関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

芝浦工業大学附属中学校の過去問分析

共学私立東京都江東区

重要結論

  1. 算数も理科も大問 1 が「放送を聞いて解く問題」です。算数は 2021〜2026 年度の 6 年連続、理科は 2022〜2026 年度の 5 年連続で、開始直後に自分でページをめくれない時間があります。
  2. 国語は大問一=小説、大問二=説明的文章、大問三=詩か短歌、大問四=語句・知識、大問五=漢字の書き取り 5 問という出題位置(大問の番号と順番)が、資料のある 6 年すべてでそろっています。
  3. 一方で理科は大問 1 以外に分野の出題位置がほとんど無く毎年作り直され、社会は 2026 年度に姿が変わりました(2010〜2016 年度は 3 大問 31〜43 問、2026 年度は 1 大問 4 問でそのうち 2 問が記述)。

今週やること

  1. 算数と理科の大問 1 を、保護者が問題文を 1 回だけ読み上げる形で解いてみて、聞きながらメモと図を残せるかを確かめます。
  2. 放送問題を「聞いて解く」練習をします。算数は計算と記入に 1 分、理科は記入 15 秒です。
  3. 国語は大問三の詩・短歌を毎週 1 編、大問五の漢字の書き取りを毎日 5 問続けます。

分析年度: 2010〜2026 年度
入試回: 4 科がそろう回
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 社会は 2017〜2025 年度の 9 年分、国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(13 節)。社会について書いたことは 2026 年度の 1 年分の観察、国語について書いたことは 2019 年度までの話です。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意(4 科目共通と、科目別)
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 5 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 6 冊すべて・数えられなかった年 2011・2012・2013・2017。最新の資料は 2019 年度)。前回の変化: なし(2010〜2019 年度の、数えられた資料 6 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 理科: 8 題(2018 年度から、大問数を数えられた資料 3 冊すべて・数えられなかった年 2019・2021・2022。最新の資料は 2023 年度(2024 年度・2025 年度・2026 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2024 年度 7 題・2025 年度 7 題・2026 年度 6 題))。前回の変化: 2016 → 2018 の間に 7 題 → 8 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 1 回: 2018。前回の変化のときの分野の並び: 分野横断|物理|物理|化学|化学|分野横断|地学 → 地学|物理|物理|化学|化学|地学|生物|物理
  • 社会: 1 題(2026 年度の、大問数を数えられた資料 1 冊のみ。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: 2016 → 2026 の間に 3 題 → 1 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 2 回: 2012・2026(間隔 14)。前回の変化のときの分野の並び: 地理-地図・地形・気候|歴史-古代〜中世|公民-憲法・政治 → 歴史-近現代

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都江東区
男女 共学(2021 年より中学校も共学化。それ以前は男子校)
旧称 東京育英高等学校、芝浦工業大学中学高等学校
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前 — 4 科(男女計 90 名)/第 2 回 2 月 2 日午前 — 4 科・第 1 回と同じ科目構成と時程(男女計 45 名)/言語・探究入試 2 月 2 日午後 — 言語技術と探究 40 分+算数 30 分(男女計 15 名)/英語入試 2 月 2 日午後 — 英語 40 分+算数 30 分
試験時間・配点(4 科) 国語 50 分・100 点/論理社会 20 分・40 点/理科 40 分・80 点/算数 50 分・100 点。合計 320 点
科目立て 社会にあたる時間帯の科目名が「論理社会」で、20 分・40 点と軽い一方、理科が 80 点と重いのがこの学校の特徴です。言語・探究入試と英語入試は各 100 点ずつの 2 科目で行われます

上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

同じ系列・似た校名の学校と間違えないでください。この分析の対象は東京都江東区の芝浦工業大学附属中学校で、千葉県の芝浦工業大学柏中学校、および芝中学校・芝国際中学校とは別の学校です(それらの資料の混入は見つかりませんでした)。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行題(数行で終わる短い文章題)・逆算(□にあてはまる数を求める計算)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 算数も理科も大問 1 が「放送を聞いて解く問題」です。算数は 2021〜2026 年度の 6 年連続、理科は 2022〜2026 年度の 5 年連続で、開始直後に自分でページをめくれない時間があります。
  2. 国語は大問一=小説、大問二=説明的文章、大問三=詩か短歌、大問四=語句・知識、大問五=漢字の書き取り 5 問という出題位置(大問の番号と順番)が、資料のある 6 年すべてでそろっています。
  3. 一方で理科は大問 1 以外に分野の出題位置がほとんど無く毎年作り直され、社会は 2026 年度に姿が変わりました(2010〜2016 年度は 3 大問 31〜43 問、2026 年度は 1 大問 4 問でそのうち 2 問が記述)。

家でやること 3 つ

  1. 放送問題を「聞いて解く」練習をします。算数は計算と記入に 1 分、理科は記入 15 秒です。
  2. 国語は大問三の詩・短歌を毎週 1 編、大問五の漢字の書き取りを毎日 5 問続けます。
  3. 算数の一行題 8〜9 問を 15 分で回します。3 年間で同じ単元が 2 度出た例がほとんど無いので、狭くやり込むより広く回すほうが効きます。

今週やる 1 つ

  1. 算数と理科の大問 1 を、保護者が問題文を 1 回だけ読み上げる形で解いてみて、聞きながらメモと図を残せるかを確かめます。

注意

  1. 社会は 2017〜2025 年度の 9 年分、国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(13 節)。社会について書いたことは 2026 年度の 1 年分の観察、国語について書いたことは 2019 年度までの話です。

4. 資料の状況

転写(過去問の紙面を文字データに起こしたもの)を科目別に数えると、次のようになります。

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科目 資料のある年度 年数 精読した年(設問文まで読んだ年) 構成だけ数えた年 判読の確度
算数 2010・2012・2014〜2026 15 年 2024〜2026 の 3 年 2021〜2023 の 3 年(合わせて 6 年の原本にあたった) 高。ただし大問 1 は放送問題で問題文が印刷されないため、転写にも本文が無い(「放送による問題のため本文なし」「聞き取り問題につき問題文なし」と記録されている)
理科 2010・2012〜2026 16 年 2024〜2026 の 3 年 2022・2023(放送問題の注意書きの有無だけ確認) 高。図の細部は図の説明文からの推定を含む
社会 2010〜2016・2026 8 年 2015・2016・2026 の 3 年 2010〜2014(大問の並びだけ確認) 高。ただし 2017〜2025 年度の 9 年分は資料が無い
国語 2010・2014・2015・2016・2018・2019 6 年 2016・2018・2019 の 3 年 2010・2014・2015(大問の並びと出典まで確認) 高。ただし 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2019 年度までの話
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 校名の確認: 転写の備考に「学校名は『芝浦工業大学附属中学校』である」と明記された冊子が算数・社会で複数あり、問題文の登場人物も「芝田くん」「田浦さん」「芝雄さん」「芝美さん」「芝太郎君」と校名にちなみます。
  • 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、入試回の表記が読み取れません。2027 年度の募集要項では第 1 回(2 月 1 日午前)と第 2 回(2 月 2 日午前)が同じ科目構成・同じ時程なので、そのどちらか(4 科がそろう回)にあたると考えられますが、どちらかは特定できません。2 月 2 日午後の「言語・探究入試」「英語入試」の問題はこの資料には含まれません。
  • 試験時間と配点は 2027 年度の募集要項によります。国語 50 分・100 点、算数 50 分・100 点、理科 40 分・80 点、論理社会 20 分・40 点。過去の年度がこれと同じだったかは確認していません。とくに社会は 2010〜2016 年度の冊子が 30〜43 問あり、20 分の試験ではありえない分量なので、当時と現在では別の科目と考えるべきです。
  • 設問ごとの配点は、どの科目・年度の冊子にも解答用紙にも印刷されていません。

