横浜翠陵中学校 の過去問分析
横浜翠陵中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
横浜翠陵中学校 過去問分析(2011〜2023 年度・4 科の一般入試 1 回分・11 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市緑区三保町 1 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 横浜国際女学院翠陵中学校・高等学校(〜2011 年 3 月) |
| 入試回 | 全 10 回(第 1 回〜第 5 回/適性検査型入試/英語資格型入試①②/帰国生徒入試①②) |
回ごとの日程・科目・試験時間・配点は次のとおりです(2027 年度の募集要項による内容です)。
| 回 | 日程 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 集合・時間割 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第 1 回 | 2 月 1 日 午前 | 2 科(国語・算数)または 4 科(国語・算数・理科・社会) | 国語 50 分・算数 50 分・理科社会(合わせて)50 分 | 国語 100・算数 100・理科 50・社会 50 | 集合 8:45。2 科受験 9:00〜11:00、4 科受験 9:00〜12:15 |
| 第 2 回 | 2 月 1 日 午後 | 2 科または 4 科 | 同上 | 同上 | 集合 14:45。2 科受験 15:00〜17:00、4 科受験 15:00〜18:15 |
| 第 3 回 | 2 月 2 日 午前 | 2 科または 4 科 | 同上 | 同上 | 集合 8:45。2 科受験 9:00〜11:00、4 科受験 9:00〜12:15 |
| 第 4 回 | 2 月 3 日 午後 | 国語または算数から 1 科目選択 | 国語または算数 50 分 | 国語または算数 100 | 集合 14:45、15:00 開始〜15:55 終了 |
| 第 5 回 | 2 月 4 日 午後 | 得意 2 科(国算/国理/国社/算理/算社から選択) | 得意 2 科(合わせて)60 分 | 得意 2 科(各科目)50 | 集合 14:45、15:00 開始〜16:05 終了 |
| 適性検査型入試 | 2 月 1 日 午後 | 適性検査(総合問題) | 50 分 | 100 | 集合 14:45、開始 15:00、終了 15:55 |
| 英語資格型入試① | 2 月 1 日 午前 | 国語または算数から 1 科目選択+英語資格(英検)換算点 | 国語または算数 50 分 | 国語または算数 100・英語資格(英検換算:準 2 級以上 70 点・3 級 60 点・4 級 50 点) | 集合 8:45、開始 9:00、終了 9:55 |
| 英語資格型入試② | 2 月 2 日 午前 | 同上 | 同上 | 同上 | 集合 8:45、開始 9:00、終了 9:55 |
| 帰国生徒入試① | 2 月 1 日 午前 | A 方式(国語・算数+面接)または B 方式(英語+国語・算数+面接) | 国語(A 方式)50 分・算数(A 方式)50 分・英語(B 方式)50 分・国語社会算数(B 方式・合わせて)50 分・面接 15 分 | 国語(A 方式)100・算数(A 方式)100・英語(B 方式)100・国語(B 方式)50・算数(B 方式)50 | 集合 8:45、筆記試験 9:00、面接試験 11:00(本人のみ 15 分) |
| 帰国生徒入試② | 2 月 2 日 午前 | 同上 | 同上 | 同上 | 集合 8:45、筆記試験 9:00、面接試験 11:00 |
- 面接: 第 1 回〜第 5 回はいずれも面接なしです。帰国生徒入試だけが面接(本人のみ 15 分)を行い、筆記試験と面接試験の総合成績で判定します。
- 合否の判定の仕組みが独特です。第 1 回〜第 3 回は、まず国語・算数の得点合計で判定し、4 科受験で 2 科の合格点に届かない場合は 4 科合計で判定します。 英語資格型入試は、英語資格の配点と受験 1 教科の得点合計で判定します。
- 募集人員: 適性検査型入試・英語資格型入試・帰国生徒入試の募集人員は一般入学試験枠に含まれ、内訳は公表されていません。
- 帰国生徒入試の出願資格は、原則として海外在留 2 年以上・帰国後 2 年以内です。
- このレポートが扱うのは、資料に収録されている 4 科の一般入試 1 回分だけです。上の 10 回のどれに当たるかは特定できていません(→4 節・13 節)。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校の入試は、何番に何の分野が来るかが科目ごとにきれいに決まっていて、その場所に入る単元のほうが毎年入れ替わります。算数は 11 年すべてが大問 6・小問 20、理科は大問 4(物理→化学→生物→地学)、社会は大問 3(歴史→地理→公民)です。
- 算数の大問 1 の 5 問は式の形まで揃っていて、数字だけを入れ替えた同じ作りの問題が同じ番号に並びます。
- 2017 年度を境に、算数・理科・社会の 3 科目がそろって記述を増やしました。それ以降の 6 冊で一度も戻っていません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の 5 枠を、枠ごとに 11 年分まとめて解きます。
- 理科の 15〜30 字の説明記述を、4 分野ぶん書きためます。
- 社会の公民と地理の用語を「説明できる」状態にします。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 (4)(分配法則でくくる計算)だけを 11 年分並べて解き、共通の数をくくり出す手つきを作ります。
注意
- 資料は 2023 年度で止まっていて、2024〜2026 年度は 1 冊もありません。本文の「◯年連続」はすべて 2023 年度までの話です(→13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを 3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。この学校は構成だけ数えた年がなく、資料のある年はすべて精読しました。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 資料の無い年度 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2011〜2015、2017〜2020、2022、2023 の 11 年 | なし | 精読した年と同じ 11 年 | 2016、2021、2024〜2026 は問題冊子が資料に無い | 高。11 冊すべてに大問 6・小問 20 が揃っている。2011・2013・2019 は転写の確度が一段低い(数値の細部に揺れがある)が、大問構成と題材の読み取りには支障がない |
| 理科 | 2012〜2015、2017〜2020、2022、2023 の 10 年 | なし | 精読した年と同じ 10 年 | 2011、2016、2021、2024〜2026 | 高。2017・2019・2022 は転写の確度が一段低い |
| 社会 | 2011〜2015、2017〜2020、2022、2023 の 11 年 | なし | 精読した年と同じ 11 年 | 2016、2021、2024〜2026 | 高。2020 は転写の確度が一段低い |
| 国語 | 2012、2013、2014、2015 の 4 年のみ | なし | 精読した年と同じ 4 年 | 2016 年度以降は問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) | 4 年分に限れば高。ここに書いた国語の話は 2012〜2015 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校では別校の冊子の混入はありませんでした。
- 入試回: 資料は 1 校×1 年×1 科目につき 1 冊しか収録されておらず、冊子の表紙に回の表記が見つからない年がほとんどです。ただし 2014 年度・2015 年度の国語、2019 年度の理科、2022 年度の社会には「第 1 回」の表記がありました(→13 節)。ここに書いた話が 1 節の 10 回のどれに当てはまるかは断定できません。回ごとに作りが違う可能性を残して読んでください。
