関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

新渡戸文化中学校の過去問分析

共学私立東京都中野区

重要結論

  1. 同じ種類の問題が同じ場所に出ます。この出題位置(大問の番号と順番)の固定は科目ごとに強さが違い、算数と社会と国語で特に強く出ています。
  2. 算数は大問 1 が計算 5 問、大問 2 が一行問題(数行で終わる短い文章題)5 問で、その (1) は必ず単位・量の換算です。精読した 2015・2022・2024 の 3 年すべてで同じでした。
  3. 社会は大問 1 の導入文が、初代校長・新渡戸稲造を題材にした文章です。こちらも精読した 3 年すべてで同じでした。

今週やること

  1. 2022・2024 年度の算数の大問 1 と大問 2 だけを続けて 20 問解き、前半 10 問を落とさない速さと正確さがどのくらいあるか確かめます。
  2. 算数の大問 1(計算 5 問)を毎日 5 問、時間を計って解きます。
  3. 国語の漢字 10 問を毎日やります。2015・2021 年度とも大問 1 が漢字ちょうど 10 問です。

分析年度: 2015〜2024 年度
入試回: 回は資料から断定できず
資料の範囲: 科目ごとに 2〜3 年分
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 2 年
制約: 国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)、ここに書いた国語の話は 2015・2021 年度のものです(→ 4 節・13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 理科: 2 題(2022 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて・数えられなかった年 2023。最新の資料は 2024 年度)。前回の変化: 2015 → 2022 の間に 5 題 → 2 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 1 回: 2022。前回の変化のときの分野の並び: 化学|生物|物理|物理|地学 → 生物|物理
  • 算数: 5 題(2022 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて・数えられなかった年 2023。最新の資料は 2024 年度)。前回の変化: 2015 → 2022 の間に 6 題 → 5 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 1 回: 2022。前回の変化のときの分野の並び: 計算|平面図形|平面図形|数の性質・規則性|割合・文章題|速さ → 計算|平面図形|速さ|場合の数・論理|数の性質・規則性

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都中野区
男女 共学
入試回と日程・科目 全 6 回です。教科を選ぶ入試 2 月 1 日午前 — 4 科のうち 2 教科を選択(会場でその場で選びます)/2 科入試(第 1 回) 2 月 1 日午後 — 2 科/グループワーク入試 2 月 2 日午前 — グループワーク+作文/2 科入試(第 2 回) 2 月 2 日午後 — 2 科/マイ探究入試 2 月 3 日午後/2 科入試(第 3 回) 2 月 4 日午後 — 2 科
試験時間 教科を選ぶ入試は 1 教科目 60 分・2 教科目 45 分。2 科入試(第 1 回・第 2 回) は国語 45 分・算数 45 分。グループワーク入試はグループワーク 45 分+作文 45 分
配点 募集要項に記載がありません
面接 6 回とも面接があります
校名の変遷 旧称は東京経専中学校・高等学校、東京文化中学校・高等学校です。2010 年に新渡戸文化中学校・高等学校へ改称しています

上の表は 2026 年度の募集要項によるものです。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 同じ種類の問題が同じ場所に出ます。この出題位置(大問の番号と順番)の固定は科目ごとに強さが違い、算数と社会と国語で特に強く出ています。
  2. 算数は大問 1 が計算 5 問、大問 2 が一行問題(数行で終わる短い文章題)5 問で、その (1) は必ず単位・量の換算です。精読した 2015・2022・2024 の 3 年すべてで同じでした。
  3. 社会は大問 1 の導入文が、初代校長・新渡戸稲造を題材にした文章です。こちらも精読した 3 年すべてで同じでした。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算 5 問)を毎日 5 問、時間を計って解きます。
  2. 国語の漢字 10 問を毎日やります。2015・2021 年度とも大問 1 が漢字ちょうど 10 問です。
  3. 理科・社会の「あなたの考え」を 50〜200 字で書く練習をします。字数の枠が問題文に明示されます。

今週やる 1 つ

  1. 2022・2024 年度の算数の大問 1 と大問 2 だけを続けて 20 問解き、前半 10 問を落とさない速さと正確さがどのくらいあるか確かめます。

注意

  1. 国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)、ここに書いた国語の話は 2015・2021 年度のものです(→ 4 節・13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年
算数 3 年(2015・2022・2024) 0 年 7 年(2010・2012・2013・2014・2015・2022・2024)
理科 3 年(2015・2022・2024) 0 年 7 年(2010・2012・2013・2014・2015・2022・2024)
社会 3 年(2015・2022・2024) 0 年 7 年(2010・2012・2013・2014・2015・2022・2024)
国語 2 年(2015・2021) 0 年 2 年(2015・2021)

