桐朋中学校 の過去問分析
桐朋中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
桐朋中学校 過去問分析(2005〜2026 年度・第 1 回相当・最大 21 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都国立市 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前 — 4 科/第 2 回 2 月 2 日午前 — 4 科 |
| 試験時間・配点(第 1 回・第 2 回とも同じ) | 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 60 点・理科 30 分 60 点 |
| 募集人数 | 第 1 回は第 1 学年 男子 約 110 名、第 2 回は男子 約 60 名(第 1 回・第 2 回あわせて約 170 名。2026 年度よりクラス定員の見直し) |
| 旧称 | 第一山水中学校(1941〜1947)、桐朋第一中学校(1947〜1948) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 桐朋は大問の数も、どの場所に何が来るかも動かさない学校です。ただし同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます(=座席(問題の置き場所)が固定されています)。
- 算数は 7 大問・19〜21 問、理科は 4 大問・22〜25 問で分野の並びが 2014〜2026 の 13 年連続、社会は 3 大問・24〜32 問で大問 1=歴史・大問 2=地理・大問 3=公民が 2017〜2026 の 10 年連続です。
- 一方で中身は毎年入れ替わります。「どの位置に何の分野が来るか」は覚えられますが、「何の単元が来るか」は覚えられません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 3 問を 5 分で全問正解にします(1 日 3 問でよいので毎日)。
- 社会の大問 1 の「古い順に並べかえ」と「出来事とア〜カの対応」を鍛えます(人物・建物・出来事から時代を言う練習を毎日 5 個)。
- 算数の大問 3(2) の記述と、最後の大問(規則を自分で見つけて一般化する問題)を 3 年分(2024・2025・2026)縦に解きます。
今週やる 1 つ
- 理科を「物理 → 化学 → 生物 → 地学」の順で 30 分通しに解き、1 大問 7 分の配分が作れるか確かめます。
注意
- 国語は 2018 年度以降の問題が手元の資料に無く、近年の国語は分析できていません。ここに書いた国語の話は 2017 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)の状況は次のとおりです。年の数え方は「精読した年(設問文まで読んだ年)」「構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)」「資料のある年」の 3 つに分けています。
| 科目 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料の無い年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2005〜2026 の 21 年 | 2024〜2026 の 3 年 | 2005〜2023 | 2013 年度 | 図のある小問が年により 32〜48%。図そのものは転写できないため、図の説明文からの推定を含みます。2025・2026 は転写の読み取り確度が低め(2025 は大問 5 の図の数値が読めていません) |
| 理科 | 2005〜2026 の 21 年 | 2024〜2026 の 3 年 | 2005〜2023 | 2013 年度 | 表・グラフが多く、図のある小問は年により 28〜86%。2024 は転写の読み取り確度が低めです |
| 社会 | 2005〜2026 の 20 年 | 2024〜2026 の 3 年 | 2005〜2023 | 2006・2009 年度 | 精読した 3 年はいずれも読み取り確度が高く、語句と選択肢の文言まで読めます |
| 国語 | 2006〜2017 の 11 年 | 2015〜2017 の 3 年 | 2006〜2014 | 2005・2009 年度と 2018 年度以降すべて | 9 年分が資料に無いため、近年の国語は分析できていません |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: この学校の入試は第 1 回(2 月 1 日午前)と第 2 回(2 月 2 日午前)の 2 回あります(2026 年度募集要項)。手元の転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回かを区別できないため、第 1 回相当として扱いました。第 2 回の出題が同じ構造かどうかは、この資料では確かめられません。
- 試験時間・配点は 1 節の表のとおりで、第 1 回・第 2 回とも同じです(2026 年度募集要項)。男子のみの入試です。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で 3 年以上の反復を確認したものに限って書いています。年度×大問の題材表は、算数・理科・社会が 2024〜2026 の 3 年分、国語が 2015〜2017 の 3 年分を設問文まで精読して起こしたものです。それ以前の年については、転写データの大問ごとの主要単元を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
- 満点・設問別配点は問題冊子に印刷されていません(精読した年で確認)。
5. 一番大きな結論
桐朋は「大問の数も、どの場所に何が来るかも動かさない」学校です。ただし同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます。精読した年に、数値だけ変えた同じ問題の再登場は見つかりませんでした。
座席(問題の置き場所)の固定を科目ごとに数字で言うと次のとおりです。
- 算数は 7 大問・19〜21 問が動きません。大問 1 は計算 3 問(転写の分類では 2014〜2026 の 13 年連続、それ以前も含めると 2005 年から全年)。大問 2 は「次の問いに答えなさい」の独立小問 3〜4 問。大問 3 の (2) は 3 年とも記述で、文言までほぼ同じです(「答えだけでなく,途中の考え方を示す式や図などもかきなさい」)。最後の大問 7 は「規則を自分で見つけて大きい数に伸ばす」問題で、これも 3 年連続です。
- 理科は 4 大問・22〜25 問で、分野の並びが動きません。大問 1=物理、大問 2=化学、大問 3=生物、大問 4=地学です。転写の分類では、大問 1 が物理・大問 3 が生物・大問 4 が地学なのは 2014〜2026 の 13 年連続でした(大問 2 の化学は 2014〜2025 の 12 年続き、2026 だけ地層の文章に入れ替わりました)。
- 社会は 3 大問・24〜32 問で、大問 1=歴史・大問 2=地理・大問 3=公民が 2017〜2026 の 10 年連続です。しかも大問 1 は「時代のばらばらな 6 つの文ア〜カを読み、問 1 で古い順に並べかえ、問 2 で出来事と対応させる」作りが 3 年とも同じで、最後の問が記述なのも 3 年連続です。大問 3 は「引用文+生徒と先生の対話文」が 3 年連続で、問 1 はいずれも空欄に語句を入れる形でした。
- 国語は資料が 2017 年度までしかないので断定を避けますが、精読した 3 年(2015〜2017)では大問 2 題・小問 17〜20、両方の大問に漢字の書き取り、「本文から抜いた一文をもとの場所に戻す」問題が 3 年連続で出ていました。
したがって過去問の使い方は、①時間の使い方を身につける(座席が動かないので配分を毎回同じにできます)、②各座席で問われる単元の型を習得する、の二つに近くなります。「出る問題を覚える」使い方は、この学校では効きません。
