川村中学校 の過去問分析

川村中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

川村中学校 過去問分析(2012〜2025 年度・回の区別なし・算数 9 年分/他科目 3〜4 年分)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都豊島区
男女 女子校
旧称 川村女学院、川村女学院高等女学校
入試回と日程(2027 年度) プレミアム 2 月 1 日午前/セレクト① 2 月 1 日午後/セレクト② 2 月 3 日午前/セレクト③ 2 月 4 日午後/セレクト④ 2 月 5 日午後/セレクト⑤ 2 月 7 日午前
科目 プレミアムは 2 科目受験(国語・算数・英語・自己表現から選択)。セレクト①〜⑤は 2 科目または 1 科目(国語・算数・英語から選択)。理科・社会は入試科目に入っていません(→ 10 節)
試験時間・配点 各 50 分・各 100 点
備考 プレミアムは英検 3 級以上取得者に学科試験の優遇があります。特待生選抜は 2 科目受験のみ対象です

上の表は 2027 年度の募集要項(学校の公表資料)による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

このレポートは入試回を特定できていません(転写に回の表記が無いためです。→ 4 節・13 節)。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 算数は大問 1(計算)と大問 2(一行問題=数行で終わる短い文章題)の座席(問題の置き場所)が、資料のある 9 年間動いていません。この 2 つで全小問の 48〜75% です。
  2. 大問 3 以降は毎年作り直しですが単元の顔ぶれは狭く、速さのグラフが 9 年中 6 年、規則性が 9 年中 5 年、独立した大問になっています。国語も精読した 3 年で 5 つの大問の並びが同じで、最後の大問 5 は放送を聞いて答える聞き取り問題でした。
  3. 「あなたの考えを書きなさい」が科目をまたいで出ます(国語の放送問題・社会の記述・算数の説明問題)。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1・2 だけを、年度をまたいで 9 年分縦に解きます。
  2. 速さのグラフ(ダイヤグラム)と、図形を並べて増やす規則性を仕上げます。
  3. 正解が 1 つに決まらない問いに 2〜3 文で答える練習を週に何度か入れます。

今週やる 1 つ

  1. 2025 年度の算数の大問 1(計算 7 問)と大問 2(一行問題 5 問)を解いて、単位換算と逆算(□にあてはまる数を求める計算)まで落とさず取り切れるか確かめます。

注意

  1. 理科・社会は 2027 年度の入試科目に入っていません。国語・理科・社会の資料は 2015 年度以前で止まっており、直近の形式は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節)。

4. 資料の状況

手元にあるのは、過去問データベースから起こした転写データです(転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)。川村中学校については問題冊子 20 冊・2012〜2025 年度(うち 1 冊は後述のとおり他校のものだったため除外し、川村中学校のものは 19 冊)があり、科目ごとの年数はかなり偏っています。

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数を数え、単元・題材は転写の自動集計で補った年)/資料のある年(転写が存在する年)。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年
算数 3 年(2019・2020・2025) 6 年(2012・2013・2014・2015・2017・2018) 9 年(2012〜2015・2017〜2020・2025)
社会 3 年(2013・2014・2015) 1 年(2012) 4 年(2012〜2015)
理科 3 年(2012・2013・2015) 0 年 3 年(2012・2013・2015)
国語 3 年(2012・2013・2014) 0 年 3 年(2012〜2014)

読み方の注意を先に 4 つ書いておきます。

  1. 算数だけが直近(2025 年度)まで届いています。理科・社会・国語は 2015 年度以前で止まっています。10 年以上前の資料なので、この 3 科目について書けるのは「当時こうだった」までで、現在の形式は市販の過去問集で確認してください。
  2. 国語は 2015 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2012〜2014 年度に限った話です。出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
  3. 算数も 2016 年度と 2021〜2024 年度が抜けています。2020 年度と 2025 年度のあいだが 5 年空いているので、「2025 年度の姿がいつからそうなったか」は分かりません。この間の変化は市販の過去問集で埋めてください。
  4. 入試回の区別ができません。川村中学校は 2 月 1 日から 2 月 7 日にかけて複数の回を実施していますが(学校が公表している 2027 年度は「プレミアム」+「セレクト①〜⑤」)、転写データは校×年×科目あたり 1 冊しか無く、冊子に回の表記も見当たりませんでした。以下は「そのうちの 1 つの回」の話として読んでください。