収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。

  • 2016〜2021 年度の 4 科がまとまって資料に無い。したがって「2015 年度の作り」と「2022 年度以降の作り」の間に大きな差があっても、それがいつ変わったのかはこの資料からは分かりません。
  • 国語は 2015 年度と 2021 年度の 2 年分しかありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2015・2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
  • 入試回の表記は原本の表紙にほぼありません。2024 年度の算数だけ、転写メモに「4 科のうち 2 科を選ぶ入試の算数部分」とあります。他の年・他の科目は回を断定しません。募集要項では 2/1 午前の 4 科から 2 科を選ぶ入試のほか、国算 2 科の入試が 2/1・2/2・2/4 の午後に、グループワークの入試とプレゼンテーションの入試が別日に置かれています(いずれも面接あり)。過去問として演習できるのは国算理社の筆記部分だけである点に注意してください。
  • 2022 年度の社会は、転写の読み取りの確からしさが低いと記録されている冊子です。本文の記述はしていますが、細かい数字の断定は避けました。
  • 判読は全体に良好で、読めなかった設問として記録されているものは精読した 11 冊で 2 問だけでした。

5. 一番大きな結論

この学校の過去問は「同じ場所に同じ種類の問題が来る」ことがはっきり読み取れます。 ただしその固定は科目ごとに強さが違い、算数と社会と国語で特に強く出ています。

固定されている出題位置(精読した年で確認したもの)

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科目 固定されている場所 何年で確認したか
算数 大問 1 = 計算 5 問 2015・2022・2024 の 3 年すべて
算数 大問 2 = 一行問題 5 問(その (1) は必ず単位・量の換算) 2015・2022・2024 の 3 年すべて
算数 最終大問 = 図を使う思考問題。解答用紙に塗る・かき加える作図と「考え方もかきなさい」がセット 2022・2024 の 2 年
社会 大問 1 の導入文が、初代校長・新渡戸稲造を題材にした文章 2015・2022・2024 の 3 年すべて
社会 最後の設問が「あなたの考えを述べなさい」 2022・2024 の 2 年
国語 大問 1 = 漢字 10 問(読みと書き取りの混在)/大問 2 = 語句知識の小問集合/大問 3 = 説明的文章 1 題 2015・2021 の 2 年とも
国語 大問 3 の問一 = 空欄 4 つに接続語を四択で入れる。選択肢の先頭が「つまり」 2015・2021 の 2 年とも

ここで言う「固定」は、同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。設問文がそのまま再登場する例は、今回突き合わせた範囲では見つかりませんでした。見つかったのは「同じ作りで数値と題材だけ入れ替えた問題」で、たとえば算数の大問 2(1) は 2022 年度が「1 日 920 g のごみを 30 日で何 kg」、2024 年度が「毎朝 20 分の散歩を 30 日で何時間」と、30 日ぶんに直させる形がそのまま残っています。

逆に、毎年作り直している部分

  • 理科は大問の作りが年で大きく動きます。2015 年度は 5 大問 17 小問、2022・2024 年度は 2 大問 8 小問です。同じ「理科」という名前でも分量が倍以上違います。
  • 社会も 2015 年度は 3 大問 24 小問、2022 年度は 2 大問 8 小問、2024 年度は 3 大問 9 小問と、小問数が大きく減っています。
  • 理科・社会の題材そのもの(どの分野から出すか)は年ごとに入れ替わり、位置から予測しにくくなっています。

過去問の使い方はどれに近いか

「時間の使い方を身につける」+「単元の入口を広く押さえる」の混合です。算数は出題位置が固まっているので1 年分を、時間を計って解く練習が効きます。理科・社会は出題位置で予測できないぶん、分野を広く一巡してから、記述で自分の考えを書く練習に時間を割くのが合理的です。「出る問題を覚える」使い方は、設問文の再登場が確認できなかったので勧めません。

科目横断の要点

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科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 高い。2022・2024 年度は 5 大問 19 小問・大問ごとの小問数も 5・5・3・3・3 で完全一致 前半 10 問が計算と一行問題。後半 3 大問が誘導つきの小設問 3 問ずつ 前半 10 問を落とさない速度と正確さ。最終大問の「考え方を書く」練習
国語 高い。2015・2021 年度とも 3 大問・26〜28 小問 漢字 10 問+語句知識が全体の 6 割前後。読解は説明的文章 1 題のみ 漢字と語句の知識。次に説明文の接続語・語句の意味・脱文挿入
理科 低い。大問数が 5 → 2 と動く 2022・2024 年度は 1 つの大問に複数分野が同居する小問集合。身のまわりの現象・道具が題材 分野を絞らず広く一巡すること。理由や実験方法を文で書く練習
社会 中くらい。大問 1 の題材だけが固定、それ以外は動く 読み物や新聞記事を読ませて、地理・歴史・公民をまたいで問う 意見を書く記述。地図・地名の同定