- 年度の範囲: 資料は 2023 年度で止まっています。2024〜2026 年度の 3 年分はどの科目も入っていません。本文で「◯年連続」と書いたのはすべて 2023 年度までの話で、直近 3 年に同じ並びが続いているかどうかは確認できていません。
- 試験時間・配点は冊子に印刷されていません。募集要項の側の数字は 1 節のとおりで、理科と社会を合わせて 50 分という配分が、この 2 科目の解き方を大きく左右します(→10 節)。
- 資料の最も古い 2011 年度は、ちょうど改称・共学化の年に当たります(旧称は 1 節)。冊子の中身に旧称由来の違いは見当たりませんでした。
- 満点・設問別配点は、どの科目・どの年度の冊子にも印刷されていません。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、「何番に何の分野が来るか」が科目ごとにきれいに決まっています。一方で、その場所に入る単元は毎年入れ替わります。
- 算数: 精読した 11 年(2011〜2023)すべてが大問 6・小問 20 で、1 問の増減もありません。大問 1 は計算 5 問、大問 2 は小問集合 5 問で 11 年不動です。しかも大問 1 の 5 問は式の形まで揃っていて、2017〜2023 の 6 冊では「(小数×小数+小数)÷小数」「(◯+□×◯)÷◯=◯」のように、数字だけを入れ替えた同じ作りの問題が並びます。2017 年度以降は大問 3 が速さ、大問 5 が規則性、大問 6 が長文(多くは会話文)で 6 冊連続です。
- 理科: 精読した 10 年すべてが大問 4 です。大問 1 が物理、大問 2 が化学、大問 3 が生物、大問 4 が地学という並びが、2013〜2023 の精読した 9 冊で 1 度も崩れていません。
- 社会: 精読した 11 年すべてが大問 3 です。大問 1 が歴史、大問 2 が地理、大問 3 が公民・前年の出来事という並びが 11 年不動です。そのうえ大問 1 は「今年の NHK 大河ドラマは『◯◯』です」で始まる年が 7 回あり、2018 年度以降の精読した 5 冊はすべてこの形です。
- 国語: 精読した 4 年(2012〜2015)すべてで、漢字の読み 5・書き 5・慣用句の意味 5・ことわざの空欄 2・語の知識 3 の計 20 問が、同じ順で同じ問い方で出ます。
過去問の使い方は「同じ座席(問題の置き場所)の問題を年度をまたいで縦に並べる」がいちばん効きます。算数の大問 1 だけを 11 年分、理科の大問 4(地学)だけを 10 年分、社会の大問 3(公民・時事)だけを 11 年分、という縦の解き方です。ただし算数の大問 1 を除けば「出る問題を覚える」ことはできません。中身は毎年作り直されているので、「その場所の問い方に慣れる」+「その分野の単元を薄く広く回す」の 2 本立てになります。
もう 1 つ、2017 年度を境に 3 科目同時に起きた変化があります。記述が増えました。
| 科目 | 2011〜2015 | 2017〜2023 |
|---|---|---|
| 算数 | 「1 行程度の文章で答えなさい」は 5 冊とも 0 問 | 毎年 2〜4 問(2017: 2、2018: 4、2019: 3、2020: 4、2022: 3、2023: 4) |
| 理科 | 説明記述 0〜1 問。字数指定なし | 毎年 2〜6 問。2019・2020・2022・2023 は 4 つの大問それぞれに「15〜30 字以内で説明しなさい」が 1 問ずつ |
| 社会 | 説明記述 0〜1 問 | 毎年 3〜5 問 |
2016 年度の冊子が資料に無いので「2016 年か 2017 年か」までは特定できませんが、3 科目が同じ時期にそろって記述を増やしたことは 3 科目の原本で確認しました。それ以降の 6 冊で一度も戻っていません。この学校の準備で最後に効くのは、短い日本語を正確に書く力です。
なお資料は 2023 年度で止まっています。2024〜2026 年度の 3 年分はどの科目も精読していないので、上の並びが直近まで続いているかどうかは分かりません。過去問集で 3 年分を自分で確かめてください。
6. この学校らしさが出る場所
- 社会の大問 1 が「今年の NHK 大河ドラマ」から始まります。 2012『平清盛』、2015『花燃ゆ』(吉田松陰)、2018『西郷どん』、2019『いだてん 〜東京オリンピック噺〜』、2020『麒麟がくる』、2022『鎌倉殿の 13 人』(北条義時)、2023『どうする家康』の 7 回です。書き出しもほぼ同文で、その年の大河ドラマの時代がその年の歴史の中心になります。11 年で最も分かりやすい特徴で、他校ではあまり見かけない作りです。
- 理科の生物・地学が自校の敷地と横浜を舞台にします。「この横浜翠陵中学校・高等学校は緑にあふれ、暖かい季節には多くの花がさき…特にタンポポ」(2017 大問 3)、「横浜翠陵中学校は多くの植物に囲まれています。春には A サクラをはじめ…また秋には B イチョウ」(2019 大問 3)、「A の位置に地球があるとき、横浜翠陵中学校で星の観察をしたところ」(2020 大問 4)、「横浜市(北緯 35°)における春分の日・夏至の日・冬至の日の太陽の通り道」(2023 大問 4)、「9 月中旬ごろの神奈川県における太陽高度と気温と地表面の温度」(2017 大問 4)。観測地を自分の学校に置く書き方が続いています。
- 算数の大問 6 が「身のまわりの仕組みを算数で読み解く」長文になります。バーコードの検査数字(2018)、コピー機の倍率(2019)、インターネットで買い物をするときの番号の判定(2020)、ロボットに 0 と 1 で命令を出す(2022)、袋の詰め合わせで代金を最も安くする(2023)、プレゼント代の相談(2017)。知識ではなく、その場で規則を読み取って適用する力を毎年同じ場所で測っているように見えます。会話文の形をとる年が 5 回あります。
- その年の西暦を問題の中に入れます。算数で 2020 番目(2020 大問 5)、2022cm(2022 大問 5)、2023 組目(2023 大問 5)。理科・社会では前年の出来事(2022 大問 2 の「2021 年のノーベル物理学賞」、社会大問 3 の前年ニュース)が入ります。
- 社会の大問 3 が制度と時事をつなぎます。普天間飛行場の移設と内閣(2011)、ギリシャの債務問題とユーロ(2012)、TPP 交渉(2013・2014)、首相の記者会見の要約を読ませる(2015)、伊勢志摩サミット(2017)、天皇の退位特例法(2018)、アメリカ大統領の就任(2022)、統一地方選挙(2023)。ニュースの語を覚えるだけでは足りず、その語が公民のどの制度につながるかまで問われます。
- 理科の記述が「なぜ」に寄っています。「地表面の温度と気温の上がり方に時間差があるのはなぜですか」(2017)、「夏のよく晴れた日の夜、風は問 3 と逆の方向にふきます。この理由を」(2022)、「季節によって太陽の通り道が異なるのはなぜですか」(2023)。実験の手順を答えさせるより、観察された事実の理由を短く言わせる作りが目立ちます。
- 国語の説明的文章が「ことば・働くこと・ものの見方」に寄ります。日本語の上達法(2013)、「あなたは将来働きますか?」(2014)、目を細めて抽象的に捉える(2015)、野生動物と人間の距離(2012)。中学生が自分ごととして考えられる題材が選ばれているように見えます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に置いてください。同じ座席の問題を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の 5 枠を枠ごとに 11 年分 — (1) 整数の四則、(2) 帯分数、(3) 小数、(4) 分配法則でくくる計算、(5) 逆算(□にあてはまる数を求める計算)。式の形が 11 年同じなので、11 年分を 1 枚に並べて解くと 10 分もかかりません。ここで 5 問全取り・所要 5 分を作れると、後半の記述に時間が回ります。(確認: 〜2023 年度)