一方で中身は毎年入れ替わります。算数の大問 3 は 2024 が場合の数、2025 が和差算、2026 が速さ。理科の大問 1 は 2024 が光、2025 がてこ、2026 が磁石。社会の大問 2 は 2024 が都市の同定、2025 が観光と世界地理、2026 が水と地形。「どの位置に何の分野が来るか」は覚えられますが、「何の単元が来るか」は覚えられません——これがこの学校の過去問演習の性格です。
6. この学校らしさが出る場所
- 算数は「特殊算(つるかめ算など、名前のついた解き方が決まっている文章題)の博覧会」です。 2026 の 7 大問だけで、計算・概数・売買損益・円とおうぎ形・速さ・年齢算・つるかめ算・食塩水・数の性質が並びます。1 つの大問を深く掘るのではなく、塾で名前のついた解法を次々に呼び出させる作りに見えます。逆に立体図形は 2015 を最後に大問から消えており、空間把握より「式を立てて処理する速さ」に寄っているように見えます。
- 算数の最後の大問だけは性格が違います。2024 の「1 以上の異なる整数を 1 列に並べる規則」、2025 の「N を連続する 2 個以上の整数の和で表す」、2026 の「N が M の約数ならそのマス目を黒く塗る」。いずれも初めて見るルールを読み、小さい場合で確かめ、200 行 200 列や 1000 行 1000 列に伸ばす構成で、ここだけは覚えた解法が使えません。
- 社会は「時代を並べる」ことそのものを問います。 大問 1 は精読した 3 年とも、時代のばらばらな 6 つの文を並べて「古い順に」「この出来事はどの文と関係が深いか」から始まります。2024 は鶴岡八幡宮の暗殺・縄文のクリ栽培・正倉院・関税自主権・太平洋戦争・豊臣秀吉、2025 は壇ノ浦・渤海の使節・ドイツの万国博覧会・輪島塗・大伴家持・占領期、2026 はペリー来航・保元平治の乱・桶狭間・普通選挙・日光東照宮・米倉のある遺跡でした。通史を「順番」として持っているかを入口で測っているように見えます。
- 社会の公民は「引用文と対話」から入ります。2025 は国分功一郎の統治についての引用文と小平市の住民投票、2026 は伊藤亜紗の「足が不自由であること」の引用文と障害の話、2024 は図をめぐる生徒と先生の対話でした。3 年とも大人の書いた本の一節を土台にして、生徒と先生が話す形で、そこに憲法・地方自治・人権の語句が埋まっています。
- 社会の地理は「水と土地」です。2024 はみなとみらい 21 の新旧地形図と太田川の三角州、2025 は観光公害と四日市ぜんそく、2026 は汽水湖・イタイイタイ病と神通川・流域面積・ゼロメートル地帯・琵琶湖。人が土地と水をどう使い、どう困ってきたかという角度が 3 年続いています。
- 理科は「災害と身の回り」です。2024 は気候変動と海面上昇の計算、2025 は大問 4 が丸ごと気象・海洋・地震・火山のクロスワードで二重線のマスを並べ替えると防災の語になり、2026 は地震・津波警報・30 分後に 5m の津波が来るときの避難経路でした。乾くと色が消えるスティックのり(2024)、机の縁から板をはみ出させる(2025)、鉄釘を磁石で持ち上げる(2026)のように、題材はどれも手元で試せるものです。
- 理科の設問は「実験の結果からいえること」に寄ります。2025 大問 3 問 1「実験 1〜実験 4 の結果から正しいと考えられるもの」、2026 大問 3 問 3・問 5「この結果からいえること」。知識で即答できる小問は 1 大問に 1〜3 問で、残りは目の前の表と図で決まります。
- 国語の題材(2006〜2017 で読める範囲)は、子どもと大人の関わりを描いた物語文が多くを占めます。中学 2 年生と余命の短い祖母(2016・角田光代『さがしもの』)、駅伝を走る高校生と母親(2017・まはら三桃『白をつなぐ』)、卒業劇の脚本を書く尋常小学校 6 年生(2015・濱野京子「未来の教室」)、木工に打ち込む少女(2013・濱野京子『木工少女』)、家族(2012・河野裕子『たったこれだけの家族』)、町(2012・森絵都『銀色の町』)、泣き虫の子ども(2010・河合隼雄『泣き虫ハアちゃん』)。説明・評論の側は教育と学びを主題にした文章が目立ちます(2017・内田樹『転換期を生きるきみたちへ』、2016・西島清順『教えてくれたのは、植物でした』、2014・重松清『きみの町で』、2014・鈴木敏夫『仕事道楽 スタジオジブリの現場』)。「これから大人になる子どもに向けて書かれた文章」が繰り返し選ばれているように見えます。ただし 2018 年度以降は資料が無く、この傾向が続いているかは確かめられません。
7. 今からやるなら(4 科目統合・優先順)
想定学年は受験学年(小 6)の過去問演習期です。 小 5 以前の場合は、下の項目のうち「時間を計る」「年度通しで解く」に関わるものを外し、単元の入口だけを 11 節のロードマップに従って進めてください。各項目の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分]【算数】大問 1 の計算 3 問を 5 分で全問正解にします。帯分数の加減 → 小数中心の四則 → 分数と小数の混合、という並びが 3 年とも同じです(2024〜2026)。ここは 21 年間ずっと大問 1 にあります。1 日 3 問でよいので毎日。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分]【社会】時代の並べかえを鍛えます。大問 1 の問 1「ア〜カを古い順に並べかえ」と問 2「①〜⑤の出来事はア〜カのどれと関係が深いか」は 2024・2025・2026 の 3 年とも同じ形で、しかもこの 2 問を落とすと大問 1 の入口で崩れます。人物・建物・出来事から時代を言う練習を毎日 5 個。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分]【算数】大問 3(2) の記述と、最後の大問(規則の一般化)を 3 年分(2024・2025・2026)縦に解きます。記述は「答えだけでなく,途中の考え方を示す式や図などもかきなさい」という同じ条件が 3 年続いており、単元は毎年違う(場合の数・和差算・速さ)ので、単元ではなく書き方を練習します。最後の大問は、小さい場合を書き出す → 表にする → 200 行 200 列や 1000 行 1000 列に伸ばす、の 3 手順を型にします。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回]【理科】「物理 → 化学 → 生物 → 地学」の順で 30 分通します。並びが 13 年動いていないので、得意分野から解くのではなく順番どおり 1 大問 7 分の型を作ります。あわせて次の 3 つを毎回確認します。(確認: 〜2026 年度)
- 四捨五入の桁指定(小数第 1 位まで/第 2 位まで)は導入文に書いてあるので、大問の頭で線を引く癖を。カタカナ・漢字・単位の指定も同じで、答えの形を間違えるだけで落ちる小問があります。
- 「実験の結果からいえること」の選択肢は、正誤の理由まで言えるようにします。2025 大問 3、2026 大問 3 が練習台です。
- 記述は 1〜2 文で言い切ります。「〜という言葉を使って」「本文から読み取って」の条件を必ず拾います。
- [週末 60 分]【社会】大問 1 の最後の記述(2024 秀吉の二つの政策とねらい・2025 占領期の教育制度の変化を二つ・2026 高床倉庫の工夫)と、大問 3 の対話文を 3 年分ずつ縦に解きます。記述は「二つ挙げる」「ねらいまで書く」の条件を数える癖を、対話文は憲法・地方自治・人権・国際組織の語句を漢字で・指定字数で書けるようにします(対話文からの抜き出しが 2025 にあります)。地理側は次の 3 つを一巡します。(確認: 〜2026 年度)
- 都道府県と地形: 政令指定都市の位置、平野・川・三角州(太田川・石狩平野・淀川・博多湾)、流域面積、琵琶湖。
- 地形図と雨温図: 新旧の地形図を見くらべて土地の使われ方の変化を説明する練習(2024 大問 2 問 5)と、雨温図を地点に当てる練習(2026 大問 2 問 5(2))。
- 公害・環境・防災(四日市ぜんそく、イタイイタイ病、ゼロメートル地帯、観光公害)と、ニュースを制度の名前で言う練習(万博・円安・訪日客・SDGs・アイヌ施策推進法)。3 年とも大問 2 の記述はこの系統から出ています。
