茨城大学教育学部附属中学校 の過去問分析
茨城大学教育学部附属中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
茨城大学教育学部附属中学校 過去問分析(2013〜2017 年度・第 1 学年入学者選考・4 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県水戸市文京 1-3-32 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 附属水城中学校(1947 年〜1958 年)、附属愛宕中学校(1947 年〜1958 年) |
| 入試回・科目・日程 | 第 1 学年入学者選考のみ・年 1 回(2026 年 1 月 7 日午前)。4 教科(国語・社会・算数・理科)の学力試験+個人面接+諸観察+入学志願者報告書による総合選考 |
| 試験時間・配点 | 国語 40 分・算数 40 分・社会と理科は合わせて 50 分。配点は不明 |
| 募集人員 | 144 人(茨城大学教育学部附属小学校からの進学者〈連絡入学〉を含む全体数。一般入学希望者との内訳は非公表) |
国立大学附属校のため、私立校のような回別・科目選択制ではなく単一選考日です。学力試験の得点だけで合否が決まるわけではなく、個人面接・諸観察・入学志願者報告書を含む総合選考である点、募集人員 144 人がそのまま一般入試の枠ではない点は、他の学校と比べるときに注意してください。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、過去問の転写データからどんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
3. まず結論だけ(10 行)
- この学校の入試は「同じ問題が出る」学校ではなく、「同じ性格の問いを毎年作り直す」学校です。精読した 3 年(算数は 2014・2016・2017、他 3 科目は 2013・2016・2017)を見るかぎり、設問文がそのまま繰り返された例は 1 つも確認できませんでした。
- ただし同じ種類の問題が同じ場所に来る並びははっきりしています。算数は大問 1 が計算、大問 2 が小問集合、最後が理由記述。社会は前半が地理と資料の読み取り、最後が歴史。国語は説明文・小説・漢字の書き取り・「自分で書く」大問の 4 部品です。
- 理科と社会は 2 科目あわせて 50 分で、精読した年の小問はあわせて 43〜53 問、うち理由や方法を書く記述が 10〜13 問。「知っているか」より「短く説明できるか」で差がつく作りです。
- 家でやること 1: 理由・方法を 2〜3 文で書く練習を、算数・理科・社会・国語の 4 科目まとめて 1 つの習慣にする。
- 家でやること 2: 理科の実験の条件をそろえる練習と、社会の「どの資料を使えば説明できるか」を選ぶ練習をそろえて行う。
- 家でやること 3: 算数の教科書単元(線対称・拡大図と縮図・比例・概数・単位量あたりなど)を穴なく一巡する。
- 今週やること: 算数の最後の大問(2014・2016・2017 のいずれか)を 1 問、結論→根拠→言い切りの順で理由を書く練習として解いてみる。
- 注意: 入試は年 1 回だけの単一選考日で、学力試験だけでなく個人面接・諸観察・入学志願者報告書を含む総合選考です(配点は不明)。
4. 資料の状況
過去問の転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとに分析しています。収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記します。この学校では混入は確認されていません)。
| 科目 | 精読した年(設問文まで読んだ) | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2014・2016・2017 の 3 年 | 0 | 2014・2016・2017 の 3 年 | 中。式・図の転写は読めるが、解答用紙が無く配点・解答欄の形は不明 |
| 理科 | 2013・2016・2017 の 3 年 | 0 | 2013・2016・2017 の 3 年 | 中。図の内容は文章での記述に置き換わっているため、図そのものは確認できない |
| 社会 | 2013・2016・2017 の 3 年 | 0 | 2013・2016・2017 の 3 年(2011 年度は解答用紙のみで問題冊子が無く、分析には使っていない) | 中。同上 |
| 国語 | 2013・2016・2017 の 3 年 | 0 | 2013・2016・2017 の 3 年 | 中。本文はおおむね読めるが、出典表記は転写が壊れており確認できない |
上記以外の年度(算数は 2013・2015、理科・社会・国語は 2014・2015、全科目とも 2018 年度以降)は資料がありません。国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多く、2018 年度以降の問題文は資料にありません。
- この資料は 2017 年度で止まっています。 以下に書くことはすべて 2013〜2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集や学校配布の資料で確認してください。
- 入試回の表記は転写に無く、この学校は 1 日の選考のみ(4 教科の学力試験+面接ほか)なので回による違いを気にする必要は無い作りですが、冊子表紙で「どの回か」を確かめたわけではありません。
- 満点・設問別配点はどの科目・年度にも印刷されていません。試験時間は学校の募集要項(2026 年度)で国語 40 分・算数 40 分・社会と理科あわせて 50 分。社会と理科は 2 科目で 50 分という点は、この資料の問題量を読むうえで重要です。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、「同じ問題が出る」学校ではなく、「同じ性格の問いを毎年作り直す」学校に見えます。 精読した 3 年(算数は 2014・2016・2017、他 3 科目は 2013・2016・2017)を見るかぎり、設問文がそのまま繰り返された例は 1 つも確認できませんでした。大問の数も年で動きます(算数 7→9→8、理科 5→4→10、社会 10→5→4、国語 5→5→4)。
