明星学園中学校 の過去問分析
明星学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
明星学園中学校 過去問分析(2011〜2020 年度・入試回は資料から特定できず・問題冊子 9 冊分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都三鷹市 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | A 入試 2 月 1 日午前(募集約 60 名)/B 入試 2 月 1 日午後(約 10 名)/C 入試 2 月 2 日午後(約 10 名)/D 入試 2 月 4 日午後(若干名)。4 回とも 2 科(国語・算数) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・算数 50 分、各 100 点 |
| 面接 | 4 回とも面接があります(約 10 分) |
| 旧称 | 明星学園中学校(旧制)・明星学園高等女学校 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
三鷹市の明星学園中学校(みょうじょうがくえん)のレポートです。府中市の明星中学校(めいせい)とは別の学校です。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 同じ種類の問題が同じ場所に出る座席(問題の置き場所)と言えるのは、算数の大問 1 と、国語の 4 大問の並びの 2 か所だけです。残りは毎年作り直しています。
- 算数の大問 1 は精読した 3 年(2016・2018・2020)すべてで 6 問の計算で、導入文も 6 枠の中身の並びも同じでした。小問 13〜15 問のうち 6 問がここです。
- 国語は精読した 3 年(2011・2015・2016)すべてで「漢字の書き取り → 語句の知識 → 物語文 → 説明的文章」の並びで、前半 2 大問の知識問題だけで小問の 4〜6 割を占めます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 6 枠を、並びのまま毎日 1 セット解きます。
- 国語の漢字の書き取り(送り仮名込み)と、四字熟語・慣用句・ことわざの穴うめを毎日回します。
- 定規とコンパスの作図(対角線を引いて円をかく・方眼にかく・等積変形)を週末にまとめて練習します。
今週やる 1 つ
- 2020 年度の算数の大問 1 を解いて、6 問を 3 分以内に全問正解できる状態か確かめます。とくに小数のわり算と、分数と小数の混じった乗除です。
注意
- 直近 6 年分(2021〜2026 年度)の問題は資料に 1 冊もありません。ここに書けるのは 2020 年度までの姿で、現在の形式は市販の過去問集で確認する必要があります(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2016・2018・2020) | 0 年(2011 は問題冊子がありますが、今回は読んでいません) | 4 年(2011・2016・2018・2020)。2012〜2015 は解答のみで問題冊子が無く、2017・2019 は資料なし。2021 年度以降は 1 年も無い | 2018・2020 は高いです。2016 は転写の確度が低めで、大問 5 の小問 1 件が読み取れていません |
| 国語 | 3 年(2011・2015・2016) | 0 年 | 3 年(2011・2015・2016)。2010・2012・2014 は解答のみ、2013 は資料なし。2017 年度以降は問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) | 2015・2016 は高いです。2011 は転写に誤字が目立ち(設問文のひらがなが崩れている箇所があります)、確度は低めです |
| 理科 | 1 年(2015) | 0 年 | 1 年(2015)。他のすべての年度は資料なし | 高いですが、1 年分では傾向を語れません |
| 社会 | 1 年(2015) | 0 年 | 1 年(2015)。他のすべての年度は資料なし | 高いですが、1 年分では傾向を語れません |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回は資料から特定できません。 冊子に回の表記が無く、収録も校×年×科目で 1 冊ずつです。したがってこのレポートでは回を断定していません。学校が公表している 2027 年度の募集要項では A・B・C・D の 4 回があり、いずれも国語・算数の 2 科(各 50 分・各 100 点)と面接(約 10 分)で、合計 200 点+面接という形になっています。
