品川女子学院中等部 の過去問分析
品川女子学院中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
品川女子学院中等部 過去問分析(2015〜2025 年度・第 1 回・科目ごとに最新 3 年)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都品川区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前・第 2 回 2 月 2 日午前(どちらも 4 科)/第 1 回 算数 1 教科 2 月 1 日午後(算数のみ)/4 科目表現力・総合の入試 2 月 4 日午前(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点(4 科の回) | 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会と理科は合わせて 60 分で各 60 点 |
| 試験時間・配点(算数 1 教科) | 算数 60 分 100 点 |
| 試験時間・配点(表現力・総合) | 試験Ⅰ 50 分 40 点・試験Ⅱ 70 分 120 点 |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 社会は「大問 1 =地理 → 大問 2 =歴史 → 大問 3 =公民」という座席(問題の置き場所)が 3 年連続で、小問数まで 15 問・15〜16 問・7〜8 問とほぼ同じです。
- 国語も「大問 1 =漢字の書き取り 5 問 → 大問 2 =語句知識 5 問 → 大問 3 =説明文・随筆 → 大問 4 =小説」が精読した 3 年とも同じで、記述は 3 年とも 6 問ちょうどです。
- 算数は 2023 年度に構成が切り替わり、そこから 3 年連続で 4 大問 20 小問。理科だけは並び順が動きますが、物理・化学・生物・地学が毎年 1 題ずつという配分は 3 年とも崩れていません。
家でやること 3 つ
- 社会の雨温図(4 都市から 1 つ選ぶ形)と地形図・縮尺計算を、年度をまたいで集めて解きます。
- 算数の大問 1 の 4 問(四則計算 → 逆算 → 工夫して計算 → 筆算の空欄うめ)を 3 年分、枠ごとに縦に解きます。
- 国語の大問 2 の 5 問(慣用句 3・対義語・四字熟語)と、80 字以内の記述を毎日回します。
今週やる 1 つ
- 社会と理科を続けて 60 分で解き、65 問前後をどちらの科目から処理するかを決めます。
注意
- 参照した過去問データベースは 1 校 × 1 年 × 1 科目につき 1 冊しか収録しておらず、回の区別ができません。ここでの分析は 4 科の第 1 回に相当するものとして扱っています。国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(大問数と小問数だけ) | 14 年(2010〜2025) | 高。式は数式として転写されており、大問構成・小問の並びははっきり読めます。2023 年度に大問構成が変わっているため、直近の 3 年を精読しました |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 0 年 | 14 年(2010〜2025) | 高。図そのものは画像なので、図の細部(目もりの数値など)は読めません |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 0 年 | 16 年(2010〜2025) | 高。2023・2024 は転写の確度が高く、2025 は一部の小問で語句の乱れがあります(「ようにお菓子が」「様々ないきまり」など)が、設問の内容は読み取れます |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2018) | 0 年 | 6 年(2010・2011・2014・2015・2016・2018) | 高。ただし 2016 の大問 3 問 9 は設問文の途中で本文の引用に入れ替わっており、この 1 問だけ問い方が確認できませんでした |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料そのものの異常(別の学校の解答の混入、年度のずれ、同じ設問文の重複など)は、精読した 12 冊には見当たりませんでした。
- 算数だけは、精読した 3 年より前の年についても大問数と小問数を数えています(2022 年度以前は 6 大問 16〜22 小問。8-1 節)。ほかの科目は精読した年より外を開いていません。
- 入試回について: 参照した過去問データベースは 1 校 × 1 年 × 1 科目につき 1 冊しか収録しておらず、回の区別ができません。ここでの分析は 4 科の第 1 回(2 月 1 日午前)に相当するものとして扱っています。第 2 回、算数 1 教科入試、2 月 4 日の 4 科目表現力・総合の入試の傾向は、この資料からは分かりません(→ 13 節)。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2015・2016・2018 年度に限った話です。
- 設問別の配点は、どの科目・年度にも印刷されていません。ここで書く「比重」はすべて設問数ベースです。
- 試験時間と配点は学校が公表している 2027 年度の要項によるもので、1 節にまとめました。
5. 一番大きな結論
この学校は「同じ場所に同じ種類の問題が出る」学校です。「同じ問題が出る」わけではありません(題材は毎年新しく作られます)。しかし、何番にどんな種類の問題が座っているかは、精読した 3 年でほとんど動いていません。
- 社会が最もはっきりしています。大問 1 =地理(15 問)→ 大問 2 =歴史(15〜16 問)→ 大問 3 =公民(7〜8 問)が 3 年連続。歴史は 3 年とも「一つのテーマで原始から現代まで通す」作りです。さらに雨温図が 3 年連続、しかも「4 都市のうちどれか」を選ぶ同じ問い方で出ています。地形図・地図の読み取りも 3 年連続で、うち 2 回は縮尺の計算つきです。
- 国語も座席が固定しています。大問 1 =漢字の書き取り 5 問 → 大問 2 =語句知識 5 問 → 大問 3 =説明文・随筆 → 大問 4 =小説 が精読した 3 年(2015・2016・2018)とも同じ。大問 2 は中身の並び(慣用句 3・対義語・四字熟語)と但し書きの文言まで 3 年同じで、記述は 3 年とも 6 問ちょうどです。