5. 一番大きな結論

この学校の入試でいちばん動かないのは「大問 1 は放送を聞いて解く」という開始の形と、国語の 5 大問の並びです。いちばん動くのは、その先で使われる単元と、社会という科目そのものの姿です。

  • 算数の大問 1 は「聞いて解く問題」で、2021〜2026 年度の 6 年連続です。問題文は冊子に印刷されず、放送を 1 回だけ聞いてその場で解きます。
  • 理科の大問 1 も「聞いて解く問題」で、2022〜2026 年度の 5 年連続です。こちらは記入時間が 15 秒と短く、精読した 2 年(2025・2026)はすべて記号選択でした。
  • 算数の大問 2 は (1) 四則計算・(2) □にあてはまる数を求める逆算です。これも 2021〜2026 年度の 6 年連続です。
  • 国語は大問一=小説、大問二=説明的文章、大問三=詩か短歌、大問四=語句・知識、大問五=漢字の書き取り 5 問。この 5 つの出題位置が、資料のある 6 年(2010・2014・2015・2016・2018・2019)すべてでそろっています。
  • 一方、理科は大問 1 以外に分野の出題位置がほとんど無く、毎年作り直しています。精読した 3 年で、物理・化学・生物・地学の並ぶ位置がすべて違います。
  • 社会は 2026 年度に姿が変わりました。2010〜2016 年度は地理・歴史・公民の 3 大問で 31〜43 問、記号選択が主軸でしたが、2026 年度は資料 7 点をもとにした 1 大問 4 問で、そのうち 2 問が 50〜65 字・100〜130 字の記述です。

ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。実際、算数の一行題は 3 年間で同じ単元が 2 度出た例がほとんどなく、理科の題材は毎年ゼロから組み直されています。唯一「同じ問い方が出る」に近いのは国語の大問四で、2018 年度と 2019 年度には言い回しまでそろった設問が 2 つ確認できました(8-4 節)。

したがって過去問の使い方は、次の 3 本立てになります。

  1. 開始 5 分の形に体を慣らす — 算数も理科も 1 問目が放送問題です。ここは自分でページをめくって解く時間ではありません。過去問を家で解くときに、この部分を別枠として扱う設計が要ります。
  2. 国語は出題位置に沿って積む — 詩・短歌が毎年 1 大問、漢字の書き取りが毎年 5 問、語句・知識が毎年 1 大問。配点の半分近くが「決まった場所に決まった種類で」置かれています。
  3. 算数・理科は単元の幅を取る — 算数は一行題が毎年 8〜9 問、理科は 4 分野から複数題。狭く深くより、広く速くが効きます。

6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)

  • 「聞いて解く問題」そのものです。 算数・理科の両方の 1 問目が放送というのは、この資料で見た関東の学校の中でも珍しい形です。理科の 2026 年度は「線状降水帯」「上空の寒気」といった気象のニュース調の文が読み上げられ、選択肢から選ぶ形でした。放送で問われる題材は分野を選びません(2024 理科は時事、2025 は物体の運動、2026 は気象。2024 算数は角度と面積、2025 は図形の移動、2026 は割合と比)。
  • 理科が「身のまわりの装置のしくみ」に寄ります。 電子レンジの回転テーブルと加熱のしくみ(2026)、手回し発電機の手ごたえ(2024)、太陽光パネルの設置角度と軒の設計(2025)、直接エタノール燃料電池とバイオ燃料の社会的なデメリット(2026)、原子の利用効率=アトムエコノミー(2024)。「なぜこの装置はこう作られているのか」を理科の言葉で説明させる設問が、毎年どこかに入っています。工業大学の附属らしい色がいちばん濃い場所です。
  • 理科の記述が「社会への影響」に届きます。2026 年度大問 5(4) は「多くの国がバイオ燃料を作るようになったとき、その国の人々や社会、環境にどのようなデメリットがあるか、理由とともに 50 字以内で」。理科の知識だけでは書けず、食料と燃料の競合まで踏み込む必要があります。
  • 登場人物に校名が埋め込まれています。算数の「芝田くん」「田浦さん」(2020・2022・2024・2025)、理科の「芝雄さん」「芝太郎君」「芝美さん」「芝田さん」(2024・2025・2026)。会話文・レポート文の形で設定が語られるため、問題文が長めで、条件を図や表に落とす速さが要ります。
  • 国語の題材にバリアフリーと環境が繰り返し出ます。誘導ブロックとエレベーター(2016)、高齢者と椅子の暮らし(2014)、腐葉土と農薬(2019)、環境史年表(2010 の漢字)。「人と技術と暮らし」というテーマが 4 科目に伏流しているように見えます。
  • 社会(2026)は資料を組み立てる試験です。錦絵・現在の地図・アジアの地図・年表・輸出入品の円グラフの 5 種類を突き合わせて、方位を決め、明治政府の意図を 100〜130 字で説明させます。知識問題としての社会ではなく、資料から筋道を立てる試験になっています。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。学年別の順序は 11 節にまとめました。

