大妻多摩中学校 の過去問分析
大妻多摩中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
大妻多摩中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・第 1 回相当・17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都多摩市 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 午前の 3 回(第 1 回 2 月 1 日/第 3 回 2 月 2 日/第 5 回 2 月 4 日)は 2 科(国語・算数)と 4 科(国語・算数・社会・理科)の選択。午後の 2 回(第 2 回 2 月 1 日/第 4 回 2 月 2 日)は 2 科(算数・国語)または算数 1 科の選択(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 60 点・理科 40 分 60 点。社会と理科は 4 科受験者のみ |
| 加点 | 英検の級に応じた加点があります(4 級 3 点〜2 級以上 15 点) |
| 別の学校との区別 | 千代田区の大妻中学校・中野区の大妻中野中学校とは別の学校です |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は大問 6 題・小問 15 問という枠が 2010〜2026 の 17 年間まったく動いていません。小問の配り方も 3・3・2・2・2・3 で、精読した 2024〜2026 の 3 年が一致します。
- 理科は大問 4 が 10 年連続で地学(2017〜2026)、大問 3 が 5 年連続で生物(2022〜2026)。社会は地理 → 歴史 → 公民の 3 題で、大問 3 は精読した 3 年とも前年の出来事から入ります。
- 4 科目に共通して「自分で考えて書かせる」設問が置かれます。答えを覚えている量ではなく、資料や本文から筋を立てて書けるかを聞いてきます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(分数と小数の四則混合 2 問+逆算 1 問)を毎日 1 セット解きます。
- 理科の大問 4(地学)を、年度をまたいで 10 年分続けて解きます。
- 社会の記述(資料を読んで理由を組み立てる形)を週 2 本書きます。
今週やる 1 つ
- 算数の回転体を 3 年分続けて解きます(2024 大問 5・2025 大問 6・2026 大問 2)。体積だけの年と表面積まで求める年の差を確かめます。
注意
- 過去問データベースは校×年×科目 1 冊のみの掲載で、入試回の区別ができません。以下は第 1 回相当として読んでください。国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びと単元だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年(2010〜2023) | 17 年(2010〜2026) | 高。式の細部(分数・単位)は転写に揺れがある年があるが、大問構成と題材の読み取りに支障はない |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 13 年(2010、2012〜2023) | 16 年(2010、2012〜2026。2011 は資料が無い) | 高 |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年(2010〜2023) | 17 年(2010〜2026) | 高 |
| 国語 | 3 年(2017・2018・2019) | 3 年(2010・2014・2016) | 6 年(2010、2014、2016、2017、2018、2019) | 中。2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、直近 6 年の国語は市販の過去問集で補う必要がある |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 過去問データベースは校×年×科目 1 冊のみの掲載で、入試回の区別ができません。以下は第 1 回相当として読んでください。2027 年度の募集要項では第 1 回〜第 5 回が実施され、午後の第 2 回・第 4 回は 2 科(算数・国語)または算数 1 科という別形式なので、午後回の傾向はこの資料からは分かりません。
- 試験時間と配点は 2027 年度の募集要項によります(1 節)。設問別の配点はどの科目・年度にも印刷されていません。以下の比重はすべて設問数ベースです。
5. 一番大きな結論
同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る学校です。 ここでいう座席(問題の置き場所)とは、大問の何番目に何が来るか、という並びのことです。
算数は、大問 6 題・小問 15 問という枠が 2010〜2026 の 17 年間まったく動いていません。小問の配り方まで 3・3・2・2・2・3 で、精読した 2024〜2026 の 3 年が完全に一致します。大問 1 は 17 年連続で計算(分数と小数の四則混合 2 問+逆算(□にあてはまる数を求める計算)1 問)で、導入文まで同じです。理科は大問 4 が 10 年連続で地学(2017〜2026)、大問 3 が 5 年連続で生物(2022〜2026)。社会は地理 → 歴史 → 公民の 3 題が精読した 3 年で一致し、大問 3 は 3 年とも前年の出来事から入ります。国語は大問 3 の頭が 4 年連続でカタカナ→漢字 5 問(2016〜2019)です。