- 算数は 2023 年度に構成が切り替わり、そこから 3 年連続で 4 大問 20 小問。大問 1 =計算 4 問(四則計算 → 逆算(□にあてはまる数を求める計算)→ 工夫して計算 → 筆算の空欄うめ)、大問 2 =一行問題(数行で終わる短い文章題)10 問、大問 3・大問 4 =各 3 小問の重い大問という並びで、大問 1 の導入文は 3 年同じ言い回しです。
- 理科だけは並びが動きます。ただし物理・化学・生物・地学が毎年 1 題ずつという配分は 3 年連続で崩れておらず、前半 2 題が軽く(5〜6 問)、後半 2 題が重い(7〜10 問)という重さの配分も 3 年同じです。
一方で「毎年作り直される」ものもはっきりしています。算数の大問 3・大問 4 の題材、理科の 4 題それぞれの単元、社会の大問 1・大問 2 のテーマ、国語の 2 題の文章です。ここは幅を持って準備するしかありません。
したがって過去問の使い方は、「時間の使い方を身につける」と「単元ごとの解き方を体に入れる」の二本立てが中心になります。「出る問題を覚える」に近いのは限られた枠だけで、そこは国語の大問 2、算数の大問 1、社会の雨温図と地形図の 3 か所です。この 3 か所は年度をまたいで縦に並べて解く価値があります(手順は 過去問の使い方)。逆に社会・理科は 60 分で 65 問前後を処理する試験なので、年度通しの時間計測を早めに始めたいところです。
6. この学校らしさが出る場所
- 台所と食べ物が実験室になります。 理科はラムネ作り(重そうとクエン酸・2024 大問 3)とパンケーキ(紫イモ水よう液で色が変わる・2025 大問 3)が化学の重い大問そのものになっています。算数も調理実習のスープの塩分濃度(2025 大問 4)。社会は「お菓子の歴史」で縄文クッキーからシュガーロード、くろがね羊羹、沖縄の黒砂糖まで通します(2025 大問 2)。身近な題材を入口にして、そこから理屈へ降りていく作りが 3 科目に共通しているように見えます。
- 自校が問題文に出てきます。2025 の理科 大問 4 は「品川女子学院高等部 1 年の S さんが、中学 3 年の修学旅行で友達になったニュージーランドの J さんと電話で夜空を見比べる」設定。2025 の社会 大問 3 問 5 は「北品川駅から本校への通学路は A・B の 2 通りが考えられるが、中学生は最短の B ではなく遠回りの A を通るきまりがある。それはなぜか」を資料から説明させます。
- 海外・国際が繰り返し出ます。算数の為替換算(2025 大問 2、ユーロとドル)、理科の南半球からの月と星の見え方(2025)、社会の訪日外国人・外国人労働者の国籍別グラフ・育成就労制度(2025)、国語の『世界の読者に伝えるということ』(2015)と『バッタを倒しにアフリカへ』(2018)。「日本の外から日本を見る」題材が 4 科目にまたがっているように見えます。
- 働くこと・社会に出ることが題材になります。育成就労制度と技能実習制度(2025 社会)、過疎地域の人口政策(2024 社会)、部品工場と組立工場の立地(2024 社会)、そして国語の説明文が 2 年とも「自分らしさ」「自分を構築する」という進路や自己形成の話(2015・2016)でした。
- 会話文で考えの筋道を追わせます。算数の 2024 大問 4(A さんと B さんが問題①②を一緒に考える)、2025 大問 4(調理実習の会話)、理科の 2025 大問 4(国際電話)。設問が「次に何を計算するか」を教えてくれない代わりに、会話がヒントになっています。
- 女子の学びの歴史に触れます。岩倉使節団に同行した 5 名の女子留学生と、明治以降の高等女学校・実業学校の生徒数の推移(2024 社会 大問 2 問 9)。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の道順は 11 節にあります。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数・大問 1 の 4 問を 3 年分、枠ごとに縦に — 「(1) 四則計算 →(2) 逆算 →(3) 工夫して計算 →(4) 筆算の空欄うめ」の並びが 3 年連続です。(3) は 2023 が共通因数のくくり出し(1.57)、2024 が分配法則、2025 が部分分数分解。(4) は 3 年とも筆算の一部が空欄になった数当てで、くり上がりの制約から絞ります。この 2 つは他校ではあまり練習しない技術なので、集めて解く価値がいちばん高いところです。あわせて、途中の計算や考えた過程を書けと指示される小問があるので、式に日本語の一言を添える書き方も身につけておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 2 の 10 問を時間を計って — 3 年連続で 10 問の一行問題です。1 問 1 分半を目安に。落としやすいのは場合の数・数の性質(約数の個数・最大公約数・素数)・角度です。答えの数値だけを □ に書く形式で部分点が出ないので、10 問を確実に取る精度が要ります。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 算数・数の性質と場合の数を厚く/会話文つきの重い大問に慣れる — 数の性質は 3 年とも大問 1 (4) と大問 2 に複数問入り、2023 は大問 4 まで数の性質でした。約数の個数・素数の性質・公約数と余り・覆面算をセットで。場合の数は 5 回対戦の勝敗(2023)・立体の辺をたどる道順(2024)・最短経路(2025)を 3 年分並べ、数え上げと組合せの使い分けを固めます。会話文つきの重い大問(2024 大問 4、2025 大問 4)は、文中の(ア)(イ)を追いながら計算する形式で、初見だと時間を食います。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科の計算を単元別に/化学は「表から比例、頭打ちで過不足」 — 音(2025)・浮力(2023)・気体の体積比例(2024)・地層の標高合わせ(2023)・天体の 1 時間 15°(2025)。理科を「暗記科目」として扱うと通用しません。化学は 3 年連続で「表やグラフの数値から比例をつかみ、頭打ちになる点で過不足を判断する」作り(2023 溶解度、2024 気体発生量、2025 は指示薬の色の変化)で、3 年分を続けて解けば同じ読み方の技術で通せます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科・条件を 1 つだけ変えた実験の読み方と実験器具の操作 — 2024 の花芽の実験 1〜7、2025 のメダカの水温 3 条件。