明星中学校 の過去問分析

明星中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

明星中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・1 冊掲載の回・11 年分)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都府中市
男女 共学(中学校は 2003 年に、高等学校は 2006 年に共学になりました)
旧称 明星実務学校(創立時)/財団法人明星中学校(1927 年に改組)
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前(4 教科・2 教科の選択)/第 2 回 2 月 1 日午後(2 教科・特待生奨学金の対象)/第 3 回 2 月 2 日午前(4 教科・2 教科の選択)/第 4 回 2 月 2 日午前(2 教科)/第 5 回 2 月 3 日午後(2 教科)/第 6 回 2 月 4 日午後(2 教科)
試験時間・配点 4 教科 180 分・300 点/2 教科 120 分・200 点(第 3 回は第 1 回と同じ)。科目別の時間は公表されていません。4 教科で受験した場合は、得点換算で有利な方が採用されます

上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

学校名について: 資料の冊子の表紙は年により「明星中学校」「明星中学校・高等学校」と表記が揺れますが、同じ学校です。大阪の明星中学校、および東京の明法中学校・明治学院中学校とは別の学校ですので、市販の過去問集を買うときは所在地(東京都府中市)で確かめてください。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 明星は算数だけが座席(問題の置き場所)まで決まっていて、理科・社会は毎年作り直す学校です。算数は資料のある 11 年すべてで大問 5 題、どの番号にどんな問題が来るかが決まっています。
  2. 算数は 25 問中 20 問前後の「席」が事前に分かります。大問 1 が計算 9〜10 問、大問 2 が一行題(数行で終わる短い文章題)、大問 3 が特殊算、大問 4 が規則性・数列です。
  3. 理科・社会は「出る問題を覚える」使い方が効きません。目の前の資料(実験の結果・グラフ・地図・写真)から言えることを自分の言葉で書く練習が本体になります。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算 9〜10 問)を、2022・2023・2024・2026 の 4 年分続けて解きます。25 問中の 4 割がここです。
  2. 算数の大問 4(規則性・数列)と、大問 2 の「かげの部分の面積」を、それぞれ年度をまたいで縦に続けて解きます。
  3. 理科の説明記述と社会の「簡単に説明しなさい」を過去問から抜き出し、1〜2 文で書く練習をします。

今週やる 1 つ

  1. 2026 年の算数の大問 1 を時間を計って解き、9〜10 問を全問正解できるか確かめます。落とした問題があれば、その形だけを 2022・2023・2024 でもう一度解きます。

注意

  1. 科目別の試験時間が公表されていないので(4 科目 180 分・2 科目 120 分)、時間配分は自分で決めることになります。また国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです。→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数・題材だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 備考
算数 3 年(2023・2024・2026) 8 年(2010〜2016・2022) 11 年(2010〜2016・2022〜2024・2026) 全年度が「大問 5 題・小問 23〜25 問・全問答えのみ」
理科 3 年(2023・2024・2026) 7 年(2010〜2015・2022) 10 年(2010〜2015・2022〜2024・2026) 説明を書かせる設問が多い。2022 以降は大問数の数え方が年で揺れます(後述)
社会 3 年(2023・2024・2026) 7 年(2010〜2015・2022) 10 年(2010〜2015・2022〜2024・2026) 資料(地図・グラフ・写真・史料)から入る大問が中心
国語 3 年(2014・2015・2016) 4 年(2010〜2013) 7 年(2010〜2016) 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)

収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。


5. 一番大きな結論

明星は「算数だけが座席(問題の置き場所)まで固定されていて、理科・社会は毎年作り直す」学校です。

算数は、資料のある 11 年すべてで大問 5 題です。しかもどの番号にどんな問題が来るかが決まっています。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る、という意味での固定です。