6. この学校らしさが出る場所

  • 社会の大問 1 が、毎回この学校の初代校長・新渡戸稲造から始まります。 2015 年度は「本校の初代校長である、新渡戸稲造は、江戸時代末期の 1862 年に、盛岡藩の武士の子として生まれた」から始まる伝記文で、盛岡藩・札幌・太平洋・アメリカ・国際連盟・五千円札と一万円札の肖像まで下線部が伸びます。2022 年度は同じ人物と学校の前身校を軸に、国際連盟時代の「新渡戸裁定」を参考にして北方領土問題の解決を考えさせます。2024 年度は「生涯の 3 分の 1 を外国で生活し、国際理解のためには『相互理解』を進めていく」という文から、ウクライナの位置・江戸幕府・そして「国同士の争いや戦争を無くすにはどうしたら良いと考えますか」まで一続きにします。人物 1 人を軸に地理・歴史・公民をつなぐ作りが 3 年とも変わりません。
  • 理科・社会の記述が「あなたはどうするか」を聞きます。 2022 年度社会は「1 人一律 10 万円の給付」について良いところとそうでないところを両方書かせ、さらに「教育行政サービスに 13 兆円使うのと 1 人一律 10 万円使うのとどちらがいいか、選んで理由を書け」と続けます。2024 年度理科は、火力発電と二酸化炭素の話のあとで、学校にある週 1 回の活動時間を名指しして「その時間に環境を守る取り組みをするなら、どのように調べて、どのような活動をしますか」と 50〜100 字で書かせます。受験生に学校の中での行動を想像させる設問で、他校の過去問ではまず見かけない作りです。
  • 理科の題材が身のまわりに寄っています。2022 年度は「火のついたアルコールランプがたおれた。何を使って消すか、なぜ消えるかを『酸素』を使って説明」「袋に入った荷物を楽に持ちあげるには支えの台をどこに置くか」、2024 年度は「発光ダイオードを使う利点は何だと考えますか」です。実験器具の名前を答えさせるより、道具と生活の関係を説明させる方向に寄っています。
  • 社会が新聞記事をそのまま読ませます。2024 年度大問 2 は「毎日小学生新聞(2023/5/3)の記事」を本文にして憲法を問い、大問 3 は国境なき記者団の 2023 年報道自由度ランキングを題材にします。前年の記事が翌年の入試に出る距離感で、時事の扱いが速いように見えます。
  • 国語の読解が説明的文章 1 題のみです。2015 年度は話し方・聞き方についての文章、2021 年度は俳句の季語についての文章でした。物語文は 2 年とも出ていません(2 年ぶんの観察なので、出ないと断定はできません)。

7. 今からやるなら

想定学年は小 6・過去問演習期です。小 5 以前の読み方は 11 節の学年別ロードマップにまとめました。ここは受験学年で過去問に入ってからの優先順です。根拠は 8 節の科目別を参照してください。

  1. [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算 5 問)を時間を計って解きます。 2015・2022・2024 の 3 年とも 5 問で固定です。内訳は整数の四則、分数と小数の混ざった乗除、かっこつきの計算、帯分数の乗除、そして逆算(□ にあてはまる数を求める計算)か分配法則が 1 問(2015 年度 (5) が逆算、2022 年度 (5) が 88×3.14+12×3.14、2024 年度 (5) が 3×0.12+□×0.12=3)です。この 1 問の位置まで似ています。(確認: 〜2024 年度)
  2. [週末 60 分] 算数の大問 2(一行問題 5 問)を単元横断で回します。 (1) は 3 年とも量の換算(時速→秒速/g×30 日→kg/分×30 日→時間)です。(2) は割合と比、(3) は図つきの求積、(4) は場合の数か数の性質、(5) は数の性質か数列、という並びが 2022・2024 で一致しています。(確認: 〜2024 年度)
  3. [週末 60 分] 算数の大問 3 = 速さ(2022・2024)を押さえます。2015 年度も大問 6 が速さとグラフだったので、精読した 3 年すべてで速さが出ています。通過算(2022)、途中で引き返す往復(2024)、出会い算とグラフ(2015)と幅があります。(確認: 〜2024 年度)
  4. [週末 60 分] 算数の最終大問で「考え方もかきなさい」に慣れます。2022 年度は「マス目の塗り方で整数を表す」約束の問題、2024 年度は「正三角形・正方形・正六角形の頂点の塗り分け」でした。どちらも (1)(2) で手を動かして規則をつかみ、(3) で数え上げを説明させます。解答用紙に図を描いて説明する練習をしておきます。(確認: 〜2024 年度)
  5. [毎日 10 分] 国語の漢字 10 問をやります。2015・2021 年度とも大問 1 が漢字 10 問で、読みと書き取りが混ざります。小学校配当漢字の範囲ですが「熟れた」「裁く」「参拝」「遺志を継いで」のように訓読みと熟語の両方が来ます。(確認: 〜2021 年度)
  6. [週 1 回] 国語の語句知識(大問 2)を単元別にやります。2015 年度は四字熟語 4 問+体の一部が入る慣用句 4 問、2021 年度は辞書の見出し語・反対の意味の熟語の組・慣用句の空欄補充でした。四字熟語・慣用句・ことわざ・熟語の組み立てをひととおり回します。(確認: 〜2021 年度)
  7. [週 1 回] 国語の説明文で「接続語 4 つ」「語句の意味 3 語」「脱文挿入」を先に取ります。この 3 つは 2015・2021 の両年に同じ形で出ています(8 節の国語に詳しく書いています)。あわせて 30 字の理由記述も練習します。(確認: 〜2021 年度)
  8. [週末 60 分] 理科は分野を絞らず、理科・社会の記述で「あなたの考え」を 50〜200 字で書く練習をします。2022・2024 年度の理科の大問 1 は、1 つの大問の中で動物の分類→月の満ち欠け→燃焼(2022)、水溶液の判別→天気→種子の発芽(2024)と分野をまたぐので、「大問 1 は植物」といった読み方が通用しません。記述の字数は 2024 年度が理科に 50 字以上 100 字以内が 2 問、社会に 150〜200 字以内が 1 問で、枠が明示されるぶん、時計を見ながら 100 字を 5 分で書く練習が直接効きます。社会は大問 1 の導入文を読み慣れておくことと、地図問題への備えも要ります。3 年とも新渡戸稲造に関する文章から始まり、その文中の下線部について地理・歴史・公民を横断して問います。文章そのものは毎年書き直されているので暗記は無意味ですが、長い読み物を読んでから解く入り方に慣れておく価値はあります。地図は 2015 年度が盛岡藩の場所を都道府県名で答えて地図を塗りつぶす、札幌の位置を選ぶ、世界地図でアメリカ・カナダ・太平洋を選ぶ、2024 年度がウクライナの位置を地図から選ぶ形でした。日本地図と世界地図の白地図を 1 枚ずつ手元に置いてください。理科では実験の目的と条件をそろえる考え方(対照実験)を言葉で書く練習を、社会では憲法と三権の用語を、それぞれ加えます。(確認: 〜2024 年度)

