横浜隼人中学校 の過去問分析
横浜隼人中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
横浜隼人中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・算数 12 年分/国語 4 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市瀬谷区 |
| 男女 | 共学(中学は 1985 年、高校は 1987 年に共学化) |
| 旧称 | 隼人高等学校(1977 年〜・男子校)、隼人中学校(1979 年〜・男子校) |
入試回(2026 年度募集要項)は 6 回あります。
| 回 | 日程 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第 1 回(一般 2 科) | 2 月 1 日 午前 | 2 科(国語・算数) | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 集合 8:20、開始 8:50、終了 11:00 |
| 公立中高一貫型(適性検査) | 2 月 1 日 午前 | 適性検査Ⅰ・適性検査Ⅱ | 適性検査Ⅰ 45 分・適性検査Ⅱ 45 分 | 適性検査Ⅰ 100・適性検査Ⅱ 100 | 集合 8:20、開始 8:50、終了 11:00 |
| 第 2 回(一般 2 科・特待生チャレンジ) | 2 月 2 日 午前 | 2 科(国語・算数) | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 特待生チャレンジ回。出願時に 2 科・4 科いずれかを選択。集合 8:30、開始 8:50、終了 11:00(2 科) |
| 第 2 回(一般 4 科・特待生チャレンジ) | 2 月 2 日 午前 | 4 科(国語・算数・理科・社会) | 国語 50 分・算数 50 分・理科 30 分・社会 30 分 | 国語 100・算数 100・理科 50・社会 50 | 特待生チャレンジ回。集合 8:30、開始 8:50、終了 12:30(4 科) |
| 創作文・ディスカッション型 | 2 月 2 日 午後 | 創作文+グループディスカッション | 創作文 45 分・グループディスカッション 40 分 | 創作文 50・グループディスカッション 50 | 絵を見て物語を創作する創作文と、テーマに沿ったグループディスカッションで創造力・表現力・コミュニケーション能力を総合判断。集合 14:00、開始 14:30、終了 16:20 |
| 第 3 回(一般 2 科) | 2 月 6 日 午前 | 2 科(国語・算数) | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 集合 8:30、開始 8:50、終了 11:00 |
理科・社会を使うのは第 2 回の 4 科だけで、ほかの一般回はすべて 2 科です。創作文・ディスカッション型は筆記の一般回とは別の試験です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行題(数行で終わる短い文章題)・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は、大問 1 が計算・大問 2 が一行題の小問集合という並びが、精読した 3 年(2023・2024・2025)で動きません。国語も大問 1 が漢字・大問 2 が語句・大問 5 が説明文・大問 6 が物語文という並びが、精読した 3 年(2017・2018・2020)で崩れていません。
- 一方、算数の大問 3 以降は毎年まるごと作り直されていて、単元も題材も 3 年で 1 つも重なっていません。
- それでも「最後に自分の考えを理由をつけて書かせる」という締め方だけは 3 年連続で動きません。算数の最後の 1 問でも、算数の答えではなく説明を求められます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(計算 → 逆算 → 分数の比)を、並び順どおりに毎日回します。
- 算数の大問 2 の一行題を、食塩水の混合・速さの単位換算・平面図形の面積(いずれも 3 年連続)を軸に単元ごとに回します。
- 算数でも国語でも、最後の「あなたならどうするか」を白紙にせず必ず書いて出す練習をします。
今週やる 1 つ
- 2025 年度 算数の最後(値段を変えずに量を減らす/量を変えずに値上げする、どちらを支持するか)を、立場を最初の一文で決め、理由を 1〜2 個、具体例を 1 個、の順で書いてみます。
注意
- 理科・社会は資料が 1 冊も無く、国語は 2021 年度以降の資料がありません。入試回も特定できていません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 9 年(2010・2011・2012・2016〜2020・2022) | 12 年(2010・2011・2012・2016〜2020・2022〜2025。2013〜2015・2021 は資料が無い) | 高。ただし 2013〜2015・2021 が抜けているため「何年連続」の主張は精読した年の中でしか成り立たない |
| 国語 | 3 年(2017・2018・2020) | 1 年(2016) | 4 年(2016・2017・2018・2020)。2021 年度以降が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2019 も無い | 中。ここに書いたのは 2016〜2020 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい |
