明治学院中学校 の過去問分析
明治学院中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
明治学院中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・データベース掲載分・算数 14 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都東村山市 |
| 男女 | 共学(1991 年より共学化) |
| 旧称 | 普通学部(1887 年開校・港区白金台) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午後 — 2 科(国語・算数)/第 2 回 2 月 2 日午前 — 4 科(国語・算数・社会・理科)/第 3 回 2 月 4 日午前 — 4 科 |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・算数 50 分・社会 30 分・理科 30 分。配点は国語 100 点・算数 100 点・社会 60 点・理科 60 点 |
| 募集 | 第 1 回・第 2 回は男女あわせて約 60 名ずつ、第 3 回は男女あわせて約 20 名 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
明治学院大学の系列校です。明治大学の付属校(明治大学付属中野・八王子・明治)とは別の学校ですので、過去問集や資料を取り違えないようにしてください。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は「同じ問題」ではなく同じ種類の問題が同じ場所に来る作りです。精読した 6 年(2020〜2025)で、大問 1 は必ず小問集合 10 問、大問 6 は必ず作図を含む図形問題でした。
- 大問 2〜5 の 4 席は毎年入れ替わりますが、入れ替わる中身は狭い範囲に限られます。食塩水・速さ・規則性の 3 つが必ずどこかに入ります。
- 国語は先頭が物語文・末尾 2 枠が漢字で、物語文の最後は「生徒の話し合いから本文と食い違う発言を選ぶ」問いでした(精読した 3 年)。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の 10 問を 15 分で通す練習を毎日行います。
- 算数の作図をコンパスと定規で、答案としてかく練習をします。
- 国語の漢字 10 問(書き 5・読み 5)を毎日行います。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 だけを年度をまたいで続けて解いてみてください。同じ場所に同じ種類の問題が来るので、1 週間で並びが体に入ります。
注意
- 理科・社会は資料が 2015 年度で、国語は 2021 年度で止まっています。ここに書いた理科・社会・国語の話は、そのまま今の傾向とは言えません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
使った資料は、問題冊子を文字に起こした転写データ(転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)で、年ごとに 1 冊ずつ掲載されています。年の数え方は 3 通りに分けます。精読した年(設問文まで読んだ年)・構成だけ数えた年(大問の並びや問数だけを数えた年)・資料のある年(掲載されている年)です。科目によって揃っている年数がまったく違います。
| 科目 | 資料のある年度 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010・2012〜2017・2019〜2025 | 14 年 | 6 年(2020・2021・2022・2023・2024・2025) | 8 年 |
| 国語 | 2010・2013・2015〜2021 | 9 年 | 3 年(2019・2020・2021) | 6 年 |
| 理科 | 2010・2012〜2015 | 5 年 | 4 年(2012・2013・2014・2015) | 1 年 |
| 社会 | 2010・2012〜2015 | 5 年 | 3 年(2013・2014・2015) | 2 年 |
収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 算数だけが直近(2025 年度)まで揃っています。この学校について「今も続いている」と言えるのは算数の話がほとんどで、以下の結論の中心も算数にあります。
- 理科・社会は 2015 年度で止まっています。10 年以上前の資料なので、傾向として書いたことは今も同じとは限りません。
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)状態です。国語について書いたのは 2019〜2021 年度に限った話です。
- 入試回は特定できません。この学校は 2 科の第 1 回(2 月 1 日午後)、4 科の第 2 回(2 月 2 日午前)、4 科の第 3 回(2 月 4 日午前)を実施していますが、資料は年に 1 冊で回名の記載がありません。理科・社会がある年(2010〜2015)は 4 科の回、算数と国語だけの年はどの回か分かりません。
- 2020 年度の国語は、資料の上で大問の切れ目が壊れていました(13 節に詳しく書きました)。設問番号から実際の区切りを読み直して使いました。
5. 一番大きな結論
この学校の算数は、「同じ問題」ではなく「同じ座席(問題の置き場所)に同じ種類の問題」が来る作りです。 精読した 6 年(2020〜2025)で、次の 2 つが 1 度も動いていません。
- 大問 1 は必ず小問集合 10 問(6 年連続)。前半 4〜6 問が計算、その中に逆算(□にあてはまる数を求める計算)が 1 問(2021〜2025 の 5 年連続)、後半が一行題(数行で終わる短い文章題)で、倍数・約数の個数を数える問題が 6 年連続で入ります。
- 大問 6 は必ず作図を含む図形問題(6 年連続)。しかも 6 年とも「(1) で自分の手でかき、(2)(3) でその図形の周の長さや面積を求める」という運びで一致しています。
