも同じで、構成だけ数えた年では 2010 年度から大問 4 が続いています。
問い方のくせ
- 説明の記述が毎年あります。2023 は 20 問中 4 問(20%)、2024 は 21 問中 7 問(33%)、2025 は 18 問中 3 問(17%)。文末は「簡単に説明しなさい」「理由を 1 つ説明しなさい」が定番です。
- 記述の中身は 3 系統に分かれます。①理由を説明する(試験管の口がくもる理由 2023、重曹を入れる理由 2024、卵の数が多くても成体が増えない理由 2025、凹面鏡で光が集まる理由 2025)②実験を自分で組み立てる(2024 大問 1 (4)「アサガオが自家受粉することを確かめるにはどのような実験を行えばよいか。実験の内容とそう考えた理由を説明しなさい」)③方法を 1 つ挙げる(同じ気体を発生させる方法 2024、同じ高さの音を出す方法 2024、火を使う実験で気をつけること 2025)。
- 作図が 2023 に 2 問、2025 に 2 問あります。メダカのオスをメスの絵を参考に描く(2023)、台風に吹き込む風を矢印で描く(2023)、2 枚の鏡で反射した光の道すじを描く(2025)、鏡像で黒いハンカチがどちらの手に見えるかを塗って示す(2025)。絵や図で答えさせる問題が、この学校には定着しています。
- 記号選択の比率は年によって振れます(2023 15%、2024 24%、2025 44%)。2025 は選択が最多で、記号で答える設問が 18 問中 8 問ありました。
- 文字種・字数の指定が付きます(「ひらがな 2 文字で」2023、「漢字 2 文字で」2023、「漢字 4 文字で」2024)。時刻は「24 時制で。例 正午→12 時」のように答え方まで指示されます(2025)。
- 計算は多くありません。3 年で確認できたのは 2023 のてこのつり合い、2024 の等星の明るさ(2.5 倍が 3 段階)、2025 の全身を映す鏡の大きさくらいで、大半は現象を言葉で説明させる方に寄っています。
- 資料(グラフ・表・写真・図)を読ませる小問が各大問に入ります。2023 大問 3 の「都道府県庁所在地の最高気温」のように、初めて見る資料をその場で読む設問があります。
8-3. 社会(理科と合わせて 50 分・50 点・大問 4・小問 19〜22)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 小問数 | 大問 1 地理(6〜8 問) | 大問 2 歴史(7〜8 問) | 大問 3 公民・国際(3 問) | 大問 4 現代の課題(3 問) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 22 | 修学旅行の会話(神社の地図記号・ぶどうの生産・山陽新幹線と 1995 年の災害・神戸港の貿易額 ・神戸空港が人工島である利点・阪神工業地帯・府県の形と府庁所在地) |
縄文から現代までの通し(奈良時代の政策・三種の神器・阿部仲麻呂の絵の読み取り・仏教史の並べかえ ・ペリー・鎖国の 4 つの窓口・浮世絵の作者) |
江東区長のウクライナ声明(人道支援を要する子どもの数・「民主主義の学校」の理由・憲法 25 条の生存権) | マクドナルドと世界(資料 1〜4 の読み取り・京都の看板の規制・フードロス削減のために自分ができること 50 字以内) |
| 2024 | 19 | 米作りの名人 中山久蔵(大阪平野の成り立ち・東北地方・東海工業地域・気候と土壌・釧路湿原の保護・北海道に主業経営体が多い理由) | リニア中央新幹線から日本の道の歴史へ(延喜式と古今和歌集・調庸の運搬・十六夜日記・東海道の浮世絵 ・幕府と大名・近代の戦争・1964 年の国際的行事) |
沖縄戦の詩(憲法 9 条の空欄・核兵器禁止条約・戦争を許さないために私たちができること) | 江東区の河川と親水化事業(SDGs の目標・日本の川の勾配と洪水・江東区の地下鉄出入口が階段を上ってから下る理由) |
| 2025 | 19 | 日本各地の遊び(マジカルバナナと都道府県・関東で「まよいみち」が不向きな理由・北海道の輪作・関西の県・諏訪湖周辺の生糸と機械・利根川と水郷) | 経済活動の歴史(物々交換・飛鳥のできごと・和同開珎・室町の貿易 ・戦国大名・幕末の開港の影響・1973 年の石油危機) |
