日出学園中学校 の過去問分析

日出学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

日出学園中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・一般入試 Ⅰ 期相当・4 科目)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 千葉県市川市
男女 共学
入試回と日程・科目 推薦 12 月 1 日(国語・算数+作文)/一般入試 Ⅰ 期 1 月 20 日・Ⅱ 期 1 月 23 日(2 科〈国語・算数〉と 4 科の選択制。Ⅰ 期と Ⅱ 期は同じ構成)(2027 年度募集要項)
試験時間・配点 一般入試は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 25 分 50 点・理科 25 分 50 点。推薦入試は国語 30 分 30 点・算数 30 分 30 点・作文 40 分 40 点(400 字以内)
面接 推薦・一般ともすべての回に、受験生のみのグループ面接(約 10 分)があります
同名の別校に注意 このページは千葉県市川市の日出学園中学校(共学)についてのものです。東京の日出中学校(現・目黒日本大学中学校)とは別の学校です

いまの小 6 は 2027 年 1 月(推薦は 2026 年 12 月)、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 算数と国語は座席(問題の置き場所)が決まっていて、同じ種類の問題が毎年同じ大問番号に出ます。算数の大問 1 が四則計算 5 問なのは 2010〜2025 の 16 年連続です。
  2. 理科と社会は毎年作り直されます。理科は生物・化学・物理・地学が 1 題ずつという配分だけが決まっていて、どの分野が何番に来るかは年ごとに入れ替わります。社会には座席が無く、時事を入口にした長い文章 1 本に地理・歴史・公民をすべてぶら下げます。
  3. 理科と社会は各 25 分・50 点です。1 問にかけられる時間が国語・算数の半分しかないので、知識が即答できる状態かどうかがそのまま点差になります。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算 5 問)を毎日 5 分やります。ここは 16 年連続の座席で、確実に取れる最大の枠です。
  2. 算数の大問 2 に来る一行題(数行で終わる短い文章題)を、9 単元で総ざらいします。
  3. 国語の漢字 10 問を毎日やり、抜き出しは字数指定を見た瞬間に探しにいく練習をします。

今週やる 1 つ

  1. 算数の大問 1 だけを 3 年分(2023・2024・2025)続けて解き、「共通因数でくくって暗算に落とす」形の 1 問が処理できる状態か確かめます。

注意

  1. 資料の冊子には入試回の表記が無く、ここに書いたことが Ⅰ 期・Ⅱ 期のどちらのものかは分かりません。国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びと小問数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 3 年(2023・2024・2025) 13 年 16 年(2010〜2025) 高。資料のある 16 年すべてが「大問 6・小問 25 前後」
理科 3 年(2023・2024・2025) 11 年 14 年(2010〜2025 のうち 2011・2013 を除く) 中。図表が多く、図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含む
社会 3 年(2023・2024・2025) 11 年 14 年(2010〜2025 のうち 2011・2012 を除く) 高。記述の設問文まで読める
国語 3 年(2015・2017・2018) 2 年 5 年(2010・2011・2015・2017・2018) 高。ただし 2019 年度以降は問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)

5. 一番大きな結論

日出学園は「算数と国語は座席が決まっていて、理科と社会は毎年作り直す」学校です。

座席が決まっているというのは、同じ種類の問題が同じ大問番号に出るという意味です(同じ問題が出るという意味ではありません)。

したがって過去問の使い方は科目で分かれます(回し方の手順は 過去問の使い方)。

科目 過去問の使い方
算数 同じ座席を縦に。大問 1 を 16 年分、大問 2 を 3 年分…と横断して解くと、その座席で問われる技術が一気に見える
国語 同じ座席を縦に+時間の使い方を身につける。31 問 50 分の配分を体に入れる
理科 4 分野をひととおり学び終える。座席狙いは効かない
社会 時事を 3 分野に翻訳する練習。過去問は「作り方を知る」ために使い、中身は毎年新しい

