横浜創英中学校 の過去問分析
横浜創英中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
横浜創英中学校 過去問分析(2012〜2025 年度・掲載 1 冊のみで回は不明・科目により 3〜8 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 帰国生入試(2025 年 12 月 21 日・プレゼンテーション試験)/第 1 回(2 月 1 日 午前・4 科または 2 科)/第 2 回(2 月 1 日 午後・2 科)/第 3 回(2 月 2 日 午前・4 科または 2 科)/第 4 回 コンピテンシー入試(2 月 3 日・プレゼンテーション試験とグループワーク試験)/第 5 回(2 月 6 日 午前・2 科)の 6 回です |
| 試験時間・配点 | 第 1 回・第 3 回は国語 50 分 100 点/算数 50 分 100 点/社会と理科は合わせて 60 分(社会 100 点・理科 100 点)。第 2 回・第 5 回は国語 50 分 100 点/算数 50 分 100 点。帰国生入試と第 4 回は試験時間・配点とも公表資料に記載がありません |
| 受験料 | 25,000 円(第 1 回〜第 3 回に限り、同時出願でも 25,000 円) |
| 帰国生入試の備考 | 募集人員は若干名。出願資格は別途規定(2013 年 4 月 2 日〜2014 年 4 月 1 日生、2023 年 3 月〜2026 年 3 月末までに帰国予定、海外在留期間 1 年以上等) |
| 第 4 回(コンピテンシー入試)の備考 | プレゼンテーション試験は午前〜午後、グループワーク試験は 8:50〜。公立中高一貫校受験者は試験時間の配慮あり |
| 旧称 | 京浜横浜高等学校(1987 年)、横浜創英短期大学女子高等学校(1990 年) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。帰国生入試と第 4 回(コンピテンシー入試)は、国語・算数・社会・理科の筆記とは別の試験(プレゼンテーション・グループワーク)です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行題(数行で終わる短い文章題)・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校の出題は大問の並びがかなり固定されていて、その並びの中で毎年題材だけを入れ替える作り方をしています。算数は大問 1 が計算・大問 2 が一行題、社会は歴史 → 地理 → 公民、理科は大問 1 が地学、国語は漢字 5+5 → 語彙 → 説明文 → 物語文で、精読した 3 年ではこの席順が崩れていません。
- 固定されているのは「同じ場所に同じ種類の問題が来る」ことであって、「同じ問題が出る」ことではありません。同じ問題がそのまま出るのは算数の分数の等式の穴うめ込み(3 年連続・数字だけ違う)と国語の写真説明の設問文(2016・2017 で完全に同文・写真だけ差し替え)くらいで、そのほかは毎年作り直されています。
- もう一つの軸が「自分の考えを、理由をつけて書く」問題で、4 科目すべてで精読した年のどこかに必ず入っています。書く練習が 4 科目に同時に効く学校だと言えます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 を 5 年分まとめて解き、3 年連続で最後に来る分数の等式の穴うめ込みを 10 問作って反復します。
- 社会の大問 1(歴史の会話文)を 5 年分縦に解き、理由を 40〜60 字で言い切る練習を足します。
- 理科は方眼にグラフをかく練習と、表から読み取れることを言葉に直す練習をします。
今週やる 1 つ
- 理科と社会を合わせて 60 分で解き、30 分ずつで一度切る配分を試します。
注意
- 資料は年・科目あたり 1 冊しか無く、どの回のものかが記載されていないため、第 1 回相当と仮定して読んでいます(→13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)です。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2019・2022・2025) | 5 年 | 8 年(2010〜2025 のうち) |
| 理科 | 3 年(2019・2022・2025) | 3 年 | 6 年(2010〜2025 のうち) |
| 社会 | 3 年(2019・2022・2025) | 3 年 | 6 年(2010〜2025 のうち) |
| 国語 | 3 年(2012・2016・2017) | 1 年 | 4 年(2010〜2017 のうち) |
- 手元の資料は過去問の転写データで、この学校は 2010〜2025 年度の 24 冊が入っています。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 「3 年連続」「3 年とも」と書いたのは、この精読した 3 年で確認できたものだけを指します。
- 入試の回は資料から特定できません。この学校は第 1 回(2 月 1 日 午前・4 科または 2 科)から第 5 回(2 月 6 日・2 科)まであり、ほかに帰国生入試と第 4 回(コンピテンシー入試)があります。資料は年・科目あたり 1 冊しか無く、どの回のものかが記載されていないため、第 1 回相当と仮定して読んでいます。回によって問題が違う可能性は残ります。
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)状態です。国語について書いたことは 2012〜2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 2022 年度の理科・社会は転写の読み取り精度がやや落ちる冊で、理科の 1 問は本文の一部が欠けています。読み間違いの可能性はその年にやや高くなります。
- 試験時間と配点は 2026 年度の募集要項によるものです。第 1 回・第 3 回は国語 50 分/算数 50 分(各 100 点)、社会と理科は合わせて 60 分(各 100 点)。第 2 回・第 5 回は国語・算数の 2 科です。
5. 一番大きな結論
