文教大学付属中学校 の過去問分析
文教大学付属中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
文教大学付属中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回相当)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都品川区 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 立正学園中学校・立正学園女子高等学校、立正裁縫女学校(創立時) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前/第 2 回 2 月 1 日午後/第 3 回 2 月 2 日午前/第 4 回 2 月 2 日午後/第 5 回 2 月 4 日午前。いずれも 2 科(国語・算数)または 4 科(国語・算数・理科・社会)の選択です |
| 試験時間・配点 | 国語 45 分・100 点、算数 45 分・100 点。4 科を選ぶ場合は理科と社会をあわせて 60 分・140 点 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは第 1 回相当の 1 冊だけです。他の回の傾向はこの資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- どの場所に何の種類の問題が来るかが科目ごとに決まっていて、同じ問題が出るわけではありません。算数は大問 4・小問 24 の形が 2017 年から 9 年続いています。
- 理科は大問 1 が物理・大問 2 が化学・大問 3 が生物・大問 4 が地学。社会は大問 2 つだけで、大問 1 が地理中心・大問 2 が歴史中心です。
- 国語は説明文 1 題+小説 1 題。理科と社会は合わせて 60 分で 60〜66 問を処理するので、時間の練習の比重が大きくなります。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 8 問を毎日。8 問を 8 分以内で全問正解できる状態を目標にします。
- 理科と社会の 60 分の使い方(どちらから解くか・片方に何分使うか)を、通し演習で決めておきます。
- 社会の都道府県と生産量の表を、県名・県庁所在地・位置・特産物・雨温図をセットで固めます。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 2 の逆算・食塩水の濃度・速さの換算を 3 問ずつ解いて、3 年連続で出ているこの三本柱が手から出てくるか確かめます。
注意
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016・2017・2020 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。数式の細部(分数・かっこ)に転写の揺れがある年がありますが、大問構成と題材の読み取りに支障はありません |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010〜2022 のうち 2013 は無し) | 15 年(2010〜2025 のうち 2013 は無し) | 高 |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010〜2022 のうち 2013 は無し) | 15 年(2010〜2025 のうち 2013 は無し) | 高 |
| 国語 | 3 年(2016・2017・2020) | 6 年(2010〜2015) | 9 年(2010〜2017・2020) | 高。ただし 2021 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、直近の形式は分かりません |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校では混入はありませんでした。
- 過去問データベースには 1 校 1 年につき 1 冊しか収録されておらず、回の区別ができません。本文では第 1 回相当として扱います。学校の募集要項では第 1 回〜第 5 回の 5 回が実施される(2 科または 4 科の選択制)ので、他の回の傾向はこの資料からは分かりません。
- 試験時間・配点は募集要項によります。国語 45 分 100 点・算数 45 分 100 点。4 科を選ぶ場合は理科と社会を合わせて 60 分・140 点。設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。
- 各科目の詳しい題材表は 8 節に置きました。年度と回数を添えた記述のうち、「原本で確認」と書いたものは設問文そのものを精読した 2023〜2025 年度(国語は 2016・2017・2020 年度)に限ります。それ以前の年は、転写データの集計から大問の並びと単元だけを見ています。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は「どの場所に何の種類の問題が来るか」が科目ごとにきれいに決まっています。そして同じ問題が出るわけではありません。設問文の使い回しは算数ではほぼ見られず、数字も設定も毎年作り直されています。決まっているのは並びのほうです。
- 算数は大問 4・小問 24 です。大問 1 が計算 8 問、大問 2 が一行問題(数行で終わる短い文章題)8 問、大問 3 が図形 5 問、大問 4 がテーマ 1 つを 3 問で掘る形。この 4+24 の構成は集計データで 2017 年から 9 年続いており、大問 1 が計算で始まる並びは 2010 年から 16 年続いています。大問 3 が平面図形から入る並びも 2012 年から 14 年です。
- 理科は大問 4 で、大問 1 が物理・大問 2 が化学・大問 3 が生物・大問 4 が地学です。この 4 分野 1 題ずつの並びは、物理・生物・地学の座席(問題の置き場所)で 8 年(2018〜2025)、化学を含めた 4 つそろった形で 7 年(2019〜2025)続いています。
- 社会は大問 2 つだけで、大問 1 が地理中心、大問 2 が歴史中心です。公民は両方に小問として散ります。この 2 大問という構成は 2020 年から 6 年続いており、それ以前(2010〜2019)の 3〜8 大問から作りが変わりました。2020 年より前の過去問は、現在と構成が違うので使い方に注意がいります。
