日本大学第一中学校 の過去問分析
日本大学第一中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
日本大学第一中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・4 科がそろう回・算数 16 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区 |
| 男女 | 共学(1997 年 4 月より共学化。それ以前は男子校) |
| 旧称 | 日本大学中学校(1913 開校)、日本第一中学校 |
| 入試回と日程・科目 | 4 科 1 回 2 月 1 日/4 科 2 回 2 月 2 日 — 4 科(国語・算数・理科・社会)。2 科 1 回 2 月 3 日/2 科 2 回 2 月 5 日 — 2 科(国語・算数) |
| 試験時間・配点 | 4 科の回は 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 30 分 50 点・社会 30 分 50 点。2 科の回は国語・算数が各 50 分・各 100 点 |
| 募集人員 | 男女の内訳は資料により不明瞭です |
上の表は 2025 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
校名の似た学校が複数ありますが、いずれも入試問題が別に作られている別の学校です(→ 12 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は 大問 6・小問 20・全問が答えのみで、大問 1 が計算 5 問、大問 2 が一行題(数行で終わる短い文章題)5 問という内訳が 2023・2024・2025 の 3 年とも同一です。導入文まで同じ文です。
- 社会は大問が 2 つだけで、大問 1 が日本地図を使った地理、大問 2 が年表を使った通史、その最後に公民が 1〜3 問という並びが 3 年とも崩れません。
- 理科は大問数も小問数も毎年作り直されます(3 年で大問 5・7・6、小問 29・36・20)。それでも 物理 → 化学 → 生物 → 地学 という分野の並びだけは 3 年とも同じです。
家でやること 3 つ
- 算数の計算 5 問を毎日やります。四則計算 4 問+逆算(□にあてはまる数を求める計算)1 問で、5 問 7 分で全問正解を目標にします。
- 社会の白地図で地名を漢字で書けるようにします。山地・山脈・平野・河川・湖・半島・海岸・島。3 年とも大問 1 の最初の 4 問がこれで、漢字指定つきです。
- 理科の電気回路をやります。3 年連続で出ています。豆電球・LED・直列と並列・電流の大きさを比で表す形。
今週やる 1 つ
- 理科を 30 分で通しで解いて、試験開始の 30 秒で大問数と小問数を数えてから時間配分を決める手順を試します。小問 20 の年と 36 の年があるためです。
注意
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2015・2017・2018 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
このページは過去問の転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとに書いています。年の数え方を 3 つに分けます。精読した年は設問文まで読んだ年、構成だけ数えた年は大問構成と単元の一覧だけを見た年、資料のある年はその合計です。
| 科目 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 16 年(2010〜2025) | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年 | 大問 6・小問 20 が 2012 年度以降ずっと続きます。転写は読みやすい状態です |
| 理科 | 15 年(2010〜2025。2011 年度なし) | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年 | 大問数が 5〜9、小問数が 20〜36 と年による幅が大きい科目です |
| 社会 | 14 年(2010〜2025。2011・2012 年度なし) | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年 | 2021 年度以降は大問 2・小問 18〜21 で安定しています |
| 国語 | 4 年(2010・2015・2017・2018) | 3 年(2015・2017・2018) | 1 年 | 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校では混入は見つかりませんでした(→ 13 節)。
- 図そのものは転写できないため、図形問題の細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
日本大学第一は「問題の並ぶ場所が科目ごとに決まっていて、そこに入る中身は毎年作り直される」学校です。 ただし「場所の決まり方」の強さが科目によってはっきり違います。同じ種類の問題が同じ場所に出るこの並びを、以下では座席(問題の置き場所)と呼びます。
- 算数がもっとも固い科目です。大問 6・小問 20・全問が答えのみ。大問 1 は計算 5 問(うち (5) は □ を求める逆算)、大問 2 は一行題 5 問という内訳が 2023・2024・2025 の 3 年とも同一で、導入文まで同じ文です。この 2 大問で 20 問の半分を占めます。年度ごとの構成をさかのぼると、大問 1 が計算なのは 2010〜2025 の 16 年連続です。さらに、グラフや表を読む大問が毎年 2 題(速さのグラフ 1 題+統計の資料 1 題)あり、最後の大問 6 は 3 年とも「グラフから速さを求める」大問でした。
- 社会も固い科目です。大問は 2 つだけ(2021〜2025 の 5 年連続)。大問 1 が日本地図を使った地理、大問 2 が年表を使った通史で、その最後に公民が 1〜3 問。この並びが 3 年とも崩れません。しかも「矢印 A の時期のできごとを年代順に並べかえなさい」という問いが 3 年連続で、文言までほぼ同じです。