| 理科 | なし | なし | なし(全年) | 原資料未確認。この資料からは何も言えない |
| 社会 | なし | なし | なし(全年) | 原資料未確認。この資料からは何も言えない |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回が特定できません。1 節のとおり入試は 6 回あり、そのうち筆記の一般回だけでも 3 回ありますが、読んだ冊子には回の表記がありません。以下は「回を特定しないまま読める範囲」の話として受け取ってください(→ 13 節)。
- 理科・社会は資料が 1 冊もありません。4 科受験(第 2 回)を考えている場合、理社の傾向はこのページでは分かりません。
- 試験時間・配点は 1 節の表にまとめました。
5. 一番大きな結論
前半は座席(問題の置き場所)が固定、後半は毎年作り直しです。ただし「最後に自分の考えを書かせる」という締め方だけは動きません。 これが精読した 3 年(算数 2023・2024・2025/国語 2017・2018・2020)から見える、この学校のいちばん大きな特徴です。
算数は、大問 1 が計算、大問 2 が一行題の小問集合という並びが 3 年連続で動きません。しかも大問 1 の導入文は「次の計算をしなさい。ただし、(◯)〜(◯) は □ に当てはまる数を答えなさい」で 3 年とも同じで、最後の数問が逆算になる作りまで同じです。大問 1 の末尾には「比 ◯:◯ を最も簡単な整数の比で表すと、□ : □」がそのままの文で 3 年連続入っています(2023 は 2/7 と 7/12、2024 は 1/24 と 1/15、2025 は 2/13 と 7/52 — 分数の比という設定まで同じで、数値だけが違います)。大問 2 にも、食塩水を混ぜる問題(2023・2024・2025 の 3 年連続)、速さの単位換算(同 3 年連続。2024「時速 4km で歩いている人は 45 分間に何 km 進むか」と 2025「時速 3km で歩いている人は 40 分間に何 km 進むか」は同文で数値だけ違います)が座っています。
一方、大問 3 以降は毎年まるごと作り直されています。2023 は速さとグラフ+席の配置を考える長い問題、2024 は図形の移動+会話文+睡眠時間の資料、2025 は度数分布表とヒストグラム+サイコロ+物価。単元も題材も 3 年で重なっていません。ここは「出る問題を覚える」では備えられません。
その代わりに固定されているのが締め方です。精読した 3 年すべてで、最後の大問の最後の設問が「あなたならどうするか/どちらを支持するか、理由をつけて説明しなさい」という自分の考えを書かせる問題になっています(2023 は席の配置を図と文で、2024 は睡眠時間のデータをもとに母親に意見を言うなら、2025 は値上げか内容量減かどちらを支持するか)。算数の試験なのに、最後の 1 問は算数の答えではなく説明を求められます。
国語も同じ構えです。大問 1 が漢字、大問 2 が語句・文法の 5 問、大問 5 が説明文、大問 6 が物語文——この並びが精読した 3 年で崩れていません。そして大問 5・大問 6 の最終設問がやはり「あなたならどうするか」「あなたの体験を書きなさい」になります(2017 大問 6 問九・2018 大問 5 問九と大問 6 問八・2020 大問 6 問七)。
したがって過去問の使い方は、「大問 1・2 は出る問題を覚える/大問 3 以降は初めて見る文章と資料に対応する練習をする」の二本立てになります。同じ座席を縦に並べて解くのが効くのは算数の大問 1・2 と国語の大問 1・2 まで。それより後ろは、年度を通しで時間を計って解き、最後の記述に必ず手を付けて終わる、という練習のほうが噛み合います。
6. この学校らしさが出る場所
- 算数の後半が「会話文」でできています。 2024 大問 4 は「ある日の算数の授業での先生と村上さんのやり取り」、2025 大問 3 は「先生と鈴木さんとのやり取り」、2025 大問 5 は姉妹の会話、2024 大問 5 は「横浜さんと隼人さん」という生徒二人の会話。精読した 3 年すべてで、算数の後半に長い会話文か長い設定文が入ります。算数の力に加えて、文章を読んで状況をつかむ力が要る作りになっています。
- 登場人物に学校の名前が使われます。2023 大問 2(3)「隼人くんは国語、算数、理科、社会のテストを受けた」、2023 大問 2(5)「隼人くんは 600 円持っている」、2024 大問 5「横浜さんと隼人さん」。国語でも 2020 大問 4 は「隼人君が春休みに……山梨県新倉山浅間公園にある忠霊塔を訪れ、そこから見える風景を写生した」絵が題材です。
- 「自分の言葉で説明させる」が科目をまたいで繰り返されます。 算数では席の配置(2023)・母親への意見(2024)・値上げの是非(2025)、国語では図形を言葉で説明(2018)・絵を電話の相手に説明(2020)・友達二人の相談への対応(2017)・建造物の思い出(2020)。答えが一つに決まらない問題を毎年必ず入れているように見えます。
- 身近な社会の話題を算数に持ち込みます。2024 大問 5 は睡眠時間のデータと「早く寝なさい」という母親のことば、2025 大問 5 は物価上昇と値上げ・内容量削減。数値の処理より、データをどう使って人を説得するかを問う作りになっています。
- 国語の説明文が「ものづくり」「自然と人間」に寄っています。精読した 3 年の説明文は、利根川の治水と築城技術(2017)、生物が体をつくるための材料とエネルギー(2018)、日本のインテリア設計と木の文化(2020)。工学・技術・自然という並びが続いています。
- 国語の物語文は「同年代の子どもの関係」です。姉妹と「私」(2017)、入院した父親と工作の宿題(2018)、鉄塔の上の子どもをめぐる同級生三人(2020)。心情を説明する設問より、関係が変わる場面を言い当てる設問が多くなっています。