- 30 分の配分は、大問 1 に 12 分、大問 2 に 12 分、大問 3 に 6 分が目安です(小問数は年により大問 1 が 9〜15、大問 2 が 10〜11、大問 3 が 4〜6)。
- [週末 60 分]【算数】特殊算の総ざらいをします。つるかめ・和差・分配・年齢・過不足・平均・仕事・売買・相当・食塩水。21 年の題材表を見ると、大問 2〜5 のどこかにほぼ毎年 2〜3 個入ります。名前を聞いて 30 秒で図が描ける状態に。(確認: 〜2026 年度)
- 食塩水は 2025・2026 と 2 年続きました。混ぜる比・水を加える・管から流し込むグラフ型の 3 パターンを。
- 速さは 21 年中 17 年。旅人算・往復・流水算・グラフ読み取りを一巡します。
- 「すべて答えなさい」への構え。答えを 1 つ出したら「他にないか」を必ず確認する手順を、演習のたびに口に出します。
- 図形の面積比(平行四辺形・台形の分割)を大問 2 の小問向けに。円とおうぎ形は円周率 3.14 の計算を速く。
- しばらく出ていない立体を 1 年分(2015・2019)だけ。切断と体積の基本を。
- [週末 60 分]【理科】導入文と表から計算する訓練をします。2024 大問 2(濃度 9.09%)・大問 4(海面上昇の 3 段階計算)、2025 大問 1(板のはみだし)・大問 3(積算温度から開花予想日)、2026 大問 2(炭素の残量から年数)の計算小問だけを縦に。化学は中和の計算(体積比と残った粉の重さ)を確実にし、溶解度・気体・燃焼も 1 周しておきます。地学は災害(地震・火山・気象)と天体の両方を見ます(直近は地震・火山が 2 年続きましたが、月・星・惑星は 3〜7 年空いています)。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分]【国語】漢字の書き取りを毎日。精読した 3 年(2015〜2017)では両方の大問に 3〜5 問ずつ、合計 6〜9 問ありました。ただし国語は 2018 年度以降の資料が無いので、形式は市販の最新の過去問で必ず確認してください。あわせて次を練習します。(確認: 〜2017 年度)
- 「一文をもとにもどす」問題。接続語・指示語・話題の切り替わりを手がかりに、段落のどこに入るかを選びます。3 年連続で出ています。
- 字数指定のない記述。「簡潔に」なら 1〜2 文、「くわしく」なら 3 文以上、と自分の中で目安を決めて、欄の大きさに合わせます。
- 変化を書く記述(前はこうだったが、今はこうなった)の型を固定します。物語文の記述はこの形が多く出ます。
- 似た二つの言葉の違いを説明する練習(説明文・評論)と、自分の経験を例にどちらの立場かを述べる意見記述を年に数回。前書きを読む習慣も。
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を横に並べると次のようになります。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最初に時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い(7 大問・19〜21 問・21 年で大問数がほぼ不変) | 特殊算と数の性質・規則性が主。立体は近年空白 | 大問 1 の計算 3 問を 5 分で全問正解。大問 3(2) の記述の書き方 |
| 理科 | 非常に高い(4 大問・22〜25 問・21 年で大問数が完全に一定) | 4 分野を順に。どの大問にも計算がある | 導入文と表から計算する速さ。四捨五入の桁指定を守る |
| 社会 | 4 科目で最も高い(3 大問・24〜32 問・20 年で大問数が完全に一定) | 歴史→地理→公民。並べかえと対話文が定位置 | 時代の並べかえ。大問 1 末尾の記述。対話文の語句 |
| 国語 | 資料のある 11 年では大問 2 題が中心(近年は未確認) | 物語文+説明文・評論。記述と記号選択が両輪 | 漢字の書き取り。字数指定のない記述を欄に合わせて書く |
4 科目に共通するのは「読む量に対して時間が短い」ことです。 社会と理科は 30 分で 22〜32 問、しかもどの大問にも 200〜400 字の導入文か長い文章がつきます。算数は 50 分で 7 大問。読む速度そのものが得点になる設計です。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 7・小問 19〜21)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026(21 問) | 計算 3 問(帯分数の加減/小数と分数の混合/逆数を含む割り算) | 独立小問 4(3.1 で割って四捨五入すると 4 になる整数をすべて/定価の 2 割引きの売り値からさらに 5% 引きで 2888 円/おうぎ形 2 つと長方形を並べた図形の周りの長さと面積・円周率 3.14) | 速さ(A・B・C の 3 人が P 地から Q 地へ。(2) が「途中の考え方を示す式や図」つきの記述) | 年齢算(誕生日 3/3・5/5・…の 3 人の 2026 年 2 月 1 日時点の年齢) | つるかめ算(勝ち負け引き分けで点が動くゲームを 50 回・得点から回数を出す) | 食塩水(濃度 15% の食塩水を出す管 A と水を出す管 B・グラフの読み取り 4 問) | 数の性質(1cm 方眼の M 行 N 列で「N が M の約数なら黒く塗る」。塗り方を解答用紙の図に描く作図あり) |
| 2025(19 問) | 計算 3 問(帯分数の加減/小数と四則/分数と小数の混合の割り算) | 独立小問 3(ノートを 4 冊ずつ配ると 12 冊余り 7 冊ずつでは 18 冊足りない=過不足算/部活の人数の図の読み取り/平行四辺形と台形の面積比) | 和差算・分配算(兄と弟が千円札 1 枚ずつでおかしを買う。(2) が「途中の考え方を示す式や図」つきの記述) | 食塩水(A と B を 5:… の比で混ぜる・水を 120g 加える) | 流水算(一定の向きに水が流れるプールを泳ぐ・流れと泳ぎの速さの比) | 規則性(N を連続する 2 個以上の整数の和で表す。「考えられるものをすべて」) | 平面図形の面積・面積比(辺 AB の長さを a・b で決めた格子上でつくれる三角形の面積が何通りあるか) |
| 2024(19 問) | 計算 3 問(帯分数の加減/小数の四則/帯分数と小数の混合) | 独立小問 3(定価で買うと 50 円余り 2 割引きなら 160 円余る=相当算/自転車で P 地から Q 地へ・速さ/円と長方形を重ねた図形の周の長さ・円周率 3.14) | 場合の数(1 個 20 円の赤玉・15 円の青玉・おまけの黒玉。(2) が「途中の考え方を示す式や図」つきの記述) | 平均算(7 回のテストの得点) | 仕事算(3 つのポンプ A・B・C で水そうに入れる/出す) | 図形の移動(縦 3cm 横 7cm の長方形の上を動く・曲がる回数で場合分け) | 規則性・数列(1 以上の異なる整数を 1 列に並べる規則・2024 という数を使った小問) |
精読した 3 年の共通点は次の 4 つで、いずれも 3 年とも同じ場所に出ています。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。
- 大問 1 は計算 3 問です。(1) が帯分数の加減、(2) が小数中心の四則、(3) が分数と小数の混じった逆算(□にあてはまる数を求める計算)に近い割り算、という並びまで 3 年とも同じでした。転写データの分類で数えると、大問 1 が計算の年は 2014〜2026 の 13 年連続(それ以前も 2005 年から同じ)です。
- 大問 2 は「次の問いに答えなさい」の独立小問 3〜4 問です。中身は年ごとに入れ替わりますが、①割合・売買・過不足のような文章題、②速さか資料の読み取り、③平面図形(円とおうぎ形か面積比)、の 3 系統から選ばれています。
- 大問 3 の (2) が記述です。文言も 3 年ほぼ同じで、2024「答えだけでなく,途中の考え方を示す式や図などもかきなさい」、2025「答えだけでなく, 途中の考え方を示す式や図もかきなさい」、2026「答えだけでなく, 途中の考え方を示す式や図などもかきなさい」。記述はこの 1 問だけ(全小問の 5%)で、3 年とも大問 3 に置かれています。