そのかわり、同じ種類の問題が同じ場所に来るという並びは、いくつかはっきりしています。
- 算数は、大問 1 が計算だけの大問、大問 2 が小問集合、という並びが精読した 3 年とも同じです。 大問 2 の先頭にはいつも数の性質(公倍数・公約数・素数)が置かれます。
- 算数の最後の大問は、精読した 3 年とも「理由を説明する」問題です(2014 方眼の正方形の個数の式の理由、2016 拡大図であることの確かめ方、2017 2 つの角の和が 120°になる理由)。
- 社会は、前半が地理と資料の読み取り、最後の大問が歴史という並びが精読した 3 年とも同じです。
- 国語は、説明文 1 題+小説 1 題+漢字の書き取りの独立大問+「自分で書く」大問という 4 つの部品が精読した 3 年ともそろっています。
- 理科だけは分野の並びが毎年作り直されています(物理→地学→化学→生物のような固定は無い)。ただし「条件をそろえた実験をどう組むか」を書かせる問いは 3 年ともあります。
したがって過去問の使い方は、「単元をひととおり押さえたうえで、答えの根拠を自分の言葉で書けるようにする」のがいちばん近いといえます。同じ問題を覚える意味は薄く、「大問 1 の計算」「算数の最後の理由記述」「社会の歴史の大問」のように同じ座席(問題の置き場所)の問題を年度をまたいで縦に解く使い方と、時間内に書き切る通し演習の両方が必要です。
もう一つ、この学校を特徴づけるのは書く量の多さです。理科と社会は 2 科目あわせて 50 分(2026 年度の要項)で、精読した年の小問はあわせて 43〜53 問。そのうち理由や方法を書く記述が 10〜13 問あります。「知っているか」より「短く説明できるか」で差がつく作りに見えます。
6. この学校らしさが出る場所
- 茨城が題材に入ります。「茨城県のある場所のがけで見られた地層」(2016 理科)、「水戸市のある場所で見えた月」(2016 理科)、「茨城県の小学校で、太陽の動きとかげの動きの関係を調べる実験」(2017 理科)、「茨城県内の高くて見晴らしのよい場所」(2017 理科)。理科の 2 年で繰り返し出ており、身近な場所での観察という枠組みが好まれているように見えます。
- 学校生活が題材に入ります。「花子さんの学校の校舎の配置図」と、日当たりの悪い中庭に花だんを作る工夫(2013 理科)、山田君の全校集会のスピーチ(2013 国語の聞き取り)、「小学校の行事を通してどのような体験をしましたか」(2017 国語の作文)、国語の授業で意見文を書く課題という設定(2016 国語)。子どもが実際にやっている活動を、そのまま問題の舞台にする作りが 3 年に散らばっています。
- 「あなたならどうするか」を聞きます。 中庭の日当たりをよくする工夫(2013 理科)、養殖業が拡大すると生じる問題について自分の考え(2016 社会)、分かりやすいスピーチのために自分が気をつけること(2013 国語)、環境問題への自分の意見(2016 国語)。4 科目のうち 3 科目で「あなた」が主語になる設問が出ています。
- 実験を「やり直す・付け足す」設問があります。 すでに終わった実験を見て、足りない条件・追加すべき実験・改善方法を考えさせます(2016 理科の水よう液 B・C の区別、2017 理科の燃焼と受粉)。答えを覚えている子より、実験の目的を理解している子に向いた作りに見えます。
- 算数が教科書の単元にまっすぐ寄っています。 線対称の作図、拡大図をコンパスでかく、比例の式、概数の範囲、単位量あたり、素数。3 年を通して、教科書を越えた知識を前提にした設問は見当たりませんでした。塾の特殊算より、学校の算数を深くやる子の力が出やすい作りに見えます。
- 社会が「資料を選ぶ」ところから聞きます。 答えそのものより、「その答えを支えるのはどの資料か」を番号で書かせます(2017 大問 1 の 4 か所)。調べ学習の進め方をそのまま試験にしたような設問で、他の学校ではあまり見ない形です。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。年度を通した時間つきの演習は小 6 の夏以降が目安です。
- [毎日 10 分] 理由・方法を 2〜3 文で書く練習を、4 科目まとめて 1 つの習慣にする。算数の最後の大問、理科の実験の説明、社会の資料の説明、国語の記述は、求められている書き方がほぼ同じ(結論→根拠→言い切り)。この学校でいちばん配点の集まりそうな部分であり、いちばん練習量がものを言う部分でもあります。(確認: 〜2017 年度)
- [週末 60 分] 理科・「条件を 1 つだけ変える」実験の設計。何をそろえ、何を変え、どんな結果が出れば何が言えるか、の 3 点セットで 2〜3 文にまとめます。2013 の発芽(光が必要かを調べる方法)、2016 のふりこ(どの実験とどの実験をくらべるか・実験 7 の条件)、2017 の燃焼(もう 1 つ必要な実験)と受粉(改善する実験方法)。3 年すべてに出ています。結論を選んでから根拠の実験番号を答える練習(2016 大問 4)や、理由の記述(燃焼で酸素が減る・熱が水に奪われる、地層の粒の大きさと海の深さ、月と太陽の位置関係、受粉が袋の中でも起きた可能性)も同じ力を使います。(確認: 〜2017 年度)
- [週末 60 分] 社会・資料の選択と読み取り。2017 大問 1 のように「答えの根拠になる資料を番号で選ぶ」形が繰り返し出ます。グラフ・表・地図を並べて、問いごとに必要な 1 枚を選ぶ練習を。米作りに適した自然条件・漁場に適する理由・火山の分布の特徴・海外生産比率が上がる理由・幕府と武士の関係が崩れた理由のように、理由を 1〜2 文で書く練習も同じ形で出ています。(確認: 〜2017 年度)
- [週 1 回] 算数・小学校の教科書単元の穴つぶし。線対称と点対称、拡大図と縮図、比例と反比例、概数、単位量あたり、平均、素数と約数・倍数。塾のテキストで軽く扱われがちな単元ほど、この学校では 3 年とも出ています。定規とコンパスの作図(垂直二等分線・角の二等分線・円を使った正多角形・与えられた点を中心とする拡大図)にも慣れておきます。(確認: 〜2017 年度)
- [週末 60 分] 国語・3 段落の作文と資料つき意見文。2017 の「行事の内容/よかった点/自分が体験したこと」の 3 段構成をそのまま練習の手順にできます。2016 のように資料 4 枚から書く年もあります。漢字は書き取り中心・送り仮名つきで、読みより書きに時間を割きます。説明文の脱文挿入と接続語にも慣れておきます(指示語がどこを指すかを追う読み方)。(確認: 〜2017 年度)