ここで言っているのは「同じ問題が出る」ということではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。実際、精読した 3 年で数値まで同じ問題は 1 問も見つかりませんでした。ただし問い方の文はかなり近く、算数の回転体は、2024「この図形を直線 ℓ(エル)のまわりに 1 回転してできる立体の体積を求めなさい」、2025「この四角形を直線 ℓ のまわりに 1 回転してできる立体の体積を求めなさい」、2026「この図形を、直線 … のまわりに 1 回転してできる立体…」と 3 年並びます。理科の計算問題には「ただし、計算結果で小数第 2 位以下がある場合には四捨五入し、小数第 1 位までで答えなさい」という同じ但し書きが付きます。
したがって過去問の使い方は、単元ごとの解き方を身につけることと、同じ座席を年度をまたいで縦に解くことの、中間になります。年度を通して 1 冊ずつ解くより、大問の番号ごとに年度をまたいで縦に並べて解くほうが効率がよく、算数なら大問 1 の計算だけを 17 年分、大問 6 の 3 問セットだけを数年分、理科なら大問 4 の地学だけを 10 年分、というやり方です(手順は 過去問の使い方)。時間配分の練習は、科目ごとに 2〜3 年分を通しで解けば足ります。
一方、毎年作り直される場所もはっきりしています。算数の大問 2(一行問題(数行で終わる短い文章題)3 枠)、理科の各分野の中の単元、社会の大問 1・2 のテーマ、国語の大問 3 の問 2(部首・四字熟語など)です。ここは周期を待つのではなく、全分野をひととおり学び終えることで備えます。
もうひとつ、この学校を特徴づけるのは「自分で考えて書かせる」設問の多さです。理科は「予想して書きなさい。またその予想をたしかめるためにどのような実験をすればよいか説明しなさい」(2024)、社会は「どのようなデータを示すことができると、この仮説を証明できますか」(2026)、国語は「あなたはどう思いますか。その理由とともに百字以内で」(2019)。答えを覚えている量ではなく、資料や本文から筋を立てて書けるかを、3 科目が同じ形で聞いています。
6. この学校らしさが出る場所
- 「多摩子さん」が社会の語り手として 3 年連続で登場します(2024 大問 1、2025 大問 1、2026 は大問 1・2・3 のすべて)。少子高齢化を調べる、オーストラリアへ修学旅行に行く、父とエンゲル係数の話をする——生徒が自分で調べて発表する会話文が問題の枠になっていて、その語り手の名前が固定されています。理科でも 2024 大問 2 が「水のとくちょう 6 年 2 組 5 番 大妻 玉子」という研究発表の形式でした。
- 「探究テーマ → 班ごとに調べて発表」という枠が科目をまたいで使われます。社会 2025 大問 2「学級の各班が、探究テーマに関連する歴史上の人物について探究活動をおこない、授業で発表したときの内容です」、社会 2026 大問 1 も同じ導入文で都道府県を扱います。
- 「予想を立てて、それを確かめる方法まで書かせる」設問が理科と社会に共通してあります。理科 2024 大問 2(4)「レモンを入れたことで紅茶の色が変化した理由を予想して書きなさい。またその予想をたしかめるためにどのような実験をすればよいか説明しなさい」、社会 2026 大問 1(2)「どのようなデータを示すことができると、多摩子さんの新たな仮説を、より説得力のあるものとして証明することができますか」。仮説と検証という同じ考え方を、2 科目が別々の題材で問うているように見えます。
- 地元・多摩地域が題材になります。理科 2024 大問 3 は「大妻多摩中学校があるこの多摩地域」に生息するタヌキを主題に、ためフン・冬眠・アライグマとの競合まで 6 問を組み立てています。
- 社会は「立場を決めて説得する」設問を置きます。2024 大問 1「外国からの移民を積極的に受け入れるべきだという意見に、あなたが賛成の立場だった場合、どのようにして反対の人を説得しますか。資料ア〜エの中から 2 つ使って」。正解が 1 つに決まらない問いに、資料を根拠に答えさせる作りです。
- 理科の大問 3 は「知らない生き物」を長い文章で読ませます(2024 タヌキ、2025 ナナフシ、2026 ほ乳類の足あととゾウの足)。知識で答える設問は少なく、文章に書かれた手がかりから考えさせます。精読した 3 年ともこの形でした。
- 国語は言葉そのものを論じた文章を大問 1 に置くことがあります。2017 は鷲田清一『噛みきれない想い』から「日本語では、話す相手との関係によって『ある』が変化する」を扱い、設問はそのまま敬語の書き直しになります。2018 は永田和宏と山中伸弥の対談で海外に出ることと「知る」ことの二面性、2019 は五木寛之『人間の関係』で信頼と信用。「言葉」「人との関係」「異文化」が精読した 3 年の共通軸でした。