- 最後の大問 7 は、規則を自分で見つけて一般化する問題です。2024 は並べ方の規則、2025 は格子上の三角形の面積が何通りか、2026 は「N が M の約数なら塗る」の方眼。(1) が小さい場合の確認、(3) が 200 行 200 列・1000 行 1000 列のような大きい数への一般化、という段の作りも 3 年同じでした。
同じ問題の再登場は、精読した 3 年では見つかりませんでした。数値だけ変えた再出題ではなく、7 大問・19〜21 問という枠と、各座席の役割が動かないタイプです。
頻出単元と周期(転写の分類・2005〜2026 の 21 年で大問の主要単元として数えたもの)
| 単元グループ | 大問で出た年 | 傾向 |
|---|---|---|
| 計算(大問 1) | 2005〜2026 の全年 | 21 年すべてで大問 1。3 問構成 |
| 速さ・流水算 | 2005・2006・2007・2008(2 題)・2009・2010・2011・2012・2014・2016・2017・2018(2 題)・2019・2021・2022・2023・2025・2026 | 21 年中 18 年。流水算は 2009・2019・2025 |
| 数の性質 | 2006(2 題)・2007・2008・2009・2011・2012・2014・2016・2017・2018(2 題)・2019・2020(2 題)・2022・2023(2 題)・2026 | 21 年中 15 年。近年は約数・倍数を方眼や図形に載せる形 |
| 平面図形の面積・面積比 | 2006・2007・2010・2011・2014(3 題)・2015・2016・2017・2018・2019・2020・2021・2022・2025 | 21 年中 14 年。2024・2026 は大問 2 の小問として |
| 割合・売買損益・食塩水 | 2006・2009・2011・2015・2016・2017(2 題)・2018・2020(3 題)・2021・2023・2024・2025・2026 | 食塩水は 2018・2021・2025・2026。2025・2026 は 2 年連続 |
| 規則性・数列 | 2017・2019・2021・2022・2024・2025 | 近年 6 年で 4 年(2021・2022・2024・2025) |
| つるかめ算・和差算・分配算・年齢算・過不足算 | 和差 2005・2007・2012・2014・2015・2025、つるかめ 2009・2012・2021・2022・2023・2026、過不足 2010・2025、年齢 2026 | 特殊算の看板単元がほぼ毎年 1〜2 大問。名前を聞いて式が出る状態が要る |
| 仕事算・ニュートン算・水量 | 仕事 2007・2009・2015(2 題)・2024、ニュートン 2010・2019、水量 2005・2008・2016 | 2024 の仕事算以降は空いている |
| 場合の数・論理・集合 | 2005・2011・2021・2022・2024 | 2024 大問 3 は場合の数+記述 |
| 図形の移動・対称・立体 | 移動 2008・2009・2010・2024、対称 2012、立体 2012・2019、切断 2011・2015 | 立体の切断は 2015 が最後 |
| 円とおうぎ形 | 2026(2024 大問 2・2026 大問 2 に小問) | 大問としては少なく、大問 2 の小問として出る |
| 平均算・資料の読み取り | 平均 2005・2010・2016・2024・2026(大問 5(1))、資料 2007・2025(大問 2(2)) | 小問として定期的に |
問い方
- 7 大問の役割分担がはっきりしています。前半(大問 1・2)は計算と独立小問で、ここは 15 分前後で確実に取る場所です。後半(大問 3〜7)は 1 大問 2〜4 問の設定つきで、(1) が易しい確認、(2)(3) が本体になります。
- 「考えられるものをすべて書きなさい」の複数解答が近年目立ちます。2025 大問 6(2)(連続する整数の和の表し方)、2026 大問 2(1)(四捨五入して 4 になる整数)、2026 大問 7(2)②。1 つ見つけて満足すると落とします。
- 答えの単位・書き方の指定が設問文の中にあります。2026 大問 4 は「解答欄は『Aさん ( ) 才』…」の形で年齢を 3 人分書かせます。
8-2. 理科(30 分・60 点・大問 4・小問 22〜25)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2026(23 問) | 物理/磁石(棒磁石と方位磁針の向き・磁石を切る・鉄釘 1 本と 2 本を N 極で持ち上げる)5 問 | 地層と年代測定/炭素の量から枯れてからの年数を出す。過酸化水素と二酸化マンガンで発生する気体、福島第一原発事故に触れる小問を含む 5 問 | 生物/サケの母川回帰(アスタキサンチン・実験 1〜3 からいえること・記述 2 問・北海道のクマ・樹木の成長) 7 問 | 地学/地震と津波(震度・津波警報・30 分後に 5m の津波を想定した避難経路・火山活動・過去の災害と減災)6 問 |
| 2025(22 問) | 物理/てこ(長さ 12cm の板を 10 枚重ねて机の縁からはみださせる。表の空欄・10 枚のときのはみだし・何枚必要か)3 問 | 化学/中和(塩酸 A と水酸化ナトリウム水溶液 B を合計 10mL で混ぜ、蒸発させた粉の重さ。飽和食塩水を使う理由・食塩 1cm³ の重さ 2.16g)5 問 | 生物・地学/開花の調節(キクに光を当てる時間を変える実験 1〜4・サクラの開花予想日を積算温度から計算・最高気温が 3℃ 低かったら・高尾山のブナ)7 問 | 地学/気象・海洋・地震・火山のクロスワード(マグマ・エルニーニョ・初期微動・津波・富士山…をすべてカタカナで。二重線のマスを並べ替えて防災の語をつくる)7 問 |
| 2024(25 問) | 物理/光(虫めがねで日光が集まる・薄いレンズ・大きいレンズ・ガラスブロック A〜E を並べ替える・傾けたブロックでの光の道すじ)5 問 | 化学/中和(乾くと色が消えるスティックのりの話から。BTB 溶液で黄色になるビーカー・水酸化ナトリウムの重さ・グラフの形・濃度 9.09% の計算)7 問 | 生物/トマト(世界の生産量トップ 10 の表・光合成とはどのようなはたらきかの記述・果房あたりの果実の数と成長の速さ)6 問 | 地学/気候変動(国連の 2021 年報告書・化石燃料をすべて選ぶ・温室効果・海の面積は地球の表面積の 70%・氷河が全部溶けたら海面は何 cm 上がるかの 3 段階計算)7 問 |
精読した 3 年の共通点は次のとおりです。
- 大問 4 つの分野の並びが動きません。 大問 1=物理、大問 2=化学(2026 は地層の文章の中に気体と熱の小問が入る形)、大問 3=生物、大問 4=地学。転写の分類で数えると、大問 1 が物理・大問 3 が生物・大問 4 が地学なのは 2014〜2026 の 13 年連続です(2005〜2012 は年により並びが入れ替わります。2008 は大問 3 が流水・大問 4 がこん虫、2011 は 4 分野の順が総入れ替えになっています)。大問 2 の化学は 2014〜2025 の 12 年続き、2026 で地学寄りの文章に入れ替わりました。
- どの大問も「次の文章を読み、以下の問いに答えなさい」から始まります(2024・2026 の 3〜4 大問、2025 の 2 大問)。導入文が 200〜400 字あり、表・グラフ・図がついて、そこに解くための材料が入っています。
- どの大問にも計算があります。2024 は濃度 9.09% の換算と海面上昇の 3 段階計算、2025 は板のはみだしの合計・中和の比例・積算温度からの開花予想日、2026 は炭素の残量から年数・鉄釘の本数。知識だけで答えられる小問は 1 大問に 1〜3 問です。
- 災害と環境が題材に入ります。2024 は気候変動と海面上昇、2025 は大問 4 が丸ごと防災のクロスワード、2026 は地震・津波・避難経路。3 年連続で「自分の身に起きたらどうするか」に寄せた小問があります。