この学校の出題は「大問の並び」がかなり固定されていて、その並びの中で毎年題材だけを入れ替える作り方をしています。精読した 3 年(各科目)で確認できた並びは次のとおりです。
- 算数: 大問 1 = 計算(3 年連続)、大問 2 = 一行題の集まり(3 年連続)、大問 3 以降 = まとまったテーマ問題(規則性・速さ・図形・数の性質から)。
- 社会: 大問 1 = 歴史、大問 2 = 地理、大問 3 = 公民(いずれも 3 年連続)。しかも大問 1 は 3 年とも「小学 6 年生が登場する会話文」で始まります。
- 理科: 大問は 3 つ(3 年連続)で、大問 1 は 3 年とも天体・気象(地学)。大問 2・大問 3 の分野は年ごとに変わります。
- 国語: 大問 1 = 漢字の読み 5 問、大問 2 = 漢字の書き取り 5 問、大問 3 = 語彙・熟語、大問 4 = 説明文、大問 5 = 物語文(3 年連続)。2016・2017 は大問 6 に写真の説明記述が付きます。
大事なのは、固定されているのは「同じ場所に同じ種類の問題が来る」ことであって、「同じ問題が出る」ことではないという点です。同じ問題がそのまま出るのは、算数の大問 1 の最後にある分数の等式の穴うめ込み(3 年連続・数字だけ違う)と、国語の写真説明の設問文(2016・2017 で完全に同文・写真だけ差し替え)くらいです。そのほかは毎年作り直されています。
そのため、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」より「同じ座席(問題の置き場所)を縦に解いて、その席の問い方に慣れる」が中心になります。たとえば「算数の大問 1 だけ 5 年分」「社会の大問 1(歴史の会話文)だけ 5 年分」という縦解きが、この学校ではとくによく効きます。
もう一つの軸が「自分の考えを、理由をつけて書く」問題です。4 科目すべてで、精読した年のどこかに必ず入っています(社会は 3 年とも最後の設問がこの形、理科は 2019・2022、算数は 2025 に「答えを導く過程も書きなさい」が 3 問、国語は 3 年とも最後が写真説明か作文)。採点者に伝わる短い文章を書く力を、4 科目に共通する土台として鍛えておくのが、この学校に向けた準備の芯になります。
6. この学校らしさが出る場所
- 登場人物の名前が「創太(そうた)さん」「英美/英子さん」です。校名の「創英」から取られているように見えます。算数 2022・2025、理科 2019・2022・2025、社会 2019・2022 に登場し、4 科目のうち 3 科目で同じ名前の子どもが問題文を進めます。
- 問題文に場面があります。算数の創太さん・英美さん、理科の夏休みの自由研究、社会の小 6 の会話、国語の写真。問題文が「誰かの状況」から始まるので、状況を読み飛ばすと解けない作りになっています。
- その場で与えられた定義・資料を使わせます。算数 2022 の「不足数・過剰数・完全数」、理科 2025 の惑星の表、社会 2022 のハザードマップ。知らない言葉が出ても、答えの材料は問題の中にあります。
- 横浜・神奈川が題材になります。社会 2019 は「創英中の屋上の太陽光パネル」を生徒の会話で扱い、同じ年に横浜市の年齢別人口推移と一般会計予算のグラフを読ませます。社会 2022 は横浜市長選と神奈川県の財政、理科 2022 は神奈川県内の家庭から出る食品ロスの割合。地元の資料をそのまま持ち込む姿勢が見えます。
- 夏休みの自由研究が題材になります。理科 2022(葉の面積を方眼で測る)、理科 2025(トリとチョウのからだを比べる)、社会 2022(気候変動の仮説を立てて検証資料を選ぶ)。「自分で調べて考える手順」そのものを問題にしているように見えます。
- 正解が一つに決まらない問いを出します。社会 2019「クラス全員が納得して歌うために、あなたならどんなやり方を提案するか」、理科 2022「メタン発酵の発電施設を神奈川県に作るべきか、賛成か反対に丸をつけて理由を書く」。立場を決めて理由を言うことが求められます。社会は 3 年ともこの形で終わります。
- 説明する相手を意識させます。国語 2016・2017 の「見ていない人にも伝わるように説明しなさい」、算数 2025 の「答えを導く過程も書きなさい」、理科 2025 の「表から読みとれることを説明しなさい」。伝える相手がいる文章を書かせる方向でそろっています。
7. 今からやるなら
想定している学年は、受験学年(小 6)の秋以降、過去問演習に入っている段階です。小 5 以前の読み方は 11 節の学年別ロードマップを見てください。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数・大問 1 を 5 年分まとめて解く — 四則計算・逆算・単位換算・分数の等式の穴うめ込み。とくに分数の等式の穴うめ込みは 3 年連続で最後の 1 問(2019・2022・2025)なので、この形だけ 10 問作って反復する価値があります。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 2(一行題)の単元を洗い出して埋める — 精読した 3 年に出たのは、数の性質・ニュートン算・割合と比・売買損益・仕事算・平均算・食塩水の濃度・通過算・過不足算・時計算・和差算・面積比・中央値です。1 問 1 分で処理できるまで回します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 算数・「答えを導く過程も書きなさい」に慣れる — 2025 は 3 問(大問 3(2)・大問 4(4)・大問 5(4))。式の羅列ではなく、何を求めたのかを一言添える形で書く練習を、週 2 問でよいので続けます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・大問 1(歴史の会話文)を 5 年分縦に解く — 3 年とも小 6 が登場する会話文で、古代から近代までを一気に触ります。時代別の一問一答より、通史を会話の流れで追う演習が形に合います。(確認: 〜2025 年度)
- 「誤っているものを一つ選びなさい」を集めて解きます。精読した 3 年で 2 問・5 問・3 問。選択肢 1 つずつに○×を付けながら読む手順を固定します。