- 算数だけが徹底して静かです。会話文も長い設定文も無く、17 年間 6 題 15 問の答えのみ。他の 3 科目が「書かせる・考えさせる」方向に振れているのと対照的で、算数は計算と図形の処理力を静かに測る役割を持っているように見えます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本または転写で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 3 問を 1 セット — 分数と小数が混ざった 3〜4 段の四則混合 2 問と、□ が式の途中にある逆算 1 問。17 年間この形なので、10 年分で 30 セットの教材になります。100 点満点の中で、ここを落とす損失が最も大きい場所です。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・大問 4(地学)を 10 年分縦に — 気象(前線・雲・台風・エルニーニョ)、月(満ち欠け・月食・南半球からの見え方)、星、地震・火山、地層を 1 単元ずつ。座席が 10 年固定なので、同じ時間で最も確実に点になる場所です。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・座席の読める大問を年度をまたいで縦に — 回転体を 3 年分(2024 大問 5・2025 大問 6・2026 大問 2)。同じ問い方が 3 年連続なので、軸に接する面と離れた面、体積と表面積、軸が 2 本の場合を書き分けます。あわせて大問 6 の 3 問セット(動く点・グラフ)を 3 年分。時間と面積(2026)、時間と道のり(2024)で縦軸が変わるので、グラフを読む年とかく年の両方を通します。3 問あるのは大問 1・2・6 だけなので、時間切れはここで起きます。場合の数(2025・2026 の 2 年連続で大問 3)は樹形図でなく表で数える手順に、約束記号(新しい記号の決まりを読んで使う問題。転写の分類で 9 年に現れる定番の枠)は「定義を読む→例で検算→逆算」の手順に固定します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・大問 3(公民+前年の出来事)を 3 年分と、大問 2 のテーマ史 — 直近 1 年のニュースを「どの制度の話か」に翻訳します。選挙権・議院内閣制・二大政党制(2025)、直接税と間接税・社会保障・憲法 30 条(2026)、円安と物価(2024)。テーマ史は「ごみ」「食」「交通」「災害」「国際交流」など 1 つのテーマで縄文から昭和まで並べ直す練習で、大問 2 はこの形が 3 年続いています。地理側は地形図・雨温図・統計表の読み取りを、日本の地形(山地と川・季節風・氾濫)と世界の気候の対比を軸に進めます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・資料から因果を書く記述を週 2 本、60〜100 字 — 「グラフ(表)の A が B だから C になる」の 3 部構成で、使った資料の番号を必ず本文に入れます。社会は 4 科目でいちばん書かせる科目です。「立場を決めて資料 2 つで説得する」形(2024)も 1 回は書いてみて、賛成・反対の両方から書けるようにしておくと、どちらを指定されても動けます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・大問 3 の漢字 5 問+四字熟語 — 漢字は小 6 配当までの音読み熟語(警戒・制作・表彰・延期・工夫・観測・応援・続発・興奮・交代・公開・行列)。四字熟語は 2018・2019 の 2 年連続なので優先度が高く、意味とセットで 100 語、空欄に漢字一字を入れる形と意味から選ぶ形の両方を。(確認: 〜2019 年度)
- [週 1 回] 国語・字数指定つきの理由記述と、百字の意見記述 — 理由記述は 30 字・40 字・60 字の 3 サイズで書き分け、「本文中の語句を用いて」の指示があるときは本文の語をそのまま骨にします。意見記述(「あなたはどう思うか、理由とともに」)は月 2 本、立場 → 理由 → 本文への言及の 3 部で百字に収めます。(確認: 〜2019 年度)
- [週 1 回] 理科・「予想+その確かめ方」の 2 文記述と、大問 3 の読み物 — 2024 大問 2(4)「レモンを入れたことで紅茶の色が変化した理由を予想して書きなさい。またその予想をたしかめるためにどのような実験をすればよいか説明しなさい」がそのままこの形です。大問 3 は、知らない生き物の説明文を読み、体のつくり・食べ物・天敵・外来種の影響を自分の言葉で 1〜2 文にまとめる練習を。大問 1 の計算(ふりこの長さと周期、てこのつり合い、圧力)は、表から比例・反比例を読み、桁指定どおりに四捨五入する手順で。化学は気体の発生と性質・燃焼・状態変化を先に固め、中和の計算は 9 年空いているので復活に備えて 1 年分は通しておきます。あわせて、前年 1 年間の自然現象のニュース(気象・天体・災害)を仕組みまで押さえておくと、大問 4 の入口に効きます。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 15)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(3 問) | 大問 2(3 問) | 大問 3(2 問) | 大問 4(2 問) | 大問 5(2 問) | 大問 6(3 問) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 四則計算 2 問+逆算 1 問 | 一行問題 3 問(売買損益 1300 円の品/正方形 2 個の回転体/34 人を 8 人ずつのそうじ当番) | 場合の数(1〜6 のさいころ A と 2〜7 のさいころ B、目の差・目の積) | 平面図形の面積比(平行四辺形 ABCD と三角形 ABF) | 速さ(毎分 150m の自転車通学、いつもの到着時刻) | 図形の移動+グラフ作図(直角三角形の辺上を毎秒 2cm で動く点 P と三角形 APC の面積) |
| 2025 | 四則計算 2 問+逆算 1 問 | 一行問題 3 問(1・2・3 年生の人数比/角 x/6 でも 9 でも割り切れる数の 99 番目) | 場合の数(1〜9 のカード 9 枚、ア+イ=12・ウ+エ×オ) | 約束記号(A*B=A×B+…、23*8、□*18=776) | 水量とグラフ(入れる管 A・B と出す管 C のついた水そう) | 回転体(四角形 ABCD を直線 ℓ のまわりに 1 回転。体積と表面積) |
