八千代松陰中学校 の過去問分析
八千代松陰中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
八千代松陰中学校 過去問分析(2010〜2023 年度・一般入試・4 科目)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県八千代市 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | IGS 特待推薦 12 月 1 日(国語・算数・理科・社会)/LR 自己推薦 12 月 1 日(学力試験なし。自己推薦書と通知表)/LR 学科推薦 12 月 2 日(国語・算数)/一般入試 IGS・LR 1 月 20 日・1 月 21 日(LR は 2 月 5 日も)(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | IGS 特待推薦は国語・算数が各 50 分 100 点、理科・社会が各 35 分 75 点。LR 学科推薦は国語・算数が各 40 分 100 点。一般入試の試験時間・配点は、公式サイトに記載が見当たらず未確認です(過去問の表紙から読み取れた時間は 4 節に載せました) |
| 面接 | 面接があるのは IGS 特待推薦・LR 自己推薦・LR 学科推薦の 3 つです。IGS 特待推薦は合格すると全員が特待生になります |
いまの小 6 は 2027 年 1 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます(推薦入試はその前年の 12 月です)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の並び方が何年も変わらず、そこに入る中身は毎年作り直される学校です。算数は大問 6 題、理科は大問 1 が一問一答で最後が力学、社会は地理で始まり公民で終わる、国語は漢字 → 説明文 → 小説。この並びが精読した 3 年で崩れていません。
- いっぽうで、同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した範囲では見つかりませんでした。題材は毎年入れ替わっています。
- 2023 年度に試験時間が大きく作り替えられました。算数は 40 分 → 50 分、理科と社会はそれぞれ 40 分 → 2 科目合わせて 50 分になり、理科は 39 問 → 21 問、社会は 44 問 → 19 問に減っています。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 5 問を毎日 10 分。整数の四則・くふう計算・分数の四則・逆算の 4 種類です。
- 理科の 4 分野の一問一答を毎日。理科の得点のおよそ半分がここに集まっています。
- 社会の「あなたの意見を書きなさい」を 3 文で書く練習。3 年連続で出ています。
今週やる 1 つ
- 2023 年度の理科と社会を、続けて 50 分で解いてみます。時間の配り方がいまの形に合っているかが分かります。
注意
- 2021 年度と 2024〜2026 年度は 4 科目とも資料が無く、国語は 2020 年度以降の資料がありません。直近の形式と最新の試験時間は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考・判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2020・2022・2023) | 0 年 | 13 年(2010〜2020・2022・2023) | 高。精読した 3 年はいずれも大問 6 題。転写の確度は高い |
| 理科 | 3 年(2020・2022・2023) | 0 年 | 13 年(2010〜2020・2022・2023) | 高。2023 年度に試験時間が変わり、問題数が大きく減る |
| 社会 | 3 年(2020・2022・2023) | 0 年 | 12 年(2010・2011・2013〜2020・2022・2023) | 高。2012 年度は資料なし。2023 年度に問題数が半減 |
| 国語 | 3 年(2011・2015・2019) | 1 年(2010・設問の一覧のみ) | 4 年(2010・2011・2015・2019) | 著作権処理の関係で掲載されない年が多く、2020 年度以降は資料が無い |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 2021 年度と 2024〜2026 年度は、4 科目とも資料がありません。この分析は 2023 年度までの話です。直近 3 年の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 表紙が残っていた 2022・2023 年度の冊子は、いずれも「令和 4 年 1 月 20 日実施」「令和 5 年 1 月 20 日実施」でした。1 月 20 日に行われる一般入試の 1 日目にあたる冊子で、推薦入試(12 月)や 2 日目・3 日目の冊子は資料に含まれていません。2020 年度の冊子には表紙が付いておらず、回の表記は確認できませんでした。
- 表紙で確認できた試験時間は次のとおりで、2023 年度に大きく変わっています。
| 年度 | 算数 | 理科 | 社会 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 40 分(表紙に「試験時間は 40 分間です」) | 40 分・9 ページ | 40 分・16 ページ |
| 2023 | 50 分(表紙に「試験時間は 50 分間です」) | 理科と社会で合わせて 50 分・5 ページ | 理科と社会で合わせて 50 分・8 ページ |
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の問題文を原本で読み直して確認したものだけです。精読していない年度については書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写されないため、図形問題の細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
大問の並び方が何年も変わらず、そこに入る中身は毎年作り直される学校です。