頻出単元と周期(転写の分類・2005〜2026 の 21 年で大問の主要単元として数えたもの)
| 位置 | 分野 | 出た単元と年 |
|---|---|---|
| 大問 1 | 物理 | てこ・つり合い 2005・2008・2009・2012・2015・2023・2025/光 2006・2016・2024/電気回路 2007・2017/電磁石・磁石 2010・2026/ふりこ 2014・2021・2022/熱と状態変化 2018/音 2019/浮力・密度 2020/(2011 のみ気象) |
| 大問 2 | 化学 | 中和 2014・2016・2021・2024・2025/気体の性質 2007・2009・2018/溶解度・再結晶 2005・2012/質量保存 2006・2015/燃焼 2017/金属と水溶液 2019/水溶液の性質 2023(2008 は浮力・2011 はふりこ・2026 は地層と、化学以外の年もある) |
| 大問 3 | 生物 | 生態系・食物連鎖 2010・2015・2017・2018・2021・2022・2026/人体 2006・2009・2014・2019・2023/こん虫・動物 2008・2012・2016/植物のつくり 2011・2024/種子の発芽 2005・2007/条件制御 2020/(2025 は開花の調節で気象と混在) |
| 大問 4 | 地学 | 気象 2006・2007・2014・2017・2024/惑星・太陽系 2015・2016・2022・2023/地震・火山 2020・2021・2025・2026/月 2012・2019/星・星座 2009・2018/太陽 2005/(2008 のみこん虫。流水のはたらきは 2008 の大問 3) |
- 生態系・食物連鎖は 21 年で 7 回と最も多く、大問 3 の主役です。人体は 2009・2014・2019・2023 と 4〜5 年おきに出ています。
- 地学は 2020・2021・2025・2026 と地震・火山が 4 回で、直近は 2 年連続です。天体(月・星・惑星)は 2023 の惑星が最後でした。
問い方
- 選択肢は「実験の結果からいえること」を選ばせる形が中心です。2025 大問 3 問 1「実験 1〜実験 4 の結果から正しいと考えられるもの」、2026 大問 3 問 3・問 5「この結果からいえること」。知識ではなく、直前の表や図を根拠に判断させます。
- 「すべて選びなさい」(2024 大問 4 問 2)と「1 つ選び記号で」の両方が混じります。
- クロスワードや並べ替え(2025 大問 4)のように、形式そのものが年で変わる大問があります。2024 大問 1 問 4 も「A〜E を向きを変えずに並べ替えて」の並べ替えでした。
8-3. 社会(30 分・60 点・大問 3・小問 24〜32)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(歴史) | 大問 2(地理) | 大問 3(公民) |
|---|---|---|---|
| 2026(27 問) | 「次のア〜カの文章を読んで、問いに答えなさい」=ペリー来航と日米和親条約/保元・平治の乱/今川氏と桶狭間/普通選挙と治安維持法/日光東照宮/米を保存する倉庫のある遺跡。並べかえ・時期の判定・鹿鳴館・五稜郭・オランダ商館・咸臨丸・高床倉庫の工夫の記述 12 問 | 水(海水と淡水の混じる湖・イタイイタイ病と神通川・大量の水を使う工業・流域面積・紀伊半島の林業・雨温図 4 つと地図・ゼロメートル地帯で起きやすい災害の記述・SDGs の水とトイレ・琵琶湖の面積割合)11 問 | 伊藤亜紗の引用文+生徒 A・B・C と先生の対話(憲法の空欄 3 つ・アイヌ施策推進法や入管法改正の正誤 ○×・カタカナ語 3 つ・表と対話の対応)4 問 |
| 2025(32 問) | 「次のア〜カの文を読み、下の問いに答えなさい」=壇ノ浦と平時忠/渤海の使節と遣唐使/ドイツの万国博覧会/輪島塗と本居宣長/大伴家持/占領期。並べかえ・出来事とア〜カの対応 4 問・鑑真・立憲改進党・万葉集・占領期の教育制度の変化を二つ挙げる記述 15 問 | 新聞コラム(三波春夫「お客様は神様です」)の下線部 10 か所=高度経済成長・四日市ぜんそく・中国の経済成長・春節・城下町の雨温図・訪日客・円安と輸出・観光公害の説明の記述・山口県と福岡県・1970 年の万博 11 問 | 国分功一郎の引用文+生徒と先生の対話(小平市の住民投票。地方自治の語句を漢字 2 文字で 3 つ・対話文からの抜き出し・憲法第 96 条の空欄・「アラブの春」・多数決の考え方)6 問 |
| 2024(24 問) | 「次のア〜カの文を読み、下の問いに答えなさい」=鶴岡八幡宮の暗殺と承久の乱/縄文のクリ栽培/正倉院/関税自主権/太平洋戦争/豊臣秀吉。並べかえ・①〜⑤の出来事とア〜カの対応・六波羅探題・御成敗式目・貝塚・校倉造・秀吉の二つの政策とねらいの記述 9 問 | 7 地方でそれぞれ最も人口の多い市ア〜キ(札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡)=政令指定都市・石狩平野・七夕まつり・みなとみらい 21 の新旧地形図を見くらべる記述・輸送用機械・万博・太田川の三角州・ワインとぶどうの生産上位国 10 問 | 図 5 についての生徒と先生の対話(語句を漢字 2 字・7 字・4 字で・NATO の日本語名・国際組織をすべて選ぶ)5 問 |
精読した 3 年の共通点です。社会は 4 科目のなかで最も座席が動きません。
- 大問 1=歴史・大問 2=地理・大問 3=公民です。転写の分類で数えると、この並びは 2017〜2026 の 10 年連続でした(2011〜2016 も大問 1 は歴史)。
- 大問 1 の作りが 3 年とも同じです。時代のばらばらな 6 つの文ア〜カが並び、問 1 が「古い方から順に並べかえて記号で」、問 2 が「次の①〜⑤(あるいは (1)〜(4))の文が示す出来事はア〜カのどれと関係が深いか、記号で」。2024 には「関係の深い文がないときは、記号キで答えなさい」という逃げ道の記号まで用意されています。この問 2 の言い回しは、転写の照合では 2018・2020・2021・2022・2024 の設問文に同じ形で現れます。以降は各文について 1〜2 問ずつ、人名・語句・制度を答えさせます。
- 大問 1 の最後の問が記述です(2024 問 8・2025 問 8・2026 問 8)。3 年とも大問 1 の締めが記述で、しかも「二つあげ、それぞれのねらいを説明」(2024)「二つあげなさい」(2025)「どのような工夫がされていたか説明」(2026)と、複数を挙げさせる/理由を説明させる形でした。
- 大問 3 は「引用文+生徒と先生の対話文」です。3 年連続で対話文が土台で、問 1 はいずれも対話文中の空欄 1〜3 に語句を入れます(漢字 2 文字・漢字 4 字などの指定つき)。
- 記述は 3 年とも 2 問(大問 1 に 1 問、大問 2 に 1 問)で、全小問に占める割合は 6〜8% でした。
頻出単元と周期(転写の分類・2005〜2026 の 20 年で大問の主要単元として数えたもの)
| 位置 | 分野 | 出た単元と年 |
|---|---|---|
| 大問 1 | 歴史 | 江戸時代 2008・2013・2018・2019/幕末・明治維新 2012・2020・2026/鎌倉・室町 2007・2021・2024/史料・資料の読解 2005・2016/近代の戦争 2015/対外関係史 2014/文化史 2011/平安 2022/戦後・現代 2023/飛鳥・奈良 2025/(2010 は世界地理・2017 は都道府県) |
| 大問 2 | 地理 | 都道府県・地域の同定 2011・2012・2019・2022・2023・2024/世界地理 2020・2025/日本の地形 2017・2026/農業・畜産 2008・2021/工業・産業構造 2018/交通・通信 2015/環境問題 2016/情報・メディア 2014/(2005 は歴史・2007・2010・2011・2012・2013 は公民寄り) |
| 大問 3 | 公民・国際 | 国際社会・国際協力 2015・2021・2022・2024/財政・税 2016・2020/日本国憲法 2023・2025/選挙制度 2019/経済・労働 2018/人権・多様性 2026/時事 2017/(2005〜2014 は地理が入る年がある) |