- [週 1 回] 社会・理由記述を 2 文で書く練習 — 「原子力発電所が海沿いに多い理由」「江戸幕府が鎖国を実施した理由」「当時の貿易に触れながら、国内でお金が流通していた理由」。理由 → 結論の順で 40〜60 字にまとめます。(確認: 〜2025 年度)
- 最後の設問(自分の考え)に 5 分残す配分を決めます。3 年とも最後の 1 問がこの形で、時間切れで白紙にするのが一番もったいないところです。
- [週末 60 分] 理科・方眼にグラフをかく練習 — 2022・2025 の 2 年とも、たて軸・横軸を自分で決めてかかせます。目盛りの取り方・単位の書き込みまで採点される前提で書きます。(確認: 〜2025 年度)
- 「表から読み取れることを説明する」練習も入れます。2025 の水星の温度差、2022 の葉の面積、2019 の電磁石の実験表。数値の大小を言葉に直す訓練が効きます。
- [毎日 10 分] 国語・漢字の読み 5+書き取り 5 と四字熟語・慣用句 — 3 年とも大問 1〜大問 3 の 15 問がここです。落とさなければ大きいところです。(確認: 〜2017 年度)
- [週 1 回] 国語・内容の正誤判定と 20〜30 字の記述 — 「本文の内容に合うものに○×」は 3 年とも出ます。本文に戻って根拠の行を指で押さえる手順を身につけます。記述は「二十字程度で」「二十字以上三十字以内で」が繰り返し出るので、長い記述より、短くまとめる精度を上げます。(確認: 〜2017 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 大問の並びの固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い(大問 1 計算・大問 2 一行題は 3 年連続) | 大問 1・2 は反復。大問 3 以降はその場で定義を読ませるまとまった問題 | 計算 10 問前後を落とさない精度+一行題の全単元を一巡すること。加えて「過程を書く」練習 |
| 国語 | 高い(漢字 5+5・語彙・説明文・物語文の並びが 3 年連続) | 知識 15 問がまとまって取れる。読解は本文の内容正誤判定と字数指定の抜き出しが軸 | 漢字・語彙の確実化+20〜30 字にまとめる記述 |
| 理科 | 中(大問 3 つ・大問 1 は地学が 3 年連続。大問 2 以降は年ごと) | 表・グラフを読んで説明させる。方眼にグラフをかかせる | 表から比例関係を読む練習と、軸から自分でかくグラフ |
| 社会 | 高い(歴史→地理→公民が 3 年連続) | 会話文・レポートを読ませる。誤りを選ぶ問いが多い | 通史の穴埋め+「理由を 2 文で書く」練習+前年ニュース |
8-1. 算数(精読した年: 2019・2022・2025/資料のある年: 2010〜2025 のうち 8 年)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2019 | 4/27 | 計算 10 問(逆算・単位換算・分数の穴うめ込み) | 一行題 10 問 数の性質・ニュートン算・割合 売買・仕事算・平均 食塩水・通過算・過不足 |
規則性(1,2,2,3,4 の繰り返し数列) | 平面図形(正三角形の中点連結を入れ子に)+一筆書き+体積 | — |
| 2022 | 4/29 | 計算 10 問(逆算・単位換算 2 問・分数の穴うめ込み) | 一行題 10 問(買い物の場面でくるんだ小問集合) 速さ・売買・規則性 割合・体積・時計算 和差算・面積比 |
速さ(学校と駅を往復するスクールバスと徒歩の追いつき・すれちがい) | 数の性質(不足数・過剰数・完全数の定義を読ませる) | — |
| 2025 | 5/20 | 計算 5 問(逆算・分数の穴うめ込み) | 一行題 5 問(規則性・仕事算・数の性質・平均と中央値・食塩水) | 速さ(2 人の会話文で解き方をたどらせる) | 図形の移動(長方形を 3 回折って切る折り紙) | 規則性(毎週 2 本ずつ増やして花を植える) |
座席(同じ場所に同じ種類の問題が来ること)
- 大問 1 は 3 年とも計算問題です(2019・2022・2025)。しかも中身の並びまで似ていて、最後の 1 問は 3 年連続で「分数の等式の穴うめ込み」(2019「550/1210 = □/55 = 5/□」、2022「80/125 = □/500 = 16/□」、2025「25/60 = あ/132 = 15/い」)。数字が違うだけの同じ作りの問題で、ここは対策すればほぼ確実に取れる形です。
- 逆算(□にあてはまる数を求める計算)も 3 年連続で大問 1 の中に入っています(2019 (7)・2022 (7)・2025 (4))。
- 単位換算(「30 ha = □ a = □ m²」「5 日 = □ 時間 = □ 分」)は 2019・2022 にあり、2025 には無し。3 年そろっていないので「毎年」とは言えません。
- 大問 2 は 3 年とも一行題の集まりです。2022 は「創太さんの買い物」という場面でくるんでありますが、中の 10 問は速さ・売買・規則性・割合・立体・時計算・和差算・面積比とばらばらで、実質は小問集合です。場面が付いているだけで、解く中身は一行題と考えてよいところです。
- 大問 3 以降はまとまったテーマ問題で、ここだけは年ごとに作り直しています。精読した 3 年では規則性が 2 回(2019 大問 3・2025 大問 2/大問 5)、速さが 2 回(2022 大問 3・2025 大問 3)、図形が 2 回(2019 大問 4・2025 大問 4)、数の性質が 1 回(2022 大問 4)。
頻出単元
- 計算(四則・逆算・分数の穴うめ込み)は 3 年連続で大問 1 まるごとです(2019・2022・2025)。資料のある 8 年分の単元の重みでも計算が最大(全体の 29%)。
- 規則性・数列は 3 年とも登場します(2019 は大問 3 まるごと、2022 は大問 2(4)(7) の 2 問、2025 は大問 2(1)・大問 5 まるごと)。数列の並びから何番目・何番目までの和を出す問い方が繰り返し出ます。
- 速さは 2022・2025 の 2 年(2022 はバスと徒歩の追いつき、2025 は会話文で比を使った解き方をたどる)。資料のある 8 年分でも速さとグラフが上位に入ります。
- 割合・文章題(食塩水・仕事算・売買・平均・過不足)は一行題の常連で、3 年とも大問 2 のどこかに入っています。