- 資料には 2015 年度の理科・社会の冊子がありますが、上記のとおり現在の入試教科は国語・算数の 2 科です。理科・社会の項(8-3・8-4)は「昔こういう問題を作る学校だった」という参考として読んでください。
- 満点・設問ごとの配点は、どの科目・どの年度の冊子にも印刷されていません。
- 直近 6 年分(2021〜2026 年度)の問題は資料に 1 冊もありません。このレポートで書けるのは 2020 年度までの姿で、現在の形式は市販の過去問集で確認する必要があります。
5. 一番大きな結論
この学校で「同じ場所に同じ種類の問題が出る」と言えるのは、算数の大問 1 と、国語の 4 大問の並びの 2 か所だけです。残りは毎年作り直しています。
- 算数の大問 1 は、精読した 3 年(2016・2018・2020)すべてで 6 問の計算で、導入文も「次の計算をしなさい。(答えが約分できるときには必ず約分すること)」で同じでした。しかも 6 枠の中身(小数の加減 → 分数の加減 → 小数のかけ算 → 小数のわり算 → 分数と小数の混じった乗除 → かっこつきの四則混合)まで 3 年とも同じ並びでした。小問 13〜15 問のうち 6 問がここなので、配点の重みも大きくなります。
- 国語の 4 大問の並びは、精読した 3 年(2011・2015・2016)すべてで「漢字の書き取り → 語句の知識(ことわざ・四字熟語・慣用句)→ 物語文 → 説明的文章」でした。前半 2 大問の知識問題だけで小問の 4〜6 割を占めます。
この 2 か所以外は、算数の大問 2 以降も、理科・社会の題材も、年ごとに作り直されています。精読した範囲で、同じ単元が同じ位置に 2 年続いた例は算数の大問 2 以降に 1 つもありませんでした。「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」のが算数の大問 1 と国語の大問構成で、そこから先は毎年新しい題材が来る、と考えるのが実態に近いです。
したがって過去問の使い方は、「出る問題を覚える」より 「初めて見る題材を読んで、その場で考えて書く練習」 に寄せるのが合っています。時間を計った通し演習より、1 題ずつ「何を読み取れば解けたのか」を確認する使い方のほうが得るものが多いです。ただし算数の大問 1 だけは例外で、ここは年度を縦に並べて 3 年分・4 年分をまとめて解き、速さと正確さを固める時間をかける価値があります。
もう 1 つ、科目をまたいで共通していたのが「その場の資料から考えて書かせる」姿勢です。算数は作図と説明、国語は記述と段落の入れ替え、理科はグラフから仮説を書く記述、社会は「あなたの考えを述べなさい」。精読した 4 科目すべてに、答えを 1 つ書くだけでは終わらない設問が入っていました。
6. この学校らしさが出る場所
- 算数の題材が「学校の外の世界」から来ます。 精読した 3 年の大問 2 以降は、前年の出来事や実在の統計(2016 訪日外国人の前年同月比、2018 築地市場の初競りで 3645 万円のクロマグロ、2020 サニブラウン選手の 9.97 秒)と、数学の歴史・話題(2016 イギリスの 50 ペンス硬貨とルーローの多角形、2018 古代エジプトの『リンドパピルス』、2020 未解決問題の『オスターリ・マッサー予想』)で占められていました。教材の中だけで完結する文章題が少ないのが特徴です。
- 「作って確かめる」問題があります。2016 は「2/3 m + 0.2 m の計算が正しいことを示す図をかきなさい」、2018 は「11 種類のヘキサモンドのうち 8 種類を方眼にかきなさい」、2020 は「四角形と同じ面積の二等辺三角形を作図しなさい」。答えの数値ではなく、手を動かした結果そのものが解答になります。
- 理科・社会も「考えて書く」に寄っています。2015 年度の理科はミツバチの 8 の字ダンスを 6 小問かけて追い、「なぜそうなるのか理由を予想して説明しなさい」まで行きます。同年の社会は朝鮮通信使の絵と会話文を読み、「あなたの考えを述べなさい」が 3 問ありました。知識の量より、資料を読んで筋の通った説明を書けるかを見ようとしているように見えます。