8. 科目別の詳細

8-1. 算数(2015・2022・2024 年度を精読)

年度×大問の題材表

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6
2015 計算 5 問(末尾が逆算) 一行問題 5 問(時速→秒速
縮尺
平均算
4 と 6 の公倍数
売買損益)
平面図形(三角形の 3 辺を 3・5・4 等分して面積比) 規則性(1 3 2 4 3 5 4 6 … の数列) 食塩水(15% 200 g と 10% 100 g のやりとり) 速さとグラフ(A 君と B 君が東町・西町を往来)
2022 計算 5 問(末尾が 3.14 の分配計算) 一行問題 5 問(ごみ 920 g×30 日
比とポスター
正方形の中の色つき部分の面積
硬貨 3 枚の組み合わせ
数列の何番目)
速さ(1500 m を 50 秒の電車が長さ 700 m の鉄橋を渡る通過算) 集合(海外旅行者 100 人にフランスとドイツのアンケート) 規則性(マス目を塗って整数を表す約束。作図 2 問+考え方 1 問) —
2024 計算 5 問(末尾が 0.12 の分配計算) 一行問題 5 問(散歩 20 分×30 日
壁 50 m² の 35%
円の移動でできる面積
5 人から 3 人
7 で割ると 1 あまり 5 で割ると 2 あまる数)
速さ(家から 3 km の遊園地。時速 5 km で 15 分歩いて忘れ物に気づく) 割合・つるかめ算(個数を合計から逆算。綱引き。大人は子どもの 1.5 倍の力) 場合の数(正三角形・正方形・正六角形の頂点の塗り分け。作図 1 問+考え方 1 問) —

出題位置の固定

  • 大問 1 = 計算 5 問: 2015・2022・2024 の 3 年すべて。導入文は 2022・2024 が「次の □ にあてはまる数を答えなさい」で一字一句そろっています(2015 は「次の計算をして、□ にあてはまる数を入れなさい」)。
  • 大問 2 = 一行問題 5 問: 3 年すべて。導入文は 2022・2024 が大問 1 と同じ「次の □ にあてはまる数を答えなさい」です。
  • 大問 2(1) = 量の換算: 3 年すべて。2022 と 2024 は「30 日ぶんに直す」まで同じ作りで、数値と題材だけが違います。
  • 大問 2(3) = 図つきの求積: 2022・2024 の 2 年。2022 は正方形の中の色つき部分、2024 は円が移動してできる部分です。どちらも円周率 3.14 の明示つきです。
  • 大問 3 = 速さ: 2022・2024 の 2 年。2015 は速さが大問 6 だったので、速さ自体は 3 年すべてで出ています。
  • 最終大問 = 図と規則の思考問題: 2022・2024 の 2 年。(1)(2) で手を動かし、(3) で「考え方もかきなさい」です。
  • 大問数・小問数は 2022・2024 が 5 大問 19 小問、大問ごとの小問数も 5・5・3・3・3 で完全一致です。2015 は 6 大問 22 小問(5・5・3・3・3・3)で、前半 2 大問が 5 問ずつという点は 3 年とも同じです。

頻出単元

  • 計算(大問 1 で毎回 5 問)— 3 年すべて。
  • 単位・量の換算(大問 2(1))— 3 年すべて。
  • 速さ — 3 年すべて(位置は 2015 のみ最後)。
  • 規則性・数列 — 2015 大問 4、2022 大問 2(5) と大問 5、2024 は無し。
  • 場合の数 — 2022 大問 2(4)、2024 大問 2(4) と大問 5。2 年連続で大問 2(4) の出題位置にいます。
  • 割合と比 — 2022 大問 2(2)、2024 大問 2(2) と大問 4。

問い方

  • 前半 10 問は「□ にあてはまる数を答えなさい」です。式や考え方は求められません。
  • 後半 3 大問は 3 小問ずつの誘導つきです。(1) が状況把握、(2) が計算、(3) が応用、という段の付け方が 2022・2024 で共通です。
  • 最終大問の (3) だけ「この問題は、考え方もかきなさい」です。19 問中この 1 問だけが説明を要求します。

8-2. 理科(2015・2022・2024 年度を精読)