「出る問題を覚える」という使い方は、この学校ではどの科目でも効きません。大問 1 以外に「3 年以上同じ単元が同じ位置に居座る」座席が無いからです。

科目ごとに競技が違います。算数・理科は「速く正確に処理する」試験、国語と社会は「読んだうえで自分の言葉を出す」試験です。とくに国語の「俳句を作る」「先入観の体験を 150 字で」、社会の「あなたの身の回りのバリアフリー」「SDGs のどれを優先すべきか」は、模範解答の暗記では届きません。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は 11 節の学年別ロードマップを参照してください。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問を全取りにする — 16 年連続の座席です。とくに「共通因数でくくって暗算に落とす」形の 1 問(2024 の 3.14 まとめ、2025 の 15.3/1.53/3.06)は毎年あります。100 点満点のうち確実に取れる最大の枠です。(確認: 〜2025 年度)
  2. [週末 60 分] 算数・大問 2 の一行題を 9 単元で総ざらい — 食塩水(蒸発・混合・加水)は 3 年連続で出ています。割合・場合の数・平均と資料・数の性質・速さ・規則性を各 3 パターンずつ。過去問 3 年分の大問 2 だけを縦に解くと 24 問になります。(確認: 〜2025 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・大問 3〜6 を座席ごとに縦に — 大問 3 の図形小問は平面と立体を交互に(長方形の折り返しは 2023・2025、回転体は 2023・2025、展開図からの復元は 2023・2024 と、3 年で 2 回以上出ています)。大問 4・5 の速さは「グラフを読む」と「文章から比を立てる」の両方を(ダイヤグラムのすれちがい 2025、途中停止つきのグラフ 2024、過不足からの逆算 2023)。大問 6 の誘導穴埋めは 3 年分を縦に解き、初見の設定を読んで示された手順に乗る練習を。自力で発想する必要はなく、書いてあるとおりに 1 段ずつ埋めるのが正解ルートです。あわせて長い会話から数値条件だけを抜き出して表に整理する練習(国語の読解とつながる部分)と、方眼への作図を 2023 で一度体験しておきます。(確認: 〜2025 年度)
  4. [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と、抜き出しを字数指定で機械的に — 漢字は最後の大問に必ずある独立ブロックで、カタカナ→漢字が中心、対義語と読みが混ざる年があります。「理想⇔現実」のような基本の対義語もセットで。抜き出しは毎年 4〜6 問。「十五字で」「十字以内で」を見た瞬間に該当箇所を探しにいく訓練が、そのまま安定した得点源になります。(確認: 〜2018 年度)
  5. [週 1 回] 国語・かかり受けと 5 択の消去法、大人語彙 — かかり受け(どの語句に直接かかるか)は 3 年連続で大問 1 に 1 問あり、文節どうしの係り受けは学校の授業だけでは薄いので専用の練習が要ります。5 択は選択肢が長いので、本文と食い違う 1 語を探して切る読み方を。語句の意味は文脈から推す練習を積み、「逡巡」「怪訝」「ご足労」「流暢」「当面」「統率」のような大人語彙が 2 つセットで問われるので語彙集を 1 冊。俳句・短歌の基礎(季語・有名な句・作者)も最低限そろえます(2 年に 1 度は顔を出します)。知識パズル(画数・四字熟語の組み合わせ)は配点 1 問ぶんなので、詰まったら飛ばして最後に戻ります。(確認: 〜2018 年度)
  6. [週末 60 分] 理科・水溶液の計算を軸に、4 分野を均等に — 濃度(2025)・溶解度と再結晶(2024)・金属と塩酸の量的関係(2023)が 3 年連続で大問になっていて、「表やグラフの 1 点から比例式を立てる」の一本軸で全部つながります。2 軸グラフ(気温と降水量)、折れ線が途中で水平になるグラフ(水素の発生が止まる点)、溶解度曲線は、「折れ曲がる点は何を意味するか」を言葉にできるところまで。理科の計算問題はほぼ算数の比・割合なので、%・比・単位換算(mm と L、g と %、秒速と分速)を理科の文脈で反復します。天体は「回転角度=時間」の換算を確実に(星は 1 時間で 15 度。2024 の 60 度回転=4 時間後)、金星の満ち欠けは位置関係の図から。器具の名前と使い方(水上置換の集気びん、上皿てんびん、電流計の−端子の選び方、オシロスコープ)は毎年 1〜2 問あるので図で覚えます。経口補水液・台風のニュース・再生可能エネルギーのような生活寄りの導入文も読み飛ばさないこと。得意分野を伸ばすより、苦手分野を「大問 1 つ解ききれる」水準に上げるほうが点になります。(確認: 〜2025 年度)
  7. [週 1 回] 社会・前年のニュースを 3 分野に翻訳し、統計と記述を固める — 3 年とも導入文が時事でした。「万博 → 大阪の地理・過去の万博・近代化」「新紙幣 → 描かれた人物の時代・日本銀行・貨幣の歴史」のように、ニュース 1 本から地理・歴史・公民へ枝を伸ばす練習が、そのまま入試の構造になっています。都道府県の同定は形・雨温図・農産物の生産上位の 3 通りで(3 年連続で出ている最も確実な得点源)、農林水産の統計は「品目 → 上位 4 道府県」で覚えます(レタス・コメ・オリーブ・ウナギ・ブルーベリー・切り花と、やや珍しい品目も出ます)。歴史は時代順の並べかえで仕上げ、法隆寺・金閣・銀閣・原爆ドームなどは写真を見て名前が出る状態に。憲法と三権分立は条文レベルまで(憲法改正の手続き 2023、三審制と裁判員制度 2024、大日本帝国憲法と日本国憲法の違い 2025)。記述は毎年 2〜5 問で、25 分しかないので「1 文+理由」で 40〜60 字を目安に、「〜するため。」「〜という問題が起こる。」で切ります。(確認: 〜2025 年度)
  8. [週 1 回] 国語と社会の「自分の考えを書く」設問に慣れる — 国語は 150 字作文・俳句の自作・体験の記述で、日ごろから「読んだ本のテーマを自分の経験に引きつけて 3 文で話す」習慣が直接効きます。社会は SDGs・バリアフリー・情報技術と生活の変化のような身の回りの話題について、自分の言葉で 1〜2 文書く練習を。正解を当てにいくのではなく、理由を添えて言い切ります。空欄で出さないことが最優先です。(確認: 国語 〜2018 年度・社会 〜2025 年度)