- 国語の物語文が「友だちとの関係」に寄ります。精読した 3 年とも、主人公は小学生・少年で、のけ者にされている子との関わり(2016)や転校生との出会い(2011)、ひとりで海を見に行く少年(2015)といった、子ども自身の生活に近い場面でした。説明的文章のほうは微生物(2015)・ゴリラと人間の共感(2016)と、生き物寄りの話題が続きました。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前ならこの節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください(→ 11 節)。なお、現在の入試教科は国語・算数の 2 科なので、以下も国語・算数を上位に置いています。
根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 6 問(最優先)。小数の加減 → 分数の加減 → 小数×小数 → 小数÷小数 → 分数と小数の乗除 → かっこつき四則混合、という並びで 1 セットです。精読した 3 年ともこの順序でした。「1234.321 ÷ 11.11」(2016)のような桁の多い小数のわり算が入るので、筆算そのものの精度を上げます。(確認: 〜2020 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字の書き取りを毎日 10 問。読みではなく書き取りが 9〜10 問、3 年とも大問 1 に固定でした。送り仮名込みで正確に書きます(2016 は「送り仮名も正確に書くこと」と明記)。(確認: 〜2016 年度)
- [毎日 10 分] 国語・語句の知識。四字熟語(2015 に 10 問)、体の一部を使う慣用句(2016 に 10 問)、ことわざ(2011 に 4 問)。□に漢字一字やことばを入れて完成させる問い方が 3 年とも共通でした。意味も言えるようにしておきます(2011 は意味を選ばせました)。(確認: 〜2016 年度)
- [週末 60 分] 国語・記述と、抜けた段落を戻す問題。精読した 3 年で記述が 4〜9 問ありました。内容説明(「どのような〜ですか」)・理由説明(「なぜですか」)・心情説明の 3 種を、まず字数指定なしで 2〜3 文にまとめられるように。仕上げに 40 字以内・70〜90 字以内の枠に収める練習を足します(2016 に実例)。あわせて「抜け落ちた段落がどこに入るか、直前の段落の終わりの六字を答える」形が 2015 年度に 2 問あったので、市販教材で段落の並べ替え・段落挿入の問題を 10 問ほど触れておくと初見でとまどいません。説明的文章は生き物・科学の話題(微生物、動物の行動)を読み慣れておきます。(確認: 〜2016 年度)
- [週末 60 分] 算数・作図。精読した 3 年すべてに作図がありました(2016 は 4 問)。定規とコンパスで「対角線を引き、交点を中心に円をかく」「方眼上に指定の図形をかく」「四角形と同じ面積の三角形をかく(等積変形)」。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 算数・割合と「1 あたりの量」、および数の性質。2016 は前年同月比、2018 は 1kg あたりの単価、2020 は紙 1 枚あたりの重さと 100m の平均の速さで、3 年とも大問 2〜3 に入っていました。数の性質(約数・倍数・素因数分解)は 2020 の大問 4 と大問 6 の 2 題がここでした。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 算数・答え方の指定に従う練習。「小数第三位を切り上げて」(2016)、「小数第 2 位以下は切り捨てて小数第 1 位まで」(2018)など、四捨五入・切り捨て・切り上げの指示が年ごとにちがう形で入ります。指示を読み飛ばすと正答になりません。(確認: 〜2018 年度)
- [週 1 回] 前年の出来事を「数」と「社会科」の両面から見る習慣と、記述・説明を書く体力(4 科目共通)。算数の大問 2(2016 訪日外国人の統計、2018 築地の初競り、2020 陸上の日本記録)も、社会の大問 1(2014 年のエボラ出血熱・土砂災害・火山)も、前年のニュースを入口にしていました。新聞やニュースの数字(人数・記録・金額)を「何倍か」「1 あたりいくらか」で読む練習が、そのまま対策になります。あわせて算数の「説明しなさい」(2020)、理科の「理由を予想し、説明しなさい」(2015)、社会の「あなたの考えを述べなさい」(2015)は、いずれも正解が 1 つに決まらない問いなので、書き出しを決めて 2〜4 文でまとめる訓練を科目を問わず積んでおきたいところです。(確認: 〜2020 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(精読した年度: 2016・2018・2020)