各項目の根拠(年度別の並び・題材)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。

  1. [毎日 10 分] 放送問題を「聞いて解く」練習(算数・理科の大問 1)(確認: 〜2026 年度)。過去問集の音声を使うか、保護者が問題文を 1 回だけ読み上げます。算数は計算と記入に 1 分、理科は記入 15 秒。聞きながらメモを取り、図をその場で描き、条件を箇条書きにする手が要ります。合計で 5 問前後、まとまった配点がここにあります。理科は記入時間が短いので、聞きながら選択肢を消していく形に慣れておきます。理科ニュース(気象・エネルギー・医療)を家で音声で聞く習慣が、そのまま対策になります。
  2. [毎日 10 分] 算数の計算 2 問と、国語の漢字の書き取り 5 問(確認: 算数は〜2026 年度、国語は〜2019 年度)。算数の大問 2 の (1) 四則混合と (2) 逆算は 6 年間同じ位置にあり、ここは確実枠です。分数と小数が混ざる 4 段の式を毎日 2 問。国語の大問五は書き取り 5 問固定・書き専門なので、出題形式そのままで練習できます。「けんしょう(検証)」「がくめんどおり(額面通り)」のような大人の語彙(枚挙・額面・検証・尊重・故障)まで手を伸ばします。
  3. [週末 60 分] 算数の一行題 8〜9 問を 15 分で回す訓練(確認: 〜2026 年度)。売買損益・つるかめ算(個数を合計から逆算する解き方)・仕事算・和差算・食塩水・速さ・数の性質・角度・平面図形の面積・立体の表面積を「1 問 90 秒」で。3 年間で同じ単元が 2 度出た例はほとんど無いので、狭くやり込むより広く回すのが正解になります。
  4. [週末 60 分] 算数の規則性と立体を年度を変えて解く(確認: 〜2026 年度)。規則性は 2024 の ≪ ≫・2025 の時計・2026 の三角数の 3 年分を「定義を読む → 小さい数で試す → 周期か公式を見つける」の 3 手順で。立体は 2021〜2025 の最終大問 5 年分で、立方体を積んだ立体の表面積、3 点を通る平面での切断、切断後の体積比。2025 のように「切り方を説明する」形も想定しておきます。あわせて、断り書きのない設問は式や考え方を残す前提なので、途中の式を人が読める形で並べる習慣をつけます。
  5. [週 1 回] 理科の記述 20〜60 字と、図をかく・塗る練習(確認: 〜2026 年度)。「理由を 20 字以内」「指定語を入れて 30 字程度」「書き出しに続けて 60 字以内」の 3 種を書き分けます。字数が短いほど核だけを残す訓練が要ります。図は回路図、骨格の図、おもりの配置を、フリーハンドで条件どおりに描けるように。計算の桁指定(小数第 1 位を四捨五入、十の位を四捨五入、小数第 1 位まで)は、問題文の最後の一文を必ず読む癖で拾います。
  6. [週 1 回] 理科の実験を条件で読み、身のまわりの機械・住宅を理科で説明する(確認: 〜2026 年度)。〔実験 1〕〜〔実験 3〕の並びから「なぜこの実験を追加したのか」を聞く問題(2025 大問 3(1))が象徴的で、教材の実験は結果の暗記でなく手順の意味で押さえます。電子レンジ(2026)、手回し発電機(2024)、太陽光パネルの角度と軒(2025)、燃料電池(2026)のように、「どうしてこの装置はこう作られているのか」を言葉にする癖が、この学校の理科でいちばん効きます。力学(ばね・てこ・かっ車・浮力)と電気回路は精読した 3 年とも 1 題以上あり、分野として外せません。
  7. [週 1 回] 論理社会の記述と資料の照合(確認: 2026 年度)。資料を 2 つ以上つないで 100 字前後で書く練習を、地図・年表・グラフの 3 点から「〜という状況だったので、〜する必要があり、そのために〜した」の 3 段で組み立てます。50〜65 字で理由だけを書く練習も要ります(字数の下限があるので、短すぎると足りません。理由を 1 文で言い切ったうえで、根拠にした資料の名前を添える形が安全です)。絵・写真の資料と現在の地図を、方位・川・道路の位置関係で対応づける練習も。範囲としては開国から明治の産業・外交(アヘン戦争・異国船打払令・薪水給与令・不平等条約・殖産興業・生糸の輸出)を年表とセットで押さえます。2026 年度はこの範囲だけで 4 問が成立しています。20 分で 2 本の記述を書き切る時間配分の練習も必要です。
  8. [週 1 回] 国語の詩・短歌と、慣用句の例文・条件つき作文(確認: 〜2019 年度)。大問三は 6 年連続で韻文なので、ここを避けると 5 分の 1 が固定で落ちます。設問は「情景の言い換え」「比喩が指すもの」「表現の特徴として適切でないもの」の 3 種に集まるので、毎週 1 編を目安に。慣用句は 2018・2019 と 2 年続けて同じ形で出たので、意味を覚えるだけでなく、その慣用句が生きる場面ごと 1 文にします。「十字で」「十六字で」を見た瞬間に本文を走査する書きぬきの訓練、80〜120 字の条件つき作文(「印象に残った出来事+理由+気持ち」「自分ならどうするか」の 2 通り)、日本語の誤りを見抜く練習(「僕の夢は〜になりたいです」のような主述のねじれ・敬語)も同じ枠で。説明的文章はバリアフリー・環境・人と人の関係の題材に慣れておくと、2 本の読解で 15 問前後を占める得点の主戦場に効きます。

8. 科目別の詳細

8-0. 科目横断の要点

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科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数(50 分・100 点) 高い。大問 1 が放送、大問 2 の (1)(2) が計算と逆算。6 年不変。ただし 2026 年度に 5 大問 19 問 → 4 大問 16 問へ減った 一行題 8〜9 問で単元を広く、テーマ大問(速さ・規則性・立体)で深く。同じ単元の再登場は少ない 放送問題への慣れと、一行題を 1 問 90 秒で回す速度
理科(40 分・80 点) 中くらい。大問 1 の放送だけが固定で、それ以外の分野の位置は毎年動く。小問数は 36 → 31 → 23 と 3 年で減少 実験文+表・グラフ・図から数値を出す。記述が 1 → 2 → 3 問と増加。作図・図への書き込みが毎年 実験の条件を変えて考える力と、20〜60 字の記述
論理社会(20 分・40 点) 2026 年度の 1 年分しか資料が無い。1 大問 4 問・資料 7 点 知識を思い出す試験ではなく、複数の資料を組み立てて説明する試験。4 問中 2 問が記述 資料 2 つ以上をつないで 100 字前後で書く練習
国語(50 分・100 点) 4 科でいちばん高い。5 大問の並びが 6 年不変、小問 29〜31 問 大問三は必ず詩か短歌。大問五は必ず漢字の書き取り 5 問。大問四は「同じ問い方」が繰り返される 詩・短歌、漢字書き取り毎日 5 問、慣用句で例文を作る練習

配点の重みが独特です。理科 80 点が社会 40 点の 2 倍あり、4 科合計 320 点のうち理科と算数で 180 点を占めます。理科を後回しにする作戦は、この学校では取りにくいと言えます。

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4〜5・小問 16〜20)

年度×大問の題材表(2024〜2026 年度・原本で確認)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2024 聞いて解く問題(放送・3 問。角度と平面図形の面積) 計算・逆算+一行題 4 問(9 枚のカードから 3 枚・長方形の内側をすべる円の移動) 一行題 5 問(売買損益/忘れ物で引き返す速さ/1〜50 をかけた数/表面積の等しい 2 つの円すい/折り目の作図) 規則性(整数を並べた表から 4 つを囲む ≪ ≫。≪□≫=2024 を求める) 立体(立方体を 4 個・16 個積んだ立体の表面積、3 点を通る切断)
2025 聞いて解く問題(放送・3 問。図形の移動) 計算・逆算+一行題 4 問(食塩水の混合/正五角形と 2 つの正六角形の角度) 一行題 5 問(2025=45×45 の数の性質/周 48cm の長方形の和差算/56km を走りきる 2 台の速さ/正六角形 3 枚の重なり/方眼図形の回転体) 規則性(買った「不思議な時計」の表示。2025 分後の表示/3 点改造した時計) 立体の切断(一辺 4cm の立方体。展開図から切り方を説明させる)
2026 聞いて解く問題(放送・2 問。割合と比) 計算・逆算+一行題 6 問(半円の折り返し/2 種類の米のつるかめ算/2 つのじゃ口の仕事算/正方形 2 つと円の斜線部) 速さ(同心円 3 本の周上を動く 2 点 A・B と「角ア」の変化) 規則性(1+1000=1001 を並べた長方形で和を出す→立体を組み合わせて直方体にする) (なし・この年は 4 大問)