- 平面図形は 2019・2025 で大問まるごと。2019 は中点連結の入れ子、2025 は折り紙。面積比を最も簡単な整数の比で答えさせる問い方が 2022(10)・2025 大問 4(4) に出ます。
問い方の特徴
- 答えだけでなく途中の過程を書かせる問題が 2025 に 3 問あります(大問 3(2)・大問 4(4)・大問 5(4)、いずれも「答えを導く過程も書きなさい」)。2019 は 1 問(一筆書きの描き方を矢印で記す)、2022 は 2 問(テニスボールの積み方の規則の説明・「すべての素数は不足数であることを説明しなさい」)。精読した 3 年では記述が 1 問 → 2 問 → 3 問と増えていますが、3 年しか見ていないので「増え続ける」とまでは書きません。ただし過程を書く練習は必ず要ります。
- その場で定義を読ませて使わせる問題が目立ちます。2022 大問 4 は「不足数・過剰数・完全数」を導入文で定義してから使わせます。2025 大問 3 は 2 人の会話が解き方の途中まで示していて、それを真似て続きを解く形です。知らない言葉が出ても導入文に定義が書いてあるので、まず導入文を読み切る訓練が効きます。
- 会話文の登場人物は「創太さん」「英美さん」で、2022・2025 の両年に創太さんが出てきます。
形式面(割合の一覧は 10 節の表にまとめました)
- 3 年とも記号選択は 0 問。答えは短答(数値)が中心です(2019 96%・2022 93%・2025 80%)。
- 作図は精読した 3 年で 2025 の 1 問のみ(折った紙を切って広げた形を解答用紙にかき、切り取られた部分を黒く塗る)。「必ず作図がある」とは言えませんが、解答用紙に図をかかせる可能性は残ります。
- 記述は字数ではなく「過程を書く」形です。
- 小問数は 27 → 29 → 20 と 2025 で減りました。2025 は 1 問あたりにかけられる時間が増えた形で、その分 1 問が重くなっています(大問 3 の会話文・大問 5 の n を使った式)。
8-2. 理科(精読した年: 2019・2022・2025/資料のある年: 2010〜2025 のうち 6 年)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | 3/15 | 雹(ひょう)のでき方を先生と生徒の会話でたどる(三態変化・上昇気流) | 電磁石(ごみ処理場のクレーンを見て回路を作る・方位磁針・電流の表を読む) | 森林の光合成と二酸化炭素吸収(グラフ読み取り・地球温暖化と放置林) |
| 2022 | 3/16 | 太陽・地球・月の位置関係(月の満ち欠け・日食/金環日食・重力) | 葉の重なりと面積(方眼で葉の面積を出しグラフ化する自由研究) | SDGs とエネルギー(神奈川県の食品ロス・水の加熱に必要な熱量計算・メタン発酵発電の是非) |
| 2025 | 3/19 | 太陽系の惑星の表(半径・体積・質量・自転時間を読む/オーロラ・二酸化炭素) | かっ車と輪軸(力とひもの長さの関係を表にしてグラフ化) | トリ・チョウ・ヒトのからだの比べ方と、ホシムクドリが太陽で方角を知るしくみ |
座席(同じ場所に同じ種類の問題が来ること)
- 精読した 3 年(2019・2022・2025)はいずれも大問 3 つで、小問は 15〜19 問です。
- 大問 1 は 3 年とも天体・気象(地学)です。2019 は雹のでき方、2022 は太陽と月、2025 は太陽系の惑星表。理科の 1 問目は地学から来ると思って準備してよいところです。
- 大問 2・大問 3 の分野は固定されていません。精読した 3 年では大問 2 が物理 2 回(2019 電磁石・2025 かっ車と輪軸)と生物 1 回(2022 葉)、大問 3 が生物 2 回(2019 森林・2025 動物)と環境/エネルギー 1 回(2022 SDGs)。大問 2 以降は毎年作り直していると考えたほうがよいところです。
頻出単元
- 天体(月の満ち欠け・日食・惑星)は 2022・2025 の 2 年。2019 は気象寄りの地学です。地学分野は 3 年とも必ずどこかに入っています。
- 植物のつくりとはたらきは 2019(光合成と二酸化炭素)・2022(葉の面積と重なり)の 2 年。資料のある 6 年分でも単元の重みが最も大きいところです。
- 力学(電磁石・かっ車・輪軸)は 2019・2025 の 2 年。表の数値から比例関係を読み取って計算する形で出ます。
- 熱(三態変化・熱量)は 2019・2022 の 2 年。2022 は「水 1L を 100℃ まで上げるのに必要な熱量(J)」を段階を追って計算させます。
問い方の特徴
- 解答用紙にかき込ませる問題が 3 年連続であります(2019 は回路図と方位磁針の向き 2 問、2022 はグラフ 1 問、2025 はグラフ 2 問)。2022・2025 は「たて軸・横軸を自分で決めてグラフをかく」形で、目盛りの取り方まで採点対象になっています。方眼にグラフをかく練習は必ずしておきたいところです。
- 表・グラフから読み取って説明させる問いが軸になっています。2025 大問 1 問 4「水星の昼夜の温度差が大きくなる理由について、表から読みとれることを説明しなさい」のように、知識ではなく資料の中に答えの根拠がある書き方が多いところです。
- 自分の意見を理由つきで書かせる問題が 2019・2022 の 2 年にあります。2019「日本の放置された森林に対してできることを、自分の考えを説明しなさい」、2022「メタン発酵の発電施設を神奈川県にも作るべきだと思うか、賛成か反対に丸をつけて理由を含めて書きなさい」。正解が一つに決まらない問いに、理由をつけて答える練習が要ります。
- 導入文に「創太さん」「英美(美英)さん」が出てきて、会話や夏休みの自由研究の形で場面が作られます。3 年ともこの形が入っています。
- 題材が身のまわりから取られます(ごみ処理場・食品ロス・自由研究・放置林)。教科書の実験そのままより、日常の場面に理科を当てはめる問い方が目立ちます。
形式面(割合の一覧は 10 節の表にまとめました)
- 記述の数は年で大きく違います。2019 は 15 問中 4 問(27%)、2022 は 16 問中 2 問(12%)、2025 は 19 問中 1 問(5%)。「毎年記述が多い」とは言えませんが、記述が 0 の年は精読した 3 年にありません。