年度×大問の題材表

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2015 溶解度(100 g の水にとける最大量のグラフ)・5 小問 人体(呼吸と消化・吸収。実験の立て方と理由の記述)・3 小問 てこ(支点・力点・作用点とはさみ)・2 小問 てこ(実験用てこのつり合い)・2 小問 気象(雲のでき方・入道雲・気温変化のグラフ・山の雲)・5 小問
2022 小問集合(肉食動物と草食動物の歯/月の満ち欠けと形の作図/たおれたアルコールランプの消火)・5 小問 てこ(実験用てこのつり合い/荷物を持ちあげる支点の作図/てこを使う道具)・3 小問 — — —
2024 小問集合(4 種類の水溶液の判別/雲量と天気・3 都市の天気表/インゲンマメの発芽実験)・6 小問 電気(発光ダイオードの利点/火力発電と二酸化炭素をふまえた活動の提案)・2 小問 — — —

出題位置の固定

理科は出題位置が固定されていません。毎年作り直している科目です。 大問数は 2015 年度 5 → 2022・2024 年度 2 と大きく動き、分量も 17 小問 → 8 小問に減りました。

ただし 2022・2024 の 2 年に限れば、次の並びは一致します。

  • 大問 1 = 複数分野をまたぐ小問集合(2 年とも)。生物・地学・化学が 1 つの大問に同居します。
  • 大問 2 = 身のまわりの道具や技術を題材にした記述中心の大問(2 年とも)。2022 はてこを使う道具、2024 は照明と発電です。

注意: この学校の理科は大問 1 が小問集合なので、「大問 1 は何の単元か」という見方が成り立ちません。表面上は 2022 が「動物の分類」、2024 が「種子の発芽」に見えますが、これは大問の中の一部でしかありません。

頻出分野(精読した 3 年で出た分野)

生物: 人体(2015)、動物の分類(2022)、種子の発芽(2024)。 地学: 気象(2015・2024)、月(2022)。 物理: てこ(2015 で 2 大問・2022)、電気(2024)。 化学: 溶解度・濃度(2015)、燃焼(2015・2022)、水溶液の判別(2024)。

分野の偏りは無いと見てよいでしょう。 3 年で生物・地学・物理・化学のすべてが出ています。

問い方

  • 「どのような実験をおこなったらよいか」「どのような実験操作を行うと見分けられるか」— 実験の設計を書かせる設問が 2015 と 2024 の両方にあります。
  • 「なぜ火が消えるのか『酸素』という言葉を用いて説明しなさい」(2022)のように、使う語を指定して説明させます。
  • 「あなたの考えを 50 字以上 100 字以内で記しなさい」(2024 に 2 問)。
  • 「そう考える理由も答えなさい」(2024 の天気の設問)— 答えと理由をセットで求めます。

8-3. 社会(2015・2022・2024 年度を精読)

年度×大問の題材表

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年度 大問 1 大問 2 大問 3
2015 新渡戸稲造の伝記文(盛岡藩・札幌・太平洋・アメリカ・カナダ・国際連盟・一万円札の肖像)・8 小問 年表(大政奉還〜戦後。日清・日露・韓国併合・第一次大戦の好景気の記述)・7 小問 資料と文章 8 本(北海道の農業の円グラフ/東北の農作物/リアス海岸/内閣の権限/抑制栽培/地方交付/広島/シラス台地/非核三原則)・9 小問
2022 新渡戸稲造と前身校の文章(消費税率/2019 年に世界文化遺産になった古墳群/東京都でない離島/北方領土の解決策)・4 小問 公共サービスと税(納税以外の国民の義務/税の使いみちを決める権利/10 万円給付の是非)・4 小問 —
2024 新渡戸稲造と「相互理解」の文章(ウクライナの位置/江戸幕府初代将軍/江戸時代の出来事/戦争を無くすには)・4 小問 毎日小学生新聞 2023/5/3 の憲法記事(空欄補充/違憲審査/基本的人権が守られていない事例)・3 小問 国境なき記者団の報道自由度ランキング(報道の自由に関連する権利/報道が制限されると何が起きるか)・2 小問

出題位置の固定

  • 大問 1 の導入文が新渡戸稲造を題材にした文章: 2015・2022・2024 の 3 年すべて。この学校で最もはっきりした固定です。文章の中身は毎年書き直されていますが、「初代校長の文章を読んでから下線部を解く」という入り方は 3 年とも同じです。
  • 最後の設問が「あなたの考えを述べなさい」: 2022(大問 2(3)②)・2024(大問 3 問 2)の 2 年。2015 は「北海道の農業の特色を説明せよ」で、資料の説明であって意見ではありません。
  • 大問数は 3 → 2 → 3 で安定しませんが、小問数は 24 → 8 → 9 と大きく減っています。2022 年度の冊子は読み取りの確からしさが低い記録がありますが、2024 年度も 9 小問なので、近年は小問数が少ないと見てよいでしょう(精読した 2 年に限れば)。