年度×大問の題材表(年度が行です)。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 5/15 | 計算 6 問 | 概数・割合(前年同月比で見る訪日外国人の数) | 単位のちがう長さのたし算(2/3 m + 0.2 m)と、それを線分図で説明する作図 | 正方形と内接円(対角線と円を作図し、周の長さを比べる) | ルーローの五角形・三角形の作図と周の長さ(イギリスの 50 ペンス硬貨) | — |
| 2018 | 5/13 | 計算 6 問 | 売買損益(築地市場の初競り・クロマグロの 1kg あたりの単価) | 縮尺・単位換算と面積比(最大の満月と最小の満月。図を定規で測って面積比を出す) | 図形の移動(ヘキサモンド 11 種のうち 8 種を方眼に作図) | 計算(『リンドパピルス』を題材にした 2 問) | — |
| 2020 | 6/13 | 計算 6 問 | 速さ(サニブラウン選手の 100m 9.97 秒) | 割合と比(紙 A・B の 1 枚あたりの重さ) | 数の性質(50m のロープを 2.1m ずつに切る。本数と余りを説明させる) | 平面図形(四角形と同じ面積の二等辺三角形を作図) | 数の性質(『オスターリ・マッサー予想』を題材に 3 組の数を調べる) |
固定されているのは大問 1 だけ、と考えてよい構成です。 精読した 3 年すべてで、大問 1 が 6 問の計算で、導入文も「次の計算をしなさい。(答えが約分できるときには必ず約分すること)」で同文でした。しかも 6 問の中身の並びまで一致しています。
| 枠 | 中身 | 2016 | 2018 | 2020 |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 小数のたし算・ひき算 | 260.041 + 20.16 | 201.8 − 171.78 | 2020 − 1999.9 |
| (2) | 分数の 2〜3 項のたし算・ひき算 | 13/14 − 5/6 | 10/21 + 6/7 − 1/3 | 2/3 − 1/6 − 4/9 |
| (3) | 小数×小数 | 32 × 0.63 | 0.2 × 405.1 | 1.5 × 82.3 |
| (4) | 小数÷小数 | 1234.321 ÷ 11.11 | 13.05 ÷ 4.5 | 1.35 ÷ 0.9 |
| (5) | 分数と小数の混じったかけ算・わり算 | 5/36 ÷ 7/18 × 14/15 | 24/35 ÷ 1.8 | 1.4 ÷ 35/51 × 2.5 |
| (6) | かっこつきの四則混合 | (100 × 10 − 7) ÷ 30 − 13 | (9 + 11 × 91) × 2 − 2 | 101 × (23 − 12 ÷ 5) − 60.6 |
精読した 3 年では、(1) の数にその年の年号が織り込まれている(20.16/201.8/2020)のも共通していました。ここは「同じ種類の問題が同じ場所に出る」枠で、6 問を 3 分以内に全問正解できる状態を作るのが最優先になります。(4) の「1234.321 ÷ 11.11」のように桁の多い小数のわり算が入るので、筆算の精度そのものが問われます。
大問 2 以降は毎年作り直しています。精読した 3 年で、大問 2 以降に同じ単元が同じ位置で 2 年続いた例はありません。題材の取り方には共通の癖があり、(a) 前年の出来事や実在の統計(2016 訪日外国人、2018 築地の初競り、2020 サニブラウン選手の記録)、(b) 数学の歴史・話題(2016 ルーローの多角形と 50 ペンス硬貨、2018 リンドパピルス、2020 オスターリ・マッサー予想)、(c) 学校生活の場面(2020 新 1 年生のなわとび)の 3 系統から素材が来ていました。
作図・定規で測る問題・答え方の指定など、問い方の特徴は 10 節(形式面の注意)にまとめました。家でやることは 7 節です。
8-2. 国語(精読した年度: 2011・2015・2016)
国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)、ここに書いたのは 2011・2015・2016 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(年度が行です)。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2011 | 4/27 | 漢字の書き取り 10 問 | ことわざの穴うめ+意味を語群から選ぶ 4 問(□の耳に念仏/立つ鳥あとを□/石の上にも□/急がば□) | 物語文(転校生の「ぼく」と押野。記述 5 問) | 論説・随筆(「沈黙に対する想像力」。抜き出し 4 問+記述 3 問) |