- 理科は逆に、大問数も小問数も毎年作り直されます。3 年で大問 5・7・6、小問 29・36・20。30 分の試験で小問が 20 の年と 36 の年があり、密度がまるで違います。それでも分野の並びだけは固定で、3 年とも 物理 → 化学 → 生物 → 地学 の順、大問 1 は必ず物理(年度ごとの構成では 2012〜2025 の 14 年連続)、最後の大問は必ず地学です。
- 国語は資料が 4 年しかないので強いことは言えませんが、精読した 3 年(2015・2017・2018)では 説明的文章 → 文学的文章の順で、読解の大問はどれも問 1 がカタカナの書き取り 5 問から始まるという並びが共通していました。
念のために書きますが、これは同じ問題が出るという意味ではありません。数値も題材も文章も毎年新しく作られており、過去問の答えを覚えることには意味がありません。同じなのは「どの場所に、どういう種類の問題が置かれるか」という並びのほうです。
したがってこの学校の過去問の使い方は、①決まった場所に来る問題を年度横断で縦に潰す(算数の大問 1・2、社会の大問 1 の地名、理科の大問 1 の物理)、②時間の使い方を身につける(とくに理科は年によって問題数が 1.8 倍違う)の二つが中心になります。「出る問題を覚える」使い方は、4 科目のどこでも効きません。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 地元・墨田区が問題に出てきます。 2023 年度理科の大問 5 は日本付近の天気図と気象衛星の雲画像を見て、「図 1 が作成された日に、墨田区で観測される風の向きと風の特徴」「図 2 の②がとられた日に墨田区ではどのような気温になるか」を答えさせます。天気の問題を、受験生がこれから通う土地の話として聞いています。精読した 12 冊のなかで、学校の所在地が設問文に直接出てきたのはこの 1 例ですが、印象に残る作りです。
- 算数のグラフが「日常のできごと」で作られています。忘れ物に気づいて学校に走って戻る 2 人(2023)、川を往復する 2 隻の船(2024)、6 km を自転車で往復する兄と弟(2025)。統計のほうも、10 点満点のテストの点数分布(2023)、国語と算数の点数のクロス集計(2024)、子ども 1500 人と大人に聞いた「一番好きな野菜」(2025・玉ねぎ、じゃがいも、さつまいも、枝豆、トマト…と 10 種類が並びます)。抽象的な数値の表ではなく、場面が想像できる資料を毎年用意しています。
- 理科が「観察・飼育の現場」から入ります。モンシロチョウのたまごが産みつけられる植物とふ化直前の色(2023)、ろ過装置を置かずにメダカを飼うときに注意すること(2024)、ダイコンの白い部分が根で緑がかった部分が茎であること・根と茎で味が違う理由(2025)。教科書の知識を、実際にやってみた人の視点で聞き直す問題が毎年あります。2025 のダイコンの問題が「根と茎の味の違いを『茎の部分の方が』に続けて答えなさい」と書かせているのは、その姿勢がよく出た一問に見えます。
- 社会の歴史が、年表の骨格を一度も崩さずに毎年新しく作られています。3 年とも 3 世紀・古代から戦後・現在までを 11〜13 問で一気に下ります。人物名を漢字で書かせる問題(卑弥呼・北条泰時・後醍醐天皇・版籍奉還)と、矢印の期間のできごとを並べかえる問題が骨になっています。通史を「線」として持っているかを確かめにきているように見えます。
- 国語が説明的文章と文学的文章の 2 本立てで、説明的文章の話題が「ことば」「記憶」「笑い」と、頭の働きに寄っています。記憶の種類(2015)、笑いとユーモアの役割(2017)、言葉の「ゆれ」と「乱れ」(2018)。文学的文章のほうは、犬を飼いたい子と父(2015)、転入生と父の死(2017)、ピアノをやめると決めた子(2018)と、小学生自身の生活のなかの葛藤が題材になっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定学年は受験学年(小 6)の過去問演習期です。小 5 以前の方は、この 8 つの項目を「小 6 で何をやることになるか」の見取り図として読み、いまは 11 節の小 4・小 5 の段を進めてください。
各項目の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠が確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・計算 5 問(確認: 〜2025 年度)— 四則計算 4 問+逆算 1 問。分数と小数の混在、中かっこと大かっこ。5 問 7 分で全問正解を目標に。大問 1 の座席は 16 年動いていません。
- [週末 60 分] 算数・一行題 10 単元を単元別に潰す(確認: 〜2025 年度)— 食塩水・つるかめ算(個数を合計から逆算)・通過算・平均算・売買損益・年齢算・速さの比・割合・数の性質・円とおうぎ形の求積。大問 2 は毎年ここから 5 問です。
- [週末 60 分] 算数・グラフから速さを読む/統計の資料を読む(確認: 〜2025 年度)— 3 年とも大問 6 がグラフから速さを求める大問でした(徒歩・流水算・自転車の往復)。折れ線から「いつ速さが変わったか」「どこで出会ったか」を読みます。統計は中央値・平均・割合(%)・円グラフの中心角の変換、そしてクロス集計表の読み取り。2023 は棒グラフ、2024 は表、2025 は左右 2 本の横棒グラフと、見せ方が毎年違うので「どんな図でも読める」状態にしておきます。
- [週 1 回] 算数・回転体と立体のくりぬき、規則性(確認: 〜2025 年度)— 体積を出したら続けて表面積、という 2 問セットで練習します。表面積では切り口の平面と側面の円弧を数え落としやすいところです。規則性は、図形を外側に足していく形(2025)と、数列を n 個ずつの組に区切る形(2023)の 2 通りを。
- [週 1 回] 理科・電気回路を最優先、物理の残りを一巡(確認: 〜2025 年度)— 電気回路は 3 年連続。直列・並列の判別、電流の大きさを比で表す、LED の向き、切り替え器つきの回路。図を見て「どこに電流が流れるか」を指でなぞる練習を。物理の残り(てこ・滑車・ばね・光・ふりこ)も一巡します。大問 1 は 14 年ずっと物理なので、ここが手つかずだと出だしでつまずきます。