「この 2 つを比べると何が確かめられるか」を口に出して言えるところまで、植物・動物・水よう液で練習します。実験器具の操作は 3 年連続で入ります(2023 ろ過のまちがい 2 つ、2024 水上置換法の利点と別の集め方、2025 けんび鏡の手順とプレパラートの動かし方)。名前だけでなく「なぜその手順か」を 1 文で言えるように。理由記述は 35〜50 字で、指定語句がある前提で語句を先に置いて文を組みます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 社会・雨温図と地形図・縮尺計算 — 雨温図は 2023(静岡市)・2024(盛岡・新潟・岡山・高知)・2025(大阪市)と 3 年連続、問い方まで同じです。日本海側・太平洋側・瀬戸内・内陸・南西諸島の 5 分類を代表都市とセットで覚えれば、毎年ここで 1 問取れます。地形図・地図の読み取りも 3 年連続で、縮尺の計算は 3 年で 2 回(2023「3.5cm は実際に何 m か」、2024「一辺 3cm の正方形は実際に何 km² か」)。地図記号・等高線・扇状地や三角州などの地形名も一緒に押さえます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・通史/憲法条文/記述/前年のニュース — 大問 2 は毎年テーマで縄文から戦後まで走ります(2023 武士、2024 子ども、2025 お菓子)。江戸時代の比重が 3 年とも大きいので、年表を「できごと → 人物 → 制度」で縦に一本にしておきます。憲法は 30 条(納税)・41 条(国会)・84 条(租税法律主義)・3 条(国事行為)・32 条(裁判を受ける権利)が実際に出ていて、「公共の福祉」「新しい人権」も自分の言葉で説明できるように。記述は「資料から読み取れること → だからこうなる」の 2〜3 文で、字数指定がないぶん資料の数値を 1 つ引用して根拠にする書き方が安定します。前年 1 年のニュースは「何をする役所か」「何が変わったか」で押さえ、4 つの文をすべて判定してから「間違っているもの」を選ぶ癖もつけます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・大問 2 の 5 問と 80 字以内の記述 — 大問 2(慣用句 3・対義語・四字熟語)は 3 年とも同じ並びで但し書きも同文、慣用句は動物の名前と体の部位が空欄になる形が中心です。(4)(5) は漢字指定なのでひらがなでは点になりません。記述は 3 年とも 6 問で全体の 21%。「傍線部の言いかえ+理由」を 2 文で 80 字に収める形を作り、60 字・70 字・50 字はその圧縮として練習します。文末を指定する記述(「〜ことが必要。」「〜という考え」)は着地から逆算して書き、抜き出しは字数ちょうどで探す・一文の初めの 5 字(7 字)を答える形に慣れておきます。漢字は書き取り中心に、訓読みの送り仮名まで。(確認: 〜2018 年度)
年度通しの時間計測(とくに社会と理科の 60 分セット)は、11 節の小 6 の段にまとめました。国語の 2019 年度以降の形式は、市販の過去問集で必ず確認してください(→ 13 節)。
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(第 1 回・50 分・100 点・大問 4・小問 20)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(計算 4 問) | 大問 2(一行問題 10 問) | 大問 3(3 問) | 大問 4(3 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 四則計算/逆算/工夫して計算(1.57 をくくり出す)/筆算の空欄うめ | 単位換算(L・mL・dL) つるかめ算 平均算 角度 割合 積と和から 2 数 約数の個数が奇数 場合の数(5 回対戦の勝敗) 速さ(分速 72m と 80m) 和差算 |
立方体の 8 つの頂点から小立方体を切り取った立体(体積・表面積・辺の長さの合計) | 素数(2 桁の素数 AB と逆に並べた BA がともに素数) |
| 2024 | 四則計算/逆算/工夫して計算(分配法則)/筆算の覆面算(A〜E) | 三口の比 過不足算 速さ(徒歩 45 分と自転車 12 分) 最大公約数と余り 売買損益 つるかめ算(コインの加点減点) 和差算(3 人の所持金) 場合の数(立体の辺をたどる道順) 資料の読み取り(機器の利用調査) 円とおうぎ形(半円と正三角形の重なり) |
分数を書いたカードを段状に並べる規則性 | 正方形の中の正方形(A さんと B さんの会話文の空欄うめ・面積) |
| 2025 | 四則計算/逆算/工夫して計算(部分分数の和)/筆算の空欄うめ | 帯分数と単位分数 為替(1 ドル 152 円・1 ユーロ 171 円) 双子素数 概数(四捨五入して 10 になる数) 規則性(分数の数列) 場合の数(最短経路) 割合(女子が全体の 55%) 速さ(円形コースの追いつき) 角度 回転体の表面積 |
平行四辺形と辺の比(FG:GC、FG:GH:HC) | 食塩水(調理実習のスープ・会話文) |
表に出てくるつるかめ算(個数を合計から逆算)・過不足算(配り方を変えたときの余りと不足から数を求める)・和差算(和と差から 2 数を求める)・平均算・売買損益は、いずれも受験用教材の単元です。中身は 用語集 にあります。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は 3 年連続で「(1) 四則計算 →(2) 逆算 →(3) 工夫して計算 →(4) 筆算の空欄うめ」の 4 問です。導入文「次の問いに答えなさい。(1), (2) は計算の過程もかきなさい。」は 2023・2024・2025 で同じ言い回しを確認しました。(3) は毎年「そのまま計算すると大変だが、くくり出し・分配法則・部分分数で一瞬になる」問題。(4) は毎年、筆算の一部が空欄(またはアルファベット)になった数当てで、これが 3 年続いています。