大問 2〜5 の 4 席は毎年入れ替わりますが、入れ替わる中身のプールは狭いままです。食塩水(6 年中 5 年)・速さ(6 年連続)・規則性(6 年中 5 年)の 3 つが必ずどこかに入ります。大問 6・小問 22・50 分という枠も 6 年変わっていません。
国語も、先頭が物語文・末尾 2 枠が漢字という並びが精読した 3 年(2019〜2021)で動かず、物語文の最後は必ず「生徒の話し合いから本文と食い違う発言を選ぶ」問いでした(3 年連続)。
社会は逆で、大問の順番が毎年組み直されます。ただし「憲法・政治 1 大問/地理 1〜2 大問/歴史 1〜2 大問/理由を書かせる問い 1 問」という中身の枠は 3 年とも同じでした。理科は 2012〜2014 の 3 年が「小問集合 15 問+テーマ問題 5 問×2」で完全に一致し、2015 でその並びが崩れています。
過去問の使い方としては、「時間の使い方を身につける」と「単元ごとの解き方の手順を身につける」の中間にあたります。 出る問題そのものを覚える学校ではありません(精読した年に、数値まで同じ問題の使い回しは見つかりませんでした)。しかし「大問 1 の 10 問を何分で抜けるか」「大問 6 の作図を何分でかけるか」は、座席が固定されているぶん、そのまま練習の設計図になります。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数(50 分・100 点) | 非常に高い。大問 6・小問 22 が 6 年不変。大問 1 と大問 6 の中身も固定 | 答えのみを書く。記号選択・説明ともに 0 問。作図が毎年 1〜2 問 | 大問 1 の 10 問を 15 分で抜ける速さ。作図の手際 |
| 国語(50 分・100 点) | 高い。先頭が物語文、末尾 2 枠が漢字 | 記号選択と字数指定つき抜き出しが主軸。まとまった記述はほぼ無い | 「生徒の話し合い」設問。漢字 10 問。字数を数える抜き出し |
| 理科(30 分・60 点) | 2012〜2014 は完全に一致、2015 で崩れる | 記号選択が主軸(68〜76%)。前年の自然現象を入口にする | 4 分野の一問一答 15 問。天体。溶解度・中和の計算 |
| 社会(30 分・60 点) | 低い。大問の順番は毎年変わる | 長い素材文を読ませてから聞く。説明を書かせる問いが毎年ちょうど 1 問 | 憲法と三権分立。都道府県の同定。統計表の読み取り |
理科・社会は 2015 年度までの資料に基づきます。
6. この学校らしさが出る場所
- 自分の手でかかせます。算数の大問 6 は 6 年連続で「まず自分でかき、それから測る・数える・求める」という運びになっています。2025 に至っては「面積を求めるときに必要な長さは、実測した値を用いなさい」とあり、正確にかけていなければ答えが合いません。図を読む力ではなく、図をつくる力を見ようとしているように見えます。
- 登場人物に校名から取った名前を使います。算数の文章題に「明くん」「学くん」「明子さん」が出てきます(2020・2021・2023・2024 で確認)。バドミントンの大会も「明治学院の体育館で行う」設定になっています(2024)。
- 生活の場面に落とした文章題が並びます。池の周りのジョギング、家から公園までの道のり、ウォーキングと迎えの自転車、徒歩とバスの乗り継ぎ、入館料の大人と子ども。抽象的な設定の問題が少ない作りです。
- その年の数字を計算に混ぜる遊びがあります。2020 は「2020 番目まで」、2021 は 20.21 を共通因数にした計算、2022 は 20.22 と 2022cm²。2020〜2022 の 3 年で見られました。
- 自校の歴史を社会の題材にした年があります。2014 の社会は「明治学院は 2013 年に創立 150 周年をむかえました。1859 年に日本にキリスト教の伝道をするためアメリカから来た…」というリード文から幕末〜戦後を問う大問でした。学校の来歴を知っている受験生が有利になるわけではなく、リード文の情報だけで解ける作りになっています。
- 前年に起きたことを入口にします。理科は 2012 年の金環日食(2013)・2013 年の桜島の噴火(2014)・西之島(2015)、社会は 2012 年のロンドン五輪(2013)・2013 年に決まった 2020 年東京五輪(2015)。精読した年ではどちらも 3 年連続でこの作りがあります。
- 国語は「作品について話し合う」形を好みます。物語文の最後、詩の最後に、生徒 4〜8 人の発言を並べて本文と食い違うものを選ばせます。2019・2020・2021 の 3 年連続です。授業での話し合いをそのまま設問にしたような作りに見えます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定学年は小 6・過去問演習期です。小 5 以前の方は 11 節の学年別ロードマップを先に読んでください。根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1 を 15 分で 10 問。毎日これだけはやります。計算 4〜6 問+逆算 1 問+倍数約数 1 問+角度か面積か体積 1 問+平均・資料・割合 1〜2 問という並びで自作できます(自作の 10 問セットにするときは計算 5〜6 問でも同じ形になります)。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の作図。コンパスと定規で、正三角形(2023)・円が転がった線(2024)・三角形の外接円(2025)をかきます。6 年連続で大問 6 に入っています。時間を計って 5 分以内。手が覚えていないと時間が溶けます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の食塩水と速さ。食塩水は同量混合・比を決めた混合・水を加える、の 3 通り(6 年中 5 年で大問)。天びん図が書けると 2 分で終わります。速さは 6 年連続で、「2 人が別々の条件で動いて出会う・追いつく・迎えに行く」の 3 場面が主です。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数の倍数・約数の個数を数える問題。「A の倍数だが B の倍数ではない」(2022・2023)「A でも B でもわり切れる」(2020・2024・2025)の 2 通りを、包除の考え方で 30 秒で処理します。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 国語の「生徒の話し合い」設問と、字数指定つき抜き出し。話し合いの設問は 3 年連続で物語文の締めにあり、選択肢が 8 本ある年もあって、本文に戻る作業量が大きくなります。抜き出しは三字・五字・七字・十二字と細かいので、数え間違いをゼロにします。物語文は「子どもが主人公で、身近な出来事を通して気持ちが動く」作品を中心に読んでおきます。(確認: 〜2021 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字 10 問(書き 5・読み 5)。末尾 2 枠が 3 年とも漢字です。ここで落とす失点がいちばんもったいないところです。あわせて敬語を、尊敬語・謙譲語・丁寧語の 3 分類ではなく「間違った文を直す」形で練習します。(確認: 〜2021 年度)