- [週末 60 分] 理科・化学の表と計算、地学 5 分野、30 分の通し演習(確認: 〜2025 年度)— 気体の性質は、発生方法・集め方・性質・見分け方を 4 気体(水素・酸素・二酸化炭素・アンモニア)ぶん、自分で表にして埋められるように。2024 はまさにその表を 12 か所埋めさせました。溶解度・中和の計算は、表やグラフから比例で読む練習を(2024 大問 3、2025 大問 3・4 のどちらも計算が中心)。地学は 5 分野とも仕上げます(気象・流水・月・星座・地層)。最後の大問が必ず地学で、3 年とも分野が違いました。あわせて 30 分の通し演習を。小問 20 の年と 36 の年があるので、試験開始の 30 秒で大問数と小問数を数え、「問題数を見てから配分を決める」手順を身体に入れます。選択肢を 1 つずつ○×で判定して消す手順を決めておくと「すべて選びなさい」に強くなります。40 字前後で説明する練習は月に数回、実験の結果から言えることを条件(温度・時間)と変化の両方を入れて書きます。
- [週末 60 分] 社会・白地図の地名、年表、統計、通史、漢字指定(確認: 〜2025 年度)— 白地図で地名を漢字で書けるようにします(山地・山脈・平野・河川・湖・半島・海岸・島)。3 年とも大問 1 の最初の 4 問がこれで、漢字指定つき。もっとも確実に得点できる場所です。年表は「この矢印の間に何が起きたか」を年代順に並べる訓練を、時代ごとに 1 セットずつ。3 年連続で出ている問い方なので、同じ時間で点になりやすいところです。統計から都道府県を当てる練習は、コメ・果実(うめ・もも・みかん・ぶどう)・畜産・耕地の用途・工業出荷額・気温と降水量で。データブックの表を隠して当てるだけでよいです。通史は穴なく。3 年とも原始から戦後まで一続きに出ます。とくに安土桃山(桶狭間・関ヶ原)と鎌倉・室町の役職名(執権・六波羅探題)は 3 年とも顔を出しました。人物名・法令名は漢字で書けるように。3 文字・4 文字・5 文字の指定が毎年あり、卑弥呼・北条泰時・版籍奉還・後醍醐天皇のような答えを、指定の字数どおりに書けるかが問われます。公民は「選挙・国会・内閣・裁判所・地方自治・社会保障」の 6 分野を、大問 2 の最後に 1〜3 問だけなので深追いより一巡を。前年の政治の出来事は秋以降に軽くさらい、制度の名前と仕組みに結びつけて覚えます。
- [毎日 10 分] 国語・カタカナ→漢字 5 問、字数指定つきの抜き出し、20〜45 字の記述(確認: 〜2018 年度)— 読解の大問ごとに漢字 5 問が必ず付くので、40 分の読解と切り離して確実に取ります。抜き出しは「十五字で」「十字以内で」「最初の五字を」の 3 通りに慣れ、指定字数から先に本文を絞る手順を身につけると速くなります。記述は本文の言葉を残したまま組み立て、指定された語尾に着地させる練習を。長く書く力より、条件を守る力が問われています。あわせて、文の係り受け(この修飾語はどの語にかかるか)を短文で分解する練習、脱文挿入(抜けている一文を戻す)を接続語と指示語を手がかりに月に数回、説明的文章と文学的文章を 1 セットで通す時間つき演習、選択肢の「合わないもの」「適当でないもの」に印をつける癖づけを。
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 20・すべて答えのみ)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 計算 5 問((5) は □ を求める) | 一行題 5 問(食塩水/速さの比/長方形の辺の比と面積/つるかめ算/円の重なりの面積) | 規則性(4 つずつの組に区切った数列・2 問) | 立体(立方体から 4 分の 1 円柱をくりぬく・体積と表面積・2 問) | 速さとグラフ(忘れ物を取りに戻る 2 人・3 問) | 資料(10 点満点テストの棒グラフ・中央値と円グラフの中心角・3 問) |
| 2024 | 計算 5 問((5) は □ を求める) | 一行題 5 問(通過算/平均算/売買損益/回転体/正方形と円弧の面積) | 資料(国語と算数のクロス集計表・平均点と割合・3 問) | 正方形の分割と辺の比・面積比(2 問) | 場合の数(4 枚のカードで 4 けたの整数・2 問) | 流水算とグラフ(2 隻の船が 21600 m を往復・3 問) |
| 2025 | 計算 5 問((5) は □ を求める) | 一行題 5 問(数の性質/年齢算/割合と残りの割合/通過算/直角三角形 2 枚の面積) | 規則性(正方形のタイルを外側に足していく・2 問) | 回転体(L 字の図形を直線 ℓ(エル)で回転・体積と表面積・2 問) | 資料(好きな野菜の左右 2 本の横棒グラフ・3 問) | 速さとグラフ(兄弟が 6 km を自転車で往復・2 枚のグラフ・3 問) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
この学校の算数で一番はっきりしているのは、大問 1 と大問 2 の座席がまったく動かないことです。
- 大問 1 は計算 5 問。しかも「(1)〜(4) が四則計算、(5) だけが □ にあてはまる数を求める逆算」という内訳まで 2023・2024・2025 の 3 年とも同一でした。導入文も 3 年とも「次の計算をしなさい。ただし、(5) は □ にあてはまる数を求めなさい。」で、句読点の違いを除けば同じ文です。年度ごとの大問構成を見るかぎり、この座席は 2010 年度から一度も崩れていません(16 年)。
- 大問 2 は一行題 5 問。導入文は 3 年とも「次の各問いに答えなさい。」。中身の 5 単元は毎年入れ替わりますが、(5) が「右の図の…」で始まる平面図形の求積である点は 3 年とも共通でした(2023 は円 4 つの重なり、2024 は正方形と円弧、2025 は直角三角形 2 枚)。
- グラフ・表を読む大問が毎年 2 題あります。3 年とも「速さをグラフで追う大問」と「統計の資料を読む大問」が 1 題ずつで、その 2 題が大問 3〜6 のどこかに置かれます(2023 は大問 5・6、2024 は大問 3・6、2025 は大問 5・6)。とくに最後の大問 6 は 3 年とも「グラフを読んで速さを求める」大問でした(2023 は徒歩、2024 は流水算、2025 は自転車の往復)。
- 立体の体積と表面積を続けて問う 2 問セットが 2023 大問 4 と 2025 大問 4 に同じ位置で入っています。2023 は「この立体の体積を求めなさい/この立体の表面積を求めなさい」、2025 は「図形を回転させてできた立体の体積を求めなさい/…表面積を求めなさい」で、聞き方はほぼ同文です。2024 も大問 2(4) に回転体が入っており、3 年とも回転体か立体の切り欠きが必ず 1 問あります。
頻出単元と回数