同じ位置に同じ種類の問題が出る

原本で並びを数え直した結果、次の 4 つが確認できました。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。

  • 大問 1 は「聞いて解く問題」(放送問題)で、2021〜2026 年度の 6 年連続です。冊子には問題文が印刷されておらず、放送を聞いてその場で解きます。原本にあたった 6 年すべてで「放送は 1 回のみ」「メモを取ってよい」「解答は答えのみでよい(単位が必要なら単位をつける)」という同じ注意書きが載っています。小問は (1) が 1 問・(2) が①②の 2 問という 3 問構成が 2021〜2025 の 5 年続き、2026 年度だけ (1)(2) の 2 問に減りました。
  • 大問 2 の (1) が四則計算、(2) が「□にあてはまる数を求めなさい」の逆算で、2021〜2026 年度の 6 年連続です。(1) は分数・小数の混じった 4〜5 段の計算、(2) は □ が式の途中に入る逆算で、この 2 問の位置は 6 年動いていません。
  • 最後の大問が立体図形で、2021〜2025 年度の 5 年連続です(立方体を積む・切断する・展開図に戻す)。2026 年度は大問が 4 本に減って最後が規則性になりましたが、その大問 4(3) にも「図 2 の立体をいくつか組み合わせて直方体にする」という立体の小問が入っています。
  • 大問 4 が規則性・数列で、2024〜2026 年度の 3 年連続です。2021〜2023 年度の大問 4 は食塩水の給水(2021)・橋を歩く速さ(2022)・2 つの容器の水面の上下(2023)と、「量が時間とともに変わるようすを追う」問題でした。ここは 2024 年度に性格が入れ替わっています。

一方で動いたのは、大問と小問の本数です。2021〜2025 年度は 5 大問・小問 19〜20 でそろっていましたが、2026 年度は 4 大問・小問 16 に減りました。減った分は大問 3 の一行題 5 問で、その一部(一行題)が大問 2 に吸収されて大問 2 が 6 問になっています。2026 年度だけを見て「一行題が減った」と読むのは早く、資料があるのが 1 年だけだからです。

問われ方のくせ

  • 一行題(大問 2 の後半と大問 3)が毎年 8〜9 問あり、ここが小問数の半分近くを占めます。単元はばらばらで、3 年間で売買損益・速さ・数の性質・立体の表面積・食塩水・和差算・回転体・つるかめ算・仕事算・場合の数・図形の移動と 1 回ずつしか出ていないものが多くあります。特定の単元をやり込むより、10 分野を薄く速く回す力が問われる形になっています。
  • テーマのある大問(2026 の大問 3、2021〜2023 の大問 4)は、設定を読んでから (1) が易しく (2)(3)(4) と重くなる階段になっています。2026 の同心円の問題は (1) 角アが初めて 180°→(2) 距離の差が 20cm のとき→(3) 角アが初めて 0°→(4) 90° になる回数、と 4 段です。
  • 規則性の大問は「例を 1 つ見せて記号を定義する」形が 3 年とも共通です。2024 は ≪9≫ の値を先に見せ、2025 は時計の動く規則を箇条書きで示し、2026 は 1+1000=1001 の長方形を図で見せます。定義を読み違えなければ (1)(2) は必ず取れます。
  • 立体は「表面積 →(2) 切断して体積比」という二段構えが 2024・2025 で共通です。2025 は「どのように切断すればよいか説明しなさい」と、切り方を言葉で書かせる小問が 1 問入りました。

8-2. 理科(40 分・80 点・大問 6〜7・小問 23〜36)

年度×大問の題材表(2024〜2026 年度・原本で確認)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6 大問 7
2024 聞いて解く問題(放送・3 問) ばね(ばね 2 本と棒・かっ車のつり合い) 中和と「アトムエコノミー」(胃薬の会話文→原子の利用効率の計算) 石灰水と硬度(気体を通す・溶解度のグラフ・水の硬度) 青木ヶ原樹海のレポート(植物・こん虫・溶岩の新旧) 電気回路(豆電球 4 回路・手回し発電機の手ごたえ) 地層(東西 6 地点の柱状図・火山噴火の回数)
2025 聞いて解く問題(放送・3 問。物体の運動) 水溶液の判別(A〜E の水溶液と a〜d の粉末) 浮力・密度(水に浮く野菜と沈む野菜) 電気回路(並列の列を増やす・回路図の作図) ニワトリの卵(受精のしかた・手羽先とヒトのうでの骨) 気象(乾湿計の表から天気を読む) 光と住宅(電灯の明るさ・鏡・軒の角度・太陽光発電の設置角度)
2026 聞いて解く問題(放送・3 問。初夏の気圧配置・線状降水帯) てこ(くぼみのある板に球冠のおもりを置いてつり合わせる) 電子レンジ(回転テーブルの理由・加熱のしくみ・水とガラス容器の温度) 水溶液(冷却曲線・食塩水の沸点上昇) 直接エタノール燃料電池(トウモロコシからのエタノール・社会へのデメリット) 人体(iPS 細胞・筋肉の種類・骨と筋肉の図) (なし・この年は 6 大問)

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 大問 1 は「聞いて解く問題」(放送・3 題)で、2022〜2026 年度の 5 年連続です(2024〜2026 は設問まで精読し、2022・2023 は同じ注意書きが冊子にあることを確認しました)。2021 年度以前の理科にこの形式はありません。注意書きは「放送は 1 回のみ」「メモをとってよい」「1 問流れたあと解答用紙に記入する時間は 15 秒」で、算数の放送問題(記入 1 分)より書く時間が短くなっています。
  • それ以外の大問には、分野の出題位置がほとんどありません。 3 年を並べると、物理が大問 2(2024 ばね・2026 てこ)に来る年もあれば大問 3・4 に来る年もあり、生物は 2024 が大問 5、2025 が大問 5、2026 が大問 6 と位置が動きます。地学に至っては 2024 が大問 7(地層)、2025 が大問 6(気象)、2026 は放送問題(気象)だけです。理科は毎年作り直すと考えたほうがよいでしょう。
  • 出題位置ではなく分野の本数のほうが安定しています。精読した 3 年はいずれも化学 2 題・物理 1〜2 題・生物 1 題を含み、地学は 1 題または放送問題のみでした。捨て分野を作ると 80 点のうちの一角がまるごと落ちます。