8. 科目別の詳細

家でやることは 7 節に一本化してあります。この節はその根拠です。まず 4 科目を並べて見ます。

科目 形式の固定度 中身の性格 最優先で時間をかける価値があること
算数 非常に高い。大問 6・小問 26〜28・50 分・答えのみ(16 年不変) 前半 3 大問が処理、後半 3 大問が思考の二層。単元は毎年入れ替わるが、食塩水・割合・場合の数・平均/資料・速さ・立体・角度・規則性・数の性質の 9 単元は毎年どこかに出る 大問 2 の一行題を単元別に総ざらい。ここが最大のブロック
国語 高い。大問 3〜4・小問 31・50 分(精読した 3 年で一致) 小説+説明文+漢字 10 問+知識パズル。抜き出しと 5 択が主軸で、自分の言葉で作る設問が毎年 1〜2 問 抜き出しの精度とかかり受け。加えて 150 字作文への備え
理科 高い。大問 4・小問 21〜25・25 分 生物・化学・物理・地学が 1 題ずつ。図表が主役で、計算が毎年 5〜8 問。記述はほぼ無い 水溶液の計算(濃度・溶解度・金属と塩酸)とグラフの読み取り
社会 低い。大問 1〜2・小問 18〜25・25 分 時事を入口にした長文総合。記述が毎年 2〜5 問で、正解が一つでない設問を含む 前年のニュースを地理・歴史・公民に翻訳する習慣と 1〜2 文の記述