- [週末 60 分] 社会の憲法と三権分立。精読した 3 年すべてに大問があり、三権分立は 3 年とも 1 問ずつ入っています。前文・第 9 条・国民主権・基本的人権の 4 本を条文の言い方ごと覚えます。都道府県を「説明文から当てる」形(県名を漢字で書き、地図上の位置を番号で選ぶ)も同じ時間で練習します。(確認: 〜2015 年度)
- [週 1 回] 理科の 4 分野一問一答 15 問と、社会・理科の書く練習。理科の小問集合 15 問は基本事項の 1 行問題ばかりで、深追いより穴埋めが効きます。天体(太陽の道すじ・月の満ち欠け・星の色と季節)は小問集合の末尾に毎年あるので先に固めます。溶解度・濃度・中和の計算は理科の中でここだけ手数がかかります。火山と地層は図と用語をセットで、溶岩の性質と火山の形の関係(2015)まで踏み込みます。実験の文章を読んで「この実験は何を確かめているのか」を一言で言う練習も同じ枠で行います。社会は資料読み取りと計算(人口の増減を四捨五入して答える、地形図で 1km が何 cm になるか)と、「理由を 1〜2 文で書く」練習を週 1 回。理由を書く問いは毎年ちょうど 1 問で、「なぜそうしたのか」を資料から拾って書く形が 3 年とも共通しています。前年のニュース(国際大会・選挙・法改正・災害)を大問の入口として想定しておきます。(確認: 〜2015 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 22)
精読した年: 2020・2021・2022・2023・2024・2025(6 年)。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 小問集合 10 問 | 場合の数(3 けたの数のしりとり)+面積 | 規則性(白丸・黒丸の並び) | 食塩水(A・B・C の混合) | 速さ(池の周りのジョギング) | 円とおうぎ形(弧の組み合わせ/作図) |
| 2021 | 小問集合 10 問 | 資料の読み取り(テストの棒グラフ)+平均 | 速さ(家から公園まで・走りと歩き) | 食塩水(ビーカー A・B・C に水を加える) | 場合の数(サイコロとランプの ON/OFF) | 面積(正方形パネルの並べ方/作図) |
| 2022 | 小問集合 10 問 | 規則性(白黒タイルを規則的に並べる) | 食塩水(5% と 8% の混合) | 水量とグラフ(蛇口のひねり方で毎分の量が変わる) | 平均(20 人の小テストの表) | 円とおうぎ形(半径 2cm の円 5 個の組み合わせ/作図) |
| 2023 | 小問集合 10 問 | 規則性(数当てゲームの手順) | 食塩水(A・B・C の混合) | 速さ(2 人が別の道順で走る) | 平面図形(長方形と正方形を組んだ図形の周の長さ) | 円とおうぎ形(3 つの円と正三角形/作図) |
| 2024 | 小問集合 10 問 | 規則性(4×4 のマスの塗り方で数を表す/作図) | 場合の数(バドミントンのトーナメント)+仕事算 | 売買損益(定価の 1 割引きと 4 割引き) | 速さ(ウォーキングと迎えの自転車) | 図形の移動(円が長方形の周を転がる/作図) |
| 2025 | 小問集合 10 問 | 仕事算(2 つの蛇口と水そう) | 速さ(徒歩と途中からバス) | 食塩水(20% と 10% の混合) | 規則性(0 と 1 だけで表す整数を小さい順に) | 円とおうぎ形(二等辺三角形とその外接円/作図) |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
精読した 6 年(2020〜2025)で、次の 2 つの座席(問題の置き場所)が動いていません。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に来るという意味です。
- 大問 1 は必ず小問集合 10 問(6 年連続)。しかも中身の並びまで似ています。前半 4〜6 問が計算、その中に「□ を求める逆算」が 1 問(2021〜2025 の 5 年連続)、後半が一行題で、倍数・約数の個数を数える問題が 6 年連続(2020 (7)・2021 (7)・2022 (8)・2023 (7)・2024 (7)(8)・2025 (7))。さらに角度・面積・体積のどれか 1 問と、平均・資料の読み取り・割合の文章題が 1〜2 問入ります。
- 大問 6 は必ず作図を含む図形問題(6 年連続)。しかも 6 年すべてで「(1) で自分でかき、(2)(3) でその図形の周の長さや面積を求める」という運びになっています。2025 は「実測した値を用いなさい」とまで書かれていて、かいた図をそのまま測って答えます。
大問 2〜5 の 4 席は毎年入れ替わります。ただし入れ替わる中身のプールは狭いままです。食塩水は 2020・2021・2022・2023・2025 の 5 年(2024 だけ無い)、速さは 6 年連続(2020 大問 5/2021 大問 3/2022 は大問 1 の一行題のみ/2023 大問 4/2024 大問 5/2025 大問 3)、規則性・数列は 2020・2022・2023・2024・2025 の 5 年。この 3 つが大問 2〜5 のどこかに入るのは 6 年ともに変わりません。
頻出単元と回数(精読した 6 年)