頻出分野

  • 公民(憲法・三権・税・人権)— 2015 大問 3 に 2 問、2022 大問 2 全体、2024 大問 2・3 全体。3 年すべて。
  • 地図での位置の同定 — 2015(盛岡・札幌・太平洋・アメリカ・カナダ)、2022(東京都でない離島)、2024(ウクライナ)。3 年すべて。
  • 国際・世界 — 3 年すべて。新渡戸稲造の文章が国際連盟や外国生活に触れるため、そこから世界地理・国際協力に伸びます。
  • 歴史 — 2015 は年表 1 大問ぶん、2024 は江戸時代 2 問、2022 は古墳群 1 問。近年は薄くなっています。

問い方

  • 下線部つきの長い読み物 → 下線部について問う、という形が 3 年とも大問 1 で共通です。
  • 「正しい記号を全て選びなさい」(2024 大問 1 問 3、選択肢 9 個)のように、個数を指定しない全選択が出ます。
  • 「あなたが考えるこの政策の良いところと、そうでないところについて、それぞれ答えなさい」(2022)— 賛否の両面を書かせます。
  • 「どちらがいいと思いますか、どちらかを選択して、選択した理由を教えて下さい」(2022)— 立場を選ばせて理由を書かせます。
  • 「あなたが知っている事例を 1 つあげ、それに対するあなたの考えを簡単に述べてください」(2024)— 具体例を自分で持ってくることを求めます。

8-4. 国語(2015・2021 年度を精読)

国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2015・2021 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表

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年度 大問 1 大問 2 大問 3
2015 漢字 10 問(読み 5・書き取り 5。異なる・熟れた・参拝・出会う・防犯/マヨう・サカらって・ボウエキ・ゲンゾウ・ドクガク) 語句知識 8 問(四字熟語を語群から組み立てる 4 問/体の一部が入る慣用句 4 問) 説明的文章 1 題・10 問(斎藤孝『話し上手 聞き上手』)
2021 漢字 10 問(読み 5・書き取り 5。干す・裁く・天の川・糖分・俳優/継いで・ヤクソク・キョウミ・ヤキュウ・シュウカイ) 語句知識 5 問(辞書の見出し語/反対の意味の熟語の組を 3 つ/慣用句の空欄補充 3 問) 説明的文章 1 題・11 問(長谷川 櫂『一億人の季語入門』)

出典は 2 年とも原本の本文冒頭に表記があり、上のとおりで確認しました。

出題位置の固定

  • 3 大問構成(漢字 → 語句知識 → 説明的文章 1 題): 2015・2021 の 2 年とも。小問数は 28 と 26 でほぼ同じです。
  • 大問 1 = 漢字ちょうど 10 問: 2 年とも。読みと書き取りが混ざる形も同じです。
  • 大問 3 の問一 = 空欄 4 つに接続語を四択で入れる: 2 年とも。しかも選択肢の先頭がどちらの年も「つまり」です。設問文も 2015 が「1 〜 4 にはどのようなことばが入るのが適当ですか。次のア〜エの中から選び、記号で答えなさい」、2021 が「1 〜 4 にはどのような言葉が入るのが適当ですか。次のア〜エの中から選び、記号で答えなさい」と、「ことば」「言葉」の表記が違うだけです。同じ問い方をそのまま使っています。
  • 語句の意味を四択で問う設問が 3 語ぶん: 2015 は問五(主観的・補完・不遇)、2021 は問二(破綻・脇役・主従)。3 語ずつという数まで同じです。
  • 脱文挿入: 2015 は問十「次の部分が抜け落ちています。その部分の直後の五字を抜き出して答えなさい」、2021 は問五「次の部分がぬけ落ちています。【Ⅰ】〜【Ⅳ】の中から選びなさい」。同じ発想の設問が、抜き出しと記号選択の 2 通りで出ています。

頻出単元

漢字(10 問固定)、四字熟語・慣用句・ことわざ、熟語の組み立て、接続語、語句の意味、抜き出し、脱文挿入。知識問題が全体の 6 割前後を占めます(2015 は 28 問中 18 問、2021 は 26 問中 15 問が大問 1・2)。

問い方

  • 抜き出しは字数を指定します(2015「直後の五字」、2021「三十字以内の一文の最初」)。
  • 記号選択の比率は 2021 年度が 46%、2015 年度が 14% と年で差が大きくなっています。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

精読した年のうち古い年に出て、直近 2 年(2022・2024)には大問として現れていない単元です。周期が空いているという意味で、直近の資料に無いからといって出ないとは言えません。

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科目 単元 最後に大問で見た年 最終確認年度
算数 食塩水の濃度(容器 A・B のやりとり) 2015 年度 大問 5 2015 年度
算数 平面図形の面積比(三角形を等分して比を出す) 2015 年度 大問 3 2015 年度
算数 速さとグラフ(ダイヤグラム) 2015 年度 大問 6。2022・2024 の速さはグラフなし 2015 年度
理科 人体(呼吸・消化・吸収) 2015 年度 大問 2 2015 年度
理科 てこ・つり合い 2022 年度 大問 2。2024 年度には無い 2022 年度
理科 溶解度・再結晶(グラフの読み取り) 2015 年度 大問 1。2024 年度は水溶液の判別のみ 2015 年度
社会 歴史の年表を使った通史 2015 年度 大問 2 2015 年度
社会 農業・地形の資料読み取り(円グラフ・リアス海岸) 2015 年度 大問 3 2015 年度