- とくに (4) は共通の小数をくくり出すだけで終わります。ここを筆算で押し切ると、後半の記述に回す時間が消えます。11 年間同じ作りなので、練習しておけば確実に時間を作れる場所です。
- [週末 60 分] 算数・大問 3 の速さと大問 5 の規則性を 6 年分ずつ(2017〜2023) — 速さは出会い(2020・2023)、追いつき(2014・2017・2019・2023)、往復(2013・2015)、辺上を動く点(2022)。問 1 は平易で、問 3 に「1 行程度の文章で」が付きます。規則性は周期を見つけて「◯番目は何か」「◯◯番目までに何回出るか」を答える形で、2020 は 2020 番目、2022 は 2022cm、2023 は 2023 組目と、その年の西暦を番号に使う作りが 3 年続いています。出会い算・追いつき算(いずれも受験用教材の単元)はここで固めます。(確認: 〜2023 年度)
- 大問 2 問 5 の「規則を言葉で答える」記述も 5 年分(2018・2019・2020・2022・2023)。約束記号(2020・2023)と数列(2018・2019・2022)の 2 通りで、書き方は「A と B を足した数に、A と B の差をかける」のように、手順を主語つきの 1 文にします。
- 円とおうぎ形の複合求積も同じ枠で。円周率 3.14 での計算に慣れておきます。半円の組み合わせ(2020 小問集合)、正方形と半円(2022 小問集合)、おうぎ形の弧の 3 等分(2023 大問 4)。
- [週末 60 分] 算数・大問 6 の長文を通しで — バーコード(2018)、コピー機の倍率(2019)、番号の判定(2020)、ロボットの命令(2022)、袋の詰め合わせ(2023)。規則は本文に全部書いてあるので、知識ではなく読解速度で決まります。会話文に慣れておきます。(確認: 〜2023 年度)
- [週 1 回] 理科・15〜30 字の説明記述を 4 分野ぶん書きためる — 2019・2020・2022・2023 の 4 冊は、4 大問それぞれに 1 問ずつ入っています。この 16 問をそのまま練習素材にできます。理由(「〜だから。」)と方法(「〜する。」)の 2 通りを書き分けます。(確認: 〜2023 年度)
- 指定語句つき(2022「振動数」、2023「力」「地軸」)にも慣れます。語を必ず入れて 25〜30 字に収める練習です。
- [週 1 回] 理科・社会を合わせて 50 分で通し、理科の 4 分野を均等に回す — 2 科目で 45 問前後・記述が合わせて 6〜10 問あります。記述 1 問 1 分で切り上げる段取りを、通し演習で身体に入れます。理科はどれか 1 分野を捨てると、確実に 5〜6 問を失う作りです。(確認: 〜2023 年度)
- 物理は力のつり合い(ばね・かっ車・てこ)を厚めに。ばね(2015)・かっ車(2017)・てこ(2020)・摩擦(2023)で 4 回出ています。電気回路は 2018 の 1 回だけですが、空きが長い分だけ戻る余地があります。
- 化学は水溶液の性質と計算。中和(2018)、食塩水(2023)、液体の判別(2015)、金属と水溶液(2019)。どちらも表やグラフから比例を読む作業が共通です。
- 生物は分類表。植物の分類表は 2012・2018 に大問として出ており、同じ設計図が使い回されています。種子植物とほう子植物、裸子植物と被子植物、単子葉類と双子葉類の 3 段の分かれ方を、表の形で書けるようにしておきます。
- 地学は「観測地が横浜」で考える練習。北緯 35°、春分・夏至・冬至の太陽の通り道(2023)、季節と星座の見え方(2020)。緯度を自分で使える状態にしておきます。
- [毎日 10 分] 社会・公民と地理の用語を「説明できる」状態に — 地方自治・二院制・衆議院の優越・特別国会・非核三原則/赤潮・客土・リアス(式)海岸・養殖漁業と栽培漁業の違い。定義をそのまま書かせる記述が 2017 年度以降ずっと出ています。(確認: 〜2023 年度)
- 理由記述は 1 分で 1 文にまとめます。「◯◯だから。」の形で、資料に書かれている根拠を 1 つだけ拾います。
- [週末 60 分] 社会・その年の大河ドラマの時代と、前年 1 年間のニュース — 2018〜2023 の精読した 5 冊すべてで、大問 1(歴史)の入口が「今年の NHK 大河ドラマは『◯◯』です」でした。人物と時代、その前後の出来事を教科書の章ごと通しておきます。精読した 11 年のうち 4 年(2012・2014・2017・2022)は大問 3 が丸ごと前年の出来事でした。(確認: 〜2023 年度)
- 都道府県を文章から特定する練習(2011・2023)。県庁所在地・港・世界遺産・特産物といった手がかりから絞ります。
- 統計表と白地図の読み取り(2018 農作物の生産割合、2020 漁かく量、2022 五輪の開催都道府県)。
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と慣用句・ことわざ — 精読した 4 年とも同じ場所・同じ問い方・同じ問数(漢字読み 5・書き 5・意味 5・空欄 2・語の知識 3)です。7 択を 5 問で共用する形なので消去法が効きます。(確認: 〜2015 年度)
- 漢字は読み 5・書き 5 を毎日。学年配当漢字の範囲で、送り仮名を含むもの(「逆らう」「省く」「唱える」「養う」「編む」「織る」「射る」)が必ず混ざります。
- 慣用句・ことわざ・四字熟語は意味とセットで。「たかをくくる」「けりをつける」「木に竹を接ぐ」「腹を探る」「足を洗う」「手を焼く」「後の祭り」「太鼓判を押す」「さばを読む」「焼け石に水」「渡りに船」「青菜に塩」/「付和雷同」「当意即妙」「海千山千」「意気投合」「晴耕雨読」「単刀直入」。
- ことわざの空欄と、類義語・打消しの接頭語。「泣き面に□」「知らぬが□」「船頭多くして船□に上る」「井の中の蛙□を知らず」/偉業=功績、無視=黙殺、熱中=没頭/不・未・非・無・否の使い分け。
- 抜き出しを字数から逆算する練習(「十字以内でぬき出す」「はじめの五字」)。本文に印を付けながら読む習慣を先に作ります。
- 20〜30 字の言い換え。「本文中のことばを用いて」という条件があるので、本文の表現を残しつつ指定字数に削る作業になります。
- 物語文は「言い方・態度・表情」を心情に翻訳します。2015 の設問は「彼のその言い方」「額をくっつけるようにして」「卑怯者、という言葉が今にも口を衝いて出そうになる」と、行動描写から心情を読ませるものが並びます。
- ただし 2016 年度以降は資料が無く、直近の形式は確認できていません(→13 節)。
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 大問 6・小問 20 が 11 年間 1 問も動かない。記号選択はほぼ無く、数値の短答が約 8 割、説明記述が 2〜4 問。円周率は 11 年とも 3.14 | 大問 1 の計算 5 問は式の形まで同じ。大問 3(速さ)・大問 5(規則性)・大問 6(長文)は場所が決まっているが題材は毎年新作 | 大問 1 の 5 枠を 11 年分縦に。次に大問 3 の速さと大問 5 の規則性を 6 年分 |
| 理科 | 大問 4・小問 17〜25。物理→化学→生物→地学の順が 9 冊不動。記号選択と短答が半々、説明記述が 2〜6 問 | 分野の場所は固定、分野の中の単元は毎年入れ替わる。2012 と 2018 で同じ設計図の大問(植物の分類表)が戻った | 4 分野を均等に。加えて 15〜30 字の説明記述を分野ごとに書きためる |
| 社会 | 大問 3・小問 18〜25。歴史→地理→公民の順が 11 年不動。記号選択が最も多く、記述が 3〜5 問。字数指定は 11 年間ゼロ | 歴史はその年の大河ドラマの時代から入る年が 7 回。公民は用語の定義を書かせる。地理は国土・都道府県・統計表の 3 通りを回す | 大河ドラマの時代の通し復習と、公民・地理の用語を「説明できる」状態にすること |
| 国語 | 精読した 4 年(2012〜2015)で知識・語彙 20 問+文学的文章+説明的文章。記号選択と抜き出しが主軸、記述は最長 30 字 | 知識・語彙のブロックは 4 年とも同文・同数・同順。読解の設問は心情・理由・指示語 | 漢字 10 問と慣用句・ことわざの 10 問。ただし 2016 年度以降は未確認 |