- 記号選択の割合も年で振れます(2019 40%・2022 6%・2025 37%)。選択が少ない年は短答が増えるので、用語を正確に書けることが前提になります。
- 字数指定は 2022 に 1 問だけ確認できました(「重なり合う下の方の葉は」で書き始めて 25 字以内)。書き出しを指定される形があるので、指示の読み落としに注意してください。
8-3. 社会(精読した年: 2019・2022・2025/資料のある年: 2010〜2025 のうち 6 年)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1(歴史) | 大問 2(地理) | 大問 3(公民) | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019 | 4/22 | 小 6 の祐依さんと歴史教師の父の会話 年号・鎌倉の執権・租・関東大震災・大正時代 |
発電所の分布地図(火力・水力・原子力の判別/地熱/校舎屋上の太陽光パネルの会話) | 地方自治(知事・政令指定都市・直接請求の署名数・横浜市の人口推移と予算) | 合唱コンクールの曲の決め方(多数決と納得のさせ方を考えて書く・2 問) |
| 2022 | 4/22 | 小 6 の一郎さんと博物館長の会話 縄文遺跡・沖縄史・法隆寺・鎖国の理由・御恩と奉公 |
「江戸時代の道について」のレポート(工業地帯・中山道の山地・三角州・洪水ハザードマップ) | 横浜市長選をめぐる会話(衆議院・選挙権年齢・地方自治体の仕事・神奈川県の財政) | 姉妹の自由研究と気候変動(仮説の検証に要る資料・温暖化対策として自分ができる行動・2 問) |
| 2025 | 3/19 | 小 6 の真美さんと翔さんの会話 新紙幣の肖像を軸に聖徳太子〜福沢諭吉までの通史 |
世界と日本の人口(一人っ子政策・ベビーブーム・過疎/年齢構成の国際比較グラフ) | 労働と人権(労働基準法・勤労条件・女性の人権・ジェンダーギャップ指数) | — |
座席(同じ場所に同じ種類の問題が来ること)
- 大問 1 は 3 年とも歴史、大問 2 は 3 年とも地理、大問 3 は 3 年とも公民です(2019・2022・2025)。社会は分野の並びがはっきり固定されている科目で、過去問を「大問 1 だけ 3 年分」のように縦に解く使い方がよく効きます。
- 大問 1 は 3 年とも「小学 6 年生が登場する会話文」から始まります(2019 は祐依さんと父、2022 は一郎さんと博物館長、2025 は真美さんと翔さん)。会話の中に下線部が引かれ、そこから時代をまたいで問われます。時代別に区切った出題ではなく、会話の流れに沿って古代から近代まで順に触る通史のかたちです。
- 大問 4(小問 2 問だけの短い大問)は 2019・2022 にあり、2025 には無し。ただし 2025 も同じ性格の問いは残っていて、大問 3 の最後に移った形です(後述)。
- 3 年とも最後の設問は自分の考えを説明させる記述です。2019 は「クラス全員が納得して決めて歌うために、あなたならどのようなやり方を提案しますか」、2022 は「温暖化対策に向けて、あなたができる行動は何ですか。またなぜその行動が対策になるのか」、2025 は「日本が経済分野でジェンダーギャップ指数を 1 に近づけるために必要なことを考え、説明しなさい」。最後の 1 問に時間を残す配分を、過去問演習の段階から身につけておきたいところです。
頻出単元
- 歴史は通史でまんべんなく出ます。精読した 3 年で古代(飛鳥・奈良)は 3 年とも、鎌倉・室町は 3 年とも、近代の戦争と大正・昭和前期は 3 年とも出ています。江戸は 2022・2025 の 2 年。
- 公民は地方自治と労働・人権です。地方自治が 2019・2022 の 2 年(知事・直接請求・地方自治体の仕事)、人権・多様性が 2019・2025 の 2 年。資料のある 6 年分でも公民の憲法・政治が最大の重みです。
- 地理は資源・エネルギーと人口・都市が軸です。2019 は発電所の立地、2022 は工業地帯と地形とハザードマップ、2025 は人口構成。地図・グラフ・統計表から読み取らせる形が 3 年ともあります。
- 前年前後のニュースが 3 年とも入っています。2019 は 2020 年東京オリンピックの影響、2022 は前年 8 月の横浜市長選、2025 は 2024 年 7 月の新紙幣と同月の国連人口推計。入試前年の主要ニュースは押さえておく必要があります。
問い方の特徴
- 「誤っているものを一つ選びなさい」が 3 年とも複数問出ます(2019 に 2 問、2022 に 5 問、2025 に 3 問)。選択肢は①〜③または①〜④で、正しいものを選ぶ問いより誤りを探す問いのほうが多いところです。1 つずつ選択肢の内容を確かめる読み方が要ります。
- 理由を書かせる記述が定番です。2019「■(原子力発電所)が海沿いに多く立地する理由を答えなさい」、2022「江戸幕府が鎖国政策を実施した理由を答えなさい」、2025「国内でお金が流通していた理由について、当時の貿易に触れながら答えなさい」。2 文程度で理由を言い切る練習が直接効きます。
- 書き方の見本(例)を示してその形に合わせて書かせる問いが 2019・2022 にあります(2019 は「テーマ/2 つ以上の教科からどう考えるか」の表、2022 は「A 時代につくられた B の制度は…/理由:…」の形)。指定された形をそのまま守ることが採点の前提になっています。
- 会話文や生徒のレポートの体裁が 3 年とも使われます。長い文章を読んでから設問に入るので、資料を読む時間の見積もりが必要です。
形式面(割合の一覧は 10 節の表にまとめました)
- 記号選択が主軸です(2019 50%・2022 59%・2025 63%)。次いで短答(いずれの年も 23〜26%)、記述(23%→14%→11%)。
- 漢字・カタカナの文字種指定が 3 年とも出ます(2019「漢字で答えなさい」2 問、2022「漢字で」「漢字 2 字で」、2025「カタカナ 6 文字で」)。用語は書けるようにしておいてください。なお精読した 3 年に、記述の答えに「◯字以内」と字数を指定した問いは 1 問もありませんでした(2022 の理科には字数指定があるので、社会と理科で扱いが違います)。
- 作図は精読した 3 年で 0 問です。