- 国語は説明文 1 題+小説 1 題です。漢字 10 問を独立した大問にするか各文章題の中に入れるかだけが年によって動きます。
したがって過去問の使い方は、「出る問題を覚える」ではなく、「同じ場所に来る種類の問題を、単元ごとに仕上げる」+「時間の使い方を身につける」の二つに近くなります。とくに理科と社会は合わせて 60 分で 60〜66 問を処理するので、時間の練習の比重が大きくなります。
一方、毎年作り直されるものもはっきりしています。算数の大問 4 で扱うテーマ(規則性か場合の数か)、理科の各分野の中の単元、社会の入口に使う前年の話題、国語の文章の出典は年ごとに入れ替わります。ここは幅を持って準備します。
6. この学校らしさが出る場所
- 身近な話題から入り、そこから 4 分野へ枝を伸ばす社会。 2023 はスイーツ(フルーツ大福・生クリーム・地方の菓子)、2024 は J リーグ創設 30 周年(クラブ名の由来・エンブレム・クラブカラー)、2025 はパリ・オリンピックと大阪・関西万博。読者の生活に近い入口を毎年作っているように見えます。
- 「自分で考えて作る」設問があります。2024 社会の「架空のクラブを考え、そのクラブ名及びエンブレムを作成しなさい。クラブ名には必ずホームタウン名を明記すること」は、正解が一つに決まらない問いです。2023 算数の「三角形になることとならないことでは、どちらのほうが起こりやすいか答えなさい。また、その理由も答えなさい」も同じ性格で、科目をまたいで「根拠を言葉にする」ことを求めています。
- 理科のリード文が文学・レポート・会話文と多彩です。2023 大問 4 は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を引用してはくちょう座を問い、アルビレオを宝石にたとえた表現から星の特徴を推測させます。2024 大問 2 は生徒のレポートをそのまま問題文にし、2024 大問 3 と 2025 大問 2 は文太さん・教子さんの会話文です。「文太」「教子」という名前が複数年・複数科目に登場します(2023 社会の会話にも「文男さん」が出ます)。
- 理科の記述が「実験の意味」を問います。「一昼夜暗い所に置いた理由」「あたためたアルコールにつける理由」(2025)、「実験器具の使い方で正しくない点をどう直すか」(2023)、「A と E を特定するにはどんな実験を行い、どんな結果が出ればよいか」(2024)。手順を覚えているだけでは書けない問い方をしています。
- 社会の記述が「資料を一つ足して」を求めます。2024 の「ただし、文中の言葉だけではいけません」がその一例です。2023 の「なぜスイーツは原料生産地以上にヨーロッパで発達したのか、歴史的な事柄に触れて説明しなさい」も、地理の話題を歴史につなぎ直させる問いです。
- 社会に世界が入ってきます。台湾の形(2023)、ボルドーの衛星写真(2023)、シチリア島と地熱発電(2023)、外国人労働者の統計(2024)、国際連盟と国際連合の比較(2024)、パリの右岸と左岸(2025)、日本の地図記号でエッフェル塔を表す(2025)。日本地理・日本史の中に世界の話題を織り込む作りが 3 年続いています。
- 国語の小説が「集団の中の自分」を扱います。友だちとの距離とアーケードの本棚(2016)、父と鳩をめぐる出来事(2017)、テニス部のグーパーじゃんけんと集団の力学(2020)。説明文のほうは「読むとは何か」(2016)、辺境生物(2017)、若者論(2020)と幅があります。
- 国語に資料が入った例があります。2020 大問 1 問 2 は説明文の中に 2 万 5 千分の 1 の地形図を置き、A〜D から被害の大きかった地域を選んで理由を書かせました。精読した 3 年ではこの 1 問だけですが、科目の境目をまたぐ姿勢が国語にも出ているように見えます。
7. 今からやるなら
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前の入り方は 11 節に分けて書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 8 問 — ここが 24 問中 8 問を占めます。整数・分数・小数・かっこ・くふう計算の 5 種類が並ぶ形は 3 年連続で変わっていません。時間を計り、8 問を 8 分以内で全問正解できる状態を目標にします。年度をまたいで縦に解くとよく、とくに⑥のかっこ計算と⑧のくふう計算は形がほぼ決まっているので、3 年分並べると手順が見えます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 2 の三本柱(逆算(□にあてはまる数を求める計算)・食塩水の濃度・速さの換算) — 3 年連続で出ています。逆算は 3 年とも (1) の位置で「次の式の x にあてはまる数を求めなさい」と x を使った形です。□ に慣れている場合は表記に慣れておきます。毎日 3 問ずつの短い演習にします。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3 の図形 5 問を「角度 → 面積 → 立体」の順で — (1) は 3 年とも角度です。後半 2 問は 3 年とも立体で、回転体は 2 年連続。円周率は毎年「3.14 とします」の但し書きつきです。回転体と展開図の組み立ては 2 年連続で出ているので、図をかき起こす練習を入れます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 4(規則性)と「求める過程もかきなさい」への備え — 段に並ぶ数(2024)、カレンダーと曜日(2025)、図形の増え方が主な素材です。①具体の値 → ②「◯◯になるのは何番目か」の逆引き → ③合計や一般化、の 3 段構成に慣れ、自分で問いを立てながら解きます。あわせて「求める過程もかきなさい」は算数で 3 年連続 1〜2 問あるので、式の横に短い日本語(「1 個ずつの差は 50 円だから」など)を添える書き方を、ふだんの演習から決めておきます。つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める・受験用教材の単元)・過不足算・売買損益・平均算・場合の数も一行問題の形で練習します。長い文章題ではなく 2〜3 行で問われます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科と社会の 60 分の使い方を決める — 理科 28〜31 問+社会 32〜35 問で合計 60〜66 問です。