精読した 3 年(算数・理科・社会は 2020・2022・2023、国語は 2011・2015・2019)で、次の並びが崩れていません。ここで言っているのは同じ問題が出るということではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。以下、この問題の置き場所を座席(問題の置き場所)と呼びます。
| 科目 | 何年連続で同じ場所に同じ種類が出るか |
|---|---|
| 算数 | 大問 1=計算 5 問(うち逆算(□にあてはまる数を求める計算)1 問)/大問 2・3=一行問題(数行で終わる短い文章題)と図形の小問集合/大問 4〜6=誘導つきの大問 3 題。3 年連続 |
| 理科 | 大問 1=一問一答の小問集合(4 分野から 14〜20 問)/最後の大問=力学(ばね・ふりこ)。3 年連続 |
| 社会 | 大問 1=地理/最後の大問=公民(会話文・発表・条文から始まる)/「あなたの意見を書きなさい」の記述。3 年連続 |
| 国語 | 大問一=漢字 10 問(書き 6・読み 4)/大問二=自然科学系の説明文/大問三=小説。資料のある 3 回(2011・2015・2019)とも同じ。漢字の設問文はほぼ同じ文が 3 回使われている |
いっぽうで、同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した範囲では見つかりませんでした。題材(何を素材にするか)は毎年入れ替わっています。
科目ごとの競技の違いもはっきりしています。算数と理科の大問 1 は「速く正確に処理する」試験、社会と国語は「指示どおりの形で書く」試験です。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①同じ座席(大問の番号)を縦に並べて解き、その場所に来る問題の解き方を手順ごと身につける、②その年度の表紙に書かれた時間で解いて時間の配り方を身につける——この二つが中心になります(回し方は 過去問の使い方)。
そしてもう一つ、2023 年度に試験時間が大きく作り替えられたことを見落とせません。算数は 40 分 → 50 分、理科と社会はそれぞれ 40 分 → 2 科目合わせて 50 分になり、理科は 39 問 → 21 問、社会は 44 問 → 19 問に減りました。2020・2022・2023 の冊子はいずれも 1 月 20 日実施のもので、別の回の冊子を並べた比較ではありません。2024 年度以降もこの形が続いているかは資料がなく分からないので、市販の過去問集で最新の時間を必ず確認してください。
6. この学校らしさが出る場所
- 「松陰君」が登場します。 理科 2022 大問 4 は「松陰君は、雲はどのようにしてできるのかについて疑問に思い」、理科 2023 大問 2 は「松陰君は夏休みに(略)ニワトリをもらったので」と、自校の生徒らしい名前で実験や観察の場面が作られています。2 年連続で確認できました。
- 地元・千葉が題材に入ります。理科 2020 大問 1(11)「千葉県では、夏に南東から高温多湿、冬に北西から低温乾燥の風が吹きます。この風を何というか」、社会 2023 大問 2 は「千葉県八千代市の公共施設である八千代市立図書館を紹介します」で始まります。自分の学校のある市の図書館を素材にするのは、この学校でしか見られない題材です。
- 「あなたの考えを書きなさい」が科目をまたいで出ます。社会は 3 年連続(五輪の自国開催のメリット 2020、温暖化を止めるため誰が何をすべきか 2022、感動した本から学んだこと・“十分に成長”とは何か 2023)、理科も 2022(再生可能エネルギーを 1 つ挙げて理由)・2023(集団に順位ができることの意味)で出ています。正解が一つに決まらない問いを、資料や自分の経験に結びつけて書かせるのが、この学校の一貫した色に見えます。
- 社会の記述は「自分ごと」に寄せます。2022 大問 3(17) は「小学校の歴史学習をとおして印象に残っている歴史上の人物を一人あげなさい」、2023 大問 2(2) は「これまでに読んだ本のなかで最も感動した本」。教科の知識を、自分の学習経験の中から取り出させる作りです。
- 国語の説明文が 3 回とも自然科学系でした(地球環境・宇宙と生命・生物のニッチ)。理科的な話題を国語で読ませる傾向が、資料のある 3 回で共通しています。
- 算数はすべて答えのみです。式や考え方を書かせる欄が精読した 3 年で一つもありません。「途中で部分点を拾う」設計ではなく、「最後の数字まで合わせる」設計です。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問 — 整数の四則・くふう計算(分配法則)・分数の四則・逆算の 4 種類を、10 分以内で全問正解できるまで。精読した 3 年とも同じ作りで、練習が最も確実に点になる場所です。(確認: 〜2023 年度)
- [毎日 10 分] 理科・4 分野の一問一答 — 2020 は 20 問、2022 は 20 問、2023 は 14 問と、理科の半分がここです。用語を漢字・カタカナで書けるところまで(2020 の合弁花・羊水・凝灰岩、2022 の恒温動物・偏西風、2023 の双子葉類・柔毛)。あわせて「すべて選び、記号で答えなさい」に備え、選択肢を 1 つずつ ○ × で判定する癖をつけます。(確認: 〜2023 年度)
- [毎日 10 分] 漢字を書く練習(国語 10 問と社会の漢字指定) — 国語の大問一は 3 回とも漢字 10 問(書き 6・読み 4)で、送り仮名の指示が設問文に明記されています。社会は表紙に「漢字で書けるものは、すべて漢字で書きなさい」と明記されているので、都道府県名・人名・制度名を 1 日 10 語。(確認: 国語は〜2019 年度・社会は〜2023 年度)