場所 何が来るか 連続
大問 1 計算だけ(9〜10 問) 2010〜2026 の資料 11 年すべて
大問 2 「□にあてはまる数」の一行題(角度・図形の求積・比・数の性質) 2022・2023・2024・2026 の 4 年
大問 3 特殊算の小問集合(売買損益・平均算・仕事算・つるかめ算(個数を合計から逆算)・年齢算) 同 4 年
大問 4 規則性・数列 同 4 年
大問 5 速さ(2022・2023・2024 の 3 年)。2026 年は立体に交代 3 年

さらに大問 2 の中には「かげ(をつけた)部分の面積」を求める図形問題が 2023・2024・2026 の 3 年連続で入っています。円周率も 3.14 で揃っています。算数は 25 問中 20 問前後の「席」が事前に分かると言ってよい状態です。

一方、理科と社会は座席が固定されていません。理科は大問 2〜3 題・16〜17 問、社会は大問 2〜4 題・22〜34 問と数が動き、題材も毎年新しく作られます。理科は「次の文章(A・B)を読み」で 1 大問に 2 本の題材を入れる作り(2022〜2024)から、2026 年は A・B の区切りの無い 3 大問へ変わりました。社会は大問の数こそ動きますが、「前半は地理、中盤に歴史の通史 1 題、公民・時事は他の大問に混ぜる」という順番と、先生と生徒の会話文という入口の作りは 4 年とも共通しています。

国語(2016 年度まで)は 4 大問・31〜33 問で、大問 1 漢字 10 問/大問 2 文章の書き写し/大問 3 物語/大問 4 説明文という並びが 2014〜2016 の 3 年連続でした。ここも座席が決まっています。

したがってこの学校の過去問の使い方は、科目ではっきり分かれます。

なお、科目別の試験時間が公表されていません(4 科目まとめて 180 分、2 科目まとめて 120 分)。時間配分そのものを自分で設計しなければならない点は、この学校を受けるうえで見落とせません。

4 科目のうち算数だけが「準備した通りに出る」試験で、残りの 3 科目は「その場で読んで考える」試験です。この非対称が明星の顔と言ってよいところです。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)で過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は 11 節の小 4・小 5 を先にしてください。

根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。

  1. [毎日 10 分] 算数・計算 9〜10 問を毎回全問正解する — 25 問中 4 割です。2022・2023・2024・2026 の大問 1 だけを続けて解き、所要時間と誤答数を記録します。最後の 2〜3 問は分配法則でまとめる形が毎年出ます(2023 2.023×280+20.23×123−202.3×5.1、2024 6.9×280+22×69、2026 3.14×3×5+314×0.25−1.57×50)。西暦や円周率を数字に埋め込むのが好みなので、2027 年度なら 2027・20.27・202.7 が並ぶ計算を予想して練習しておく価値があります。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 算数・規則性と数列(大問 4) — 2022・2023・2024・2026 の 4 年連続です。段に並べた奇数(2022)、3 段 111 番のロッカー(2023)、正方形に並べた数のカード(2024)、1, 2, 5, 4, 9, 6, 13, 8 …(2026)。4 年分を続けて解いてから、(3)(4) の「まとめて足す」設問だけをもう一度解きます。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週 1 回] 算数・かげの部分の面積(大問 2) — 2023・2024・2026 の 3 年連続です。半円と長方形(2023)、正三角形とおうぎ形(2024)、正方形とおうぎ形(2026)。多角形とおうぎ形を重ねた図の足し引きを、円周率 3.14 の計算ごと反復します。(確認: 〜2026 年度)
  4. [毎日 10 分] 算数・特殊算の一巡(大問 3) — 売買損益は 2022・2023・2024・2026 の 4 年連続です。仕事算・つるかめ算・年齢算・平均算・和差算・食塩水が回っています。1 問 2 分で解ける状態にしておきます。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週 1 回] 理科・説明記述を 1〜2 文で書く — 毎年 3〜6 問です。書き方は 3 通りしかありません(実験の手順の理由/結果から言えること/身のまわりへの影響)。過去問の記述設問だけを抜き出して、「なぜなら〜だから」で言い切る練習をします。字数指定はほとんど無いので、解答らんの大きさから分量を判断する練習も併せて行います。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週末 60 分] 社会・資料を言葉にする記述と、地形図・地図記号 — 記述は年 2〜4 問、言い回しは「簡単に説明しなさい」で統一されています。2026 年の「グラフから都心部で昼間人口が夜間人口より多くなる理由」、2024 年の「潮目とは何か」のように、目の前のグラフや地図から読み取れることを 1〜2 文にします。知識問題ではないので、資料を指さして言葉にする練習が直接効きます。地形図と地図記号は 2023・2024・2026 の 3 年連続で、等高線・方位・写真の撮影地点・新しい地図記号(自然災害伝承碑)まで出ます。2023 年は大問まるごと地形図だったので、ここを落とすと 1 割強を失います。(確認: 〜2026 年度)
  7. [週末 60 分] 算数・大問 5 の速さ — 2022・2023・2024 の 3 年連続でしたが、2026 年は立体に交代しました。速さは仕上げつつ、立体(体積・表面積・積み木を三方向から見た図)も捨てません。この席だけは何が来るか読み切れません。(確認: 〜2026 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と書き写し、字数指定つきの抜き出し — 漢字と書き写しは練習量がそのまま返ってくる 2 つの枠です。漢字は 6 年間の学習漢字を一巡し、書き写しは原稿用紙のマス目に句読点・かぎかっこまで正確に写す練習を週に数回行います。抜き出しは「五十一字で」「七字で」「二十五字以内で」と細かいので、字数を見た瞬間に本文を機械的に探す手順を身につけます。合わせて 4 択の「本文の内容と合う(合わない)もの」を最後に必ず解く習慣を作ります。(確認: 〜2016 年度)