- 大問 2 は 3 年連続で 10 問の一行問題です。導入文「次の □ にあてはまる数を答えなさい。」も 3 年同文。10 問の中身は毎年入れ替わりますが、場合の数が 3 年連続(2023 (8)・2024 (8)・2025 (6))、速さが 3 年連続(2023 (9)・2024 (3)・2025 (8))、数の性質が 3 年連続で複数問(2023 は積と和・約数の個数、2024 は最大公約数、2025 は双子素数)入ります。割合・比の系統も 3 年とも複数問あります。
- 大問 3・大問 4 はどちらも 3 小問で 3 年連続。ここは題材が毎年作り直される枠で、2023 は立体求積+数の性質、2024 は規則性+平面図形、2025 は平面図形+食塩水。前半 2 問で誘導し、(3) で一段深いことを聞く並びは 3 年とも共通です。
- 資料全体の大問数を見ると、2022 年度以前は 6 大問 16〜22 小問、2023 年度から 4 大問 20 小問に変わっています(精読したのは 2023 年度以降の 3 年なので、切り替わりの中身は 2023〜2025 の形でしか語れません)。演習には 2023 年度以降を優先し、2022 年度以前は単元の素材として使うのが実際的です。
問い方の特徴
- 大問 1 (3) の「工夫して計算」は 3 年とも別の技術を要求します。2023 は共通因数 1.57 のくくり出し、2024 は 4 と 1.16 の分配法則、2025 は 1/(1×2)+1/(2×3)+… の部分分数分解。この 3 種類は繰り返し出る道具なので、ひととおり手に入れておきたいところです。
- 大問 1 (4) の筆算うめは、かけ算・たし算の筆算の途中に空欄があり、「ア・イ・ウに入る数字を答えなさい」と位ごとに聞きます。くり上がりの制約から絞る考え方が毎年同じです。
- 大問 2 は「答えの数値だけを □ に書く」形式なので、途中の書き方は問われません。逆に部分点が期待できないので、10 問を確実に取る精度が要ります。
- 大問 3・4 の (2)(3) には「解答用紙に途中の計算や考えた過程をかきなさい」が付く年があります(2025 は大問 3 (2)、大問 4 (2)(3) の 3 か所)。同じ言い回しは資料上 2015・2016・2021・2022・2025 に現れており、「答えだけ」と「過程も書く」の混在は長く続いている作りと見てよさそうです。
- 2024 の大問 4、2025 の大問 4 は会話文の中の空欄をうめていく形です。人物のやりとりを読み、次に何を計算すべきかを自分で決めます。読解量のある算数に慣れておく必要があります。
8-2. 理科(第 1 回・社会と合わせて 60 分・60 点・大問 4・小問 25〜28)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 化学・食塩の溶解度と濃さ(スプーンで 5g ずつ加える/ろ過の誤り 2 つ)6 問 | 地学・4 地点のがけの地層と火山灰の層(標高でそろえる)6 問 | 物理・浮力(アルキメデスの原理・ばねばかりと台ばかり)8 問 | 生物・アユの一生となわばり(体外受精/なわばりの利益と労力のグラフ)8 問 |
| 2024 | 地学・南の空の 1 等星と夏の大三角(等級と明るさ・1 か月前の時刻)6 問 | 物理・光(反射の作図・鏡に映る位置・屈折・水中のものさし)5 問 | 化学・ラムネ作り(重そうとクエン酸・気体発生量のグラフ作図・過不足)7 問 | 生物・花芽と夜の長さ(子葉の枚数・茎の断面と師部・実験 1〜7 の条件比較)7 問 |
| 2025 | 物理・音(空気中 340m/秒・水中 1500m/秒・反射・モノコード)6 問 | 生物・メダカの産卵条件(水温 15/25/30℃・けんび鏡の操作)5 問 | 化学・パンケーキと紫イモ水よう液(指示薬の色・重そう・手順から色を推理)7 問 | 地学・月と星(ニュージーランドの友人との電話・南半球の見え方)10 問 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 4 分野(物理・化学・生物・地学)が毎年きっちり 1 題ずつで、これは 3 年とも崩れていません。ただし並び順は毎年入れ替わります(2023 は化学→地学→物理→生物、2024 は地学→物理→化学→生物、2025 は物理→生物→化学→地学)。「大問 3 は化学」という当てはめはできません(2023 は物理)。
- 前半(大問 1・2)が 5〜6 小問の軽い題、後半(大問 3・4)が 7〜10 小問の重い題という重さの配分は 3 年連続。時間配分は「前半で貯金し、後半に厚く」が定石になります。
- 化学は 3 年連続で「表やグラフの数値から比例をつかみ、頭打ちになる点で過不足を判断する」問題です(2023 溶解度、2024 気体発生量、2025 は指示薬の色の変化)。分野の中でいちばん座席が動かない部分です。
- 実験器具の操作を問う小問が 3 年連続で入ります(2023 ろ過のまちがい 2 つ、2024 水上置換法の利点・別の集め方、2025 けんび鏡の手順とプレパラートの動かし方)。
- 大問の入口が身近な場面や会話文であることも 3 年連続です(2024 のラムネ作り、2025 のパンケーキ、2025 の国際電話、2023 のアユ釣り)。
問い方の特徴
- 数値計算が各分野に入ります。音の距離(2025 大問 1)、地層の標高合わせ(2023 大問 2)、浮力とばねばかり・台ばかりの読み(2023 大問 3)、気体の体積の比例と過不足(2024 大問 3)、天体が 1 時間で 15° 動く式(2025 大問 4 (4))。「理科の計算」を後回しにすると通用しません。
- 条件を 1 つだけ変えた実験を並べて、どの結果から何が言えるかを選ばせる設問が 2 年連続で出ています(2024 大問 4 の実験 1〜7、2025 大問 2 のメダカの水温 3 条件)。「この 2 つを比べると何が分かるか」を言葉にする練習が効きます。
- 記述は年 1〜2 問と少ないのですが、指定語句や字数が付きます(2023 大問 4 は「利益」「労力」を必ず使って 35 字以内、2024 大問 3 は「気体の体積が増えないのはなぜか」、2024 大問 4 は「その答えを選んだ理由を具体的に」、2025 大問 3 は「息をふきこむと赤色になる理由」)。理由説明が記述のほぼすべてです。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」「同じ記号は何度使ってもよい」など、選び方の条件が細かく指定されます。
- 2025 の大問 4 は品川女子学院の高等部 1 年の生徒とニュージーランドの友人が電話で夜空を見比べる設定で、南半球からの見え方(月の向き・星の写真の上下)まで問います。会話文の中の(あ)〜(け)を順に埋めていく作りです。