- [週末 60 分] 算数・立体と平面図形、規則性と表の処理、計算の工夫。円柱・角柱の体積と表面積、展開図から立体を復元する、回転体、おうぎ形の面積、正三角形・正方形を組み合わせた角度は 3 年とも後半に固まって出ています。九九の表 81 個の和(2016)、方眼にできる正方形の個数(2014)、3 個ずつの群数列(2017)のように「表全体をまとめて処理する工夫」=「表全体を一気に求める工夫」を言葉で説明できるように。8.6×1.25−4.6×1.25(2016)のような分配法則を使う計算の工夫にも慣れておきます。(確認: 〜2017 年度)
- [週 1 回] 社会・年代の並べかえと地図・方位の基本。3 年とも出ています。開国から明治の改革、日中関係、法令の制定順。年号の暗記より「何が原因で次に何が起きたか」で並べます。8 方位、緯度経度、赤道の位置、日本の位置を大陸と大洋で説明する練習も(2013・2017)。産業の 3 分野(農業・水産業・工業)は産地上位の都道府県・生産量と消費量の変化・輸送手段の選び方まで資料つきで押さえます。公民は薄いですが、養殖業の問題点・少子高齢化の問題・公害の再発防止のような地域の課題を自分の言葉で書く問題にも備えます。(確認: 〜2017 年度)
- [週 1 回] 理科・社会の教科書用語と時間配分、作図・書き込みの道具。理科は 2013 大問 1(10 問)、2016 大問 1(4 問)のように、分野をまたいで基本用語を書かせる枠があります。天気・受精・蒸散・関節・でい岩・じょう散など、漢字で書けるところまで。理科・社会の 2 科目 50 分は合わせて 45〜55 問、うち記述 10 問超。1 問 1 分弱の配分を体で覚える通し演習を、直前期に数回。算数の定規とコンパス(2014・2016)、社会の赤道を定規で書き入れる(2017)、理科の図への書き込み(2013・2017。かげの向き・気体の粒を〇と●で表す・こん虫のからだの区分。定規なしのフリーハンドで構いません)にも慣れておきます。持ち物の指示は学校の要項で必ず確認してください。(確認: 〜2017 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で投資すべきこと |
|---|---|---|---|
| 算数 | 大問 7〜9・小問 19〜20(3 年とも 19〜20 でほぼ一定)。大問 1=計算、大問 2=小問集合は 3 年とも固定。記号選択はほぼ無く、短答が 8 割以上 | 特殊算は少なく、小学校の教科書単元(線対称・拡大図・比例・概数・素数・単位量あたり)がそのまま出る。最後は必ず理由の説明 | 最後の大問の「理由を書く」練習と、教科書単元の穴つぶし。定規とコンパスの作図が出る年がある |
| 理科 | 大問 4〜10 と年で大きく動く。小問 19〜27。記述が 4〜5 問(小問の 2 割前後) | 「分野をまたぐ短い問い」+「1 つの実験を深く掘る問い」の 2 種類で構成。計算問題はほとんど無い | 条件をそろえた実験の設計(何をそろえ・何を変え・どう分かるか)を 2〜3 文で書く練習 |
| 社会 | 大問 4〜10・小問 24〜29。記述が 6〜8 問(小問の 4 分の 1 以上)。字数指定は年によりあったり無かったり | 前半が地理と資料の読み取り、最後が歴史。現代の政治のしくみは精読した 3 年に出ていない | 「どの資料を使えば説明できるか」を選ぶ練習と、理由を 1〜2 文で書く練習。年代の並べかえは 3 年とも |
| 国語 | 大問 4〜5・小問 18〜25。記号選択は 3 割前後で、抜き出しと短答が多い | 説明文+小説+漢字書き取り+「自分で書く」大問の 4 部品。字数指定と指定語つきの記述がある | 3 段落構成の作文と、資料をもとにした意見文。字数を守る要約記述 |
8-1. 算数(精読したのは 2014・2016・2017 年度)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 | 大問 8 | 大問 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2014 | 7/20 | 計算 4 問 | 小問集合 6 問(公倍数・概数・積と商の大小・単位量あたり・分数の範囲・正三角形の周りの長さの比例) | 場合の数(5 の倍数)+円の一部の周りの長さ+正六角形の作図 | 台形の分割(等積の三角形さがし・逆算で x) | 円柱の展開図(辺の長さ・体積) | 素因数分解・末尾の 0 の個数 | 4×4 の方眼にできる正方形の個数を求める式の理由を書く | — | — |
| 2016 | 9/19 | 計算 3 問 | 小問集合 5 問(素数・式の大小・台形の面積と高さの比例・概数の範囲・比の値) | 九九の表 81 個の積の和(途中の考え方を書く) | 平均算(最高気温)+さいころ 3 個の和が 8 | 円柱の展開図の面積・円柱から四角柱をくりぬいた体積 | 線対称な図形の作図 | おうぎ形を 3 等分した斜線部の面積 | 2 倍の拡大図の作図+「拡大図だと確かめるには何を調べるか」を指定語句で書く | 正三角形と二等辺三角形の角・面積 |
| 2017 | 8/19 | 計算 3 問 | 小問集合 5 問(公約数の和・不等式にあてはまる整数・比・通過算・さいころ 2 個) | 数列(2 3 5 4 6 10 …)の 20 番目・和が 800 を超える番目 | 速さとグラフ(姉と弟・y を x の式で・320m 離れる時刻) | 三角柱の体積+辺を軸にした回転体の体積 | 円の一部と直角三角形の重なり(面積) | 正方形と正三角形の角・面積 | 正六角形と長方形の角の和が 120°になる理由を説明 | — |
座席(同じ場所に同じ種類の問題が来るか)
- 大問 1 は 3 年とも計算だけの大問(2014 は 4 問、2016・2017 は 3 問)。大問 2 は 3 年とも小問集合で、数の性質(公倍数・公約数・素数)が 3 年とも先頭に置かれています。ここまでは動いていません。
- 大問 3 以降は毎年組み替えています。 図形が後半に固まる点は共通ですが、「大問 5 は必ず立体」のような固定は 3 年では確認できませんでした(立体の大問は 2014・2016・2017 とも大問 5 に来ていますが、3 年では「毎年」とまでは言えません)。