- 四則計算+逆算: 大問 1 で 3 年連続(年度ごとの構成では 2010〜2025 の 16 年連続)。1 問あたりの式は長く、2023 (3) のように分数と小数と中かっこ・大かっこが混在する 3 段階の計算が毎年 1 問は入ります。
- 資料の読み取り(グラフ・表): 3 年連続で大問 1 題。年度ごとの構成でも 2011〜2025 のほとんどの年に入っています。中央値・平均・割合(%)・円グラフの中心角と、扱う統計量が広い範囲にわたります。
- 速さ: 3 年連続。2023 は歩く速さの変化、2024 は流水算、2025 は往復のグラフ 2 枚。いずれもダイヤグラムを読む形で、式だけで解く速さの一行題は大問 2 に短く入るだけです。
- 立体図形・回転体: 3 年連続。円周率を使う体積・表面積の計算が必ず出ます。
- 規則性・数列: 2023 大問 3・2025 大問 3 の 2 回(同じ座席)。
- 平面図形の面積比・辺の比: 2024 大問 4・2025 大問 2(5)・2023 大問 2(3)。
- 一行題で出た単元(3 年ぶん): 食塩水・速さの比・つるかめ算・通過算(2 回)・平均算・売買損益・年齢算・数の性質・割合・円とおうぎ形。塾のテキストの一行題がそのまま並んでいます。
問い方の特徴
- 記述はゼロ、記号選択もゼロ。3 年とも 20 問すべてが答えだけを書く短答(語句や数値を短く答える形式)です。途中式を書く欄も見当たりません。
- 答えの単位は問題文の側に書かれています(「何 cm²ですか」「分速何 m ですか」「何番目の組ですか」「何度ですか」)。
- 比を答えさせるときは「最も簡単な整数の比で表しなさい」と明示されます(2024 大問 4(1))。
- 円周率は 3.14。2025 大問 4 の導入文に「ただし、円周率は 3.14 とします」と明記されています。
- 1 つの小問で複数の値を答えさせる問題があります(2023 大問 6(3)「5 点、6 点、9 点、10 点の生徒の人数をそれぞれ求めなさい」)。部分点があるかは資料からは分かりません。
8-2. 理科(30 分・50 点・大問 5〜7・小問 20〜36)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・精読した年)
前半の大問
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5/29 | 電気回路(手回し発電機と LED・6 問) | 気体の性質(5 種の気体の識別・ろうそくと集気びん・7 問) | 人体(うでの筋肉と骨・チョキの指・5 問) | こん虫(モンシロチョウの一生・6 問) |
| 2024 | 7/36 | 電気回路(切り替え器と回路・2 問) | ばね(3 本のばねと 10 g のおもり・3 問) | 溶解度(硝酸カリウムの表・5 問) | 気体の性質(発生方法と集め方の表を 12 か所埋める・12 問) |
| 2025 | 6/20 | 光(鏡の反射・動く点が映る範囲・3 問) | 電気回路(豆電球と電池の 6 通りのつなぎ方・2 問) | 金属と水溶液の反応・中和(2 問) | 質量保存(酸化物と炭素の加熱・3 問) |
後半の大問
| 年度 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 気象(天気図と気象衛星画像・5 問) | — | — |
| 2024 | 人体(だ液のはたらきの実験・4 問) | メダカの飼育(4 問) | 流水のはたらき(粒の大きさと流速のグラフ・6 問) |
| 2025 | 植物(ダイコンの根・茎・葉・5 問) | 月(公転の位置と見え方・5 問) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
理科は大問の数も小問の数も毎年作り直されます(3 年で大問 5・7・6、小問 29・36・20)。30 分の試験で小問が 20 のときと 36 のときがあり、密度がまるで違います。ここは算数とは正反対です。
その一方で、分野の並び順だけは 3 年ともまったく同じでした。
- 物理 → 化学 → 生物 → 地学の順に並びます。2023 は電気→気体→人体・こん虫→気象、2024 はばねを含む物理 2 題→化学 2 題→生物 2 題→流水のはたらき、2025 は光・電気→化学 2 題→植物→月。
- 大問 1 は必ず物理。3 年とも例外がなく、年度ごとの構成でさかのぼると 2012〜2025 の 14 年間ずっと大問 1 が物理です。
- 最後の大問は必ず地学。2023 は気象、2024 は流水のはたらき、2025 は月。
- 電気回路が 3 年連続(2023 大問 1・2024 大問 1・2025 大問 2)。物理の枠に何が入るかは光・ばね・電気で回っていますが、電気だけは 3 年とも入っています。
つまり理科は「何が出るか」は読みにくいものの、「どこに何分野が来るか」は読めます。時間配分を分野の並びで決められるというのが実戦上の利点になります。
頻出単元と回数
- 電気回路: 3 年連続。豆電球・LED・手回し発電機・電池の直列と並列。2025 大問 2 は「図 1 の電池に流れる電流を 4 とすると、A〜E に流れる電流はいくつか」と比で答えさせる形です。
- 気体の性質: 2023 大問 2・2024 大問 4 の 2 回。2024 は表の 12 か所を語群から選ぶ形で、この 1 大問だけで小問 36 のうち 12 を占めました。
- 人体: 2023 大問 3(筋肉と骨)・2024 大問 5(だ液)の 2 回。
- こん虫・動物: 2023 大問 4(モンシロチョウ)・2024 大問 6(メダカ)の 2 回。飼育・観察の場面から入るのが共通しています。
- 水溶液・溶解度・中和・質量保存: 2024 大問 3、2025 大問 3・4。計算をともなう化学が毎年 1〜2 題。
- 地学は毎年ちがう分野: 気象(2023)→ 流水のはたらき(2024)→ 月(2025)。年度ごとの構成でも、気象・流水・月・星座・地層が順番に回っています。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸で、用語を書かせる短答がそれに次ぎます。3 年の資料では選択がおよそ 4〜5 割です。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」「2 つ選び」が毎年複数あります。1 つに絞る問題より多い年もあり、あいまいな知識だと落としやすいところです。