理科と社会は合わせて 50 分です(募集要項の側の数字)。2 科目で 45 問前後、うち記述が合わせて 6〜10 問あります。科目ごとの知識より、時間内に記述を書き切る段取りのほうが差になりやすい配分です。
8-1. 算数
年度×大問の題材表
11 年すべてが大問 6・小問 20 で、1 問の増減もありません。 大問 1(計算 5 問)と大問 2(小問集合 5 問)は 11 年間 1 番・2 番から動きません。大問 3 以降は 2017 年度を境に並びが変わっています。
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 資料の読み取り(クラスの身長) | 図形の移動(直角三角形の周りを回る) | 規則性(1cm の正方形を並べる) | 速さ(1 周 540m の池) |
| 2012 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 規則性(マッチ棒の正三角形) | 資料の読み取り(45 人の国語と算数) | 図形の移動(縄でつながれた犬) | 速さ(池の周りを 2 人が走る) |
| 2013 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 規則性(数の並び) | 図形の移動(直角三角形の周りを転がる円) | 資料の読み取り(通学時間) | 速さ(家から店まで往復) |
| 2014 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 規則性(長方形を直線で分ける) | 資料の読み取り(通学時間) | 速さ(自転車で 3500m) | 図形の移動(回転させた三角形) |
| 2015 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 資料の読み取り(算数のテスト) | 規則性(文化祭のパンフレット) | 水量とグラフ(密閉容器 624cm³) | 速さ(山のバス 2 路線) |
| 2017 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(弟と兄の通学路) | 立体の展開図(立方体) | 規則性(数字の並び) | 会話文(プレゼント代の相談) |
| 2018 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(高速道路 A→C) | 円とおうぎ形(半径 20cm の円の内部) | 規則性(白と黒のおはじき) | 会話文(バーコードの仕組み) |
| 2019 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(時速 60km の急行列車) | 図形の移動(正三角形 6cm) | 規則性(白と黒のご石) | 会話文(コピー機の倍率) |
| 2020 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(学校と図書館・郵便局に寄る) | 水量とグラフ(おもりを沈める) | 規則性(△☆□○ の並び) | 会話文(インターネットでの買い物の番号判定) |
| 2022 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(正方形の辺上を動く点 P・Q) | 立体(円柱にかけたひもの長さ) | 規則性(正方形を 3 つずつ足す) | ロボットのプログラム(1〜16 のマス) |
| 2023 | 計算 5 問 | 小問集合 5 問 | 速さ(1 周 3600m のマラソン 3 人) | 円とおうぎ形(中心角 90°・半径 6cm) | 規則性(数列①と数列②) | 会話文(ドーナツの袋の組み合わせ) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
この学校の算数でいちばん大きな特徴は、大問 1 の 5 問が「式の形」まで揃っていることです。同じ問題が出るのではなく、数字だけを入れ替えた同じ作りの問題が、同じ番号に並びます。
| 位置 | 何が出るか | 確認できた年 |
|---|---|---|
| 大問 1 (1) | 整数の四則計算 | 11/11 年。うち 2017〜2023 の 6 冊は「◯◯ − (◯×◯ + ◯) ÷ ◯」の形(2020: 202 −(8×13+76)÷15、2023: 19×5 −(27×9−13)÷23) |
| 大問 1 (2) | 帯分数のかけ算・わり算 | 11/11 年。2017〜2023 の 6 冊は「(帯分数 ÷ 帯分数 + 分数) ÷ 帯分数」の形 |
| 大問 1 (3) | 小数の四則計算 | 11/11 年。2017〜2023 の 6 冊は「(小数×小数 + 小数) ÷ 小数」の形(2022: (3.2×2.5+18.5)÷5.3、2023: (4.2×3.1+3.08)÷2.3) |
| 大問 1 (4) | 分配法則でくくる計算 | 11/11 年。2011〜2014 は「3.25×17 + 3.25×72 − 3.25×29」の形、2017〜2023 は「56×3.12 − 29×3.12 + 13×3.12」の形。共通の小数をくくり出せば暗算で終わる |
| 大問 1 (5) | 逆算(□にあてはまる数を求める計算) | 11/11 年。2017〜2023 の 6 冊は「(◯ + □×◯) ÷ ◯ = ◯」の形、2011〜2014 は「(◯×□ − ◯) ÷ ◯ = ◯」の形 |
| 大問 2 | 小問集合 5 問(導入文は 11 年とも「次の各問いに答えなさい。」) | 11/11 年 |
| 大問 3 | 速さ | 2017・2018・2019・2020・2022・2023 の 6 冊連続。それ以前(2011〜2015)は速さが大問 5〜6 に置かれていた |
| 大問 5 | 規則性・数列 | 2017・2018・2019・2020・2022・2023 の 6 冊連続 |
| 大問 6 | 身のまわりの仕組みを算数で読み解く長文(うち会話文が 5 冊) | 2017〜2023 の 6 冊連続。会話文は 2017・2018・2019・2020・2023 |
大問 2 の小問集合の中身は年ごとに入れ替わりますが、問 5 だけは「『ある規則』を 1 行程度の文章で答えなさい」という記述問題が 2018・2019・2020・2022・2023 の 5 冊連続で置かれています。約束記号の規則を言葉にする形(2020「[8,3]=11×5=55, [10,6]=16×4=64」、2023「[6,4]=10÷2=5, [8,6]=14÷2=7」)と、数列の規則を言葉にする形(2018・2019・2022)の 2 通りです。
頻出単元と周期
- 規則性・数列 — 11 年すべてに大問があります。2017 年度以降は大問 5 で固定です。図形を並べる(2011・2018・2019・2020・2022)/数を並べる(2013・2017・2023)/マッチ棒・紙テープなど物を並べる(2012・2014)の 3 通り。
- 速さ — 11 年すべてに大問があります。池の周回(2011・2012)、往復(2013・2015)、追いつき・出会い(2014・2017・2019・2020・2023)、辺上を動く点(2022)。2020・2023 のように「出会い」と「追いつき」を 1 題の中で両方問う作りが増えています。
- 円とおうぎ形 — 大問として 2018・2023。小問集合の中には 2012・2013・2015・2020・2022 にも入り、11 年で 7 回です。円周率は 11 年とも 3.14。半円の組み合わせ(2020 小問集合)、正方形と半円(2022 小問集合)、おうぎ形の弧の 3 等分(2023 大問 4)という複合求積の形をとります。
- 資料の読み取り — 2011・2012・2013・2014・2015 の 5 年連続で大問が 1 つありましたが、2017 年度以降の 6 冊には 1 題もありません。これは資料の欠けではなく、精読した 6 冊すべてで大問 1〜6 の題材を確認した上での結果です(ただし 2016・2021 と 2024 年度以降が精読できていないので、その間に戻っている可能性は残ります)。
- 図形の移動 — 2011・2012・2013・2014・2019。2020 年度以降の精読した冊子にはありません。
- 立体図形(体積・表面積・展開図・切断) — 小問集合に 2011・2012・2013・2014・2017・2019、大問として 2017(展開図)・2022(ひもの長さ)。