- 最後の大問が「理由・説明を書かせる問題」になるのは 3 年とも共通(2014 大問 7、2016 大問 8(2)、2017 大問 8)。これはこの学校の算数でいちばん形が安定している場所で、対策の投資先としても分かりやすい場所です。
頻出単元(3 年での回数)
| 単元 | 回数 | 実例 |
|---|---|---|
| 四則計算(分数・小数の混合) | 3/3 年・毎年 3〜4 問 | 分数と小数の混じった計算が必ず入る(2016 (1) 5/6−0.7、2017 (2) 1/12÷5/6÷1.3) |
| 数の性質(公倍数・公約数・素数・概数) | 3/3 年 | 2014 公倍数+素因数分解、2016 30 の約数の素数・概数の範囲、2017 公約数の和・不等式の整数 |
| 立体図形の体積・表面積 | 3/3 年 | 2014 円柱の展開図、2016 円柱−四角柱、2017 三角柱+回転体 |
| 平面図形の面積・角度 | 3/3 年 | 2014 台形の分割、2016 正三角形と二等辺三角形、2017 正方形と正三角形 |
| 円とおうぎ形 | 3/3 年 | 2014 2 つの弧に挟まれた部分の周りの長さ、2016 おうぎ形の 3 等分、2017 円の一部と直角三角形 |
| 規則性・数列 | 3/3 年 | 2014 方眼の正方形の個数、2016 九九の表の和、2017 3 個ずつの群数列 |
| 場合の数 | 3/3 年 | 2014 カード 3 枚で 5 の倍数、2016 さいころ 3 回で和 8、2017 さいころ 2 個の商 |
| 比例・比 | 3/3 年 | 2014 正三角形の 1 辺と周り、2016 台形の高さと面積、2017 a×4=b×5 の比 |
- 特殊算(つるかめ算・旅人算・仕事算のような塾で名前のついた解法)はほとんど出ません。3 年で確認できたのは通過算 1 問(2017 大問 2(4))と平均算 1 問(2016 大問 4(1))だけです。
- 代わりに小学校の教科書の単元がそのまま出ます。線対称(2016 大問 6)、拡大図と縮図(2016 大問 8)、比例(2014・2016)、概数(2014・2016)、素数と約数(3 年とも)、単位量あたりの大きさ(2014 大問 2 問 4)。国立大学の附属校らしく、教科書の学習内容から外れた知識を要求する問題は 3 年とも見当たりませんでした。
問い方の性格
- 答えだけでなく「なぜそうなるか」を書かせます。 2014 は方眼にできる正方形の数を 1+4+9+16 で求める理由、2016 は九九の表 81 個の和を「途中の考え方を書いて」求める・拡大図であることの確かめ方を「対応する辺の長さの比」「対応する角」の語を使って書く、2017 は 2 つの角の和が 120°になる理由。字数指定は 3 年とも無く、解答欄の大きさが分量の目安になる作りに見えます。
- 記号選択はほとんどありません(3 年で 2 問。2014 大問 2 問 3、2016 大問 2(2)、どちらも「あてはまるものをすべて選べ」)。答えは数値や式で書く短答が 8 割以上です。
- 円周率は精読した 3 年とも 3.14(2014 大問 3・大問 5、2016 大問 7、2017 大問 5・大問 6 の但し書きで確認)。
- 作図・持ち物の注意は 10 節(形式面の注意)を参照してください。
今からやるなら(算数)
根拠は 7 節(今からやるなら)を参照。
8-2. 理科(精読したのは 2013・2016・2017 年度)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 構成 |
|---|---|---|
| 2013 | 5/27 | 大問 1=分野をまたぐ穴うめ 10 問(天気・受精・胎児とへその緒・電磁石・水よう液・小腸と肝臓・蒸散・関節・月の形・でい岩)/大問 2=校舎の配置図と棒のかげ(正午のかげをかきこむ・北はどちら・虫眼鏡で紙が燃えない理由・日当たりの悪い中庭に花だんを作る工夫を図と言葉で)/大問 3=夏の大三角と星座早見(2 時間後の位置を言葉で説明)/大問 4=インゲンマメの発芽条件(光が必要かを調べる実験の方法を設計・発芽に不要な条件の理由)/大問 5=ろうそくの燃焼(大小のびんで燃える時間とその理由・気体検知管・びんの中の気体の変化を〇と●で図示) |
| 2016 | 4/19 | 大問 1=分野をまたぐ 4 問(心臓と血液・方位磁針と地球・恒星の色と表面温度・せんぬきの支点力点作用点)/大問 2=分野をまたぐ 5 問(砂糖水の重さ+理由・月の位置と見え方・水についての正誤の仕分け・水を入れた紙コップが燃えない理由・茨城県のがけの地層から海の深さの変化)/大問 3=4 つの水よう液(炭酸水・水酸化ナトリウム水溶液・食塩水・塩酸)の判別と、B と C を区別する実験を自分で考える/大問 4=ふりこ(糸の長さ・ふれはば・おもりの重さと 1 往復の時間。どの実験とどの実験をくらべると分かるか・糸を 5 倍にする実験 7 の条件設定) |
| 2017 | 10/19 | 1 問ずつ独立した設問が 10 個並ぶ年。棒磁石と鉄くぎ/太陽の方角とかげ(茨城県の小学校)/「朝にじは雨」になる理由/メトロノームとふりこ/食塩とホウ酸の溶解度(ア〜オの正誤)/水を熱したときの「あわ」の正体と確かめ方/ろうそくの燃焼に酸素が必要だと言うためにもう 1 つ必要な実験/カブトムシの頭・むね・はらを図に書き入れて説明/ツルレイシの受粉実験で袋をかけた花にも実ができた理由と改善する実験方法/夕方に東から出た月の時刻と形 |
- 大問の数は 5→4→10 と動きますが、中身は「分野をまたぐ短い問い」+「1 つの実験を深く掘る問い」の 2 種類で 3 年とも変わりません。2017 は前者だけが 10 個並んだ年、2013・2016 は前者を冒頭にまとめて後半に後者を置いた年、と読めます。
- 分野の座席(物理→地学→化学→生物のような並び)は 3 年とも無く、毎年並びを作り直していると見てよいでしょう。
この学校の理科でいちばん安定していること
実験の「条件のそろえ方」と「次に何を調べるか」を書かせる問題が、精読した 3 年すべてに入っています。
- 2013 大問 4 問 3: 発芽に光が必要かを調べる実験の方法を、図を使って説明する。
- 2016 大問 4: ふりこの 3 条件について、結論をア〜エから選んだうえで「実験 1〜6 のどれとどれをくらべると分かるか」を答える。さらに実験 7 の条件(糸・ふれはば・おもり)を自分で決める。