中村中学校の生徒の会話(東京都交通局の取り組みと人権・清澄白河駅の防災備蓄倉庫・住民自治) | 最低賃金の改定(資料の読み取り・大学進学率と生涯賃金・3 都道県の消費者物価指数の比較) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 地理 → 大問 2 歴史 → 大問 3 公民・国際 → 大問 4 現代の課題、という並びが 3 年とも同じです。 構成だけ数えた年まで含めると、社会が大問 4 つになったのは 2019 年度からで、そこから 7 年間この 4 本立てが続いています(2018 年度以前は大問 2 つでした)。
- 大問 1 は 3 年とも「身近な話題から日本各地へ広げる」入口です(修学旅行・米作りの名人・各地の遊び)。地図記号・気候・農業・工業・地形が 1 題の中に混ざり、地理の全分野を横断します。
- 大問 2 は 3 年とも「ひとつのテーマで原始から現代まで通す」歴史です(時代ごとの単発設問ではなく、道・経済・交通といった 1 本の筋を古い方から新しい方へたどります)。最後の設問が戦後・現代に着地する形も 3 年同じです。
- 大問 3 と大問 4 は 3 問ずつです。3 年とも大問 3 が公民・国際、大問 4 が現代の課題で、しかもどちらも資料を読ませて記述させます。
- 江東区が 3 年連続で出ます。2023 は江東区長の声明、2024 は江東区の河川と親水化事業・江東区内の地下鉄駅の構造、2025 は清澄白河駅の防災備蓄倉庫。地元を題材にする作りが、この科目でいちばん目立つ特徴です。
問い方のくせ
- 記述が 3 年とも 5 問あります(2023 は 22 問中 5 問=23%、2024 は 19 問中 5 問=26%、2025 も 19 問中 5 問=26%)。位置もばらけず、大問 1 に 1 問、大問 2 に 1 問、大問 3・4 に 3 問という配分が 3 年とも近いところにあります。
- 記述は大きく 3 種類です。
- 資料を読み取って説明する(北海道に主業経営体が多い理由を資料 3・4 から 2024、大学進学率と生涯賃金の資料から 2025、3 都道県の消費者物価指数を比較して 2025)。
- 理由を制度や地形と結びつけて説明する(調庸の運搬で行きと帰りの日数が違う理由を「当時の税の仕組みに触れながら」2024、日本の川の勾配から洪水が起きやすい理由 2024、江東区の地下鉄出入口が階段を上ってから下る理由 2024、地下鉄駅に防災備蓄倉庫がある理由 2025)。
- 自分の考えを書く(フードロス削減のために消費者としてできること 50 字以内 2023、戦争を許さないために私たちが努力できること 2024)。
- 語句指定つきの記述が毎年あります。「身近」という語句を用いて(2023)、「当時の税の仕組みに触れながら」(2024)、「生糸」と「機械」という語句を用いて(2025)。
- 字数指定は付く年と付かない年があります。2023 は「20 字以内」「50 字以内」の 2 問、2024・2025 は解答らんの大きさが分量の指示になっています(2025 大問 4 問 3 は「解答らんに合うように」)。
- 記号選択は 3 年とも 10〜13 問(53〜59%)で、「文 A・B の正誤の組合せ」を問う設問が毎年出ます(2023 大問 2 問 2 の奈良時代、2025 大問 2 問 4 の室町の貿易)。「古い順に並べかえる」(2023 大問 2 問 5)、地図・写真・グラフから選ぶ設問も定番です。
- 短答(語句や数値を短く答える形式)には文字種指定が付きます(「漢字 3 文字で」2024、「漢字 2 字で」2024、「漢字 4 字で」2025、「八方位かつ漢字で」2025)。
- 資料(グラフ・写真・地図・断面図・レーダーチャート・風刺画・詩)が全小問の半分程度に付きます。初めて見る資料をその場で読ませる設問が中心で、暗記だけでは届きません。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 29〜31。2010・2015・2016 年度で確認)
国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2015・2016 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 小問数 | 大問 1 漢字の書き取り(10 問) | 大問 2 説明文・論説(9〜10 問) | 大問 3 物語・小説(10〜11 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2010 | 29 | カタカナ→漢字 10 問(ヒタイ・カテイ・シキベツ・セイサン・オウフク・ヒョウホン・カタらう・スんだ・カギる…) | 布施英利『君はレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか』(ダ・ヴィンチの引越し) | 橋本治『勉強ができなくても恥ずかしくない』(国語の時間とケンタくん) |