- 算数にも国語にも「図と言葉を往復させる」設問があります。国語 2017 の白地図への作図、国語 2018 の図形の言語化、国語 2020 の絵の言語化、算数 2024 大問 4(2)「図を使って記述しなさい」、算数 2023 大問 4(6)「図をかき、理由を文章で説明しなさい」。図から言葉へ、言葉から図へ、の両方向が出ます。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は計算の正確さ・語彙・短い説明の 3 本を先に固めるのがよいでしょう。学年別の道筋は 11 節にまとめました。なお理科・社会はこのページに資料が無いため、下の項目はすべて算数と国語の話です。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算を 8〜15 問 — 精読した 3 年の大問 1 は、整数の加減(2023「5841−4752」、2024「123−45+6789」、2025「6907−5792+1570」)から始まり、小数の加減、帯分数の加減、分数の乗除、くふうのいる計算(2024「23×456+544×23」、2025「0.375+0.625+0.125+0.875+0.025」)、かっこの多い四則混合、と並びます。この並び自体が 3 年間ほぼ同じなので、順番どおりに解く練習ができます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・逆算と、分数の比を簡単にする問題 — 3 年とも大問 1 の最後の 1〜5 問が「□ に当てはまる数」です。2023 は 3 問(□÷7=6/24−(6+□÷5)=15/5/3−□=1/2)、2024 は 1 問(ある数に 3 をたして 5 で割ると 2)、2025 は 2 問(□−23=13/1/□+3/□+5/□)。分数の比を整数比に直す問題も、3 年連続で大問 1 の同じ位置に同じ文で出ています。通分 → 分子の比 → 約分の手順を、答えを見ないで 10 秒で出せるところまで。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 2 の一行題を単元ごとに — 精読した 3 年に共通して入っていたのは、食塩水の混合(3 年連続)、速さの単位換算(3 年連続)、平面図形の面積(3 年連続。2023 は色つき部分、2024 は円に 1cm 間隔で線を引いた図、2025 は台形の中のかげの部分)です。ほかに公倍数・公約数、平均算(平均から合計や個数を逆に求める計算・受験用教材の単元)、割合(2023「600 円の 60% で弁当、残りの半分でお茶」)、売買損益(定価と割引から損得を出す計算・受験用教材の単元。2025「3 割の利益を見込んで定価、定価の 3 割引き」)、場合の数(2025「0〜4 のカード 2 枚で 2 けた」)、角度、立体の体積。この 10 前後の単元を一行題で回すのが、同じ時間で最も点になりやすいところです。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・最後の意見記述を「必ず書いて出す」練習 — 3 年連続で最後の大問の最後が自分の考えを書く問題です。2023 は「あなたならどのように席を配置するか。図をかき、理由を文章で説明しなさい」、2024 は「あなたが横浜さんの立場でお母さんに自分の意見を言おうとしたらどうしますか。理由もつけて」、2025 は「値段を変えずに量を減らす/量を変えずに値上げする、どちらを支持するか。具体例をあげ、理由をつけて」。立場を最初の一文で決め、理由を 1〜2 個、具体例を 1 個、という順で書く練習をしておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 算数・グラフや表を読んで「何が起きているか」を説明する練習 — 2023 大問 3 は速さのグラフの折れ点について「これはどういうことなのか説明しなさい」「点 B はどういった状態なのか」、2024 大問 3 は図形の移動のグラフの点 A について「どのような状態であるか説明しなさい」。グラフの折れ目・平らな部分が現実の何に当たるかを日本語で言う設問が 2 年続けて出ています。(確認: 〜2024 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 9〜10 問と、大問 2 の語句 5 問 — 精読した 3 年とも大問 1 は 9〜10 問で、読みと書きが混ざります(2020 は書き 8・読み 2)。難語ではなく、「尊厳」「音色」「丁寧」「発足」(2020)、「形相」「健やか」「率先」「省みる」(2017)のような、訓読み・特別な読みを含む標準語彙です。大問 2 は 3 年連続で 5 問ですが、中身は毎年違います(2017 は主語を選ぶ文法問題、2018 は体の一部を使う慣用句、2020 は「非・不・未・無」の使い分け)。慣用句・ことわざ・熟語の組み立て・打ち消しの接頭語・文法(主語述語)を一通り触れておきます。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無く、ここは 2016〜2020 年度に限った話です(→ 13 節)。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 国語・25 字前後の内容説明と、抜き出しの字数指定 — 「文中の言葉を使って二十五字以内で答えなさい」が 2020 だけで 3 問、2018 にも 1 問あります。指示語の内容(「それ」「そこ」が指すもの)を本文の語で言い換える練習を、字数を数えながら。抜き出しにも「三十字以内でぬき出して最初と最後の五字」(2017)、「十一字でぬき出して」(2017)、「十五字以内」(2018)、「最初と最後の七字」「十字で」「六字で」(2020)と指定が付き、指定字数がヒントになるので、まず字数から探すやり方を身につけます。