- 2016 大問 3(5): 水よう液 B と C を区別する実験 4 の方法・予想される結果・区別のしかたを書く。
- 2017 大問 7: 「燃えるのに必要な気体は酸素だ」と言い切るために、あと 1 つ必要な実験を考える。2017 大問 9: 袋をかけた花にも実ができてしまった理由と、実験の改善方法を書く。
理由を書かせる記述も 3 年とも 4〜5 問あります(2013 5 問・2016 4 問・2017 4 問)。字数指定は 3 年とも無く、「図と言葉で説明しましょう」「図の中に書き入れて説明しなさい」のように、図をかいて説明させる問い方が毎年 1〜2 問あります。
頻出単元(3 年での回数)
| 単元 | 回数 | 実例 |
|---|---|---|
| 燃焼・ものの燃え方 | 3/3 年 | 2013 大問 5(大小のびん・気体検知管)、2016 大問 2(4)(水を入れた紙コップ)、2017 大問 7(酸素が必要だと確かめる実験) |
| ふりこ・物体の運動 | 2/3 年 | 2016 大問 4(条件制御の本体)、2017 大問 4(メトロノーム) |
| 月・太陽・かげ | 3/3 年 | 2013 大問 1 問 9・大問 2(棒のかげ)、2016 大問 2(2)(水戸市で見える月)、2017 大問 2(かげ)・大問 10(夕方の月) |
| 水よう液・溶解度 | 3/3 年 | 2013 大問 1 問 5、2016 大問 2(1)・大問 3(4 液の判別)、2017 大問 5(食塩とホウ酸の溶解度表) |
| 植物(発芽・受粉・蒸散) | 3/3 年 | 2013 大問 4(インゲンマメの発芽)、2013 大問 1 問 7(蒸散)、2017 大問 9(ツルレイシの受粉) |
| 電磁石・磁石 | 3/3 年 | 2013 大問 1 問 4、2016 大問 1(2)(方位磁針)、2017 大問 1(棒磁石と鉄くぎ) |
| 人体 | 2/3 年 | 2013 大問 1(胎児・小腸と肝臓・関節)、2016 大問 1(1)(心臓と血液) |
| 星・星座 | 2/3 年 | 2013 大問 3(夏の大三角・星座早見)、2016 大問 1(3)(恒星の色と表面温度) |
| 地層・岩石 | 2/3 年 | 2013 大問 1 問 10(でい岩)、2016 大問 2(5)(茨城県のがけの地層) |
- 3 年とも見当たらなかったのは、てこの計算(2016 にせんぬきの支点・力点・作用点が出るだけ)、電流回路の計算、気体の発生量の計算、化学変化の重量計算のような数値計算中心の設問です。理科は計算より「観察・実験の読み取りと説明」に寄っています。
形式面の補足(理科)
共通の形式面の注意は 10 節を参照してください。ここでは理科だけに固有の点を挙げます。
- 選択の割合は年で大きく振れます(2013 4%・2016 16%・2017 37%)。ただし 2016 の「選んだうえで理由も書く」形(4 問)を選択に数えていないため、記号だけで済む問いはどの年も多くありません。
- 作図は 2013 に 2 問(正午のかげ・びんの中の気体を〇と●で表す)。2016・2017 には作図の指示は無いが、2017 大問 8 は「図 2 の中に書き入れて説明」なので、解答用紙の図に書き込む問いは 3 年とも何らかの形であります。
- 精読した 3 年の小問数は 19〜27 問で、社会(8-3 節)と合わせると 45〜55 問前後になります。1 問あたりに使える時間は 1 分弱と考えておいてください。
- 「言葉で説明しましょう」「〜しますか。図と言葉で説明しましょう」のように、話しかけるような文体の設問が 2013 に目立ちます。2016・2017 は「〜書きなさい」に統一されています。
今からやるなら(理科)
根拠は 7 節(今からやるなら)を参照。
8-3. 社会(精読したのは 2013・2016・2017 年度)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 前半(地理・資料) | 後半(歴史) |
|---|---|---|---|
| 2013 | 11(実質 10)/26 | 世界地図と日本の位置を「大陸・大洋・方位」で説明/国土の正誤/気候の説明文と雨温図・都市の位置の組み合わせ 3 組/地形図の記号(∧ と ☩)からその土地の様子を説明/米・茶・大豆の収穫量グラフ/遠洋漁業/貿易額の資料の読み取り/情報とメディア(新聞のよさ)/公害病(新潟水俣病・四日市)と再発防止を「工場」の語で | 古代のくらしの変化/聖武天皇が大仏をつくらせた理由/源平の勢力図/室町の人物/長篠の戦いの屏風絵から戦い方のちがい/鎖国までの年表の誤り/明治の身分制度/自由民権(A に共通する語)/条約改正までの並べかえ |
| 2016 | 5/24 | 国土(海岸線が長い理由・火山の分布の特徴・地熱発電のよさ・南鳥島)/「ある農産物」を表とグラフから当て、生産量と消費量の変化とその理由/日本の漁業(漁場に適する理由・栽培漁業・養殖が拡大すると起きる問題への自分の考え) | 日本と中国の関係史 A〜E の並べかえと当時の中国の国名/勘合貿易の港/元寇の後に幕府と武士の関係が崩れた理由/正倉院/雪舟/日露戦争の戦地/江戸の打ちこわし/開国のできごとの並べかえ/明治の改革(殖産興業・学制・徴兵令・地租改正・廃藩置県)の対応づけ |
| 2017 | 4/29 | 人口ピラミッドから国を推定(資料 1〜7 から根拠の資料を選ぶ)/少子高齢化で生じる問題/その国の農作物と生産量の資料選び/200 海里と漁獲量の減少/発電方法 A〜C と新エネルギーのよさ/世界地図に定規で赤道を書き入れる・経度と 4 区分・8 方位の規則性を 10 字以内で/面積最小の県/自動車工場のある県と県庁所在地/ペリーと日米修好通商条約/工業地帯の名称/自動車の輸送手段/海外生産比率が上がる理由 | 法令 5 点(十七条の憲法・武家諸法度・大日本帝国憲法ほか)の並べかえ/五箇条の御誓文/武家諸法度を定めた理由を「各藩の財政」の語で 30 字以内/江戸の農民の生活の誤り/聖徳太子と役人の心得/大日本帝国憲法が目指す国づくりを 15 字以内/太閤検地 |
- 2013 の「11 大問」は転写上の切れ目で、実際は歴史の大問が問 1〜問 9 で 1 つに続いています(大問 10 の問 5 のあとに大問 11 の問 6 が続く)。実質の大問数は 10。
