実践女子学園中学校 の過去問分析
実践女子学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
実践女子学園中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・回の区別ができない資料・算数 14 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 男女 | 女子校 |
| 旧称 | 実践女学校中等部(1908 年〜)→ 実践女子学園中学校(1947 年〜、学制改革) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前・第 3 回 2 月 2 日午前 — 2 科(国語・算数)または 4 科(国語・算数・社会・理科)/第 2 回 2 月 1 日午後・第 4 回 2 月 2 日午後・第 5 回 2 月 3 日午後・第 6 回 2 月 4 日午後 — 2 科(第 4〜6 回は複数回受験優遇の対象)/思考表現入試 2 月 1 日午前 — 記述筆記試験(45 分)+口頭質疑応答(5〜10 分、面接形式)/英語資格入試第 1 回 2 月 1 日午後 — 1 科(国語または算数)+英語資格、または 2 科+英語資格 |
| 試験時間・配点 | 国語 45 分・100 点、算数 45 分・100 点。社会・理科は合わせて 50 分で各 50 点。思考表現入試は配点不明 |
| 面接 | 思考表現入試に口頭質疑応答(5〜10 分、面接形式)があります |
上の表は 2027 年度の募集要項によります。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析した資料は、入試回を特定できません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- どの大問で何を測るかという座席(問題の置き場所)が固定で、その中の単元・題材が毎年入れ替わります。算数は大問 1 の位置に四則計算が 12 年連続(2014〜2025)、社会は大問 1 地理・大問 2 歴史が 7 年連続(2019〜2025)、理科は大問 2 生物・大問 3 地学が 4 年連続(2022〜2025)です。
- 社会と理科は合わせて 50 分で、2 科目で 45〜50 問。4 科で受けるなら、この 50 分をどう割るかが最大の課題です。
- 国語は知識の設問が全体の 4 割前後で、2018 年度の漢字の読み 3 問が 2020 年度の同じ位置に同じ順で再び出た実例があります。
家でやること 3 つ
- 社会と理科を続けて 50 分で解く演習をします(社会 25 分・理科 25 分の目安)。
- 算数の大問 1 の 5 枠を、枠ごとに年度をまたいで縦に解きます(中身は 7 節)。
- 国語の漢字を、資料のある 5 年ぶんすべて書けるようにします。
今週やる 1 つ
- 直近の 1 年ぶんで社会と理科を続けて 50 分で解き、どちらに何分かかったかを測って、どちらを先に解くか・何分で切り上げるかを決めます。
注意
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたのは 2020 年度までの話です(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の本数・小問の数・大問ごとの単元だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010・2012・2014〜2022) | 14 年(2010・2012・2014〜2025) | 高。ただし 2024 年度は転写の確度がやや低く、大問 3 (1) の設問文に読み取りの欠けが 1 か所ありました(立体の体積を問う設問で、図の情報が一部落ちています)。大問構成と題材の読み取りには支障がありません |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010・2012〜2022) | 15 年(2010・2012〜2025。2011 年度は資料が無い) | 高。2024 年度は転写の確度がやや低め |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。2024 年度は転写の確度がやや低め |
| 国語 | 3 年(2016・2018・2020) | 2 年(2010・2015) | 5 年(2010・2015・2016・2018・2020) | 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2020 年度までの話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 精読した 3 年ぶんに、別の学校の問題や解答が混ざっている・年度がずれている・同じ設問が重複しているといった資料そのものの異常は見つかりませんでした。
- 入試回は特定できません。資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、回の表記が読み取れません。この学校は 2027 年度の募集で 6 回の一般入試に加えて思考表現入試・英語資格入試を行っており、4 科(国算社理)で受けられるのは第 1 回と第 3 回だけです。理科と社会が収録されている以上、資料は 4 科の回(第 1 回または第 3 回)に相当すると考えられますが、どちらかは分かりません。2 科(国算)だけの回、思考表現入試、英語資格入試の問題はこの資料に含まれません。
- 試験時間と配点は 2027 年度の募集要項によります(→ 1 節)。国語 45 分・100 点、算数 45 分・100 点、社会と理科は合わせて 50 分で各 50 点。過去の年度の時間・配点がこれと同じだったかは確認していません。
- 設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。
5. 一番大きな結論
この学校の入試でいちばん動かないのは「どの大問で何を測るか」という座席(問題の置き場所)で、いちばん動くのは「その中でどの単元・どの題材を使うか」です。
- 算数は大問 1 が計算の枠です。資料のある 2014〜2025 年度の 12 年連続で、大問 1 の位置に四則計算が来ます。大問の本数と小問の数も 2019〜2025 年度の 7 年連続で 4 大問・15 小問。さらに精読した 3 年(2023〜2025)では、大問 1 の中の 5 つの並び(整数の計算・分数の計算・小数と分数の計算・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・時間の単位や比)まで一致していました。
- 社会は大問 1 が地理、大問 2 が歴史です。この 2 大問の座席は 2019〜2025 年度の 7 年連続。しかも大問 2 の入口が飛鳥・奈良時代なのは 2023・2024・2025 の 3 年連続です。
- 理科は大問 2 が生物、大問 3 が地学です。この座席は 2022〜2025 年度の 4 年連続で、3 大問という本数も同じ 4 年続いています。動くのは大問 1 だけで、ここに物理と化学が交互に入ります。