- 図・地図・写真・グラフを使う小問が 3 割強。2019 は発電所の分布図と地図記号、2022 は洪水ハザードマップと図、2025 は年齢構成のグラフ 2 種と文化財の写真。写真から文化財や人物を判別させる問いが 2025 にあります。
- 社会は読ませる文章量が多く(会話文・レポート)、先に読み切ってから設問に入ると時間を失いやすいので、下線部ごとに設問へ戻る読み方が現実的です。
8-4. 国語(精読した年: 2012・2016・2017)
国語は 2018 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)状態です。ここに書いたのは 2010〜2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。以下は 2012・2016・2017 の 3 年を原本で読んだ結果です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4(説明文) | 大問 5(物語文) | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2012 | 5/39 | 漢字の読み 5 問 | 漢字の書き取り 5 問 | 慣用句の意味を選ぶ 5 問 | エコツアーと西表島の自然(環境) | 学校で生き物を飼うかを話し合う場面 | —(大問 5 の最後に「あなたなら何を飼いたいか」の作文) |
| 2016 | 6/37 | 漢字の読み 5 問 | 漢字の書き取り 5 問 | 四字熟語に漢数字を入れる 5 問 | 山極寿一『ゴリラは語る』(しぐさ・姿勢と文化) | 角田光代の小説(父に連れ出される少女と海辺の出会い) | 白黒写真(綱引き)を見て場面を説明する記述 1 問 |
| 2017 | 6/36 | 漢字の読み 5 問 | 漢字の書き取り 5 問 | 同じ漢字が 2 回入る四字熟語を 5 つ書く | 佐藤剛史・杉田明子『中高生のための「かたづけ」の本』 | 藤順子『子守唄の余韻』(文房具店と父の記憶) | 写真を見て場面を説明する記述 1 問 |
座席(同じ場所に同じ種類の問題が来ること)
- 大問 1 = 漢字の読み 5 問、大問 2 = 漢字の書き取り 5 問が 3 年とも同じ位置に同じ問題数で入っています(2012・2016・2017)。合計 10 問ぶん、対策が最も確実に返ってくる場所です。
- 大問 3 は語彙・熟語の知識が 3 年とも同じ位置です。ただし中身は年で変わります(2012 慣用句の意味、2016 四字熟語の漢数字補充、2017 は「同じ漢字が 2 回ふくまれる四字熟語を 5 つ書く」という自分で思い出して書く形)。
- 大問 4 が説明文(論説)、大問 5 が物語文という並びも 3 年とも変わりません。
- 写真を見て場面を説明する大問 6 は 2016・2017 の 2 年にあります。設問文は 2 年で完全に同じで、「左の写真は、どのような場面ですか。見ていない人にも伝わるように説明しなさい」。写真だけが差し替わっています(2016 は綱引きの白黒写真)。2012 にはこの大問が無い代わりに、大問 5 の最後が「あなたが自分のクラスで生き物を飼うとしたら、何がいいと思いますか。また、その理由も書きなさい」という作文になっています。3 年とも「最後に自分のことばで書かせる」形で終わります。
問い方の特徴(3 年とも出る形)
- 「本文の内容に合うものには○、間違っているものには×」の正誤判定が 3 年とも出ます(2012 は大問 4 の最後、2016・2017 は大問 4 と大問 5 の両方の最後)。読み終えたあとに本文全体を確認する問いで、1 問の中に 4〜5 の文が入るため配点が重くなります。
- 字数を指定した抜き出し+「最初と最後の 3 字」が 3 年とも出ます(2012「五十字以上でぬき出し、始めと…」、2016「三十字以内でぬき出し、最初と最後の三字」、2017「二十四字でぬき出し、始めと終わりの三字」)。指定字数を数えて探す練習が要ります。
- 接続語の空欄補充は 3 年とも。語句の意味(「ぶっきらぼう」「かいがいしく」「あざける」)を選ぶ問いも 3 年とも出ます。
- 対義語(2012・2016)、表現技法=比喩・擬人法(2012・2017)、脱文挿入=この一文はどこに入るか(2012・2017)、文節の数を漢数字で答える(2012・2017)はそれぞれ 2 年で確認。文法・表現の知識問題が読解の中に混ざって出るのがこの学校の形です。
- 記述には字数の指定が付きます(2012「二十字程度」、2016「二十字以上三十字以内」、2017「二十字程度」「五字以内」)。20〜30 字にまとめる訓練が直接効きます。長い記述(100 字級)は精読した 3 年にありません。
形式面(割合の一覧は 10 節の表にまとめました)
- 短答が約半分(2012 49%・2016 51%・2017 56%)、記号選択が 28〜44%、記述は 8%・8%・17%。記述の量は多くありませんが、写真の説明や作文のように「自分で言葉を作る」問いが必ず最後に来ます。
- 小問数は 36〜39 問で、50 分にしては問題数が多いところです。漢字・語彙の 15 問を素早く終えて読解に時間を回す配分が現実的です。
- 大問 4 の説明文は環境・文化・生活習慣といった身近な題材、大問 5 の物語文は小学生〜中学生の視点で家族や友人との関わりを描くものが選ばれています(精読した 3 年の範囲)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
以下は、精読した 3 年(算数・理科・社会は 2019・2022・2025、国語は 2012・2016・2017)には大問として出ていないものの、この学校の資料のある年の全体では単元の重みが小さくないものです。出たときに「見たことがない」で止まらないよう、名前と手順だけは触れておきたいところです。最終確認年度は、その単元をこの資料で確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 精読した 3 年での扱い | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 平面図形(円とおうぎ形の求積) | 大問として出たのは正三角形の入れ子(2019)と折り紙(2025)で、円の求積は無し | 円の求積は精読した 3 年に確認できず | 資料のある 8 年分では平面図形が単元の重みで 4 番目(15%)に入るので、円とおうぎ形の複合求積は準備しておく価値があります |