問われ方のくせ

  • 「実験の文章 →(表)(グラフ)(図)→ 数値を出す」が理科の背骨です。〔実験 1〕〔実験 2〕〔実験 3〕と番号を振った実験文が毎年複数の大問に出ます(2024 大問 2、2025 大問 2・3・4、2026 大問 4)。設問は実験の条件を 1 つ変えたらどうなるかを聞きます。
  • 四捨五入の桁指定がほぼ毎回つきます。「小数第 1 位を四捨五入して整数で」(2024 大問 3・2026 大問 3)、「十の位を四捨五入して」(2024 大問 4)、「① は小数第 1 位まで、②③ は整数で」(2025 大問 6)。指定を読み落とすと計算が合っていても点になりません。
  • 字数指定つきの記述が毎年あります。2024 は 1 問(30 字程度、指定語「根・土」を必ず入れる)+理由 20 字以内 1 問。2025 は 25 字程度・15 字以内の 2 問。2026 は 20 字以内・50 字以内・「書き出しに続けて 60 字以内」の 3 問。3 年で 1 問 → 2 問 → 3 問と増えています。
  • 作図・図への書き込みが毎年あります。2025 は回路図をかく(条件 3 つつき)と骨格スケッチを黒く塗る、2026 はおもりの配置を図に塗り分ける・足りない筋肉を図にかく。「解答らんの図に条件どおりにかく」形が定着しています。
  • 選択肢が「ア〜エから 2 つ選び」「ア〜カから選び」と幅があります。2026 は選択が 23 問中 13 問(57%)まで増えました。2024 は 36 問中 13 問(36%)だったので、年による振れは大きいと言えます。

8-3. 社会(2026 年度は 1 大問・4 問。2010〜2016 年度は 3〜4 大問・31〜43 問)

この科目だけは資料の切れ方が特殊で、2010〜2016 年度の 7 年分と 2026 年度の 1 年分しかありません。2017〜2025 年度の 9 年分は資料がありません。しかも 2026 年度の 1 冊は、それ以前の 7 年とはまったく別の試験になっています。2027 年度の募集要項では、この時間帯の科目名は「論理社会」(20 分・40 点)です。2026 年度の冊子には科目名の表記が読み取れなかったので、名称が同じかどうかは断定しません。

2026 年度(1 大問・4 問・資料 7 点)

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設問 内容 形式
問 1 錦絵『上州富岡製糸場之図』(資料 2)で丸で囲まれた建物はどれか。解説(資料 3)を手がかりに 5 択 記号選択
問 2 現在の富岡製糸場付近の地図(資料 4)から、鏑川が錦絵のどの方向にあたるかを答え、そう考えた理由を 50〜65 字で書く 記号+記述
問 3 アジアの植民地地図(資料 5)と 1825〜1929 年の年表(資料 6)から、内容が正しくない文を 1 つ選ぶ 記号選択
問 4 明治政府はなぜ多額の費用をかけて富岡製糸場を作り、なぜ製糸場にしたのか。資料 1・5・7(1865 年の輸出入品の円グラフ)も使って 100〜130 字で述べる 記述

4 問のうち 2 問が記述で、しかも 50〜65 字・100〜130 字と字数の下限まで指定されています。残る 2 問も資料を突き合わせないと答えられません。つまり知識を思い出す試験ではなく、目の前の 7 点の資料を組み立てて説明する試験になっています。転写された模範解答も「欧米列強のアジア進出 → 植民地化されるおそれ → 経済力が要る → 国際的に需要のある生糸 → 外貨獲得 → 国主導で最新技術の工場」と、原因から結論まで 1 本の線でつないだ形をしています。

なお読み取りには方位の判断(錦絵と現在の地図を照合して南がどちらかを決める)と円グラフの読み取りが含まれており、地理・歴史・資料読みが 1 問の中で混ざります。歴史の分野としては「開国から明治の産業」に集中していました。これは 1 年分の資料だけの観察なので、毎年この分野とは限りません。

2010〜2016 年度(旧来の 4 科の社会)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 小問計
2010 地理(地球温暖化と海水面上昇のレポート) 歴史(日本の文化の年表) 公民(納税の義務・憲法 30 条) — 36
2011 地理(都道府県を文から当てる) 歴史(日中外交の年表) 公民(生存権の条文) 公民(基本的人権・憲法 11 条) 35
2012 地理(地図中 A〜I の都道府県) 歴史(政治・文化・産業の年表) 公民(憲法の条文 11・13・14・16 条ほか) — 39
2013 地理(人口と都市) 歴史(年表) 公民(大日本帝国憲法と日本国憲法の対話文) — 43
2014 地理(地図) 歴史(人物カード 8 枚) 公民(憲法の三原理) — 31
2015 地理(鉱産資源・工業の分布) 地理(家族旅行の記録から中部地方) 歴史(江戸・東京の地域史の年表) 公民(コンビニでの父子の会話) 34
2016 地理(輸送・地形・地形図・日本の島と山地 16 問) 歴史(道具と物づくりの通史) 公民(国際政治のニュースを見る父子の会話) — 39
  • 地理 → 歴史 → 公民の順に大問が並ぶ並びが、2010〜2016 年度の 7 年連続です(大問が 4 本の年は、2011 が公民 2 本、2015 が地理 2 本という増え方)。この 7 年について原本の各大問の書き出しを確認しました。
  • 歴史は年表・カードから引く形が中心です(2010・2011・2012・2013 が年表、2014 が人物カード、2015 が年表、2016 が通史の文章)。
  • 公民は憲法条文から入ります(2010 は 30 条、2011 は 25 条と 11 条、2012 は条文列挙、2013 は帝国憲法との比較、2014 は三原理)。2015・2016 は会話文に変わりました。
  • 記号選択が主軸です。2015 は 34 問中 22 問(65%)、2016 は 39 問中 26 問(67%)が記号選択で、記述は 2016 の 1 問(合掌造の屋根が急な理由)だけでした。2026 年度の 4 問中 2 問記述とは正反対です。
  • 同じ仕掛けの再登場が 1 つあります。公民の大問の会話文の主人公が、2015 年度も 2016 年度も「ひろし君とお父さん」でした(2015 はコンビニでの昼食、2016 はテレビの国際ニュース)。両年の原本で確認しています。設問は別物で、同じ問題が出たわけではありません。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 5・小問 29〜31。2010・2014・2015・2016・2018・2019 年度で確認)

国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2019 年度までの話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読した年(設問まで通読した年)は 2016・2018・2019 年度の 3 年、構成だけ数えた年(大問の並びと出典まで確認した年)は 2010・2014・2015 年度で、合わせて 6 年です。

年度×大問の題材表(資料のある 6 年すべて)