収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校では資料側の異常が 1 つありました。2014 年度の理科として置かれていた冊子は、ヘッダーが「2014 年 聖和学院中学校入学試験問題 理科 第一回 A 日程」で、川村中学校のものではありませんでした。この 1 冊は本レポートから除外しています(理科が 3 年分しか無いのはそのためです)。逆方向の混入がないか、20 冊すべての問題冊子について本文中の学校名表記を確認しましたが、他校名が現れたのはこの 1 冊だけでした。


5. 一番大きな結論

この学校の出題は「前半が完全に固定されていて、後半は毎年作り直す」という作りです。

いちばんはっきりしているのは算数の大問 1 と大問 2 の座席(問題の置き場所)でした。資料のある 9 年(2012・2013・2014・2015・2017・2018・2019・2020・2025)のすべてで、

がこの順で置かれています。この 2 つで全小問の 48〜75%。大問 3 以降は年ごとに単元も並びも入れ替わりますが、選ばれる単元の顔ぶれは狭く、速さのグラフを独立した大問にする年が 9 年中 6 年、規則性を独立した大問にする年が 9 年中 5 年でした。

国語も、精読した 3 年(2012・2013・2014)で 5 つの大問の並びが同じでした。とくに大問 5 が 3 年とも「放送を聞いて答える」聞き取り問題で、指示文まで 2013・2014 年度はほぼ一字一句同じです(「解答用紙の第五問を見てください。問題文、設問ともに放送で流します。よく聞いて答えてください。メモをとっても構いません」)。大問 1 の問一が「カタカナを漢字に直し、漢字は読み方をひらがなで答えなさい」なのも 3 年とも固定でした。

社会は大問数こそ 3〜4 で揺れますが、前年の新聞記事を導入にした大問が資料のある 4 年すべてにあり、「年代の古い順に並べかえなさい」が 3 年連続(2013・2014・2015)で史料・人物を並べた大問の最後に置かれていました。

理科だけは位置の固定が見つからず、大問ごとに分野を配り直す作りでした。

ここから言えることは 2 つです。

  1. 過去問の使い方は「同じ座席を縦に解く」が第一。算数なら大問 1・2 だけを年度をまたいで 9 年ぶん続けて解く、国語なら大問 5 の聞き取りと大問 1 の問一だけを 3 年ぶん続けて解く、という縦の使い方が効きます。
  2. ただし「出た問題を覚える」対象ではありません。 両年の原本を突き合わせても、文言まで同一の問題は見つかりませんでした。見つかったのは骨格が同じで数値だけ違う問題です(2020 年度と 2025 年度の計算 1 問目、2020 年度と 2025 年度の正方形+円弧の面積など)。同じ座席に、同じ作りの、別の問題が来ると考えてください。

もう 1 つ、この学校を貫いている性格があります。「自分の考えを書きなさい」が科目をまたいで出ることです。国語の放送問題の 3 問目(3 年連続)、社会の記述(2014・2015 年度)、算数の「どちらが強いチームといえますか。あなたの考えを書きなさい」(2018 年度)。正解が 1 つに決まらない問いに、自分の言葉で答える練習が、科目を横断して効きます。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(優先順)

想定学年は小 6・過去問演習期です。小 5 以前の方は 11 節の学年別ロードマップを先に読んでください。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を資料で確認できている最後の年度です。なお 6・7 は理科・社会が入試科目だった当時(2012〜2015 年度)の内容です(→ 10 節)。