8. 科目別の詳細

8-1. 算数(大問 5 題・小問 23〜25 問・全問答えのみ)

年度×大問の題材表

資料のある 11 年すべてで 大問 5 題です。小問は 2010〜2016 年度が 23 問、2022 年度以降が 25 問で、増えた分はすべて大問 1 の計算に乗っています。

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2022 計算 9 問 一行題 4 問(正九角形の内角・比例式・星の形をした多角形の角の和・最小公倍数) 文章題 4 問(ノートとボールペンの和差算・5 人の平均点・定価の 30% 引き・入場ゲートのニュートン算) 規則性(奇数を段に並べる) 速さ(学校から競技場・忘れ物を届ける 3 人)
2023 計算 9 問 一行題 4 問(比例式の逆算(□にあてはまる数を求める計算)・定価 2400 円の割引・約分と分子分母の和・半円と長方形のかげの部分) 文章題 4 問(3 人の年齢算・5 人の平均体重・鉛筆とボールペンのつるかめ算・食塩水に加える水) 規則性(3 段 111 番のロッカー番号) 速さ(自転車と電動アシスト・50 km 先の買い物)
2024 計算 9 問 一行題 4 問(時計算・全体の分数からの和差算・正三角形とおうぎ形のかげの部分・方眼上の 2 直線の角度) 文章題 4 問(原価 1500 円の売買損益・兄弟の仕事算・父と子の体重・3 科目の得点の和差算) 規則性(正方形に並べた数のカード) 速さ(F1 レースの周回数とタイヤ交換)
2026 計算 10 問 一行題 5 問(単位換算・時計算・立体の 4 色ぬり分け・正方形とおうぎ形のかげの部分・正八角形の対角線の角度) 文章題 4 問(父と子の年齢算・4 割の利益と 150 円引き・3 人の仕事算・勝ち負けのポイントのつるかめ算) 規則性(1, 2, 5, 4, 9, 6, 13, 8 … の並び) 立体(白黒の積み木・体積と表面積と赤くぬった面)

2010〜2016 年度も大問 1 が計算、大問 2 が「□にあてはまる数」の一行題という並びは同じで、大問 5 には速さ(2011〜2014)と水量(2010・2015・2016)が入っていました。