- 大問 2 の「都道府県・地域の同定」は 20 年で 6 回と最も多く、2022・2023・2024 は 3 年連続でした。
- 大問 3 は国際社会(4 回)と憲法(2 回)が柱です。財政・税は 2020、選挙制度は 2019 が最後でした。
問い方
- 並べかえと対応づけが入口です。大問 1 の問 1(時代順の並べかえ)と問 2(出来事とア〜カの対応)は、6 つの文を先に読んで時代を確定しないと両方落とす作りになっています。大問 1 の入口で 5 分使う価値があります。
- 地形図・雨温図・統計表を読ませます。2024 は新旧の地形図を見くらべて「かつてどのような施設があったか」を説明させ、2026 は雨温図 4 つを地図上の地点に当てさせました。
- 記述は字数指定なしで「簡潔に説明しなさい」「具体的に説明しなさい」。解答欄の大きさが分量の目安になります(転写では欄の実寸まで読めないので、市販の過去問で確認してください)。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 2・小問 17〜20)
国語だけは資料が古いままです。 転写があるのは 2006〜2017 の 11 年分(2009 は資料に無し)で、2018 年度以降の問題は手元の資料にありません。以下は原本で精読した 2015・2016・2017 の 3 年と、2006〜2017 の転写の分類にもとづきます。近年の出題が同じかどうかは確認できていないので、必ず市販の最新の過去問と突き合わせてください。
年度×大問の題材表(2015〜2017・原本で確認/出典は転写に残っていたもの)
| 年度 | 大問 1 | 出典 | 大問 2 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 2017(17 問) | 物語文|駅伝の第一区を走る高校生・沢田瞬太が、小学生のころ交番に呼ばれた日と教頭先生を回想する(母親との関係・わだかまり)9 問・記述 3 | まはら三桃『白をつなぐ』 | 評論|「最低の学校」とは何か。教員全員が同じ考え方・同じ方法で教える学校への批判と「多声的な環境」8 問・記述 3 | 内田樹『転換期を生きるきみたちへ』 |
| 2016(19 問) | 物語文|中学 2 年生の「私」が、余命の短い「おばあちゃん」に頼まれて聞いたことのない本を書店で探す 8 問・記述 2 | 角田光代『さがしもの』 | 説明文|NHK『課外授業 ようこそ先輩』で農場に来た小学生への授業。二種類の「失敗」11 問・記述 1(意見記述) | 西島清順『教えてくれたのは、植物でした』 |
| 2015(20 問) | 随筆|映画監督が、火薬を仕込んだ昔の戦争シーンと現代の映画を対比する 9 問・記述 3 | 大林宣彦の文章(『いまを生きるための教室 今ここにいるということ』所収) | 物語文|尋常小学校 6 年生の千代が卒業劇の脚本を任され、「未来の教室」の話を書く 11 問・記述 3 | 濱野京子「未来の教室」 |
精読した 3 年の共通点です。
- 大問 2 題・小問 17〜20 です。片方が物語文、もう片方が随筆か説明文・評論。2016・2017 は「大問 1 が物語、大問 2 が説明・評論」の順でしたが、2015 は逆で、順番は固定ではありません。
- 漢字の書き取りが両方の大問に入ります。3 年とも大問 1 と大問 2 のそれぞれに 3〜5 問ずつあり、カタカナを漢字に直す形です。合計 6〜9 問で、配点の見込みは小さくありません。
- 「次の一文はもともと本文にあったものである。もとにもどすのに最もふさわしい場所を選びなさい」が 3 年連続で出ています(2015 大問 1 問五、2016 大問 1 問五、2017 大問 1 問七)。文章の流れをつかんでいるかを測る同じ問い方が、3 年とも物語文か随筆の側に置かれていました。
- 記述は年 3〜6 問(全小問の 16〜35%)です。「簡潔に説明しなさい」「くわしく説明しなさい」「自分のことばで説明しなさい」「できるだけくわしく説明しなさい」と、分量の指示が字数ではなく形容詞で来ます。字数指定は抜き出しと空欄補充の側(「20 字程度」「10 字前後」「10 字以内」)に付きます。
- 空欄に自分でことばを考えて入れる小問があります。2016 大問 2 問十(本文中の空欄に 10 字以内で考えて答える)、2017 大問 1 問六(本文中の《 》に五字以上のことばを考えて入れる)。選択肢から選ぶのではなく、文脈に合う語を自作させます。
頻出単元と周期(転写の分類・2006〜2017 の 11 年)
- 大問の主要な問い方で数えると、記号選択が 31%・記述が 29%・抜き出しと空欄補充が 19%・漢字が 16% です。記号選択と記述が両輪で、どちらかに偏りません。
- 転写の分類では、大問 2 の主軸が記号選択なのは 2010〜2017 の 8 年連続でした。大問 1 のほうが記述・抜き出しの比重が高い年が多く見られます(2007 抜き出し、2015 抜き出し、2016 記述)。
- 大問数は 2006・2008 が 3 題(漢字が独立した大問)、2007 以降はおおむね 2 題です。
- 記述の比率は年で振れます。精読した 3 年でも 2016 は 16%、2015 は 30%、2017 は 35% と倍以上の差がありました。
問い方
- 物語文は「気持ちの変化」と「なぜそう言ったのか」です。2017 問四「わだかまりは、どういうものからどういうものへと変化したのだろうか」、問五「このときの母親の気持ちを想像して」、2016 問七「ぬいぐるみなんかいらないと言っていたおばあちゃんが、なぜここでそれを隣に寝かせたのか」。変化の前と後を両方書かせる設問が目立ちます。
- 説明文・評論は「筆者の言い分を自分のことばに置き換える」ことを求めます。2017 問四「どのような点で『最低の学校』ということになるのか。本文前半の内容をふまえて」、問六「『全部疑ってかかる』と『頭から信じない』の違いは何か」。似た二つの言葉を区別させる問いがあります。
- 意見記述が出る年があります。2016 大問 2 問十一は「二種類の『失敗』のうち、君自身はどちらが大切だと考えているか。君自身の経験を例にしながら、できるだけくわしく述べなさい」で、「どちらの立場で書いても、そのことで採点が左右されることはありません」と断ってあります。
- 語句の知識も少し出ます。四字熟語の空欄(2016 大問 2 問三)、「案の定」の意味(2016 大問 1 問三)、ひらがな五字の擬態語(2015 大問 1 問三)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年(国語は 2015〜2017)に出ていないものの、転写の分類では過去に繰り返し出ており、周期から見て戻る余地がある単元です。
| 科目 | 単元 | 大問で出た年(転写の分類) | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形の切断 | 2011・2015 | 2015 | 2015 を最後に 11 年なし。近年 3 年の大問に立体が 1 つも無い |
| 算数 | 立体図形(体積・表面積) | 2012・2019 | 2019 | 2019 以来 7 年なし |
| 算数 | 水量・ニュートン算(水そうの水量や、たまる量と減る量を同時に追う問題。受験用教材の単元) | 水量 2005・2008・2016、ニュートン 2010・2019 | 2019 | ともに長く空いている |
| 算数 | 仕事算 | 2007・2009・2015(2 題)・2024 | 2024 | 2024 に戻った。周期 5〜9 年 |
| 算数 | 図形の移動 | 2008・2009・2010・2024 | 2024 | 2010 以来 14 年空いて 2024 に戻った実績があり、長い空白から突然戻る型がある |
| 算数 | 円とおうぎ形の大問 | 2026(大問 2 の小問として 2024 にも) | 2026 | 大問としては少なく、小問で顔を出す |
| 理科 | 電気回路・電流 | 2007・2017 | 2017 | 2017 が最後・9 年。物理は 2024 光→2025 てこ→2026 磁石と一巡したところ |