- [週末 60 分] 社会・公民と意見記述と資料の読み取り — ①公民の三権分立を最優先。国会・内閣・裁判所の仕事を「ふさわしくないものを選ぶ」形で判別できるまで(3 年連続で最後の大問の中心)。②「あなたの意見を書きなさい」を「⑴資料や経験から事実を 1 つ挙げる → ⑵それが何を意味するか → ⑶だから自分はこう考える」の 3 文で。3 年連続で出ており、書けないと大きく落とします。③写真・グラフ・統計から特定する練習(世界遺産・文化財・農産物の生産量グラフ・雨温図)。「1 位の県はどこか」を出典つきで覚えるより、「グラフの形から見当をつける」練習が効きます。④年代の並べ替え(鎖国までの流れ、戦時中の流れなど 5〜10 年刻みの順序)。⑤昼間人口比率のような「%を四捨五入して答える」設問と時差の計算は、算数の力がそのまま効きます。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 算数・後半の大問に来る単元(規則性・立体・水量)と角度 — 規則性は「表を書く → 差や周期を見つける → 何番目・何段目かを逆に求める」の 3 手順で、2020・2022・2023 の 3 題は手順が同じ。角度は 3 年連続で大問 3 に、立体は展開図の形で 2022・2023 に、水量は 2022・2023 と 2 年続き 2023 は「傾ける」まで踏み込みます。「水の体積は変わらない」の一本で通します。速さはグラフを読む形まで(2023 大問 5)。大問 2・3 の一行問題を 3 年分続けて解くと、割合・速さ・つるかめ算・仕事算・平均・場合の数・角度が 1 問ずつ並ぶ構成が体感できます。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 国語・字数指定つきの記述 — 10 字・20 字・25 字・30 字・45 字・50 字・80 字の各サイズで、指定された終わり方(「〜という解釈」「『から』を含めて」など)に合わせて書く練習を。あわせて自然科学系の説明文(環境・宇宙・生物のニッチ)に読み慣れ、段落ごとに「何が言いたいか」を一言でメモする読み方をします(2019 の「五十字で要約」に直結します)。対義語・四字熟語・慣用句・接続語・表現技法・筆順までの語句の知識と、「二つ選びなさい」の指示に印をつける習慣も。(確認: 〜2019 年度)
- [週末 60 分] 理科・ばねと濃さの計算、理由を 1 文で — ばねは「もとの長さ+おもり 1 個あたりの伸び×個数」で立式し、2 本つなぐ・半分に切る・並列にするまで。2020 と 2023 の大問がそのまま教材になります。濃さ(%)は「食塩の重さ ÷ 食塩水全体の重さ」の 1 本で、毎年 1 問と見て練習します。理由の記述は「〜だから。」の形で 30 字前後。実験器具の使い方・安全の注意も理由つきで覚えます。(確認: 〜2023 年度)
- [週 1 回] 時間を計って通す練習 — 2023 年度の形なら、算数 50 分・理科と社会を合わせて 50 分です。理科と社会を続けて 50 分(25 分ずつ)で解く練習を最低 1 回はしておきます。算数は最後の 2 分で約分と単位を見直す習慣を。(確認: 〜2023 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(2023 年度は 50 分・2022 年度以前は 40 分/大問 6 題・小問 19〜23 問/答えのみ)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 計算 5 問(うち逆算 1) | 一行問題 4 問(池のまわりの旗・余りが同じ 2 けた・つるかめ算・仕事算) | 図形 3 問(正方形と半円の求積・三角形の面積比・折り返しの角度) | 立体(20cm の立方体を 5cm の立方体でくり抜く体積と表面積) | 規則性(1 / 2 3 / … と並ぶ数の三角形) | 推理(6 人のテストの順位を条件から確定) |
| 2022 | 計算 5 問(うち逆算 1) | 一行問題 5 問(2022 秒は何分何秒・時速 54km・かけ算とたし算の取り違え・体育館の面積の割合・男女の人数の和差算) | 一行問題 4 問(カード 4 枚の並べ方・四捨五入して 3500・角ア・円と正方形の重なり) | 立体(長方形から正方形を切り取って容器を作る/台形の四角柱のおもり/水量) | 平均(5 人の身長の差の表から平均を出す) | 規則性(折り紙を貼りつないだ長方形のまわりの長さ) |
| 2023 | 計算 5 問(うち逆算 1) | 一行問題 5 問(ペンキの比例・全校児童の割合・普通と快速の公倍数・平均点・硬貨の組み合わせ) | 図形 3 問(正方形の中の角ア・長方形の中を動く円・三角柱の展開図と表面積から体積) | 規則性(5 つずつ並べた分数の段と段の合計) | 速さ(家から学校まで、歩く人と走る人・グラフ) | 水量(2 段の直方体の水そう・傾ける) |
表に出てくるつるかめ算・仕事算・和差算などの中身は 用語集 にあります。
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問 1 は 3 年連続で計算 5 問、しかもうち 1 問は必ず □ を求める逆算です(2020 (5)、2022 (4)、2023 (5))。残り 4 問は「整数の四則」「小数のくふう計算(4×1.72+4×0.78 のような分配法則)」「分数の四則」の組み合わせで、2020・2022・2023 の 3 年ともこの内訳でした。
- 大問 2 は 3 年連続で一行問題の集まりです(4〜5 問)。速さ・割合・つるかめ算・仕事算・平均・数の性質・場合の数といった文章題が、1 問ずつ順不同で並びます。
- 大問 3 も 3 年連続で小問の集まりで、2020 と 2023 は 3 問すべてが図形、2022 は 4 問中 2 問が図形。角度を求める問題は 3 年連続(2020 折り返しの角度、2022「角アの大きさは何度ですか」、2023「角アの大きさは何度ですか」)で、2022 と 2023 は問い方の文まで同じです。
- 大問 4〜6 は誘導つきの大問 3 題で、ここに「立体」「規則性」「速さ・水量」が入ります。3 年とも規則性の大問が 1 題ずつ(2020 大問 5、2022 大問 6、2023 大問 4)あり、水を入れる容器の問題も 3 年連続です(2020 の立体くり抜きは水ではありませんが、2022 大問 4(3) と 2023 大問 6 は水量そのもの)。
- つまり前半 3 題(大問 1〜3)で 12〜14 問の小問を処理し、後半 3 題(大問 4〜6)でじっくり考えるという時間の配り方が、精読した 3 年で完全に共通しています。
頻出単元
- 規則性・数列: 精読した 3 年すべてで大問 1 題(数の三角配列 2020・折り紙の周 2022・分数の段 2023)。いずれも「表を作る → 何番目・何段目かを逆に問う」流れです。
- 立体図形: 2020 大問 4(くり抜き)、2022 大問 4(展開図から容器)、2023 大問 3(3)(展開図と表面積から体積)。展開図が 2022・2023 と 2 年続きます。