どちらから解くか、片方に何分使うかを、通し演習で決めておきます。ここは科目の力とは別に得点差が出るところです。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科・4 分野を均等に、記述は理由を 1〜2 文で — どの分野が抜けても大問 1 つぶんの失点になる並びなので、苦手分野を残さないことが最優先です。記述は「なぜその手順を踏むのか」を説明させる形が多く、2025 はアサガオの実験で「一昼夜暗い所に置いた理由」「あたためたアルコールにつける理由」の 2 問が並びました(実験の手順の意味を説明する問いは 2025 に 3 問集中しています)。化学は「表・グラフから比例を読み、過不足の折れ曲がりを見つけ、こさを%で出す」までを一つながりで練習します。3 年連続でここが化学の中心です。地学は 5 問と軽いので、星・月・気象・流水・地層を広く浅く、一つの単元を深追いするより回転を上げます。生物は図とグラフの読み取りとセットで(発芽の条件表、光合成の手順、動物の分類の観点は毎年どれかが出ます)。選択肢の個数指定と文字種指定に線を引く習慣もつけます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・都道府県と生産量の表、歴史の年代の並べ替え、資料を一つ引く記述 — 47 都道府県を、位置・県庁所在地・特産物・気候(雨温図)とセットで漢字で書けるようにします。3 年連続で出ている枠です。生産量の上位県を表から当てる問題はイチゴ・ミカン・モモ(2023)、みかん(2024)、ブドウ・小麦(2025)と 3 年連続なので、都道府県名を伏せて当てる練習を入れます。歴史は「3 番目に古いものを選びなさい」(2023・2025)、「都がつくられた順番」「出来事の順番」(2024)と 3 年連続で、時代ごとの暗記より出来事どうしの前後関係を作るほうが効きます。記述は「資料を一つ引いて理由を 2 文で」。2024 の大問 2 問 17 には「ただし、文中の言葉だけではいけません」という指示が付いているので、表やグラフから数字を一つ持ってきて理由に組み込みます。前年の大きな出来事を 5 つ選び、それぞれ「地理ならどこ、歴史ならいつ、公民ならどの制度」に結び直しておくと、この学校の入口に強くなります。選択肢の「誤っているもの」に印をつける癖もつけます(毎年 2〜4 問あります)。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字の書き 5・読み 5 と、指示語の記述 — 「カタカナは漢字に直し、漢字は読み方をひらがなで答えなさい」の言い回しは 2017 と 2020 で同文でした。送り仮名つきの訓読み(「タガヤす」「モる」)を落とさないことです。指示語(「そう」「それ」「そのリスク」)の内容は、本文の語を使って 40〜50 字にまとめる練習を。精読した 3 年すべてで出ており、字数指定が必ず付くので、字数感覚を体に入れます。接続語の空欄補充(「つまり」「たとえば」「むしろ」「ところで」の使い分け)、慣用句・語句の意味(体の一部を使う言い回しを軸に)、表現技法(直喩・隠喩・倒置・擬人)も一通り。本文の内容の ○×判定は、選択肢の言い過ぎ(「すべて」「必ず」)に気づく練習が効きます。ただし 2021 年度以降の問題文は資料に無いので、直近の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。(確認: 〜2020 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(45 分・100 点・大問 4・小問 24)
年度×大問の題材表(精読した 2023〜2025 年度)
| 年度 | 大問 1(計算 8 問) | 大問 2(一行問題 8 問) | 大問 3(図形 5 問) | 大問 4(テーマ 1 つを 3 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 整数・分数・小数・くふう計算 | 逆算 割合(クラスの 40% が女子) 速さ(時速 54km は秒速何 m) 数の性質(2 でも 3 でも割り切れる数) 概数(十の位を四捨五入) 食塩水(10% と 5% を混ぜる) 過不足算(みかん) 規則性(棒で三角形・過程を書く) |
折り返しの角度/半円と正方形の面積/平行四辺形の中の面積の差/円すいの展開図の角/展開図から立体の体積 | 正六角形の周を点 P・Q がさいころの目だけ動く(正三角形になる目の出方/直角三角形になる目の出方/どちらが起こりやすいか理由を書く) |
| 2024 | 整数・分数・小数・くふう計算 | 逆算 単位換算(1km² は 10m² の何倍) 速さ(30km を 1 時間 15 分) リボンの分け方(あまり) 食塩水(20g 取り出して水を入れる) 売買損益(30% の利益+消費税 8%) つるかめ算(りんごとみかん) 場合の数(5 人を 2 グループ・過程を書く) |
角度/円が長方形の外側を 1 周した通過部分の面積/正方形 9 個の中の色つき部分/回転体の体積/立方体を積んだ立体の表面積 | ある規則で数字を書いた正方形を段に並べる(8 段目の最小の数/100 は何段目か・過程を書く/10 段目の総和) |
| 2025 | 整数・分数・小数・くふう計算 | 逆算 速さ(28km を時速 48km) 数の性質(8 の倍数の個数) 売買損益(2 割引にクーポン 10% 引き) 食塩水(水を蒸発させて 15% に) つるかめ算(りんごと桃) 平均算(4 教科の平均・過程を書く) 場合の数(最短経路) |
正三角形と正方形の角/正三角形と正六角形の面積比/円とおうぎ形の面積/直方体に四角柱の穴をあけた体積と表面積・過程を書く/合同な直角三角形の回転体 | 2025 年 4 月のカレンダー(40 日後の曜日/2027 年 4 月 10 日の曜日/同じ日付が同じ曜日に戻るのは何年後か) |
- 大問の数は 3 年とも 4、小問は 3 年とも 24(8+8+5+3)で、1 問も動いていません。
- 集計データで見ると、大問 1 が計算で始まる並びは 2010〜2025 の 16 年間そのままで、大問 3 が平面図形から始まる並びも 2012 年以降 14 年続いています。大問 2 に割合・文章題系の一行問題が並ぶ形は 2022 年以降の 4 年で確認できます。
頻出単元と周期