| 算数 | 立体図形(体積・表面積) | 2019 大問 4(3)、2022 大問 2(6) の小問として出るだけ | 2022(小問) | 大問 1 つが立体で来ても解けるようにしておきたいところです |
| 算数 | 水量とグラフ | 大問として無し。速さとグラフは 2022・2025 に出る | 2025(速さとグラフ) | 同じ「グラフを読む」系統として、水量の変化のグラフも扱えるようにしておきます |
| 理科 | 水溶液・気体の性質・燃焼 | 精読した 3 年(2019・2022・2025)に化学の大問は無し | 化学の大問は精読した 3 年に確認できず | 資料のある 6 年分では気体の性質が単元の重みで 2 番目に入ります。化学分野が薄い年が続いているので、戻ってくる可能性は高いほうと見ておきます |
| 理科 | 地層・岩石 | 大問 1 は 3 年とも地学だが、いずれも天体・気象 | 精読した 3 年に確認できず | 地学の中でどこが来るかは決まっていないと考えたほうがよいところです |
| 社会 | 世界地理 | 2025 は年齢構成の国際比較で世界に触れるが、地図から国や地域を答えさせる形は薄い。2022 は「世界遺産展示コーナー」の会話から入る | 2025(年齢構成の国際比較) | 世界とのつながりを歴史側から問う形もあります |
| 国語 | 作文 | 2012 は作文で終わる。2016・2017 は写真の説明に置き換わる(→8-4) | 2012 | 自分の考えを書かせる枠自体は 3 年ともあるので、どちらの形で来ても書けるようにしておきます |
10. 形式面の注意
| 項目 | 算数 | 国語 | 理科 | 社会 |
|---|---|---|---|---|
| 記号選択 | 精読した 3 年で 0 問 | 28〜44% | 6〜40%(年で大きく振れる) | 50〜63%(主軸) |
| 短答 | 80〜96% | 49〜56% | 47〜75% | 23〜26% |
| 記述 | 4%→7%→15%(2019→2022→2025) | 8〜17% | 27%→12%→5%(2019→2022→2025) | 23%→14%→11% |
| 作図・グラフ | 2025 に 1 問(折り紙を広げた形をかく) | 無し | 3 年連続あり(回路図・方位磁針・グラフ 2 種) | 精読した 3 年で 0 問 |
| 字数指定 | 無し(「過程を書く」形) | 毎年あり(二十字程度・二十字以上三十字以内・五字以内) | 2022 に 1 問(書き出し指定+25 字以内) | 精読した 3 年で 0 問 |
| 文字種指定 | — | 漢字一字・漢数字で答える形あり | — | 3 年ともあり(漢字で・漢字 2 字で・カタカナ 6 文字で) |
| 図・写真の量 | 図つきの小問が 3 割弱 | 写真 1 枚(2016・2017 の大問 6) | 図つきの小問が約半分 | 地図・グラフ・写真で 3 割強 |
| 時間 | 50 分 | 50 分 | 社会と合わせて 60 分 | 理科と合わせて 60 分 |
- 円周率の指定は確認できていません。精読した 3 年(2019・2022・2025)の算数に円の求積が出ていないためで、「指定が無い」という意味ではありません。市販の過去問集で確認しておきたいところです。
- 理科と社会が合わせて 60 分(各 100 点)という点は、形式面で一番大きいところです。片方に 40 分使うと片方が崩れるので、30 分ずつで一度切る練習を過去問演習に必ず入れてください。理科はグラフ作成が 2 問ある年は時間が厳しくなり、社会は読ませる文章量が多いので、時間の取り合いになります。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
- 計算の正確さ。この学校は算数の大問 1 が 3 年とも計算 5〜10 問で、そこが得点の柱になります。分数・小数の四則と逆算を、速さより先に正確さで固めます。
- 漢字。国語の大問 1・大問 2 は 3 年とも読み 5 問・書き 5 問です。小 4 のうちは配当漢字を書けるようにするだけでよいところです。ただし国語は 2018 年度以降の資料が無いので、直近の形は別に確認してください(→13 節)。
- 図形の入口。長方形・三角形の面積、正三角形の性質。2019 の中点連結、2025 の折り紙はここが土台です。
- 短い記述の習慣。「なぜそう思ったか」を 1 文で言う。理由を言葉にする癖が、後で 4 科目すべてに返ってきます。
- 身のまわりを観察すること。理科・社会の題材が自由研究や地元の話題から来るので、天気・ごみ・買い物の値段のような日常の話を家庭で言葉にしておくと、後の記述で困りません。時間を計った演習はまだしません。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は国語の語彙(慣用句・四字熟語・対義語)と社会の通史に充て、週末 60 分は算数の単元を一巡することと、理科の表・グラフに充てます。
- 単元を一巡させます。この学校の算数の一行題(大問 2)に出る単元をそのままチェックリストにできます。順番は、割合と比 → 売買損益 → 仕事算 → 平均算 → 食塩水の濃度 → 通過算 → 過不足算 → ニュートン算 → 時計算 → 和差算 → 規則性(売買損益・仕事算・平均算・通過算・過不足算・ニュートン算・時計算・和差算は受験用教材の単元)。一つずつ「解ける」状態にしておくのがこの学年の仕事です。
- 規則性・数列を厚めに。精読した 3 年とも出ており、2019 と 2025 は大問まるごとです。数列の並びから「何番目」「何番目までの和」を出す形に慣れておきます。
- 社会は通史を 1 周。大問 1 は 3 年とも古代から近代まで会話で一気に触ります。時代を分断せず、流れで覚えるやり方がこの学校に合います。
- 理科は表とグラフ。実験の表から比例関係を読む練習と、方眼にグラフをかく練習を小 5 のうちから始めます。この学校は 2022・2025 の 2 年ともグラフをかかせています。
- 国語は語彙。慣用句・四字熟語・対義語。大問 3 の 5 問は語彙の知識だけで取れます。ただし国語は 2018 年度以降の資料が無いので、この形が続いているかは別に確認してください(→13 節)。