8-3. 社会(第 1 回・理科と合わせて 60 分・60 点・大問 3・小問 37〜39)
精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(地理・15 問) | 大問 2(歴史・15〜16 問) | 大問 3(公民・7〜8 問) |
|---|---|---|---|
| 2023 | プレートと海溝 活火山 温泉の成り立ち 岐阜の地形図と鵜飼 静岡の雨温図と漁港 大分の臨海工業 正距方位図法とインバウンド (テーマは「災害大国日本と自然の恩恵」) |
武士が活やくした時代 → 平将門と藤原純友 → 鎌倉・室町幕府のしくみ図 → 御恩の説明 → 鎌倉の史料読解 → 分国法 → 太政大臣 → 姫路城の城壁 → 江戸の政策の並べかえ → 異国船打払令 → 西南戦争 |
国の一般会計(歳入・歳出の表/軽減税率/消費税増税の理由/歳出と税収のグラフ/憲法 30 条・41 条・84 条と課税) |
| 2024 | 近郊農業 産業別人口割合の表 山梨の扇状地の地形図 自動車工業の 4 都市 部品工場と組立工場 百万都市と政令指定都市 リニア中央新幹線 過疎対策 4 都市の雨温図 宮崎市の地形図と面積計算 (テーマは「集落と都市」) |
子どもに関連したできごと A〜H → 土偶 → 壬申の乱と都の位置 → 藤原道長と外戚 → 壇ノ浦 → 雪舟 → 織田信長の妹と三姉妹 → 武家諸法度 → 小林一茶と判じ絵 → 岩倉使節団と女子留学生 → 学校種別生徒数のグラフ |
日本国憲法の条文(天皇の国事行為/裁判を受ける権利/立法/一票の格差と鳥取島根の合区/こども家庭庁/内閣不信任から新内閣まで/地方自治) |
| 2025 | 串本のリアス海岸 黒潮と海産物 育成就労制度 外国人労働者の国籍別円グラフ 淀川と阪神工業地帯 地図の読み取り 和泉山脈と府県のさかい 大阪市の雨温図 奈良県の観光収入 吉野杉 訪日客の国籍 観光庁の所属省 (テーマは「訪日外国人と観光」) |
お菓子の歴史 → 縄文クッキー → 遣唐使と平城京・平安京の比較 → 栄西と茶 → 桶狭間と南蛮貿易 → シュガーロードと長崎・諫早の干拓 → 譜代大名 → 琉球の黒砂糖 → くろがね羊羹 → 台湾のサトウキビ → 南洋群島 → GHQ の改革 → 戦後の外交 |
身近なきまり(公共の福祉/「新しい人権」/憲法の説明文 X〜Z/2019 年春の連休のカレンダーと法律/学校教育法/きまりが廃止されるとき/品川女子学院の通学路のきまり) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民、という並びが 3 年連続です。しかも小問数まで大問 1 が 15 問、大問 2 が 15〜16 問、大問 3 が 7〜8 問で 3 年ほぼ同じ。地理と歴史で 30 問、公民で 8 問前後という重みづけが、演習の時間配分をそのまま決めます。
- 大問 2 は 3 年とも「一つのテーマで原始から現代まで通す」作りです(武士/子ども/お菓子)。時代順に問が並ぶので、縄文から戦後まで一続きに答えられる状態が要ります。時代を絞った学習では対応しにくいところです。江戸時代の比重が 3 年とも大きくなっています(2023 は問 8 が 4 問、2024 は問 7〜8、2025 は問 5〜6)。
- 雨温図が 3 年連続、しかも問い方まで同じです。「次のア〜エは○市、○市、○市、○市のいずれかの気温と降水量のグラフです。○市のものを選びなさい」(2023 静岡市、2024 盛岡・新潟・岡山・高知から 1 つ、2025 大阪市)。毎年ここで 1 問取れます。
- 地形図・地図の読み取りが 3 年連続です。2023 は「直線 X は 3.5cm、実際は何 m か」の縮尺計算、2024 は地形図 2 枚(扇状地の地形名+一辺 3cm の正方形の実面積)、2025 は地図から読み取れることの正誤。縮尺の計算は 3 年で 2 回出ています。
- 「間違っているものを一つ選びなさい」が 3 年とも大量に入ります(2023 は火山・地形図・グラフ、2024 はリニアの通過県・地方自治、2025 は海岸地形・南蛮貿易・GHQ・戦後外交)。消去法の練習が直接効きます。
- 記述が毎年 4〜5 問あります(2023 4 問・2024 4 問・2025 5 問)。3 年とも 3 つの大問すべてに 1 問以上入っています。
問い方の特徴
- 記述は理由説明と資料の読み取りの合わせ技が中心です。字数指定は 3 年とも見当たらず、指定語句が付く年があります(2023 大問 2 問 3「将軍」「御家人」を使って御恩を説明)。例: 臨海部に石油化学・鉄鋼が立地する理由(2023)、娘を天皇に嫁がせると実権を握れる理由(2024)、鳥取と島根が一つの選挙区になった理由を有権者数の表から(2024)、育成就労の対象業種が選ばれた理由(2025)、奈良県の観光収入が伸び悩む理由を資料 2 枚から(2025)。
- 写真・絵・史料から考えさせる設問が毎年あります。姫路城の城壁の写真から敵との戦い方を推測(2023)、鎌倉時代の史料の読解(2023)、江戸の判じ絵(2024)、鎌倉・室町幕府のしくみ図の空欄(2023)、縄文クッキーの写真(2025)。
- 正誤の組み合わせ(「文 X・Y の正誤の組み合わせ」2024、「説明文 X〜Z のうち正しいものを過不足なく含むもの」2025)や、記号と説明文の組み合わせ(2023 大問 3 問 1 (5))が毎年入ります。単純な一問一答では届きません。
- 前年〜前々年のできごとが必ず制度の形で問われます。 こども家庭庁の設置(2024)、育成就労制度の創設(2025)、コロナ後の訪日客数の推移(2025)、インバウンドと観光庁(2023・2025)。ニュースそのものではなく「どの省庁・どの制度の話か」を聞かれます。
8-4. 国語(第 1 回・50 分・100 点・大問 4・小問 28〜29。2015・2016・2018 年度で確認)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2015・2016・2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2015・2016・2018)
