東京学芸大学附属世田谷中学校 の過去問分析
東京学芸大学附属世田谷中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
東京学芸大学附属世田谷中学校 過去問分析(2014〜2026 年度・回の区別なし・科目により 3 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 東京第一師範学校男子附属中学校(1947 年の開校時)/東京学芸大学東京第一師範学校世田谷中学校(1949 年に改称) |
| 出願期間(2027 年度・一般入試) | 2026 年 12 月 19 日 0:00 〜 2027 年 1 月 6 日 23:59 |
| 入試回・試験日・募集人員 | 募集要項の該当項目がこの資料に入っていません。学校の公表資料で確認してください |
| 科目・試験時間・配点・面接 | 募集要項の該当項目がこの資料に入っていません。学校の公表資料で確認してください(過去問の冊子からも確認できませんでした → 13 節) |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の数は年で動きますが、並びは動きません。算数は 7 → 4 → 4(2021・2025・2026)、社会は 8 → 7 → 6、理科は 5 → 6 → 5 と数が変わる一方で、同じ位置に同じ種類の問題が来ます。
- 社会がいちばん固く、大問 1 = 世界地図と語句(赤道の位置を問う設問が 3 年連続)、大問 2 = 日本の一地方、中盤 = 歴史、最後 = 公民という並びです。算数は大問 1 = 小問集合、大問 3 = 資料・グラフの読み取り、最後の大問 = 説明を書かせる図形か規則性。
- 4 科目に共通して、答えを出すだけでなく「なぜそうなるか」「あなたならどうするか」を書かせます。算数は精読した 3 年すべてに「説明しなさい」があり、理科は記述が全体の 16〜33%、国語は最後に自分の考えを書かせます。
家でやること 3 つ
- 社会の大問 1・大問 2 を 3 年ぶん続けて解きます(世界地図の赤道・大陸と、日本の一地方)。
- 算数の大問 3(資料・グラフ)を 3 年ぶん続けて解きます(2021 の食品ロス、2025 の新紙幣切替率、2026 の生徒会の調査)。
- 理科の電気回路を「条件から回路を作る」向きで練習します(2021・2025・2026 と 3 年連続)。
今週やる 1 つ
- 算数の「説明しなさい」を 1 問だけ選んで、3〜4 行の答案にしてみます(2021 の五角形の内角の和、2025 の直角三角形になる理由、2026 の電車のグラフ)。
注意
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)、ここに書いた国語の話は 2014〜2018 年度に限られます(→ 13 節)。試験時間と配点も資料からは分かりませんでした(→ 1 節・13 節)。
4. 資料の状況
手元にあるのは、この学校の入試問題の転写データです(転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です)。どの年をどこまで見たかを 3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。科目ごとに揃っている年が違うので、科目ごとに直近の 3 年ぶんを原本で精読しました。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2021・2025・2026) | 2014〜2018 年度(大問として見えた単元だけ → 9 節) | 2014〜2026 のうち 7 年 |
| 理科 | 3 年(2021・2025・2026) | 2013・2015・2016 年度(同上) | 2013〜2026 のうち 8 年 |
| 社会 | 3 年(2021・2025・2026) | — | 2013〜2026 のうち 9 年 |
| 国語 | 3 年(2014・2016・2018) | — | 2014〜2018 のうち 3 年 |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、国語について書いたことは 2014〜2018 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- もう一つの制約として、この学校の入試回を資料から区別できません。1 つの年度につき 1 種類の冊子しか無いので、複数回の入試が行われている場合、ここに書いたのはそのうちの 1 つについての話になります。
- 試験時間と配点は資料からは分かりませんでした(1 節のとおり、学校の公表資料で確認してください)。
5. 一番大きな結論
この学校の出題は「大問の数」ではなく「大問の並び」が固まっています。
大問の総数は年によってはっきり動きます。算数は 7 → 4 → 4(2021・2025・2026)、社会は 8 → 7 → 6、理科は 5 → 6 → 5。数だけ見ると毎年つくり直しているように見えます。ところが同じ位置に同じ種類の問題が来るという点では、精読した 3 年がよく揃っています。
| 科目 | 精読した 3 年で確認できた並び |
|---|---|
| 算数 | 大問 1 = 小問集合(1 問目は必ず計算そのもの)/大問 3 = 資料・グラフの読み取り/最後の大問 = 説明を書かせる図形か規則性 |
| 社会 | 大問 1 = 世界地図と語句(赤道の位置を問う設問が 3 年連続で入る)/大問 2 = 日本の一地方を丸ごと/中盤 = 歴史/最後の大問 = 公民 |
| 理科 | 生物・地学・化学・物理が毎年そろう。2025・2026 の 2 年は大問 1 = てこのつり合い、大問 2 = スイッチと豆電球の回路まで一致 |
| 国語 | 大問 1 = 漢字 10 問/最後に「あなたの考え」を書かせる(精読した 2014・2016・2018 の 3 年) |