同じ種類の問題が同じ場所に出る

この学校の算数でいちばん強い特徴は、大問の座席が動かないことです。「同じ問題が出る」のではなく、同じ種類の問題が毎年同じ番号のところに出る、ということです。

自動集計の一覧表では大問 2 が年ごとに「逆算」「時計算」「縮尺」と入れ替わるように見えますが、原本を読むとそれは小問集合の 1 問目がたまたま違う単元だっただけで、大問 2 の中身の構成(角度・図形の求積・比・数の性質を 4〜5 問)は変わっていません。大問 3 も同じ理由で年ごとに違って見えます。

問い方の作り


8-2. 理科(大問 2〜3 題・小問 16〜17 問)

年度×大問の題材表

年度 大問数・小問数 大問 1 大問 2 大問 3
2022 2 大問・17 問 (A) レーウェンフックとロバート・フックの顕微鏡(凸レンズ・倍率)/(B) 4 種類の水溶液の判別と結晶 (A) 動物と植物の分け方・光合成・種の運ばれ方/(B) 地層・しゅう曲・断層
2023 2 大問・17 問 (A) ふりこの長さと 1 往復の時間/(B) 塩酸にとけるマグネシウムと発生する気体 (A) 里山とごみ埋め立て跡地の生物多様性/(B) 太陽と皆既月食・太陽フレア
2024 2 大問・17 問 (A) 9 種類の物質の分類と金属球の体積/(B) 食塩とミョウバンの溶解度と再結晶 (A) 校舎内の水そうのメダカ・顕微鏡の使い方/(B) 地層の堆積とブリの豊漁・サケの不漁
2026 3 大問・16 問 系外惑星 K2-18b の生命の痕跡(光年・恒星・鏡にうつる像・二酸化炭素) ホットはちみつドリンクと生成 AI の会話(ミツバチ・濃度・栄養) 食物連鎖の図とアサガオのヨウ素液

2010〜2015 年度は 5 大問・18〜23 問でした。2022 年度以降、大問の数え方が変わっています——原本を確かめたところ、2022・2023・2024 年度は 3 年とも「次の文章(A・B)を読み」で始まる大問が 2 題で、1 つの大問の中に独立した題材が 2 本入っています(実質 4 題材)。2026 年度は A・B の区切りが無くなり、独立した大問が 3 題になりました。自動集計の一覧表では「大問 2 → 3」と数が変わったように見えますが、題材の数は 4 → 3 で、むしろ 1 本減ったというのが原本の姿です。2025 年度の資料が無いため、この作り替えがいつ起きたかは特定できません。

座席は固定されていない

算数と違って、理科は「大問◯の位置に◯◯が来る」という決まりが無く、毎年作り直されています。資料のある直近 4 年(2022・2023・2024・2026)で、同じ番号の大問に同じ分野が続いた例はひとつもありません(大問 1 は 2022 光・2023 ふりこ・2024 物質と溶解度・2026 光と天体、大問 2 は 2022 生物と地層・2023 生物と天体・2024 生物と地層・2026 生物と濃度)。唯一の手がかりは「生物がどこかに必ず 2 題以上入る」ことだけです。過去問は年度ごと通しで解き、座席を当てにしないのが正しい使い方になります。

記述が必ず出る

資料のある直近 4 年(2022・2023・2024・2026)すべてで、文章で説明させる設問が 3〜6 問ありました。小問全体に対する割合は 2022 年 6/17、2023 年 4/17、2024 年 6/17、2026 年 3/16。理科の中では重い方です。問い方は次の 3 通りに整理できます。