  1. [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算 6〜8 問)と大問 2(一行問題 5〜8 問)を、資料のある 9 年ぶん縦に解く — 四則計算に加えて、単位換算(cm³・mL・L・dL/時間・分・秒)と逆算と概数が定位置で混ざります。9 年のうち 7 年で大問 1 の最後の 1〜2 問が単位換算か逆算でした。ここを落とさないだけで得点の土台が変わります。大問 2 の単元は 11 節の一覧(売買損益から推理まで 10 個前後)を一通り「一行で解ける状態」にしておくのが目標です。(確認: 〜2025 年度)
  2. [週末 60 分] 速さのグラフ(ダイヤグラム)を仕上げる — 9 年中 6 年で独立した大問、うち 4 年は最後の大問でした(2014・2015・2018・2019)。グラフを読む問題とグラフを描く問題の両方が出ます(2019 年度 大問 5 (1) は「グラフを解答欄にかきなさい」)。(確認: 独立した大問としては〜2019 年度。2025 年度は大問 2 の一行問題に登場)
  3. [週末 60 分] 図形の規則性を仕上げる — 規則性を独立した大問にする年が 9 年中 5 年(2013・2015・2017・2019・2025)、うち正方形や正三角形を段状に並べて周の長さ・個数・書かれた数の合計を聞く形が 3 年です(→ 8-1 節)。(確認: 〜2025 年度)
  4. [週 1 回] 国語の聞き取りの練習 — 精読した 3 年とも大問 5 が放送問題でした。ニュースや朗読を 3 分聞いてメモを取り、事実 2 問+自分の考え 1 問を書く、という形で練習できます(現在も実施されているかは市販の過去問集で確認してください)。(確認: 〜2014 年度)
  5. [週末 60 分] 国語の「形を縛られた」記述と漢字 — 「〜に続くように」「『〜を……こと』の形で」「『〜から』につなげるように」「指定の 3 語を必ず一回ずつ用いる」が 3 年連続で出ていました。字数指定のある記述は 30〜50 字が中心です。漢字は大問 1 の問一が 3 年とも「カタカナは漢字に直し、漢字は読み方をひらがなで」という双方向の形なので、書き取りと読みを同時に練習します。(確認: 〜2014 年度)
  6. [週 1 回] 社会の時事整理と「年代の古い順に並べかえ」 — 資料のある 4 年とも、前年の出来事の新聞記事が導入でした。世界遺産・オリンピック・税制・貿易協定・新幹線と、社会科の単元に橋を架けやすい話題が選ばれています。前年 1 年ぶんのニュースを「教科書のどこにつながるか」で整理してください。「年代の古い順に並べかえなさい」も 3 年連続で、史料や人物を並べた大問の最後に置かれていました。史料 4〜5 点を時代順に並べる形です。(確認: 〜2015 年度)
  7. [週末 60 分] 理科の「条件を変えた実験の表」を読む練習 — 発芽条件の 8 通りの表、枝 A〜D の蒸散量。どれとどれを比べるかを言葉で説明できるところまで。(確認: 〜2015 年度)
  8. [週 1 回] 全科目共通で「自分の考えを書く」 — 国語の放送問題の 3 問目、社会の記述、算数の説明問題。正解が 1 つに決まらない問いに 2〜3 文で答える練習を、週に何度か入れてください。(確認: 算数は〜2018 年度・社会は〜2015 年度・国語は〜2014 年度)

8. 科目別の詳細

8-1. 算数(2012〜2025 年度・9 年分/精読した 3 年は 2019・2020・2025 年度)

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2012 5/25 計算 7 問 一行問題 8 問(通過算・規則性・売買・角度
・平均・仕事算・円・場合の数)
折り紙をつないだ図形の面積 バスと歩行者のダイヤグラム 立方体の積み木を重ねた立体
2013 5/24 計算 8 問 一行問題 7 問(場合の数・速さ・円・和差算
・角度・線対称・食塩水)
正方形を並べる規則性 長方形の辺上を動く点とグラフ 容器の水量とグラフ
2014 5/22 計算 7 問 一行問題 8 問(和差算・面積・角度・速さ
・立体・集合・概数・推理)
点対称な図形の作図 1 問 三角形の面積比(AD:DE=2:1) 弟を追いかける兄のグラフ
2015 5/22 計算 8 問 一行問題 7 問(規則性・売買・円・図形の移動
・速さ・場合の数・割合)
四角柱の体積・表面積 直線の交点の数の規則性 家から 2000m の登校のグラフ
2017 5/22 計算 7 問 一行問題 8 問(面積・資料・場合の数・売買
・数の性質・平均・推理・角度)
分数の差への分解(部分分数) ショッピングモールまでの速さ 正三角形を並べる規則性+作図
2018 5/19 計算 6 問 一行問題 6 問(売買・和差算・速さ・角度・面積・円) サッカーの勝敗表と割合(説明 2 問) 正三角形が正三角形の外側を転がる 長方形上の動点と面積のグラフ
2019 5/21 計算 6 問 一行問題 5 問(数の性質・角度・面積・場合の数・食塩水) 正方形の紙を 4 回折って切る(作図 2 問) 正方形を段状に並べる規則性 1 周 400m のトラックを走る 2 人(グラフ作図)
2020 5/23 計算 6 問 一行問題 5 問(数の性質・食塩水・円・割合・面積) 正五角形の対角線と角度+動点 好きなケーキの棒グラフ・円グラフ 正三角形 6 個の正六角形上を動く点の場合の数
2025 4/16 計算 7 問 一行問題 5 問(食塩水・速さのグラフ・数の性質・数の性質・面積) 3 種類の硬貨で 380 円(場合の数) 2025 年のカレンダーと曜日の規則性