- 文章を書かせる問題は年 0〜1 問と少なめです。2024 大問 5(3)「実験 1 の結果から『だ液のはたらき』についてわかることを、温度と物質の変化に着目して、40 字以内で答えなさい」と、2025 大問 5(3)「『茎の部分の方が』という書き出しで簡単に答えなさい」の 2 例を原本で確認しました。字数指定つき、または書き出し指定つきという点が共通しています。
- 作図が出る年があります。2023 は大問 2(3)② でろうそくと集気びんの空気の動きを、大問 4(6) で解答用紙のモンシロチョウの図に足を描き入れさせています。2024・2025 では作図を見ていません。
- 表を語群で埋める形(2024 大問 4)、○×で答えさせる形(2023 大問 1(4))など、解答欄の形も年によって変わります。
- 計算は「割り切れない場合は小数第二位を四捨五入して、小数第一位までの値で答えなさい」(2024 大問 3(1))のように桁の指示がつきます。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 2・小問 19〜21)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・精読した年)
| 年度 | 小問数 | 大問 1(地理+α) | 大問 2(年表による通史+公民) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 21 | 8 問。地図から山地・平野・リアス海岸・干拓地の名称/季節風/養殖(ほたて・かき・しんじゅ・わかめ)の帯グラフ/空港と港の輸出品目の表 最後の問 8 だけ三権分立 |
13 問。邪馬台国→平将門→平清盛→御成敗式目→千利休→桶狭間→江戸の反乱→戦前→GHQ→国会 最後の 3 問が国会・内閣・裁判所と参議院の議員定数 |
| 2024 | 19 | 8 問。カルデラの山/大阪湾に注ぐ川と三角州/地震の被害を受けた半島/オホーツク海の汽水湖 四大公害病の表/北海道と 3 県の統計表/うめ・もも等の生産割合/工業出荷額の帯グラフ |
11 問。旧石器の遺跡→渡来人→憲法十七条→清少納言→保元の乱→桶狭間→六波羅探題→版籍奉還→太平洋戦争 最後の問 11 が選挙制度 |
| 2025 | 20 | 9 問。日本三大河川・島・潮目・輪中の平野/京葉工業地域の生産割合/4 県の気温と降水量と農業産出額/過疎と高齢化/耕地の用途割合 最後の問 9 が地方自治(東京都知事選挙) |
11 問。黒曜石→倭の五王→乙巳の変→源頼朝→建武の新政→関ヶ原→民撰議院設立建白書→普通選挙法→講和会議 最後の問 11 が社会保障 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
社会は 4 科目のなかでもっとも座席が固まっています。
- 大問は 2 つだけ。年度ごとの構成をさかのぼると 2021〜2025 の 5 年連続で大問 2・小問 18〜21 です(それ以前は 3〜5 大問でした)。
- 大問 1 は地理。3 年とも導入文はただ一言「問いに答えなさい。」で、日本地図(図 1/地図 1)に付けられた記号の地名を答えることから始まります。前半 4 問前後が地名の短答、後半 4 問前後が統計の表・帯グラフを選ぶ問題、という並びまで 3 年とも同じでした。
- 大問 2 は年表を使った通史。導入文は 3 年とも「次の年表を用いて、下の各問いに答えなさい。」(2023 のみ「後の各問いに」)。年表の①②③…と矢印 A・B・C に問いがぶら下がる形で、原始・古代から順に時代を下り、最後の 1〜3 問が公民になります。この並びは 3 年とも崩れていません。
- 「矢印の時期のできごとを年代順に並べかえる」問題が 3 年連続です。文言もほぼ同一で、2023 は「次の(ア)〜(エ)はいずれも矢印 A の時期におこったできごとですが、年代順に並べたものではありません。これを年代順に並べかえなさい」(矢印 C についても同じ形で 1 問)、2024 は矢印 A、2025 は矢印 A。年度ごとの資料では 2014〜2018 にも同じ言い回しが確認できます。この学校の社会でいちばん再現性の高い問い方です。
- 公民は大問 2 の最後に置かれます。2023 は三権分立と参議院の定数、2024 は選挙制度、2025 は社会保障。2025 は加えて大問 1 の最後にも地方自治が入りました。
繰り返しますが、同じ問題が出るわけではありません。設問の中身は毎年新しく作られています。固定されているのは「地理 → 通史 → 公民」という並びと、年代順に並べかえさせる問い方のほうです。
頻出単元と回数
- 日本の地形(山地・平野・河川・半島・湖・海岸): 3 年連続で大問 1 の冒頭。地図上の記号から名称を漢字で答える形です。
- 農業・畜産の統計: 3 年連続(2023 養殖、2024 コメと果実、2025 耕地の用途割合と農業産出額)。都道府県を統計から当てさせる問題が毎年あります。
- 工業・貿易: 2023 空港・港の輸出品目、2024 工業出荷額の変化、2025 京葉工業地域。3 年連続。
- 歴史は通史で全時代: 原始・古代(3 年連続)/飛鳥・奈良(3 年連続)/平安(3 年連続)/鎌倉・室町(3 年連続)/安土桃山(3 年連続、うち桶狭間の戦いが 2023・2024 の 2 回)/幕末・明治(2024・2025)/近代の戦争(3 年連続)/戦後(2023・2025)。どこか 1 時代を捨てると必ず失点する設計になっています。
- 公民: 三権分立・国会(2023)、選挙制度(2024・2025 の地方自治)、財政・社会保障(2025)。年 1〜3 問。
問い方の特徴
- 記述はゼロ。3 年とも文章を書かせる問題は見当たらず、短答と記号選択だけです。作図もありません。
- 文字数・文字種の指定が非常に多くあります。「漢字 3 文字で答えなさい」(2023 卑弥呼、2025 屋久島・後醍醐天皇)、「漢字 4 文字で」(2023 北条泰時、2024 版籍奉還)、「漢字 5 文字で」(2023)、「漢字 2 文字で」(2025)。指定を外すと正解が書けていても取れないので、答えを書く前に指定の字数を数える習慣が要ります。
- 「ふさわしくないものを 1 つ選び」「間違っているものを 1 つ選び」が毎年あります(2023 問 7・問 10、2024 問 2・問 11)。正しいものを選ぶつもりで読むと落とします。