これは同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所(座席=問題の置き場所)に出るという意味です。素材は毎年変わります。社会の大問 1 は 2021 が世界の 2 つの図、2025 がオーストラリア、2026 が世界の大陸地図というふうに、赤道を問うという設計だけが残って中身は入れ替わります。
例外的に、設問文そのものが繰り返された例も見つかりました。社会の大問 1 の導入文『次の地図や語句について、あとの問いに答えなさい。』は 2025 と 2026 で同じ、その中の『次の 2 つの文章で述べられている語句を、それぞれ答えなさい。』も 2025 と 2026 で同じでした。国語では 2014 年度の漢字『運命に身をゆだねる。』が 2018 年度にそのまま再登場しています(いずれも両年の原本を突き合わせて確認しました)。
過去問の使い方としては、同じ座席を縦に解くのが最も効きます。年度通しで時間を計るのは後回しでよく、まず「社会の大問 1 だけを 3 年ぶん」「算数の大問 3 だけを 3 年ぶん」というふうに横断して解くと、この学校が何を繰り返し測ろうとしているかが短時間で見えます。
そしてもう一つ、4 科目に共通する性格があります。答えを出すだけでなく「なぜそうなるか」「あなたならどうするか」を書かせる問題が、算数にも理科にも国語にも入っています。算数は精読した 3 年すべてに「説明しなさい」があり、理科は記述が全体の 16〜33%、国語は最後に自分の考えを書かせます。ここを避けて通ることはできません。
6. この学校らしさが出る場所
- 身の回りと地域が題材になります。 算数 2021 は世田谷区の地図から面積を見積もらせ、理科の登場人物は「世田谷さん」「深沢さん」「駒沢さん」「野沢さん」、理科 2026 は多摩川の上流と世田谷区付近の川原を比べます。社会 2026 は「東京学芸大学の歴史」を年表にして、近代史と戦後史の大問 2 つに仕立てていました。自分の足元から問いを立てるという色が、4 科目に広がっているように見えます。
- 正解が一つに決まらない問いを平気で入れます。 理科 2025 は『ネジバナについてあなたが調べてみたいことを書きなさい。なおこの問題に正解はありません』、2026 は「あなたができる熱中症対策」「水害の被害を減らすためにあなたができる対策」。いずれも例を先に見せて「例と同じ内容ではいけません」と釘を刺すという同じ作りで、2025・2026 の 2 年に共通していました。
- 会話文で考え方の途中まで見せます。算数 2025 の太郎さん・花子さん、2026 のアキラさん・ユリカさん、理科 2026 の世田谷さんと谷先生、社会 2026 の先生と生徒のやりとり。式や見通しが会話に半分書かれていて、その続きを埋めさせます。人の考えを読んで引き継ぐという作業が繰り返し求められます。
- 実験や調査を「設計する側」に立たせます。理科 2021 の『削り屑が何かを決める実験方法を書きなさい』、2026 の『仮説の文を完成させなさい』『対照実験はいらないという意見に賛成か反対か、理由を書きなさい』。算数 2026 の「予想がどのように間違っていて、どんなデータを集めれば明らかにできるか」も同じ性格です。確かめ方そのものを問う設問が、算数と理科をまたいで置かれています。
- 社会は前の年のニュースを語句として少しだけ混ぜます(2021 の感染症をめぐる語句と WHO、2026 の第 9 回アフリカ開発会議と 2025 年 7 月の参議院議員選挙)。時事だけの大問は精読した 3 年にありません。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前の方は、単元そのものに関わる 1・3・6 を先に、書き方に関わる 2・4・8 を後に回してください。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 社会・大問 1 と大問 2 を 3 年ぶん続けて解く — 世界地図の赤道・大陸と、日本の一地方(県庁所在地・雨温図・地形・産業)。この学校で最も戻ってくる場所です。3 年ぶん続けて解けば「世界地図で赤道と大陸/日本の一地方を県庁所在地から海流まで」という同じ道具立てが繰り返されるのが体感できます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3(資料・グラフ)を 3 年ぶん続けて解く — 2021 の食品ロス、2025 の新紙幣切替率、2026 の生徒会の調査。素材は違うのに聞かれ方は近いことが体感できます。素材は毎年違うので「同じ問題」を覚える意味はなく、表とグラフを見て 30 秒で何が縦軸・横軸かを言える練習に使います。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・電気回路を「条件から回路を作る」向きで練習する — 2021(作図 2 問)・2025(スイッチの組み合わせをすべて選ぶ)・2026(作図 1 問)と 3 年連続です。「与えられた回路の電流を計算する」ではなく「点灯の条件から回路を作る・特定する」向きで、3 年ぶんを続けて解くのが一番効率のよい形です。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数・「説明しなさい」の答案と、小問集合・規則性 — 「説明しなさい」は 3〜4 行で書く練習を。2021 の五角形の内角の和、2025 の直角三角形になる理由、2026 の電車のグラフはどれも答えは分かるのに説明しづらい題材ばかりで、式だけ書いて終わらないようにします。大問 1 の小問集合は時間を計って解きます。2025 は 11 問、2026 は 9 問あり、ここでの取りこぼしが一番痛いところです。規則性は「1 番目・2 番目・3 番目」と続く問題を、平面(正三角形の増え方)と立体(立方体の積み上げ)の両方で。2026 は式そのものを書かせています。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 漢字と語彙 — 社会は都道府県名・県庁所在地・地形の名前を漢字で書けるようにします。「漢字で書きなさい」「カタカナ 7 文字で」と文字の種類まで指定してくるので、書けないと落とす作りです。国語は漢字 10 問を過去問で解き直します(精読した年の範囲で、4 年をへだてて同じ漢字が再登場した実例があります)。書き取り中心で、送りがなまで書かせる形に慣れます。空欄補充と語句の言い換えを選択肢で処理する速さも、小問が 27〜37 問と多いぶん効きます。(確認: 社会は〜2026 年度・国語は〜2018 年度)