| 年度 | 大問 1(漢字 5 問) | 大問 2(語句 5 問) | 大問 3(説明文・随筆・9〜10 問) | 大問 4(小説・9 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | タイサク/オギナう/カセツ/ボウエンキョウ/サイヨウ | 慣用句 3・対義語・四字熟語 | 河野至恩『世界の読者に伝えるということ』(日本文化の発信と受け手のミスマッチ) | 香川宜子『アヴェ・マリアのヴァイオリン』(十四歳のあすかとヴァイオリン、ユダヤ人の少女ハンナ) |
| 2016 | エンソウ/トナえる/シュウカン/キカイ/カメイ | 「張り子の◯」/「◯に余る」/「青葉に◯」/対義語(単純⇔)/四字熟語(空前絶◯) | 榎本博明『「自分らしさ」って何だろう?』(理想自己と青年期・自分を否定しなくてよい理由) | 額賀澪『ヒトリコ』(お弁当をめぐる嘉穂と日都子ちゃん・同調と後ろめたさ) |
| 2018 | オンダン/スませる/タイショウ/カクチョウ/タイトウ | 慣用句 3・対義語・四字熟語 | 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』(2011 年のモーリタニア入国と研究生活) | 森谷明子『南風吹く』(廃校を控えた分校の航太と恵一・俳句甲子園) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 =漢字の書き取り 5 問 → 大問 2 =語句知識 5 問 → 大問 3 =説明文・随筆 → 大問 4 =小説。 この 4 つの並びが、精読した 3 年(2015・2016・2018)ですべて同じです。小問数も 28・28・29 とほぼ動きません。
- 大問 2 は中身の並びまで同じです。(1)(2)(3) が慣用句・ことわざの空欄うめ(動物の名前・体の部位・語)、(4) が対義語を漢字 2 字で、(5) が四字熟語の空欄うめ。導入文「次の (1)〜(5) の問いに答えなさい。ただし (1)〜(3) はひらがなでもよいが、(4)(5) は漢字で答えること。」は 3 年とも同じ言い回しを確認しました。ここは 5 問すべて取りにいく枠です。
- 大問 3・大問 4 の設問数は 9 問前後で固定です(2018 大問 3 のみ 10 問)。記述は 3 年とも 6 問ちょうど(全体の 21%)で、大問 3 に 3 問・大問 4 に 3 問というふり分けも 3 年同じです。
- 読解の 2 題は説明文(随筆を含む)が先、小説が後の順で 3 年とも変わりません。
- 大問 3 の冒頭に「(ぬき出しと字数が決められている問題は、すべて「」や記号などを字数にふくみます。)」という但し書きが 3 年とも付きます。
問い方の特徴
- 記述は傍線部の言いかえ・理由説明が中心で、字数指定は「80 字以内」「70 字以内」「60 字以内」「50 字以内」「80 字程度」「8 字以上 10 字以内」と幅があります。80 字以内がいちばん多く出ています(2015 に 3 問、2016 に 1 問)。字数指定のない「説明しなさい」も毎年 2〜3 問あり、解答欄の大きさが分量の目安になります。
- 「〜ことが必要。」につなげて書く、「〜という考え」につながるように書くなど、文末を指定する記述が毎年あります。書き出しではなく着地を先に決める練習が要ります。
- 記号選択は傍線部の説明として最も適切なものを選ぶ形が大半です。「適切でないものを選べ」(2015 大問 4 問 3)も混じります。
- 抜き出しは「本文中より漢字 2 字で」「一文をぬき出し最初の 7 字(5 字)を」「18 字でぬき出して」のように、長さや位置の指定が細かく、毎年 2〜4 問あります。
- 空欄補充(接続語・指示語)が大問 3 に毎年 1 問(A〜C、Ⅰ〜Ⅲ の 3 か所をまとめて選ぶ形で、「同じ記号をくり返し使わない」条件つき)。
- 小説は同調圧力・後ろめたさ・嫉妬・仲間との衝突といった、中学生の対人関係が主題になりやすいところです。心情を「気持ち+そう思った理由」で書かせる設問が毎年あります。説明文は自分らしさ・海外との関わり・文化の受け止め方が続いており、抽象語を自分の言葉に置きかえる力が問われます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年(算数・理科・社会は 2023〜2025、国語は 2015・2016・2018)の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度を指します。「資料上」と付けたものは、精読していない年の資料に残っている題材から拾ったものです。
| 科目 | 単元 | 状況 | 最終確認年度 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 円とおうぎ形の複合求積 | 2024 の大問 2 (10) に 1 問出たきりで、大問としては 3 年出ていません。資料全体では大問の位置に円・おうぎ形が入った年(2010・2021 など)があり、いつ戻ってもおかしくない枠です | 2024 年度(小問) |
| 算数 | 速さとグラフ(ダイヤグラム)・水量とグラフ | 精読した 3 年の大問には無く、速さは大問 2 の一行問題どまりです。大問 3・大問 4 が毎年作り直される枠であることを考えると、重い大問として戻る余地は残っています | —(精読した 3 年の大問に無し) |
| 算数 | 立体の切断・展開 | 2023 の大問 3 のあと 2 年空いています | 2023 年度 |
| 理科 | てこ・ばね・ふりこ・電気回路 | 精読した 3 年の大問にありません。資料上、てこ・つり合いは 2022 年度が最後で、以後は浮力(2023)→光(2024)→音(2025)と続いています。力のつり合いと電気回路は、いつ戻ってきてもおかしくない筆頭です | 2022 年度(資料上) |
| 理科 | 人体・こん虫 | 3 年の大問にはありません(2023 大問 4 で呼吸器官と心臓のつくりが小問で触れた程度)。資料上はこん虫が 2021 年度、人体が 2017 年度が最後です | こん虫 2021 年度・人体 2017 年度(資料上) |
| 理科 | 気象・流水・地震と火山 | 3 年の大問にありません。地学は 2023 地層 →2024 星座 →2025 月と天体寄りで、気象系は 2022 年度の流水が最後です | 2022 年度(資料上) |
| 理科 | 燃焼・中和 | 3 年の大問にありません(2024 大問 3 (3) に中和の考え方を使う選択肢が出た程度)。化学は溶解度・気体・水よう液の判別で回っています | 2024 年度(小問) |