- 水量: 2022 大問 4(3)、2023 大問 6。2023 は「水そうを傾ける」まで踏み込みます。
- 速さ: 2022 は大問 2 の一行問題に 1 問、2023 は大問 5 でグラフつきの大問。
- 割合・比: 2022 大問 2(4)(体育館の面積の割合)、2023 大問 2(2)(全校児童の割合)と 2 年続きます。2020 の大問 2 は池のまわりの旗・数の性質・つるかめ算・仕事算で、割合の設問は入っていませんでした。
問い方のくせ
- 全問が答えのみです。精読した 3 年で記述はゼロ、作図もゼロ、記号で選ぶ設問は 2020 大問 6(1) の 1 問だけで、2022・2023 は 100% が短答(語句や数値を短く答える形式)でした。式や考え方を書かせる欄はありません。
- 大問 4〜6 は (1)(2)(3) の順に難度が上がる誘導で、(1) は表や図をなぞれば取れることが多い作りです。2023 大問 4(2) のように「太郎さんと花子さんが調べようとしています」と会話をはさんで手順を示す形も出ます。
- 一行問題は「〜は何本ですか」「何 cm ですか」と単位を明示して問います。単位換算(2022「2022 秒は何分何秒」)が入る年があります。
- 2020 大問 6 のような推理の問題は 2022・2023 では見当たらず、精読した範囲では毎年出るとは言えません。
8-2. 理科(2022 年度まで 40 分・2023 年度は社会と合わせて 50 分/大問 3〜5 題)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問数・小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 5 題 40 問 | 一問一答 20 問 濃さ・温暖化の気体・水上置換・ガスバーナー・セッケン水 こん虫・心臓・羊水・合弁花・季節風 高気圧・震度・凝灰岩・ISS・原子力 コンデンサー・電圧の単位・反射・ふりこ |
燃焼(空気の成分の図・びんの形とろうそくの消え方・線香のけむりの作図・気体検知管・缶で木片を燃やすくふう) | 種子の発芽と成長(ヨウ素液の実験 I・II・レタスの成長の実験) | 星座早見(太郎と花子の会話・ダイヤルの中心・方位・北の空の見え方) | ばね(グラフから伸び・2 本つなぐ・半分に切る・組み合わせの作図) |
| 2022 | 5 題 39 問 | 一問一答 20 問 酸素・炎の温度・蒸発・濃さ・器具がガラスの理由 恒温動物・プランクトン・えら・ヨウ素液・発芽条件 偏西風・富士山の噴火・運搬・スーパームーン・星座早見 ばね・屈折・支点・音の三要素・並列つなぎの利点 |
水溶液 7 種の判別(におい・気体の判別・スチールウール) | 生態系と食物連鎖+パリ協定・2050 年実質ゼロ | 気象(松陰君が雲のでき方を調べる・湿度と温度の計算) | ふりこと落下(イタリア旅行の会話・ガリレオ・等時性) |
| 2023 | 3 題 21 問 | 一問一答 14 問 アルコールランプ・酸性の水溶液・氷の質量と体積・安全な操作・濃さ 双子葉類・柔毛・桜島の噴火・夏の大三角・流水 プレート・海と陸の温まり方・ふりこ・光 |
生態系(松陰君のニワトリ 5 羽・つつく順位・順位ができる意味) | ばね(2 種類のばねの表・長さが等しくなる重さ・2 本と 2 個のおもり) | — | — |
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問 1 は 3 年連続で「一問一答の小問集合」です。物理・化学・生物・地学の 4 分野を、ほぼ均等にひとことで答えさせる形。2020・2022 は 20 問、2023 は 14 問で、理科の得点のおよそ半分がここに集まっています。
- 最後の大問は 3 年連続で力学です(2020 ばね・2022 ふりこ・2023 ばね)。ばねは 2020 と 2023 の 2 回で、いずれも「表やグラフからもとの長さと 1 個あたりの伸びを出す → 2 本つなぐ・半分に切る・組み合わせる」という同じ流れでした。
- 大問 2 以降は「実験や観察の場面を読ませて答える」大問で、2020・2022 は化学・生物・地学・物理を 1 題ずつ、2023 は生物・物理の 2 題だけです。
- 資料に無い年があるため断定はしませんが、精読した 3 年に限れば、大問 1(知識の速射)と最終大問(力学の計算)は場所ごと固定、間の大問は年ごとに分野を入れ替えています。
2023 年度に起きた変化(原本の表紙で確認)
- 2022 年度の理科の表紙は「試験時間は 40 分間です」「問題用紙は 1 ページから 9 ページまであります」。2023 年度は「試験時間は社会と合わせて 50 分間です」「1 ページから 5 ページまで」。社会の表紙にも同じ「理科と合わせて 50 分間」の記載があります。
- その結果、小問数は 39 問(2022)→ 21 問(2023)に、大問数は 5 題 → 3 題に減りました。この変化は同じ 1 月 20 日実施の冊子どうしの比較(2022 年度=令和 4 年 1 月 20 日、2023 年度=令和 5 年 1 月 20 日)で、別の回の冊子を並べたものではありません。
- 2024 年度以降にこの 50 分体制が続いているかは資料がなく分かりません。市販の過去問集で最新の時間を確認してください。
頻出単元
- ばね: 2020 大問 5・2023 大問 3。加えて 2022 は大問 1(16) に一問一答として登場し、3 年連続でばねが出ています。
- 生態系・食物連鎖: 2022 大問 3・2023 大問 2。
- 気象: 2020 大問 1(季節風・高気圧)・2022 大問 4(雲のでき方)・2023 大問 1(海と陸の温まり方)。
- 水溶液と濃さ: 3 年とも大問 1 の最初のほうに「何 % か」を問う計算が入ります(2020 (1)、2022 (4)、2023 (5))。
- 星座早見: 2020 大問 4(大問まるごと)・2022 大問 1(15)。
問い方のくせ
- 大問 1 は「〜を何というか答えなさい」「〜を次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい」の 2 種類がほとんどです。記号選択が主軸ですが、用語を漢字・カタカナで書かせる短答も同じくらいあります。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」が 2022・2023 に複数あり、部分点のない答え方になります(2022 大問 1(1)(12)、2023 大問 1(2)(4))。