- 大問 1 の 8 問の内訳が 3 年ともほぼ同じです: ①整数のたし算ひき算 ②整数のかけ算わり算(25 や 8 を使うくふう)③分数の加減 ④小数と分数の混合 ⑤帯分数のかけ算わり算 ⑥かっこと中かっこの計算 ⑦分配法則を使うくふう ⑧「9.7×570−0.97×700−970×3」のような大きなくふう計算。⑧の位置に「共通の数でくくる」問題が来るのは 2023・2024・2025 の 3 年連続です。
- 大問 2 に毎年ある単元(3 年連続): 逆算(必ず (1)、「次の式の x にあてはまる数を求めなさい」)、速さの換算・時間の計算、食塩水の濃度、場合の数か規則性のどちらか(過程を書かせる小問がここに入ります)。
- 2 年連続: つるかめ算(2024・2025)、売買損益(2024・2025)、数の性質の個数かぞえ(2023・2025)。
- 大問 3 の (1) は 3 年とも角度です。折り返し(2023)、正三角形と正方形の組み合わせ(2025)、図から求める角(2024)。
- 大問 3 の後半 2 問は 3 年とも立体です。展開図から体積(2023)、回転体(2024・2025)、積み上げた立方体の表面積(2024)、穴をあけた直方体(2025)。回転体は 2 年連続です。
- 大問 4 は規則性が主役です。集計データでは 2018・2020・2021・2022・2024・2025 と規則性が並び、間に場合の数(2023)が入る形。精読した 3 年では 2024・2025 が規則性、2023 が場合の数です。
問い方
- 大問 4 は「①具体の値を 1 つ求める → ②逆向きに『◯◯になるのは何段目・何番目か』を求める → ③まとめて合計する・一般化する」の 3 段構成です。2024 の「100 と書かれた正方形は何段目にありますか」、2025 の「次に 4 月 10 日が木曜日になるのは何年後ですか」がその②③にあたります。
- 「また、どのように求めたか、その過程もかきなさい」が 3 年とも 1〜2 問あります。2023 は大問 2(8)、2024 は大問 2(8) と大問 4(2)、2025 は大問 2(7) と大問 3(4)。ほぼ同じ言い回しが毎年出るので、答えだけでなく式と一言の説明を残す書き方を練習しておきたいところです。
- 2023 の大問 4(3) だけは「どちらのほうが起こりやすいか答えなさい。また、その理由も答えなさい」で、場合の数を根拠に選ぶ形です。数え上げた結果を言葉にする設問が、この学校では算数にも入ります。
- 記号選択は精読した 3 年で 0 問。答えは数値か言葉で書かせます。
8-2. 理科(社会と合わせて 60 分・2 科合計 140 点・大問 4・小問 28〜31)
年度×大問の題材表(精読した 2023〜2025 年度)
| 年度 | 大問 1(物理) | 大問 2(化学) | 大問 3(生物) | 大問 4(地学) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | てこ(記号つきの支点からの位置におもりをつるす・棒 2 本の組み合わせ・くぎぬきの三点)8 問 | 水よう液(石灰水と二酸化炭素・ろ過の操作の誤り・塩化バリウムと硫酸の反応で生じる沈殿の重さ)6 問 | セイヨウタンポポの花茎の動き(外来種・花のつくり・のびのグラフ読み取り)9 問 | 「銀河鉄道の夜」を引用してはくちょう座(デネブ・天の川・アルビレオの色)5 問 |
| 2024 | 光(鏡に映る人の見え方・光源とかげの大きさ・光の三原色とものの色・白い服が涼しい理由)8 問 | 水よう液の判別レポート(5 種の特定・中和・アルミニウムと塩酸の量的関係)6 問 | 文太さんと教子さんのペットの会話(動物の分類・卵生と殻・恒温と変温のグラフ)9 問 | 気象(「夕焼けの翌日は晴れ」・台風の風向き・発生数のグラフ・ひまわり・アメダス)5 問 |
| 2025 | 物体の運動(表から速さを求める・時間と距離の関係・速さのグラフを選ぶ)7 問 | 溶解度と再結晶(硝酸カリウム・食塩・ミョウバンの表・こさの計算・とけ残り)9 問 | 種子の発芽の条件表+アサガオの光合成(一昼夜暗所・アルコール・ヨウ素液)10 問 | 流水のはたらき(曲がった川の断面・河口の堆積・三角州)5 問 |
- 大問 1 が物理、大問 2 が化学、大問 3 が生物、大問 4 が地学という並びは、精読した 3 年で完全に一致します。集計データでこの並びをさかのぼると、物理・生物・地学の座席は 2018 年から 8 年、化学の座席は 2019 年から 7 年続いています。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ場所に同じ分野が来るという意味です。
- 大問ごとの小問数も似た形です。物理 7〜8 問、化学 6〜9 問、生物 9〜10 問、地学 5 問。地学は 3 年とも 5 問で最も軽くなっています。
頻出単元と周期
- 物理は、集計データで見ると電気回路・てこ・ふりこと物体の運動・光がめぐる形になっています。精読した 3 年では 2023 てこ、2024 光、2025 運動と、3 年とも別単元です。
- 化学は 3 年とも水にとけるものが中心です。2023 は沈殿と量的関係、2024 は判別+中和+金属と塩酸、2025 は溶解度と再結晶。ろ過・蒸発などの操作を問う小問が 2023・2025 の 2 年にあります。
- 生物は 3 年とも植物か動物のどちらか一つを深く掘ります。2023 タンポポ、2024 動物の分類、2025 発芽と光合成。集計データでも植物のつくりとはたらきが最頻です。
- 地学は 2023 星・星座、2024 気象、2025 流水のはたらき。集計データでは星・星座が 2020・2022・2023 と 3 回、気象が 2019・2024、流水が 2021・2025 に来ており、5 問という軽い枠を年ごとに入れ替えて使っています。
問い方
- リード文を読ませてから設問に入る形が 4 大問すべてで共通です。会話文(2024 大問 3・2025 大問 2)、レポート形式(2024 大問 2「『水よう液の性質』1. 準備するもの…」)、文学作品の引用(2023 大問 4 の「銀河鉄道の夜」)と、入口の作りが年ごとに変わります。
- 空らん( ア )( あ )に言葉を入れる小問が毎年あります。2024 大問 2(1) は( あ )〜( こ )の 10 個をア〜ツの選択肢群から選ぶ大きな穴埋めです。集計データでも「文章中の空らんにあてはまる言葉を答えなさい」という同じ言い回しが 2017・2019・2020 に見つかっており、問い方そのものが長く受け継がれています。