- 国語は読解 1〜2 題のうしろに知識の大問が来る枠が、精読した 3 年(2016・2018・2020)で共通です。知識の設問が全体の 4 割前後を占めます。
ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、原則として「同じ問題が出る」ではありません。実際、算数の一行題(数行で終わる短い文章題)も、社会の資料も、理科の実験設定も毎年作り直されています。
ただし国語の漢字だけは例外で、同じ問題がそのまま再び出ました。 2018 年度の漢字の読み 5 問のうち 3 問(「約束を果たす」「政治を刷新する」「出発時間が延びる」)が、2020 年度の同じ位置に同じ順で出ています。
したがって過去問の使い方は、「どの場所で何を測られるかを知ったうえで、その分野の解き方を仕上げる」が中心になります。そこに 2 つの補助線が付きます。
- 時間の使い方を身につける。社会と理科は合わせて 50 分しかありません。社会が 22〜28 問、理科が 20〜21 問なので、2 科目で 45〜50 問を 50 分という設計です。しかも社会の大問 2 は長い会話文、理科は図と表の読み取りが中心。この学校で 4 科を選ぶなら、社会・理科の 50 分をどう割るかが最大の課題になります。一方で算数は 45 分で 15 問と余裕があり、性格がまるで違います。
- 国語の漢字と知識に時間をかける。知識が全体の 4 割で、しかも過去問の漢字が再び出た実例があります。ここは「覚えれば返ってくる」場所です。
6. この学校らしさが出る場所
- 科目ごとに決まった登場人物がいます。 理科は「花子さん」が 2023・2024・2025 の 3 年とも主役で、食塩とミョウバン(2023)、ろうそくとアサガオ(2024)、エアコンとアゲハチョウ(2025)に疑問を持つところから大問が始まります。社会は「中学生のアキさん」と「大学で歴史を学んでいる従姉」の会話が 3 年連続で大問 2 の入口になります(従姉の名は 2023・2024 がサクラさん、2025 がサナさん)。
- 2025 年度の社会には自校名が問題文に入ります。「実践女子学園中学校に通っているアキさん」が夏休みの社会科の宿題を相談する、という設定で大問 2 が始まります。
- 旅行と調べ学習が社会の入口になります。奈良旅行(2023)、大阪への家族旅行の相談(2024)、夏休みの宿題(2025)。地図と写真を見ながら会話が進み、下線部が古代から近代へ順に並びます。
- 身のまわりの疑問から教科書の原理へ運ぶ作りが理科で徹底しています。雪の中で野菜を保存すると甘くなる(2023)、底のない集気びんでろうそくはなぜ燃え続けるか(2024)、エアコンのふき出し口は夏と冬でなぜ向きが違うか(2025)。3 年とも「不思議に思って実験してみた」という形で始まります。
- 女性やジェンダーを主題にした設問が続きます。SDGs の「男女平等を実現し、すべての女性や女の子に対する差別をなくす」目標のロゴを問う(2024)、近代の女性の写真から人物を選ばせる(2025)、「これが男らしい、これが女らしいと決める」社会や文化の中の見方を答えさせる(2025)。女子校であることが題材の選び方に出ているように見えます。
- 「あなた自身はどうか」を書かせる設問が科目をまたいで出ます。社会 2023 の「プラスチックごみを減らすために、あなた自身やご家族が取り組んでいることを 1 つ」、国語 2016 の「家の中や外で、親兄弟姉妹あるいは友人から学んだことの具体例」、理科 2025 の「寒い冬の日に部屋全体を効率よくあたためるにはどちら向きか、その理由も」。正解が一つに決まりきらない問いを、どの科目にも 1 問置いています。
- 地学が天体に寄っています。2023 太陽と星、2024 月、2025 星と月。しかも「時刻」「方位」「角度」を数で扱わせる設問が中心で、地層や気象より天体の計算に比重があります。
- 算数の大問 1 (5) が「時間」の枠になっています。3 分 21 秒の 25 倍を時間・分・秒に直す(2023)、□分□秒 : 37 分 16 秒=7 : 52(2024)、7 分 : 20 分 25 秒=12 : □(2025)。60 進法と比を同時に扱う小問が毎年ここに置かれています。
- 国語は知識の比重が大きくなっています。漢字・慣用句・ことわざ・四字熟語・敬語・副詞の呼応・文の誤り直しで、精読した 3 年とも 17〜20 問。読解の力だけでは 4 割を取り切れない設計です。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に。過去問を時間を計って解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 社会と理科を「続けて 50 分」で解く演習をする。 これがこの学校でいちばん独特な点です。片方に時間を使いすぎると、もう片方が半分しか埋まりません。社会 25 分・理科 25 分の目安を体に入れ、社会の会話文は下線部から逆に読みます(22〜28 問を短時間で処理するには読み方の訓練が要ります)。4 科で受ける回を考えているなら、ここに演習量をいちばん多く割きます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の 5 枠と一行題プールを縦に解く。 (1) 整数の四則、(2) 分数の四則、(3) 小数と分数の混じった四則、(4) 逆算、(5) 時間の単位換算または時間の比。12 年動いていない枠で、しかも 45 分で 15 問という設計なので、ここを速く正確に抜けられるかが後半の余裕を決めます。この 5 問で 100 点満点のうち 3 分の 1 前後が動きます。計算 3 問は毎日、逆算は「□が 2 か所」の形まで、(5) は「分と秒の比」「秒→時間分秒」の変換を確実に。一行題は 10 単元(つるかめ算(個数を合計から逆算)・売買損益・割合・食塩水・速さ・過不足算・和差算・消去算・規則性・円とおうぎ形)のプールから毎年 5 つが選ばれるので、1 問 2 分で処理できるところまで回します。円とおうぎ形の求積(2023・2025 に大問 2 (5)。正方形に内接する円、長方形の中の 2 つのおうぎ形など、重なりと差で面積を出す形)と、速さを「比で比べる」形(2025 の 4 人の競走、2023 の往復の平均の速さ)はとくに。大問 3 は (1) の答えを (2) で必ず使う二段構えなので、(1) を落とすと 2 問とも落ちます。グラフをかく設問(2023)とデータの読み取り(2024 の中央値・平均値・最頻値の関係と、「平均が 0.5 点上がるとき中央値としてありうるもの」のような場合分け)は、どちらも 1 年しか確認できていませんが、大問 4 の枠に入りうる問題です。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字と知識分野。漢字は資料のある 5 年ぶんすべて書けるようにします(2018 と 2020 で 3 問が重なった実例があります。書き取り 5・読み 5 の形で毎日)。