- 記述は 1〜2 文で、理由を説明させるものが中心です(2023「アルコールランプにふたをすると、火が消えるのはなぜか」、2022「実験器具の多くがガラスでできている理由」)。加えて 2022・2023 は「自分の考えを書きなさい」という設問があります(2022 大問 3(5) 再生可能エネルギーを 1 つ挙げて理由、2023 大問 2(3) 集団に順位ができることの意味)。
- 作図は 2020 に 2 問(線香のけむりの向き・ばねの組み合わせ)。2022・2023 では確認できませんでした。
- 会話文で進む大問が 2020(太郎と花子の星座早見)・2022(イタリア旅行)にあり、2022・2023 は自校の生徒らしい「松陰君」が登場します(2022 大問 4 の雲、2023 大問 2 のニワトリ飼育)。
- 前年の出来事が小問に入ります(2022 大問 1(14)「2021 年 5 月 26 日のスーパームーンと同時に観測された天体現象」、2023 大問 1(8)「2022 年 7 月に噴火警戒レベル 5 になった鹿児島県の火山」)。2020 でははっきりした前年ネタは確認できませんでした。
- 図・表・グラフのある小問は全体のおよそ 4 割で、ばね・湿度・水溶液の判別で表が中心になります。
8-3. 社会(2022 年度まで 40 分・2023 年度は理科と合わせて 50 分/大問 3〜4 題)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問数・小問数 | 大問 1(地理) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 3 題 39 問 | 北海道・東北 日の出の早さ・アイヌ・寒さへの工夫・畑作と酪農 世界遺産の写真 4 枚・雨温図とハイサーグラフ・断面図・過疎 |
歴史 17 問(江戸幕府〜明治維新) 家康・武家諸法度・鎖国の並べ替え・五街道 不平等条約・松下村塾・薩長同盟 |
公民 9 問 児童 3 人の自由研究の発表・政党・年金・国会・内閣 G20・五輪のメリット・代替エネルギー・憲法 |
— |
| 2022 | 4 題 44 問 | 五輪開催都市の世界地図 首都でない都市・東京の出版業・ヒートアイランド・昼間人口比率の計算 時差・テムズ川・北京の大気・アテネの雨温図 |
環境 5 問(グリーンランド山頂の降雨という 2021 年の新聞記事・氷の色と温暖化・原因と対策を書く) | 歴史 17 問(原始〜戦後の通史年表) 吉野ヶ里・平城京・文化史の写真・江戸のリサイクル 渋沢栄一・戦時中の並べ替え・自然災害伝承碑・印象に残る歴史人物 |
公民 9 問(日本国憲法の条文・WHO・国会議員・裁判所・社会保障関係費) |
| 2023 | 4 題 19 問 | 地理 5 問(甲子園と高校野球から全国へ・政令指定都市・すももの収穫量・湖沼・下関の海産物・4 都市の都道府県名) | 情報 2 問(八千代市立図書館の紹介・図書館の機能・感動した本と学んだこと) | 歴史 7 問(鎌倉幕府: 源義経・執権と管領・御恩と奉公・北条政子の演説・御成敗式目) | 公民 5 問(高校生 2 人の会話・成人年齢引き下げ・国会・選挙・“大人”とは何か) |
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問 1 は 3 年連続で地理、最後の大問は 3 年連続で公民です。間に歴史の大問が入ります(2020 は大問 2、2022 は大問 3、2023 は大問 3)。地理 → (時事・環境)→ 歴史 → 公民という並びが、精読した 3 年で崩れていません。
- 公民の大問は 3 年とも「会話文・発表原稿・条文」から始まります。2020 は児童 3 人の自由研究の発表、2022 は日本国憲法の条文の抜粋、2023 は高校生 2 人の会話。下線部 a・b・c … に沿って設問が並ぶ形も 3 年共通です。
- 三権分立・国会・内閣・裁判所は 3 年連続で公民の大問の主役です。「国会の仕事としてふさわしいもの」「ふさわしくないもの」を選ぶ形が毎年あります。
- 記述で「あなたの意見・考えを書きなさい」が 3 年連続(2020 大問 3(6) 五輪の自国開催のメリット、2022 大問 2(5) 温暖化を止めるため誰が何をするべきか・大問 3(17) 印象に残る歴史上の人物とその影響、2023 大問 2(2) 感動した本から学んだこと・大問 4(4) “十分に成長”とはどういうことか)。この学校の社会でいちばん特徴的な場所です。
2023 年度に起きた変化(原本の表紙で確認)
- 2022 年度の社会は「試験時間は 40 分間です」「1 ページから 16 ページまで」で 44 問。2023 年度は「試験時間は理科と合わせて 50 分間です」「1 ページから 8 ページまで」で 19 問。問題数はおよそ半分になりました。
- 減り方は一様ではなく、地理が 13 問 → 5 問、歴史が 17 問 → 7 問と大きく減った一方、記述は 4 問 → 3 問とほとんど減っていません。短い時間で書かせる比重が上がった、という読み方ができます。
- 2020・2022・2023 はいずれも 1 月 20 日実施の冊子で、別の回の冊子との比較ではありません。
頻出単元
- 三権分立・国会・内閣・裁判所: 3 年連続(2020 大問 3、2022 大問 4、2023 大問 4)。
- 日本国憲法・人権: 2020 大問 3(8)(9)、2022 大問 4(1)(3)(4)、2023 大問 4(4)。
- 環境問題・防災: 2020 大問 1(2)(寒さへの工夫)、2022 大問 2 まるごと+大問 3(16) 自然災害伝承碑。2023 は大問での出題は確認できませんでした。
- 都道府県の同定: 2020 大問 1、2022 大問 1(2)問 4、2023 大問 1(2)(5)。地図・グラフ・統計から県名を答えさせる形が 3 年連続です。
- 雨温図・気候: 2020 大問 1(6)、2022 大問 1(6)問 2。2023 では確認できませんでした。