- 推理・論理 — 2017 年度以降の大問 6 の中身です。バーコードの検査数字(2018)、コピー機の倍率(2019)、クレジットカード番号の判定(2020)、ロボットの移動命令(2022)、袋の詰め合わせ(2023)。
問い方の特徴
- 「1 行程度の文章で答えなさい」が 2017 年度から入りました。2011〜2015 の 5 冊にはこの言い方が 1 つも無く、2017 年度以降は毎年 2〜4 問あります(2017: 2 問、2018: 4 問、2019: 3 問、2020: 4 問、2022: 3 問、2023: 4 問)。答えの数値を出したうえで「そのとき点 P は辺 AB 上のどの位置にありますか」(2022 大問 3)「そのとき C さんはどの場所にいますか」(2023 大問 3)のように、状況を言葉で説明させます。算数で日本語を書く練習が要る学校です。
- 記号選択はほとんどありません(精読した 11 年で数問)。答えは数値の短答が 8 割です。
- 「考え方や式も書きなさい」という但し書きが大問の導入文に入る年があります(2020 大問 6)。
- 途中の設問の答えを次の設問で使わせる連鎖があります(2023 大問 3 問 3「問 2 で求めた速さで進むものとします」)。前半を落とすと後半も落ちる作りなので、大問 3 の問 1 は確実に取りたいところです。
8-2. 理科
年度×大問の題材表
精読した 10 年すべてが大問 4 で、小問は 17〜25(中央値 21)です。 そして大問 1 = 物理 → 大問 2 = 化学 → 大問 3 = 生物 → 大問 4 = 地学 の順が、2013〜2023 の精読した 9 冊で 1 度も崩れていません(2012 だけ大問 2 が「もののうきしずみ」で、水と物の重さの比べ方を扱います)。
| 年度 | 大問 1(物理) | 大問 2(化学) | 大問 3(生物) | 大問 4(地学) |
|---|---|---|---|---|
| 2012 | 熱の伝わり方(実験 1〜3) | もののうきしずみ(たまごと食塩水) | 植物の分類表 | 月の満ち欠け |
| 2013 | ふりこ A〜E の 1 往復 | ものが燃えるときの変化 | 光合成をたしかめる実験 | 気象の観測 |
| 2014 | モノコード(弦と音の高さ) | 金属の性質 | ヒトの呼吸器官とそのしくみを再現した装置 | 3 日間の気温変化のグラフ |
| 2015 | ばね A・B(長さの違う 2 種類) | 無色とう明な液体の判別 | セキツイ動物の分類表 | 月のようす |
| 2017 | 定かっ車・動かっ車 | 燃焼(ろうそくと集気びん) | 校内のタンポポ | 太陽高度と気温・地表面の温度 |
| 2018 | 豆電球 P・Q の回路 | 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液(中和) | 植物の分類表 | 火山と地震(活火山 111) |
| 2019 | モノコード(音の高さ) | 一円玉と金属 | 校内のサクラ・イチョウ | たい積岩と地層 |
| 2020 | てこのつり合い | 燃焼と二酸化炭素・地球環境 | 顕微鏡で池の生き物 | 地球の公転と星座 |
| 2022 | 音(音さと水しぶき・モノコード) | 地球温暖化とノーベル物理学賞 | ヒトの消化器官とひだ | 湯と氷の対流(風のふき方) |
| 2023 | ものさしと本の間の摩擦 | 食塩水 | 植物の呼吸を調べる装置 | 横浜市(北緯 35°)の太陽の通り道 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
- 4 分野が 4 大問に 1 つずつ置かれ、順番も固定です(物理・化学・生物・地学)。2013〜2023 の精読した 9 冊で確認しました。準備の順番は「4 分野を均等に」で迷う余地がありません。
- 各分野の中の単元は毎年入れ替わります。物理は音(2014・2019・2022)/力とつり合い(2015 ばね・2017 かっ車・2020 てこ・2023 摩擦)/電気(2018)/熱(2012)/ふりこ(2013)。地学は月(2012・2015)/気象(2013・2014・2022)/太陽(2017・2023)/星(2020)/地層・火山(2018・2019)。つまり、場所は決まっているが中身は決まっていない、ということです。分野の中を薄く広く回しておく必要があります。
- 生物の大問 3 は自校の敷地や身近な生き物を入口にする作りが目立ちます。2017「この横浜翠陵中学校・高等学校は緑にあふれ…特にタンポポ」、2019「横浜翠陵中学校は多くの植物に囲まれています。春には A サクラをはじめ」、2020「顕微鏡を使い、池でくらす生き物を観察しました」。地学でも 2020「横浜翠陵中学校で星の観察をしたところ」、2023「横浜市(北緯 35°)における…太陽の通り道」と、観測地を自校・横浜に置きます。
6 年隔てて戻ってきた大問
2012 年度の大問 3 と 2018 年度の大問 3 は、同じ作りの問題です。 導入文は 2012「下の表は,私たちがよく知る植物を分類したものです。後の問いに答えなさい。」、2018「下の表は私たちがよく知る植物を分類したものです。後の問いに答えなさい。」で、読点の有無しか違いません。設問の並びも 3 問とも対応しています。
| 2012 大問 3 | 2018 大問 3 | |
|---|---|---|
| 問 1 | 分類表の空欄 a〜c に語句を書く | 分類表の空欄 A・B に語句を書く |
| 問 2 | イチョウ・アオサ・アサガオが表の①〜⑥のどこか | イチョウ・スギゴケが表の①〜④のどこか |
| 問 3 | 単子葉類と双子葉類の葉脈・根・茎の断面の共通性(語句で答える) | 双子葉類・単子葉類の子葉・葉脈・くきの断面・根(図をア〜カから選ぶ) |
分類表そのものと選択肢は作り直されているので「同じ問題が出た」わけではありませんが、同じ設計図をそのまま使い回していることは両年の原本で確認できました。植物の分類表は、大問 3 の題材として最も戻ってきやすいものです。
8-3. 社会
年度×大問の題材表
精読した 11 年すべてが大問 3 で、小問は 18〜25 です。 そして大問 1 = 歴史 → 大問 2 = 地理 → 大問 3 = 公民・前年の出来事 の順が 11 年間 1 度も崩れていません。
| 年度 | 大問 1(歴史) | 大問 2(地理) | 大問 3(公民・時事) |
|---|---|---|---|
| 2011 | 鎌倉時代までの文化(弥生の稲作から) | 都道府県(文章からの当てもの) | 普天間飛行場の移設と内閣 |
| 2012 | 大河ドラマ『平清盛』・平安末期 | 日本の位置と環太平洋造山帯 | 2011 年の出来事(ギリシャ債務・ユーロ) |
| 2013 | TPP 交渉参加(先生と生徒の会話) | 関東平野・利根川 | 国会(立法機関) |
| 2014 | 伊勢神宮の式年遷宮(会話) | 日本の国土・約 7000 の島 | 昨年 1 年間の出来事(TPP 交渉) |
| 2015 | 大河ドラマ『花燃ゆ』・吉田松陰 | 千葉県(3 人の会話) | 首相の記者会見(2014 年) |
| 2017 | 神奈川県立博物館「さがみの古代に生きた人びと」 | 日本の国土・面積 | 2016 年の出来事(伊勢志摩サミット) |
| 2018 | 大河ドラマ『西郷どん』・西郷隆盛 | 農作物の都道府県別生産割合の表 | 天皇の退位特例法(2017 年 12 月) |
| 2019 | 大河ドラマ『いだてん』・3 つのオリンピック | 海に囲まれた国と水産業 | 国会・二院制 |
| 2020 | 大河ドラマ『麒麟がくる』・室町後半 | 漁かく量の減少 | 地方自治 |
| 2022 | 大河ドラマ『鎌倉殿の 13 人』・北条義時 | 東京オリンピックの開催都道府県(白地図) | 2021 年の出来事(アメリカ大統領就任) |
| 2023 | 大河ドラマ『どうする家康』・徳川家康 | 都道府県(神戸・世界遺産などの文章) | 地方自治体の選挙・統一地方選挙 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