| 理科 | 音・浮力 | 音 2019、浮力・密度 2008・2020 | 2020 | ともに 6〜7 年なし |
| 理科 | 熱と状態変化 | 2018 大問 1・2022 大問 2 | 2022 | 物理の空いている単元の一つ |
| 理科 | 溶解度・再結晶 | 2005・2012(2025 大問 2 に小問) | 2025 | 大問としては 2012 が最後 |
| 理科 | 燃焼・金属と水溶液・気体の性質 | 燃焼 2017、金属と水溶液 2019、気体 2007・2009・2018 | 2019 | 2026 は化学の大問が無かったので、戻る可能性がある |
| 理科 | 人体 | 2006・2009・2014・2019・2023 | 2023 | 4〜5 年おきの周期がきれい。次は 2027〜2028 前後 |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2008・2012・2016 | 2016 | 2016 が最後 |
| 理科 | 種子の発芽 | 2005・2007 | 2007 | 長く空いている |
| 理科 | 月・星座・惑星 | 月 2012・2019、星 2009・2018、惑星 2015・2016・2022・2023 | 2023 | 地震・火山が 2025・2026 と 2 年続いたので、天体に戻る番 |
| 社会 | 財政・税 | 2011・2013・2016・2020 | 2020 | 大問 3 の柱の一つだが 2020 が最後・6 年 |
| 社会 | 選挙制度 | 2007・2019(2025 大問 3 問 5(2) に小問) | 2025 | 大問としては 2019 が最後 |
| 社会 | 経済・労働 | 2018 | 2018 | 8 年なし |
| 社会 | 地方自治 | 2025 に小問 | 2025 | 大問の主軸としては空いている |
| 社会 | 農業・畜産/工業・産業構造 | 農業 2008・2021、工業 2018 | 2021 | 大問 2 が 2022〜2024 は都道府県の同定、2025・2026 は世界地理・地形と振れており、産業系が戻る余地 |
| 社会 | 情報・メディア/交通・通信 | 情報 2008・2014、交通 2010・2014・2015 | 2015 | ともに 10 年前後なし |
| 社会 | 環境問題 | 2016(2026 大問 2 に小問) | 2026 | 大問の主軸としては 2016 が最後 |
| 社会 | 江戸時代を大問 1 の主軸に | 2008・2013・2018・2019 | 2019 | 主軸としては 2019 が最後。小問としては 2025・2026 にも登場 |
| 社会 | 文化史・美術史/対外関係史 | 文化史 2011、対外関係史 2014(ともに 2025 に小問) | 2025 | 大問の主軸としては長く空いている |
| 国語 | 意見記述(自分の考えを書く) | 2016 | 2016 | 資料のある範囲では 2016 のみ。戻れば配点が大きい |
| 国語 | 四字熟語・語句の意味 | 2016 | 2016 | いつ戻ってもおかしくない位置にある |
| 国語 | 漢字が独立した大問 | 2006・2008 | 2008 | 2010 以降は各大問の中に組み込まれている |
国語は資料が 2017 年度までなので、周期の話は慎重に扱ってください。
10. 形式面の注意
算数
- 50 分・7 大問・19〜21 問。単純計算すると 1 問あたり 2 分半です。大問 1 の計算 3 問と大問 2 の独立小問を 15 分以内で抜けられるかが配分の要になります。
- 記述は年 1 問で、位置は 3 年とも大問 3(2)。「答えだけでなく,途中の考え方を示す式や図などもかきなさい」なので、式・図・言葉のどれで書いてもよい形です。答えだけ書くと部分点にならない可能性があります。
- 作図は 3 年で 1 問(2026 大問 7(2)① の方眼の塗り分け)。転写では解答用紙の欄の形までは読めないので、実寸は市販の過去問で確認してください。
- 円が絡む設問には「円周率は 3.14 として計算しなさい」が設問ごとに付きます(2024 大問 2(3)、2026 大問 2(2)②)。答えの書き方を設問文で指定する年もあります(2026 大問 4「解答欄は『Aさん( )才』…」)。
- 図のある小問は 3 年で 32〜48%(2024 年 37%、2025 年 32%、2026 年 48%)。図を自分で写して考える場面が多くあります。
- 解答用紙は問題冊子と別です(2024・2025 の転写注記で「解答用紙が同梱」)。
理科
- 30 分・4 大問・22〜25 問。1 問あたり 1 分 20 秒前後で、しかも各大問に 200〜400 字の導入文がつきます。読む速度が直接効きます。
- 四捨五入の桁指定が大問の導入文に置かれます(2025 大問 1「答えが割り切れない場合は小数第 2 位を四捨五入し、小数第 1 位まで求めなさい」、大問 2「小数第 3 位を四捨五入し、小数第 2 位まで」)。この言い回しは 2021・2023・2025 の設問文に同じ形で現れます。文字種の指定もあります(2025 大問 4「以下の問いにすべてカタカナで答えなさい」、2024 大問 4 問 3「漢字で答えなさい」)。
- 記述は年 0〜2 問で字数指定はありません(字数指定は精読した 3 年に無し。2025 は記述ゼロ)。「簡潔に説明しなさい」「光合成とはどのようなはたらきか簡単に説明しなさい」「『栄養分』という言葉を使って説明しなさい」「本文から読み取って説明しなさい」のような条件がつきます(2024・2026)。
- 作図は精読した 3 年に無し(2026 大問 4 問 4 は避難経路を図から選ぶ形)。
- 図のある小問は 3 年で 28〜86%(2024 年 28%、2025 年 86%、2026 年 57%)と年による差が大きく、表・グラフの読み取りが多い年は時間を食います。
- 解答用紙は別紙です(2024・2025・2026 の転写注記)。単位を答えに書かせる小問(2024 大問 4 問 5「単位をつけて」)があります。
社会
- 30 分・3 大問・24〜32 問。1 問 1 分弱です。しかも大問 1 は 6 つの文、大問 2 は下線部 10 か所つきの文章、大問 3 は対話文と、読む量が多いので、読みながら解く練習が要ります。
- 文字種・字数の指定が細かくあります(「漢字で」「漢字 2 文字で」「2 は 7 文字、3 は 4 文字で」2024 大問 3 問 1、「漢字 4 字で」2026 大問 3 問 1)。
- 正誤の ○× 記入(2026 大問 3 問 2「内容が正しければ ○ を、正しくなければ × を」)、「すべて選び」(2024 大問 3 問 5)、組み合わせを選ぶ形(2024 大問 2 問 9)もあります。
- 記述は 3 年とも 2 問(大問 1 と大問 2 に 1 問ずつ)で字数指定なし、「簡潔に」「具体的に」。対話文からの抜き出し(2025 大問 3 問 2)は、国語の抜き出しと同じ作業を社会でさせるものです。作図は精読した 3 年に無し。
- 図・地図・表のある小問は 3 年で 15〜46%(2024 年 46%、2025 年 19%、2026 年 15%)。地図・地形図が多い年とほぼ文章だけの年があります。
- 前年〜数年内の出来事が語句として入ります(2024 の 2025 年万博・NATO、2025 の訪日客と円安、2026 のアイヌ施策推進法・出入国管理法改正・SDGs)。ニュースを「制度の名前」で言えるようにしておいてください。
国語(2015〜2017 で確認・近年は未確認)
- 50 分・大問 2 題・小問 17〜20。本文が長く(転写ベースで本文と導入だけで 6000 字を超える年があります)、読む速度と記述の速度の両方が要ります。
- 記述は年 3〜6 問で字数指定がなく、「簡潔に」「くわしく」「できるだけくわしく」「自分のことばで」と分量が形容詞で示されます。字数指定は抜き出しと空欄補充の側に付きます(「20 字程度」「10 字前後」「10 字以内」「五字以上」)。
- 漢字はカタカナ→漢字の書き取りで、両方の大問に 3〜5 問ずつ。