- 記述は毎年 3〜4 問です。理由を聞く形が中心で、2023「硫酸バリウムの重さが等しくなった理由」「外来生物のどのような点が問題なのか」、2024「白い服を着ると暑さがやわらぐ理由」「かたい殻が必要ない理由」、2025「一昼夜暗い所に置いた理由」「あたためたアルコールにつける理由」。いずれも「簡単に説明しなさい」「簡単に答えなさい」で、1〜2 文の長さです。
- 実験の手直し・実験の設計を書かせる小問が 2 年で確認できます。2023 大問 2 の「正しくない点が 1 つあります。どこをどのように直せばよいですか」、2024 大問 2 の「どんな実験を行うと A と E を特定できますか。実験の内容とその結果をそれぞれ答えなさい」。
- グラフ・表の読み取りが毎年入ります。2023 は花茎ののびのグラフ、2024 は台風発生数の月別グラフ、2025 は溶解度の表と速さのグラフ選択。
- 選択肢は「1 つ選び」が基本ですが、「2 つ選び」(2023 大問 3(7)、2025 大問 2(1)(4)②)「すべて選び」(2024 大問 1(1))「それぞれ 2 つずつ」(2024 大問 3(5))が混じります。個数の指示を読み落とすと落とします。
8-3. 社会(理科と合わせて 60 分・2 科合計 140 点・大問 2・小問 32〜35)
年度×大問の題材表(精読した 2023〜2025 年度)
| 年度 | 大問 1(長い会話文・文章+地理中心) | 大問 2(長い文章+歴史中心) |
|---|---|---|
| 2023 | 先生と生徒が 2022 年に流行したスイーツを語る会話。イチゴ・ミカン・モモの生産量表、小売業態別の販売額グラフ、台湾の形、ボルドーの衛星写真、地熱発電の表、気仙沼と潮目、金沢・高松・名古屋・盛岡の雨温図、食料自給率、地産地消、オンラインショッピングと持続可能性(18 問) | 沖縄の日本復帰 50 年。種子島と鉄砲、田中角栄と国交正常化、九州の出来事の年代並べ替え、『隋書』、遣唐使の中止を提案した人物、グスクと世界文化遺産、守礼門の紙幣、選挙権の年齢、米軍基地の課題を説明(17 問) |
| 2024 | J リーグ創設 30 周年。外国人労働者数の表、地方公共団体の仕事、病院の地図記号、県庁所在地、政令指定都市、草津温泉、クラブカラーと特産物(みかん)の生産上位県、架空クラブのエンブレムを考えて描く(14 問) | 物価の上昇と「世界の結びつき」。国風文化、江戸の輸出品、鎖国下の朝鮮通信使が方広寺の宴に抗議した理由、長篠の戦いの鉛弾、種子島の雨温図、大日本帝国憲法との違い、国際連盟と国際連合の比較表から問題点を指摘、G7 広島サミット(18 問) |
| 2025 | パリ・オリンピックの会話。国旗、祭りの位置、漆器、地図記号でエッフェル塔、右岸と左岸、世界自然遺産の島、パリ協定、リアス海岸と養殖業(記述)、ブドウと小麦の生産上位県、貿易相手国の表、内陸県、パリと似た気候の都市、水力発電(17 問) | 大阪・関西万博。福沢諭吉、葛飾北斎、旧石器時代、政府・企業・家計の関係図、ペリー来航、渋沢栄一、薩摩藩の単独出展、朝鮮出兵と陶磁器、奈良時代の調、日光東照宮、『源氏物語』、電気自動車が普及しない理由(18 問) |
- 大問は 3 年とも 2 つだけです。そのかわり 1 題が 14〜18 問と長くなります。集計データでさかのぼると、大問 2 つという構成は 2020 年から 6 年続いています。それ以前(2010〜2019)は 3〜8 大問だったので、現在の形は 2020 年に固まったものと見てよいでしょう。
- 大問 1 が地理中心・大問 2 が歴史中心という座席も、精読した 3 年で一致します。集計データでも 2020 年以降は大問 1 に地理の単元、大問 2 に歴史の単元が来ています(例外は 2022 の大問 1 が国際社会)。公民は独立した大問を持たず、両方の大問に散らばって入ります(2023 大問 1 の大臣・大問 2 の選挙権、2024 大問 1 の地方公共団体の仕事・大問 2 の憲法と国連、2025 大問 1 の環境政策・大問 2 の経済の三主体)。
頻出テーマと周期
- 入口は 3 年とも「前年の話題」です。2023 は 2022 年に流行したスイーツ、2024 は 2023 年の J リーグ 30 周年と物価上昇、2025 は 2024 年のパリ・オリンピックと 2025 年の大阪・関西万博。時事そのものを問うのではなく、そこから地理・歴史・公民へ枝を伸ばす作りです。
- 地理側で 3 年連続なのは、都道府県・都市の同定(県名・県庁所在地・位置を選ぶ/書く)、生産量の上位県を表から当てる(2023 イチゴ・ミカン・モモ、2024 みかん、2025 ブドウ・小麦)、貿易・資源・エネルギー(2023 地熱、2024 温泉と資源、2025 貿易相手国と水力発電)です。
- 雨温図は 2023(金沢・高松・名古屋・盛岡)、2024(種子島)、2025(パリと似た気候の都市)と 3 年連続です。
- 地図記号は 2024(病院)、2025(エッフェル塔を地図記号で表す)と 2 年連続。2025 は「日本の地図記号でパリの建物を表す」という一ひねりが入っています。
- 歴史側は通史で薄く広く。精読した 3 年に、原始・古代、飛鳥・奈良、平安、鎌倉・室町、安土桃山、江戸、幕末・明治、近代の戦争、戦後がすべて登場します。時代の並べ替え(2023「3 番目に古いもの」、2024「都がつくられた順番」「出来事の順番」、2025「大阪の歴史のうち 3 番目に古いもの」)が 3 年連続です。
- 集計データで見ると、大問 2 の主軸は 2020 江戸、2021 鎌倉・室町、2022 原始・古代、2023 戦後・現代、2024 平安、2025 江戸と、年ごとに軸足を替えています。特定の時代に張るより通史を薄く固めるほうが合います。
問い方
- リード文の空らん 1 ・ 2 ・ 3 に人物名・地名・語句を入れる小問が毎年 3〜5 問あります。集計データでは「 1 にあてはまるものとして正しいものを次のア〜エのうちから一つ選びなさい」という言い回しが 2016・2019・2022・2024 に見つかり、問い方そのものが長く反復しています。
- 記号選択が 66〜74% と主軸です。「正しいもの」「最もふさわしいもの」を選ぶ形が中心で、「誤っているものを一つ選び」(2023 大問 1 問 6・問 10、大問 2 問 16、2024 大問 2 問 15、2025 大問 1 問 12)も毎年あります。
- 記述は 2〜3 問で、字数指定なし。理由説明の形が中心です(2023「なぜスイーツはヨーロッパで発達したのか、歴史的な事柄に触れて」、2024「朝鮮通信使が方広寺の宴に抗議した理由」、2025「養殖業に適しているのはどちらの海岸か、理由を含めて」「電気自動車が普及しない理由」)。資料や条件を一つ足して書かせる形が定着していて、2024 大問 2 問 17 には「ただし、文中の言葉だけではいけません」という指示まで付きます。