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無く、ここは 2016〜2020 年度に限った話です(→ 13 節)。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 国語・「あなたなら」の記述と、図や絵を言葉だけで説明する練習 — 「あなたなら」は精読した 3 年すべてに 1〜2 問あります(2017「A さん B さんの二人から別々に相談を受けたら、あなたはどうしますか。理由を明確にして」、2018「もしあなたが植物なら、生きのびるためにどのような方策を考えますか」「印象に残っている作品を一つ答えなさい。また理由をくわしく」、2020「あなたの周りにある建造物を一つあげ、それにまつわる思い出を一つ。四十字以上で解答用紙に収まるように」)。本文が読めていなくても書ける問題なので、時間切れで落とすのがいちばんもったいないところです。あわせて 2018 大問 3「次の図形を、相手に伝わるように文章で説明しなさい」、2020 大問 4「あなたがこの絵を見ることができない電話の向こうの相手に、この風景を伝えるとしたらどのように説明しますか」のような設問があり、位置関係を上から順・左から順に言葉にする力が問われています。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無く、ここは 2016〜2020 年度に限った話です(→ 13 節)。(確認: 〜2020 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 精読した 3 年で大問 4〜5・小問 20〜35。大問 1(計算)→ 大問 2(一行題)の並びは 3 年不変。ただし小問総数は 35(2023)→ 22(2024)→ 20(2025)と減っている。短答が 8 割、記述・作図・図と文の混合が残り 2 割 | 大問 1・2 は同じ作りの問題が毎年並ぶ。大問 3 以降は単元も題材も毎年入れ替わる。会話文・資料・長い設定文が後半の柱 | 大問 1 の計算+逆算+比の 3 点セットを完答できる速さと、最後の意見記述を白紙にしない書き方 |
| 国語 | 精読した 3 年で 6 大問・小問 32〜39。大問 1 漢字 → 大問 2 語句 5 問 → 大問 3・4 短い課題 → 大問 5 説明文 → 大問 6 物語文の並びが不変。短答 59〜66%/記号選択 16〜28%/記述 10〜21% | 漢字と語句で 14〜15 問(全体の 4 割前後)を占める。読解は抜き出しと 25 字前後の内容説明が軸 | 漢字 10 問と語句 5 問を落とさないこと。次に 25 字・40 字の内容説明を決まった手順で書き切る練習 |
| 理科 | 資料なし | 資料なし | このページからは何も言えない。市販の過去問集で確認してほしい |
| 社会 | 資料なし | 資料なし | 同上 |
8-1. 算数(2023・2024・2025 の 3 年を原本で精読)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4/35 | 計算 15 問((11)〜(15) は □ に入る数) | 一行題 10 問(分数の間の整数・公倍数公約数・平均算・割合・速さ・食塩水・角度・面積・立体の体積) | 速さとグラフ(お母さんがお弁当を自転車で追いかける。折れ点の意味を説明 2 問) | 席の配置(動画の上映会。ロープを使った円形配置。作図 2・図と文の説明 1) | — |
| 2024 | 5/22 | 計算 10 問((8)〜(10) は □ に入る数) | 一行題 5 問(数列・速さ・食塩水・円の中のかげの面積・5 人の順位の推理) | 図形の移動(長方形が正方形の上を秒速 1cm で動く。グラフの点の説明・作図・面積 8cm² になる時刻) | 会話文(先生と村上さんのやり取り。空欄を埋め、村上さんの説明を図つきで書く) | 睡眠時間の資料(横浜さんと隼人さんの会話。母親に意見を言うなら、を記述) |
| 2025 | 5/20 | 計算 8 問((6)〜(8) は □ に入る数) | 一行題 5 問(場合の数・速さ・食塩水・売買損益・台形の中の面積) | 度数分布表とヒストグラム(先生と鈴木さんの会話。表とグラフを作図、割合、二クラスの比較を記述) | 立体(1 辺 3cm のサイコロ。体積・展開図の目・最短の糸) | 物価(姉妹の会話。値上げか内容量減か、立場と理由を記述) |
座席の固定(何年連続かを数字で)
- 大問 1=計算: 3 年連続(2023・2024・2025)。導入文も 3 年とも「次の計算をしなさい。ただし、(◯)〜(◯) は □ に当てはまる数を答えなさい」。
- 大問 2=一行題の小問集合: 3 年連続。ただし中身の単元は毎年 3〜5 個入れ替わります。
- 大問 3 以降=長い設定文・会話文つきの大問: 3 年連続。単元は 3 年で 1 つも重なっていません。
- 最後の大問の最後の設問=自分の考えを理由つきで書く: 3 年連続。
- ここで言っているのは同じ問題が出るということではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。実際、大問 1・2 の中には数値だけ違う同じ作りの問題があり(下記)、大問 3 以降には同じ問題が一つもありません。
数値だけ変えた同じ問題(両年の原本で確認したものだけ)
| 設問 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|
| 分数の比を最も簡単な整数の比に | 大問 1(11) 2/7 : 7/12 | 大問 1(8) 1/24 : 1/15 | 大問 1(8) 2/13 : 7/52 |