- 1 つの設問で 2 つ答えさせる形が地理に多くあります。「この平野の名称を答えなさい。また、この平野で盛んに栽培されている工芸作物を語群から選び答えなさい」(2023 問 2)、「この川の名称を答えなさい。また、河口付近の地形を…」(2024 問 2)のように、地名と関連知識を続けて聞きます。
- 統計表・グラフから都道府県や地域を特定させる問題が毎年 2〜4 問。「北海道・秋田県・宮城県・新潟県の面積・人口・人口密度・コメの収穫量の表」(2024)、「秋田県・静岡県・鳥取県・宮崎県の年平均気温・年降水量・農業産出額」(2025)のように、4 つ前後の候補から選ぶ形が定番です。
- 前年の出来事が公民の入口になります。「2023 年 2 月現在、参議院の議員定数は何人ですか」(2023)、「2024 年 7 月 7 日、東京都知事選挙の投開票が行われました」(2025)、「2024 年 9 月に自由民主党の総裁選が行われました」(2025)。時事そのものを問うのではなく、時事を糸口に制度の知識を聞く作りです。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 2〜3・小問 24〜27。2015・2017・2018 年度の資料のみ)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2015・2017・2018 の 4 年で、以下は精読した 2015・2017・2018 の 3 年に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(精読した年)
| 年度 | 小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 25 | 説明的文章 10 問(記憶の種類・宣言的記憶と手続き記憶/児玉光雄『マンガでわかる記憶力の鍛え方』) | 文学的文章 15 問(犬を飼いたいと言った「ぼく」と父/浜野卓也『さようなら友だち』所収) | — |
| 2017 | 24 | 知識 4 問(かかり受け/ことわざの意味/□に漢字 1 字を入れて慣用句/対義語) | 説明的文章 11 問(笑いとユーモア/西本鶏介『続・日本のわらい話』の解説) | 文学的文章 9 問(転入生の始と父の死) |
| 2018 | 27 | 説明的文章 13 問(言葉の「ゆれ」と「乱れ」/池上彰『その日本語、伝わっていますか?』) | 文学的文章 14 問(ピアノをやめると決めた「私」/椰月美智子『十二歳』) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
精読した 3 年に限れば、次の並びが共通していました。
- 説明的文章 → 文学的文章の順。3 年とも例外がありません。2017 だけ、その前に知識の大問が 1 つ付きました。
- 読解の大問はどれも「問 1 が漢字の書き取り」で始まります。「〜線 a〜e のカタカナを漢字に直しなさい」という同じ文言で、a〜e の 5 問。3 年ぶんの読解大問 7 つすべてがこの形でした。
- 導入文が同じです。「次の文章を読んで、後の問に答えなさい。なお、句読点・記号は字数に数えます。」(2017 は「句読点は」)。抜き出しと記述の字数の数え方が最初に宣言されます。
- 各大問の最後の問いは、本文全体の内容と合うもの(または合わないもの)を選ぶ問題です。3 年とも読解大問の締めがこれでした。
頻出単元と回数
- 抜き出しが最多です。3 年とも各読解大問に 3〜6 問。「文中から十五字でぬき出しなさい」「四十四字で探し、その最初の五字をぬき出しなさい」のように字数が細かく指定されます。
- 漢字の書き取り: 読解大問ごとに 5 問(カタカナ→漢字)。2017 はさらに知識の大問で「□に漢字一字を入れて慣用句を完成」「□に漢字一字を入れて対義語を完成」が加わります。
- 記号選択: 心情・理由・内容合致。「最も適当なものを」が基本ですが、「二つ選び」(2015・2017)、「当てはまらないものを」「適当でないものを」(2017・2018)もあります。
- 空欄補充: 接続語(ア ところで/イ ですから…)と、語句・様子を表す言葉。3 年とも各大問に 1 問。
- 文の係り受け: 「〜線 A『いつしか』・B『広く』はどこにかかりますか」(2018 大問 1 問 6)、「線 I『たしかに』・II『まだ』はどこにかかりますか」(2015 大問 2 問三)、2017 の知識大問問 1 も同じ形。3 年とも 1〜2 問あり、この学校でくり返し出ている問い方です。
- 脱文挿入: 「文中には次の一文がぬけています。どの文の後に入れるのが適当ですか。その文の最初(最後)の五字(六字)をぬき出しなさい」— 2015 大問 2 問四と 2018 大問 1 問 2 の 2 回。文言がほぼ同じです。
- 表現技法: 「『心の栄養剤みたい』と同じ表現技法を使っているものを選びなさい」(2017)。比喩の判別です。
問い方の特徴
- 文章を書かせる問題は 3 年とも各大問に 1〜3 問。字数は 20 字以内・40 字以内・45 字以内が中心で、必ず「文中の言葉を使って」という条件がつきます。長い記述(100 字級)は 3 年とも見ていません。
- 記述には書き出しや語尾の指定がつくことがあります。「『性質』に続く形で、文中から十五字で」(2018)、「『こと』に続く形の四十字以内で」(2018)、「『生き方』に続く形で、文中から十五字で」(2017)のように、答えの最後の語をこちらで指定される形が目立ちます。
- 1 つの傍線に対して「指す内容を抜き出す」と「その内容を説明する」を続けて聞く二段構えがあります(2015 大問 1 問八 (1)(2))。
- 古文・漢文は精読した 3 年でゼロ。詩・短歌・俳句の大問も見ていません。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
この 3 年に出ていないものの、それ以前に繰り返し出ていた単元です。最終確認年度は、その単元が出ていたことを確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 出ていた年度 | 最終確認年度 | 見立て |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 水量とグラフ(容器に水を入れる・棒を沈める) | 2019〜2022 の 4 年連続 | 2022 | グラフを読む大問が毎年 2 題ある学校なので、速さのグラフの片方がこれに入れ替わる形で戻る余地が大きいところです。この 3 年で最も戻りやすい単元と見ています |