- 食塩水の濃度 — 5 年(2020・2021・2022・2023・2025)。3 種類の食塩水を「同量ずつ」「比を変えて」混ぜる作りが 2020・2021・2023 と 3 回。
- 速さ — 6 年連続。うち「2 人が別々の条件で動いて出会う/追いつく」が 2020・2023・2024 の 3 回。
- 規則性・数列 — 5 年(2020・2022・2023・2024・2025)。並べた図形の何番目、手順の繰り返し、数の表し方の 3 通り。
- 円とおうぎ形 — 大問 6 として 2020・2022・2023・2025 の 4 回。
- 場合の数 — 2020・2021・2024 の 3 回。
- 平均・資料の読み取り — 2021・2022 は大問として、2024・2025 は大問 1 の 1 問として。精読した 6 年すべてでどこかに 1 問あります。
問い方のくせ
- 答えだけを書かせます。精読した 6 年 132 問すべてが、答えの数値を書く形か作図で、記号を選ぶ問題・説明を書く問題は 1 問もありませんでした。
- 単位つきで答えさせる問いが多くあります。「何分何秒後ですか」(2020・2023)「時速何 km ですか」(2024・2025)「何 cm² ですか」など、単位が問いの中で指定されています。
- 四捨五入の指示が入ります(2021 大問 2(2)「小数第 2 位を四捨五入して」、2021 大問 3(2) も同じ指示)。
- 身近な設定に落とします。池のジョギング(2020)、家から公園(2021)、ウォーキングと迎え(2024)、徒歩とバス(2025)、体育館のバドミントン大会(2024)と、生活の場面に置き換えた文章題が毎年並びます。登場人物に「明くん」「学くん」「明子さん」(校名から取った名前)が使われるのは 2020・2021・2023・2024 で確認できました。
- その年の数字を計算に混ぜる遊びが 2020〜2022 の 3 年で見られました。2020 大問 3(2) は「2020 番目まで」、2021 大問 1(4) は 20.21 × 80 − 20.21 × 15 + 20.21 × 35、2022 大問 1(5) は 20.22 × 58 − 20.22 × 48。いずれも「共通の数でくくると速い」計算になっています。2023 以降の 3 年では同じ作りは見当たりませんでした。
8-2. 理科(30 分・60 点)
精読した年: 2012・2013・2014・2015(4 年)。この科目は資料が 2015 年度で止まっていますので、以下は 10 年以上前の話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2012 | 3/25 | 小問集合 15 問 水溶液・三態・気体・熱・光 ふりこ・輪じく・音・電流と磁石 顕微鏡・昆虫の冬越し・血液の循環・太陽の道すじ |
気象(高気圧と低気圧・台風・空気の上昇と気温) | 植物(野菜と果物 7 種の横断面のスケッチ) | — |
| 2013 | 3/25 | 小問集合 15 問 てこ・ふりこ・斜面・浮力・凸レンズ タンポポ・光合成・川の地形・化石 金環日食・星の色・公転・熱伝導・燃焼 |
溶解度(硝酸カリウムの溶け方と濃度計算) | 生態系(少年の日記 8 文を並べ替え、鳥のつつく順位) | — |
| 2014 | 3/25 | 小問集合 15 問 ばね・回路・熱量・鏡・再結晶 濃度・燃焼・塩酸とアルミ 渡り鳥・歯・チョウの食草・メダカ たい積岩・月の満ち欠け・太陽 |
植物(光合成とフロリゲン。仮説を確かめる実験の設計) | 火山(2013 年の桜島噴火。噴石の落下と平均の速さ、台風との関係) | — |
| 2015 | 4/22 | 光(ピンホールカメラ。像の向き・大きさ・明るさ) | 中和(塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の量の関係、蒸発後の固体の重さ) | 人体(内臓の図・消化液・ヒトとフナの比較) | 火山と湖(西之島・関東ローム・溶岩の性質・沼の水の対流) |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
2012・2013・2014 の 3 年は、大問 1 が 15 問の小問集合、大問 2 と大問 3 が 5 問ずつのテーマ問題という並びで完全に一致していました(小問合計もすべて 25 問)。小問集合の中の並びも、おおむね「物理・化学」→「生物」→「地学」の順で、最後の 2〜3 問が天体という並び方をしています。
2015 でこの並びが崩れています。大問が 4 つになり、小問集合が消え、光・中和・人体・火山の 4 テーマがそれぞれ 4〜6 問になりました。この年の表紙・実施日は原本の転写では確認できないため、「2015 で作りが変わった」と言い切るのは避けます。ただ、精読した 4 年のうち 3 年と 1 年で形がはっきり違うことは事実として書いておきます。
頻出単元と回数(精読した 4 年)
- 火山・地震 — 2014 大問 3・2015 大問 4 の 2 年連続で大問。2013 も小問集合に化石と川の地形が入ります。
- 植物のつくりとはたらき — 2012 大問 3・2014 大問 2 で大問、2013 も小問集合で光合成・タンポポ。
- 水溶液の計算 — 2013 大問 2(溶解度と濃度)、2015 大問 2(中和)。2014 も小問集合で再結晶と濃度。
- 天体 — 4 年すべてで登場。小問集合の末尾(2012 太陽の道すじ・2013 金環日食と星の色・2014 月の満ち欠けと太陽)に固まります。
- 光 — 2012(台形ガラスの屈折)・2013(凸レンズ)・2015(ピンホールカメラ、大問 1 まるごと)の 3 年。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です。選択の割合は 2013 が 76%、2014 が 72%、2015 が 68%。残りは短い語句や数値を書く問いです。
- 前年に起きた自然現象を大問の入口にします。2013 は 2012 年 5 月 21 日の金環日食、2014 は 2013 年 8 月 18 日の桜島の噴火、2015 は西之島の拡大。3 年連続でこの作りがあります。
- 選択肢の中に計算が埋まっています。2014 大問 1(3) の「20℃の水 150g に 80℃の水 50g を混ぜると何℃か」のように、記号を選ぶ形でも実際は計算しないと答えが出ない問いが混じります。