このほか、社会の地方自治・財政の用語は 2015・2022 年度に出ており、2024 年度には現れていません。

算数の食塩水と面積比は、いま資料に残っている大問のうち最も長く出番のない 2 つなので、直前期の穴埋めとして押さえておく価値があります。


10. 形式面の注意

  • 円周率は 3.14 と問題文に明記されます。 2022 年度大問 2(3)、2024 年度大問 2(3) の両方で「円周率は 3.14」と書かれていました。
  • 算数に「考え方もかきなさい」が 1 問あります。2022 年度大問 5(3)、2024 年度大問 5(3) です。2024 年度は「図などを使って考え方もかきなさい」と、図を使ってよいと明示しています。
  • 作図は解答用紙への書き込みの形で出ます。算数 2022 年度は「解答欄の図を塗りなさい」が 2 問、2024 年度は「解答欄にすべてかきなさい」が 1 問で、2015 年度に作図はありません。理科 2022 年度は「解答用紙に月の形を書きなさい」「支えになる台をかき加えなさい」、2024 年度は「発芽に必要な養分がある部分に色をぬりなさい」。社会 2015 年度は「地図で都道府県に当たる部分を塗りつぶせ」で、社会の作図はこの 1 問のみです。定規やコンパスで作図する問題ではなく、図に描き込む問題です。
  • 字数指定はあります。理科 2024 年度に「50 字以上 100 字以内」が 2 問、社会 2024 年度大問 1 問 4 に「150〜200 字以内」が 1 問、国語 2021 年度に「三十字以内」が 2 問(うち 1 問は「句読点も一字として数えます」と明記)。国語 2015 年度は「本文中のことばを用いて答えなさい」で字数の枠が無い記述が 4 問でした。国語は 2 年で扱いが違うので、どちらにも備えておいてください。
  • 文字種の指定があります。社会 2024 年度「漢字 4 字で答えなさい」「漢字 2 字で答えなさい」、国語の漢字の書き取りです。字数指定とは別物なので混同しないでください。
  • 単位は問題文に印字されます。算数の大問 1・2 は「□ にあてはまる数を答えなさい」の形で、□ のうしろに「時間です」「cm² です」「番目の数です」と単位や語がついています。答えの単位を自分で選ばせる作りではありません。
  • 算数の答えは短答(語句や数値を短く答える形式)が中心です。記号選択の設問は精読した 3 年の算数で 1 問も無く、答えは数値の短答が基本でした。
  • 理科は記述の比重が高い年があります。2024 年度は 8 小問のうち記述が 3 問、説明を伴う設問がさらに 2 問で、短答だけで答え切れる設問は 2 問しかありませんでした。2015 年度は 17 小問中 記述 3・選択 4・短答 10 で、短答が主軸でした。記述の比重が上がっているように見えます(精読した 3 年での話です)。
  • 社会は記号選択と記述が半々です。2024 年度は 9 小問で選択 4・記述 3・短答 2。2015 年度は 24 小問で選択 11・短答 10・記述 2・作図 1 と、記号選択が主軸でした。小問数が減ったぶん記述の割合が上がっています。記述には「下の語句を使って説明せよ」(2015、指定語 5 つ)のように語句指定つきの形もあります。
  • 国語は記号選択と短答が半々です。2021 年度は 26 小問で短答 13・選択 12・記述 1。2015 年度は 28 小問で短答 20・選択 4・記述 4 でした。

11. 学年別ロードマップ

小 4(土台)

  • 計算の正確さがそのまま点になる学校です。整数・小数・分数の四則を、途中式を書いて 1 問 30 秒の感覚まで持っていきます。
  • 図形は「面積を求める」以前に、円・おうぎ形・正方形の組み合わせ図をきちんと写すところから始めます。算数の大問 2(3) は 3 年とも図つきの求積です。
  • 国語は漢字の読み書きを学年配当どおりに進めます。訓読みを後回しにしません。ただし国語は 2022 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で補ってください(→ 13 節)。
  • 短い記述(2〜3 文で理由を書く)を週に何回か入れます。理科・社会の記述はここから始まります。
  • 時間計測はまだしません。

小 5(幅)

週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分には算数の計算と国語の漢字・語句を、週末の 60 分には算数の単元横断と理科・社会の一巡を割り付けます。

  • 8 節の年度×大問の題材表を、小 5 で一巡する単元リストとして使います。単元の順番は、算数なら計算・単位換算・割合・比・平均・売買損益・数の性質・数列・場合の数・集合・つるかめ算(個数を合計から逆算。受験用教材の単元)・速さ(通過算・出会い算・グラフ)・平面図形の面積比・食塩水の順です。ここまでで大問 1〜4 の材料はそろいます。
  • 理科は分野の偏りを作らないのがこの学校向けの方針になります。精読した 3 年で出た分野は、溶解度・人体・てこ・気象・動物の分類・月・燃焼・水溶液の判別・種子の発芽・電気と、生物 / 地学 / 物理 / 化学のどれにも寄っていません。
  • 社会は地理・歴史・公民を並行で進めます。2015 年度は歴史年表 1 大問と地理資料 1 大問、2024 年度は江戸時代・日本国憲法・報道の自由と、歴史も公民も来ます。
  • 記述は「理由を 2〜3 文で書く」を習慣にします。この学校は理由と自分の考えを書かせる設問が多いためです。