| 算数 | 立体の切断 | 2012・2015・2017・2020 と数年おき | 2020 | この 3 年は回転体とくりぬきに寄っています |
| 算数 | 対称・図形の移動 | 2012・2017・2021 | 2021 | そのあと 3 年見ていません |
| 算数 | 場合の数 | 2024 大問 5 の 1 回のみ(2023・2025 は無し) | 2024 | 年度ごとの構成では数年おきに顔を出します |
| 理科 | てこ・つり合い、滑車 | 2012・2017・2020・2021・2022 | 2022 | この 3 年は電気・ばね・光に寄っています。大問 1 は必ず物理で、物理は毎年 1〜2 題あるので、戻る余地は大きいところです |
| 理科 | 燃焼 | 2012・2017・2018・2021 | 2021 | そのあと、この 3 年は見ていません |
| 理科 | 地層と岩石/星と星座/太陽 | 地学は毎年 1 題で分野が回ります | — | この 3 年に出ていない地層・星座・太陽は順番として近いところにあります |
| 理科 | 実験器具の使い方 | 2018・2021 に大問で出題 | 2021 | この 3 年は独立した大問になっていません |
| 理科 | 種子の発芽・花のつくり | — | — | 2025 は植物のつくり(ダイコン)でしたが、発芽の条件・花のつくりの形では 3 年見ていません |
| 社会 | 地形図の読図(等高線・地図記号・縮尺) | 2014 に大問の冒頭 | 2014 | この 3 年では見ていませんが、地理が毎年大問 1 に来る学校なので入り込む余地があります |
| 社会 | 財政・税 | 2014・2015 に大問 | 2015 | 2025 の社会保障が久しぶりの登場でした。予算・国債・税の種類は手当てしておきたいところです |
| 社会 | 国際社会・国際連合 | 2013 に大問 | 2013 | それ以降、この 3 年では見ていません |
| 社会 | 貿易・資源・エネルギー | 2022 の大問 1、2023 の輸出品目 | 2023 | 2024・2025 では正面から出ていません |
10. 形式面の注意(4 科目共通)
算数
- 50 分で 20 問。大問 1 の計算 5 問と大問 2 の一行題 5 問で半分の 10 問を占めるので、ここを速く正確に抜けられるかが時間配分の要になります。残り 4 大問(10 問)に 30 分前後を残す配分が目安です。
- 図のある問題が半分ほどあります。図は「右の図」として本文の脇に置かれ、グラフは軸の目盛りに数値が入っています。
- 大問 3〜6 は 2 問または 3 問で構成され、(1) が (2) の材料になる誘導つきが多くあります。(1) を落とすと大問ごと落ちる作りなので、(1) の検算を習慣にしておきたいところです。
理科
- 30 分で 20〜36 問。小問が 36 ある年は 1 問 50 秒で、読むだけで時間が尽きます。大問 1 の物理から順に解き、最後の地学まで必ずたどり着く時間配分を練習しておきたいところです。とくに 2024 大問 4 のような 12 問ぶち抜きの表は、手が止まると被害が大きくなります。
- 図・グラフ・写真がついた小問が 3 年とも 7 割前後を占めます。天気図、気象衛星の雲画像、ばねの表、溶解度の表、流速と粒の大きさのグラフ、月の公転図、鏡と点の位置関係の図。図から読み取ってから考える問題ばかりで、知識だけで答えられる問題は少なめです。
- 実験の手順が長い導入文で説明され、そこに下線部や空らんが埋め込まれます。導入文を飛ばすと解けない作りです。
社会
- 30 分で 20 問前後。1 問 90 秒で、4 科目のなかではもっとも余裕があります。ただし図表を読む小問が 8 割ほどを占めるので、資料を読む速さがそのまま得点になります。
- 地図・表・帯グラフ・年表がほぼすべての小問についています。地図は記号(①②③/A・B・C)で場所を指す形で、白地図で地名が言えることが前提です。
- 解答欄は語句と記号のみです。
国語
- 50 分で 24〜27 問。うち漢字が 5〜10 問、抜き出しが 10 問前後で、残りが記号選択と記述です。本文は 2 本で、あわせてかなりの分量になります(説明的文章と文学的文章がそれぞれ数ページ)。
- 「句読点・記号は字数に数えます」が冒頭で宣言されます。抜き出しの字数がぴったり合わない場合は句読点の数え方を疑ってください。
- 挿し絵・図は 3 年ともゼロ。純粋に文章だけを読みます。
配点
- どの科目も設問ごとの配点は問題冊子に印刷されていません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をやるか |
|---|---|
| 小 4(土台) | ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と、□を含む逆算。この学校は大問 1 が 16 年ずっと計算 5 問なので、ここが最終的にそのまま効きます。②漢字 — カタカナを漢字に直す形に早くから慣れます。読解の大問ごとに必ず 5 問付きます。③図形の入口 — 角度・円とおうぎ形・面積、そして立体の体積。④身のまわりの理科 — 豆電球と乾電池を実際につないでみる、月を毎晩見る、植物を育てる。⑤地図 — 都道府県と、山地・平野・川・半島の名前を白地図で。時間計測はまだしなくてかまいません |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える年です。週の組み立ての基本形は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」。平日の 15 分に算数の一行題と漢字を、週末の 60 分に理科の分野の一巡と社会の地理・通史を割り付けます。単元の順番は、算数が一行題の 10 単元(つるかめ算のように教科書には出てこない受験用教材の単元を含みます。7 節の 2 番)→ 規則性・グラフの読み取り(ここは厚めに時間を取ります)。理科は 4 分野それぞれの主要単元を漏らさず、物理(てこ・滑車・ばね・光・電気)→ 化学(気体・水溶液・溶解度・中和・燃焼)→ 生物(植物・こん虫・人体・メダカ)→ 地学(気象・流水・月・星座・地層)の順に。この学校の理科は毎年どの分野からも出るので、小 5 での全分野の一巡の出来がそのまま点になります。社会は地理と通史を一巡し、統計の表から都道府県を当てる練習をここから。