- 自分で考えて作る設問が 2024 にあります(大問 1 問 11(2)「架空のクラブを考え、そのクラブ名及びエンブレムを作成しなさい。エンブレムの意味も記入。クラブ名には必ずホームタウン名を明記すること」)。色を使いたい場合は「ここは〇〇色」と書き添える指示つきです。精読した 3 年ではこの 1 問だけですが、答えのない問いを出す姿勢がはっきり出ています。
- 資料の量が多くなっています。表・グラフ・地図・雨温図・衛星写真・国旗・関係図が 1 年に 10 点以上入ります。文章を読み、下線部から資料へ飛び、資料を読み比べて選ぶという往復が続きます。
8-4. 国語(45 分・100 点。精読したのは 2016・2017・2020 年度)
国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2016・2017・2020 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。大問の数・漢字の置き場所・記述の字数がその後どうなったかは、この資料からは分かりません。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 説明文「“読む”とはどういうことか」9 問(漢字 5 問を含む) | 小説(アーケードの大家の娘と本棚・Rちゃん)9 問(漢字 5 問を含む) | — |
| 2017 | 説明文 長沼毅『辺境生物はすごい!』9 問 | 小説 立松和平『鳩がきた日』11 問 | 漢字 10 問(書き 5・読み 5) |
| 2020 | 説明文 土井隆義『「宿命」を生きる若者たち』8 問 | 小説 佐川光晴『四本のラケット』(テニス部のグーパーじゃんけん)8 問 | 漢字 10 問(書き 5・読み 5) |
- 説明文 1 題+小説 1 題という組み合わせは精読した 3 年に共通です。集計データでさかのぼると、この 2 題構成は 2010 年以降ほぼ変わっていません。
- 漢字を独立した大問にするか、各文章題の中に入れるかは年によって変わります。2017・2020 は大問 3 に 10 問まとめ、2016 は大問 1・大問 2 の問 1 に 5 問ずつ。総数はどちらも 10 問です。
- 小問数は 18〜30 と幅があります。漢字を独立させた年は 26〜30 問になります。
頻出と問い方
- 漢字は「カタカナは漢字に直し、漢字は読み方をひらがなで答えなさい」の 1 文で毎年出ます。2017 と 2020 でこの言い回しが同文であることを原本で確認しました(2016 も各大問の問 1 が同じ言い方です)。書き 5・読み 5 の配分も 2017・2020 で同じです。
- 接続語の空欄補充(ア つまり/イ たとえば/ウ ところで…の語群から選ぶ)が 3 年とも大問 1 にあります。語群の並びまで似ています。
- 抜き出しは字数と切り取り方の指定つきです。「二〇字以内でぬき出し、はじめと終わりの四字で」(2016)、「十二字でぬき出し、最初と最後の二字で」(2017)、「十四字でぬき出しなさい」(2020)。
- 本文の内容と合っているかを ○×で答える設問が 2016 大問 1 問 9 と 2017 大問 1 問 9 にあります。選択肢を一つ選ぶのではなく、ア〜エすべてを判定する形です。
- 語句の意味・慣用句が 3 年とも出ます。「たかをくくる」「面くらう」(2016)、「高尚な」「やましい」(2017)、「直談判」「釘を刺して」「ケリがつく」(2020)。体の一部を表す漢字 1 字を入れて慣用句を完成させる形(2017・2020)が 2 年連続です。
- 表現技法(直喩法・倒置法など)が 2016・2017 に、熟語の構成が 2020 にあります。国語の知識の枠を毎年どこかに置いています。
- 小説の題材は、いずれも中学生・小学生の人間関係です。友だちとの距離(2016)、父と鳩をめぐる出来事(2017)、部活動のじゃんけんと集団の力学(2020)。
- 記述は 2〜3 問で、必ず字数指定が付きます。25 字以内(2017)、40 字以内(2020)、50 字以内(2016・2017・2020)、60 字以内(2017)。字数指定なしの記述は精読した 3 年に無しです。
- 記述の指示は「本文中の言葉を使って」「文中のことばを使って」がほぼ毎回付きます。自分の言葉で書き換えるのではなく、本文の語をつなぎ直す形が求められています。
- 記述の中身は、指示語の内容説明(「そう」「そのリスク」「それ」)と、心情説明(「母はどのような気持ちで言っているか」)の 2 つです。理由説明は選択肢で問われることが多くなっています。
- 記号選択が 35〜78% と年によって幅があります。2016 は 18 問中 14 問が選択で、記述は 1 問だけ。年によって選択と記述の比重が動きます。
- 2020 大問 1 問 2 は、説明文の中に 2 万 5 千分の 1 の地形図を資料として置き、被害が大きかった地域を A〜D から選んだうえで理由を書かせます。国語の中に資料の読み取りが入り込んだ例で、精読した 3 年ではこの 1 問だけですが、印象に残る作りです。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
周期が上限に達しているものを一つの表にまとめました。最終確認年度は、その単元を原本または集計データで最後に確認できた年度を指します。
| 科目 | 単元 | 直近の出題 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 大問 4 の場合の数 | 2023 | 2023 年度 | 2024・2025 は規則性。2 年空き |
| 算数 | 大問 2 の「割合と比」 | 2023 | 2023 年度 | 2024・2025 では姿を消した。戻る余地がある |
| 算数 | 通過算・流水算・時計算・仕事算 | 精読した 3 年に無し | — | 一行問題の 8 枠は毎年入れ替わるので、いつ入ってもおかしくない |
| 算数 | 円とおうぎ形をまとめて扱う年 | 2022(集計データ) | 2022 年度 | 2025 に 1 問だけ復帰 |
| 理科 | 星・星座 | 2023 | 2023 年度 | 集計データでは 2020・2022・2023 と続いたあと 2 年空き |
| 理科 | 電気回路・電磁石 | 2021・2019(集計データ) | 2021 年度 | 物理の枠に長く来ていない。電磁石は 2019 が最後 |