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 26〜28)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6 小問計
2023 計算 5 問 小問集合 7 問(集合・仕事算・柱状グラフ・場合の数・
割合・四捨五入・食塩水)
図形小問 4 問(回転体/正六角形と正三角形の角度/
展開図の体積/長方形の折り返し)
点 P の移動と面積のグラフ(作図つき) 速さ(自転車で駅へ・時速 8km と 12km の過不足) 方眼上に面積が整数の正方形をかく(先生の出題を追う・作図つき) 28
2024 計算 5 問 小問集合 8 問(部分分数・食塩水・割合・場合の数・
平均算・つるかめ算・度数分布表 2 問)
図形小問 4 問(おうぎ形の中心角/展開図の体積/
紙飛行機の折り目の角度/階段状立体の表面積)
売買損益(文化祭のジュース販売・生徒の会話文) 速さとグラフ(家→公園→図書館・兄が追いかける) 数の性質(ABCD×4=DCBA を誘導穴埋めで解く) 28
2025 計算 5 問 小問集合 9 問(逆算〈□にあてはまる数を求める計算〉・割合・食塩水・速さ・
場合の数・数の性質・平均算・割合・歯車の規則性)
図形小問 5 問(長方形の折り返しの角度/正方形に内接する円/
回転体/正六角形の敷きつめ/積み木の投影)
速さとグラフ(ひので列車とひよかっぱ列車のすれちがい) 規則性(正三角形の辺を 3 等分してとがらせる操作のくり返し) 推理・論理(円の 9 か所に 1〜9 を入れる・3 人の会話文つき) 26

表に出てくるつるかめ算・部分分数・完全順列・売買損益などの中身は 用語集 にあります。大問 1 が「計算 5 問」なのは 2010〜2025 の 16 年すべてで変わりません。大問数 6 も 16 年不変です。

一番のポイント: 座席が決まっている

同じ種類の問題が毎年同じ大問番号に出ます(同じ問題が出るという意味ではありません。単元と役割の並びが固定されているということです)。

座席 何が来るか 確認した範囲
大問 1 四則計算 5 問 2010〜2025 の 16 年連続(設問文を読んだのは 2023〜2025)
大問 2 一行題の小問集合 7〜9 問(□にあてはまる数を答える形) 2023〜2025 の 3 年連続で確認
大問 3 図形だけの小問集合 4〜5 問(平面と立体を混ぜる) 2023〜2025 の 3 年連続で確認
大問 4・5 長文の大問 2 つ。うち 1 つは必ず速さ(グラフ・ダイヤ読解を含む) 2023〜2025 の 3 年連続で確認
大問 6 誘導つきの思考問題(規則発見・数の性質・推理)。会話文や「先生が出した問題」の形で段階的に導く 2023〜2025 の 3 年連続で確認

つまり前半(大問 1〜3)の 16〜19 問は「速く正確に処理する」区画、後半(大問 4〜6)の 8〜10 問は「読んで考える」区画という二層構造が固定されています。50 分でこの配分を回す練習が、そのまま得点戦略になります。

一方で中身は毎年入れ替わります。資料のある 16 年分の並びを見ると、大問 2 以降に置かれる単元は逆算・割合・資料・角度・立体・速さのグラフ・規則性・論理と年ごとに差し替わり、大問 1 以外に「3 年以上同じ単元が同じ位置に居座る」座席はありません。過去問を「出る問題を覚える」ために使うのは向きません。

頻出単元と周期

精読した 3 年(2023〜2025)で、大問 2 の小問集合まで含めて数えると次のようになります。

単元 3 年での出現 中身
四則計算(大問 1) 3/3・16 年連続 (1) 小数、(2)〜(3) 分数の和や分配法則、(4) くくり出しで暗算にする式、(5) かっこが三重の帯分数。2024(2) は 3.14×0.7−6.28×0.1+3.14×0.5、2025(4) は 15.3×14−1.53×100+3.06×3 で、どちらも「共通因数でまとめる」1 手が要る
食塩水の濃度 3/3(2023 大問 2(7)・2024 大問 2(2)・2025 大問 2(3)) 蒸発・混合・加水の 3 パターンが 1 年ずつ。毎年 1 問と考えてよい
割合と比/場合の数/平均・資料の読み取り 各 3/3 増減率と単位のからむ割合(2023 の 15% 増、2025 の「□km の 15% は 630m」)、数字カードの並べかえ(2023・2024)とプレゼント交換の完全順列(2025)、柱状グラフ(2023)・度数分布表(2024・2 問)・得点表の欠測値(2025)
速さ(グラフつきを含む) 3/3・大問で 2 つ使う年も 過不足からの逆算(2023 大問 5)、途中で止まるグラフ(2024 大問 5)、列車 2 本のすれちがい(2025 大問 4)、点 P の移動と面積(2023 大問 4)
立体図形(体積・表面積・回転体) 3/3 展開図から復元(2023・2024)、回転体(2023・2025)、積み木の投影(2025)、階段状立体の表面積(2024)
角度(折り返し・多角形) 3/3 長方形の折り返し(2023 大問 3(4)・2025 大問 3(1))、正六角形と正三角形(2023)、紙飛行機の折り目(2024)
規則性・数列 3/3 部分分数(2024)、歯車(2025 大問 2(9))、正三角形の操作のくり返し(2025 大問 5)、方眼正方形の並び(2023 大問 6)
数の性質 3/3 割った余りの条件(2025)、四捨五入からの範囲(2023)、覆面算 ABCD×4=DCBA(2024 大問 6)
推理・論理 1/3(2025 大問 6) 16 年の並びでは 2017・2025 に大問で登場