- 歴史 → 地理 → 公民の順が 11 年間固定です。大問 3 は毎年、公民の制度(国会・内閣・地方自治・選挙)か、前年 1 年間の出来事のどちらか、あるいはその両方をつないだ作りになっています。
- 大問 1 の入口が「今年の NHK 大河ドラマ」である年が 7 回あります(2012・2015・2018・2019・2020・2022・2023)。2018 年度以降は精読した 5 冊すべてがこの形で、書き出しも「今年の NHK 大河ドラマは『◯◯』です。次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。」とほぼ同文です。その年の大河ドラマの時代が、その年の歴史の大問の中心になるという作りが 5 年続いています。2024 年度以降の冊子は精読できていないので断定はしませんが、過去問に取り組むときは「大問 1 は大河ドラマ」と当たりを付けて読み始めてよいところです。
- 大問 2(地理)は、日本の国土全体の話(2012・2014・2017・2019)と、都道府県を文章から当てさせる形(2011・2023)と、統計表・白地図を読む形(2018・2020・2022)の 3 通りを回しています。
- 大問 3 は、前年の出来事を並べる年(2012・2014・2017・2022)と、公民の制度を 1 つ深く掘る年(2013 国会・2019 国会・2020 地方自治・2023 地方自治と選挙)が交互に近い形で来ています。
8-4. 国語
国語は 2012・2013・2014・2015 の 4 年分しか資料がありません(2016 年度以降は著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2012〜2015 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。算数・理科・社会は 2017 年度を境に記述が増えるという変化が見えていますが、国語についてはその前後を比べる資料がありません。
年度×大問の題材表
| 年度 | 知識・語彙 | 文学的文章 | 説明的文章 |
|---|---|---|---|
| 2012 | 大問 1(漢字)+大問 2(語彙) | 大問 3 — 川端裕人『今ここにいるぼくらは』(集英社)/クラスになじめない「博士」と教室の水そう | 大問 4 — 高槻成紀・南正人『野生動物への 2 つの視点』(筑摩書房)/トキ・コウノトリの復帰 |
| 2013 | 大問 1(漢字)+大問 2(語彙) | 大問 3 — 出典の表記が資料に無い/中学 2 年の「ぼく」といとこ達の夏休み(海辺) | 大問 4 — 金田一秀穂『15 歳の日本語上達法』(講談社)/コーヒーゼリーから始まる日本語の話 |
| 2014 | 大問 1(漢字)+大問 2(語彙) | 大問 3 — さなともこ『ポーラをさがして』(童話館出版)/塾でだけ親友になれるカナちゃんとわたし | 大問 4 — 南野忠晴『正しいパンツのたたみ方』(岩波書店)/「あなたは将来働きますか?」 |
| 2015 | 大問 1(漢字と語彙を 1 つにまとめた) | 大問 2 — 出典の表記が資料に無い/瀬戸内海の島「冴島」に暮らす 4 人 | 大問 3 — 出典の表記が資料に無い/目を細めて「抽象的に捉える」話 |
出典は 4 年分とも本文末尾の表記を原本で確認しました。2013 大問 3 と 2015 の 2 題は、転写された範囲に出典の表記が入っていなかったので書いていません。
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席の固定)
知識・語彙のブロックは 4 年とも中身も並びも同じです。 2015 年度だけ大問の数が 4 から 3 に減っていますが、これは漢字と語彙を 1 つの大問にまとめただけで、設問の中身は 4 年とも変わっていません(2015 は大問 1 の中に問一・問二・問三として入っています)。
| 順 | 出るもの | 問数 | 4 年の中身 |
|---|---|---|---|
| 1 | 漢字の読み | 5 問 | 「次の (1)〜(5) の――線部の漢字の読みをひらがなで書きなさい」— 4 年とも同文 |
| 2 | 漢字の書き取り | 5 問 | 「次の (1)〜(5) の――線部のカタカナを漢字に直しなさい」— 4 年とも同文 |
| 3 | 慣用句・ことわざ・四字熟語の意味 | 5 問 | 「次の (1)〜(5) のことばの意味としてふさわしいものをそれぞれ後のア〜キの中から選び、記号で答えなさい」— 4 年とも同文。選択肢はア〜キの 7 つを 5 問で共用する(2 つは余る) |
| 4 | ことわざ・慣用句の空欄 | 2 問 | 「次の (1)・(2) のことわざの□にあてはまることばをそれぞれ後のア〜オの中から選び」— 4 年とも同じ形。2015 だけ「慣用句の□に当てはまる漢字」 |
| 5 | 語の知識 | 3 問 | ここだけ年で入れ替わる。呼応の副詞(2012)、類義語(2013・2014)、打消しの接頭語(2015: 不・未・非・無・否) |
| 6 | 文学的文章 | 7〜10 問 | 小学生〜中学生が主人公で、友だち関係・家族・島や海が舞台 |
| 7 | 説明的文章 | 7〜9 問 | 自然や環境(2012)、ことばと日本語(2013)、働くこと(2014)、ものの見方(2015) |
知識・語彙の 15 問(漢字 10・語彙 5)+ことわざ 2+語の知識 3 の計 20 問が、精読した 4 年すべてで同じ場所に同じ形で出ています。小問全体の 4〜5 割がこのブロックなので、ここを固めることの費用対効果は非常に高いところです。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
最終確認年度は、その単元が出たことを確認できている最後の年度です。精読していない年(2016・2021・2024〜2026)のことは分かりません。
| 科目 | 単元 | 出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 資料の読み取り(表・グラフから読む大問) | 2011・2012・2013・2014・2015 の 5 年連続 | 2015 | 2017〜2023 の 6 冊では大問として出ていない。作りが大きく変わった箇所なので、戻る可能性は低いと見つつ、平均・度数分布の読み取りは小問集合に入りうる |
| 算数 | 図形の移動(転がる円・回る図形) | 2011・2012・2013・2014・2019 | 2019 | 2019 年を最後に 4 年空いている。かつては毎年あった |
| 算数 | 水量とグラフ | 2015・2020 | 2020 | 5 年周期。2020 を最後に空き |
| 算数 | 立体の切断・展開図 | 2017 | 2017 | 大問としては 1 度だけ |
| 算数 | 場合の数 | 2014・2015・2019(小問集合)・2023(大問 6) | 2023 | 単独の大問にはなりにくいが、大問 6 の題材として使われ始めている |
| 理科 | 電気回路 | 2018 | 2018 | 精読した 10 年で 1 回だけ。物理の中で最も出ていない |
| 理科 | ふりこ | 2013 | 2013 | 10 年で 1 回。周期の実験は出しやすい題材 |
| 理科 | 熱の伝わり方 | 2012 | 2012 | 10 年で 1 回 |
| 理科 | 中和の計算 | 2018 | 2018 | 10 年で 1 回。計算を伴うので差がつきやすい |
| 理科 | 溶解度・再結晶 | 2023(食塩水) | 2023 | 2 年に 1 度は水溶液の計算が入る |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2015 | 2015 | 2015 を最後に 8 年空き。植物に比べて動物の出題が少ない |
| 理科 | ヒトのからだ | 2014(呼吸)・2022(消化) | 2022 | 8 年周期で戻った実績がある |
| 理科 | 月の満ち欠け | 2012・2015 | 2015 | 3 年周期で来ていたが 2015 を最後に空き。太陽・星に置き換わっている |
| 理科 | 地層・岩石 | 2019 | 2019 | 10 年で 1 回 |
| 社会 | 原始・古代(弥生・古墳・飛鳥) | 2011・2013・2017 | 2017 | 2017 を最後に 6 年空き。大河ドラマ起点だと中世以降に寄る |