  1. 実験の手順の理由を書く — 『1 往復の時間を求めるのに 10 往復する時間をはかったのはなぜですか』(2023 大問 1)、『生き物の大きさの違いが分かるようにスケッチするには、どのような工夫が必要ですか』(2024 大問 2)、『夕方から翌日の夕方までおいたのはなぜですか』(2026 大問 3)。
  2. 結果から言えることを書く — 『実験結果から、食塩とミョウバンの温度変化による水への溶けやすさの違いについて分かることを説明しなさい』(2024 大問 1)、『C 層が堆積したとき、大地はどのように変化したと考えられますか。理由と共に答えなさい』(2024 大問 2)。
  3. 身のまわりへの影響を書く — 『太陽フレアの影響で人工衛星に不具合が生じたとした場合、考えられる私たちの生活への影響する例を 1 つあげて説明しなさい』(2023 大問 2)、『人間の活動によって二酸化炭素の濃度が増加傾向にある理由を説明しなさい』(2026 大問 1)。

字数の指定はほとんど無く、資料のある直近 4 年で確認できたのは 2023 年の「35 字以内」1 問だけです。解答らんの大きさで分量を決める書き方になります。

作図・図の読み取り

単元の広がり

資料のある直近 4 年すべてで、生物・化学・物理・地学の 4 分野が 1 回の試験に必ずそろっています。特に生物は毎年 2 題以上あり、光合成・食物連鎖まわりが 2022・2023・2024・2026 の 4 年連続で顔を出します(生き物の分類と光合成 2022、里山の生物多様性 2023、水そうと水草の役割 2024、食物連鎖の図とヨウ素液 2026)。

化学は「気体の発生量の計算」(2023 塩酸とマグネシウム)、「溶解度と再結晶」(2024)、「濃度」(2026)と、計算のある化学が続いています。物理はふりこ(2023)・光と鏡(2026)で、てこ・滑車・電気回路は 2022 年以降の資料には大問として出ていません。


8-3. 社会(大問 2〜4 題・小問 22〜28 問)

年度×大問の題材表

年度 大問数・小問数 各大問の題材
2022 2 大問・34 問 大問 1 は「次の問い(A・B)に答えなさい」で 18 問(A・B の 2 本立て)/大問 2 は感染症をめぐる先生と生徒の会話文 16 問
2023 4 大問・25 問 1 冬の日本海側の降水と雨温図(中部地方)/2 山形県米沢市の地形図の読図/3 府中市の大國魂神社とくらやみ祭(古代〜江戸の通史)/4 先生と生徒の会話文(酸性雨・中村哲さん・第二次世界大戦・小麦の値上がり)
2024 3 大問・28 問 1 東北地方(地震・原発・三陸海岸・雨温図・地形図)/2 日本の工業と貿易(発電・SDGs・食料自給率・コンテンツ産業)/3 貨幣の歴史(新紙幣を入口にした古代〜昭和の通史 12 問)
2026 3 大問・22 問 1 世界三大宗教を入口にした地理(海苔の養殖・昼夜間人口・原油の輸入先・法隆寺・地図記号)/2 府中市郷土の森博物館を歩く会話文(縄文〜府中市誕生の通史)/3 海洋ごみとごみ処理(資料の正誤判定 2 問)

2010〜2015 年度は 4〜9 大問・20〜37 問と幅があり、その頃から大問の数はこの学校の固定点ではありません。ただし自動集計の一覧表で「2022 年は 2 大問」と出るのは、原本を見ると 1 つの大問に A・B の 2 本の題材が入っているからで、実際の題材の数は 3 本です。大問数だけを見て「年で大きく変わる」と考えないほうがよいところです。