- 実験の道筋をたどらせます。2014 大問 2 のフロリゲンは実験 1〜3 を読んで仮説を確かめる作り、2015 大問 2 は実験 1 と実験 2 の結果を突き合わせて量を出す作りです。
- 説明を書かせる問いは 2014 に 1 問(フロリゲンの作られ方)、2015 に 1 問(沼の水が対流する条件)。どちらも字数の指定は無く「説明しなさい」だけでした。
8-3. 社会(30 分・60 点)
精読した年: 2013・2014・2015(3 年)。この科目も資料が 2015 年度で止まっています。以下は 10 年以上前の話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2013 | 5/27 | 会話文(ロンドン五輪・時差・本初子午線・開催国の統計) | 北海道の地形と農業・気候 | 写真と解説文(吉野ヶ里遺跡ほか。記述 1 問) | 新聞記事(竹島問題の歴史。江戸〜戦後を横断) | 憲法と人権・三権分立・労働者の権利・消費税 |
| 2014 | 5/27 | 邪馬台国と渡来人(原始・古代) | 自校の歴史(2013 年の創立 150 周年を入口に幕末〜戦後) | 人口の将来推計(表の読み取りと計算。記述 1 問) | 近畿地方の地図と地形図の読図 | 日本国憲法の公布・三原則・三権分立 |
| 2015 | 4/25 | 大日本帝国憲法と日本国憲法(記述 1 問) | 4 県の説明文から県名・位置・農業・雨温図・自動車の海外生産 | 大宰府と対外関係史(後漢〜鎌倉) | 2020 年の東京五輪決定を入口に 1964 年前後 | — |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
大問の位置は年によって動きます。2013・2014 は憲法・政治の大問が最後(大問 5)だったのに、2015 は先頭(大問 1)に来ています。地理も 2013 は大問 2、2014 は大問 3・4、2015 は大問 2 と、座席が定まりません。社会は毎年組み直していると考えたほうがよいでしょう。
そのかわり、中身の枠は 3 年とも同じです。精読した 3 年すべてに、(a) 憲法・政治の大問 1 つ、(b) 地理の大問 1〜2 つ、(c) 歴史の大問 1〜2 つ、(d) 説明・理由を書かせる問い 1 問、が必ず入っています。説明を書かせる問いが「ちょうど 1 問」で 3 年一致しているのは目を引きます(2013 は弥生集落が堀と柵で囲まれた理由、2014 は福島県の転出者が増えた理由、2015 は衆議院の優越の理由)。
頻出テーマと回数(精読した 3 年)
- 日本国憲法・三権分立 — 3 年連続で大問。しかも 3 年とも「三権分立」の問いが 1 問ずつ入ります。
- 都道府県の同定 — 2013(北海道)・2014(近畿の地図と表)・2015(4 県の説明文と地図番号)の 3 年連続。
- 五輪 — 2013(2012 年ロンドン)・2015(2020 年東京決定と 1964 年)の 2 回。
- 近現代(幕末〜戦後) — 3 年連続。2013 は竹島問題を軸に、2014 は自校の歴史を軸に、2015 は 1964 年前後。
- 地形図・雨温図・統計表の読み取り — 2014 大問 3(人口推計表)と大問 4(2 万 5 千分の 1 地形図)、2015 大問 2(雨温図と自動車生産のグラフ)。
問い方のくせ
- 長い素材文を読ませてから聞きます。会話文(2013 大問 1)、新聞記事(2013 大問 4)、写真の解説文(2013 大問 3)、県の説明文(2015 大問 2)と、リード文が長めです。導入文の分量は 1 年あたり 1,800 字前後あります。
- 答えの書き方を指定します。「漢字で答えなさい」「カタカナで答えなさい」「漢字 2 字で答えなさい」(2015 大問 3 問 2)が多用されます。字数を指定して書かせる問いは、精読した 3 年で 1 問もありませんでした。
- 誤りを 1 つ選ばせます。「誤っているものを 1 つ選び」「間違っているものを 1 つ選び」「正しくないものを」が毎年 3〜5 問。ア〜エの全文を読ませる作りで、消去法が使いにくくなっています。
- 資料から数値を出させます。2014 大問 3 問 1「2010 年と 2050 年を比べて何百万人減るか。十万の位を四捨五入して」、同大問 4 問 5「1km はこの地形図では何 cm か」。社会でも計算が入ります。
- 年代の並べ替え(2013 大問 4 問 7)と組み合わせを選ばせる問い(2013 大問 2 問 1、2015 大問 2 問 3)が入ります。
- 前年のできごとを入口にします。2013 は 2012 年のロンドン五輪とノーベル平和賞と消費税増税法案、2014 は 2013 年の自校 150 周年と 2011〜2012 年の福島の人口移動、2015 は 2013 年に決まった 2020 年東京五輪。3 年連続でこの作りがあります。
8-4. 国語(50 分・100 点)
精読した年: 2019・2020・2021(3 年)。2022 年度以降の国語は資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)状態です。ここに書いたのは 2019〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 構成 | 中身 |
|---|---|---|
| 2019 | 7 ブロック/24 問 | ① 物語文(祖父の葬儀の日の少年。10 問) ② 詩(「水は つかめません」で始まる口語自由詩。5 問) ③ 短歌・俳句 4 首(石川啄木・持統天皇・松尾芭蕉ほか。5 問) ④ 敬語の直し ⑤ 慣用句・ことわざ ⑥ 漢字の書き取り ⑦ 漢字の読み |
| 2020 | 7 ブロック/35 問 | ① 物語文(下村湖人『論語物語』より。孔子と関守。11 問) ② 実用文(サッカーチームの試合案内。集合場所・乗換駅・敬語の直し。6 問) ③ 短歌・俳句 3 首(3 問) ④ 慣用句の用法(2 問) ⑤ 四字熟語・語彙(2 問) ⑥ 漢字の書き取り 5 問 ⑦ 漢字の読み 5 問 |
| 2021 | 5 大問/29 問 | ① 物語文(重松清『五年生』より。夏休みの宿題とマラソン。9 問) ② 詩(吉野弘『吉野弘詩集』より。雪の白さ。6 問) ③ 敬語(レストランの会話を直す。4 問) ④ 漢字の読み 5 問 ⑤ 漢字の書き取り 5 問 |