| 2024 | 四則計算 2 問+逆算 1 問 | 一行問題 3 問(約束記号〈A, B〉/直角三角形の DE の長さ/正五角形とさいころでコマを進める) | 売買損益(250 円で仕入れ 300 個、定価 400 円、1 割売れ残り) | 規則性・数列(0, 1, 2, 2, 3, 3, 3 のくり返し) | 回転体(1 辺 2cm の正方形 4 個の図形を直線 ℓ・m のまわりに 1 回転) | 速さとグラフ(長方形 ABCD のまわりを動く点 P とグラフのア・イ) |
表に出てくる売買損益・約束記号・年齢算・和差算などの中身は 用語集 にあります。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(原本で確認)
- 大問 6 題・小問 15 問という枠が 17 年(2010〜2026)まったく動いていません。 しかも小問の配り方まで 3・3・2・2・2・3 で、精読した 2024〜2026 の 3 年が完全に一致します。転写データ上は 2010 年から 17 年連続で「6 題 15 問」です。ここまで動かない学校は多くありません。
- 大問 1 は 17 年連続で計算(2010〜2026)。内訳は精読した 3 年とも (1)(2) が分数と小数の混じった四則混合、(3) が逆算です。導入文も 3 年とも「次の □ にあてはまる数を求めなさい。」の同文でした。
- 大問 2 は一行問題 3 問の枠(精読した 3 年で確認)。導入文は 3 年とも「次の問いに答えなさい。」だけです。ここに何が入るかは毎年変わり、2024 は約束記号・直角三角形・場合の数、2025 は比・角度・数の性質、2026 は売買損益・回転体・規則性でした。全分野をひととおり学び終えることで備える枠です。
- 回転体が 3 年連続(2024 大問 5、2025 大問 6、2026 大問 2(2))。設問文も「この図形を直線 ℓ のまわりに 1 回転してできる立体の体積を求めなさい」(2024)、「この四角形を直線 ℓ のまわりに 1 回転してできる立体の体積を求めなさい」(2025)、「この図形を、直線 … のまわりに 1 回転してできる立体…」(2026)と、数語しか違わない同じ問い方が 3 年並びます。図の形(正方形 4 個・四角形 ABCD・正方形 2 個)と、軸が 1 本か 2 本か、体積だけか表面積までかが変わります。
- 場合の数が 2 年連続で大問 3(2025 カード 9 枚、2026 さいころ 2 個)。約束記号は 2024 大問 2(1) と 2025 大問 4 に、速さ系(速さ・速さとグラフ・図形の移動)は 3 年とも大問 5 か 6 に来ます。
- 最後の大問 6 は 3 問構成で、動く点かグラフが絡みます(2024 点 P と速さのグラフ、2025 回転体、2026 点 P の移動とグラフ作図)。3 問あるのはこの学校では大問 1・2・6 だけなので、時間が足りなくなるのは決まってここです。
同じ数値のまま出た問題は、精読した 3 年では見つかりませんでした。「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校だと考えてよいところです。
頻出単元と周期(転写の単元分類・2010〜2026 の 17 年)
| 単元グループ | 状況 |
|---|---|
| 計算(大問 1) | 17 年すべてで大問 1。全小問の 29% がここを含む計算系 |
| 平面図形(面積・面積比・角度・円とおうぎ形) | 17% |
| 数の性質・規則性 | 14%。規則性・数列は転写の分類で 2010・2011・2013・2015・2016・2017・2018・2021・2022・2023・2024・2026 |
| 場合の数・論理(約束記号を含む) | 13%。約束記号は 2013・2014・2016・2019・2020・2021・2023・2024・2025 |
| 割合・文章題(売買損益・平均・年齢算・和差算) | 9%。売買損益は 2011・2015・2017・2020・2023・2024・2026 |
| 速さ・図形の移動・水量 | 各年 1〜2 題。速さとグラフは 2010・2014・2015・2016・2017・2024 |
| 立体(回転体・水量) | 回転体は 2011・2024・2025・2026、水量は 2025 |
問い方
- 答えのみを書く形式です。精読した 3 年で、記述も記号選択も 1 問もありません(短答(語句や数値を短く答える形式)100%、2026 のみグラフ作図が 1 問)。転写全体でも 17 年を通じて記述 0%・選択 0%、作図は年に 0〜1 問です。
- 1 題が 2〜3 問。(1) が (2) の足がかりになる誘導が大問 3〜6 で効いています(2026 大問 4 は「辺 AB」→「三角形 ABF の面積」、2025 大問 6 は「辺 BC の長さ」→「回転体の体積」→「表面積」)。
- 設定文が短いのも特徴です。長い会話文や初見のルールの長文説明は無く、約束記号でも 2〜3 文で例が示されて終わります。
- 図がつく小問は転写全体で 40%。角度・平面図形・回転体・グラフに集中します。
- 生徒名が出る年があります(2026 大問 5「のりこさん」)。