表に出てくる通過算(列車が橋やトンネルを通る時間)・仕事算・和差算などの受験用教材の単元の中身は 用語集 にあります。

何が固定されているか

大問 1 と大問 2 の座席が 9 年間動いていません。

大事なのは、大問 2 は「1 つの単元の大問」ではなく寄せ集めだという点です。自動集計で年度×大問の一覧を作ると大問 2 が「数の性質の年」「和差算の年」のように見えますが、それは 1 問目の単元をその大問の代表としてしまっただけで、実際には毎年 5〜8 単元が並んでいます。ここを「年ごとに単元が変わる」と読むのは誤りです。

この 2 つの大問が占める分量は大きく、全小問の半分前後です。

年度 大問 1+2 の小問数 全小問数 割合
2012 15 25 60%
2015 15 22 68%
2018 12 19 63%
2019 11 21 52%
2020 11 23 48%
2025 12 16 75%

大問 3 以降は毎年作り直しです。位置ごとの単元は固定されていません。ただし単元の「顔ぶれ」は狭く、次の 3 つがぐるぐる回っています。

問い方の特徴

「同じ問題」ではなく「同じ作りの問題」

原本で両年を突き合わせて確認できた範囲では、文言まで同一の使い回しは見つかりませんでした。見つかったのは、骨格が同じで数値だけ違う問題です。2 例を挙げます。

これは「出た問題を覚える」対象ではなく、「同じ作り方をされるので、その作り方に慣れておく」対象です。

形式面(算数)

8-2. 国語(2012・2013・2014 年度の 3 年分のみ)

先に断っておきます。国語は 2015 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2012〜2014 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。 ただし 3 年ぶん精読した限りでは、この学校の国語は他校ではあまり見ない作りをしていたので、記録として残します。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2012 5/32 物語(戦地から帰った正法さんと加之子姉ちゃん)10 問 説明文(漆のうつわ・赤木さん)10 問 漢字パズル(共通の部首を当てる)5 問 語句の用法の識別(「ある」「ない」「の」「まで」)4 問 放送を聞いて答える 3 問(恐竜と絶滅)
2013 5/35 随筆(雛まつりとテイ・おばあさん)11 問 説明文(東京スカイツリーの設計)10 問 三字熟語の組み立ての分類 3 問 季語の季節を答える 8 問 放送を聞いて答える 3 問(囲碁)
2014 5/24 随筆(クジラと泳ぐ)10 問 説明文(地産地消と食育)9 問 部首を組み合わせて漢字を作る 1 問 体の一部が入る慣用句 1 問 放送を聞いて答える 3 問(コスタリカと自然)

一番目立つ固定 ── 大問 5 は 3 年とも「聞き取り」

精読した 3 年(2012・2013・2014)とも、最後の大問 5 が放送を聞いて答える問題でした。指示文もほぼ同じで、2013・2014 年度は「解答用紙の第五問を見てください。問題文、設問ともに放送で流します。よく聞いて答えてください。メモをとっても構いません」と、一字一句近い文言です(両年の原本で確認)。

中身の作りも 3 年とも同じで、

  1. 放送内容についての事実確認 1 問
  2. 同じく事実・理由の確認 1 問
  3. 「あなたの考えを書きなさい」という自分の意見の記述 1 問

の三段構えでした。3 問目の言い回しは「生きもののにぎわう星を保つため、あなたにできることは何ですか」(2012)/「放送を聞いて、あなたが自分の将来について思うことを書きなさい」(2013)/「自然とうまく付き合う大人になるために、大事なことは何ですか。あなたの考えを書きなさい」(2014)で、放送の話題を自分に引き寄せて書かせる形が共通しています。

放送問題は転写データに音声そのものが無いため、設問文からの推測を含みます。市販の過去問集や学校説明会で、現在も実施されているか必ず確認してください。

残り 4 つの大問の座席

こちらも 3 年とも同じ並びでした。

記述の量と字数指定

記述の割合は 3 年とも高めで、2012 年度 22%(7/32)・2013 年度 31%(11/35)・2014 年度 38%(9/24)でした。記号選択も同程度あり(34%・37%・21%)、短答(漢字・抜き出し)と三分している形です。