| 2015 | 4/35 | 漢字の書き取り 10 問 | 四字熟語の穴うめ 10 問(晴□雨読/一日千□/□前絶後/□死一生 ほか) | 物語文(杉みき子『小さな町の風景』より。坂をのぼって海を見に行く少年) | 説明文(本村有希子『気になる科学』より。微生物・腐敗と発酵) |
| 2016 | 4/36 | 漢字の書き取り 9 問(送り仮名も正確に) | 体の一部を使う慣用句の穴うめ 10 問(□が下がる/□がない/□をきめる/□に衣を着せぬ ほか)+漢字 1 問 | 物語文(川端裕人「今ここにいるぼくらは」。のけ者にされている友だちとの関係) | 論説文(山極寿一「ゴリラが語る『ヒト』とは何か」。共感と孤独) |
4 大問の並びが 3 年とも同じでした。 「漢字の書き取り → 語句の知識 → 物語文 → 説明的文章」の順序が 2011・2015・2016 で崩れていません。しかも冒頭 2 大問だけで小問が 14〜21 問あり、小問全体の 4〜6 割を占めます。知識問題の比重が大きい構成です。
- 大問 1(漢字の書き取り): 3 年とも 9〜10 問で、読みではなく書き取りだけでした。短文の中の傍線部をひらがなから漢字に直す形です(「つごうの悪い話」「小麦のゆにゅう量」)。2016 は「送り仮名も正確に書くこと」の指示つきで、送り仮名を含む語(おさない・あずける)が混ざります。
- 大問 2(語句の知識): 3 年で中身は入れ替わります(2011 ことわざ、2015 四字熟語、2016 体の一部を使った慣用句)が、「□に漢字一字またはことばを入れて完成させる」という問い方は 3 年とも同じでした。2011 だけは意味を語群から選ぶ設問がセットになっていました。
- 大問 3(物語文): 3 年とも小学生・少年が主人公で、友だち関係や心の動きが軸です。設問は傍線部の内容説明・理由説明・心情説明が中心で、記述が 5〜6 問並ぶ年があります(2016 は大問 3 だけで記述 6 問)。
- 大問 4(説明的文章): 2015 は微生物、2016 はゴリラと人間の共感と、理科寄りの話題が続きました。接続語や指示語をア〜クの語群から選ぶ穴うめ(同じ記号は 2 度使えない)が 2015・2016 の 2 年とも大問 4 の問一に置かれていました。
記述の量と形は次のとおりです。
| 年度 | 記述の数 | 字数指定 |
|---|---|---|
| 2011 | 8 問 | 指定なし(抜き出しには「10 文字ちょうど」「17 文字ちょうど」「A は 2 文字、B は 4 文字、C は 7 文字」といった指定あり) |
| 2015 | 4 問 | 「十五字〜二十字で説明しなさい」(大問 3 問二)。他は指定なし |
| 2016 | 9 問 | 「七十字以上、九十字以内」(大問 4 問三)、「四十字以内」(大問 4 問五)。記号や句読点も字数に入れる。大問 3 の 6 問は指定なし |
この学校らしい問い方として、精読した 3 年で次の 4 つが確認できました。
- 抜けた段落を戻す問題。2015 は大問 3 と大問 4 の両方に「本文から、左の段落が抜け落ちています。左の段落がどこに入るのかを考え、入る直前の段落の終わりの六字を答えなさい」が置かれていました(同じ年の中で 2 回、まったく同じ問い方です)。文章全体の流れをつかんでいないと解けない問いで、対策の価値が高いところです。
- 音読の読み分けを説明させる問題。2015 大問 3 問四は、同じ一文(「あの坂をのぼれば、海が見える」)が本文の 2 か所に出てくることを使い、A と B で音読をどう変えるべきか、その理由もあわせて説明させました。
- セリフの形で答えさせる問題。2011 大問 3 問三は「『驚きと疑問』の内容は何ですか。『ぼく』のセリフとして答えなさい」でした。
- 「〜と考えられますか」「本文から考え答えなさい」という、本文に直接書かれていないことを推論させる言い回しが 2011・2015・2016 の 3 年とも出ています。
8-3. 理科(精読した年度: 2015 の 1 年のみ)
資料にある理科は 2015 年度の 1 冊だけで、他の年度と比べることができません。以下は「2015 年度の 1 冊にこう書かれていた」という話にとどまります。反復や傾向は、この資料からは言えません。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 |