- 江戸時代: 2020 大問 2(大問まるごと)、2022 大問 3(11)(12)。2023 は鎌倉が主役です。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です(2020 62%、2022 75%、2023 58%)。うち「ふさわしくないものを一つ選び」という消去の形が毎年複数あり、選択肢 4 つを 1 つずつ検証する必要があります。
- 短答には文字数と文字種の指定が多く出ます。「漢字 5 字で」(2020 武家諸法度)、「漢字 3 字・漢字 2 字で」(2020 五街道)、「漢字 2 字で」(2020 政党、2022 大問 4(1)(7)、2023 管領)。これは字数を数える記述の指定ではなく、答えを漢字で書かせる指定です。
- 計算をさせる社会の設問があります(2022 大問 1(2)問 5 昼間人口比率を四捨五入して一の位まで/2022 大問 1(3)問 2 時差)。
- 記述は字数指定なしで、解答らんの大きさで分量が決まります。語句を指定して使わせる形(2023 大問 3(3)「御恩」「奉公」の二つとも使用して説明)や、資料を読んで理由まで書かせる形(2020 大問 1(3)問 4 生乳の使い道と市場までの距離)があります。
- 写真・グラフ・地図・年表が資料としてふんだんに入ります。2020 の世界遺産 4 枚、2022 の文化史の写真 4 択、2022 の資料 4〜7 の読み比べなど、写真から特定させる設問が毎年あります。
8-4. 国語(2011・2015・2019 年度のみ/大問 3 題・小問 20〜28 問)
国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多く、資料があるのは 2010・2011・2015・2019 年度の 4 年だけです。ここに書いたのは 2011・2015・2019 年度に限った話で、2020 年度以降の形式は市販の過去問集で確認してください。試験時間は、この 3 年の冊子に表紙が付いておらず確認できませんでした。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問一 | 大問二(説明文) | 大問三(小説) |
|---|---|---|---|
| 2011 | 漢字 10 問(カタカナ → 漢字 6・読み 4) | 地球環境と生命の歴史(伊藤和明『人間が地球の環境をこわしてきた』)・設問 8 問 | 川へ鰻漁に行く少年(笹山久三『四万十川』)・設問 9 問 |
| 2015 | 漢字 10 問(同じ内訳) | 宇宙と生命・地球外の知性(湯川秀樹『宇宙と人間 七つのなぞ』)・設問 9 問 | 図書館の青年をめぐる「私」といとこ(小川洋子『ミーナの行進』)・設問 9 問 |
| 2019 | 漢字 10 問(同じ内訳) | ナンバー 1 とオンリー 1・生物のニッチ(稲垣栄洋『雑草はなぜそこに生えているのか』)・設問 11 問 | 華道教室で「自分らしさ」に向き合う紗英(宮下奈都『まだまだ、』)・設問 9 問 |
出典は原本の表記で確認しました。手元の出典一覧では 2019 年度の説明文の著者が別の字で記録されていましたが、原本の本文には「稲垣栄洋」とふりがなつきで印刷されているので、原本を採りました。
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問一は 3 回とも漢字 10 問で、内訳が「カタカナを漢字に直す 6 問(送り仮名が必要なものは送り仮名も正しく)+ 漢字の読み 4 問」で完全に同じです。設問文もほぼ同じ文が 3 回使われています(2011「次の①〜⑥の——線部のカタカナを漢字になおしなさい。ただし、送り仮名が必要なものは、送り仮名も正しく送りなさい。また、⑦〜⑩の——線部の漢字の読みを答えなさい。」/2015・2019 も番号の書き方が違うだけで同文)。
- 大問二は 3 回とも説明文、大問三は 3 回とも小説です。しかも説明文の題材が 3 回とも自然科学系(地球環境・宇宙と生命・生物どうしの関係)でした。
- 設問の並びにもくせがあります。説明文・小説とも、問一・問二あたりに空欄補充(接続語や様子を表すことば)を置き、途中に語句の知識、後半に長めの記述と抜き出しを置きます。
頻出の設問
- 記述は 3 回とも 2〜4 問で、すべて字数指定つきです(2011「十字以内」「二十字以内」「八十字以内」、2015「四十五字以内」、2019「三十字以内」「五十字で要約」「二十五字以内」)。
- 抜き出しも毎回あり、こちらも字数指定つき(2011「六字」「四字」、2015「十六字」、2019「三十六字で探し出し、はじめの五字」)。
- 語句の知識が毎回入ります。対義語(2015・2019)、四字熟語(2011)、慣用句・ことわざ(2019「生き馬の目を抜く」)、表現技法(2011)、文章の構成・段落分け(2015・2019)、さらに筆順(2019 問一「太い部分を書く順番が四画目のものを二つ選び」)まで出ます。
- 「二つ選び、記号で答えなさい」という複数選択が 3 回ともあります(2011 大問二問四、2015 大問二問八・大問三問五、2019 大問一問一)。1 つだけ選ぶと 0 点になるので、指示の読み落としが直接失点になります。
- 古文・漢文は精読した 3 年でゼロでした。
問い方のくせ
- 記述は「〜という解釈」「〜ような共生関係」「『から』を含めて」のように、答えの終わり方や使う語を指定してきます(2015 大問二問七、2019 大問一問六、2015 大問三問八の「『から』を含めて四十五字以内」)。指定を外すと内容が合っていても失点します。
- 語を指定して使わせる記述もあります(2011 大問二問八「『金星』『雨』の二語を必ず用いて、八十字以内で」)。
- 文の並べ替え(2011 大問二問七「A〜E を正しい順にならびかえ」)や、一文を挿入する位置を選ぶ設問(2015 大問三問三)といった、文章の流れを追わせる設問が入ります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年(算数・理科・社会は 2020・2022・2023、国語は 2011・2015・2019)の範囲での話です。3 年分だけの観察なので断定はしませんが、資料のある年に出ていて、直近の年で確認できなかったものを挙げます。最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認できた年度です。