出典は原本の本文末尾の表記で確かめたものだけを挙げています。2019 年度は本文末尾に出典の表記が見当たらなかったので、作品名は書いていません。
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
精読した 3 年で、次の 3 つが動いていません。
- 先頭は必ず物語文の読解(3 年連続)。しかも 3 年とも子どもが主人公の物語で、小問は 9〜11 問です。
- 末尾の 2 枠は必ず漢字(3 年連続)。2019・2020 は「書き取り → 読み」、2021 は「読み → 書き取り」で順序だけ入れ替わります。読み 5 問・書き 5 問が 2020・2021 の 2 年で一致しています。
- 物語文の最後の設問は、必ず「生徒の話し合い」の形(3 年連続)。2019 は問十で生徒 A〜H の 8 人、2020 は問十一で A〜D の 4 人、2021 は問九で A〜H の 8 人が作品について話し合い、その中から本文と食い違う発言を選びます。2021 は詩(大問 2)の最後もこの形で、2019 は詩の最後が「もっともよく理解している人はだれか」という同じ作りでした。この学校を受けるなら、この設問の練習だけは必ずしておきたいところです。
中間の枠(詩・短歌俳句・敬語・慣用句・語彙・実用文)は年ごとに顔ぶれが変わります。ただし韻文が毎年 1 つ以上入る(2019 は詩と短歌・俳句の両方、2020 は短歌・俳句、2021 は詩)のと、敬語の直しが 3 年連続で入る(2019 は独立の大問、2020 は実用文の中の 1 問、2021 は独立の大問)のは 3 年とも共通しています。
頻出と回数(精読した 3 年)
- 漢字の書き取り・読み — 3 年連続、末尾 2 枠。2020・2021 は各 5 問ずつの計 10 問。
- 語句の意味を選ぶ問い — 3 年連続で物語文の中に。2019 は 4 語、2020 は 3 語、2021 は 4 語をまとめて 1 問にしています。
- 敬語 — 3 年連続。「私の父が今後ともよろしくとおっしゃっていました」(2019)のような、身内に尊敬語を使った文を直させる作りが中心です。
- 韻文 — 3 年連続。詩は表現技法(省略法・体言止めなど)と連の数、短歌・俳句は季語・切れ字・時代順の並べ替え。
- 抜き出し — 3 年連続で 3〜4 問。「三字で」「五字で」「七字で」「十二字で」と字数を指定して抜かせる形。
問い方のくせ
- 記号選択と抜き出しで組み立てます。精読した 3 年で、自分の言葉でまとまった文章を書かせる問いはほとんどありません。2021 大問 2 問一「こらえているのは何か、答えなさい」のような短答(語句や数値を短く答える形式)が 1〜2 問あるだけで、心情説明も理由説明も選択肢から選ぶ形になっています。
- 抜き出しには必ず字数の指定がつきます。2019 大問 1 問一「三字で書き出しなさい」、同問二「最初の五字で(句読点は一字とする)」、2020 問三「七字で抜き出して」、2021 大問 1 問六「十二字で」。字数を数える手間が毎年あります。
- 本文の言葉を使って空欄を埋めさせます(2020 問八「指定された字数で本文の言葉を使って答えなさい」、2021 大問 2 問四は「A は詩中から抜き出し、B は語群から選ぶ」の組み合わせ)。
- 実用文が入る年があります(2020 大問 2 のサッカーチームの案内文)。集合場所・乗換駅・提出者を案内文から正確に読み取らせる作りで、物語文とは別の読み方が要ります。
- 接続語・空欄補充(2021 大問 1 問三)と主語を一文節で答える(2020 2(3))のような文法の問いが 1〜2 問混じります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した年の中で「あったのに最近は無い」ものです。捨てると事故になります。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 中身と注意 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形 | 2023 | 精読した 6 年では大問になっていませんが、大問 1 の最後の枠には円柱の体積(2020 大問 1(10)・2021 大問 1(10))、円すいの表面積(2023 大問 1(10))として毎年のように入ります。自動集計では 2013・2015 に立体の大問があった記録があります。大問 1 の最後の枠で必ず点にできるようにしておきます |
| 算数 | 水量とグラフ | 2022 | 2022 大問 4。6 年に 1 度。プールに入っているので捨てられません |
| 算数 | 売買損益 | 2024 | 2024 大問 4。6 年に 1 度 |
| 算数 | 図形の移動 | 2024 | 2024 大問 6。大問 6 が「移動」に振れた年で、円が転がる問題は他の年の作図問題より手数が多くなります |
| 国語 | 説明文・論説文 | 2017(自動集計の記録) | 精読した 3 年の先頭はすべて物語文で、説明文の大問が 1 度もありませんでした。自動集計では 2017 年度に「批判的読み」の大問があった記録があります。説明文が出ない前提で準備するのは危ないところです |
| 国語 | 短歌・俳句 | 2020 | 2019・2020 と 2 年続いたあと 2021 で消えました。季語・切れ字・表現技法は落とさないようにしておきます |
| 国語 | 文法(品詞・活用) | 2020 | 2020 に主語を答える問いが 1 問だけ。自動集計では 2015・2016 に独立の枠があった記録があります |
| 理科 | 電気回路 | 2014 | 2012 大問 1(9)・2014 大問 1(2) と小問集合には出ますが、精読した 4 年で大問になっていません |
| 理科 | てこ・輪じく・ばね | 2014 | 2012・2013・2014 の小問集合に毎年 1〜2 問。大問になった年は精読した範囲にありません |
| 理科 | 気象 | 2012 | 2012 大問 2 でまるごと 1 大問。以後 3 年は大問として出ていません |
| 社会 | 地形図の読図 | 2014 | 2014 に大問の中で 2 問出たきり。縮尺の計算まで含めて練習しておきます |