8-2. 理科(40 分・60 点・大問 4・小問 20〜22)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2026(4 題・22 問) | てこ・つり合い(さおばかりでバナナ・リンゴ・ブドウの重さをはかる。てこを利用していない道具を選ぶ)5 問 | 燃焼と酸化(丸底フラスコに木炭と酸素、風船付きゴム栓。銅を加熱して酸化銅に。十円玉のさび)5 問 | 動物の姿形と食物連鎖(ほ乳類の前足の足あと、ゾウの足のクッション、光エネルギーの 2.0% と食物連鎖)7 問 | 月(2025 年 9 月 8 日の皆既月食。月食の色、オーストラリアでの見え方、満月の回数)5 問 |
| 2025(4 題・20 問) | 空気と水の性質(空気鉄砲の前玉・後玉、水ロケット、圧力)5 問 | 熱と状態変化(固体・液体・気体、加熱のグラフ、体積と重さ、ヒトの脱水)5 問 | こん虫(ナナフシの体のつくり、翅がないのに増える理由、脱皮、アルゼンチンアリ)5 問 | 火山・地震(溶岩のねばり気、ハワイ島の溶岩流、火山灰、富士山のハザードマップ)5 問 |
| 2024(4 題・21 問) | ふりこ(10 往復の時間と長さの表、2 本のふりこが同時に来る周期、クギに当てる)5 問 | 水と水溶液(軟水・硬水の研究発表、硬度の計算、レモンと紅茶の色)5 問 | 生態系(多摩地域のタヌキ、ためフン、冬眠、アライグマ)6 問 | 気象(2023 年夏の猛暑日、エルニーニョ現象、ペルーのイワシ漁、温暖化)5 問 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(原本で確認)
- 大問 4 は 10 年連続で地学です(2017〜2026)。中身は気象・月・星・地震・火山・地層で回りますが、「最後の 1 題は空か地面の話」という座席は動いていません。精読した 3 年でも 2024 気象・2025 火山・2026 月と地学が並びました。
- 大問 3 は 5 年連続で生物(2022〜2026)。花のつくり・植物・生態系・こん虫・動物の分類で回ります。精読した 3 年は 2024 タヌキ・2025 ナナフシ・2026 ほ乳類と、3 年とも「動物 1 種を主題にした長い読み物」でした。
- 大問 1 は力や物のふるまい(2024 ふりこ、2025 空気と水、2026 てこ)。3 年とも表や図から数値を読んで計算する 5 問で、この学校でいちばん計算量が多い場所です。
- 大問 2 は水・気体・熱の化学(2024 硬度、2025 状態変化、2026 燃焼と酸化)。
- 大問 4 題・小問 20〜22 問という枠も動きません。転写データでは 2012 年以降 4 題が続き(2016 のみ 5 題)、小問数も 18〜23 の幅に収まります。
- 計算のある大問には「ただし、計算結果で小数第 2 位以下がある場合には四捨五入し、小数第 1 位までで答えなさい。」という同じ但し書きが付きます。2024 大問 1 と 2026 大問 1 の導入文で同文を確認しました。
- 前年の出来事を入口にする小問が大問 4 にあります(2024「2023 年の 7 月と 8 月の東京は記録的な暑さ」、2026「2025 年 9 月 8 日に、日本の各地で皆既月食」)。2025 は前年の出来事ではなく富士山のハザードマップでした。
頻出単元と周期(転写の単元分類・2010〜2026 の 16 年)
| 分野 | 状況 |
|---|---|
| 気象 | 大問として 2013・2018・2019・2021・2024。最も回数が多い単一単元 |
| 気体の性質 | 2010・2014・2021・2023・2025・2026 |
| 生態系・食物連鎖 | 2014・2024・2026 |
| こん虫・動物の分類 | 2010・2012・2016・2025 |
| 熱と状態変化 | 2013・2016・2021・2025 |
| 月 | 2018・2022・2026。4 年周期で 3 回 |
| 地震・火山 | 2017・2025 |
| 地層・岩石・化石 | 2012・2014・2018・2023 |
| てこ・つり合い、ばね、ふりこ | てこ 2018・2026、ばね 2012・2014、ふりこ 2024 |
| 電気(回路・電流) | 2015・2020・2023 |
| 水溶液・中和・溶解度 | 中和 2010・2015・2017、溶解度 2012・2018、水溶液 2022・2023 |
問い方
- 記号選択・短答・記述が混ざります。精読した 3 年の比率は 2024 が選択 38%/短答 33%/記述 29%、2025 が選択 70%/短答 20%/記述 10%、2026 が短答 55%/選択 41%/記述 5%。記述の量は年によって 1 問から 6 問まで振れるので、「毎年何問」とは言えません。転写全体では選択 45%/短答 42%/記述 11% です。
- 記述は「予想して書く」「自分ならどうするか」という聞き方が混じるのが特徴です。2024 大問 2(4)「レモンを入れたことで紅茶の色が変化した理由を予想して書きなさい。またその予想をたしかめるためにどのような実験をすればよいか説明しなさい」、同 (5)「自分だったら水についてさらにどのような事を調べようと思いますか」、2024 大問 3(6)「タヌキが果たしている役割として考えられることを、文章を参考にして考えて答えなさい」。知識を答える記述ではなく、読んだ文章から自分で組み立てる記述です。
- 選択肢は ①〜⑥ の丸数字で、「2 つ選んで」「全て選んで」が混じります(2024 大問 1(1) は 2 つ選ぶ、2026 大問 2(3) は全て選ぶ)。
- 大問 3 にはその場で読ませる長い文章が付きます(2024 タヌキの生態、2025 ナナフシ)。設問は文章に書かれた情報から考えさせるもので、知らない生き物でも文章を読めば答えが作れる作りになっています。
- 図がつく小問は転写全体で 50%。表・グラフ・写真・模式図・ハザードマップと種類が広いところです。