| 2015 | 31 | カタカナ→漢字 10 問(イギ・セイゼン・メイアン・キョウクン・センモン ・モヨウ・シンミツ・アビる・アける・タバねる) |
桝太一『理系アナ桝太一の生物部な毎日』(アサリの殻の成長線を調べる実験) | 関口尚『空をつかむまで』(中学三年のぼくと美月) |
| 2016 | 31 | カタカナ→漢字 10 問(カゲン・カンリ・フクシャ・ユウソウ・イト ・フンマツ・ヒミツ・サカえる・ソらす・イキオイ) |
秋田喜美『読む・書く・心 文章の心理学入門』(既有知識と推論) | 大山淳子『あずかりやさん』(つよしと店主) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は漢字の書き取り 10 問、大問 2 は説明文、大問 3 は物語という並びが 3 年とも同じです。小問の合計も 29〜31 問でほとんど動きません。
- 漢字は 3 年ともカタカナを漢字に直す 10 問だけです(読みを答える設問は大問 1 には無く、2010 は大問 3 の中に「挙げる・大勢・候補・編み」の読みが入っていました)。10 問のうち後半 3 問前後は送り仮名つきの訓読み(カタらう・アビる・ソらす)です。
- 大問 2 の冒頭近くに「打ち消しの意味の漢字一字」を問う設問が 3 年連続で入ります。2010 は「□完成」「□関係」に入る打ち消しの漢字一字、2015 は「未」をつけられる熟語を選ぶ、2016 は「( )に入る打ち消しの意味を持つ漢字一字」。不・未・非・無の使い分けを、この学校は毎年同じ場所で聞いています。
- 接続語や副詞を選ばせる(A)〜(C)の空欄補充が大問 2 に 3 年連続で入ります(2010「または/ちなみに/そして/でも」、2015「とはいえ/あるいは/そこで」、2016「あえて/たとえ/なおさら/おそろしく」)。
- 大問 3 の物語は、小中学生が主人公です。擬態語・様子を表す言葉の空欄補充もここに入ります(2015「くさくさ/ついつい/いらいら/くすくす」、2016「ぶるぶる/ぎいぎい/しずしず/うようよ」「ひんやりとした/ざわついた/さわやかな」)。
問い方のくせ
- 記述は 3 年で 3 問 → 5 問 → 7 問と増えていました(2010 は 29 問中 3 問=10%、2015 は 31 問中 5 問=16%、2016 は 31 問中 7 問=23%)。2017 年度以降の資料が無いので、この増え方が続いたかどうかは分かりません。
- 記述には必ず字数指定が付きます。「二十字以内」「三十字以内」「四十字以内」「四十字以上五十字以内」「六十字以内」「十五字以内」。冒頭に「字数指定のある問題については、句読点・記号も字数に数えます」の注記が 3 年とも付きます。
- 記述の中身は ①理由説明(「なぜですか。四十字以内で」2010、「どうしてケンタくんは答えられなかったのですか。六十字以内で」2010)②内容説明・指示語(「何が『わかった』のですか、三十字以内で」2015)③心情説明(「つよしのどのような気持ちですか。四十字以内で」2016)の 3 系統です。
- 観点を分けて書かせる設問があります。2010 大問 2 問四は「ダ・ヴィンチが引越しを繰り返した理由を、『性格』の点と『仕事』の点に分けて、それぞれ二十字以内で」。2016 大問 2 問七は「(1) 入ってくる情報」「(2) 自分がすでにもっている知識」をそれぞれ答えさせます。
- 抜き出しは字数指定つきです(「最初の五字」2015、「十字で」2015、「十二字で」2016、「五字で」2016)。
- 変化球が毎年入ります。本文の内容の正誤を A・B で一つずつ判定させる(2015 大問 2 問九)、抜けている一文を入れる場所を選ぶ(2015 問三・2016 問六)、実験の流れになるよう一文を並べる(2015 問三)、表現技法を選ぶ(2010)、慣用句の穴埋め〈神□□□知る〉(2015)、登場人物が言いかけてやめた言葉を自分で考えて書く(2016 大問 3 問六)。
- 自分の考えを書かせる設問が 2016 に 1 問あります(大問 2 問十「筆者の考えをふまえて、ある特定の知識を一つ例に挙げ、それを持っていることで他の場面でどのように生かせるかを具体的に書きなさい」)。
- 読む文章は説明文と物語の 2 本です。説明文には「設問の都合上、本文を改変、省略した部分があります」の注記が付きます(2015・2016)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