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年度 大問一 大問二 大問三 大問四 大問五 小問計
2010 小説(先生と教頭のやりとりを見ている「ぼく」) 説明的文章 短歌(児童・生徒がよんだ短歌。稲刈り・職場体験) ことわざ(たとえの意味と対応) 漢字の書き取り 5 問(『環境史年表』の片仮名を漢字に) 30
2014 小説(林業の村・三浦しをん『神去なあなあ夜話』) 説明的文章(高齢者と椅子の暮らし・光野有次『みんなでつくるバリアフリー』) 詩(深尾須磨子「北風」) 四字熟語(□に入る数字を漢字で) 漢字の書き取り 5 問 30
2015 小説(父母と蛍狩りに行く「私」) 説明的文章(記憶と忘却・外山滋比古『自分の頭で考える』) 短歌(5 首。大滝和子・藤島秀憲・笹公人・相良宏ほか) 慣用句(空欄に入る動物の名をひらがなで) 漢字の書き取り 5 問 29
2016 小説(創立記念行事の委員・市川朔久子『紙コップのオリオン』) 説明的文章(誘導ブロックとバリアフリー・倉本智明『だれか、ふつうを教えてくれ!』) 詩(千家元磨「雁」) 熟語(2 つの熟語に共通する漢字 1 字を書く 5 問) 漢字の書き取り 5 問 30
2018 小説(隣室の「くま」と散歩する「わたし」・川上弘美『神様』) 説明的文章(赤ちゃんと母親の関係の育ち) 詩(久保克児「何人にもしたくない日」) 知識 4 問(数字の四字熟語・共通漢字の慣用句・日本語として適切でない文・慣用句で作文) 漢字の書き取り 5 問 31
2019 小説(2030 年の地方の町おこし・小路幸也『里帰りは UFO で』) 説明的文章(腐葉土と農薬・塩野米松『木の教え』) 詩(茨木のり子「もっと強く」) 知識 4 問(意味から漢字 1 字・語の使い方・日本語として適切でない文・慣用句で作文) 漢字の書き取り 5 問 30

出典は原本の本文末に印刷されているものだけを写しました。2015 年度の大問一は、原本の出典表記に文字の重複(著者名が 1 字多い)があったため、著者名は書いていません。

同じ位置に同じ種類の問題が出る

国語はこの学校でいちばん出題位置が固い科目です。資料のある 6 年(2010・2014・2015・2016・2018・2019)すべてで、次の並びが動きません。

  • 大問一=文学的文章(小説)、大問二=説明的文章、大問三=韻文、大問四=語句・知識、大問五=漢字の書き取り 5 問。6 年連続でこの 5 つの出題位置がそろっています。
  • 大問三は必ず韻文です。詩が 4 回(2014・2016・2018・2019)、短歌が 2 回(2010・2015)。設問は 5〜6 問で、記号選択が中心+書きぬき 1〜2 問+短い記述 1 問という組み方まで共通しています。中学入試で詩・短歌が毎年 1 大問というのは珍しく、この学校の顔と言ってよいでしょう。
  • 大問五は「――線部の平仮名を漢字に直しなさい」の書き取り 5 問です。6 年とも 5 問で、読みを問う設問は無く書き専門でした。
  • 小問の合計は 29〜31 問の間に 6 年とも収まっています。

同じ問い方が繰り返し出る

2018 年度と 2019 年度の大問四には、言い回しまでそろった設問が 2 つあります(両年の原本で確認しました)。

  • 「次の『慣用句』をつかって、(短い)文を作りなさい。※慣用句の内容が具体的にわかるようにしなさい」— 例として挙がる慣用句(足がぼうになる)と、悪い例・良い例の文まで同じです。注記「※『動きを表す語』など、後に続く語によって形が変わる場合は、変えても良いです。(例:『あるく』→『あるいた』)」も同文でした。使う慣用句だけが 2018「腹を割る」→ 2019「目がない」と入れ替わっています。
  • 「次の中から、日本語として適切でないものを一つ選び、記号で答えなさい」— 2018 は「僕の将来の夢はパイロットになりたいと思っています」のような文のねじれ、2019 は敬語の誤りを選ばせるものでした。

つまり大問四だけは「同じ問い方が出る」に近いと言えます。慣用句を使って自分で例文を作る練習は、そのまま点に直結します。

問われ方のくせ

  • 書きぬきの字数指定が細かくつきます。「十字で」「十六字で」「九字で」「初めの四字を」「直前の八字を」(2019)。指定を見てから本文を探す手順を身につけたいところです。
  • 条件つきの作文が大問一に入る年があります。2018 は「『わたし』になったつもりで日記を書きなさい。A 最も印象に残った出来事とその理由、B『くま』への気持ち、C 八十字以上百二十字以内」。2019 は「あなたが〈スリー・フィンガー〉の社員になったら、どんなプロジェクトで町の未来をつくるか」。本文の読み取りの先で、自分の考えを条件つきで書かせるという組み方が 2 年続きました。読解の記述とは別の準備が要ります。
  • 記述の字数は 20 字以内・25 字以内・30 字以内・30 字以上 40 字以内・40 字以内と幅があります(2018・2019)。字数の下限が付く設問もあります。
  • 文法・語法の設問が読解の中に混ざります。2016 大問一問五「〜線 a〜d の『ない』のうち種類の異なるもの」、2018 大問一問五「〜線ア〜エの中で一つだけ働きが違うもの」。品詞の識別を読解の途中で聞かれます。
  • 正誤を〇×で答えさせる形もあります(2016 大問二問七「筆者が考えていることとして正しいものには〇、正しくないものには×。ただしすべて〇またはすべて×にはならない」)。
  • 記述の割合は 2016 が 30 問中 1 問(3%)、2018 が 31 問中 6 問(19%)、2019 が 30 問中 5 問(17%)と年で振れます。2018 年度から記述と作文が増えているように見えます。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

周期が上限に達しているもの、いったん消えたが戻る余地のあるものを、科目をまたいで一覧にしました。最終確認年度は、その単元・形式が原本で確認できている最後の年度です。