| 食塩水の混合 | 大問 2(7) 4% 50g + 8% 350g | 大問 2(3) 6% 150g + 10% 50g | 大問 2(3) 8% 120g + 18% 180g |
| 速さの単位換算 | 大問 2(6) 100 分で 90km 走る車は時速何 km | 大問 2(2) 時速 4km で 45 分間に何 km | 大問 2(2) 時速 3km で 40 分間に何 km |
- このうち 2024 大問 2(2) と 2025 大問 2(2) は文がほぼ同一(「時速 ◯km で歩いている人は、◯分間に何 km 進むか求めなさい」)で、数値だけが違います。比の問題も 3 年とも同じ文です。
- 一方、大問 3 以降には両年で突き合わせられる同じ設問は見つかりませんでした。
問い方のくせ
- 短答が 8 割(2023 86%/2024 82%/2025 80%)。記号選択はほとんどありません(2025 に 1 問だけ)。答えだけを書かせる作りが基本です。
- 残りの 2 割が、記述(2〜3 問)・作図(1〜2 問)・図と文を両方書かせる混合(0〜1 問)。この 2 割が合否を分ける可能性が高い場所です。
- 記述の聞き方は 2 種類しかありません。(a) グラフ・表の一点を指して「これはどういう状態か説明しなさい」(2023 大問 3(1)(2)、2024 大問 3(1))、(b)「あなたならどうするか/どちらを支持するか、理由をつけて」(2023 大問 4(6)、2024 大問 5、2025 大問 5、2025 大問 3(3) は二クラスの比較)。
- 会話文の空欄に言葉を入れさせる設問があります(2023 大問 4(1)「当てはまる適切な言葉を漢字で答えなさい」、2024 大問 4(1))。算数の解答なのに語句を書かせます。
8-2. 国語(2017・2018・2020 の 3 年を原本で精読)
国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2016〜2020 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。2019 年度も資料がありません。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5(説明文) | 大問 6(物語文) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 6/39 | 漢字 9 問(読み 3・書き 6) | 主語を選ぶ 5 問(「主語がない場合は ×」) | 熟語のパズル 6 問(□に漢字を入れ、矢印の向きに読むと二字熟語が四つ) | 文章を月の早い順に並べ替え 1 問 | 利根川の治水と築城技術(8 問。白地図への作図、20〜30 字の理由記述、四字熟語、擬人法の抜き出し) | 温泉地で姉妹と「私」(10 問。30 字以内の抜き出し、心情の空欄補充、記号選択 3 問、相談を受けたらどうするかの記述) |
| 2018 | 6/34 | 漢字 10 問(読み 1・書き 9) | 体の一部を使う慣用句 5 問 | 図形を言葉で説明 1 問 | 文章を 40 字以内でまとめる 1 問(樋口清之『梅干しと日本刀』) | 生物が体をつくる材料とエネルギー(9 問。30 字以内・15 字以内の抜き出し、25 字以内の指示語説明、「もしあなたが植物なら」の記述) | 入院した父親と工作の宿題(8 問。理由記述 2、記号選択 3、ぬけている一文の直前 5 字、印象に残っている作品の記述) |
| 2020 | 6/32 | 漢字 10 問(読み 1・書き 9) | 「非・不・未・無」を選ぶ 5 問 | 文章をまとめて 45 字以内で空欄を埋める 1 問(梅原猛『学ぶよろこび―創造と発見―』) | 絵の風景を電話の相手に説明 1 問 | 日本のインテリア設計と木の文化(8 問。最初と最後の 7 字の抜き出し、25 字以内の説明 2、ぬけている一文の位置) | 鉄塔の上の子どもと同級生三人(7 問。「A 往 B 往」の漢字、25 字以内の様子の説明、6 字の抜き出し、建造物の思い出の記述) |
座席の固定(何年連続かを数字で)
- 大問 1=漢字の読み書き 9〜10 問: 3 年連続(2017・2018・2020)。読みと書きが混ざり、書きのほうが多くなっています。
- 大問 2=語句・文法の 5 問: 3 年連続で必ず 5 問。中身は毎年入れ替わります。
- 大問 3・大問 4=短い単発の課題 1 問ずつ: 3 年連続でこの枠があります。2018・2020 は「まとめる/説明する」記述、2017 は知識問題(熟語パズル・並べ替え)。
- 大問 5=説明文、大問 6=物語文: 3 年連続でこの順。説明文が先、物語文が後です。
- 大問 5 か大問 6 の最終設問=自分の考え・体験を書く: 3 年連続(2017 大問 6 問九、2018 は大問 5 問九と大問 6 問八の 2 問、2020 大問 6 問七)。
- ここでも同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます。精読した 3 年で、同じ設問・同じ文章は一つもありませんでした。
出典(原本の本文末尾の表記で確認できたものだけ)
| 年度 | 大問 | 表記 |
|---|---|---|
| 2016 | 5 | ユーベル・リーヴス『地球の授業』 |
| 2016 | 6 | 重松清『日曜日の夕刊』 |
| 2017 | 5 | 『お化けと森の宗教学』より一部改(著者名が「正晃」とだけ印字されており、姓が読み取れない) |
| 2018 | 4 | 樋口清之『梅干しと日本刀』 |
| 2018 | 5 | 古谷雅樹『植物は何を見ているか』 |