構成だけ数えた年までたどると、次の単元は 2023〜2025 の 3 年には大問として出ていませんが、それ以前は繰り返し使われています。最終確認年度は、その単元が大問として最後に出た年度です(そのあと小問として入っている場合は「状況」に書きました)。
| 科目 | 単元 | 大問で使われた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 電流のはたらき | 2010・2016・2018・2022 | 2022 年度 | 2〜6 年周期で来ていたが 2023 以降は無い。物理の枠でいちばん戻りやすい |
| 理科 | 電磁石 | 2014・2017 | 2017 年度 | 7 年空き |
| 理科 | ふりこ | 2012・2021 | 2021 年度 | 9 年周期。2021 が最後 |
| 理科 | 流水のはたらき | 2019・2022 | 2022 年度 | 3 年周期で来ていたが 2023 以降は無い |
| 理科 | 地層・岩石 | 2017 | 2017 年度 | 8 年空き。長く出ていない |
| 理科 | 熱と状態変化 | 2012・2022 | 2022 年度 | 大問としては 2022 が最後(2023 は大問 3・4 の小問に入った) |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2017・2018・2020・2022 | 2022 年度 | 2 年おきに大問で来ていたが 2023 以降は小問だけ(2025 は小問で 1 問) |
| 理科 | 生態系・食物連鎖 | 2019 | 2019 年度 | 大問としては 1 度。小問には 2023・2025 に入っている |
| 算数 | 立体の切断 | 2010・2021 | 2021 年度 | 11 年おき。2021 のあと大問としては出ていない(一行題には展開図・体積の形で毎年入る) |
| 算数 | 図形の移動・転がり | 2013・2021 | 2021 年度 | 8 年おき。次の周期に当たる |
| 算数 | 資料の読み取り | 2022 | 2022 年度 | 大問としては 1 度だけ。2025 の水量とグラフのようにグラフを読ませる枠は残っている |
| 算数 | 流水算 | 2014・2024 | 2024 年度 | 10 年空いて 2024 に一行題で復活した |
| 算数 | 集合 | 2013・2024 | 2024 年度 | 11 年空いて 2024 に一行題で復活した |
| 算数 | 売買損益 | 2023 | 2023 年度 | 大問 4 で 1 度。2024・2025 は使われていない |
| 社会 | 日本国憲法を主題にした大問 | 2020 | 2020 年度 | 2023・2024 は憲法の条文が小問として入ったが、大問の主題としては 2020 が最後 |
| 社会 | 環境問題・防災を主題にした大問 | 2019・2021・2022・2024 | 2024 年度 | 2〜3 年周期。2025 は小問(防災備蓄倉庫)に入った |
| 社会 | 貿易・資源・エネルギー | 2020・2022 | 2022 年度 | 大問としては 2022 が最後。エネルギー価格は 2025 の石油危機で小問になった |
| 社会 | 世界地理を主題にした大問 | 2019・2022・2023 | 2023 年度 | 3 年周期。2024・2025 は無い |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2021 | 2021 年度 | 4 年空き。2025 は大問 4 の小問に入った |
| 社会 | 地方自治を主題にした大問 | 2018 | 2018 年度 | 大問としては長く出ていない(小問には 2023・2025 に入る) |
国語は資料が 2016 年度で止まっているため、周期の話はできません。精読した 3 年で 1 度しか出ていないもの(表現技法・慣用句の穴埋め・意見記述)は、いつ出てもおかしくないものとして押さえておいてください。
10. 形式面の注意
- 2 科(国語・算数)・4 科の選択制です。 国語 50 分 100 点、算数 50 分 100 点、理科と社会は合わせて 50 分で理科 50 点・社会 50 点(理社の内訳は公表されていません)。理社を別々の 30 分と考えて練習していると本番で崩れます。
- 記述が 4 科目すべてにあります。算数は大問 3・4 で 2〜3 問(「図や式や考え方も解答用紙にかきなさい」。書く場所はこの 2 題に限られます)、理科は 3〜7 問(「簡単に説明しなさい」。解答欄は罫線で字数指定は付かず、1〜2 文で書き切る長さ)、社会は 3 年とも 5 問、国語は 3〜7 問。字数指定は国語には必ず付き、社会は付く年と付かない年があります(2023 は「20 字以内」「50 字以内」)。