- 3 年とも「地理・資料の読み取りが前半、歴史が最後」という並びで、歴史を最後の大問にまとめて置く形は動いていません。ただし前半の大問の数は年で大きく変わります(細かく割る年と、資料をひとまとめにして 1 大問に詰める年があります)。
この学校の社会でいちばん安定していること
資料を選ばせる・資料から言えることを書かせる問題が中心です。 記述は 3 年とも 6〜8 問(2013 8 問・2016 6 問・2017 8 問)で、小問の 4 分の 1 以上が「〜を説明しなさい」「理由を書きなさい」「自分の考えを書きなさい」。用語を答えるだけの短答は 3〜4 割にとどまります。
とくに 2017 は「その答えの根拠になる資料を、資料 1〜7 から選んで番号で書け」という形が繰り返し出ます(大問 1 の (1)(4)(6)(7))。資料の中身を覚えるのではなく、問いに対してどの資料を持ってくるかを判断させる作りで、この学校の社会の性格をよく表しているように見えます。
現代の政治のしくみ(日本国憲法・国会・内閣・裁判所・選挙)を正面から問う設問は、精読した 3 年には見当たりませんでした。 2017 に「憲法」の語は 7 回出ますが、すべて十七条の憲法と大日本帝国憲法で、歴史の史料としての登場です。公民寄りの題材は 2013 の情報・メディアと公害だけでした。3 年分なので「出ない」とは言えませんが、この 3 年に限れば地理と歴史に大きく傾いています。
頻出単元(3 年での回数)
| 単元 | 回数 | 実例 |
|---|---|---|
| 資源・エネルギー・発電 | 3/3 年 | 2013 貿易額の資料、2016 地熱発電のよさ、2017 発電方法 A〜C と新エネルギー |
| 水産業 | 3/3 年 | 2013 遠洋漁業、2016 漁場の条件・栽培漁業・養殖の問題点、2017 200 海里と漁獲量 |
| 農業 | 3/3 年 | 2013 米・茶・大豆、2016「ある農産物」の推定、2017 農作物と生産量の資料選び |
| 国土・地形・気候 | 3/3 年 | 2013 雨温図と都市、2016 海岸線と火山の分布、2017 4 つの島・面積最小の県 |
| 幕末・明治維新 | 3/3 年 | 2013 身分制度・自由民権、2016 開国の並べかえ・明治の改革、2017 ペリー・修好通商条約・五箇条の御誓文 |
| 年代の並べかえ | 3/3 年 | 2013 条約改正、2016 日中関係 A〜E・開国の A〜D、2017 法令 5 点 |
| 飛鳥・奈良 | 3/3 年 | 2013 大仏をつくらせた理由、2016 正倉院、2017 十七条の憲法 |
| 世界地理 | 2/3 年 | 2013 日本の位置の説明、2017 赤道・経度・8 方位 |
形式面の補足(社会)
共通の形式面の注意は 10 節を参照してください。ここでは社会だけに固有の点を挙げます。
- 多くの記述は字数指定なしで、解答欄の大きさが目安という作りに見えます(字数指定の詳細は 10 節)。
- 社会でも解答用紙の図に書き込ませる問いがあります。定規の持参は要項で確認しておいてください。
- 記号選択は 2〜3 割。「すべて選んで」(2013 貿易資料)、「あやまっているものを 1 つ」(2013 米作り、2017 江戸の農民)、「年代の古い順に並べかえ」(3 年とも)が混じります。
- 社会だけで 24〜29 問あり、書く量が多いため、記述に何分割けるかを決めて演習する必要があります。
今からやるなら(社会)
根拠は 7 節(今からやるなら)を参照。
8-4. 国語(精読したのは 2013・2016・2017 年度)
国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2013・2016・2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 構成 |
|---|---|---|
| 2013 | 5/25 | 大問 1=放送による聞き取り(山田君のスピーチ。内容の聞き取り 2 問と、分かりやすく話すために自分が気をつけることを①〜③から選んで書く)/大問 2=ローマ字(「教科書」「上ばき」を小文字で)/大問 3=漢字の書き取り 8 問(送り仮名つき)/大問 4=説明文(曲がるスプーンを作る町工場と形状記憶ポリマー。接続語・抜き出し 3 問・30〜40 字の説明記述・内容合致)/大問 5=小説(進路の話をする千波と恵。空欄に入る語・3 字で書く・一文抜き出し・40〜45 字で理由を「進路」の語を入れて・表現の特徴) |
| 2016 | 5/22 | 大問 1=小説(左足が曲がりにくい小学 3 年生の莉子と家族。「父」「母」「祖母」の語を使って 60 字以内・場面の切れ目を選ぶ)/大問 2=説明文(新聞・テレビ・ネットの速さと深さ。8 字以内・25 字以内・13 字以内抜き出し・脱文挿入)/大問 3=寓話(山火事に一滴ずつ水を運ぶ鳥の話。40 字以内で書く問いを含む)/大問 4=資料 A〜D の 4 枚を使って環境問題の意見文(資料 A から問題点、B・C から読み取り、D をふまえて自分の意見、の 4 段構成)/大問 5=漢字の書き取り 4 問 |
| 2017 | 4/18 | 大問 1=小説(元ピッチャーとキャッチャーの再会。指示語・理由の選択・6 字抜き出し・漢字 1 字の補充)/大問 2=説明文(雑草と人間の関係。20 字抜き出し・脱文挿入・題名の工夫を書く)/大問 3=作文(小学校の行事の体験。題名と名前を書かない・3 段落構成・1 段落=行事の内容、2 段落=その行事の最もよい点、3 段落=自分が体験したこと・原稿用紙の使い方に従う)/大問 4=漢字の書き取り 7 問 |
この学校の国語でいちばん安定していること
「自分で考えて書く」大問が 3 年とも入っています。 2013 は聞き取りをふまえて自分が気をつけることを書く問い、2016 は 4 枚の資料から意見文、2017 は 3 段落構成の体験作文。素材は資料・体験・スピーチと年で変わりますが、「読んで終わり」にせず自分の言葉で書かせる枠が必ずあるというのが、精読した 3 年に共通する一番はっきりした特徴です。
漢字の書き取りも 3 年とも独立した大問(2013 8 問・2016 4 問・2017 7 問)。3 年とも書き取りだけで、読みを答える問題は見当たりませんでした。送り仮名の必要な語(あびる・みわたす・つとめる・きげん…)が毎年混じります。
読解は説明文 1 題+小説 1 題が 3 年とも入ります。2016 はこれに寓話が 1 題加わりました。
問い方の特徴と形式面の補足(国語)