| 2018 | 6 | 重松 清『タカシ丸』 |
| 2020 | 3 | 梅原猛『学ぶよろこび―創造と発見―』 |
| 2020 | 5 | 小原一郎『木の文化をさぐる』 |
| 2020 | 6 | 賽助『君と夏が、鉄塔の上』 |
- 2017 大問 6 には出典の表記が本文末尾に見当たらなかったので載せていません。
- 重松清が 2016 と 2018 の 2 回(『日曜日の夕刊』『タカシ丸』)。物語文は同年代の子どもと家族を描いたものが続いています。
問い方のくせ
- 短答が最多(2017 59%/2018 59%/2020 66%)。漢字・語句・抜き出しがここに集まります。
- 記号選択 16〜28%。「適切なものを一つ選び」が基本ですが、「二つ選び」(2017 大問 5 問八)、「同じ記号を何度使ってもよい」(2018 大問 5 問四)、「当てはまらないものを一つ」(2020 大問 5 問六)といった変化球が混じります。
- 記述 10〜21%。中身は 3 種類に分かれます。(a) 指示語・傍線部の内容説明を 25 字以内で(2018・2020 に計 4 問)、(b) 理由説明(2017 大問 5 問二・問三、2018 大問 6 問一・問五)、(c) 自分の考え・体験(3 年すべて)。
- ぬけている一文を戻す設問が 2 年(2018 大問 6 問七「ぬけている一文の直前の五字」、2020 大問 5 問七「【ア】〜【エ】のどこに入るか」)。
- 「文中の言葉を使って」という条件が記述に付きます(2018 大問 5 問七、2020 大問 5 問三・問四、2020 大問 6 問二)。自分の言葉で言い換えるのではなく、本文の語をつないで字数に収める書き方が求められます。
8-3. 理科・社会
資料が 1 冊も無く、原資料未確認です。 この学校は 2026 年度の 2 月 2 日午前の入試(第 2 回)で 4 科(理科・社会は各 30 分 50 点)を選べますが、その傾向はこのページからは何も言えません。市販の過去問集で確認してください。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
原本を精読したのは算数 3 年・国語 3 年なので、周期の話は弱くしか言えません。それでも「精読した 3 年の中で 1 回しか出ていない/出ていない」ものを挙げておきます。最終確認年度は、それが大問として出たことを確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元・作り | 精読した年での出方 | 最終確認年度 | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 水そうと水量のグラフ | 2023・2024・2025 の大問には無い | —(大問としては未確認) | この学校の資料には 2010・2011・2019・2020 に水量の大問が並んだ形跡がありますが、精読していないので断定しません。グラフを読んで状況を説明する作りは 2023・2024 の大問 3 と共通なので、水量で来ても対応は同じです |
| 算数 | 速さとグラフ(旅人算・追いかけ。二人の進み方の違いから出会いを求める計算・受験用教材の単元) | 2023 大問 3 のみ | 2023 | 2024・2025 は 2 年連続で出ていません。単元としては大問 2 の一行題に毎年残っています |
| 算数 | 立体図形の大問 | 2025 大問 4(サイコロの体積・展開図・最短の糸)のみ | 2025 | 2023・2024 の大問には無し。大問 2 の一行題には 2023 に体積が 1 問 |
| 算数 | 規則性・数列の大問 | 2024 大問 2(1) の一行題のみ | —(大問としては未確認) | 大問としては精読した 3 年に無し |
| 算数 | 場合の数・推理 | 2023 大問 4(席の配置)・2024 大問 2(5)(5 人の 50m 走の順位)・2025 大問 2(1) | 2023(大問として) | 大問になる年とならない年があります |
| 算数 | 円とおうぎ形の複合求積、仕事算・ニュートン算(いずれも受験用教材の単元) | 精読した 3 年の大問には無い | —(大問としては未確認) | 上の水量・規則性と合わせて、いずれも大問 2 の一行題には顔を出す単元なので、一行題での練習は続けておきます |
| 国語 | 熟語のパズル(□に漢字を入れて四つの二字熟語) | 2017 大問 3 に 6 問。2018・2020 には無い | 2017 | この作りは 2016 にもあった形跡があります。大問 2〜4 の知識問題の枠に入り得るので、熟語の組み立ては触れておきます |
| 国語 | 敬語・並べ替え | 2017 大問 4 に文章の並べ替え。2018・2020 には無い | 2017 | 大問 2〜4 は「語句・文法の 5 問+短い課題 2 問」という枠だけが決まっていて、中身は毎年入れ替わっています |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | 精読した 3 年に無し | —(大問としては未確認) | 語彙・季語を問う小問は 2016・2020 に見える形跡がありますが、大問としては出ていません |
大問 2〜4 の知識・短文課題の枠は、精読した 3 年で中身が毎年入れ替わっています(主語述語・慣用句・打ち消しの接頭語・熟語パズル・並べ替え・要約・図の言語化)。この枠は「何が来るか分からないが、必ず 7 問ある」と思って、語句と文法の一通りを浅く広く押さえるのがよいでしょう。
10. 形式面の注意
算数
- 算数の記述は「説明」であって「途中式」ではありません。 精読した 3 年で、途中式を書かせる欄はありません。代わりに、グラフの点の意味を説明する(2023・2024)、二つのクラスの分布の特徴を比べる(2025)、自分の意見を理由つきで書く(3 年連続)といった、日本語で書く設問が毎年 2〜3 問あります。