変わらないのは順番と入口の作り

大問の数は動きますが、中身の並べ方は資料のある直近 4 年で一定しています。

  1. 前半は地理(地図・グラフ・雨温図・地形図から入る)。2023 年は大問 1・2、2024 年は大問 1・2、2026 年は大問 1 が地理です。
  2. 中盤に歴史の通史大問が 1 題入ります。2023 年は大國魂神社(縄文の土偶 → 遣唐使 → 足利義満 → ペリー → くらやみ祭)、2024 年は貨幣(和同開珎 → 永楽通宝 → 岩倉使節団 → 高橋是清の 12 問)、2026 年は府中の歴史(縄文 → 国府 → 宿場町 → 戦争 → 府中市誕生)。「1 つのモノや土地を入口に、古代から昭和まで年代順に降りてくる」という作り方が共通しています。
  3. 公民・環境・時事は独立した大問ではなく、地理や会話文の中に混ぜて出ます(2023 の小麦の値上がり、2024 の SDGs と再生可能エネルギー、2026 の海洋ごみ・コンクラーベ)。
  4. 先生と生徒の会話文が資料のある直近 4 年すべてにあります(2022 感染症、2023 大問 4、2024 は 3 大問すべてが会話文、2026 大問 2)。会話文中の下線部・空欄に設問がぶら下がる形なので、本文を先に通読してから設問に入るのが速いです。

ただし「大問◯にはこれが来る」という座席の固定はありません。資料のある直近 4 年で、同じ番号の大問に同じ分野が続いた例は無く、社会も毎年作り直されています。固定されているのは並べる順番(地理 → 歴史の通史 → 環境・時事)と会話文という入口だけなので、過去問は年度ごと通しで解くのがよいでしょう。

府中と自校が題材になる

地元・府中市が題材の大問が、資料のある直近 4 年のうち 2 年(2023・2026)に出ています。2023 年は大國魂神社と「くらやみ祭」を描いた『武蔵名勝図会』の絵から高札場の置かれた場所を説明させ、2026 年は府中市郷土の森博物館の展示(ムラの誕生 → 古代国府 → 宿場 → 変わりゆく府中)を A〜E のエリアごとにたどらせます。登場人物の名前も「明くん」「星先生」(2024 大問 3・2026 大問 2)と、校名にちなんだものが使われます。

問い方の作り


8-4. 国語(大問 3〜4 題・小問 29〜33 問。2010〜2016 年度の資料のみ)

国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2016 年度に限った話で、そのうち設問文まで精読したのは 2014・2015・2016 年度の 3 年です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問数・小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2014 4 大問・33 問 漢字 10 問(書き 7・読み 3) 文章の書き写し 1 問 物語(南の港町の娘とろうそく)13 問 説明文(しぐさと文化の違い・チベットの舌出し)9 問
2015 4 大問・32 問 漢字 10 問(書き 6・読み 4) 文章の書き写し 1 問 物語(女子高 1 年生ののぞみと傾聴ボランティアの香山さん)12 問 説明文(都市部でふえるスズメバチ)9 問
2016 4 大問・31 問 漢字 10 問(書き 7・読み 3) 文章の書き写し 1 問 物語(陣内家・厳しく優しい父と子どもたち)11 問 説明文(日本一長い植物名・アマモとイグサ)9 問

2010〜2013 年度は 3 大問(漢字+物語+説明文)で、大問 2 の書き写しが加わって 4 大問になったのは 2014 年度からです。2014・2015・2016 の 3 年連続で入っています。

この学校ならではの「書き写し」

『次の文章を解答用紙に、一行目のヒトマス目から正しく書き写しなさい』——原稿用紙のマス目に、示された文章をそのまま写す設問が大問 2 に置かれています。読解でも記述でもなく、字を正確に・整えて・原稿用紙の使い方どおりに書く力をそのまま測る設問です。3 年とも大問まるごとがこれ 1 問で、写す文章は 2015 年が言葉によるコミュニケーション、2016 年が新月と満月の話と、内容は毎年違います。

対策はひとつしかありません。原稿用紙に書き写す練習を、句読点・かぎかっこ・改行・行頭のマスの扱いまで含めて日常的にやることです。読解力ではなく作業の正確さで点が動く枠なので、練習した分がそのまま返ってきます。

漢字は毎年 10 問

大問 1 は 3 年とも漢字 10 問です。カタカナを漢字に直す問題が 6〜7 問、漢字をひらがなに直す問題が 3〜4 問という配分も揃っています。出題語は「貴重」「劇的」「宅配」「頂上」「技術」「夫婦」「着陸」「山脈」「横断幕」のような一般的な熟語と、「率いる」「生える」のような送り仮名つきの訓読みが混じります。