精読した 3 年に限れば、食塩水・割合・場合の数・平均/資料・速さ・立体・角度・規則性・数の性質の 9 単元は毎年どこかに必ず顔を出します。大問 2 と大問 3 がこの 9 単元の受け皿になっているため、単元の取りこぼしがそのまま失点に直結する構造になっています。

どう問われるか


8-2. 理科(25 分・50 点・大問 4・小問 21〜25)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 小問計
2023 電熱線 3 本と水そうの温度上昇(発熱量の比・発電方法の比較・温室効果ガス)【物理】 アマナツの種子を実際に育てた話(発芽の条件・発芽率の計算・くきの断面・蒸散)【生物】 アルミニウムに塩酸を加えて出る水素の量(グラフの折れ曲がり)【化学】 鹿児島を通過した台風の観測記録(台風の目・飽和水蒸気量・風の吹き方)【地学】 21
2024 キャベツ→チョウの幼虫→スズメ→イタチの食物連鎖(あしの作図・完全変態・光合成とオゾン層)【生物】 もののとけかた(コーヒーシュガーの粒子の広がり・溶解度曲線から 3 物質を同定・
再結晶の重さ・結晶の形)【化学】
8 月の群馬で見た夏の大三角(星座名・日周運動・60 度回転=何時間後)【地学】 電流計の使い方と豆電球の明るさ(回路 A〜J の比較)【物理】 25
2025 経口補水液の成分表(濃度の計算・上皿てんびんの使い方・
厚労省の塩分基準値から何 L 飲めるか・2 液の混合)【化学】
プラネタリウムで学ぶ太陽系(恒星・惑星の数・宵の明星・
金星の満ち欠け・光の速さで何分)【地学】
音の性質(音の三要素と波形・気温 25℃ の音速・かみなりまでの距離・海の深さの測定)【物理】 メダカ(雌雄のひれ・受精卵の各部・水温とふ化日数・記述 1 問)【生物】 25

一番のポイント: 4 分野を 1 題ずつ、ただし順番は毎年入れ替わる

大問 4 題という枠は 2012〜2025 の 14 年間ずっと同じです(2010 のみ 6 題)。そして精読した 3 年はいずれも生物・化学・物理・地学が 1 題ずつという配分でした。ここが理科でいちばん確かな手がかりになります。

一方「どの分野が大問何番に来るか」は固定されていません。2023 は物理→生物→化学→地学、2024 は生物→化学→地学→物理、2025 は化学→地学→物理→生物。資料のある 14 年分の並びを見ても、同じ単元が同じ大問番号に 3 年以上続いた例はありません。理科は毎年作り直される科目と考えるのが正しいところです。

したがって理科の対策は「大問 3 は天体だから天体を厚く」という座席狙いでは組めません。4 分野を穴なく仕上げるしかありません。裏を返せば、どの分野も切り捨てられない代わりに、どの分野も 1 題ぶんの深さで済みます。