- 算数の記述に字数指定はありません(精読した 3 年で確認)。解答欄の大きさが分量の指示になっています。
- 算数の作図は毎年 1〜2 問。 2023 はロープ上の位置を図にかき入れる 2 問、2024 は「【図 2】の点 B における長方形の位置を解答用紙にかきなさい」1 問、2025 は「度数分布表とヒストグラムを解答用紙に書きなさい」1 問。2024・2025 とも「定規は使用しなくてよい」と但し書きがあるので、フリーハンドで真っ直ぐな線・等間隔の棒を引く練習は少ししておくとよいでしょう。
- 円周率は、精読した 2023〜2025 の 3 年には指定文が出てきませんでした(円を使う設問が大問 2 の一行題に限られていたためです)。それより前の年には「円周率は 3.14 とする」の但し書きがある年(2010・2018・2019)と、公式を与えたうえで「円周率は 3 とし」とする年(2017)の両方が見えます。円を扱う大問が出た年は但し書きを必ず確認してください。
- 計算用紙が別に用意されている年があります(2025 の冊子に計算用紙が同梱)。
- 小問数の幅が大きく(20〜35)、同じ 50 分でも 2023 年度は 1 問あたり 1 分半、2025 年度は 2 分半の配分になります。過去問を解くときは、その年の問題数を最初に数えてから始めるとよいでしょう。
国語
- 国語の記述には字数指定が付きます。 「二十字以上三十字以内」(2017)、「四十字以内でまとめなさい」(2018)、「二十五字以内」(2018・2020)、「四十五字以内」(2020)、「四十字以上で解答用紙に収まるように」(2020)。抜き出しにも「三十字以内」「十一字」「十字」「六字」「最初と最後の五字(七字)」と細かい指定が付きます。字数を数える習慣は必須です。
- 国語に作図がある年があります。2017 大問 5 問一は、利根川の流路の付け替えを「解答用紙の白地図に書きなさい」。国語の試験で地図に線を引かせる設問は珍しいので、頭に入れておきます。
- 国語の文字種指定が小問ごとに付きます。「漢字で答えなさい」(2017 の四字熟語)、「ひらがな二字で」(2018)、「漢字一字で」(2018・2020)。
- 国語の選択肢は「二つ選び」があります(2017 大問 5 問八「筆者の説明として正しいものを二つ選び」、2018 大問 5 問四「同じ記号を何度使ってもよい」)。一つ選ぶつもりで読み飛ばすと落とします。
- 漢字は送り仮名つきで出ます(「健やかに」「省みる」「著しい」「愛しい」)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始める場合)
小 4(土台)
- 計算の正確さ。 この学校の算数は、精読した 3 年とも大問 1 が整数の加減から始まり、小数・分数へ進みます。まずは 4 けたの引き算・小数の加減・分数の加減が、筆算で確実に合うところまで。時間計測はまだしません。
- 語彙と漢字。国語は大問 1 の漢字 9〜10 問+大問 2 の語句 5 問で、精読した 3 年とも全体の 4 割前後を占めます。学年配当の漢字を、読みも書きも、送り仮名つきで。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無く、これは 2016〜2020 年度に限った話です(→ 13 節)。
- 短い説明を書く。「どうしてそう思うの」に 2 文で答える習慣。この学校は算数でも国語でも自分の考えを書かせるので、ここが最終的にいちばん効きます。
- 図をかく・図を読む。図形の作図(フリーハンドでよい)と、棒グラフ・折れ線グラフを読むこと。
小 5(幅)
1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分は逆算と比、そして一行題の単元回しに、週末の 60 分はグラフを日本語で説明する練習と、字数を数える記述に充てます。順番は次のとおりです。
- 一行題の単元を一巡させます。 7 節の 3 番に挙げた単元(食塩水の混合・速さの単位換算・平面図形の面積・公倍数公約数・平均算・割合・売買損益・場合の数・角度・立体の体積)が、この学校の大問 2 にそのまま並びます。小 5 のうちにこの一覧を一周する(全分野をひととおり学び終える)のが、この学校では特に効率がよいところです。
- 逆算と比。大問 1 の後半に 3 年連続で座っています。分数の比を整数比に直す手順は、小 5 の比の学習と同時に仕上げます。
- グラフを日本語で説明する。折れ線グラフの折れ目・平らな部分が「何をしている時間か」を言う練習。算数の 2023 大問 3・2024 大問 3 がこれをそのまま聞いています。
- 記述の書き方を一つに決めない代わりに、字数は必ず数えます。国語の 25 字・40 字・45 字の指定に慣れておきます。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無く、これは 2016〜2020 年度に限った話です(→ 13 節)。
小 6(仕上げ)
- 7 節の 8 項目を、前半(大問 1・2 の座席が固定された部分)と後半(毎年作り直される部分)に分けて進めます。前半は同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解きます。後半は年度通しで時間を計り、最後の意見記述まで必ず到達する配分を作ります。
- 算数は小問が 20〜35 問と年によって幅があります。2023 年度(35 問)と 2025 年度(20 問)を両方解いて、どちらのペースでも回せるようにしておきます。