読解の問い方

出典(原本に印字が残っていた分のみ)

説明文の題材がスズメバチ・アマモとイグサ・宇宙・しぐさと文化と、理科寄り・生活寄りの読み物に寄っているのは 5 年分で共通しています。物語は家族や学校の人間関係を扱う現代小説と、小川未明のような古い童話の両方が使われます。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

資料のある年で長く出ていない単元です。2017〜2021 年度と 2025 年度の資料が無いため、「何年出ていない」は資料のある年に限った数である点にご注意ください。

単元 出た年 最終確認年度 見立て
算数・水量(容器に水を入れる・傾ける) 2010・2015・2016 に大問 5 2016 年度 2022 年以降の資料にはありません。大問 5 が 2026 年に速さから立体へ振れたのを見ると、この席は速さ以外も入りうる場所です
算数・立体の切断・投影図 2011・2012(立体)・2026(積み木) 2026 年度 間があきます。2026 年は「三方向から見た図」から体積と表面積を出させる問題だったので、投影図の読み取りは復習しておきたいところです
算数・ニュートン算 2022 年大問 3(4) に 1 度 2022 年度 大問 3 は特殊算の展示台なので、順番が回ってくる可能性があります
算数・場合の数 2026 年大問 2(3)(立体の 4 色ぬり分け) 2026 年度 一行題としては出ましたが、大問としては資料のある年にありません。大問に昇格する余地があります
理科・電気回路(豆電球・回路図・抵抗) 2013 年に大問。2024 年大問 1 に「電気を流す物質はどれか」の 1 行の設問 2024 年度 物理 2 分野のうちの半分が長く空いています
理科・てこ・つり合い・ばね 2015 年の大問 2015 年度 資料のある年に見当たりません
理科・気象(雲・前線・天気図) 2010〜2014 年度に大問。2024 年大問 2(B) の海水温の設問 2024 年度 大問としては 2022 年以降ありません
理科・星と星座の動き 2015 年大問、2023 年大問 2(B)(太陽・月食) 2023 年度 星座の日周運動・年周運動は出ていません
社会・公民(憲法・三権分立・選挙) 2010・2013・2014・2015 年度に大問または独立した設問群 2015 年度 2022 年以降の資料では地理・歴史の大問に混ぜられた形でしか見当たりません。大問として戻ってくる余地があるので、憲法と三権分立は空白のままにしないほうがよいでしょう

10. 形式面の注意


11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)

小 4(土台)

小 5(幅)

この学年の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にして、次の順に割り付けます。

  1. 算数は大問 3 の特殊算プールを一巡する(平日 15 分)。資料のある 4 年で確認できたのは 売買損益・平均算・仕事算・つるかめ算(個数を合計から逆算。受験用教材の単元)・年齢算・和差算・食塩水・ニュートン算(一定で入る量と出る量の差から考える。受験用教材の単元)。これが大問 3 の 4 問で毎年入れ替わりながら出るので、小 5 のうちに一通り解けるようにしておくと、小 6 では復習だけで済みます。
  2. 規則性・数列(大問 4)は小 5 のうちに手を動かします(週末 60 分)。段に並べる・方眼に並べる・番号を振る、の 3 通りで、いずれも「小さい番号で実験して規則を見つけ、最後に全部足す」ところまで行きます。
  3. 平面図形の求積(大問 2)。多角形とおうぎ形(半円)を重ねた図のかげの部分を、円周率 3.14 で計算する形が続いています。「重なりを足し引きして求める」手順を小 5 で固めます(週末 60 分の後半)。
  4. 理科は 4 分野を切らさない。この学校は生物・化学・物理・地学が毎年そろうので、どれか 1 分野を捨てると必ず失点します。特に生物(光合成・食物連鎖)は毎年 2 題以上あります(平日 15 分)。
  5. 社会は地形図と地図記号。2023・2024・2026 の 3 年連続で出ています。小 5 のうちに地図記号を覚え、等高線と方位が読めるようにしておきます(平日 15 分)。
  6. 理由を 2〜3 文で書く習慣をこの学年で作ります。理科の説明記述と社会の「簡単に説明しなさい」は、どちらも小 6 から始めると間に合いにくいものです(週末 60 分に組み込む)。