知識分野(慣用句・ことわざ・四字熟語・敬語・副詞の呼応・文の誤り直し・語彙)は、知識大問の構成が毎年変わるので、1 冊の知識問題集を回して広く薄く一巡し、どれが来ても取れる状態に。抜き出しは字数の幅(二十字以上二十五字以内、三十字以上三十五字以内)に収まる区切りを探し、初めと終わりの字を正確に写す練習を。字数指定つきの記述は 10 字・20 字・40 字の 3 段階で、文末が指定される前提で「〜から」「〜こと」「〜場面」に続く形で書き止めます。説明文も読みます(2016 の大問 2 のように、抽象語(内発的・外発的)を含む文章から意味段落の役割を答えさせる設問が出る年があります)。短い作文(自分の経験を一つ挙げる/指定語を使って一文を作る)も書けるように。2021 年度以降の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 社会・飛鳥〜奈良時代を軸に、通史・雨温図・公民の入口。大化の改新・中大兄皇子・中臣鎌足・聖武天皇・大仏・正倉院・遣唐使・平城京・律令を、漢字で書ける状態に(大問 2 の入口が 3 年連続でここ)。通史は写真・資料・人物を古い順に並べる形で問われるので、年号の暗記より出来事どうしの前後関係を。雨温図と気温・降水量の表は 3 年連続で、国内の都市どうしの比較(2023・2024)だけでなく、東京とパリのような海外との比較(2025)まで出ています。公民は「人権・多様性・国際協力」から入ります(選挙のしくみ、国連と専門機関(ユネスコ)、SDGs、ジェンダー。2 大問構成の中でこの分野が公民の入口になっています)。時差と緯度・経度の計算(2025)、世界地図上の位置説明も。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科・天体を計算できるところまで。星の日周運動(1 時間 15°)と年周運動(1 か月 30°)を合わせて日付と時刻を動かす、月の満ち欠けと月の出入り時刻、南中高度。大問 3 は 2023・2024・2025 と 3 年続けて天体で、しかも「何時ごろ」「約何度」を数で答えさせます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科・対照実験と生物・化学の頻出。何を変えて何をそろえるか。2024 は実験計画の誤りを 2 か所直させ、2025 は「色以外の可能性」を消す実験を問いました。生物の大問は 3 年ともここに行き着きます。植物のつくりとはたらき(根・くき・葉の断面、道管と師管、光合成と葉緑体、蒸散)は大問 2 で 2022・2023・2024 と 3 年続きました。こん虫は、2025 にアゲハチョウのはねの枚数とあしの本数、そのつき場所を自分で描かせています(頭・むね・はらの区別を図で説明できる状態に)。溶解度と気体の性質(表から溶ける量を読む、温度を下げて出てくる量、水を蒸発させたとき、水よう液の重さと濃さ、燃焼前後の気体の割合)も。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 記述は科目で書き方を変える。国語は字数指定つき・文末が印刷済み(「〜から」「〜こと」に続ける)。理科と社会は字数指定なしで 1〜2 行、そのかわり指定語(理科 2025 の 3 語)や書き出し・結びの指定(社会 2023 の「私や家族は〜ようにしている」)が付きます。理科は与えられた語を全部使い、比較の文(「〜に比べて」「同じ体積で比べると」)を入れる練習を。社会の理由説明は「地形が〜だから」「気候が〜だから」の形で。3 種類を別々に練習します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 写真・図・ロゴで識別する練習。社会は埴輪・古墳・仏像・絵巻物・建築・近代の人物の顔写真・SDGs のロゴ・ピクトグラム、理科はこん虫の頭部やチョウの体のつくり。「名前を知っている」ではなく「見て分かる」「写真から時代を言える」水準へ。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
家でやることの全体版と優先順は 7 節にまとめました。この節は根拠(年度と実例)の側です。
8-1. 算数(45 分・100 点・大問 4・小問 15)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。大問の本数と小問の数は 2019〜2025 年度の 7 年連続で 4 大問・15 小問。それ以前(2010〜2017)は 5 大問・16 小問だったので、2018 年度に一段階小さくなり、以後は動いていません。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(5 小問) | 大問 2(5 小問・一行題) | 大問 3(2 小問) | 大問 4(3 小問) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 計算 3・逆算・時間の単位(3 分 21 秒 ×25=□時間□分□秒) | 規則性(4 で割って 3 余る 4 けたの整数で 2023 は何番目)/つるかめ算(おにぎり 108 円・128 円) 速さ(往復・分速 160m と 80m)/食塩水(75g に食塩 5g で 10%)/円とおうぎ形(長方形の中の 2 つのおうぎ形) |
分数の操作の規則性(1 番目は 3/2、分母と分子を入れかえて 2 から引く。5 番目/100 番目までの積) | 四角形 ABCD の辺上を動く点 P(面積/時間と面積のグラフを定規でかく/初めて直角三角形になる時刻) |
| 2024 | 計算 3・逆算(□が 2 か所)・時間の比(□分□秒 : 37 分 16 秒=7 : 52) | 和差算(A÷B の商 3 余り 7、A−B=31)/消去算(チョコとキャンディー)/過不足算(みかんを 5 個ずつ・8 個ずつ) 速さ(自転車 時速 12km と徒歩 分速 80m の 12 分差)/売買損益(定価差 3000 円・2 割引と…) |
展開図を組み立てた立体(底面は三角形 AEF、高さ 1と5/7 cm。体積/表面積) | 12 人のテストの点数の表(中央値/欠けている点数の復元/平均値が 0.5 点上がったときの中央値の候補) |
| 2025 | 計算 3・逆算(3÷(□×0.72−0.3)=10)・時間の比(7 分 : 20 分 25 秒=12 : □) | 概数(ア以上イ以下)/つるかめ算(85 円切手と 110 円切手 100 枚で 9300 円)/割合(本を 1 日目 1/3、2 日目は残りの 3/4) 売買損益(2 割 5 分の利益・定価 700 円)/円とおうぎ形(1 辺 6cm の正方形にぴったり入る円) |
3 つの正方形を組み合わせた図形(周りの長さ 100cm。BC の長さ/面積) | A〜D の 4 人が 20km を競走(着順/A がゴールしたとき C の残り/先頭のタイム) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は計算のための枠です。 資料のある 2014〜2025 年度の 12 年連続で、大問 1 の位置に四則計算が来ます。さらに精読した 3 年(2023〜2025)では、5 つの小問の並びまで同じです。(1) 整数の四則、(2) 分数の四則、(3) 小数と分数の混じった四則、(4) 逆算(□を求める)、(5) 時間の単位換算または時間どうしの比。