| 社会 | 公害・環境 | 2015 | 2015 大問 4 問 2(水俣病)、2014 大問 3 問 5(震災後の人口移動)と毎年ふれられていますが、大問になった年は精読した範囲にありません |
| 社会 | 貿易・資源 | 2015 | 2015 大問 2 の石見銀山と自動車の海外生産で顔を出す程度です |
10. 形式面の注意
- 算数は答えのみです。精読した 6 年 132 問すべてが、数値を書くか作図するかのどちらかで、記号選択も説明もゼロでした。式や考え方を書く欄があるかどうかは、この資料からは分かりません。
- 算数の作図は毎年 1〜2 問あります(6 年連続で大問 6 に)。コンパスと定規が要ります。2025 は「実測した値を用いなさい」とあり、かいた図を測って答えます。2024 は大問 2(2)(マスの塗り分け)と大問 6(1)(円の中心が通る線)の 2 か所、2025 は大問 6 の (1)(2) が続けて作図でした。
- 算数の円周率の扱いは確認できていません。設問文の転写に指定が見当たらないので、市販の過去問集で確かめてください。実物の表紙・注意書きにはある可能性が高いところです。
- 算数は単位が問いの中で指定されます(「何分何秒後ですか」「時速何 km ですか」)。四捨五入の指示(「小数第 2 位を四捨五入して」)も入ります。
- 算数は大問 1 が 10 問・全体 22 問で 50 分。単純計算で 1 問あたり 2 分強しかありません。大問 1 を 15 分以内で抜ける速さが要ります。字数を指定して書かせる問題は、精読した 6 年で 1 問もありませんでした。
- 国語は字数指定つきの抜き出しが毎年あります。三字・五字・七字・十二字と細かく、「句読点は一字とする」の指定も入ります。まとまった記述はほぼありません。
- 国語は 50 分で 24〜35 問。2020 は 35 問あり、1 問あたり 1 分半しかありません。漢字 10 問を 3 分で片づけて読解に時間を残す配分が要ります。本文の分量は 3 年とも多め(物語文と韻文の本文を合わせて A4 で 20 ページ換算を超える年がある)で、速く読む力が要ります。
- 社会は答え方の指定が多くあります。「漢字で」「カタカナで」「漢字 2 字で」。字数を指定して書かせる問いは、精読した 3 年で 1 問もありませんでした。
- 社会は 30 分で 25〜27 問。リード文が長いので、先に設問を見てから本文に戻る読み方が要ります。記号選択が 44〜64%、語句を書く問いが 32〜52%、説明を書く問いが毎年 1 問。地図・表・グラフ・地形図が付く小問が全体の 3 割ほどで、地形図は 2 万 5 千分の 1(国土地理院)が使われていました(2014)。
- 理科は 30 分で 22〜25 問。1 問 1 分強で、小問集合 15 問は 10 分以内に抜けたいところです。作図は 2012 大問 2(5)(月の見え方)で 1 問見つかりました。2013・2014・2015 の 3 年では 1 問もありません。四捨五入の指示つきの計算(2013 大問 2(1)「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」)が入ります。
- 社会・理科は記号選択が主軸です(社会 44〜64%、理科 68〜76%)。「誤っているものを 1 つ選び」「すべて選び」「2 つ選び」が混在するので、指示の読み飛ばしが致命傷になります。「すべて選び、記号で答えなさい」(2014 大問 1(4)、2015 大問 1(3) は「2 つ選び」)という完答の問いが混じり、1 つだけ選ぶ問題と混ざっています。
- 説明を書かせる問いは、社会が毎年ちょうど 1 問、理科が 2014・2015 に 1 問ずつです。どちらも字数の指定はありません。
- 時間はどの科目もきついところです。算数 22 問 50 分、国語 24〜35 問 50 分、理科 22〜25 問 30 分、社会 25〜27 問 30 分。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
- 計算の正確さを最優先にします。この学校の算数は大問 1 の 10 問がすべて答えのみで、うち 4〜6 問が純粋な計算です。分数と小数のまじった四則計算、かっこの多い式、工夫してくくる計算の 3 つを、小 4 のうちに「間違えない」水準にしておきます。
- 定規とコンパスを使う習慣を作ります。大問 6 の作図は 6 年連続で出ているのに、多くの子は答案として図をかいた経験が少ないままです。円をかく、正三角形をかく、垂直二等分線をかく、を遊びの延長でやっておくと後で効きます。
- 漢字の読み書きを毎日。国語の末尾 2 枠は 3 年とも漢字で、書き 5 問・読み 5 問の年があります。ただし 2022 年度以降は国語の資料がありません(→ 13 節)。
- 物語文を読んで「誰がどう思ったか」を口で言う練習をします。この学校の国語は 3 年とも物語文が先頭でした。
- 時間はまだ計らなくてよい段階です。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分は算数の単元を 1 つずつ、週末の 60 分は理科・社会・国語にあてる割り付けです。
- この学校の単元プールを一巡します。算数なら、四則計算・逆算・倍数と約数・角度・平面図形の面積・立体の体積と表面積・平均・資料の読み取り・割合と比・食塩水・速さ・規則性・場合の数・仕事算・売買損益・水量とグラフ・図形の移動・円とおうぎ形の順で進めます(食塩水・仕事算・売買損益は受験用教材の単元です)。8-1 の題材表がそのまま「小 5 で一巡する単元リスト」になります。平日 15 分×5 で 1 週に 2〜3 単元というペースです。
- 理科は 4 分野をまんべんなく。この学校の小問集合は物理・化学・生物・地学が均等に並ぶ作りでした(2012〜2014)。得意分野を作るより、穴を作らないほうが効きます。ただし 2016 年度以降は理科の資料がありません(→ 13 節)。
- 社会は都道府県を「説明文から当てる」形で。3 年連続でこの形が出ています。県名は漢字で書けるようにします。ただし 2016 年度以降は社会の資料がありません(→ 13 節)。
- 国語は、詩と短歌・俳句の用語(連・体言止め・省略法・切れ字・季語)を小 5 で入れておきます。韻文が毎年 1 つ以上あります。敬語の直しも同じ時期に。週末 60 分のうち 20 分をここにあてる形です。