| 社会 | 文化史(土器・仏像・桃山文化) | 2011・2013・2020 | 2020 | 単独の大問にはならず、大問 1 の中の設問として出る |
| 社会 | 関東平野・河川 | 2013 | 2013 | 11 年で 1 回。自校が横浜にあることを考えると戻りうる |
| 社会 | 農業・農作物の統計表 | 2018 | 2018 | 11 年で 1 回 |
| 社会 | 水産業・漁かく量 | 2019・2020 | 2020 | 2 年連続で出た後 3 年空き |
| 社会 | 財政・税 | 2023(財源確保の記述 1 問) | 2023 | 大問としては精読した 11 年で出ていない。防衛費の話から入る形が 2023 に出た |
| 社会 | 国際社会・国連 | 2012・2017・2022(国際的な人権問題) | 2022 | 前年の出来事の中に混ざる形が中心 |
| 社会 | 憲法の条文そのもの | — | — | 精読した 11 年では条文の穴埋めという形が見当たらなかった。制度の仕組みを問う作りが中心 |
10. 形式面の注意
- 4 科目共通: 円周率は算数の 11 年とも 3.14 で、円が関わる大問・小問の導入文に「円周率は 3.14 とします」という但し書きが毎回付きます。字数指定は科目でくっきり分かれます。 理科は 2017 年度以降ほぼ毎年「15 字以内」「20 字以内」「25 字以内」「30 字以内」があり、国語も精読した 4 年すべてに 5〜30 字の指定があります。一方、社会は精読した 11 年で 1 度も字数指定がありません(代わりに「漢字二字」「漢字四字」という文字種の指定が答えの語に付きます)。算数の記述は字数ではなく「1 行程度の文章で」という言い方で長さを示します。指定語句つきの記述が理科と社会にあり、理科は「振動数」(2022)「力」「地軸」(2023)、社会は「日米修好通商条約」(2018)「植民地」(2019)です。指定語句は 2018 年度以降に出てきた形なので、直近に近いのはこちらと見ておきたいところです。作図は多くありません。算数は毎年ではなく、理科は精読した 10 年で 2018・2023 の 2 回だけ、社会は 11 年とも無しです。地形図の読図も、精読した社会 11 冊には出てきませんでした。地理は統計表・白地図・文章からの都道府県当てが中心です。満点・設問別の配点はどの科目・どの年度の冊子にも印刷されていません。
- 算数: 答えを「文章で」書かせます。「◯◯は何時何分ですか。また、そのとき◯◯はどこにいますか。1 行程度の文章で答えなさい」という形(2020・2022・2023)で、数値だけ出して止まると点になりません。作図の指示はある年と無い年があり、精読した範囲では毎年必ず 1 問という形にはなっていません。解答用紙は問題冊子と同じファイルに綴じ込まれている年が多く、計算用の白紙ページが挟まる年もあります(2019 は奇数ページが問題・偶数ページが計算用)。
- 理科: 記述の量が 2017 年度を境にはっきり増えました。2012〜2015 の 4 冊は説明記述が 0〜1 問だったのに対し、2017 年度以降の 6 冊はすべて 2 問以上、2019・2020・2023 は 4 問、2022 は 6 問あります。2019・2020・2022・2023 の 4 冊は、4 つの大問それぞれに「◯字以内で説明しなさい」が 1 問ずつ入っていて、字数は 15・20・25・30 字のいずれかです。1 分野 1 記述、と決め打って準備できます。
- 2019: 20 字(音の波形)/20 字(上皿天びんのつり合い)/20 字(裸子植物と被子植物の違い)/15 字(地層と海の深さ)
- 2020: 30 字(てこのつり合わせ方)/15 字(二酸化炭素の増加の影響)/20 字(B と D に共通するはたらき)/15 字(さそり座が見えない理由)
- 2022: 20 字(弦の長さと振動数)/15 字(気温上昇の影響)/25 字(小腸のひだの理由)/20 字(夜の風の向き)
- 2023: 25 字(すべり止めをつけた理由)/20 字(食塩水から食塩を取り出す方法)/20 字(水滴が移動した理由)/30 字(季節で太陽の通り道が違う理由)
- 指定語句つきの記述もあります。2022「振動数」ということばを用いて(大問 1 問 7)、2023「力」ということばを用いて(大問 1 問 6)、2023「地軸」ということばを用いて(大問 4 問 3)。指定語句が入るのは 2022 年度からなので、直近の作りに近いのはこの形と見ておきたいところです。記号選択と短答は半々で、選択肢は「ア〜エから 1 つ」が中心、「すべて選べ」という重い設問は多くありません。理科だけで 21 問前後・うち記述 4 問なので、1 問あたり 1 分強で回す速度が要ります。
- 社会: 記述が 2017 年度を境にはっきり増えました。2011〜2015 の 5 冊は説明記述が 0〜1 問だったのに対し、2017 年度以降の 6 冊は 3〜5 問あります(2017: 3、2018: 5、2019: 5、2020: 5、2022: 4、2023: 3)。記述の問い方は「理由」と「説明」の 2 種類で、理由(「なぜ鎌倉に幕府を開いたのですか」2022、「なぜ刀狩令を出したのですか」2023、「農民が学制に反対したのはなぜですか」2018)と、語句の説明(「赤潮とは何ですか」2020、「客土とはどのようなことですか」2022、「リアス(式)海岸とはどのような海岸ですか」2023、「地方自治とはどのようなことですか」2020)があります。後者は用語集の説明をそのまま書ければ取れます。資料つきの記述もあり、資料の写真を参考に桃山文化の特徴を書く(2020)、解答例を先に示して同じ形で書かせる(2018 大問 3「外務省 … 国の外交に関する仕事を行う」)という形です。記号選択が最も多く(精読した 11 年で全体の 4〜7 割)、社会だけで 23 問前後・うち記述 3〜5 問なので、記述に手間取ると理科が終わりません。記述は 1 問 1 分で切り上げる練習が要ります。
- 国語: 字数指定は 4 年とも多数あります。「二十五字以内」「二十字以内」「十五字以内」「十字以内」「五字以内」と、抜き出しの「はじめの五字」「三字」で、1 冊あたり 6〜10 か所です。2012・2013 の大問の導入文には「問いに字数がある場合は、句読点も一字分に数えること」という注意が明記されています。長い記述はほとんどなく、4 年とも最長で 30 字以内です。しかも「本文中のことばを用いて」「本文中から〜に続く形で」という条件が付くものが中心で、実質は抜き出しの言い換えです(2013 大問 3 問 6「二十字以内」、2013 大問 4 問 1「三十字以内」、2014 大問 3 問 3「二十五字以内」、2014 大問 4 問 5「三十字以内」)。自分の言葉でゼロから書く記述は、精読した 4 年には見当たりませんでした。記号選択と抜き出しが主軸で、記号選択は「ア〜エから 1 つ」が中心、心情・理由・表現の説明を選ばせます。抜き出しは「本文中から◯字以内でぬき出して」「最初の五字を答えなさい」の形です。本文には注(*印)が付き、長さは冊子換算で 19 ページ相当と 4 科目の中で最も多いので、50 分で 2 題を読み切る速度が要ります。作図・図表の読み取りは 4 年とも無しです。
11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)
小 4 から始めるとして、この学校の出題に無駄なく向かう順序を書きます。合格可能性や偏差値には触れません。
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 他校と大きくは変わらない。計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本 | この学校に向けて先取りの意味があるのは 2 つだけ。1 つは分配法則でくくる計算(算数の大問 1 (4) が 11 年連続)。もう 1 つは答えを 1 文で書く習慣で、「なぜそうなるの?」に 1 文で答える練習を算数でも理科でも日常にしておくと後で効く。時間計測はまだしない |