- [週 1 回] 理科・4 分野を均等に — 生物・地学・化学・物理が毎年そろうので、1 分野を捨てると大問 1 つぶんを失います。気象は精読した 3 年に無いぶん、戻ったときに備えて基礎は入れておきます。あわせて、生活の中の現象(蒸発・乾燥剤・保冷剤・経口補水液・川原の石)に理科の言葉を当てる習慣を。ニュースの用語を覚えるという意味ではなく、身近な現象を実験の形に置き直す練習としてです。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・「間違っているものをすべて選べ」と、歴史の並べ替え — 社会の選択問題の多くがこの形です。正しい選択肢を 1 つ見つけて満足せず、4 つの選択肢を全部判定する読み方を身につけます。歴史は年号ではなく並べ替えができる形で覚えます(2026 は並べ替えだけで 3 問ありました)。前年のニュースは、用語(会議名・選挙・国際機関)を答えられる程度に。深追いは不要です。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 書き方をつくる(理科の記述と国語の意見文) — 理科の記述は「1〜2 行」と「数行」で書き分けます。設問文にその指示が書かれています。とくに実験の条件をそろえる理由(2025 の袋かけ、2026 の対照実験・袋 A)を言葉にします。「あなたならどうするか」に答えるときは、目的と手段を分けて 2 文で書く練習を。理科の 2026 は「『何をするため』に『どのような対策をする』か、それぞれ分けて書きましょう」と設問文が書き方まで指定しています。国語の「あなたの考えを 120 字で」に類する作文は、本文の内容を踏まえたうえで書き、感想文にならないよう本文の言葉を 1 つは引きます。2 つの文章を読み比べて共通点・違いを言う練習も、2018 のような出題に備えて入れておきます。(確認: 理科は〜2026 年度・国語は〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固まり方 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 大問数は動く(精読した 3 年で 7・4・4)が、小問数は 18〜20 で安定。並びは動かない | 資料・グラフの読み取りと規則性が軸。説明を書かせる問題が毎年 2〜3 問 | グラフの読み取りと、「図・式・言葉で説明する」答案の書き方 |
| 理科 | 大問 5〜6・小問 19〜21 で安定。分野は 4 つそろう | 電気回路が 3 年連続。実験の条件と目的を言葉にさせる | 回路を「条件から作る」練習と、1〜2 行の説明の練習 |
| 社会 | 大問 6〜8・小問は 32〜50 と幅がある。並びは 4 科目でいちばん固い | 記号選択が主軸だが「すべて選べ」「間違っているものを選べ」が多い。語句は漢字で書かせる | 大問 1・2 を年度縦断で解くことと、都道府県・地形の漢字書き |
| 国語(2014〜2018) | 大問 3〜4・小問 27〜37。大問 1 は漢字 10 問で動かない | 論説・小説・随筆・新聞コラムまで幅広い。最後に自分の考えを書く | 漢字 10 問の確実化と、120 字前後の意見記述 |
8-1. 算数(2021・2025・2026 年度を原本で精読)
年度×大問の題材表(前半の大問)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 7/18 | 小問集合(計算・単位・角度 2 問) | 場合の数(0〜9 のカード) | 資料の読み取り(食品ロスの積み上げ棒グラフ) | 規則性(かけ算の表) |
| 2025 | 4/19 | 小問集合 11 問(計算 平均の速さ 場合の数 円柱の水量 さいころの展開図 おうぎ形と正方形 約数と直方体 展開図 正三角形の増え方) |
数の性質(覆面算の筆算 3 題) | 資料の読み取り(新紙幣切替率の折れ線グラフ・予想の当否を説明) | 場合の数・角度(円周 12 等分の点と輪ゴムの三角形・直角になる理由の説明) |
| 2026 | 4/20 | 小問集合 9 問(逆算(□にあてはまる数を求める計算)2 問 わり算の等式 A より大きくなる式 割合 円の面積比 相似な三角形の個数) |
速さとグラフ(電車の速さ‑時間グラフを読む・説明・距離と対応するグラフ選び) | 資料の読み取り(生徒会の 4 つの調査結果の表・グラフの選び方・予想の誤りを説明) | 規則性・立体(立方体を積む立体の体積と表面積) |
年度×大問の題材表(後半の大問)
| 年度 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 場合の数・仕事算(分担したときの日数を求める・受験用教材の単元。バスケの総当たり戦の時間割) | 縮尺(世田谷区の地図の面積を方眼で見積もる・説明) | 角度(五角形の内角の和が 540°になる理由の説明) |
| 2025 | — | — | — |
| 2026 | — | — | — |
大問の総数は年で動きます(精読した 3 年で 7 → 4 → 4)。ただし中身の並びは動いていません。精読した 3 年すべてで、
- 大問 1 は小問集合(1 問目は必ず計算そのもの。2021 は工夫して解く計算、2025 は分数の四則、2026 は逆算)
- 大問 3 は資料・グラフの読み取り(2021 食品ロス/2025 新紙幣の切替率/2026 生徒会の調査)