- 記述の負担が軽い学校なので、小 5 の時点で長い記述の練習に時間を割く必要は薄いところです。そのぶんを単元の一巡と計算の速さに回せます。
小 6(仕上げ)
- 7 節に挙げた項目が、そのまま小 6 の課題になります。
- 過去問の使い方は「同じ座席(問題の置き場所)を縦に解く」が効く学校です。算数なら大問 1 だけを 6 年分続けて解く、大問 6 だけを 6 年分続けて解く、という縦読みができます。国語も「物語文の最後の話し合い設問」だけを 3 年分続けて解けます。
- 縦読みで解き方の手順が入ったあと、9 月以降に年度通しで 50 分を計ります。算数は 22 問 50 分で 1 問 2 分強、国語は 35 問の年があって 1 問 1 分半しかありません。時間切れが最大の敵です。
- 理科・社会は資料が 2015 年度までしかないので、過去問だけに頼らず、市販の過去問集で直近の形式を確認してから配分を決めます(→ 13 節)。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは、小 5 での全分野の一巡より、小 4 からの「計算の速さ」と「手で図をかく経験」です。算数の大問 1 は 6 年連続で 10 問あり、ここを 15 分で抜けるかどうかで残り 5 大問にかけられる時間が 35 分にも 20 分にもなります。この差は小 6 の直前期に埋めるのが難しいところです。また大問 6 の作図は 6 年連続で出ているのに、市販の問題集では作図の量が少なめです。小 4 のうちからコンパスと定規に慣れておくと、小 6 で「かき方を思い出す時間」がゼロになります。逆に、記述の量が 4 科目とも少ない学校なので、長文を書く訓練に早くから時間をかける価値は薄いところです。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。
- 横須賀学院中学校(神奈川県) — 算数の作りがとくに近く、理科・社会も近い数字が出ています。国語の比較ができるだけの資料がありません。
- 麴町学園女子中学校(東京都) — 4 科目すべてで近い数字が出ていて、社会がとくに近い相手です。女子校なので男子には使えません。
- 創価中学校(東京都) — 理科・社会が近い相手です。算数はやや離れ、国語の比較ができません。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
この一覧は、科目ごとの大問数・小問数・答え方の割合・図表の多さ・同じ位置に来る単元・単元の分布から自動集計で出した「出題構造の近さ」に基づきます。同じ問題が出るという意味ではありません。
第 1 回は 2 科(国語・算数)なので、併願先が 4 科目校の場合、理科・社会は第 1 回の準備とは別に立てる必要があります。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。この学校は 2 科の第 1 回、4 科の第 2 回、4 科の第 3 回という 3 つの回を持ちますが、使った資料は年ごとに 1 冊しか掲載されていません。理科と社会が載っている年(2010〜2015)は 4 科の回、算数と国語だけの年は回が判別できません。表紙の回名まで確認できる転写ではないので、「第 1 回の傾向」とは断定できません。
- 科目ごとに年数が大きく違います。算数は 2025 年度まで 14 年分あるのに、理科と社会は 2015 年度、国語は 2021 年度で止まっています。理科・社会の記述は 10 年以上前の資料に基づくもので、そのまま今の傾向とは言えません。
- 2020 年度の国語は、大問の切れ目が資料の上で壊れていました。7 つのまとまり(物語文・実用文・韻文・慣用句・語彙・漢字書き・漢字読み)が 1 件に畳まれ、もう 1 件が中身の無い空の枠として残っていました。設問番号が「問一〜問十一」のあとに「1」「2(1)」と振り直されているので、実際には 7 つの独立したまとまりだと判断して数え直しました。大問の数だけを見た集計(この年を「2 大問」とする集計)は使っていません。
自動集計と原本が食い違っていた点
- (a) 国語について「字数指定のある年は 0%」という集計がありましたが、原本では 3 年すべてに字数指定つきの抜き出しがありました。
- (b) 理科について「説明を書かせる問いは 0%」という集計がありましたが、2014・2015 に 1 問ずつありました。
- (c) 理科の大問 1 が「物理の大問」として 2012〜2015 の 4 年連続と索引に載っていますが、原本では 2012・2013・2014 の大問 1 は 15 問の小問集合で、先頭の 1 問が物理というだけであり、2015 の大問 1 は光のテーマ問題でした。
- (d) 社会について「字数指定のある年が 40%」という集計がありましたが、原本にあったのは「漢字で」「カタカナで」「漢字 2 字で」という文字の種類の指定で、字数の指定ではありませんでした。
いずれも原本を優先して書いています。
そのほか
- 国語の出典一覧に漏れがあります。2020 年度の下村湖人『論語物語』と 2021 年度の吉野弘『吉野弘詩集』(詩)は、原本の本文末尾に表記があるのに一覧に載っていません。2021 年度の重松清『五年生』と 2018 年度の遠藤周作『海と毒薬』は原本の表記と一致していました。
- 転写に読み落としがある可能性があります。原本は問題冊子を文字に起こしたもので、図そのものは文章での説明に置き換わっています。図の細部(角度・長さ・目盛り)を要する問題は、実物の過去問集で確認してください。設問文の中にも明らかな誤字(「高さがい 1.5cm」など)が残っており、実物と細部が違う可能性があります。
- 円周率や解答用紙の指定は確認できていません。算数の円周率の扱い、式や考え方を書く欄の有無、解答用紙の作図欄の大きさは、この資料からは分かりません。
- 「〜のように見えます」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけとなる資料はありません。
- 難易度・合格可能性・お子さんとの相性、入試結果、学校の理念については、このページでは扱っていません。
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