8-3. 社会(40 分・60 点・大問 3・小問 17〜23)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民・前年の出来事) |
|---|---|---|---|
| 2026(3 題・17 問) | 探究発表・都道府県(会話文の空らんを 5 字以上 10 字以内で/仮説を証明するにはどんなデータが要るか/部門別二酸化炭素排出量の資料 3 と大分県)3 問 | 大阪と国際博覧会 9 問 縄文期の海水面 百舌鳥・古市古墳群 足利義満 大坂の陣 江戸の大阪 岩倉使節団 紡績会社 ブリュッセル万博と冷戦 |
エンゲル係数と税・社会保障(直接税と間接税/憲法 30 条の納税の義務/社会福祉/高齢者世帯の所得表からエンゲル係数上昇の理由)5 問 |
| 2025(3 題・21 問) | オーストラリア修学旅行と気候(パリ・ブリスベンの雨温図/季節風/TGV と新幹線のトンネルの差/木曽川・信濃川が急な理由/内水氾濫と外水氾濫)9 問 | 班別の探究発表・歴史上の人物(源氏物語玉の小櫛/御恩と奉公/桜田門外の変の理由を資料 3 点から/岩倉使節団の前後関係/講和条約)7 問 | 2024 年の選挙(都知事選の選挙権/地方自治/議院内閣制と大統領制の権限差/二大政党制と多党制/第 102 代内閣総理大臣)5 問 |
| 2024(3 題・23 問) | 少子高齢化と地域(日本の祭りと地図/ゆるキャラと各県の産物/浜松のブラジル移民/富士市の製紙/移民受け入れに賛成の立場で資料 2 つを使って説得)9 問 | ごみとリサイクルの通史 8 問 縄文の貝塚〜文明開化 厩戸王 平城京の木簡 源頼朝 鎖国 江戸のごみとはいせつ物の利用 日米修好通商条約 文明開化と環境汚染 |
コロナ禍と経済(生活スタイルの変化/内閣府の「家族と過ごす時間」グラフ/円安の仕組み/物価と賃金)6 問 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(原本で確認)
- 大問 3 題・地理 → 歴史 → 公民の並びが、精読した 3 年で完全に一致します。 転写の分類では 3 題編成になった 2019・2021・2023 も同じ並びです。
- 大問 3 は 3 年とも「前年の出来事」から入ります(2024 コロナ禍後の家計、2025「2024 年はまさに選挙の年でした」、2026 エンゲル係数が 43 年ぶりの高水準)。しかもニュースそのものではなく制度に翻訳して問います(選挙 → 選挙権と議院内閣制、物価 → 税と社会保障)。
- 大問 2 は歴史を 1 本のテーマで縦に貫きます(2024 ごみとリサイクルの通史、2025 探究テーマに沿った歴史上の人物、2026 大阪と万博)。時代別の知識を年表順に聞くのではなく、テーマの下に古代〜近代を並べる作りが 3 年とも同じでした。
- 「多摩子さん」が 3 年連続で登場します(2024 大問 1、2025 大問 1、2026 は大問 1・2・3 のすべて)。この学校の社会は生徒が調べて発表する会話文が問題の枠になっていて、その語り手の名前が固定されています。
- 「学級の各班が探究テーマに関連する〜について探究活動をおこない、授業で発表したときの内容です」という同じ導入文が 2025 大問 2 と 2026 大問 1 に出ます。年をまたいで科目内で使い回されている枠です。
- 問題の分量が 2021 年前後で大きく減っています。転写データでは 2010〜2020 年度が 4〜5 題・小問 35〜43 問だったのに対し、2021 年度以降は 3 題・小問 17〜24 問。原本で確認したのは 2024〜2026 の 3 年(23・21・17 問)ですが、古い年度の過去問をそのまま時間を計って解くと分量が本番と合わないので注意がいります。
頻出単元と周期(転写の単元分類・2010〜2026 の 17 年)
| 分野 | 状況 |
|---|---|
| 地理 | 産業(農業・工業・貿易)19%、地図・地形・気候 10%。農業・畜産は 2011・2013・2018・2020・2021・2022、都道府県の同定は 2010・2012・2014・2015・2016・2017・2023 |
| 歴史 | 近現代 15%、古代〜中世 14%。近代の戦争と大正・昭和前期は 11%(単一単元では最多)、鎌倉・室町 6%、江戸 6% |
| 公民 | 憲法・政治 10%。三権分立 2011・2012・2013、地方自治 2014・2018、選挙制度 2022・2025、財政・税 2010・2026、日本国憲法 2015・2021 |
| 環境・防災 | 2019・2025・2026。直近 2 年連続 |
| 国際社会 | 2014・2016・2023 |
問い方
- 記号選択・短答・記述の三本立てで、記述の比重が高い科目です。精読した 3 年で記述は 4 問(2024、17%)・5 問+記号と理由の混合 1 問(2025、24%)・5 問(2026、29%)。転写全体では選択 43%/短答 39%/記述 16% で、社会が 4 科目でいちばん書かせる科目です。
- 記述は知識を書くものではなく、資料を読んで因果を組み立てるものが中心です。2025 大問 1 問 4(1)「TGV は同じ距離でトンネルをほとんど通らない理由を、フランスと日本のそれぞれの地形から説明しなさい」、2026 大問 3(5)「高齢者世帯の所得表とグラフをもとに、エンゲル係数が上昇している理由を考えて説明しなさい」。
- 「あなたならどう説得するか」という聞き方が出ます。2024 大問 1 問 3(3)「外国からの移民を積極的に受け入れるべきだという意見に、あなたが賛成の立場だった場合、どのようにして反対の人を説得しますか。資料ア〜エの中から 2 つ使って」。立場を決めて、指定された数の資料を使うという手順が指示されています。