頻出単元と周期

分野 3 年での中身 14 年の並びで見えること
化学 金属と塩酸の反応(2023)・溶解度と再結晶(2024)・濃度(2025) 溶解度/濃度/金属と水溶液/中和が回っている。水溶液の計算はほぼ毎年(2019・2021・2023・2024・2025)
地学 台風と気象(2023)・星座の日周運動(2024)・太陽系と金星(2025) 天体(月・星・惑星)と気象・流水・地層が交代。天体は 2024・2025 の 2 年連続
物理 電熱線と発熱量(2023)・電気回路(2024)・音(2025) 電気が 2 年連続(2023・2024)。てこ・滑車・ばね・浮力の力学は 2020・2021 以降、大問では 4〜5 年出ていない
生物 植物のつくり(2023)・食物連鎖とこん虫(2024)・メダカの誕生(2025) 種子の発芽・花のつくり・こん虫・人体・動物の誕生が循環。人体は 2022 が最後で 3 年出ていない

どう問われるか


8-3. 社会(25 分・50 点・大問 1〜2・小問 18〜25)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 小問計 記述
2023 新紙幣の導入をめぐる先生と生徒の会話(ユニバーサルデザイン→渋沢栄一・津田梅子→
日本銀行→太政官札→江戸の貨幣改鋳→和同開珎→地域通貨)
2022 年 7 月の参議院議員通常選挙(公約・一票の格差・成年年齢 18 歳・
憲法改正手続き→高知の促成栽培→都道府県の同定→雨温図→産業別就業者の推移)
25 5 問
2024 宮沢賢治没後 90 年の自由研究「文学作品とその舞台」(都道府県の形→雨温図→
レタス・コメ・オリーブの生産統計→三審制と裁判員制度→バリアフリー)
関東大震災から 100 年(大正時代のできごと→世界最古の木造建築→戦後の年代並べかえ→
ボランティア→平安の和歌→原爆ドーム→百姓一揆の連判状→江戸の法令 2 点の読解→鎌倉の位置)
20 3 問
2025 2025 年大阪・関西万博(万博の説明→新紙幣の女性 2 人→東京の農産物統計→SDGs→
面積の小さい都道府県→世界遺産→高度経済成長→ウナギの養殖→スマートフォンと社会の変化→
技術の伝来を時代順に→渋沢栄一と大阪紡績→薩摩・佐賀藩の出展→大日本帝国憲法→湯島聖堂と孔子→奈良の史跡)
(大問 1 のみ) 18 2 問

一番のポイント: 座席は無く、長い文章 1 本にすべてを詰める

社会には固定された座席がありません。大問数は資料のある 14 年で 1〜5 と動き、2025 は大問 1 つだけでした。「大問 1 は地理、大問 2 は歴史」といった分野別の枠組みもありません。この科目は毎年作り直されます。

そのかわり、器のつくりかたは 3 年とも同じです。

  1. 前年〜当年の話題を入口にした長い導入文(2023 新紙幣、2024 関東大震災 100 年と宮沢賢治没後 90 年、2025 大阪・関西万博)を置く。
  2. その文章に下線と空欄を 15〜20 か所つける。
  3. 下線部ごとに地理・歴史・公民のどこへでも飛ぶ。2023 の大問 1 は新紙幣の話から飛鳥時代の和同開珎まで、2025 の大問 1 は万博から大日本帝国憲法・孔子・奈良の都まで飛びます。

つまり読者にとっての実務的な意味はこうなります。「地理の大問」「歴史の大問」という単位で対策すると空振りします。一つの長文の中で 1 問ずつ分野が切り替わるので、切り替えの速さと、どの分野も即答できる知識の均等さが問われます。

頻出単元と周期(精読した 3 年)

単元 3 年での出現 中身
時事を入口にする導入文 3/3 新紙幣・関東大震災 100 年・大阪関西万博。いずれも受験年の前年か当年の話題
都道府県の同定 3/3 表からの推定(2023)、形(2024)、面積順位と世界遺産の所在地(2025)
農業・水産の統計 3/3 高知の促成栽培(2023)、レタス・コメ・オリーブの生産上位 4 道府県(2024)、東京の農産物とウナギ養殖(2025)
雨温図 2/3 千葉市・長野市・岡山市・那覇市(2023)、4 都道府県の県庁所在地(2024)
歴史(古代・近世・近代を毎年横断) 3/3 古代は律令制と和同開珎(2023)・法隆寺と和歌(2024)・奈良の都(2025)、近世は貨幣改鋳(2023)・百姓一揆の連判状と享保の改革(2024)・湯島聖堂(2025)、近代は津田梅子と渋沢栄一(2023)・大正時代(2024)・大日本帝国憲法(2025)
憲法・人権・三権分立 3/3 憲法改正手続き・一票の格差(2023)、三審制と裁判員制度・バリアフリー(2024)、大日本帝国憲法(2025)
統計グラフの読み取り 3/3 産業別就業者の推移(2023)、生産量の帯グラフ(2024)、面積・生産量の順位表(2025)
国際・SDGs 2/3 ユニバーサルデザイン(2023)、SDGs の 17 目標(2025)