- 大問 1 (5) が「時間」に固定されているのは 3 年連続で確認できました。2023 は 3 分 21 秒を 25 倍して時間・分・秒に直す、2024 と 2025 は「□分□秒 : ○分○秒=a : b」という比。分・秒の 60 進法と比を同時に扱う小問で、ここだけ性格が違います。
- 大問 2 は一行題 5 問の枠です。資料のある 2014〜2025 年度の 12 年、大問 2 の位置には割合・文章題系の一行題が置かれています。精読した 3 年で使われた単元は、規則性・つるかめ算・速さ・食塩水・円とおうぎ形(2023)、和差算・消去算・過不足算・速さ・売買損益(2024)、概数・つるかめ算・割合・売買損益・円とおうぎ形(2025)。つるかめ算は 2023・2025、売買損益は 2024・2025、円とおうぎ形は 2023・2025 と、10 単元ほどのプールから毎年 5 つが選ばれる形になっています。
- 大問 3 は 2 小問だけの「小さい大問」です。3 年とも (1) で長さや基本量を出し、(2) でそれを使って面積・体積・積を出す二段構え。単元は規則性(2023)→ 立体図形(2024)→ 平面図形(2025)と毎年入れ替わります。
- 大問 4 は 3 小問の「最後の大問」です。ここだけ設定文が長く、状況を読み取る力を測っています。2023 は点の移動とグラフ、2024 は資料(データ)の読み取り、2025 は 4 人の競走を速さの比で処理する問題です。
- 一方で、同じ問題そのものが出た例は 3 年の原本では見つかりませんでした。数値も設定も毎年作り直されています。固定されているのは「どの場所で何を測るか」であって、問題文ではありません。
問い方の特徴
- 答えのみを書かせる形が基本で、精読した 3 年に記号選択は 1 問もありません。考え方や式を書かせる欄もありません。
- 大問 1 (4) の逆算は毎年 1 問。2024 は「□が 2 か所に出てくる」形で、単純な逆算より一段面倒になっています。
- 大問 2 の一行題は、条件が 2 つ与えられて差や和から攻める作りが多くなっています(2024 の和差算・消去算・過不足算は 3 問続けてこの形)。
- 大問 4 は「求めさせる前に状況を整理させる」作りです。2025 の (1) は計算でなく着順を並べる設問で、比を使って 4 人を比較できるかを最初に確かめています。
- 2023 の大問 4 (2) は「解答らんの図に定規を使ってかきなさい」というグラフの作図です。精読した 3 年ではこの 1 問だけですが、作図の欄そのものは他年度にもあります。
8-2. 理科(社会と合わせて 50 分・50 点・大問 3・小問 20〜21)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。2022 年度から 4 年連続で 3 大問(それ以前は 4 大問が長く続き、2021 年度だけ 8 大問という年があります)。小問は 20〜22 で安定しています。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(もの・エネルギー) | 大問 2(生物) | 大問 3(地学) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 溶解度・再結晶(食塩とミョウバンを水にとかす実験。とけ残り・水よう液の重さ・こさ・水を蒸発させたとき・60℃ から 20℃ へ冷やしたとき) | 植物のつくり(雪の中で野菜を貯蔵する話。アブラナ科の根・葉・くき、糖分が増える利点) | 太陽と星(夏至・秋分・冬至の日の出入りと南中高度、根室・東京・神戸の南中時刻 冬の星座のスケッチ、リゲルとベテルギウス、1 日 361° 自転する話) |
| 2024 | ろうそくの燃焼と気体(底のない集気びん、線香のけむりの流れ、ガラス板でふさぐ、燃やす前後の気体の割合をグラフでかく) | 光合成(ふ入りの葉のアサガオ。花子さんの実験計画の誤りを 2 か所直す、日光以外に必要なもの、海そうが深いところで見られない理由) | 月(太陽・月・地球の位置関係、満月が南東に見える時刻、月の出時刻、南中から次の南中までの時間) |
| 2025 | 空気の温度と体積(エアコンのふき出し口の向き。試験管とせっけん水のまく、口を横向き・下向きにしたとき、冬に効率よくあたためる向きと理由) | こん虫(4 種の頭の同定、アゲハチョウのはねとあしを描く、色覚の対照実験) | 星と月(北の空のスケッチ、1 時間あたりの回転角、日付をまたぐ位置、星と月の位置関係がずれる理由) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 2 が生物、大問 3 が地学という座席は 2022〜2025 年度の 4 年連続で、精読した 3 年でもそのとおりでした。大問 1 だけが物理と化学を行き来します(2022 てこ、2023 溶解度、2024 燃焼と気体、2025 空気の体積変化)。
- 地学(大問 3)は天体に大きく寄っています。2023 太陽と星、2024 月、2025 星と月と、3 年続けて天体。しかも 3 年とも「時刻と方位と角度」を数で扱わせる設問が中心で、2023 の「地球は 24 時間で 361° 自転する」、2025 の「1 時間あたり何度回転するか」「次に真南に見える日時」は同じ考え方の問題です。
- 生物(大問 2)は「実験を検討する」設問を必ず含みます。2024 は実験計画の適切でない部分を 2 か所指摘して直させ、2025 はアゲハチョウの色覚を確かめる対照実験の設計を問います。2023 も「キャベツの糖分が増えると考えられる実験をすべて選べ」という形で、実験の条件を比べさせています。
- 作図が 3 年連続で 1〜2 問あります。2023 は水の量と溶ける量のグラフを 2 本、2024 は燃焼前後の気体の割合を図でかく、2025 はアゲハチョウのはねとあしを描く。2023 と 2024 のグラフには「ただし、定規が使えませんので、おおまかな線でかまいません」というほぼ同じ但し書きが付いていました。作図で正確さを求めるのではなく、傾向が描けるかを見ています。
- 問題文の主人公は「花子さん」で固定です。2023(食塩とミョウバン)、2024(ろうそく・アサガオ)、2025(エアコン・アゲハチョウ)と、3 年とも花子さんが疑問を持つところから大問が始まります。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年で選択が 62〜67%、短答(語句や数値を短く答える形式)が 19〜24%、記述が 5〜10%。選択肢は「(あ)〜(え)」の平仮名で、「すべて選び」(2023 大問 2 問 4、2024 大問 1 問 3)が混ざります。
- 説明の記述は毎年 1〜2 問。字数指定は 3 年ともありませんが、使う言葉を指定する形があります(2025 大問 1 問 6 は「部屋の空気」「エアコンからの暖気」「同じ体積で比べると」の 3 語を必ず使う)。記号で選んだうえで理由も書かせる、という 1 問 2 段の形も同じ設問にあります。