- 最後の大問は図形か規則性の、手順を追わせる問題
という並びになっていました。2021 が 7 大問なのは、2025・2026 なら大問 1 の中に小問として入るであろう単発の問題(場合の数・規則性)が独立した大問として置かれていたからで、大問 1 が肥大した代わりに独立大問が減ったという見え方をします。年度をまたいで比べるときは大問の番号ではなく「計算と小問集合/資料の読み取り/説明を書かせる図形・規則性」の 3 つの区画で見るほうが実態に合います。
頻出単元と周期
- 資料・グラフの読み取りが 3 年連続(2021・2025・2026)で大問 1 つぶんあります。しかも毎年、素材が違います(積み上げ棒グラフ/複数本の折れ線/4 種類の表)。2021 は会話文の空欄 3 つに数値を入れる形、2025 は「12 か月後より先はどうなるか」の予想の当否、2026 は「4 つの調査結果に棒・円・帯・折れ線をどう割り当てるか」。グラフの種類そのものを問う出題が 2026 に出ているのが特徴的です。
- 規則性・数列は 2021(かけ算の表)・2025(正三角形の増え方・大問 1(9))・2026(立方体の積み上げ、大問 4)と 3 年連続です。
- 平面図形は角度と面積比が中心です。2021 は正五角形の重なり・2 円の交わりの角度、2026 は正六角形と対角線の中に相似な三角形が何個あるか。
- 立体は体積・表面積と展開図です。2025 は展開図が 2 問(さいころ・直方体)、2026 は積み上げた立体の表面積。
- 速さは 2025 に「往復の平均の速さ」(大問 1(2))、2026 に速さ‑時間グラフ(大問 2)。単純な旅人算(出会いと追いつきの問題・受験用教材の単元)ではなく、グラフに直された速さとして出ています。
- 場合の数は 2021(カードの 2 けた整数・総当たり戦の試合数)・2025(暗証番号・円周 12 点の三角形)に出ています。
問い方
- 「説明しなさい」が毎年あります。2021 は 2 問(世田谷区の面積を求める方法/五角形の内角の和が 540°になる理由)、2025 は 3 問(折れ線グラフからの予想/どんな 3 点を選べば直角三角形になるか/角が直角になる理由)、2026 は 2 問(グラフから電車の動きを言葉で/予想の誤り方とその確かめ方)。精読した 3 年で記述・混合が全体の 10〜21% を占めます。
- 説明のさせ方に「図、式、言葉を用いて」という指定が 2021 に 2 回出ています。答えの数値だけでなく、途中の考え方を紙面に並べさせます。
- 答えだけを書く短答(語句や数値を短く答える形式)が主軸です(精読した 3 年で 65〜89%)。記号選択は 2021 が 0 問、2025 が 2 問、2026 が 5 問と増えていますが、3 年では傾向とまでは言えません。
- 会話文・登場人物ごしの出題が増えています。2021 は「ゆうとくん」の会話、2025 は「太郎さん・花子さん」、2026 は「アキラさん・ユリカさん」と「A〜D さんの調査」。式や考え方が会話の中に半分書かれていて、その続きを埋めさせる形です。
8-2. 理科(2021・2025・2026 年度を原本で精読)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 5/19 | 人体(段ボールとゴムバンドで腕を再現する・消化と吸収・水が尿になるまで) | 熱と状態変化・気体(ごみの分別をめぐる会話/プラスチックの光と影/削り屑を見分ける実験を設計) | 月(満月の南中時刻・1 週間後の月の形を作図・日没に南中する月を作図) | 質量保存(2 種類の球●○が結びつくモデルから重さの比を出す) | 電気回路(条件を満たす回路になるよう解答用紙に導線をかき入れる 2 問) | — |
| 2025 | 6/21 | てこ(実験用てこのつり合いから袋 A〜D の石の個数を決める) | 電気回路(見た目で分からないスイッチ A・B・C の ON/OFF の組み合わせをすべて選ぶ) | 熱と状態変化(水たまりが消える会話・蒸発量の実験・保冷剤と乾燥剤の重さの変化) | 花のつくりと受粉(アサガオの袋かけ実験)+中庭の生き物・ネジバナ | 月・太陽(月の出と月の入りの写真の見分け・太陽と月の方角から分かること) | 太陽(日食の並び順・地球から太陽までの距離の比) |
| 2026 | 5/21 | てこ(6 種類の石 15 個の内訳をつり合いから決める) | 電気回路(3 人のスイッチと豆電球のつながり方を解答用紙に作図) | 濃度・溶解度(経口補水液をつくる会話・グラフの読み取り・熱中症対策を書く) | 人体(とろみ剤とだ液の実験計画・仮説の文を書く・対照実験の必要性) | 流水のはたらき(多摩川の上流と世田谷区付近の川原の石・水害対策を書く) | — |
2025 と 2026 は大問 1 と大問 2 の中身がそろっています。 大問 1 は 2 年とも「実験用てこにつるした袋のつり合いから、中に入っている石の個数(重さ)を決める」問題、大問 2 は 2 年とも「見た目では ON/OFF が分からないスイッチと豆電球の回路」です。2021 は並びが違う(人体 → 化学 → 月 → 化学 → 回路)ので、この 2 つ組がいつからのものかは精読した 3 年では決められません。ただし、回路を解答用紙に作図させる問題は 2021 にも 2026 にもあります(2021 は 2 問、2026 は 1 問。どちらも『解答用紙の図に導線をかき入れなさい』という同じ形の指示)。
精読した 3 年に共通して言えるのは、生物・地学・化学・物理が毎年そろうことです(2021 人体・月・化学 2・回路/2025 てこ・回路・化学・生物・月・太陽/2026 てこ・回路・化学・人体・流水)。どれか 1 分野を捨てられる作りにはなっていません。
頻出単元と周期
- 電気回路が 3 年連続(2021・2025・2026)です。しかもいわゆる「豆電球の明るさ・電流の大きさ」ではなく、スイッチの状態と点灯の対応から回路をさかのぼって決めるという共通の作りです。2021 は条件を満たす回路を自分で描く、2025 はあり得るスイッチの組み合わせをすべて選ぶ、2026 は表から回路を復元して描く。