地理・歴史・公民の 3 分野が毎年すべて出ます。歴史は古代・中世・近世・近代・現代を横断し、1 つの時代に固まりません。

どう問われるか


8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3〜4・小問 31。2010〜2018 の 5 年分のみ)

国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2011・2015・2017・2018 の 5 年度に限った話で、そのうち設問文まで読んだのは 2015・2017・2018 の 3 年です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 小問計
2015 小説(吹奏楽部・作詞をめぐる部員たち)11 問相当 説明文(鈴木信一『書く力は、読む力』・短歌と俳句の「読み」をめぐって)11 問 漢字 10 問(カタカナ→漢字 8・読み 2) 31
2017 小説(石原慎太郎『弟』・弟の自転車事故)11 問 随筆(塩田丸男『人生は「道連れ」』・俳句と芭蕉)9 問 漢字パズル(画数を指定して部分を取り出し二字熟語を作り短文にする)1 問 漢字 10 問(カタカナ→漢字) 31
2018 小説(伊坂幸太郎『逆ソクラテス』・先生の先入観をくつがえす「絵画作戦」)11 問 説明文(語彙力向上研究会『できる人の語彙力が身につく本』)9 問 四字熟語パズル(空欄の漢字を組み合わせる)1 問 漢字 10 問(カタカナ→漢字 8・対義語 2) 31

3 年とも小問がちょうど 31 問です。

一番のポイント: 座席が細かいところまで決まっている

算数と並んで、国語は同じ種類の設問が同じ位置に来ます。

座席 何が来るか 確認した範囲
大問 1 小説・物語の読解 11 問 2015・2017・2018 の 3 年連続
大問 2 説明文・随筆の読解 9〜11 問 3 年連続
最後の大問 漢字 10 問(カタカナ→漢字が中心) 3 年連続。2010〜2018 の 5 年すべてで漢字の独立大問がある
最後から 2 番目 知識パズル(画数の組み合わせ・四字熟語) 2017・2018 の 2 年連続。2015 には無い

読解大問の中の位置まで決まっています。

同じ設問が出るわけではありませんが、「どこで何を聞かれるか」が読む前から分かるという意味で、過去問演習の効き目が大きい科目です。

頻出と、どう問われるか

要素 3 年での出現 中身
漢字の書き取り 3/3・10 問 カタカナ→漢字が 8〜10。軽快・特異・従順・牧羊・転居・臨時・朗読・留守・花粉・害虫・もけい(模けい)・手品・採血・専念・提出・親切・会心・夕飯・際限・異変・均等・快挙。小学校で習う範囲だが熟語がやや大人向け
対義語・読み 2/3 2018 は「理想⇔( )」「義務⇔( )」、2015 は「悪気」「湯気」の読み
知識パズル 2/3 画数を指定して漢字の部分を取り出す(2017)、空欄の漢字を集めて四字熟語にする(2018)。知識というより頭の体操
抜き出し(字数指定つき) 3/3・毎年 4〜6 問 「十五字でぬき出しなさい」「十字以内で」「五字以内で」「一文をぬき出しなさい」
記号選択(ア〜オの 5 択) 3/3・毎年 8〜13 問 心情・理由・内容の説明。選択肢が長く、細部の違いで切る
かかり受け・文法 3/3 「直接どの語句にかかりますか」。ほかに「ような」の用法の識別(2015)、「本」「潮流」の語義の識別(2015・2018)
短い記述 2/3 15 字以内・20 字以内(2018 大問 1 問 6・問 7)、原因を答える(2017 大問 1 問 4)
自分で作る設問 3/3 後述。この学校の看板
俳句・短歌 2/3 正岡子規「柿くへば…」の空欄補充(2015)、芭蕉の句を選ぶ・俳句を自作する(2017)
古文・漢文 0/3 精読した 3 年では出ていない