| 理科 | 人体・こん虫 | 2024 に動物の分類として一部 | 2024 年度 | 単独の大問としては精読した 3 年に無し |
| 理科 | 燃焼・気体の性質 | 2022(集計データ) | 2022 年度 | 化学の枠が 3 年続けて「水にとけるもの」寄り。集計上は 2019・2022 が最後 |
| 理科 | 地層・岩石 | 2018(集計データ) | 2018 年度 | 長く空いている枠。2025 は流水の中に小問として登場 |
| 社会 | 日本国憲法・三権分立のまとまった出題 | 2019 以前は独立した大問(集計データ) | 2019 年度 | 現在は小問として散る。まとまって戻る余地はある |
| 社会 | 地形図の等高線・縮尺の計算 | 精読した 3 年に無し | — | 地図記号は 2024・2025 と 2 年連続で出ているので、地形図そのものの読図に広がる可能性がある |
| 社会 | 人口ピラミッド・日本国憲法の条文の空欄補充 | 精読した 3 年に無し | — | 精読した 3 年には出ていない |
| 国語 | 漢字を独立した大問にするか | 2017・2020 は独立、2016 は各文章題の中 | 2020 年度 | 置き場所が動く枠。2021 年度以降は資料が無く未確認 |
- 算数は集計データで見ると、大問 3 の位置に「円とおうぎ形」がまとまって来た年(2022)や「縮尺」(2024 の大問 2)があり、通過算(2016)・立体の切断につながる出題(2010・2016)は長く空いています。
- 算数の大問 2 の枠は年ごとに 8 個の中身が入れ替わります。精読した 3 年に出ていない単元では、仕事算・ニュートン算(受験用教材の単元。中身は 用語集 へ)・年齢算・時計算・旅人算が候補として残ります。
10. 形式面の注意
算数
- 45 分・100 点。24 問なので 1 問あたり 2 分弱です。計算 8 問を短時間で正確に終えることが前提の配分になっています。
- 記号選択は精読した 3 年で 0 問で、純粋な選択肢問題はありません。短答が 92%、残りが「また、どのように求めたか、その過程もかきなさい」の混合です。
- 円周率を使う問題には毎年「ただし、円周率は 3.14 とします」の但し書きが付きます(2023 大問 3(2)、2024 大問 3(4)、2025 大問 3(3))。
- 図のある小問は全体の約 3 分の 1。大問 3 は 5 問すべてに図が付きます。
- 大問 2 の (1) は 3 年とも同じ「次の式の x にあてはまる数を求めなさい」です。逆算は x を使った式の形で出るので、□ での逆算に慣れている場合は表記に慣れておきます。
理科
- 社会と合わせて 60 分・140 点。理科だけで 28〜31 問あるので、社会と合わせた時間の使い方を決めておかないと最後まで届きません。
- 記号選択が 39〜45%、短答が 43〜50%、記述が 10〜14%。精読した 3 年ではこの比率が安定しています。
- 記述は毎年 3〜4 問あり、いずれも「簡単に説明しなさい」「簡単に答えなさい」で 1〜2 文です。
- 「漢字 2 文字で答えなさい」の文字種指定があります(2024 大問 2(3) の中和、大問 3(2))。
- 選択肢は「2 つ選び」「すべて選び」「それぞれ 2 つずつ」が混じるので、個数の指示を必ず確認します。
- 図・表のある小問が全体の 6 割弱。図から読み取る前提の設問が多くなっています。
社会
- 理科と合わせて 60 分・140 点。社会だけで 32〜35 問あるので、選択肢を絞りきれない問題に長く止まらない判断が要ります。
- 記述は 2〜3 問で字数指定なしです。
- 「漢字 2 字で答えなさい」「漢字 4 字で答えなさい」(2023 大問 1 問 15(1) の地産地消、2025 大問 1 問 2)、「読み方をひらがなで答えなさい」(2024 大問 1 問 9)といった書き方の指定が毎年あります。
- 設問番号が「問 11(1)(2)(3)」のように枝分かれします。解答用紙の欄との対応を取り違えないよう注意したいところです。
- 2024 には自分でエンブレムを考えて描く設問がありました。ふつうの意味の作図(地図・グラフを描く)は精読した 3 年にありません。
国語
- 45 分・100 点。文章 2 題+漢字で 18〜30 問です。
- 記述は 2〜3 問で、必ず字数指定が付きます(25 字・40 字・50 字・60 字を確認。字数指定は 25〜60 字の幅)。「本文中の言葉を使って」「文中のことばを使って」の指示がほぼ毎回付きます。
- 抜き出しは「はじめと終わりの四字で」のように切り取り方まで指定されます。
- 漢字は書き 5・読み 5。書きは送り仮名つきの動詞(「タガヤす」「モる」)が混じり、読みは「蚕」「臨む」「納得」など小学校配当の範囲です。
- 選択肢は「最も適切なもの」「あてはまらないもの」の両方があります。解答欄の作りは資料からは分かりません。
4 科目に共通すること
- 作図は、算数では精読した 3 年に無く、社会で 2024 に 1 問(エンブレム)です。理科は集計データ上は作図の年がありますが、精読した 3 年にはありません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートから)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さを最優先にします。この学校の算数は 24 問中 8 問が計算で、しかも 45 分。整数・小数・分数の四則を、暗算に頼らず筆算で速く正確に処理する習慣をつけ、かっこと中かっこの計算も早めに入れます。図形は入口として、角度(三角形・四角形の内角、平行線)と面積(長方形・三角形・平行四辺形)。大問 3 の (1) が毎年角度から始まるので、角度を「図に書き込んで解く」やり方をここで身につけます。読解は説明文と物語の両方を。この学校は説明文 1 題+小説 1 題で、どちらかに偏った準備は効きません。短い記述として「なぜ?」に 1〜2 文で答える練習を。理科の記述も国語の記述も、根はここです。漢字と語彙は、慣用句(体の一部を使う言い回し)を早めに始めると、国語の知識の枠でそのまま効きます。時間を計った演習はまだしなくてかまいません |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の大問 1 の計算と、大問 2 の三本柱(逆算・食塩水の濃度・速さの換算)を回します。週末 60 分は単元プールの一巡にあてます。