- 月・太陽は 2021(月の形と時刻・作図)と 2025(月の出入り・日食)に出ています。2026 は代わりに流水のはたらきが入り、地学の枠は毎年あります。
- 人体は 2021(骨・筋肉・消化・排出)と 2026(だ液とデンプン)。
- てこ・つり合いは 2025・2026 の 2 年連続で、いずれも「重さの内訳をつり合いから逆算する」パズル寄りの作りです。
- 化学は毎年 1 大問。2021 は状態変化と気体、2025 は蒸発と吸湿、2026 は溶解度と濃度。溶けるか蒸発するかという身の回りの現象に寄せられています。
問い方
- 記述が多くあります。精読した 3 年で記述が全体の 16%(2021・3 問)・33%(2025・7 問)・29%(2026・6 問)。設問文に『1〜2 行程度で簡単に説明しなさい』(2025)『簡単な文章で説明しなさい』(2026)『数行程度で答えなさい』(2025)という長さの目安が添えられる形が繰り返し出ます。
- 正解が一つに決まらない問いを混ぜます。2025 は『ネジバナについてあなたが調べてみたいことを書きなさい。なおこの問題に正解はありません』、2026 は『あなたができる熱中症対策を書きましょう。「何をするため」に「どのような対策をする」か、それぞれ分けて書きましょう』『大雨の被害を減らすために、あなたができる対策を、目的や理由と合わせて書きなさい』。いずれも例を先に示し「例と同じ内容ではいけません」と釘を刺すという同じ作りで、2025・2026 の 2 年に共通します。
- 実験を設計させる、あるいは実験の意味を説明させます。2021 は「削り屑が鉄・アルミニウム・プラスチックのどれかを決める実験方法とその結果」、2025 は「なぜ袋をかけたのか」、2026 は「仮説の文を完成させる」「袋 A と袋 B で同じ量にすべきものをすべて答える」「対照実験はいらないという友だちの意見に賛成か反対か、理由を書く」。条件をそろえる意味を言葉にできるかが繰り返し問われています。
- 記号選択も「すべて選び」「4 つ選び」という形が目立ちます(2025 大問 2・大問 3(2)・大問 5、2026 大問 3)。1 つだけ選ぶ問題ばかりではありません。
- 会話文で場面を作ることが多くあります(2021 のごみ分別、2025 の水たまり、2026 の経口補水液)。登場人物に「世田谷さん」「深沢さん」「駒沢さん」「野沢さん」「谷先生」と、学校の周辺の地名が使われています。
8-3. 社会(2021・2025・2026 年度を原本で精読)
年度×大問の題材表(前半の大問)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 8/49 | 世界地理・時事の語句(赤道の位置 ハザードマップ ICT 排他的経済水域 地形図の読図) |
日本の地方(近畿と関東の地図・県庁所在地・雨温図・昼夜間人口) | 国際社会(WHO と感染症) | 鎌倉・室町(4 つの資料) |
| 2025 | 7/50 | 世界地理・語句(オーストラリアの地図と赤道・国旗・輸入品/NGO・SDGs) | 関東地方(県の同定・昼夜間人口・ヒートアイランド・関東ローム・工業出荷額) | 日本の食事をテーマにした通史(6 枚のカードの並べ替え) | 対外関係史(貿易の年表) |
| 2026 | 6/32 | 世界地理・語句(大陸の地図と赤道・札幌の経線/偽情報・TICAD) | 東北地方(県庁所在地・八郎潟・雨温図・潮目・祭り) | 近代(「東京学芸大学の歴史」の年表・学制から終戦まで) | 戦後(同じく学芸大の歴史・GHQ・憲法・ノーベル賞・東京五輪) |
年度×大問の題材表(後半の大問)
| 年度 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 | 大問 8 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | 近代の戦争(年表と資料) | 原始・古代(2 つの遺跡) | 文化観光推進法と地域 | 三権分立(国の予算の関係図・二院制) |
| 2025 | 選挙制度(東京都知事選挙) | 経済(為替レートと物価のグラフ) | 三権分立(裁判所のしくみ) | — |
| 2026 | 通史(“歴史の中で活躍する女性”の授業のやりとり・並べ替え 2 問) | 選挙制度・人権(2025 年の参議院議員選挙・判決文) | — | — |
4 科目のなかで、社会がいちばん並びが固い科目です。 精読した 3 年すべてで、
- 大問 1 = 世界地図と語句の 2 本立て。2025 と 2026 は導入文が『次の地図や語句について、あとの問いに答えなさい。』で一字一句同じでした。さらに赤道の位置を問う設問が 3 年連続で大問 1 に入っています(2021 は 2 つの図で赤道を示す線の組み合わせ、2025 はオーストラリア大陸の赤道、2026 は赤道が通る大陸をすべて選ぶ)。語句を答えさせる部分も、2025 と 2026 は『次の 2 つの文章で述べられている語句を、それぞれ答えなさい。』という同じ設問文でした。
- 大問 2 = 日本の一地方を丸ごと。2025 は『関東地方について、あとの問いに答えなさい。』、2026 は『東北地方について、あとの問いに答えなさい。』と、地方名だけを入れ替えた同じ形です。2021 も近畿と関東の 2 地図で同じことをしています。
- 中盤が歴史(2021 は大問 4〜6、2025 は大問 3〜4、2026 は大問 3〜5)。
- 最後の大問が公民(2021 三権分立、2025 三権分立、2026 選挙制度と人権)。
小問数は 49・50・32 と 2026 で大きく減っています。3 年では減少の傾向とまでは言えませんが、2026 は 1 問あたりにかけられる時間が増える作りになっていました。
頻出単元と周期