|---|---|---|---|
| 2015 | 2/9 | 小問集合(ものの姿と体積の変化/水へのとけ方/かん電池と豆電球の回路) | ミツバチの 8 の字ダンス(エサ場までの距離とダンスの回数、太陽の動きと方角の伝達) |
- 大問 1 は 3 分野(熱と状態変化・水よう液・電気回路)を 1 問ずつ並べた小問集合で、「正しいものをすべて選び、記号で答えなさい」(水のとけ方)、「以下の 1〜3 のような光り方になる回路をすべて選び」(回路)と、すべて選ぶ形の選択問題が続きました。ひとつでも取りこぼすと得点にならない形式です。
- 大問 2 は 1 つの題材(ミツバチ)を 6 小問で深掘りする作りです。グラフ(エサ場までの距離とダンスの回数)の読み取り、太陽の動き(地球の自転)との組み合わせ、そして「理由を予想し、説明しなさい」「考えられることを説明しなさい」という、本文と図表から自分で仮説を立てて書かせる記述が 3 問ありました。9 小問のうち 3 問(33%)が記述です。
- 知識をそのまま答えさせる小問は少なく、その場で与えられた資料を読んで考える比重が大きい作りです。
- 作図は 2015 年度にはありませんでした。
この 1 冊を練習に使うなら、グラフ・表から関係(増える/減る、比例・反比例)を読み取って一文で言い切る練習と、「なぜそうなるか」を自分の言葉で 2〜3 文書く練習です。分野別では、この 1 冊に出ていたのは状態変化・もののとけ方・電気回路・こん虫・太陽の動きでした。ただし 1 年分では頻出とは言えません。
8-4. 社会(精読した年度: 2015 の 1 年のみ)
社会も資料にある冊子は 2015 年度の 1 冊だけです。以下は 2015 年度に限った観察で、年ごとの反復は分かりません。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 |
|---|---|---|---|
| 2015 | 2/14 | 前年(2014 年)の出来事を入口にした地理・歴史・公民の総合(エボラ出血熱の流行した大陸、土砂災害の起きた県、火山の名前、奈良の大仏、江戸時代の西洋医学) | 朝鮮通信使の絵と 2 人の会話文(江戸時代の外交、東アジアとの関係) |
- 記号選択が 1 問もありませんでした。 14 小問の内訳は短答(語句や数値を短く答える形式)8 問・記述 6 問(43%)です。用語を答える問題も「書物の名前と翻訳した人物の名前をそれぞれ」のように 1 問で 2 つ答えさせる形が混ざります。
- 記述の中身が独特で、「あなたの考えを述べなさい」という問いが 3 問ありました。「(年表の空欄にあてはまる人物)は、なぜ朝鮮との国交を回復させたかったと考えられるか、あなたの考えを述べなさい」「なぜ朝鮮は毎回、大人数の使者を日本に送ったのか。会話も参考にしながら、あなたの考えを説明しなさい。ただし、その根拠も必ず述べること」「今後、日本は中国・韓国・北朝鮮などの東アジアの国々とどのような関係をつくっていけばいいと思うか。あなたの考えを具体的な例をひとつ挙げて述べなさい」。
- 答え方の形を指定する記述もあります。大問 2 問 2 は、絵を見て気づいた違和感を「○○は変だ。なぜなら〜」という形で書かせました。
- 資料は絵(朝鮮通信使の行列図)・写真(奈良の大仏、翻訳された医学書)・年表・会話文です。資料から読み取ったことを根拠として書く作りになっています。
- 大問 1 は前年の出来事から入っていました(2014 年のエボラ出血熱の流行、広島の土砂災害、火山の噴火)。前年のニュースを社会科の学習とつなぐ姿勢は、算数の大問 2 以降の題材の取り方とも重なります。
この 1 冊を練習に使うなら、用語を覚えるだけでなく、「なぜそうしたのか」を自分の言葉で 2〜4 文書く練習と、ニュースを見て「これは地理・歴史・公民のどれとつながるか」を言う習慣です。ただし 2015 年度 1 冊だけの観察であり、現在の入試では社会は課されていません(4 節・10 節を参照)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
この学校については、周期を語れるだけの資料がありません。 算数で問題冊子のある年が 4 年分(うち精読したのは 3 年)、国語が 3 年分、理科・社会が 1 年分ずつで、しかも 2021 年度以降が 1 年もありません。「◯年周期でこの単元が戻る」という言い方は、この資料からはできません。
参考として、精読した 3 年(算数 2016・2018・2020)で大問として出ていなかった単元を挙げておきます。準備の穴になりやすい場所という意味で、警戒の対象になります。