- 国語は 6 大問・小問 32〜39。大問 1〜4(漢字・語句・短い課題)を 10 分以内で抜けることを目標にすると、大問 5・6 の読解と記述に時間が残ります。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは 「自分の考えを、理由をつけて、決められた分量で書く」練習の総量です。この学校は算数の最後の 1 問でも国語の最後の 1 問でも、答えが一つに決まらない問題を出してきます(精読した 3 年すべてで確認)。この種の設問は、直前期に解き方を覚えて間に合うものではなく、小 4 から「なぜそう思うのか」を口と手で言い続けた量がそのまま出ます。逆に、大問 1・2 の座席が固定された部分は小 6 からでも十分に間に合います。小 4・小 5 は計算と語彙の土台+説明する習慣に時間をかけ、小 6 で一行題の単元一巡と時間配分に切り替える、という順序が噛み合います。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
この学校は、自動集計による候補の計算ができませんでした。 2 科目以上の過去問資料がそろっている学校どうしでしか近さを計算できず、この学校は理科・社会の資料が 1 冊も無く、国語も 2016〜2020 の 4 年しかないためです。したがって具体的な校名は挙げません。
代わりに、勉強の転用という観点で「この学校と一緒に練習すると二重に効く」相手の条件を、原本から読み取れた特徴で書いておきます。学校の入りやすさ・通学圏・入試日程の重なりは扱いません。
- 算数の最後に「自分の考えを理由つきで書く」問題を置く学校。この学校で 3 年連続の作りなので、同じ形式を出す学校の過去問はそのまま練習になります。公立中高一貫校向けの適性検査を課す入試(この学校にも 2 月 1 日午前に用意されています)を併願先に持つ場合、その対策がこの学校の算数の後半にほぼそのまま効きます。
- 算数の前半が「計算 8〜15 問+一行題 5〜10 問」で構成されている学校。大問 1・2 の練習は共通化できます。
- 国語が「漢字 10 問+語句 5 問+説明文+物語文」の並びの学校。この学校は精読した 3 年でこの並びが不変で、知識問題の比重が高くなっています。同じ比重の学校となら、漢字・語句の教材を共用できます。
- 記述に字数指定が付く学校。この学校の国語は 25 字・40 字・45 字と細かく指定してきます。字数指定のない学校とだけ併願すると、この練習が抜けます。
- 逆に、転用しにくい相手もはっきりしています。算数が大問ごとに (1)(2)(3) と積み上がる誘導形式で、途中式を書かせる学校です。この学校の算数は途中式を書かせず、代わりに日本語の説明を求めるので、書く中身が違います。
この学校の一般入試は 2 科(国語・算数)が基本です。併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。 1 節のとおり入試は 6 回ありますが、読んだ冊子の本文には回の表記がありませんでした。唯一の手がかりは 2010・2011 年度の表紙にある「算数《A》」という表記で、この 2 年が A の冊子であることは分かります。2016 年度以降の冊子には回の表記が見当たりません。したがって本文の「3 年連続」は、同じ回の 3 年分である保証がありません。年によって別の回の冊子が並んでいる可能性は排除できません。
- 理科・社会の資料が 1 冊もありません。4 科(第 2 回)での受験を考えている場合、このページでは半分しか分かりません。
- 国語は 2021 年度以降が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2019 年度も無し。直近 5 年の国語の形式が変わっていないかは、市販の過去問集で確認してください。
- 算数も 2013〜2015 年度・2021 年度が抜けています。本文で「3 年連続」と書いたのは 2023・2024・2025 の 3 年を原本で精読した結果で、それ以前に同じ作りだったかは確認していません。
- 小問数が近年減っています。算数は 35(2023)→ 22(2024)→ 20(2025)。精読した 3 年の範囲でこう見えるというだけで、2026 年度以降どうなるかは分かりません。同じ 50 分・100 点でも、年によって 1 問の重みが違う可能性があります。
- 転写の読み落としの可能性。このページは過去問の転写データから起こしています。図そのものは文章での記述に置き換わっているため、図の細部(角度・寸法・目盛り)に依存する判断はしていません。2023 年度と 2025 年度の算数は転写の確度が低めと記録されており、小問の区切りが実際と 1 問ずれている可能性があります。
- 自動集計と原本が食い違った箇所があります。自動集計では「国語に字数指定のある冊子は 0%」となっていましたが、原本には 2017・2018・2020 のいずれにも字数指定が複数ありました(前掲 10 節)。同様に、自動集計の位置ごとの単元一覧は算数の大問 2 を「数の性質」(2016〜2023)「規則性」(2024)「場合の数」(2025)と年ごとに違うものとして記録していますが、原本では大問 2 はいずれの年も一行題の小問集合で、たまたま最初の 1 問の単元が拾われているだけでした。本文はすべて原本の記載を優先しています。
- 併願候補の自動集計ができません。2 科目以上の資料がある学校どうしでしか近さを計算できないため、この学校は候補校を出せませんでした(12 節)。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- 募集要項の内容と原本の記載が食い違った箇所はありませんでした。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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