| 社会 | 国際社会・国連 | 大問 3 の主題として 3 年にありません(2025 大問 1 問 5 に訪日客の国籍として世界地理が出た程度)。資料上は 2018・2019 年度の大問 3 が国際社会で、それ以降は財政・三権・憲法で回っています | 2019 年度(資料上) |
| 社会 | 選挙制度を正面から扱う大問 | 3 年の主題にはありません(2024 大問 3 問 4 (2) の一票の格差が最も近いところ) | 2024 年度(小問) |
| 社会 | 地方自治 | 2024 大問 3 問 7 の 1 問だけです。資料上は 2012 年度に大問 3 の主題でした | 2024 年度(小問) |
| 社会 | 農業・畜産を大問 1 の柱に据える | 3 年は小問どまりです(2024 問 1 の近郊農業、2023 問 4 のグラフ 1 問など)。資料上は 2010・2012・2016・2018・2020 年度に柱として出ています | 2020 年度(資料上) |
| 社会 | 時代順の並べかえ | 2023 大問 2 問 8 (2) に出たきりです | 2023 年度 |
| 国語 | 詩・短歌・俳句を本文にする | 精読した 3 年にありません(2018 大問 4 は俳句甲子園が題材ですが、本文は小説です) | —(精読した 3 年に無し) |
| 国語 | 古文・漢文、文法(品詞・敬語)の独立設問 | 精読した 3 年にありません | —(精読した 3 年に無し) |
| 国語 | 大問 2 (1)〜(3) でことわざの意味を選ばせる形 | 精読した 3 年は「動物・体の部位・自然の語」の空欄うめで回っています。資料上、より古い年に見られる形なので、戻る余地はあります | —(精読した 3 年に無し) |
算数の食塩水は 2025 に大問 4 で戻ってきました(大問 2 の一行問題としては 2023 にもあります)。しばらく空いた単元がそのまま消えるとは限らない例です。
10. 形式面の注意(4 科目共通)
- 記述の量: 国語 6 問(3 年とも)、社会 4〜5 問、理科 1〜2 問、算数はゼロ。ただし算数は「解答用紙に途中の計算や考えた過程をかきなさい」という指示が年 1〜3 か所あります(2025 は大問 1 (1)(2) に加えて大問 3 (2)・大問 4 (2)(3))。
- 形式の内訳: 算数は精読した 3 年とも記号選択ゼロで、全問が答えを書く形式です(マークシートや語群からの選択はありません)。理科は 2023 が短答(語句や数値を短く答える形式)61%・記号選択 32%・記述 7%、2024 が記号選択 40%・短答 40%・作図 12%・記述 8%、2025 が記号選択 57%・短答 39%・記述 4%。社会は記号選択 56〜66%・短答 24〜31%・記述 11〜13% で記号選択が主軸ですが、選択肢は 4 つの文を読み比べる形が多く時間がかかります。国語は 3 年とも短答 46〜50%・記号選択 29〜32%・記述 21%。理科で記号選択の比重が 2024 以降上がっていますが、3 年しか精読していないので断定はしません。
- 字数指定: 国語は指定あり(80 字以内・70 字以内・60 字以内・50 字以内・80 字程度・8 字以上 10 字以内)と指定なしが混在します。理科は指定つきの年があります(2023 の 35 字以内)。社会は精読した 3 年に字数指定が見当たりません。
- 文字種の指定: 「漢字で答えなさい」が社会・理科・国語のいずれにも複数あります。国語の大問 2 は「(1)〜(3) はひらがなでもよいが、(4)(5) は漢字で」が 3 年とも同文。理科は 2025 大問 2「漢字で答えなさい」、大問 4「漢字 2 文字で」。社会は海流名・活火山・武士団の頭・省庁名などで漢字指定が 3 年とも複数あります。
- 指定語句: 理科(2023「利益」「労力」)、社会(2023「将軍」「御家人」)に、使う語を指定した記述があります。
- 作図: 理科は年によります(2024 は 3 問=鏡での反射の道すじ・実験結果のグラフ・茎の断面の師部を塗りつぶす。2023・2025 はゼロ)。グラフをかく指示には軸の取り方まで指定が付きます(2024 大問 3「横じくを炭酸水素ナトリウムの重さ、縦じくを気体の体積」)。算数・社会・国語には精読した 3 年で作図がありません。
- 円周率: 精読した 3 年の算数の設問文には指定が現れませんでした(表紙の注意書きは資料に含まれていません)。円・おうぎ形・回転体の求積は 2024・2025 に出ているので、3.14 なのか 3 なのかは市販の過去問で必ず確認してください。
- 選び方の条件: 「一つ選び」「すべて選び」「過不足なく含むもの」「古い順に並べかえ」「同じ記号を何度使ってもよい/くり返し使わない」が混在します。指示の読み違いが失点の主因になりやすいところです。
- 図・表の比率: 理科で図・表・グラフのある小問は 2023 が 68%、2024 が 72%、2025 が 39%。多くの年で 3 分の 2 前後が図つきで、図を読まずに解ける問題はほとんどありません。社会は 2023 が 49%、2024 が 42%、2025 が 69% で、地形図・雨温図・円グラフ・統計表・写真・史料が同時に出ます。算数で図のある小問は 2023 が 25%、2024 が 50%、2025 が 35% で、大問 2 の角度・平面図形・立体と大問 3・4 の図形問題に集中します。国語は図・グラフの入る設問がゼロです。
- 単位: 算数は単位を答えさせる問題が多く(cm³・cm²・cm・%・通り・度・匹・円・ドル)、□ に入れる数だけを書く大問 2 では単位の読み違いがそのまま失点になります。
- 漢字: 国語の大問 1 は書き取りのみ 5 問で、読みはありません。送り仮名つきの訓読み(オギナう・トナえる・スませる)が毎年 1 問入ります。
- 時間: 社会と理科は合わせて 60 分で 65 問前後。社会だけで 37〜39 問なので 1 問あたり 45 秒前後の勘定になり、記述 4〜5 問にどれだけ残せるかが配分の勝負です。理科は 25〜28 問あるので 1 問 1 分では終わりません。国語は 50 分で説明文と小説の 2 題+知識 10 問、算数は 50 分で 20 問。どの科目も「読む量が多い」側にあります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ、平面図形の基本、読解、短い記述、漢字語彙の 5 本。この学校で最終的に効く入口は、算数の四則計算と逆算(大問 1 の (1)(2) がそのまま)、国語の漢字書き取りと慣用句・ことわざ(大問 1・大問 2 がそのまま)、そして地図と地形図に触れておくことです。時間計測はまだ要りません。理科は生き物や台所の観察を「なぜそうなるか」を一言で言う習慣に |