- 世界地理(赤道・大陸・緯度経度)が大問 1 で 3 年連続です。
- 地方別の地理が大問 2 で 3 年連続です。県庁所在地を漢字で書かせる・雨温図を選ばせる・地形(湖・平野・海流)を問うという 3 点セットが 3 年とも入っています。
- 昼夜間人口は 2021(関東で 1 都県だけ昼間人口が多い理由)と 2025(東京都と 2 県の表でどちらが昼間人口か)で 2 年ぶん確認できました。どちらも表を読んで理由を説明させる記述として出ています。
- 選挙制度は 2025(都知事選挙)・2026(参議院議員選挙)の 2 年連続。
- 三権分立・裁判所は 2021・2025 の 2 年。
- 歴史は近現代の比重が高くなっています。2021 は年表と戦争、2025 は貿易史と食事の通史、2026 は近代と戦後で 2 大問ぶん。ただし並べ替え問題(出来事を古い順に)は 2025(カードの並べ替え)・2026(3 問)と 2 年連続で入っており、年号を丸暗記するのではなく前後関係を押さえるやり方が好まれています。
- 前年のニュースが語句問題に混ざります。2021 は感染症をめぐる語句と WHO、2026 は 2025 年 8 月に横浜で開かれた第 9 回アフリカ開発会議と 2025 年 7 月の参議院議員選挙。精読した 3 年ではいずれも用語を答える/正誤を選ぶ程度で、時事だけの大問はありません。
問い方
- 記号選択が主軸です(2021 が 45%、2025 が 66%、2026 が 69%)。ただし単純な四択ではなく、「間違っているものを選べ」「すべて選べ」「2 つ選べ」という形が非常に多くあります。2026 は選択 22 問のうち「すべて選び」「間違っているものを選ぶ」形が半分近くを占めます。
- 語句は書かせます。「漢字で」「漢字 2 文字で」「カタカナ 7 文字で」「アルファベット大文字 3 字で」という文字の種類と字数の指定が精読した 3 年すべてに複数あります。用語を「読めば分かる」だけでなく書けるようにしておく必要があります。
- 指定語句つきの記述が 2021(「アメリカ」「中国」/「話し合う」「問題」)と 2025(「金貨幣」「物価」)にあります。与えられた 2 語を必ず使って理由を書く形です。
- ただし記述の量は多くありません(2021 が 49 問中 4 問、2025 が 50 問中 3 問)。そして 2026 は精読した限り記述が 0 問でした。3 年で 4 → 3 → 0 なので「記述が減っている」と決めつけることはできませんが、記述だけに時間を割く準備はしなくてよさそうです。
- 資料を読ませてから問う作りが徹底しています。地図・年表・円グラフ・折れ線グラフ・雨温図・判決文・会話文。資料が無い一問一答はほとんどありません。
8-4. 国語(2014・2016・2018 年度を原本で精読・直近年の資料は無い)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(→ 4 節・13 節)、ここに書いたのは 2014〜2018 年度に限った話です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2014 | 3/31 | 漢字 10 問(1〜5 は漢字、6〜10 は漢字と送りがな) | 論説(衣服と身体について) | 物語(薫子と友だち)+最後に自分の経験を書く記述 | — |
| 2016 | 4/27 | 漢字 10 問(書き 6・読み 4) | 小説(辞書づくりと下宿) | 論説(科学者に必要な「あたま」) | 論説を要約したうえで自分の考えを書く |
| 2018 | 4/37 | 漢字 10 問(書き 7・読み 3) | 随筆【I】朝顔 | 新聞コラム【II】(2014 年 8 月 25 日「天声人語」朝日新聞)+【I】との読み比べ | 説明文【III】ソメイヨシノの開花 |
分かったこと
- 大問 1 が漢字 10 問なのは精読した 3 年に共通です。書き取り中心で、送りがなを含めて書かせる形と読みを混ぜる形があります。
- 同じ漢字問題が 4 年をへだてて再び出ています。2014 年度の 10 番『運命に身をゆだねる。』と 2018 年度の (1)『運命に身をゆだねる。』は、送りがなの指示を含めて同じ設問でした(両年の原本で確認しました)。漢字は同じ問題が戻ってくることがある、と考えておいてよさそうです。
- 最後に「あなたの考え」を書かせるのが 3 年に共通です。2014 は「あなたが友達とのかかわりの中で幸せな気持ちをもったこと」、2016 は本文の展開をまとめたうえで自分の考えを示す、2018 は【I】と【II】の 2 つの文章を読んで朝顔の「はかなさ」についての考えを 120 字以内。
- 2018 は 3 つの文章がテーマでつながっています(朝顔の随筆・朝顔を扱った新聞コラム・ソメイヨシノの説明文)。読み比べて答えさせる設問が入っていました。複数の文章を関連づける出題は、精読した年では 2018 だけです。
- 記述の量は年で大きく違います。2014 は 31 問中 1 問、2016 は 27 問中 3 問、2018 は 37 問中 10 問(27%)。2018 は記述が主役で、「二十五字以内」「八十字程度」「百二十字以内」と字数の指定も付いていました。
- 記号選択も多く(2014 は 58%)、空欄補充・接続語・言い換え・慣用句と、語彙の力を選択肢で問う設問が並びます。
- 出典は、本文の内容から確かめられた範囲では、2014 が衣服をめぐる論説(鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』)、2016 が辞書づくりの小説(三浦しをん『舟を編む』)と寺田寅彦「科学者とあたま」、2018 が志賀直哉「朝顔」と新聞コラム、ソメイヨシノについての説明文でした。手元の出典一覧には表記の乱れがあったため、確認できたものだけを挙げています。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年には出ていないものの、それ以前の資料では大問として見えていた単元です。間隔が空いているぶん、戻ってきたときに準備の差が出ます。 最終確認年度は、その単元を資料の中で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 食塩水・売買損益 | 2014〜2018 年度の資料(年までは特定できていません) | 2014〜2018 年度の資料では見えていましたが、精読した 3 年には出ていません。割合の文章題として一通り触れておく価値はあります |