- 身のまわりの疑問から入って教科書の原理に着地させる作りが 3 年とも共通です。雪の中の野菜の保存(2023)、ふ入りの葉(2024)、エアコンのふき出し口(2025)。
- 時刻・角度の計算があります。月の出時刻(2024)、南中から南中までの時間(2024)、1 時間あたりの回転角と次に真南に来る日時(2025)、日の入り時刻と南中高度(2023)。天体は「覚える」より「計算する」設問が多くなっています。
- 表から読み取らせる設問(2023 の溶解度表、2024 の月の出入り表)が毎年あります。
8-3. 社会(理科と合わせて 50 分・50 点・大問 2・小問 22〜28)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。2019 年度から 7 年連続で 2 大問(それ以前は 3〜4 大問)。小問は 21〜28 で、理科より多くなっています。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史+公民) |
|---|---|---|
| 2023 | 北海道・沖縄と南方の島々(沖縄が水不足になる理由/首里城/沖縄の農作物と小菊の出荷/西之島/沖縄県に属さない島 北方領土/道内 4 都市の気温と降水量/アイヌ/北海道の観光の季節) |
中学 1 年のアキさんと母、大学で歴史を学ぶいとこサクラさんの奈良旅行の会話(埴輪と写真の年代順/法隆寺/唐の都/中臣鎌足/藤原道長の歌/プラごみを減らす取り組みを書く 源頼朝の流刑地/韮山の反射炉/東海道と箱根/選挙/東京都知事の名前を漢字で) |
| 2024 | 水と産業(扇状地の土地利用/森林のはたらきとナショナルトラスト/稲作の作業順/やませ/平野と河川の組み合わせ 淡水湖/三角州とリアス海岸/遠洋漁業の落ちこみと育てる漁業/2 地点の雨温図の説明) |
アキさんが大阪への家族旅行を従姉サクラさんに相談する会話(埴輪の時代/奈良時代のノートの空欄/京都が都だった期間/平等院鳳凰堂/源平の戦い/関東大震災と気象庁 江戸時代/関ヶ原/世界遺産と近代/ユネスコと国連/SDGs の男女平等のロゴ) |
| 2025 | パリオリンピックから世界地理へ(パリの位置と緯度/時差の計算/東京とパリの気温・降水量/4 つの国旗に共通点がある理由/ピクトグラム セーヌ川の水質/食料自給率と米の産地/原子力とほかの発電/海外で活動する日本人) |
実践女子学園中学校に通うアキさんが夏休みの宿題を従姉サナさんに相談する会話(大山古墳/大化の改新の空欄 4 つ/聖武天皇と正倉院の楽器/サウジアラビア/平清盛と神戸/地産地消 源氏物語の時代/近代の女性/2024 年発行の新千円札/幕末〜明治の 4 人/「男らしい・女らしい」を決める見方) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 が地理、大問 2 が歴史という座席は 2019〜2025 年度の 7 年連続です。 公民の独立した大問は 2018 年度を最後に無く、公民は大問 2 の終盤か大問 1 の中に溶かし込まれています(2023 は選挙と都知事、2024 は国連・ユネスコ・SDGs、2025 は海外で活動する日本人とジェンダー)。公民を捨てるという判断はできませんが、憲法条文を単独で問う設問は精読した 3 年にはありませんでした。
- 大問 2 の入口が飛鳥・奈良時代なのは 2023・2024・2025 の 3 年連続。しかも 3 年とも同じ形で、「奈良(2023)」「大阪・奈良(2024)」「奈良の正倉院(2025)」と場所を変えながら、大化の改新・聖武天皇・遣唐使・正倉院のあたりを空欄補充で問います。
- 大問 2 は 3 年とも「中学生のアキさんが、大学で歴史を学んでいる従姉に相談する会話」で始まります。従姉の名は 2023・2024 がサクラさん、2025 がサナさん。会話を読みながら下線部①②③…に沿って古代から近代へ時代順に進む作りで、これも 3 年同じです。2025 では「実践女子学園中学校に通っているアキさん」と自校名が問題文に入ります。
- 大問 1 は「一つのテーマで日本または世界を一周する」作りです。北の端と南の端(2023)、水(2024)、パリ五輪(2025)。テーマは毎年変わりますが、その中で気温と降水量の表・雨温図を読ませる設問は 3 年連続で入っています。
- 前年の出来事が必ず入口か素材になります。2023 は都知事選と 2019 年の首里城火災、2024 は関東大震災から 101 年、2025 はパリオリンピックと 2024 年 7 月発行の新千円札。ただし出来事そのものを知っているかではなく、そこから地理や制度に運ばれます。
- 一方で、同じ設問がそのまま出た例は 3 年の原本では見つかりませんでした。資料も設問も毎年作り直されています。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸(精読した 3 年で 46〜64%)、短答が 27〜46%、記述は 5〜8%。短答の比率が年で大きく動きます(2024 は選択と短答が同数)。
- 「まちがっているもの」を選ぶ設問が毎年あります(2023 大問 2 (3)、2025 大問 1 (1)・大問 2 (1))。「2 つ選び」「すべて選び」も混ざります。
- 写真・絵・ロゴ・国旗・ピクトグラムを見て答える設問が多くなっています。写真を古い順に並べる(2023 の埴輪ほか、2024 の稲作の作業)、写真から人物を選ぶ(2025)、ロゴの意味を答える(2024 の SDGs)。
- 記述は毎年 1〜2 問、字数指定は 3 年ともありません。理由説明(2023 の沖縄の水不足、2025 の 4 つの国旗の共通点)、資料の説明(2024 の扇状地の土地利用、2024 の雨温図 2 地点の比較)。2023 には文の書き出しと結びが指定された記述がありました(「私や家族は」で始めて「ようにしている」で終わる)。
- 漢字指定があります(2023「東京都知事の名前を漢字で答えなさい」)。解答らんの形に合わせて答えさせる指定(「解答らんにあわせて答えなさい」)も複数年あります。
- 時差の計算(2025)、表から都道府県を当てる(2025 の米の産地)、統計表の 2 系列を見分ける(2023 の小菊の出荷)など、数の入った資料を読む設問が毎年複数入ります。
8-4. 国語(45 分・100 点・大問 2〜3・小問 35〜47。2016・2018・2020 年度で確認)
国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2015・2016・2018・2020 の 5 年で、精読したのはそのうち新しい 3 年(2016・2018・2020)。ここに書いたのは 2020 年度までの話で、直近 5 年の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2016・2018・2020)