国語は説明的文章と文学的文章を 1 セットで読む習慣と、ことわざ・慣用句・対義語の一巡を(ただし国語は 2019 年度以降の資料がありません → 13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 上の「今からやるなら」8 項目。夏以降は決まった場所を年度横断で縦に解く演習に厚みを置きます。この学校は算数の大問 1・大問 2、社会の大問 1 の地名、理科の大問 1 の物理、国語の漢字 5 問が座席として固まっているので、そこだけを年度をまたいで並べて解くやり方がよく効きます(国語の座席は 2015・2017・2018 年度で確認したもので、2019 年度以降は資料がありません → 13 節)。そのうえで理科だけは年度通しで時間を計ります(問題数の振れ幅が大きいためです)。算数は 20 問を 50 分で解き切る配分(前半 10 問を 20 分以内)を固定します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは 2 か所あります。ひとつは小 4 から積む計算の速さと正確さです。算数は 20 問中 10 問が計算 5 問+一行題 5 問で、ここを 20 分以内に全問正解で抜けられるかどうかが、残り 4 大問にかけられる時間を決めます。難問を 1 問じっくり解く力に早くから時間をかける価値は、この学校ではあまり返ってきません。もうひとつは小 5 の理科で全分野をひととおり学び終えることです。理科は大問数も分野の中身も毎年組み替えられ、地学は 3 年で気象・流水・月とすべて違いました。得意分野をつくる進め方より、4 分野に穴をつくらない進め方のほうが合っています。社会も同じで、3 年とも原始から戦後まで通しで出るため、時代の取捨選択が効きません。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏は扱いません(男女の注記は自動集計の表をそのまま写したものです)。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100)で、同じ問題が出るという意味ではありません。本校の国語は資料が 4 年しかなく計算の対象外なので、国語の数字は出ていません。
近い順に上位 3 校です。
- 日本大学藤沢中学校(神奈川県・共学)— 算数の枠がもっとも近く、計算+一行題を年度横断で潰す演習が二重に効きます。
- 東京純心女子中学校(東京都・女子校)— 算数の大問構成が近いところです。
- 白梅学園清修中学校(東京都・女子校)— 算数と理科がそろって近いところです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
社会は近い学校が少なく、最上位でも 73 です。大問 2 つで地理と年表の通史を分け合う構成が珍しいためで、社会だけは他校の過去問で代用しにくいと考えたほうがよいでしょう。
なお、この学校と名前の似た学校(日本大学第二・日本大学第三・日本大学豊山・日本大学豊山女子・日本大学中学校・千葉日本大学第一・目黒日本大学・土浦日本大学・佐野日本大学)は、いずれも入試問題が別に作られている別の学校です。系列が同じというだけで過去問が共通することはないので、併願を考える場合もそれぞれの出題を個別に見てください。
13. 資料の限界
- 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊のみで、入試回の表記が読み取れません。この学校は 2 月 1 日・2 日に 4 科目の回、2 月 3 日・5 日に 2 科目の回を行っていますが、手元の冊子がどれかは特定できません。理科・社会がそろっている以上 4 科目の回のものですが、1 日と 2 日のどちらかは分かりません。2 科目の回の算数・国語の傾向についてはここでは何も言えません。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2015・2017・2018 の 4 年で、本文中の国語の記述は 2015・2017・2018 の 3 年を原本で確認したものに限ります。直近 7 年の形式は市販の過去問集で確認してください。国語の出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
- 精読したのは各科目 3 年ぶん(算数・理科・社会が 2023〜2025、国語が 2015・2017・2018)です。それより前の年について書いた回数・年度は、年度ごとの大問構成と単元の一覧から拾ったもので、設問文そのものは確認していません。「3 年連続」「3 年とも」と書いたものだけが原本で確かめた反復です。「16 年連続」「14 年連続」「5 年連続」と書いたものは、年度ごとの大問構成の一覧で位置と分野が一致していることを確認したもので、設問文の中身までは見ていません。
- 理科は 2011 年度、社会は 2011・2012 年度の資料がありません。
- 別の学校の問題が混ざっている冊子は見つかりませんでした。同系列の名前を持つ学校(日本大学第二・第三・豊山・千葉日本大学第一など)の内容は、精読した 12 冊のどこにも入っていません。同じ設問文が別の大問として二度記録されている例も見当たりませんでした。
- 一方で、細かい読み取りの欠けはあります。2023 年度算数の大問 2(5) は図の汚れで色をつけた部分の位置が転写から特定できず、この設問の細部は分析に使っていません(同じ年の大問 6 も「グラフの一部が汚れていて人数がわからない」状態ですが、こちらは汚れていることを前提に人数を推理させる出題で、資料の不備ではありません)。2024 年度算数の大問 4(1)、2018 年度国語の大問 2 問 13 も設問文の一部が転写から欠けています。
- 転写データは画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがありえます。とくに算数の分数と単位、理科の図番号の対応、社会の統計表の数値には揺れがあります。
- 試験時間・配点は 2025 年度の募集要項の値で、過去の年度が同じだったかは確認していません。設問ごとの配点はどの年度にも印刷されていません。
- 「毎年」「〜年連続」は原本または年度ごとの大問構成で反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果はこのページでは扱っていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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