小 6(仕上げ)

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか

差がつくのは小 5 です。 算数の大問 2〜4 は「単元プールから 12 問前後を毎年抜き出す」作りなので、小 5 で特殊算・規則性・平面図形の求積を一巡できていれば、小 6 は過去問を縦に解いて手順を確かめるだけで済みます。逆に小 5 で穴を残すと、小 6 の限られた時間で 3 つの単元群を同時に埋めることになります。国語の漢字と書き写し、社会の地形図も同じ性質で、小 4〜小 5 の積み重ねが小 6 の伸びしろをそのまま決める構造になっています。


12. この学校と併願するなら

観点は 勉強が転用できるか だけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・男女の別は、ここでは扱いません(別のページの領分です)。数字は科目ごとの出題構造の近さ(100 に近いほど近い)で、同じ問題が出るという意味ではありません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。

使い方の目安は次のとおりです。


13. 資料の限界

このレポートは、過去問の設問文の転写データだけを読んで書いています。次の点は最初から分かっていない、あるいは確かめられませんでした。

  1. 入試回が特定できない。明星中学校の入試は 2 月 1 日午前の第 1 回から 2 月 4 日午後の第 6 回まで 6 回あり、4 科目で行うのは第 1 回と第 3 回です。しかし資料は各年度・各科目とも 1 冊しかなく、表紙に回の表記がありません。第 1 回のものか第 3 回のものかは特定できていません。2 科目のみの回(第 2・4・5・6 回)の問題は資料にありません。
  2. 年度が飛んでいる。2017〜2021 年度と 2025 年度は、算数・理科・社会とも資料がありません。したがって「4 年連続」などの数字は資料のある年について連続しているという意味で、その間に別の形式の年があった可能性は否定できません。理科の作り替え(A・B の 2 本立て → 独立した 3 大問)がいつ起きたかを特定できないのも、2025 年度が抜けているためです。
  3. 国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。この 10 年の国語がどうなっているかは、このレポートでは分かりません。書き写しの設問が今も続いているかどうかも、市販の過去問集で確かめてください。出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
  4. 図そのものは転写されていません。図形問題・地形図・実験装置・写真は、設問文と図の説明文からしか判断できていません。図形の細部に踏み込んだ記述は避けています。
  5. 転写の読み落としの可能性。2023 年度と 2024 年度の社会は転写の信頼度が低めと記録されており、2024 年度は大問 3 の問 7 が読み取れませんでした。この 1 問は分析から外しています。また 2024 年大問 3 問 1 のように「空欄 1〜4 にあてはまる語句を答えなさい」と 1 問で複数答えさせる形があるため、小問数の数字は数え方によって前後します。
  6. 配点が分かりません。4 科目 300 点・2 科目 200 点という総点は募集要項から分かりますが、小問ごとの配点は問題冊子にも解答用紙にも書かれていません。「ここが何点」という話はできません。
  7. 科目別の試験時間が公表されていません。4 科目 180 分・2 科目 120 分としてまとめて示されるだけです。本文で「1 科目 45 分」と書いたのは、単純に 4 で割った目安であって、学校が定めた時間ではありません。
  8. 出典の表記に食い違いがある箇所があります。2014 年度 国語 大問 3 の小川未明の作品は、資料の転写に印字された題名と、一般に知られている題名が一致しません。そのため題名は本文に書いていません。
  9. 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念・入試結果には、このレポートでは一切触れていません。それらは別のページの領分です。

このレポート自身に残っている食い違い


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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