8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一度は触っておく単元リスト」として使うのがよく、算数なら逆算 → 食塩水 → 速さ → つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める・受験用教材の単元) → 過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める・受験用教材の単元) → 売買損益 → 平均算(受験用教材の単元) → 場合の数 → 規則性 → 角度 → 面積 → 立体 → 回転体の順に一巡させます。理科なら 4 分野それぞれの主要単元、社会なら 47 都道府県と通史です。この学校は大問 2 の一行問題に 8 個の枠があり、中身が毎年入れ替わるので、「頻出だけ深く」より「広く一通り」のほうが合います。小 5 はここが本体です。あわせて理由を 2〜3 文で書く習慣を。理科の記述、社会の記述、国語の記述はいずれも「本文・資料の言葉を使って理由を述べる」形なので、答えを出したあとに一言添える癖をつけておくと小 6 で楽になります。ただし国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください。社会は 2020 年以降の形に合わせます。長い文章を読んで下線部から資料へ飛ぶ作りなので、地図帳・統計資料を引きながら勉強する形に慣れておきます。表とグラフを読む練習もここで。理科・社会ともに図表のある小問が 3〜6 割を占めます |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の項目がそのまま小 6 の課題になります。夏以降の過去問は、まず「同じ場所を縦に」。算数の大問 1 だけを 3 年分、大問 4 だけを 3 年分というように、座席ごとに縦断すると、この学校の作りが体でわかります。秋以降は年度通しで時間を計ります。とくに理科・社会は合わせて 60 分という枠なので、2 科まとめての通し演習を必ず何回か入れます。社会の 2019 年以前の過去問は大問の数が違うので、単元の演習素材としては使えますが、時間配分の練習には 2020 年以降を使います |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡です。算数の大問 2 は 8 つの枠に毎年ちがう単元が入り、社会は通史と全国の地理を薄く広く問い、理科は 4 分野を 1 題ずつ均等に出します。どの科目も「穴を作らないこと」がそのまま得点になる作りなので、小 5 で単元プールを一巡できているかどうかが、小 6 の過ごし方を変えます。そのうえで小 6 は、算数の計算 8 問と理社 60 分の時間管理という、練習量がそのまま反映される部分に時間をかける価値があります。逆に、特定の難単元を深く掘ることに時間をかける価値は、この学校では相対的に小さくなります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・通学圏・合格可能性は扱いません。男女と日程の注記は資料の表のまま写しました。
- 実践学園中学校(東京都・共学/2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯に入試が重なる回あり)— 4 科すべてが近く、とくに算数です。計算と一行問題を前半に置き、後半にテーマ問題を置く作りが共通しています。
- 新島学園中学校(群馬県・共学)— 算数と国語が近く、理科・社会は比較材料が足りません。
- 穎明館中学校(東京都・共学/2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回あり)— 社会と理科が近く、資料を多く使う社会と、4 分野を均等に置く理科が共通します。算数は作りが違います。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校は第 1 回〜第 5 回のいずれも 2 科(国語・算数)と 4 科(+理科・社会)の選択です。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さの数字は、科目ごとの「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の使い回し」の距離と、単元分布の似かたを合成した自動集計です。同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。過去問データベースは 1 校 1 年につき 1 冊しか収録しておらず、第 1 回相当と仮定して扱いました。募集要項では第 1 回〜第 5 回の 5 回が実施されるので、他の回の傾向はこの資料からは分かりません。
- 設問文を精読したのは各科目 3 年分です(算数・理科・社会は 2023〜2025、国語は 2016・2017・2020)。それ以前の年については、大問の並びと単元の集計しか見ていません。「原本で確認」と書いていない年数・回数は集計に基づきます。
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためで、学校が出していないわけではありません)。直近 5 年の国語がどうなっているかは分からないので、市販の過去問集で確認してください。理科・社会は 2013 年度の資料もありません。
- 社会は 2020 年に構成が変わっています。2019 年以前は 3〜8 大問でした。2019 年以前の過去問を時間配分の練習に使うと、実際の本番と作りが違います。
- 転写データは画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがあり得ます。とくに算数の数式と、図だけで示された情報は再現に限界があります。
- 配点は科目ごとの満点しか分かりません(国語 100・算数 100・理科と社会で合わせて 140)。設問別の配点は非公開なので、設問数ベースの比重しか語れません。
- 「毎年」「〜年連続」は、設問文を精読した 3 年分か、集計データで並びを確認できた年に限って使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- 難易度・合格可能性・学校の理念や方針・入試結果には触れていません。それらは別のページの領分です。
文教大学付属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
文教大学付属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