字数指定は「ある年もあれば無い年もある」ではなく、精読した 3 年すべてにありました。

一方で、字数を指定せず「説明しなさい」とだけ言う記述のほうが数は多いです(2013 年度は 11 問の記述のうち字数指定が見当たりませんでした)。解答欄の大きさで長さを判断させるタイプなので、過去問を解くときは解答用紙の欄の大きさごと再現してください。

この学校の国語らしい問い方

出典(原本の本文末尾の表記で確認できたもののみ)

2012 年度は本文末尾に出典の表記が見当たらなかったため書きません。

8-3. 社会(2012〜2015 年度の 4 年分のみ/精読した 3 年は 2013・2014・2015 年度)

社会は 2016 年度以降の資料がありません。以下は 2012〜2015 年度に限った話です。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2012 3/27 一問一答(短答 9 問) 九州新幹線全線開通と九州地方の地図 10 問 「夏草や兵どもが夢の跡」から平泉・奥州藤原氏 8 問
2013 3/25 福岡県の形+2 万 5 千分の 1 地形図(元寇防塁・老人ホームの記号)7 問 和歌・憲法条文・きまり・条約など 5 つの史料 10 問 新聞記事(ロンドン五輪)から世界地理・時差 8 問
2014 4/24 農産物の輸入量グラフ 2 枚 3 問 新聞記事(TPP と関税)6 問 歴史上の女性 4 人(与謝野晶子ほか)7 問 新聞記事(富士山の世界文化遺産登録)8 問
2015 4/28 新聞記事(富岡製糸場の世界遺産登録)6 問 新聞記事(消費税 8% への引き上げ)6 問 史料 4 点(刀狩令・万葉集・十七条の憲法ほか)9 問 長崎県の地図(出島・地図記号・地形)7 問

この学校の社会の芯 ── 新聞記事と史料

資料のある 4 年すべてで、前年の出来事を報じた新聞記事か、それに準じる時事の文章が大問の導入になっていました。

しかも 2014・2015 年度は 4 つの大問のうち 2 つが新聞記事の導入です。記事そのものを読ませ、空欄に語を入れさせ、そこから地理・歴史・公民に枝を伸ばしていく作りなので、時事を「知識として覚える」より「記事を読んで既習事項につなげる」練習が効きます。

もう一方の柱が史料です。2013 年度は和歌・憲法条文・法令・条約の 5 点、2015 年度は刀狩令・万葉集の歌・十七条の憲法・江戸期の農書の 4 点を並べ、それぞれについて出典・人物・内容を聞いています。史料の現代語訳から時代を特定する力が要ります。

3 年連続で出た同じ問い方

「年代の古い順に並べかえなさい」が 2013・2014・2015 年度の 3 年連続で、いずれも史料や人物を並べた大問の最後の小問という同じ位置に置かれていました(2013 大問 2 問 6/2014 大問 3 問 6/2015 大問 3 問 5)。中身は毎年違いますが、問い方と置き場所は同じです。2012 年度にはありませんでした。

記述の量と性格

記述の割合は 2012 年度 11%(3/27)・2013 年度 16%(4/25)・2014 年度 21%(5/24)・2015 年度 25%(7/28)で、資料のある 4 年のあいだで増えています。ただし 4 年しか無く、しかも 10 年以上前の話なので、「増加傾向」と言い切ることはしません。

記述の中身は 3 種類に分かれます。

  1. 理由を説明する: 「元寇の結果、武士たちが幕府に対して不満をつのらせた理由」(2013)/「出島でしか貿易を行えないようにしていた理由」(2015)/「二院制が採用されている理由」(2015)
  2. 資料から読み取って説明する: 「グラフ【A】のあの輸入量が 1960 年代以降増えているのはどうしてだと考えられますか」(2014)/「絹糸の輸出が急激に減少したと考えられる理由」(2015)
  3. 自分の意見を書く: 「富士山が世界遺産に登録されたことによる問題点と、その解決のためにはどうすればよいかを考えて述べなさい」(2014)/「投票率を上げるにはどうすればよいと考えますか。自由に意見を述べなさい」(2015)