| 年度 | 大問数・小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2016 | 3 大問・47 問 | 随筆(北極海でのクジラ猟と踊り。16 問) | 説明文(得意・学習・寺子屋・内発的動機づけ。14 問) | 漢字と言葉 17 問(書き取り 4・読み 4・体の一部を使う慣用句 3・ことわざの言いかえ 2・副詞の呼応 2・敬語 2) |
| 2018 | 3 大問・35 問 | 小説(祖母と暮らす「まい」の話。15 問。出典は梨木香歩『西の魔女が死んだ』ほか) | 漢字 10 問(書き取り 5・読み 5) | 言葉 10 問(語群からの慣用句 5・四字熟語の漢字 4・「決して」を使って文を作る 1) |
| 2020 | 2 大問・36 問 | 小説(サト先生とクラスの話。16 問。出典は福田隆浩『香菜とななつの秘密』) | 漢字と言葉 20 問(書き取り 5・読み 5・会話文から曜日などを読み取る 3・文の誤りを直す 3・ことわざの意味 4) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 文章題は 1〜2 題、知識の大問が必ず後ろに来るという枠は 3 年とも共通です。知識の設問数は 2016 が 17 問、2018 が 20 問、2020 が 20 問で、全体の 4 割前後を知識が占めます。他校と比べても知識の比重が大きい設計で、抜き出しと記号選択が読解の主軸です。
- 漢字は書き取りと読みが同数で出ます。2018 と 2020 はどちらも書き取り 5 問・読み 5 問。設問文も「次の①〜⑤の線部のカタカナを、それぞれ漢字に直しなさい」「次の①〜⑤の線部の漢字の読みを、それぞれひらがなで答えなさい」で同じです。
- ここに、原本で確認できた「同じ問題の使い回し」があります。2018 年度の読み 5 問のうち ①「友だちとの約束を果たす」②「政治を刷新する」③「出発時間が延びる」の 3 問が、2020 年度の同じ位置に同じ順で出ています(2020 の④⑤は「思い当たる節がある」「険しい山道」に差し替わっています)。ここだけは「同じ問題が出る」と言える場所です。
- 本文の冒頭に「(字数制限のある場合は、句読点や記号も字数に数えます。)」という但し書きが 3 年とも同じ形で入ります。
- 一方で、知識の大問の中身は毎年作り直されています。慣用句・ことわざ・四字熟語・敬語・副詞の呼応・文の誤り直し・語彙と、年ごとに違う組み合わせで出ます。どれが来ても取れる状態にしておく必要があります。
- 文章の種類は年で動きます。2016 は随筆+説明文の 2 題、2018 と 2020 は小説 1 題。説明文が出た年(2016)と出ない年(2018・2020)があるので、どちらも準備が要ります。
問い方の特徴
- 抜き出しが多くなっています。2016 の大問 1 は 16 問中 7 問が抜き出しで、「過不足なくぬきだし、その初めと終わりの五字」「三十字以上三十五字以内でぬき出し、その初めと終わりの三字」のように、範囲を自分で決めて端だけ書く形が多い。字数の幅が指定されるので、どこからどこまでかを厳密に決めないと当たりません。
- 記述は毎年 2〜3 問で、字数指定が付きます。「十五字以上二十二字以内」(2016)、「十字程度」(2018)、「三十五字以上四十字以内」(2020)、「それぞれ二十字以内で二点に分けて」(2020)。理科・社会の記述に字数指定が無いのと対照的で、国語だけ字数の管理が要ります。
- 解答らんの末尾が印刷されています。「解答らんの『から』につながるように」(2016・2018・2020)、「『場面』につながるように」(2016)、「『こと』につながるように」(2018)。文末を自分で決めるのではなく、指定に合わせて途中までを書きます。
- 記号選択は 4 択が基本で、最後に「この物語についての説明として正しいものを二つ選び」(2018)、「あてはまるものをすべて選び」(2020 問十六)という全体把握の設問が置かれます。
- 自分の言葉で書かせる設問が知識の側にもあります。2016 は「家の中や外で、親兄弟姉妹あるいは友人から学んだこと」の具体例を書かせ、2018 は「『決して』という言葉を使い、主語と述語のある一つの文を作りなさい」。読解の記述とは別の準備が要ります。
- 語彙・文法も出ます。敬語の書き換え(2016)、副詞の呼応(2016「まさか」)、文の誤り直し(2020「もし雨が降…」)、擬態語の空欄補充(2018 のガチガチ・ざわざわ)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
大問の座席は固定でも、中の単元は毎年入れ替わります。資料のある年に大問(または大きな枠)で使われ、直近 3 年で出ていない、または薄いものを挙げます。最終確認年度は、その単元を大問で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 大問で使われた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 電気回路・電流 | 2017・2021 | 2021 年度 | 4 年空き。大問 1(物理・化学の枠)でもっとも戻りやすい |
| 理科 | てこ・つり合い | 2010・2022 | 2022 年度 | 2022 に戻ったばかり |
| 理科 | 燃焼(気体の発生量の計算) | 2012・2013・2015・2016・2019 | 2019 年度 | 2024 に「ろうそくの燃え方」として部分的に戻った |
| 理科 | ふりこ・ばね・音・光 | 2012〜2016・2020 | 2020 年度 | 物理の枠が長く空いている |
| 理科 | 人体 | 2020 | 2020 年度 | 大問 2(生物)の枠。5 年空き |
| 理科 | 種子の発芽 | 2010・2012・2016・2018 | 2018 年度 | 2〜4 年周期だったが 7 年空き |
| 理科 | 生態系・食物連鎖 | 2014・2015 | 2015 年度 | 長く空いている |
| 理科 | 気象(天気図・台風) | 2014・2015 | 2015 年度 | 大問 3(地学)が天体に寄っているぶん、戻れば大きい |
| 理科 | 地層・岩石・化石 | 2013・2019・2022 | 2022 年度 | 3 年周期なら次の候補 |
| 理科 | 流水のはたらき | 2018・2021 | 2021 年度 | 3 年周期だが 2022 以降は無い |
| 算数 | 水量の変化(水そう) | 2018 | 2018 年度 | 大問 3・4 の枠に戻りうる。7 年空き |
| 算数 | 立体図形(回転体・容器) | 2015・2024 | 2024 年度 | 2024 に展開図で戻ってきた。回転体は 2014 が最後 |
| 算数 | 場合の数 | 2021 | 2021 年度 | 大問の枠では 4 年空き。一行題では随時 |
| 算数 | 論理・推理 | 2016・2018 | 2018 年度 | 大問の枠では 7 年空き |
| 算数 | 図形の移動と重なり | 2019・2020・2022 | 2022 年度 | 3 回出たが 2023 以降は無い |