- 「どのようなデータを示せば証明できますか」という聞き方もあります(2026 大問 1(2))。仮説を立てて、それを裏づける資料を自分で設計させるもので、理科の「予想を確かめる実験を説明しなさい」と同じ考え方が社会にも出ています。
- 空らん補充は「漢字で答えなさい」の指定つきが定番です(2024 大問 2-1、2025 大問 1 問 1・大問 2 問 1・大問 3 問 4、2026 大問 2(2))。人名・地名・条約名・制度名を漢字で書けることが前提になります。
- 選択肢は ア〜エ(一部ア〜カ)。「すべて選びなさい」(2025 大問 1 問 5(2)・大問 3 問 1(1))、「正しいものの組み合わせを a〜d から」(2026 大問 1(3))が混じります。
- 図表は毎年複数。地図・雨温図・棒グラフ・写真・ハザードマップ・統計表。転写全体で有図小問 44% です。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 28〜30。2010〜2019 の資料のみ)
国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2010・2014・2016〜2019 年度に限った話で、精読したのは 2017・2018・2019 の 3 年です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(説明的文章)・設問数 | 大問 2(小説)・設問数 | 大問 3(漢字・語彙)・設問数 |
|---|---|---|---|
| 2019 | 五木寛之『人間の関係』。「国を選ぶか、友を選ぶか」という問いから信頼と信用を論じる/9 問(記述 3) | 小川糸『キラキラ共和国』。鎌倉のツバキ文具店で「私」がタカヒコ君の代筆を引き受ける/10 問(記述 2) | カタカナ→漢字 5 問+四字熟語の空欄に漢字一字 5 問/10 問 |
| 2018 | 永田和宏『環境を変える、自分が変わる』。山中伸弥教授との対談。海外に出ること、「知る」ことの二面性/9 問(記述 3) | バスの車内で老人と少女が居合わせる話。ナツミとマキちゃん/9 問(記述 3) | カタカナ→漢字 5 問+四字熟語(意味と選択・□の漢字)5 問/10 問 |
| 2017 | 鷲田清一『噛みきれない想い』。日本語の「ある」が相手との関係で変化する/10 問(記述 2) | 辻村深月『サクラ咲く』。書記に推薦されて困る場面/10 問(記述 1) | カタカナ→漢字 5 問+共通する部首の名称 5 問/10 問 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(原本で確認)
- 大問 3 題・小問 28〜30 問という枠が精読した 3 年とも同じです。転写データでは 2014 年以降 3 題編成が続きます。
- 大問 1 が説明的文章、大問 2 が小説、大問 3 が漢字・語彙という並びが 3 年とも同じ。詩・短歌・古文・文法(品詞・活用・敬語)の設問は 3 年とも 0 問です。
- 大問 3 の問 1 は 3 年ともカタカナを漢字に直す 5 問。設問文も「次の各文の——線部のカタカナを、それぞれ漢字に直しなさい」(2017・2018)、「次の①〜⑤の文の——線部のカタカナを適切な漢字に改めなさい」(2019)とほぼ同文です。自動集計では、大問 3 が漢字の書き取りで始まる並びは 2016〜2019 の 4 年続いています。
- 大問 3 の問 2 は年ごとに形式が変わります。2017 は共通する部首の名称(伝・仲・体・注 →「にんべん」の要領)、2018 は意味に合う四字熟語を選んで □ を埋める、2019 は意味に合うよう四字熟語の空欄に漢字一字。四字熟語は 2018・2019 の 2 年連続でした。
- 字数指定つきの記述が毎年 3〜6 問。三十字・三十五字・四十字・六十字・七十字・百字と幅があります。「本文中の語句を用いて」の指定が付く記述が 3 年ともありました。
- 「あなたはどう思いますか」という聞き方の記述が 2017 と 2019 にあります。2019 大問 1 問 9「もしあなたが極限の状況で『国を選ぶか、友を選ぶか』の選択に迫られた時は、どちらを選びますか。その理由とともに百字以内で答えなさい」、同 大問 2 問 8「あなたはこの『私』の考えについてどのように思いますか。その理由とともに百字以内で答えなさい」。2017 大問 1 問 6 は敬語の書き直し(「校長先生が言ったとおり…」を担任の先生に話す形に三箇所直す)で、これも自分で組み立てさせる形です。
頻出と問い方(精読した 3 年)
- 記号選択・短答・記述の三本立て。比率は 2017 が短答 53%/選択 37%/記述 10%、2018 が選択 57%/短答 21%/記述 21%、2019 が選択 41%/短答 41%/記述 17%。年によって選択と短答の比重が入れ替わるので、どちらか一方に偏った準備はしにくいところです。
- 記述の中身は理由説明(「なぜですか。その理由を、本文中の語句を用いて四十字以内で」)と指示語・内容説明(「『そう』が指し示す内容を三十字以内で」)が柱。問 7 の答えを受けて問 8 でその理由を書かせるという 2 段構え(2018 大問 1)もあります。
- 抜き出しは「六字で」「三十四字で抜き出して最初と最後の五字」「一文を抜き出して最初の五字」など、字数と答え方の指定が必ず付きます。
- 「最も適切でないもの」を選ばせる設問が目立ちます。2019 大問 2 は問 4・問 5・問 6 の 3 問連続で「適切でないもの」。2017 大問 1 問 9「適切でないもの」、問 10「合致しないもの」。設問文の否定を読み落とすと 3 問まとめて落ちます。