| 算数 | 時計算(長針と短針の作る角・受験用教材の単元) | 同上 | 同じく精読した 3 年では見ていません |
| 算数 | 縮尺・単位換算 | 2021 年度 | 2021 に大問 1 つ(世田谷区の面積)と小問 1 つ(時間の単位)。2025・2026 では見ていません。km² や時間と分の換算は落とさないようにしておきたいところです |
| 理科 | 天気・気象 | 2016 年度 | 2013・2015・2016 年度の資料では大問として見えていましたが、精読した 3 年には出ていません。雲・前線・気温のグラフは一通り復習しておく価値があります |
| 理科 | ばね・浮力・ふりこ・滑車 | 精読した 3 年では確認できず | 精読した 3 年に出た力学はてこだけで、しかもパズル寄りの出し方でした。素直な力学が戻ってきたときに備えておきたいところです |
| 理科 | 燃焼・気体の発生 | 精読した 3 年(小問として) | 精読した 3 年では小問どまりです |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2025 年度 | 2025 に小問 1 つ(中庭の生き物)で出た程度です |
| 社会 | 地形図の読図 | 2021 年度 | 2021 に大問 1 の中で 2 問。2025・2026 では見ていません。等高線・地図記号・断面図は準備しておきたいところです |
| 社会 | 原始・古代(遺跡) | 2021 年度 | 2021 に独立した大問がありました。以後は通史の一部として出るだけです |
| 社会 | 国際社会・国連の機関 | 2025 年度 | 2021(WHO)と 2025(NGO・SDGs)で語句として出ています |
| 社会 | 環境政策・エネルギー | 2025 年度 | 2025(オーストラリアからの輸入品)と 2021(ハザードマップ)で触れられる程度です。まとまった出題が戻る余地があります |
10. 形式面の注意
4 科目に共通
- 記述に字数の上限を数字で示す形は、算数・理科・社会では見当たりませんでした。代わりに理科は「1〜2 行程度」「数行程度」という行数の目安が使われています。国語だけは 2018 年度に「二十五字以内」「八十字程度」「百二十字以内」という字数指定がありました。
- 選択肢は「1 つ選べ」だけではありません。 社会と理科に「すべて選び」「2 つ選び」「4 つ選び」が多くあります。
- 試験時間と配点は資料から確認できませんでした。時間配分の練習をするときは、学校の公表資料で確認してください(→ 1 節)。
算数
- 有図の小問が多くあります(精読した 3 年でも大問 1 の半分近くと、資料・図形の大問はほぼ全部に図か表が付きます)。図はグラフ・展開図・方眼つき地図・円周上の点など、読み取ってから使う図です。
- 作図は「図、式、言葉を用いて説明しなさい」(2021 に 2 問)という、説明の一部として図を使う形です。解答用紙に図をかき込ませる問題も、精読した 3 年では「説明の中に図を使ってよい」という形で現れていました。白紙から描かせる設問は精読した 3 年では見当たりません。
- 円周率の値の指定は、精読した 3 年の設問文には見当たりませんでした(2025 の円柱・2026 の円の面積比はいずれも比や体積の比較で処理できる作りです)。
- 「小数第 2 位を四捨五入し、小数第 1 位まで」(2021 大問 3)のように、答え方の指定が資料の大問に付くことがあります。
理科
- 作図があります。2021 は 4 問(月の見え方 2 問・回路 2 問)、2026 は 1 問(回路)。2025 は精読した限り作図が無かったので、毎年あるとは言えません。いずれも『解答用紙の図に導線をかき入れなさい』(2021・2026)『解答用紙の図に月のようすをかき入れなさい』(2021)という、すでにある図への書き込みの形で、白紙から描くものではありません。
- 図・写真・グラフの付いた小問が半分ほどあります。溶解度のグラフ(2026)、月の写真 2 枚(2025)、川のスケッチ(2026)など、その場で読み取る資料として使われています。
社会
- 「漢字 2 文字で」「カタカナ 7 文字で」「アルファベット大文字 3 字で」は字数の制限ではなく、文字の種類の指定です。用語をその表記で書けるかを見ています。自動集計では「字数指定のある冊が 56%」となっていましたが、原本を見ると字数の指定ではなく文字の種類の指定でした(→ 13 節)。精読した 3 年に「〇〇字以内で説明しなさい」という形の指定は見当たりません。記述は行数も字数も指定されず、解答欄の大きさで測るやり方です。
- 図・表の付いた小問がおよそ 4 割です。地形図の読図(2021)は方位・断面図まで踏み込んでいました。
- 作図は精読した 3 年にありません。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本を、時間を計らずに進めます。この学校で最終的に効くのは、割合と比の入口(算数の小問集合でも資料の読み取りでも土台になります)と、地図を読む習慣(社会の大問 1・2 が地図から始まります)です。理科は身の回りの現象を「なぜだろう」と口に出す習慣づけで十分です。国語は漢字を書き取りで、送りがなまで正しく書けるように。
小 5(幅)