| 算数 | 食塩水を主題にした大問 | 2015・2020 | 2020 年度 | 近年は大問 2 の一行題に吸収されている |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣 | 2010・2013・2015・2016 | 2016 年度 | 大問の枠としては 2016 が最後。小問では選挙が 2023 に出た。2 大問になってから公民は小問に散っている |
| 社会 | 財政・税 | 2014 | 2014 年度 | 長く出ていない |
| 社会 | 憲法・人権 | 2017 | 2017 年度 | 近年は「人権・多様性」の形(ジェンダー・SDGs)で入る |
| 社会 | 人口・都市 | 2019 | 2019 年度 | 大問 1 のテーマとして 6 年空き |
| 社会 | 貿易・資源・エネルギー | 2010・2025 | 2025 年度 | 2025 に発電の形で戻った |
| 社会 | 環境問題 | 2016 | 2016 年度 | テーマとしては空いているが、2024 の森林・2025 のセーヌ川で部分的に扱われた |
| 社会 | 幕末・明治維新を主題に | 2014・2017・2019 | 2019 年度 | 近年は大問 2 の終盤に 1〜2 問 |
| 社会 | 近代の戦争と大正・昭和前期 | 2010〜2018 に毎年 | 2018 年度 | 2 大問になってから比重が下がっている。戦後・現代は 2012 が最後で、近現代は近代までで止まる年が続いている |
| 社会 | 対外関係史(遣唐使〜鎖国〜開国を通して) | 2021 | 2021 年度 | 4 年空き |
| 国語 | 説明文・論説文 | 2016 | 2016 年度 | 精読した 2018・2020 には無いが、資料のある年が少ないので出ない前提には立てない |
| 国語 | 敬語・四字熟語・副詞の呼応・文の誤り直し | 敬語 2016/四字熟語 2018/副詞の呼応 2016/文の誤り直し 2020 | 2020 年度 | それぞれ 1 年でしか確認できていない。知識の大問は毎年構成が変わるので、いずれも準備の対象 |
10. 形式面の注意
4 科目共通
- 社会と理科が合わせて 50 分。 これが最大の特徴です。合わせて 45〜50 問あり、両方に記述が 1〜2 問ずつ入ります。どちらを先に解くか、何分で切り上げるかを事前に決めておく必要があります。
- 記号選択の比率が科目でまったく違います。算数は精読した 3 年で記号選択ゼロ。理科は 62〜67%、社会は 46〜64%、国語は 31〜36%。「記号選択が多い学校」という一つの言い方ではとらえられません。
- 記述はありますが、いずれも短いものです。理科 1〜2 問、社会 1〜2 問、国語 2〜3 問。長文記述はありません。字数指定は国語だけに付きます。理科・社会の記述は精読した 3 年とも字数指定が無く、そのかわり指定語(理科 2025 の「部屋の空気」「エアコンからの暖気」「同じ体積で比べると」)や書き出し・結びの指定(社会 2023)が付きます。
算数
- 45 分で 15 問。1 問あたり 3 分の計算になり、算数としては時間に余裕のある設計です。そのかわり 1 問の重みが大きく、大問 3 は (1) を落とすと (2) も落ちる二段構えになっています。計算 3 問+逆算+単位換算の 5 問(大問 1)を短時間で確実に取れるかが、後半に回せる時間を決めます。
- 大問 1 の計算は、2025 (2) の「(1/27 − 1/25÷3) ÷ (1/25 − 1/27÷3)」、2025 (3) の「7×(2/3+0.4) + 8×(1/6+0.9)」のように、単に順に計算すると重くなり、工夫すると軽くなる作りが混ざります。
- 図のある小問はおよそ 4 分の 1。円とおうぎ形、展開図、正方形の組み合わせなど、図から長さを読む問題に集中しています。
- 作図には定規を使う指示が付きます(2023 大問 4 のグラフ)。フリーハンドでよいとは書かれていません。解答は数値のみで、単位は問題文側に書かれています。
理科
- 理科だけで 20〜21 問、社会が 22〜28 問なので、2 科目合わせて 45〜50 問を 50 分で処理することになります。1 問 1 分強しかありません。
- 作図がありますが「おおまかな線でよい」と明記される年があります。定規は使えない前提の年があります(2023・2024。算数の作図が「定規を使って」と指定されるのとは逆です)。
- 計算の答えの書き方は「約何度ですか」「何時ごろですか」など、概数で答えさせる指定が多くなっています。
- 記述は 1〜2 文。指定語を落とすと成立しないので、設問文の「〜の 3 つの言葉を必ず使うこと」を必ず確認します。
- 図は本文に埋め込まれ、有図の小問は全体の 6 割前後。図を見ないと答えられない設問が多くなっています。
社会
- 社会だけで 22〜28 問あり、記述も 1〜2 問入ります。この学校で時間が最も厳しいのは社会と考えてよいでしょう。
- 大問 2 は会話文が長く、下線部が 10 本以上あります。会話を全部読んでから解くのではなく、下線部ごとに設問へ移る読み方にしないと間に合いません。
- 資料の点数が多くなっています(表・グラフ・地図・写真・雨温図・ロゴ)。2023 の大問 1 だけで表 3 点と地図 1 点があります。
- 漢字指定(「東京都知事の名前を漢字で答えなさい」2023)や、解答らんの形に合わせる指定(「解答らんにあわせて答えなさい」)が複数年あります。
- 記述の解答らんは 1〜2 行。字数指定が無いぶん、書き出しや結びの指定を読み落とさないこと。
国語
- 45 分で 35〜47 問。知識で 20 問前後を確実に取り、残りを読解に回すという時間の組み立てになります。
- 字数指定は句読点・記号を含めて数えます(本文冒頭の但し書き)。
- 抜き出しは「初めと終わりの三字/五字」を書く形が多いので、写し間違いが直接失点になります。
- 記述の解答らんは末尾が印刷されている場合があります(「解答らんの『から』につながるように」)。文末をそろえること。
- 精読した 3 年に古文・詩・韻文はありません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をやるか |
|---|---|