- 物語文には数行の前書き(登場人物と場面の説明)がつく年があります(2015 大問 2、2016 大問 1、2017 大問 1)。ここに人間関係が全部書いてあるので飛ばさないでください。
- 記述の解答欄は字数指定がないので、欄の大きさが分量の目安になります。図・グラフは 11 年を通してゼロでした。
共通
- 解答用紙は問題冊子と別紙です。満点・設問別配点は問題冊子に印刷されていません。解答欄の実寸は転写では読めないので、記述の分量感は市販の過去問で確認してください。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・帯分数の混合)、図形(面積と角度)、読解(線部を自分のことばで言い直す)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本。桐朋で最終的に効く入口は「帯分数と小数の混じった四則計算」「線分図・面積図(受験用教材の単元)を描く癖」「時代の名前と代表的な出来事を結びつける」 | 差はほぼ無い。時間計測はまだしない。計算を毎日切らさないことだけが効く |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える段。算数は 8-1 の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使う(特殊算 10 種(つるかめ算・ニュートン算など、受験用教材の単元)・数の性質・規則性・平面図形の面積比・速さ・食塩水)。理科は 4 分野をまんべんなく、特に「表を見て比例か反比例かを言う」習慣。社会は通史を一巡し、時代の順に並べられる状態に。国語は物語文と説明文を交互に、記述を 2〜3 文で書いて直してもらう | 座席が動かない学校なので、単元の抜けがそのまま失点の場所になる。逆に言えば「どの位置に何の分野が来るか」を先に知っておけるので、小 5 のうちに大問の役割を知っておくと小 6 の演習が速い |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の項目。夏以降に過去問を年度通しで時間を計る(算数 50 分・理科 30 分・社会 30 分)。同時に、同じ座席を縦に(算数の大問 1 だけ 5 年分、大問 3(2) だけ 3 年分、社会の大問 1 の問 1・問 2 だけ 5 年分)解く使い方が、この学校では特によく効く | 座席が動かないので、配分を毎回同じにできるのが最大の武器。「大問 1・2 に 15 分、大問 3〜7 に 35 分」のような型を 9 月までに決め、以後は変えない |
小 5 の 1 週間の組み方は、「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にすると上の内容が収まります。単元の順番は、算数が計算 → 特殊算(つるかめ・和差・分配・年齢・過不足・平均・仕事・売買・相当)→ 数の性質・規則性 → 平面図形の面積比 → 速さ → 食塩水、社会が通史の一巡 → 地理 → 公民の順です。
- 平日 15 分×5: 算数の計算と、社会の「時代を順に並べる」練習、国語の漢字。
- 週末 60 分: 算数の特殊算を 1 種類ずつ図が描けるまで、理科は 4 分野のうち 1 つを表・グラフつきで。
- 国語は物語文と説明文を交互に読み、記述を 2〜3 文で書いて直してもらいます。ただし国語は 2018 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問で確認してください(→ 13 節)。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 5 での全分野の一巡と、小 6 の「配分の型づくり」の両方ですが、比重は小 6 の配分にあります。4 科目とも時間が短く(社会・理科は 30 分で 22〜32 問、算数は 50 分で 7 大問)、実力があっても配分を決めていないと最後の大問に手が届きません。座席が 10 年以上動いていない学校なので、過去問を 3〜5 年分やった時点で「何分でどこまで」の型が作れます——この作りやすさが桐朋の過去問演習の利点です。逆に、暗記量で押し切る場面(社会の一問一答、理科の用語)は他校より少なく、表から計算する・時代を並べる・考え方を書くという作業の速さが差になります。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 公文国際学園中等部(神奈川県): 4 科すべてが均等に近く、どの科目の演習も転用しやすい相手です。
- 高輪中学校(東京都): 理科が特に近く、算数も近い相手です。男子校で 4 科の構造が似ています。
- 駒込中学校(東京都): 社会・国語が近く、算数はやや離れます(共学。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯に入試が重なる回あり)。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 理科の演習は転用が効きやすい傾向があります(8 校中 6 校で 84 以上)。4 大問・分野順・計算つきという作りが共通しているためと見られます。
- 算数は転用が効きにくいほうです。桐朋の「7 大問・計算 3 問から始まり特殊算が並ぶ」構造は珍しく、近いのは公文国際(82)と高輪(82)まで。算数だけは桐朋の過去問を直接やる価値が高いといえます。
- 社会は 80〜87 と全体に近く、歴史・地理・公民を大問 3 つに分ける形が広く共通しています。
13. 資料の限界
- 入試回が区別できません。 この学校には第 1 回(2 月 1 日)と第 2 回(2 月 2 日)がありますが、手元の転写は 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回かを判別できません。本稿は第 1 回相当として扱いました。第 2 回の出題が同じ座席・同じ形式かどうかは、この資料では分かりません。第 2 回を受ける場合は、市販の過去問で回ごとの構成を必ず確認してください。
- 国語は 2018 年度以降が丸ごと資料にありません。読めるのは 2006〜2017 の 11 年分(2009 は資料に無し)で、原本で精読したのは 2015〜2017 の 3 年です。この 8 年で国語の形式が変わっている可能性があるため、8-4 の内容は「かつてはこうだった」として読み、最新の形式は市販の過去問で確認してください。
- 算数と理科は 2013 年度、社会は 2006・2009 年度の転写がありません。周期の数え方はこの欠けを含んだものになっています。
- 図そのものは転写できません。図は文章による説明として記録されているため、図形問題の細部(角度・比・立体の見え方)は推定を含みます。2025 算数の大問 5 は図の数値が読み取れていません。
- 転写の読み取り確度は年により差があります(算数の 2025・2026、理科の 2024 は低め)。小問数や単元の分類に多少のずれがある可能性があります。
- 解答用紙の実寸・設問別配点は分かりません。記述の分量感(何字くらい書く欄か)は、市販の過去問で解答欄を見て決めてください。
- 2005〜2023 年(国語は 2006〜2014 年)については、大問ごとの主要単元を数えただけで、設問文までは精読していません。「〜年に出た」という記載はその分類にもとづくもので、同じ単元名でも問い方は違っている可能性があります。
- 難易度・合格の見込み・学校が掲げる教育方針・入試結果には触れていません(別の資料の領分です)。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
資料の中で食い違っている数字
- 算数の「速さ」の年数が 2 か所で違います。 8-1 の頻出単元の表は「21 年中 18 年」(速さ・流水算をまとめて数えたもの)、7 節の項目は「21 年中 17 年」としています。転写の分類での数え方の違いと見られますが、どちらが正しいかはこの資料では決められません。いずれにせよ「速さは 21 年のうち大半の年に出ている」と読んでください。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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