- 語句を指定する記述が社会に毎年あります(「身近」2023、「当時の税の仕組みに触れながら」2024、「生糸」「機械」2025)。指定語を必ず答えに入れてください。
- 作図・作画があります。算数は展開図に文字を書き入れる 1 問を 2024 で確認しました(立方体を 3 方向から見た図をもとに、展開図の残りの文字を向きまで考えて書き入れる)。毎年出るとは言えません。理科はメダカのオスを描く・風向きを矢印で描く(2023)、光の道すじを描く・鏡像を塗って示す(2025)。手で描いて説明する練習は他校の過去問では代用しにくいところです。社会の作図はこの 3 年では確認できませんでした。
- 文字種・字数の指定が細かく付きます。「ひらがな 2 文字で」「漢字 2 字で」「漢字 3 文字で」「漢字 4 字で」「八方位かつ漢字で」「24 時制で。例 正午→12 時」。
- 円周率は算数の 3 年とも 3.14 で、大問 1 の冒頭に明記されます。
- 単位は問題文や解答らんに印字されています(cm²・cm³・%・度・分速 m など)。算数では□の直後に付きます。
- 選択肢はア〜エ(オ・カまである設問も)。「適当でないものを一つ」「正しくないものを」という消去法の設問が国語・理科・社会に毎年入ります。
- 時間の重さが科目で違います。算数は 50 分で小問 16〜18 問なので 1 問あたり 3 分弱ですが、大問 1 の計算 2 問と大問 2 の 9 問で全体の 3 分の 2 を占めるので、前半 11 問を 20 分で抜ける設計にしないと大問 3・4 の記述に時間が残りません。国語は 50 分で 29〜31 問なので 1 問 1 分半強。社会は小問 19〜22 問のうち記述 5 問、資料が各大問に 2〜5 点付くという読む量の多い科目で、大問 3・4 は 3 問しかないのに記述が 2〜3 問入るため 1 問あたりの重さがいちばん大きくなります。
- 国語に作図・図表の読み取りはありません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数の混じった四則と逆算)、図形を見る目(角度・面積の入口)、読解、漢字の書き取り、そして短い文で理由を書くこと。この学校は 4 科目すべてで「なぜそうなるか」を書かせるので、理科の観察でも社会の見学でも「気づいたこと」を 2 文で書く習慣がそのまま効いてきます。時間を計る演習はまだしません |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える段です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と漢字の書き取り、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数の単元は一行題で使われる順に、数列 → 植木算(木の本数と間の数のずれを数える・受験用教材の単元)→ 過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める・受験用教材の単元)→ 速さ → 集合 → 平均算 → 和差算(和と差から 2 つの数を求める・受験用教材の単元)→ 流水算(川の流れと船の速さ・受験用教材の単元)→ 場合の数 と置き、そのあと食塩水・角度・平面図形・立体を回します。理科は 4 分野を均等に(この学校は生物・物理・地学・化学が毎年 1 題ずつなので、苦手分野を作ると 4 分の 1 を落とします)。社会は地理・歴史・公民を通し、グラフと地図を読んで一言でまとめる練習を足します。国語は説明文で研究や実験の話を読みます。ただし国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は同じ座席を縦に解く演習(算数の大問 2 の枠ごと、理科の大問 4 だけ、社会の大問 4 だけ)と、理社を合わせて 50 分で通す演習を並行させます。記述は書いたものを必ず人に読んでもらい、字数と語句指定を守れているか確認します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつきやすいのは小 5 の「4 分野・3 分野の均等さ」と、小 4 から積み上げる「書いて説明する力」です。座席が固定されているぶん、算数の大問 2 のように毎年同じ場所で同じ種類の問題が出る枠は、小 6 の反復で取り切れます。一方で理科は生物・物理・地学・化学が毎年 1 題ずつ、社会は地理・歴史・公民・現代の課題が毎年 1 題ずつ出るので、どこか 1 分野を捨てると必ず 4 分の 1 が空きます。この均等さは小 5 のうちに作っておかないと、小 6 の秋から埋めるのは重い作業になります。そして記述は 4 科目に散らばっていて、直前期に急に書けるようにはなりません。小 4 のうちから「短く理由を書く」ことを日常にしておくのが、この学校ではいちばん長く効く時間をかける価値のある習慣に見えます。