小 6(仕上げ)

  • 上の 7 節の 8 項目がそのまま小 6 の作業になります。
  • 夏以降は算数を「同じ大問を、年度を変えて」解きます。手元の資料でいえば 2022 と 2024 の大問 1 だけを続けて 10 問、大問 2 だけを続けて 10 問、という縦の解き方が、この学校ではよく効きます(出題位置が固定されているためです)。
  • 理科・社会は1 年分を、時間を計って解く方向にします。出題位置が動くので縦解きの利点が小さいためです。
  • 12 月以降は記述の字数感覚を作ります。50 字・100 字・200 字を、原稿用紙なしで書けるようにします。ただし国語は 2022 年度以降の資料が無いので、字数の枠は理科・社会の 2024 年度と国語の 2021 年度を根拠にしています(→ 13 節)。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか

差がつくのは小 6 ではなく小 5 の「広さ」です。算数の前半 10 問と国語の漢字・語句で全体のかなりの割合が決まる作りなので、難問を一つ解けるようになるより、取りこぼしを 0 に近づける方が結果に直結します。その取りこぼしを消す作業は小 4〜小 5 の反復でしか作れません。一方、理科・社会は分野が予測できないため、小 5 で分野を絞らずに一巡しておいた家庭ほど小 6 の負担が軽くなります。小 6 に固有なのは「考え方を書く」「あなたの考えを書く」記述の訓練だけで、ここは 3〜4 か月で仕上がります。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は出題構造が近いかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が重なる、という意味です。学校の格付けや通学圏はここでは扱いません。男女と日程の注記は出題構造が近い学校の表にあるものをそのまま写しました。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

本校には 2 科の入試があります。併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。

近さの数字は「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回し」の距離と単元分布の類似を合成したもので、同じ問題が出るという意味ではありません。国語は新渡戸文化中学校側の資料が 2 年分しかないため、どの候補とも比較できていません(出題構造が近い学校のページの表の国語欄がすべて空欄なのはそのためです)。


13. 資料の限界

  • 入試回が原本からは特定できません。2024 年度の算数だけ「4 科のうち 2 科を選ぶ入試の算数部分」と転写メモにありますが、他の年・他の科目には回の表記がありません。募集要項では国算 2 科の入試が 2/1・2/2・2/4 の午後にも置かれており、ここで分析した冊子がどの回のものかは断定できません。回によって作りが違う可能性は残ります。
  • 2016〜2021 年度の 4 科がまとまって資料にありません。2015 年度と 2022 年度の間に理科・社会の分量が大きく減っていますが、いつ・どう変わったかはこの資料では追えません。
  • 国語は 2015・2021 年度の 2 年分のみです(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。「2 年とも」と書いた固定は、3 年以上の反復を確認したものではありません。
  • 転写は自動処理を含むため、図の細部・選択肢の全文・配点の読み落としがありえます。配点は精読した 11 冊のいずれにも記録が無く、科目ごとの満点は不明です。学校の募集要項にも配点の記載がありません。
  • グループワークの入試とプレゼンテーションの入試については、過去問という形の資料が存在しません。筆記以外の入試の準備はこのレポートの範囲外です。
  • 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。

資料側で気づいた食い違い(執筆の過程で確認したもの)

原本を読んだ結果、手元の集計資料と食い違った点を記録しておきます。本文は原本を優先して書きました。

  1. 国語の「字数指定のある冊 0%」は誤りです。2021 年度に「三十字以内で書いて説明しなさい(句読点も一字として数えます)」と「三十字以内の一文を探し」の 2 問があります。
  2. 算数の「短答 100%・記述 0%」は 2022・2024 年度に当てはまりません。2022 年度は 19 問中 作図 2・説明を伴う設問 1、2024 年度は 作図 1・説明を伴う設問 1 があります。
  3. 理科の「位置別の単元が毎年ばらばら」という見え方は、大問 1 が小問集合であることによります。2022 年度の大問 1 は動物の分類・月・燃焼の 3 分野、2024 年度の大問 1 は水溶液・気象・種子の発芽の 3 分野を含みます。先頭の小問の分野で大問全体を代表させると、実態より大きく動いて見えます。
  4. 「同じ場所に同じ種類の問題」の索引に、この学校の行がありません。算数の大問 1・2 と社会の大問 1 は精読した 3 年すべてで一致しており、索引に載っていないのは落としだと思われます。
  5. 国語の出典は 2 件とも原本の表記と一致しました。2015 年度=斎藤孝『話し上手 聞き上手』、2021 年度=長谷川 櫂『一億人の季語入門』。いずれも本文冒頭に括弧つきで表記があり、突き合わせて確認しました。
  6. 旧称について。学校の公表資料では 2010 年に東京文化中学校・高等学校から現校名へ改称したとあります。2015 年度以降の冊子の表紙はすべて現校名で、混入は見当たりませんでした。なお 2022 年度社会の本文には「本校の前身である女子経済専門学校」という表記がありますが、これは設問文の中で学校の歴史に触れているもので、冊子の取り違えではありません。
  7. 社会の 2022 年度は転写の読み取りの確からしさが低いと記録されている冊子なので、この年の小問数(8 問)だけを根拠にした断定は避けました。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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