| 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 推理・論理(算数) | 2020 | 2020 年度 | 2020 大問 6(6 人の順位を条件から確定)を最後に、2022・2023 では確認できませんでした |
| 縮尺(算数) | — | 2022 年度(近い単位換算まで) | 2022 大問 2 に単位換算はありますが、地図の縮尺そのものは 2023 で確認できませんでした |
| 電気回路(理科) | 2020・2022 | 2022 年度(一問一答として) | 2020・2022 は大問 1 の一問一答だけ、2023 は大問なし。大問での出題は精読した 3 年でゼロです |
| 月と太陽の満ち欠け(理科) | 2022 | 2022 年度(一問一答として) | 一問一答での出題(2022 のスーパームーン)はありますが、大問での出題は精読した 3 年で確認できませんでした |
| 地層・岩石(理科) | 2020・2023 | 2023 年度(一問一答として) | 2020 の凝灰岩、2023 の流水・プレートと、いずれも一問一答のみ。大問での出題は確認できませんでした |
| 作図(理科) | 2020 | 2020 年度 | 2020 に 2 問(線香のけむりの向き・ばねの組み合わせ)ありましたが、2022・2023 では確認できませんでした |
| 雨温図・ハイサーグラフ(社会) | 2020・2022 | 2022 年度 | 問題数が半減した 2023 では確認できませんでした |
| 地形の断面図(社会) | 2020 | 2020 年度 | 2020 の北海道・東北の大問にありました |
| 時差の計算(社会) | 2022 | 2022 年度 | 2022 大問 1(3)問 2。2023 では確認できませんでした |
| 世界地理(社会) | 2020・2022 | 2022 年度 | 2020 の世界遺産の写真、2022 の五輪開催都市の世界地図。2023 では確認できませんでした |
- 算数のこの 2 つは 3 年分だけで判断せず、市販の過去問集で 2024 年度以降を確かめてください。
- 理科は、大問 1 の一問一答では毎年出るので知識は必ず要ります。分野が減った 2023 年度の形が続くなら、大問での復活より一問一答での出題が中心になる可能性があります。
- 社会は、問題数が減った年でも地理の大問がある以上、いつ戻ってもおかしくありません。
- 国語は 2020 年度以降の資料が無いため、この観点では何も言えません。
10. 形式面の注意
- 試験時間は年度で違います。 2022 年度は算数 40 分・理科 40 分・社会 40 分、2023 年度は算数 50 分・理科と社会で合わせて 50 分。過去問はその年度の表紙の時間で計ってください。
- 配点は、精読したどの冊子にも記載がありませんでした。解答らんの単位印字も資料からは確認できていません。
- 算数の表紙の指示は 2022・2023 で同じ 3 点です。「答えはすべて解答用紙に記入しなさい」「分数は、それ以上約分できない分数で答えなさい」「円周率は 3.14 とします」。約分の指示があるので、答えを約分し忘れると失点します。
- 算数のページ数は 2022 が 8 ページ、2023 が 6 ページ。2023 年度に時間が 10 分増えたにもかかわらず、小問数は 23 問(2022)→ 20 問(2023)と減っており、1 問あたりに使える時間はかなり増えています。
- 理科の表紙の指示は 2022・2023 とも「割り切れない答えは、四捨五入して小数第 1 位まで求めなさい」。計算の答え方が最初から決まっているので、桁の処理で迷いません。理科の記述は 1〜2 文で、字数指定は精読した 3 年でゼロ。解答らんの大きさで分量を決めます。
- 社会の表紙の指示は 2022・2023 とも「答えを書くとき、漢字で書けるものは、すべて漢字で書きなさい」。人名・地名・制度名をひらがなで書くと失点しえます。社会の記述は字数指定なしで、解答らんの大きさで分量が決まります。
- 社会は「年代の古い順に並べ替え」(2020 大問 2(3)問 1 鎖国、2022 大問 3(14) 戦時中)が精読した 3 年のうち 2 年にあります。2023 年度は理科と合わせて 50 分で、19 問のうち記述が 3 問なので、書く時間を先に確保する配分が要ります。
- 国語は記述も抜き出しもすべて字数指定つき(10〜80 字)です。答えの終わり方(「〜という解釈」など)や使う語(「『金星』『雨』の二語を必ず用いて」)を指定してきます。字数がすべて指定されるので、マス目の数に収める練習が直接効きます。
- 国語の漢字の設問文には「送り仮名も正しく送りなさい」と明記されています。送り仮名の間違いは 3 回とも失点の対象になる形でした。
- 国語の記号選択の選択肢は「ア〜オ」の 5 択が中心で、「ア〜カ」の 6 択もあります(2019)。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
- 計算の正確さ。この学校の算数は大問 1 の計算 5 問が 3 年連続で同じ作りです。小 4 のうちに整数と小数の四則、くふう計算(4×1.72+4×0.78 のような分配法則)を、ミスなく速くできるところまで。
- 図形の入口。角度(正方形・長方形の中の角、折り返し)と、立体の体積・表面積のいちばん基本の形。
- 漢字と語彙。国語の大問一は 3 回とも漢字 10 問です。送り仮名も込みで書く習慣を小 4 から。ただし 2020 年度以降は国語の資料が無いので、直近の形は市販の過去問集で確かめてください(→ 13 節)。
- 理科の基本用語。大問 1 の一問一答は 4 分野から均等に出るので、学校で習った単元の用語をそのつど「書ける」ようにしておくと、後で一気に効きます。
- 時間を計るのはまだ先でよい段階です。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。
- 平日 15 分は、算数の計算(整数・小数・分数の四則、くふう計算、逆算)と、理科の一問一答の用語、国語の漢字 10 問を日替わりで。どれもこの学校が毎年まとまった量を出す場所です。