この学校らしい「自分で作る」設問

精読した 3 年すべてに、本文の読解を土台にして自分の言葉で何かを作らせる設問が入っています。

いずれも模範解答が一つに決まりません。本文のテーマ(読みの多様性・俳句・先入観・語彙力)を自分の経験に引き寄せて書くという一貫した設計になっています。読解の点だけでなく「読んだあとに自分で言葉にできるか」を見にきています。

出典は小説と説明文・随筆の組み合わせで、5 年分で確認できたのは加藤純子『モーツァルトの伝記』・大竹三郎『火ははたらく』(2010)、大江健三郎『三百年の子供』(2011)、鈴木信一『書く力は、読む力』(2015)、石原慎太郎『弟』・塩田丸男『人生は「道連れ」』(2017)、伊坂幸太郎『逆ソクラテス』・語彙力向上研究会『できる人の語彙力が身につく本』(2018)です。言葉そのものを主題にした本(書く力・語彙力・俳句)が説明文側に繰り返し選ばれています。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

資料のある年の並びで、しばらく大問に来ていない単元を科目別に挙げます。「出たら解ける」水準を保っておけば十分で、時間をかけすぎる必要はありません。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度です。

単元 出ていた年 最終確認年度 中身
理科・力学(てこ・滑車・ばね・浮力) 2018・2020・2021 2021 年度 2018 は浮力、2020 は滑車。物理は 2023 熱・2024 電気・2025 音と続いており、次に力学が戻る余地がいちばん大きいところです
理科・人体 2019・2022 2022 年度 3 年、大問では出ていません
理科・地層と岩石 2022 2022 年度 3 年、大問では出ていません。天体が 2024・2025 と 2 年続いた後だけに、地学は地層側にも注意
理科・中和 2014・2017 2017 年度 8 年、大問では出ていません
算数・流水算(川を上り下りする速さ) 2012・2015 2015 年度 9〜11 年、大問では出ていません
算数・水量(容器と注水) 2011・2014 2014 年度 同上
算数・縮尺 2013・2016 2016 年度 同上
算数・約束記号(記号の意味をその場で決める計算) 2020 2020 年度 5 年出ていません
算数・図形の移動と転がり 2020 2020 年度 5 年出ていません
社会・地形図の読図 精読した 3 年では出ていない 地理は統計・雨温図・都道府県の同定が中心になっています
社会・工業地帯と貿易 2015 2015 年度 近年は産業構造の変化として触れられる程度です
国語・古文と漢文 資料のある 5 年で見あたらない 精読した 3 年でもゼロです

流水算・約束記号は受験用教材の単元で、学校の教科書には出てきません。


10. 形式面の注意


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

小 4(土台)

計算の正確さ・図形の入口・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。この学校で最終的に効くのは次の 3 つの入口になります。

時間を計るのはまだ先でよく、この学年で差がつくのは「計算を間違えない」ことだけです。

小 5(幅)

単元プールを一巡させる学年です。この学校の算数・理科は「毎年どこかに顔を出す単元」がはっきりしているので、そのリストを小 5 の一巡表として使えます。

週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の四則計算と国語の漢字・語彙を毎日(どちらも固定席で、小 4 からの続きです)。週末 60 分はその週の単元 1 つにあてます。

小 6(仕上げ)

7 節の 8 項目がこの学年の中身になります。加えて過去問の回し方を 2 系統に分けます。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか

小 5 の「単元の穴をなくす」段階です。算数の大問 2・3 と理科の 4 分野は、どちらも「広く浅く、ただし全部」を要求してきます。難問を 1 問解く力より、9 単元 × 4 分野のどこを聞かれても手が止まらない状態のほうが、この学校では直接点になります。小 4 から始められるなら、その余裕を小 5 での全分野の一巡にあてるのが最も無駄がありません。逆に、小 6 で集中的に時間をかける価値があるのは算数の大問 1・国語の漢字・国語のかかり受けといった「座席が決まっている枠」で、ここは短期間でも伸びます。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は扱いません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。


13. 資料の限界


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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