共通の形式面の注意は 10 節を参照してください。ここでは国語だけに固有の点を挙げます。
- 字数指定は 3 年とも複数あります(2013 30〜40 字・40〜45 字、2016 60 字以内・25 字以内・8 字以内、2017 6 字・20 字の抜き出し)。「(「」や「、」も一字と数えます)」「記号や句読点は一字として数えます」という但し書きが各年の冒頭や設問末に付きます。
- 抜き出しは「◯字で抜き出しなさい」「最初の五字を書きなさい」「最初と最後の四字」の形です。
- 脱文挿入(次の一文はどこに入れるか)が 2016・2017 の説明文に連続で出ています。
- 接続語の空欄補充(ア そして/イ さらに/ウ しかし …)が 2016・2017 とも説明文に出ています。
- 記号選択は 3 割前後で、記述より短答・抜き出しの方が多いです。ただし作文の 1 問が占める時間は大きいです。
- 2013 には放送による聞き取り問題がありましたが、2016・2017 には無く、3 年分では「いつからいつまであったか」は分かりません(9 節も参照)。
- 出典(著者・作品)については 13 節(資料の限界)を参照してください。
今からやるなら(国語)
根拠は 7 節(今からやるなら)を参照。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読できたのが 3 年分だけなので、「何年周期でこの単元が戻ってくる」という言い方はできません。かわりに、3 年のうち 1 回しか出ていない・あるいは 3 年とも出ていない題材を挙げます。次に出たら初見にならないように、押さえだけしておきたい枠という位置づけです。
| 科目 | 題材 | 状況 | 最終確認年度 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 特殊算(つるかめ算・旅人算・仕事算・過不足算など) | 3 年で通過算 1 問(2017)と平均算 1 問(2016)のみ。出ないと決めつけず、標準的な解法は持っておく | 2017(通過算) |
| 算数 | 速さとグラフ | 2017 大問 4 のみ。2014・2016 には速さの大問が無い | 2017 |
| 算数 | 場合の数の本格的な大問 | 3 年とも小問 1 問ずつにとどまる | 2017(毎年小問はある) |
| 理科 | てこ・輪軸の計算 | 2016 にせんぬきの支点・力点・作用点が出るだけで、つり合いの計算は 3 年とも無い | 2016(用語のみ) |
| 理科 | 電流回路(豆電球・乾電池のつなぎ方) | 3 年とも見当たらない。磁石・電磁石は毎年ある | 該当なし |
| 理科 | 天気・気象の本格的な大問 | 2013 と 2016 に用語レベルで出るのみ | 2016 |
| 社会 | 現代の政治のしくみ(憲法・国会・内閣・裁判所・選挙) | 精読した 3 年に正面から問う設問が無い。ただし 2013 には情報・メディアと公害の大問があり、公民分野が出ない学校とは言い切れない | 該当なし(関連題材は 2013) |
| 社会 | 地形図の読図 | 2013 に 2 問あるが 2016・2017 には無い | 2013 |
| 国語 | 放送による聞き取り | 2013 大問 1 にあり、2016・2017 には無い | 2013 |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | 3 年とも無い(2016 の寓話が最も近い) | 該当なし |
10. 形式面の注意
- 算数: 円周率は精読した 3 年とも 3.14。記号選択はほぼ無く、答えは数値・式・言葉で書きます。定規とコンパスを使う作図が 2014・2016 にあり、「コンパスの線のあとは消さずに残す」と明記されています(2017 は作図 0 問)。最後の大問は理由の説明で、字数指定はありません。「途中の考え方を書いて求めなさい」(2016 大問 3)もあります。
- 理科: 字数指定は 3 年とも無し。記述は 4〜5 問で 1〜2 文の長さです。「図と言葉で説明しましょう」(2013)、「図 2 の中に書き入れて、わかりやすく説明しなさい」(2017)のように、図をかいて説明させる問いが毎年 1〜2 問あります。選んだうえで理由も書かせる形(2016 大問 4 の 3 問など)が多いです。
- 社会: 記述が毎年 6〜8 問と多いです。字数指定は 2013・2016 に無く、2017 は「10 字以内」「30 字以内」「15 字以内」の 3 問。指定語つきの記述が 2013(【工場】)と 2017(「各藩の財政」)にあります。2017 大問 2(1) は「定規を使用して赤道を書き入れなさい」。
- 国語: 字数指定は 3 年ともあります(30〜40 字、40〜45 字、60 字以内、25 字以内、8 字以内、抜き出しの 6 字・13 字・20 字)。「(「」や「、」も一字と数えます)」の但し書きが付きます。指定語つきの記述(「進路」/「父」「母」「祖母」)があります。作文は原稿用紙で、題名・名前を書かない・段落を 3 つに分けるといった条件が細かく指定されます(2017)。漢字は 3 年とも書き取りのみで、送り仮名つきの語が混じります。
- 共通: 満点・設問別の配点は、どの科目・年度の転写にも印刷されていません。試験時間は 2026 年度の要項で国語 40 分・算数 40 分・社会と理科あわせて 50 分。社会と理科が 2 科目で 50 分という点は、精読した年の問題量(合わせて 43〜53 問・記述 10 問超)と合わせて、時間配分の練習が必要なことを示しています。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
- 計算の正確さ(分数と小数の混じった四則計算まで)、図形を見て分けて考える習慣、音読と読解、短い作文、漢字の書き取り。ここは他校と変わりません。
- この学校に固有の入口を 1 つ挙げるなら、理科・社会の「なぜだろう」を口で言わせることです。実験や資料を見て「どうしてそうなるの」と聞き、子どもが答えたら「じゃあどうやって確かめる?」と返します。これが小 6 の記述と実験設計にそのままつながります。
- 時間を計った演習はまだ不要です。
小 5(幅)
- 単元をひととおり通す学年です。 この学校は塾の特殊算より教科書単元がそのまま出るので、学校の教科書・教科書準拠の問題集を「先に飛ばす」のではなく「深く」やる価値が高いです。線対称・点対称、拡大図と縮図、比例、概数、単位量あたり、平均、約数と倍数。