- 週末 60 分は、その週の単元 1 つ。全分野をひととおり学び終えることが小 5 の仕事で、単元は次の順に置きます。割合 → 速さ → つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める・受験用教材の単元)→ 仕事算(何日で終わるかを 1 日ぶんの仕事量から求める・受験用教材の単元)→ 平均 → 場合の数 → 数の性質 → 角度 → 規則性。この並びは、大問 2・3 に 1 問ずつ入る単元と、3 年とも 1 題ある規則性からそのまま取りました。8-1 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使えます。
- 規則性は表で追う練習を。難しい発想は要らず、表を書いて差を見つける手順の練習で足ります。
- 理由を 2〜3 文で書く習慣。社会も理科も国語も、この学校は「理由」「自分の考え」を書かせます。小 5 のうちから、口で言えたことを紙に書く練習を。
- 都道府県と地図・グラフ。社会の地理は 3 年とも大問 1 で、写真・グラフ・統計から県を特定させます。白地図と特産を漢字で。
- 自然科学系の読み物に慣れる。国語の説明文は 3 回とも環境・宇宙・生物の話でした。ただし 2020 年度以降は国語の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形は市販の過去問集で確かめてください。
小 6(仕上げ)
- 7 節の 8 項目をそのまま進めます。
- 同じ座席を縦に解きます。「2020・2022・2023 の大問 1 だけ」「大問 2 だけ」と、大問の番号ごとに横断して解く方法です。この学校は座席が固定なので、この解き方がいちばん効率よく効きます。
- その年度の表紙の時間で計ります。2022 年度以前を解くときは 40 分、2023 年度は 50 分。時間の異なる年を同じ条件で計ると、実力を読み違えます。
- 理科と社会を続けて 50 分で解く練習(2023 年度の形)を。
- 秋以降は、前年 1 年間のニュース(火山・天体・気象・選挙・成人年齢など)を制度や単元の言葉に置き換える練習を。科学ニュースは名称と起きた月まで言えるように、社会は「グリーンランドの降雨 → 温暖化の原因と対策」(2022)「成人年齢引き下げ → 選挙権・契約」(2023)のように言い換えます。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 で全分野を一巡させる側ではなく、小 4 から積んだ「毎日の 10 分」の側です。この学校の 4 科目には、算数の計算 5 問・理科の一問一答・国語の漢字 10 問という「毎年ほぼ同じ作りで、量がまとまっている場所」が三つあります。合わせると得点の相当部分がここに集まります。特別な単元を先取りするより、この三つを小 4 から毎日ぶん回した子が、小 6 の秋にいちばん楽になる構造をしています。そのうえで小 5 に単元の幅を作り、小 6 で座席ごとの解き方と時間配分を仕上げる、という順序が無駄がありません。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏、合格可能性は扱いません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100)で、同じ問題が出るという意味ではありません。
- 昭和学院中学校(千葉県・共学)— 算数 92・社会 88・理科 79。同じ千葉県で算数と社会が近い組み合わせです。1 校ぶん通しで演習するならここ。
- 東京都市大学等々力中学校(東京都・共学)— 社会 90 がこの一覧で最も高い組み合わせです。算数 87・理科 80。資料の多い、記号選択が主軸の社会が二重に効きます。
- かえつ有明中学校(東京都・共学)— 算数 93。前半を計算と一行問題で固め、後半を誘導つきの大問で作る組み立てがよく似ています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
算数はどの学校とも 82〜95 と高く、算数の過去問演習はこの並びのどことでも二重に効きます。いっぽう国語は、本校の資料が 2019 年度までしかないため近さを計算できておらず、この一覧からは判断できません。国語の併願対策は、市販の過去問集で実物を見比べてください。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 冊ずつしかありません。表紙が残っていた 2022・2023 年度はいずれも 1 月 20 日実施の冊子で、12 月の推薦入試や 1 月 21 日・2 月の回については何も分かりません。回によって時間や問題数が違う可能性があります。
- 2021 年度と 2024〜2026 年度の資料がありません。この分析は 2023 年度までの話です。とくに 2023 年度に試験時間が変わった直後なので、その後どうなったかは市販の過去問集で確認してください。
- 社会は 2012 年度の資料がありません。
- 国語は 2010・2011・2015・2019 年度の 4 年分だけです。著作権処理の関係で掲載されない年が多く、2020 年度以降は 1 年も資料がありません。国語について書いたことは、すべて 2019 年度までの話です。
- 2019 年度の国語は、転写の側で大問一(漢字 10 問)の小問が落ちています。原本を直接見て、大問一が漢字 10 問であること、大問二が説明文、大問三が小説であることを確認したうえで書きました。設問数を「20 問」と書いた箇所は、この漢字 10 問を含まない数です。
- 出典の一覧に著者名の誤りがありました。2019 年度の説明文の著者は、一覧では別の字になっていましたが、原本には「稲垣栄洋」とふりがなつきで印刷されています。本文では原本の表記を採りました。
- 自動集計の一覧との食い違いを、原本を読んで直した箇所があります。とくに、算数の大問 2・大問 3 と理科の大問 1 は複数の単元にまたがる小問の集まりなのに、集計では先頭の小問の単元で大問全体が代表されていました。そのため「年によって大問の単元が変わる」ように見えていましたが、原本では大問 2・3 は 3 年とも小問の集まりです。この節と 8 節は原本を読んで書き直したものを載せています。
- 図そのものは転写されません。図形問題・グラフ問題の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果はこのページでは扱っていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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