| 科目 | 精読した年に大問として出ていなかったもの | 最終確認年度 |
|---|---|---|
| 算数 | 立体図形(体積・表面積・展開図)、場合の数、規則性の数列、水そうとグラフ、旅人算・通過算などの速さの応用、つるかめ算(個数を合計から逆算)・過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める)といった特殊算。ただし 2018 の大問 2 に売買損益、2020 の大問 2 に速さの基本問題が出ています | 2020 年度 |
| 国語 | 詩・短歌・俳句、古典・古文、敬語、文法(品詞・主述)。精読した 3 年はすべて物語文 1 題+説明的文章 1 題の構成でした | 2016 年度 |
10. 形式面の注意
- 算数: 作図が精読した 3 年すべてにあります。2016 は 4 問(線分図・対角線と円・ルーローの五角形・ルーローの三角形)、2018 は 1 問(ヘキサモンド 8 種)、2020 は 1 問(等積変形の二等辺三角形)です。「定規を使ってきちんとかくこと」と本文に書かれた年があり(2016 大問 3、2018 大問 4)、方眼や与えられた図の上にかき込む形が多くなっています。図を定規で測らせる問題もあり、2018 大問 3 は「イメージ図を定規で測定した値を利用して」最大の満月と最小の満月の面積比を出させました。図から数値を読み取る作業そのものが得点になり、長さの比から面積の比(2 乗になる)を出すことが 2018 でそのまま問われています。説明を書かせる問題は 2020 大問 4 にありました(50m のロープから 2.1m のなわとびを最大何本作れて何 m 余るかを「説明しなさい」)。3 年のうち 1 年だけなので「毎年ある」とは言えませんが、答えだけでなく手順を書く準備はしておきたいところです。答え方の指定も細かく、「小数第三位を切り上げて」(2016 大問 2)、「小数第 2 位以下は切り捨てて小数第 1 位まで」(2018 大問 3、2 問とも)のように、四捨五入・切り捨て・切り上げの指示が年ごとにちがう形で入ります。円周率は記載のあった年(2016・2018)はいずれも 3.14 で、2020 は円を使う問題自体が無く記載もありませんでした。
- 国語: 記述の字数指定は年によってあったり無かったりします(年ごとの中身は 8-2 の表)。2011 は記述に字数指定が無く、2015 は 1 問、2016 は 2 問で、2016 はいずれも「記号や句読点も字数に入れる」と明記されていました。字数指定が無い記述は解答欄の大きさが分量の指示になるので、過去問を解くときは解答欄ごと再現したいところです。
- 理科(2015 の 1 冊): すべて選ぶ形の選択が 2 問、記述が 9 問中 3 問、作図は無しでした(詳細は 8-3)。
- 社会(2015 の 1 冊): 記号選択が 1 問も無く、短答 8 問・記述 6 問です。答え方の形を指定する記述(「『○○は変だ。なぜなら〜』というように答えなさい」)や、根拠を必ず添えさせる指示があります(詳細は 8-4)。
- 満点・配点は冊子に印刷されていません。現在の学校公表の形式では国語・算数が各 100 点・各 50 分で、面接(約 10 分)が加わります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(小数と分数の四則)・漢字の書き取り・音読と読書です。この学校は算数の大問 1 が計算 6 問で固定されているので、小数と分数の混じった計算を「速く正確に」は早いうちから効きます。図形は定規とコンパスを使う工作的な作業(円をかく、方眼に図形をかく、線対称の図をかく)を遊びの範囲で。時間を計る演習はまだ不要です |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は、小数と分数の計算 1 セットと、国語の語句を四字熟語 → 慣用句 → ことわざの順に 1 年かけて一巡させます(この学校は大問 2 がここで固定です)。ただし国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。週末 60 分は算数の単元 1 つで、割合 → 比 → 速さ → 単位換算の順に一巡し、どの単元でも「1 あたりの量」を必ず出せるようにします。あわせて、説明的文章を読んで「筆者の言いたいこと」を 2〜3 文で書く習慣を週末に。理科・社会は入試教科ではありませんが、ニュースを家庭で話題にすることが算数・国語の題材読解に効きます。