- 理由を 2〜3 文で書く習慣。社会の理由記述、理科の説明記述は小 5 のうちに形を作っておくと、小 6 の演習が回りやすくなります。
小 6(仕上げ)
- 7 節の 8 項目がそのまま小 6 の作業リストになります。
- 過去問の解き方は「同じ座席を縦に」を先、「年度通しで時間を計る」を後にします。まず算数の大問 1 を 5 年分、社会の大問 1 を 5 年分というように席ごとに縦に解いて、その席の問い方に慣れます。その後で 1 年分を通して時間を計ります。
- 理科・社会は必ずセットで 60 分で解きます。片方だけ 30 分で解く練習も混ぜます。
- 最後の 1 問(自分の考えを書く問題)に必ず時間を残す配分を、演習のたびに検証します。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
この学校は同じ場所に同じ種類の問題が来るので、小 6 での反復が効きやすいところです。だが並びが固定されているぶん、小 5 で単元を一巡できているかがそのまま点差になります。大問 2 の一行題は単元がばらばらに 5〜10 問並ぶため、穴が 1 つあると必ずそこで落とします。もう一つは書く力で、これは小 4〜小 5 に「理由を 1 文で言う」習慣を積んだ子と、小 6 から始めた子で仕上がりが変わりやすいところです。小 4 は計算と漢字と「理由を言う」、小 5 は全単元の一巡と表・グラフ、小 6 は座席ごとの縦解き、という配分が素直だと考えています。
12. この学校と併願するなら
観点は「勉強が転用できるか」だけです。出題の構造(大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元・単元の分布)が近い学校を挙げています。通学圏や入試日程は見ていません。同じ問題が出るという意味でもありません。
- サレジアン国際学園中学校(東京都・共学) — 4 科の中で最も近い学校です。とくに理科の作りが近く、資料を読ませて説明させる方向がそろっています。社会も近いところです。国語は比較できていません。
- 北鎌倉女子学園中学校(神奈川県・女子校) — 理科・社会がともに近い学校です。神奈川県内で、資料の読み取りと記述の混ざり方が似ています。
- 淑徳巣鴨中学校(東京都・共学) — 4 科いずれもまんべんなく近い学校です。算数の一行題の量と記述の混ざり方が転用しやすいところです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
転用の仕方: 理科・社会の「表やグラフを読んで説明する」問題は、上の学校の過去問がそのまま練習になります。一方で算数の大問 1(計算 5〜10 問)と大問 2(一行題)の形は、他校の過去問より横浜創英の過去問を縦に回すほうが効率がよいところです。国語は比較できるデータが無いので、他校との近さは判断していません。
この学校は第 1 回・第 3 回が 4 科または 2 科、第 2 回・第 5 回が 2 科です。2 科の回だけを受ける計画にする場合、併願先が 4 科目校なら理科・社会は本校の準備とは別に立てる必要があります。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。この学校は第 1 回(2 月 1 日 午前)・第 2 回(2 月 1 日 午後)・第 3 回(2 月 2 日 午前)・第 5 回(2 月 6 日 午前)で学科試験があり、ほかに帰国生入試(プレゼンテーション)と第 4 回コンピテンシー入試(プレゼンテーション・グループワーク)があります。資料は年・科目あたり 1 冊しか無く、回の表記も冊の中に見当たらなかったため、第 1 回相当と仮定して読んでいます。2 科の回(第 2 回・第 5 回)が同じ問題かどうかは、この資料では分かりません。
- 帰国生入試と第 4 回(コンピテンシー入試)は筆記の 4 科・2 科とは別の試験で、試験時間と配点は公表資料に記載がありません。このページの分析は学科試験だけを対象にしています。
- 原本を精読したのは科目ごとに 3 年だけです。算数・理科・社会は 2019・2022・2025、国語は 2012・2016・2017。「3 年連続」はこの 3 年で確認したという意味で、その間の年(2020・2021・2023・2024)は資料自体がありません。間の年で並びが変わっていた可能性は残ります。
- 座席の固定について、本文では次の年数で書きました。算数の大問 1=計算・大問 2=一行題は 3 年(2019・2022・2025)。社会の歴史→地理→公民は 3 年(同)。理科の大問 1=地学は 3 年(同)。国語の漢字 5+5・語彙・説明文・物語文は 3 年(2012・2016・2017)。それ以上の年数は確認していません。
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)状態です。国語について書いたことは 2012〜2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。国語の出典として本文末尾の表記で確認できたのは、2016 年度の山極寿一『ゴリラは語る』・角田光代の小説、2017 年度の佐藤剛史/杉田明子『中高生のための「かたづけ」の本』・藤順子『子守唄の余韻』。2012 年度は出典の表記が資料の中に見当たらなかったので書いていません。
- 2022 年度の理科・社会は転写の精度が落ちる冊で、理科の 1 問は本文が一部欠けています。その年についての記述は他の年よりやや弱い根拠と見てください。
- 転写の読み落としの可能性があります。図の中の文字、解答用紙の枠、円周率や単位の指示のような「本文の外」に書かれた指示は、転写に入りきらないことがあります。円周率の指定と、解答用紙の形(記述欄の大きさ)は市販の過去問集で必ず確認してください。
- 試験時間・配点・回の構成は 2026 年度の募集要項によるもので、その年の実際の冊子と一対一で対応するかは確認していません。
- 入試結果や学校の方針については、このページでは扱っていません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
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