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科目 単元・形式 最終確認年度 中身と、いま消えている理由
算数 一行題の大問 3(5 問枠) 2025 年度 2021〜2025 の 5 年あって 2026 年度に消えた。無くなったと決めるには 1 年分の資料しかない。9 問の一行題を 15 分で回す練習は続けたほうがよい
算数 速さのグラフや表からの逆算 2023 年度 2022 年度(橋を歩く 2 人)・2023 年度(2 つの容器の水面)は「グラフや表を読んでから逆算する」形。2024〜2026 の 3 年は大問から外れている
算数 食塩水 2025 年度 2021 年度に大問 1 本、2023・2025 年度に一行題で登場。2026 年度は出ていない
算数 場合の数 2024 年度 2021 年度大問 3(1)(さいころ 3 つ)、2022 年度大問 3(1)(暗証番号)、2024 年度大問 2(3)(カード 3 枚)と一行題で回ってくる
理科 地層と柱状図 2024 年度 大問 7 のあと 2 年出ていない。図から火山噴火の回数を数える形は、この学校の地学の中心
理科 溶解度と再結晶のグラフ 2024 年度 大問 4。2025・2026 年度は水溶液の判別と沸点上昇に置き換わっている
理科 天体(月・星座・惑星) 2025 年度 精読した 3 年では、2025 年度大問 7 の太陽高度(太陽光発電の角度)以外に天体の大問が無い。2010 年代には月・星座・惑星が繰り返し出ていた分野で、戻ってくる余地が大きい
理科 こん虫・植物の分類 2024 年度 大問 5 で出たきり。生物は 3 年で植物 → 動物の誕生 → 人体と 1 回ずつしか回っていない
社会 公民(憲法・三権分立・社会保障) 2016 年度 2010〜2016 年度は毎年 1 大問あったが、2026 年度の 1 冊には出ていない。20 分の試験で公民がどう扱われるかは、この資料からは分からない
社会 地形図の読図 2016 年度 2016 年度大問 1 で 3 問(縮尺の計算・土地利用)。2026 年度も「現在の地図から方位を読む」問題が出ており、地図を読む力そのものは形を変えて残っている
社会 円グラフ・表の読み取り 2026 年度 2015 年度の農産物の産出額の表、2016 年度の輸送分担率の表、2026 年度の輸出入品の円グラフ。数字の資料は毎回入ると考えてよい
国語 短歌 2015 年度 2010・2015 年度の 2 回。2016 年度以降は詩が続くが、大問三が韻文であることは変わっていないので、短歌で来る可能性は残る
国語 ことわざ・四字熟語の一問一答 2015 年度 2010・2014・2015 年度。2018・2019 年度は「作文させる」「誤りを選ばせる」形に寄っている。両方できるようにしておく
国語 敬語 2019 年度 2019 年度大問四問三のみ

10. 形式面の注意(4 科目共通と、科目別)

4 科目に共通すること

  • 放送(聞いて解く)問題が算数と理科の両方にあります。 算数は 2021 年度から 6 年連続、理科は 2022 年度から 5 年連続。放送は 1 回のみで、メモは可。記入時間は算数が 1 問につき 1 分、理科が 15 秒です。この 2 科目は開始直後に自分でページをめくれない時間があります。
  • 字数指定が細かくつきます。理科は 15 字以内・20 字以内・25 字程度・30 字程度・50 字以内・60 字以内。社会(2026)は 50〜65 字・100〜130 字と下限つき。国語は 20 字以内・25 字以内・30 字以内・30 字以上 40 字以内・40 字以内、加えて 80 字以上 120 字以内の作文があります。
  • 指定語を入れる記述があります(理科 2024「根・土」を入れて 30 字程度、2025「殻」を用いて 15 字以内)。
  • 作図・図への書き込みが算数と理科にあります。算数は折り目の作図(2024)、理科は回路図をかく・骨格を黒く塗る(2025)、おもりの配置を塗る・足りない筋肉をかく(2026)。
  • 計算の桁指定が理科でほぼ毎回つきます(小数第 1 位を四捨五入して整数で/十の位を四捨五入して/小数第 1 位まで)。
  • 設問ごとの配点は、どの科目・年度でも非公開です。冊子にも解答用紙にも印刷されていません。

算数

  • 放送問題があるため、開始直後の数分は自分のペースで解けません。放送は 1 回のみで、1 問流れるごとに計算と記入の時間が与えられる形式です(2024 年度は「それぞれ 1 分」と明記、2026 年度は「時間があります」とだけ書かれています)。過去問を家で解くときは、この 3 問(2026 は 2 問)を別枠として扱い、残りの時間で本体を解く練習にせざるを得ません。
  • 「答えのみでよい」は限定つきです。大問 2 の頭に「ただし、答えのみでよい」(2026 年度は「(1)〜(3) は答えのみでよい」)とあり、それ以外の大問では「(この問題は答えのみでよい)」と断られた設問だけが答えのみになります。つまり断り書きのない設問は解答らんに考え方を書く前提と読めます。3 年とも「答えのみ」の断りは 3〜4 か所だけでした。
  • 作図が出る年があります。2024 年度大問 3(5)「頂点 D が点 E と重なるように折る折り目を作図しなさい」。定規・コンパスの使用可否は転写からは読み取れませんでした。
  • 答えに単位が要る場合は単位を書かせます(放送問題の注意書きに明記)。「もっとも簡単な整数の比で」の指示も複数年で確認しました。
  • 円周率の値の指定は、精読した 3 年の転写には現れませんでした。市販の過去問集で確認してください。

理科

  • 小問数が 2024 年度 36 → 2025 年度 31 → 2026 年度 23 と 3 年続けて減っています。同時に記述と作図が増えており、「たくさんさばく試験」から「1 問ずつ考えて書く試験」へ寄っているように見えます。ただし資料があるのは 3 年なので、この先も続くとは言い切れません。
  • 配点は 2027 年度の募集要項で 80 点・40 分。4 科の中で理科が国語・算数(各 100 点)に次ぐ重さで、社会(論理社会 40 点)の 2 倍あります。
  • 放送問題は開始直後にあり、聞き逃すと取り返せません。記入時間が 15 秒と短いので、記号で答えられる形(2025・2026 はすべて記号選択)に慣れておきます。
  • 単位つきで答えさせる設問が多くあります(cm・g・A・℃・平方メートル・g/cm³)。

社会(論理社会)

  • 2027 年度の募集要項では 20 分・40 点。4 科の中でいちばん軽く、算数・国語(各 100 点)の 5 分の 2、理科(80 点)の半分です。ただし 2026 年度の中身を見るかぎり、20 分で 100〜130 字と 50〜65 字を書き切る必要があり、時間あたりの負荷は軽くありません。
  • 2026 年度は資料が 7 点(錦絵・解説文・現在の地図・アジアの地図・年表・円グラフ)。すべての設問に図か資料がつきます。
  • 旧来の社会では「漢字で」「漢字 4 文字」「カタカナで」の文字種指定が多くありました(2015 の「フォッサマグナ」「小選挙区・比例代表」、2016 の「漢字 2 文字」「漢字 3 文字」など)。

国語

  • 50 分・100 点(2027 年度の募集要項)。
  • 古文・漢文は資料のある 6 年でゼロでした。
  • 大問五の漢字は書き取りのみです。「けんしょう(検証)」「がくめんどおり(額面通り)」「まいきょにいとまがない(枚挙にいとまがない)」(2018)のように、大人の語彙が混ざります。
  • 説明的文章の題材にバリアフリー・ユニバーサルデザイン(2014・2016)、農業と環境(2019)、環境史(2010 の漢字)が繰り返し出ています。