3 番目の「自由に意見を述べなさい」が入るのは、国語の放送問題の 3 問目と同じ発想です。科目をまたいで「自分の考えを書かせる」のがこの学校の作り方に見えます。

形式面(社会)

8-4. 理科(2012・2013・2015 年度の 3 年分のみ)

理科は 2016 年度以降の資料がありません。さらに、2014 年度として置かれていた冊子は他校のものだったため除外しています(4 節参照)。したがって以下は 2012・2013・2015 年度の 3 年ぶんの話です。

年度×大問の題材表

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2012 3/19 1 日の気温と太陽高度のグラフ/太陽の日周運動(地学) ガスバーナーとビーカーの水の対流(物理・器具) 枝 A〜D を使った蒸散の実験(生物)
2013 4/16 てこのつり合いと重心(物理) 氷と水の密度/食塩水の濃度(化学) ペットボトルのリサイクル(環境) ダイズとレタスの発芽条件の実験(生物)
2015 4/30 ブランコとふりこ(物理) ろうそくの燃焼と石灰水(化学) 生き物の冬ごし(生物) 2 月 1 日の月の見え方と月食・オリオン座(地学)

固定されているのは「座席」ではなく「配り方」

3 年とも大問ごとに分野が変わり、1 つの大問に 1 つの分野という配り方でした。ただしどの位置にどの分野が来るかは決まっていません(2012 年度は大問 1 が地学、2013・2015 年度は大問 1 が物理)。年ごとに組み替える作りと見るのが素直です。

一方で共通しているのは「実験・観察の場面から始める」ことです。精読した 3 年のすべての大問が、装置の図・実験の表・観察記録のいずれかを導入に持っています(てこにおもりをつるす/ペトリ皿に条件を変えて種をまく/石灰水入りのびんでろうそくを燃やす/東京で月を観察する)。知識を単独で聞く問題は少なく、実験の手順や条件の違いを読ませてから知識を出させます。

条件を変えた実験の対照実験を選ばせる問題は、この学校らしいところです。

問い方と形式(理科)


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

資料のある年に限った話です。資料に無い年(算数の 2016・2021〜2024、他 3 科目の 2016 年度以降)に出ていた可能性は否定できません。最終確認年度は、その単元・題材を資料で最後に確認できた年度です。

科目 単元・題材 最終確認年度 状況
算数 立体図形(体積・表面積)を独立した大問にする 2015 年度 大問 3 2012・2013・2015 年度に大問として出たあと、資料のある 2017 年度以降の 5 年(2017・2018・2019・2020・2025)では大問になっていない。一行問題の中には 2014 年度に登場
算数 水量とグラフ(容器に水を入れる) 2013 年度 大問 5 資料のある範囲では 2013 年度の 1 回だけ。速さとグラフの隣にある単元なので、対策としては同じ引き出しに入れておくとよい
算数 対称な図形の作図 2014 年度 大問 3 2013 年度(対称の軸をかく)・2014 年度(点対称な図形を完成させる)と 2 年続いたあと、資料のある範囲では見えていない
算数 資料の読み取り(表・グラフから読む)を独立した大問にする 2020 年度 大問 4 2018 年度 大問 3(サッカーの勝敗表)・2020 年度 大問 4(ケーキの棒グラフと円グラフ)。2〜3 年おきに顔を出す
社会 地形図の読図(2 万 5 千分の 1) 2015 年度 大問 4 2013 年度 大問 1・2015 年度 大問 4。地図記号と組み合わせて出る

10. 形式面の注意(4 科目共通)


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

やること
小 4(土台) 計算の正確さがそのまま得点になる学校です。四則計算と、単位換算(長さ・かさ・重さ・時間)を「表を見ずに変換できる」水準まで。国語は漢字を「書ける/読める」の両方向で。短い文章を聞いてメモを取る遊びを入れておくと、後で聞き取り問題に効きます。時間計測はまだ不要です
小 5(幅) 週の基本形は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」です。平日 15 分は、8-1 節の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として、大問 2 の一行問題に毎年顔を出す単元を次の順で回します: 売買損益 → 食塩水 → 角度 → 面積 → 場合の数 → 数の性質 → 速さ → 規則性 → 和差算(和と差から 2 つの数を求める・受験用教材の単元) → 平均算 → 推理 の 10 個前後。週末 60 分は、その週の単元のまとめと、速さとグラフ・図形の規則性に充てます。この 2 つはこの学年で一度仕上げておくと小 6 が楽です。国語は理由を 2〜3 文で書く習慣を。社会は時事に触れる習慣(新聞・ニュース)を、単元と結びつけて。ただし国語は 2015 年度以降、理科・社会は 2016 年度以降の資料が無いので、直近の出題は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節)
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目です。夏以降は同じ座席を縦に(算数の大問 1・2、国語の大問 5)と、年度通しで時間を計るの 2 種類を使い分けてください。試験時間は 1 科目 50 分・100 点です(学校公表の 2027 年度要項)