- 理科は実験を「条件をそろえて比べる」目で見る練習を。学校の理科の授業のノートを、条件・結果・分かったことの 3 段で書き直させると、そのままこの学校の記述の練習になります。
- 社会は地理(国土・気候・農業・水産業・工業・資源)を資料つきで。グラフと表を見て「何が言えるか」を 1 文で言います。
- 国語は 40〜60 字の記述と、3 段落の短い作文を月に数本。
- 過去問はまだ通しで解かず、算数の大問 1・大問 2 だけ、社会の資料問題だけ、のように部分的に使うのがよいでしょう。
小 6(仕上げ)
- 前掲の「今からやるなら」の 8 項目(従来の 12 項目を統合したもの)がそのまま小 6 のメニューになります。
- 夏まで: 4 科目の単元の穴つぶしと、記述の書き方(結論→根拠→言い切り)を固めます。
- 秋以降: 精読した 3 年ぶんを同じ座席で縦に解きます(算数の最後の大問だけ、社会の歴史の大問だけ、国語の作文だけ)。そのうえで、理科と社会は必ず2 科目 50 分の通しで時間を計ります。
- 直前期: 作図の道具の扱い、原稿用紙の使い方、字数指定と指定語の守り方といった「守れば取れる」部分を確認します。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは小 5 の幅です。この学校は同じ問題を繰り返さないので、小 6 で過去問を反復して覚える戦い方が効きにくいといえます。一方で出題は小学校の教科書の範囲から素直に作られており、単元を穴なく深く押さえた子が有利になります。小 4 から始められるなら、先取りで難問に進むより、各単元を「なぜそうなるか説明できる」深さまで下げてから次に進む進め方のほうが、この学校の出題には噛み合うように見えます。加えて、書く量が多い学校なので、小 4〜5 のうちに「短く説明する」ことへの抵抗をなくしておくことが、そのまま小 6 の得点力になります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです(同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます)。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・男女の別は扱いません。
この学校については、科目ごとの近さを機械的に計算した併願候補が出せませんでした。精読できる年が 3 年ずつと少なく、比較に必要な条件を満たさなかったためで、「似た学校が無い」という意味ではありません(併願候補ページにも同じ理由が記載されています)。
代わりに、転用のきく力の方向だけ書いておきます。この学校の過去問で伸びるのは、(1) 資料(グラフ・表・地図・写真)から言えることを 1〜2 文で書く力、(2) 実験や調査の条件をそろえて考える力、(3) 与えられた条件を守って作文を仕上げる力、(4) 小学校の教科書単元を穴なく使う力の 4 つです。同じ 4 つを求める入試であれば、この学校の過去問はそのまま練習になります(逆も同じです)。塾で「特殊算をたくさん解く」方向の演習は、この学校に限れば優先度が下がります。
13. 資料の限界
このレポートは、過去問の転写データだけを根拠にしています。以下は読者に断っておくべき限界です。
- 資料が 2017 年度で止まっています。 使えたのは算数 2014・2016・2017、理科・社会・国語 2013・2016・2017 の各 3 年分だけで、2018 年度以降は 1 年も読めていません。この 9 年で出題が変わっている可能性は十分にあります。ここに書いたことは「2013〜2017 年度にはこうだった」以上の意味を持ちません。直近の形式は必ず市販の過去問集や学校の配布資料で確認してください。
- 3 年分では「毎年」「何年周期」が言えません。 本文で「3 年とも」と書いたところは、その 3 年で確認したという意味で、それ以上ではありません。周期の話(9 節)は、上限に達した単元を挙げる形ではなく「この 3 年に出ていない題材」として書いています。
- 2011 年度は社会の解答用紙だけが残っており、問題冊子が無いため分析に使っていません。2015 年度は 4 科目とも資料が無い状態です。
- 入試回の表記が転写に無い。 この学校は 1 日の選考のみという募集要項(2026 年度)ですが、読んだ冊子がその選考のものかを表紙で確かめたわけではありません。
- 図は、図そのものではなく文章での説明として転写されています。「方眼紙上に描かれた図」「せなか側から見たカブトムシのイラスト」のような記述から内容を読み取っているため、図の細部(目盛りの刻み・線の本数など)には読み落としがありえます。
- 国語の出典(著者・作品)は書いていません。 転写された出典表記が壊れており(2016 年度の寓話は書名・著者名とも表記が崩れている)、原本と突き合わせて確認できなかったためです。
- 解答用紙が無いため、解答欄の形(マス目か罫線か、何行ぶんか)が分かりません。 字数指定の無い記述の分量は、解答欄の大きさで示されている可能性が高いですが、そこは確認できていません。
- 自動集計の資料と原本が食い違った点は、原本を優先して書きました。具体的には、(1) 国語の字数指定を「0%」とする集計があったが、精読した 3 年すべてに字数指定がある、(2) 社会に作図が無いとする集計があったが、2017 年度に「定規を使用して赤道を書き入れなさい」がある、(3) 2013 年度社会は 11 大問と数えられているが、歴史の大問が問 1〜問 9 で 1 つに続いており実質 10 大問、(4) 2017 年度理科の「10 大問」は、1 問ずつ独立した設問 10 個を大問として数えたもの、の 4 点です。
- 併願候補の機械計算は、この学校では成立しませんでした(精読できる年が少ないため)。12 節はその事実と、転用のきく力の方向だけを書いています。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には、このレポートでは一切触れていません。それらは別の資料で確認してください。
茨城大学教育学部附属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
茨城大学教育学部附属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