11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

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段 この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さ(分数と小数の混じった四則)、図形の基礎(角度・面積・立体の見取り図)、物語と説明文の読み、漢字の書き取り、そして人の話を聞いてメモを取る習慣。最後の 1 つがこの学校では特別な意味を持つ。ニュースや読み聞かせを聞いて、要点を 3 つ書き出す遊びで十分。時間計測はまだしない
小 5(幅) 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にする。平日 15 分は算数の一行題を 1 日 2 問と、国語の漢字・慣用句・ことわざ・四字熟語を「意味+使う場面」で覚える時間に充てる。週末 60 分は詩・短歌を 1 編読む時間と、理科・社会の資料読みに充てる。
算数は一行題の単元プールを一巡する(全分野をひととおり学び終える)。8-1 節の題材表に出てくる単元を、売買損益・つるかめ算(個数を合計から逆算する解き方)・仕事算・和差算・食塩水・速さ・数の性質・角度・平面図形・立体の表面積・場合の数・回転体の順に、小 5 のうちに一度ずつ通す(つるかめ算・仕事算・和差算・売買損益は受験用教材の単元)。
理科は 4 分野を偏らせない。国語は詩・短歌を毎週 1 編(ただし国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い → 13 節)。社会は地図と年表を読む練習(ただし社会は 2017〜2025 年度の資料が無い → 13 節)
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は放送問題を含む通し演習と、記述の字数合わせ(理科 20〜60 字、社会 50〜130 字、国語 20〜40 字と 80〜120 字の作文)。理科の小問数が減って記述が増えている流れに合わせ、速さより「書き切る」方に軸足を移す

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくでしょうか。差がつくのは小 5 の幅と、小 4 から始める「聞く」習慣の 2 か所です。算数の一行題も理科の分野も、狭く深くやり込むほうが不利になる作りをしているので、小 5 で単元プールを一巡できているかが小 6 の伸びしろを決めます。もう一つの「聞く」は、他校の対策では出てこない要素で、直前期に急に身につくものではありません。読み聞かせでも、ラジオでも、家族の説明でもよいので、耳から入った情報を紙に落とす経験の量が、そのまま算数・理科の大問 1 になります。国語だけは逆で、出題位置が 6 年動いていないぶん、小 6 からでも「詩・漢字・慣用句」の 3 点に集中して時間をかければ形になります。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は過去問の勉強が重なるかだけです。合格可能性・偏差値帯・通学圏・入試日程の有利不利は扱いません。近さの数字は、科目ごとの大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回しの距離と、単元分布の類似を半分ずつ合わせたもので、同じ問題が出るという意味ではありません。

  • 自修館中等教育学校(神奈川県・共学・近さ 79) — 4 科すべてが近く、とくに国語の組み立て(90)が近いので、国語の練習がいちばん使いやすい相手です。
  • 千葉日本大学第一中学校(千葉県・共学・近さ 77) — 4 科が均等に近く、理科の近さ(76)が候補中でいちばん高い組の一つです。
  • 東海大学付属相模高等学校中等部(神奈川県・共学・近さ 77) — 社会が近い(89)のが特徴です。ただし国語は比べられるデータがありません。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

この一覧を読むときの注意が 3 つあります。

  1. 放送(聞いて解く)問題は、この 8 校のどこにもありません。芝浦工業大学附属の算数・理科の大問 1 にあたる部分は、併願校の過去問では練習できません。ここだけは本校の過去問と、音声つきの教材で別に用意する必要があります。
  2. 社会の数字は 2010〜2016 年度の姿を含んでいます。2026 年度に 20 分・4 問の試験へ変わったあとの姿とは別物なので、「社会が近い」という評価はそのまま当てにできません。
  3. 国語がいちばん使いやすい科目です。8 校中 6 校で国語の近さが 80 以上あります。5 大問(小説・説明文・韻文・語句知識・漢字)という多層の構成は、同じような組み立ての学校でそのまま練習になります。

13. 資料の限界

  • 入試回が特定できません。資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、第 1 回と第 2 回のどちらかは読み取れません。2 月 2 日午後の「言語・探究入試」(言語技術と探究 40 分・算数 30 分)と「英語入試」(英語 40 分・算数 30 分)の問題はこの資料には無く、この分析はそれらには当てはまりません。この 2 つの回は教科の過去問という形では準備しにくい入試です。
  • 社会は 2017〜2025 年度の 9 年分の資料がありません。そのため、2016 年度の 3 大問 39 問から 2026 年度の 1 大問 4 問へ、いつ・どのように変わったのかは追えません。2026 年度の 1 冊だけを見て「毎年こうなる」とは言えないので、社会について書いたことはすべて 1 年分の観察にとどまります。
  • 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。6 年間動かなかった 5 大問の並びが今も続いているかは、市販の過去問集で確認してください。
  • 放送問題の中身は原理的に読めません。冊子に問題文が印刷されないため、転写にも本文が無い(「放送による問題のため本文なし」等と記録されています)。分かるのは注意書きと選択肢と単元だけで、どんな長さの文章が読み上げられるかは、この資料からは分かりません。
  • 図そのものは転写できません。図形問題の細部、理科の実験装置、社会の錦絵と地図は、図の説明文からの推定を含みます。
  • 「同じ問い方が繰り返される」と書いたのは、両年の設問文を原本で読み比べて確認したものだけです(国語 2018・2019 年度の大問四の 2 問)。数値まで同じ問題の再出題は、今回の範囲では見つかっていません。
  • 「〜のように見える」と書いた箇所は、題材や 3 年分の推移からの推測で、裏づけとなる資料はありません。

自動集計と原本が食い違った点(原本を正としました)

  • 算数の 2021〜2023 年度について、自動集計は大問 1 を「四則計算」「論理」としていましたが、原本ではこの 3 年とも大問 1 は放送問題です。放送問題は本文が無いため、自動集計が大問 1 を取り違えたと考えられます。この報告では原本の並びを採りました。
  • 2022 年度算数の転写は、大問 1 の 3 問を 1 問にまとめて記録しており、小問数が 17 と出ます。原本の構成に合わせれば 19 問相当です。小問数・大問数は原本で数え直しました。
  • 2015 年度国語の転写には文字の重複があります(著者名が 1 字多い、本文に「わわれわれ」など)。そのためこの年の大問一の著者名は書いていません。国語の出典一覧の資料にも同じ重複が入っていました。
  • 「同じ場所に同じ種類の問題」の索引には、この学校について算数の大問 2(四則計算・2021〜2026)と大問 4(規則性・2024〜2026)の 2 行しか載っていません。索引に無くても出題位置の固定が無いとは限らないので、年度別の並びを自分で数え直したところ、算数の大問 1(放送・6 年)、算数の最終大問(立体・5 年)、国語の大問三(韻文・6 年)、国語の大問五(漢字の書き取り・6 年)も同じ場所に同じ種類が並んでいました。
  • 自動集計は算数について「設問文の使い回しがある」としていましたが、原本で確かめると、繰り返されていたのは放送問題の注意書き(「問題文の放送は 1 回のみです」「メモを取ってもかまいません」)であって、設問そのものではありませんでした。算数で同じ問題が繰り返された例は見つかっていません。

難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません(別のページの領分です)。


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

この学校が載っているまとめ