ただし理科・社会の資料は 2015 年度の 1 冊ずつしかありません(→ 13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。算数は大問 1 を年度縦断でまとめ解き、大問 2 以降は 1 題ずつ「初見の題材を読む」練習として使います。国語は記述を字数指定あり・なしの両方で。過去問は 2011〜2020 年度の分しか手元の資料に無いので、直近の年度は市販の過去問集で補い、時間配分(国語 50 分・算数 50 分)の確認に使います(→ 13 節) |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 いちばん差が出るのは「計算の速さと正確さ」と「初見の文章・資料を読んで自分の言葉で書く力」の 2 つで、どちらも短期間では伸びにくいものです。算数の大問 1 は毎年同じ 6 枠なので、小 4 から小数・分数の計算を積み上げた子はここを短時間で通過でき、残り時間を大問 2 以降の読み取りに回せます。逆に、単元別の解法を暗記する勉強に寄せすぎると、毎年作り直される大問 2 以降で手が止まりやすくなります。読書と、書いたものを大人が読んで返す習慣を小 4 から持っておきたいところです。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は扱いません。
この学校については、自動集計では併願候補を出せませんでした。 併願候補は「2 科目以上の過去問資料がある学校同士」でしか計算できない仕組みで、明星学園は理科・社会が 1 年分ずつ、算数・国語も 2020 年度までしか無いため、比較の対象から外れています。学校ごとの一覧は 併願候補ページ にあります。
代わりに、勉強の転用という観点で押さえておきたい特徴を挙げます。似た性格の学校を自分で探すときの手がかりとして使ってください。
- 冒頭に計算だけの大問(5〜6 問以上)を置く学校とは、算数の大問 1 の練習がそのまま転用できます。
- 作図を毎年出す学校(定規・コンパスを使う、方眼にかく、等積変形)とは、道具の扱いの練習が共通します。
- 記号選択が少なく、記述と短答で構成する学校とは、書く練習が共通します。この学校は 2015 年度の社会で記号選択が 0 問でした。
- 国語は「漢字 → 語句知識 → 物語文 → 説明的文章」の 4 大問構成なので、同じ構成の学校とは前半 2 大問の対策が丸ごと共通します。
- この学校の現在の入試は国語・算数の 2 科(+面接)です。併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。理科・社会の勉強は明星学園の入試には直接使いません。
13. 資料の限界
- 入試回が分かりません。冊子に回の表記が無く、収録も校×年×科目で 1 冊ずつです。学校は現在 A〜D の 4 回を実施していますが、資料の冊子がどの回のものかは特定できません。回ごとの差があるとしても、このレポートでは捉えられていません。
- 2021〜2026 年度の問題が 1 冊もありません。このレポートの内容は 2020 年度までの姿です。6 年の間に形式が変わっている可能性があり、直近の傾向は市販の過去問集で必ず確認してください。
- 理科・社会は 1 年分(2015 年度)しかありません。8-3・8-4 に書いたのは「その 1 冊がそうだった」という話で、反復や頻出は言えません。しかも現在の入試教科ではありません。
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-2 は 2011・2015・2016 年度に限った話です。
- 算数も年が飛んでいます。問題冊子があるのは 2011・2016・2018・2020 の 4 年で、2012〜2015 は解答のみです。今回精読したのは 2016・2018・2020 の 3 年です。「精読した 3 年すべてで」と書いた箇所は、この 3 冊で確認したという意味であり、間の年(2017・2019)は資料が無く確認していません。
- 転写の読み落としがあります。2016 年度の算数は転写の確度が低めで、大問 5 の小問 1 件が読み取れていません。2011 年度の国語は設問文のひらがなに崩れがあり、細かい表記はそのまま信用できません。
- 満点・設問別配点は資料にありません。どの設問が重いかは判断できません。
- 国語の出典は、原本の本文末尾の表記と照合できた 2015・2016 年度の 4 作品だけを本文に挙げました。2011 年度は表記に転写の崩れがあるため挙げていません。
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