単元をひととおり回す学年です。この学校は素材が毎年変わるので、全分野をひととおり学び終えること自体がそのまま効きます。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の単元と、社会の都道府県・国語の漢字を日替わりで。週末 60 分はその週の単元 1 つを、理科の 4 分野と社会の地方から順に当てていきます。8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使ってください。
- 算数: 平面図形(角度・面積比)/規則性/場合の数/速さ(グラフに直された形まで)/立体の体積と表面積、の順で。
- 理科: 4 分野を均等に。とくに電気回路は、豆電球の明るさだけでなくスイッチと点灯の対応まで。
- 社会: 都道府県を漢字で書く・雨温図を読む・地方ごとの地形と産業。歴史は出来事の前後関係で。
- 国語: 論説と物語の両方。理由を 2〜3 文で書く習慣をこの学年でつけます。ただし国語は 2019 年度以降は資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください。
小 6(仕上げ)
7 節の 8 項目がそのまま小 6 の課題です。過去問は「同じ座席を縦に」から始めて、後半で年度通しに切り替えるのがこの学校に合っています。社会の大問 1・2、算数の大問 1・3、理科の大問 1・2 は、それぞれ 3 年ぶんを続けて解く価値があります。記述の答案は、書いたあと必ず「聞かれたことに答えているか」を音読で確かめてください。
小 4 から始めるとどこで差がつくか
この学校で差がつくのは、小 5 で全分野を一巡することよりむしろ小 4〜5 のあいだに「説明する言葉」を持てるかどうかです。算数の「図、式、言葉を用いて説明しなさい」、理科の「なぜそう考えたか簡単な文章で説明しなさい」、国語の「あなたの考えを 120 字で」。どれも小 6 の秋から練習を始めると、書くこと自体に時間を取られて内容まで手が回りません。小 4 のうちから、答えを出したあとに「どうしてそうなるの」と一言で言い直す習慣をつけておくと、小 6 の過去問演習が丸ごと楽になります。全分野の一巡のほうは小 5 で間に合います。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。出題の作りが近い学校の過去問を解くと、この学校の準備がそのまま二度効く、という意味です。
- 日本女子大学附属中学校(神奈川県・女子校)— 社会の作りがとくに近く、理科も近めです。算数は離れています。
- お茶の水女子大学附属中学校(東京都・共学)— 上位に並ぶ学校のなかでは算数がいちばん近く、社会も近い組み合わせです。
- 昭和学院秀英中学校(千葉県・共学)— 社会が近く、算数・理科は中くらいです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 8 校とも社会での近さがいちばん大きいという共通点があります。この学校の社会が「地図と語句 → 日本の一地方 → 歴史 → 公民」という並びで、資料を読ませてから記号で選ばせるという、比較的多くの学校と共有される作りだからだと考えられます。逆に言えば、算数と理科で似た学校は多くありません。算数の「説明しなさい」と理科の「あなたはどうするか」は他校の過去問では代わりが利きにくいので、この学校の過去問そのもので練習してください。
- 国語は比較に使えていません(この学校の国語の資料が 2018 年度までのためです)。
- この学校の入試科目の組み合わせは資料にも学校の公表資料の該当項目にも入っていません(→ 1 節)。併願先と科目がそろうかどうかは、学校の公表資料で確認してください。
13. 資料の限界
- 入試回が分かりません。 資料には 1 年度につき 1 種類の冊子しかありません。複数回の入試が行われている場合、ここに書いたのはそのうちの 1 つについての話です。年によって別の回の冊子が混ざっている可能性も否定できません。
- 試験時間・配点・科目の組み合わせは資料から確認できませんでした。 時間配分の練習をするときは学校の公表資料で確認してください。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、精読できたのは 2014・2016・2018 の 3 年ぶんだけです。国語の記述量・大問構成・出典の傾向はいずれもこの 3 年に限った話で、直近 7 年の形は分かりません。国語の出典も、手元の一覧に著者名の表記の乱れがあったため、本文の内容から確かめられたものだけを挙げています。
- 算数も年が飛んでいます(2017・2019・2020・2022〜2024 年度の資料がありません)。「毎年」と書いた事柄も、正確には「精読した 3 年で」という意味です。
- 転写データなので読み落としがあり得ます。とくに図・グラフ・写真は文章で説明し直されたものを読んでいるため、実際の紙面の見え方とはずれます。設問の記号(丸数字・カッコつき数字)の表記ゆれもあります。
- 集計上「大問」とされている単位が、実際の紙面の大問と一致しないことがあります。この学校では算数の大問 1 が小問集合なので、年によっては 1 つの大問が 9〜11 問を抱えます。年ごとの大問数の増減を、そのまま「出題量が変わった」と読まないでください。
資料側の食い違い
- 数値の集計にも食い違いがありました。社会について「字数指定のある問題が半数以上」という集計が出ていましたが、原本を見ると字数の指定ではなく「漢字 2 文字で」「カタカナ 7 文字で」という文字の種類の指定でした。逆に国語は「字数指定なし」と集計されていましたが、2018 年度には「二十五字以内」「八十字程度」「百二十字以内」という指定が実際にありました。本文はいずれも原本のほうを採っています。
- 募集要項の側にも欠けがあります。この学校は試験日・募集人員・科目別の試験時間と配点が資料に入っておらず、1 節の表では出願期間だけを載せました。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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