| 小 5(幅) | ここがこの学校の本体。理科は物理・化学・生物・地学の 4 分野、社会は歴史・地理・公民の 3 分野、算数は速さ・規則性・平面図形・立体図形・割合と比・場合の数を、穴なく全分野ひととおり学び終える | この学校は「どの場所に何の分野が来るか」は決まっているが「その分野の中のどの単元か」は毎年変わる。理科の物理を例にとると、精読した 10 年で音・ばね・かっ車・てこ・電気・熱・ふりこ・摩擦と 8 通りが回っている。1 つ落とすとその年は大問 1 が丸ごと苦しくなる |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目がそのまま小 6 の作業になる。夏以降は 2 通りの解き方を併用する。(a) 同じ座席を縦に(算数の大問 1 だけを 11 年分、理科の大問 4 だけを 10 年分、社会の大問 3 だけを 11 年分)。(b) 理科・社会を合わせて 50 分で通す | (b) は必ず 2 科目まとめて計る。片方ずつ 25 分で練習しても、本番の配分の練習にはならない |
小 5 の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は社会の用語を「意味を言えるか」まで確認する時間と、国語の漢字・語彙に充てます。週末 60 分は、理科の 4 分野(物理 → 化学 → 生物 → 地学 の順)と社会の 3 分野(歴史 → 地理 → 公民 の順)を一巡させ、算数は速さ → 規則性 → 平面図形 → 立体図形 → 割合と比 → 場合の数 の順で一巡させます。あわせて、理由や方法を 15〜30 字で書く練習をここから始めます。特殊算(出会い算・追いつき算など、教科書ではなく受験用教材で扱う単元)は、この学校では速さの大問の中身になるので、小 5 では基本の解き方までで十分です。ただし国語は 2016 年度以降の資料が無いので、上の割り付けのうち国語の部分だけは 2015 年度までの形にもとづく話です(→13 節)。理科・社会・算数についても、2024 年度以降の資料はありません。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 差がつくのは、小 5 のうちに全分野をひととおり学び終えているかどうかです。この学校は「どの大問にどの分野が出るか」が 11 年間動いておらず、計算も図形も、物理・化学・生物・地学も、毎年決まった大問で必ず出ます。出ないかもしれない分野が無いので、捨て分野を作れません。そのうえで小 6 では「短い日本語を書く」ことに時間を割きます。2017 年度以降、算数・理科・社会の 3 科目そろって記述が増えており、4 科目合計で 10 問前後が説明記述です。逆に、大問の数や並びを覚え直す作業はほとんど要りません。11 年間同じなので、一度覚えれば済みます。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は過去問演習が二重に効くか、だけです。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度や偏差値帯、通学圏は扱いません(校名のあとの男女・日程の注記は元の表からそのまま写しました)。近さは、科目ごとの大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の使い回しの距離と、単元分布の似方を合わせて出したものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
- サレジオ学院中学校(神奈川・男子校/2 月 1 日の同じ時間帯に重なる回あり): 理科の大問数と分野の配置、社会の記述の比重が近い一方、算数の作りは別で、翠陵の大問 1 のような計算の枠はありません。
- 高輪中学校(東京・男子校/2 月 1 日・2 日に重なる回あり): 理科が最も近く、4 分野を大問に割り振る形と短い説明記述が共通です。社会の字数指定の有無が違います。
- 桐朋中学校(東京・男子校): 理科・社会の分野配置が近く、算数の記述の書かせ方が違います。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。 なお国語はこの学校の資料が 2015 年度までしか無いため、どの校とも比較できていません。
13. 資料の限界
この分析で確認できていないことを、そのまま書いておきます。
- 入試回が特定できていません。 収録は 1 校×1 年×1 科目につき 1 冊のみです。2014 年度・2015 年度の国語、2019 年度の理科、2022 年度の社会については、冊子または綴じ込みの解答用紙に「第 1 回」の表記がありました。同じ収録方針が全年に及んでいるなら第 1 回相当と考えてよいのですが、全年について確かめたわけではありません。1 節のとおり入試回は 10 回あり、第 2 回以降や 1 科目の回、2 科目を 60 分で解く回の作りは、この資料からは何も分かりません。
- 2024・2025・2026 年度が 1 冊もありません。 本文の「◯年連続」はすべて 2023 年度までの話です。とくに 2017 年度に起きた記述の増加が直近まで続いているか、社会の大問 1 が大河ドラマから始まる作りが続いているかは、市販の過去問集で確かめてください。
- 2016 年度と 2021 年度もありません。そのため「2017 年度から変わった」と書いた箇所は、正確には「2015 年度までの 5 冊と 2017 年度以降の 6 冊を比べるとはっきり違う」という意味です。変化が 2016 年度に起きた可能性は残ります。
- 国語は 2012〜2015 年度の 4 年分だけです(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。4 科目の中でここだけ資料が薄くなっています。2013 年度の文学的文章と 2015 年度の 2 題は、転写された範囲に出典の表記が無かったので著者名・作品名を書いていません。
- 資料そのものの不具合に気づいた点(いずれも本文の分析からは外しました):
- 国語の小問の数え方が年でそろっていません。2012・2014 は「漢字の読み 5 問」を 1 つにまとめて数え、2013・2015 は 5 問に分けて数えています。そのため小問数が 21〜38 と大きく違って見えますが、実際の設問数は 4 年ともほぼ同じです。2015 年度の大問が 3 つなのも、漢字と語彙を 1 つの大問にまとめただけで、中身は他の 3 年と変わりません。
- 2015 年度の国語・大問 2 の本文末尾に、同じ会話文が 2 度重ねて転写されている箇所があります。
- 国語の出典一覧(kanto_kokugo_sources.csv)の 2014 年度の行は、著者名が空で、作品名の欄に本文の一節が入っています。原本を見ると 2014 年度の大問 4 は南野忠晴『正しいパンツのたたみ方』(岩波書店)、大問 3 は さなともこ『ポーラをさがして』(童話館出版)で、後者は一覧に行そのものがありません。本文ではすべて原本の表記に合わせました。
- 自動集計で作られた出題の要約には、実際と食い違う数字がいくつかありました。算数と社会の「字数指定のある冊 0%」は算数については正しいのですが、国語は精読した 4 年すべてに字数指定があります(一覧では 0% と出ています)。また算数の大問 2 は「数の性質」と要約されていますが、実際は 5 問の小問集合で、先頭の 1 問の単元が大問全体の名前になっています。理科の「同じ位置に同じ単元が来る度合い 0.07」も、単元を細かく見た数字であって、分野の単位で見れば 9 冊とも同じ並びです。本文はすべて原本を読み直して書きました。
- 転写の確度が一段低いと記録されている冊子があります(算数 2011・2013・2019、理科 2017・2019・2022、社会 2020)。大問の構成と題材の読み取りには支障がありませんでしたが、これらの年の数値の細部は原本で確かめてください。
- 解答が付いていない年が多く、答え合わせは市販の過去問集で行う必要があります。
- 試験時間・満点・設問別の配点は冊子に印刷されていません。本文で触れた「国語 50 分・算数 50 分・理科社会あわせて 50 分」は募集要項の側の数字で、2011〜2023 年度の各回に同じ配分だったかどうかは確認していません。
- 「毎年」「〜年連続」は原本で 3 年以上の反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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