12. この学校と併願するなら
観点は 同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか だけです。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。国語は中村中学校側の資料が 3 年分しかないため、どの校とも比較できていません。
- 成立学園中学校(東京都・共学)— 社会がいちばん近い組み合わせです。中村と同じく資料を読ませる比重が高くなっています。
- 順天堂大学系属理数インター中学校(東京都・共学)— 社会・算数とも近い組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 横浜富士見丘学園中学校(神奈川県・共学)— 社会と理科が近く、算数はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 上位 8 校に共通するのは社会の近さが高いことで、8 校中 6 校が 80 以上です。中村中学校の社会は「資料を読んで記述する」比重が大きいので、その練習は上の学校の過去問でも積めます。算数で近いのは桐朋女子・自修館・開智・成立学園(81〜83)で、渋谷教育学園渋谷・横浜富士見丘学園(72〜73)は算数の作りが離れます。理科はどの校も 69〜79 で、突出して近い学校はありません。
- 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」の距離と、単元の分布の似方を合成したものです(100 に近いほど出題構造が近い)。同じ問題が出るという意味ではありません。男女・日程の注記は自動集計の表をそのまま写しました。
13. 資料の限界
- 過去問の資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、入試回の区別が付きません。2 月 1 日午前の一般入試(4 科)に相当するものとして読みましたが、冊子に回の表記を確認できたわけではありません。特待生入試・適性検査による入試・ポテンシャル入試・帰国生入試の問題はこの資料に含まれておらず、この分析はそれらには当てはまりません。
- 精読したのは各科目 3 年分です(算数・理科・社会は 2023・2024・2025、国語は 2010・2015・2016)。「3 年連続」と書いたものはその 3 年を自分で確認したもの、「◯年間」と書いたものは構成だけ数えた年の集計に基づきます。中身の題材までは確認していない年があります。
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。2010・2015・2016 の 3 年分だけで書いているので、記述の数や大問構成が今も同じかどうかは言えません。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。理科は 2011 年度、社会は 2014 年度の資料がありません。
- 転写の読み落としの可能性があります。図・写真・グラフ・地図は文字の説明に置き換えられているため、社会の資料読み取り問題と算数の図形問題は設問文からの推定を含みます。社会の 2023 大問 1(問 6)と 2024 大問 4(3)は転写が一部欠けており、その小問は分析から外しました。
- 「同じ問題の使い回し」は、両年の設問文を原本で確認したものだけを書きました。今回精読した範囲では、数値まで同じ問題の再出題は見つかっていません。書いたのはすべて「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味の固定です。
- 配点は科目ごとの満点(国語 100・算数 100・理科 50・社会 50)しか公表されておらず、小問ごとの重みは推定に頼っています。理科と社会の 50 分の内訳も公表されていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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