| 小 5(幅) | この学校は大問 3・4(算数)、理科の 4 題、社会の大問 1・2 が毎年作り直されます。つまり全分野をひととおり学び終えることがそのまま得点力になる学年がここです。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と漢字・語句を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は 割合 → 比 → 速さ → 規則性 → 平面図形 → 立体 → 場合の数 → 数の性質 の順に一巡し、とくに数の性質と場合の数を厚めに。社会は 47 都道府県と気候区分、通史の一本化を始めます。理科は 4 分野を均等に(どの分野も毎年 1 題出るため、苦手分野を作ると毎年失点します)。国語は説明文と小説の 2 本立てに慣れ、理由を 2〜3 文で書く習慣をつけます。ただし国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目がそのまま小 6 の課題です。夏以降は、(a) 同じ座席を縦に(算数の大問 1、国語の大問 2、社会の雨温図・地形図を年度をまたいで集めて解く)と、(b) 年度通しで時間を計る(とくに社会と理科の 60 分セット。合計 65 問前後をどちらから解くか、記述を後回しにするかを本番前に決めておきます)の 2 本を並行させます。記述(国語 6 問・社会 4〜5 問・理科 1〜2 問)は、書いたものを必ず人に見てもらいます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がいちばん出るのは小 5 での全分野の一巡です。座席は固定でも中身は毎年作り直されるので、「頻出問題を覚える」だけでは届きません。特に理科は 4 分野が毎年 1 題ずつ出るため、小 5 のうちに苦手分野を消しておけるかどうかがそのまま得点差になります。加えて、社会と理科が合わせて 60 分という形式は処理速度がものを言うので、小 5 のうちから「1 問にかけてよい時間」を意識した演習に慣れておくと、小 6 で楽になります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。
- 大妻多摩中学校(東京都・女子校)— 4 科すべてがまんべんなく近く、国語が近い数少ない相手なので、記述の練習が二重に効きやすい組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 山脇学園中学校(東京都・女子校)— 理科がとりわけ近く(4 分野をまんべんなく、図表と計算が多い作り)、社会も近い組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 関東学院中学校(神奈川県・共学)— 理科の近さが際立ち、社会も近い一方、算数は構成が違うので流用しにくい組み合わせです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- 近さは、科目ごとの「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に出る単元の一致・設問文の言い回しの重なり」の距離と、単元分布の似かたを合成したものです(100 に近いほど出題構造が近い)。同じ問題が出るという意味ではありません。併願候補ページで国語が「—」になっている学校は、その学校の国語の資料が少なく計算できなかったことを示します。
13. 資料の限界
- 入試回: 参照した過去問データベースは 1 校 × 1 年 × 1 科目につき 1 冊しか収録しておらず、回の区別ができません。ここでの分析は 4 科の第 1 回に相当するものとして扱っています。第 2 回、算数 1 教科入試(2 月 1 日午後・60 分・100 点)、2 月 4 日の 4 科目表現力・総合の入試(試験Ⅰ 50 分 40 点・試験Ⅱ 70 分 120 点)の傾向は、この資料からは分かりません。特に算数 1 教科入試は 60 分で大問構成も別と考えられるので、必ず市販の過去問で確認してください。
- 精読した年数: 各科目 3 年ぶんの原本しか精読していません。算数・理科・社会は 2023〜2025、国語は 2015・2016・2018 です。「3 年連続」と書いたものはすべてこの 3 年での確認で、それ以前に同じことが続いていたかどうかは別に確かめる必要があります。
- 国語: 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2015・2016・2018 年度に限った話で、直近 7 年の形式は市販の過去問集で確認してください。出典(著者・作品名)も同じ制約を受けます。
- 算数の構成変更: 2023 年度から 4 大問 20 小問になっています。これより前の年度は大問数が異なるため、演習では 2023 年度以降を優先し、それ以前は単元の素材として使うのが実際的です。切り替わりの前後で何がどう変わったかは、原本を 3 年しか精読していないので断定していません。
- 転写の精度: データは画像からの読み取りで、数値・式・語句に読み落としがあり得ます。2025 年度の社会には語句の乱れがいくつかあり(「ようにお菓子が」「様々ないきまり」など)、2016 年度の国語 大問 3 問 9 は設問文が本文の引用に入れ替わっていて問い方が確認できませんでした。図は画像のままなので、図の目もりや細部は読めていません。
- 配点: 設問別の配点はどの科目・年度にも印刷されていません。本文で「比重」と書いたものはすべて設問数ベースで、実際の配点とは違う可能性があります。
- 確度の表し方: 「3 年連続」「3 年とも」は原本の設問文で 3 年ぶん確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題の意図を裏づける資料はありません。精読した 3 年に出ていない単元について「戻る余地がある」と書いたのも見通しであって、予告ではありません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません(別ページの領分です)。
品川女子学院中等部 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
品川女子学院中等部 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