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。差がつくのは小 4 の計算と単位換算です。算数の全小問の半分前後が大問 1・2 の計算と一行問題で、そこは「難しい問題を考える」場所ではなく「速く正確に処理する」場所です。小 4 のうちに計算と単位が体に入っていると、小 5・小 6 で単元の幅を広げる時間がそのまま確保できます。逆に、大問 3 以降は毎年作り直されるため、小 6 で「出そうな問題を当てにいく」やり方はこの学校では効きません。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は扱いません。

この学校については、自動集計で候補を出すことができませんでした。候補の計算には「2 科目以上について過去問の資料がある学校同士」という条件がありますが、川村中学校は算数が 2025 年度まであるのに対し他の 3 科目が 2015 年度以前で止まっており、比較の土台が揃いません。そのかわり、同じ勉強がどこで効くかという観点で 3 つだけ書いておきます。

  1. 計算+一行問題が前半を占める学校。算数の大問 1・2 に計算 6〜8 問と一行問題 5〜8 問を置く作りは珍しくありません。同じ形の学校の過去問は、川村中学校の前半の練習にそのまま使えます。逆も同じで、ここで作った処理速度は他校でも効きます。
  2. 聞き取り(放送)問題のある学校。精読した 3 年で見た大問 5 の形式は、他校の過去問で代替しにくい部分です。現在も実施されているかを含めて、学校説明会や市販の過去問集で確認する価値があります。
  3. 記述の縛り方が似ている学校。「〜に続くように」「指定の語を必ず使って」「〜の形で答えなさい」という形を縛った記述は、多くの女子校で共通して出ます。ここで練習した「形に合わせて書く」技術は転用が効きます。

この学校は 2 科目または 1 科目での受験です。併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。


13. 資料の限界

このレポートは、過去問データベースから起こした転写データだけを根拠にしています。次の限界があります。

  1. 入試回が分かりません。校×年×科目あたり 1 冊しか資料が無く、冊子にも回の表記が見当たりませんでした。川村中学校は 2 月 1 日から 7 日にかけて複数の回を実施しているため、ここで書いた形式がどの回のものかは特定できていません。回によって形式が違う可能性があります。
  2. 年が大きく抜けています。算数は 2016 年度と 2021〜2024 年度が無く、2020 年度と 2025 年度のあいだが 5 年空いています。理科・社会・国語は 2016 年度以降が 1 冊もありません。したがって、理科・社会・国語について書いたことは 10 年以上前の姿です。
  3. 国語は 2015 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。本文末尾の表記で確認できた 2013・2014 年度の 4 件だけを書きました。2012 年度は表記が見当たらなかったため書いていません。
  4. 2014 年度の理科として置かれていた 1 冊は他校(聖和学院中学校)のものでした。除外済みです。念のため 20 冊すべての本文を確認しましたが、他校名が現れたのはこの 1 冊だけでした。
  5. 放送問題の音声そのものは資料にありません。国語の大問 5 については、設問文と指示文からの推測を含みます。
  6. 転写の読み落としの可能性があります。とくに図の内容は文章による記述に置き換えられているため、実際の図と食い違う可能性があります。算数の 2019・2020・2025 年度、国語の 2012〜2014 年度、社会の 2013〜2015 年度、理科の 2012・2013・2015 年度については設問文を直接確認しましたが、それ以外の年は自動集計の値に頼っています(4 節の「構成だけ数えた年」がこれにあたります)。
  7. 現在の入試科目と食い違います。学校が公表している 2027 年度の要項では受験科目が国語・算数・英語(プレミアムは自己表現を含む)からの選択で、理科・社会は入試科目に入っていません。本レポートの理科・社会の節は過去の記録として読んでください。
  8. 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念については、このレポートでは一切扱っていません。
  9. 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。

この学校では併願候補が算出されていません(→ 12 節)。


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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