| 小 4(土台) | ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と、□を求める逆算。実践女子学園は大問 1 が 12 年ずっと計算なので、ここが最後まで効きます。②時間の計算 — 分と秒、時間と分の変換に早くから慣れます(大問 1 の (5) が 3 年連続でここ)。③漢字 — 書き取りと読みを同じ量ずつ。国語は知識が 4 割あります。④身のまわりの理科 — 月や星を見る、植物を育てる、こん虫の体を観察する。理科は「花子さんの疑問」から始まる作りなので、疑問を持つ習慣そのものが土台になります。⑤地図と日本 — 都道府県、地形、雨温図の見方。時間計測はまだしなくてよい段階です |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える年です。この学校は座席が固定されている一方、中の単元は毎年入れ替わるので、小 5 でどれだけ穴を減らせたかがそのまま効きます。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形に。平日 15 分は算数と国語に充てます — 算数は一行題の 10 単元(割合・食塩水・つるかめ算・売買損益・速さ・過不足算・和差算・消去算・規則性・円とおうぎ形の順)を一巡(つるかめ算・過不足算・和差算・消去算は教科書に載っていない受験用教材の単元です。中身は用語集へ)、国語は知識分野(慣用句・ことわざ・四字熟語・敬語)を一巡し、説明文を読む習慣を付けます。ただし国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無いので(→ 13 節)、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください。週末 60 分はその週の 1 分野に — 理科は 4 分野を漏らさず、とくに天体(星の日周・年周、月の満ち欠け)に厚く。社会は地理を一巡し、歴史は古代から通しで一度。この段階から、理科と社会を続けて解く習慣を軽く入れておくとよいでしょう |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は社会と理科を 50 分でセットにした通し演習を軸に据えます。算数は 45 分 15 問と余裕があるので、大問 1 を短時間で抜けて大問 3・4 に時間を残す配分を作ります。国語は漢字と知識を毎日 15 分、読解は抜き出しの範囲決めと字数指定つきの記述に絞ります(2021 年度以降の資料は無いため、直近の形式は市販の過去問集で。→ 13 節)。「同じ座席を縦に並べて解く」演習は、算数の大問 1、社会の大問 2 の古代部分、国語の漢字に限定してよいでしょう |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 から積む「速く正確に処理する力」の 2 点です。座席は固定でも中身は毎年作り直されるので、頻出単元だけ仕上げれば足りるとはなりません。そして 4 科で受ける場合、社会と理科を合わせて 50 分という設計は、知識の引き出しの速さをそのまま点にします。小 4 のうちに計算と漢字を「考えずに手が動く」水準まで上げておくと、小 6 で社会・理科の演習に時間を回せます。逆に、1 問を長く考える力に早くから時間をかけても、この学校では返り方が小さくなります。
12. この学校と併願するなら
観点は「過去問の演習が二重に効くか」だけです。合格可能性・お子さんとの相性・難易度・偏差値・通学圏は扱いません。出題構造の近さ(0〜100)を科目ごとに測った自動集計で上位に並んだうち、とくに近い 3 校を挙げます(国語は資料の年数が足りず、どの組み合わせでも比較できていません)。
- 二松学舎大学附属柏中学校(千葉県・共学)— 3 科すべてで最も近く、とくに社会が近い組み合わせです。大問数の少なさと資料の読み取り中心という性格が共通しています。
- 埼玉平成中学校(埼玉県・共学)— 理科の記号選択比率と図の多さが近い組み合わせです。
- 目黒日本大学中学校(東京都・共学)— 理科が近い組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
読み方の注意です。
- 近さは「出題構造が似ている」という意味で、同じ問題が出るという意味ではありません。大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元・設問文の言い回しの距離と、単元分布の似かたを合成したものです。近さの計算に男女別学・共学の区別、入試日程、難易度、通学圏は入っていません。「共学」「入試が重なる回あり」の注記は、自動集計の表をそのまま写したものです。
- 国語はこの学校の資料が 5 年しか無く、しかも 2020 年度で止まっているため比較できていません。国語の相性を知りたい場合は市販の過去問集で見比べるほかありません。
- この学校は 4 科(国算社理)で受けられるのが第 1 回と第 3 回だけで、ほかの回は 2 科です。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
- この学校ならではの注意がもうひとつあります。実践女子学園の社会・理科は合わせて 50 分という設計で、これは上の 8 校とは違います。単元や形式の演習は転用できても、時間配分の練習だけは転用できません。社会 30 分・理科 30 分の学校の過去問で時間の感覚を作ってしまうと、この学校の 50 分でつまずきます。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。資料は 1 年・1 科目 1 冊で回の表記が読み取れません。4 科(国算社理)で受けられるのは第 1 回と第 3 回だけなので、そのどちらかに相当すると考えられますが、断定はできません。2 科(国算)の回、思考表現入試、英語資格入試の問題はこの資料に含まれず、傾向も分かりません。
- 精読したのは各科目 3 年ぶんだけです。算数・理科・社会は 2023・2024・2025 年度、国語は 2016・2018・2020 年度。それ以外の年については、大問の本数・小問の数・大問ごとの単元は資料から確認しましたが、設問文そのものは読んでいません(=構成だけ数えた年)。本文で「3 年連続」と書いたのは精読した 3 年のこと、「◯年連続」と年数で書いたものは大問の並びを資料で確認した範囲のことです。
- 国語は 2020 年度で止まっています。2021 年度以降の問題文は著作権処理の関係で資料に載っていません。直近 5 年で大問の本数・知識の比重・説明文の有無が変わっているかどうかは分かりません。出典(作者・作品)も同じ制約を受けており、確認できたのは 2010・2015・2018・2020 の 4 年ぶんだけです。
- 2024 年度は 3 科目とも転写の確度がやや低くなっています。算数の大問 3 (1) では設問文の図の情報が一部落ちていました。この設問だけは題材の確認にとどめ、細部の分析には使っていません。
- 転写は画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがありえます。本文中の年度・回数はすべて原本の設問文または資料の大問構成で確認したものに限りましたが、選択肢の中だけに出る語は文脈が短いままです。
- 配点は科目ごとの満点しか分かりません。設問別の配点はどの年度にも印刷されておらず、比重は設問数からしか語れません。社会と理科が各 50 点で合わせて 50 分という条件から、1 問あたりの重みは社会・理科がいちばん軽いとは言えますが、それ以上は分かりません。
- 「毎年」「◯年連続」は 3 年以上の反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題の意図を裏づける資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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