- 接続語の空欄補充(「同じ記号を二度以上使用しないこと」の但し書きつき)、語句の意味(「言いえて妙」「気後れ」「悠々自適」「垣間見る」「つゆほども思わず」)、慣用句・ことわざ、四字熟語が毎年入ります。語彙の設問が全体の 2 割前後を占めます。
- 文の並べ替え(2019 大問 1 問 5、ア〜エを正しい順に)、脱文挿入(2018 大問 1 問 3、A〜D のどこに入るか)、段落の役割(2017 大問 1 問 9)といった、文章の組み立てを問う設問が毎年 1〜2 問あります。
- 本文の外の知識を問う設問が混じることがあります(2018 大問 1 問 9「ノーベル文学賞を受賞した作家をア〜クから一つ」)。
- 大問 1 の素材は言葉・異文化・人との関係を論じた新書系の文章と対談、大問 2 は中学生前後の主人公が周囲との関係で揺れる小説。精読した 3 年ともこの組み合わせでした。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
最終確認年度は、その単元を原本または転写で最後に確認できた年度です(算数・理科・社会は 2026 年度、国語は 2019 年度までを見ています)。
| 科目 | 単元 | 出題年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 円とおうぎ形の求積 | 2012・2013・2018・2020 | 2020 年度 | 大問としては 2020 を最後に 5 年空き |
| 算数 | 資料の整理(表・グラフの読み取り) | 2012・2019 | 2019 年度 | 長く空いている |
| 算数 | 速さのダイヤグラム(速さとグラフ) | 2010・2014〜2017・2024 | 2024 年度 | 2024 を最後に 2 年空き。2025 は水量、2026 は面積のグラフに置き換わった。グラフの縦軸が何かを読み替える練習でまとめて備えられる |
| 理科 | 中和・水溶液の計算 | 2010・2015・2017 | 2017 年度 | 大問としては 9 年空き。最も長く空いている化学の柱 |
| 理科 | 星・星座 | 2015・2020 | 2020 年度 | 5 年周期。2020 を最後に 6 年空き |
| 理科 | 人体(消化・呼吸・血液) | 2017・2019 | 2019 年度 | 大問としては 7 年空き。小問では 2024・2025・2026 に毎年入っている |
| 理科 | 溶解度・再結晶 | 2012・2018 | 2018 年度 | 6 年周期なら次が近い |
| 理科 | 浮力・密度 | 2010・2013 | 2013 年度 | 長く空いている |
| 理科 | 光 | 2017 | 2017 年度 | 大問は 1 回のみ |
| 理科 | 花のつくり・植物 | 2015・2022・2023 | 2023 年度 | 大問 3 が生物で固定なので、動物と交互に来る候補 |
| 社会 | 農業・畜産 | 2011・2013・2018・2020・2021・2022 | 2022 年度 | 最大の頻出単元だが 2022 を最後に 4 年空き。戻る候補 |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣 | 2011・2012・2013 | 2013 年度 | 大問としては長く空いている(2025 大問 3 問 2 で議院内閣制として小問に復帰) |
| 社会 | 都道府県の同定 | 2010・2012・2014・2015・2016・2017・2023 | 2023 年度 | 2023 以来 3 年空き。2026 は都道府県の探究発表という形で復帰 |
| 社会 | 国際社会・国際協力 | 2014・2016・2023 | 2023 年度 | 3〜7 年周期 |
| 社会 | 日本国憲法(条文) | 2015・2021 | 2021 年度 | 2026 で憲法 30 条が小問に復帰 |
| 社会 | 人権・多様性 | 2013・2019 | 2019 年度 | 長く空いている |
| 社会 | 史料・資料の読解を大問の柱にする作り | 2021 | 2021 年度 | 単発 |
| 国語 | 大問 3 問 2 の部首 | 2017 | 2017 年度 | 四字熟語(2016・2018・2019)と交互になる候補 |
- 算数の大問 2(一行問題 3 枠)は毎年入れ替わるので、ここは周期で待たず、全分野をひととおり学び終えることで備えます。
- 国語の大問 3 の問 2 は、資料のある範囲で毎年形式が入れ替わっています(部首 2017 → 四字熟語 2018・2019、転写では 2016 が四字熟語、2010 の大問 2 が抜き出し系)。部首・熟語の組み立て・同音異義語・慣用句をひと通り触れておくと、どれが来ても動けます。
- 国語の 2010 年度は大問 2 題(抜き出し中心)で、2014 年度から 3 題になっています。古い年度は構成が違います。
- 詩・短歌・古文は資料のある 6 年に一度も出ていませんが、資料が 2019 年度で止まっているため、直近の状況は分かりません。
10. 形式面の注意
- 算数: 記述・途中式の要求は精読した 3 年にゼロ。記号選択もゼロで、すべて答えのみを書きます。作図は 2026 大問 6(2) のグラフ 1 問だけ。2024 大問 6 では「グラフのアとイの数を答える」形だったので、同じ題材が「読む」年と「かく」年に分かれます。両方できるようにしておきましょう。円周率の但し書きは精読した 3 年の設問文には現れなかったので(回転体では 3.14 を使う場面があります)、市販の過去問集で表紙の指示を確認してください。単位は設問文に cm・cm²・cm³・m・分 と印字されています。答えに単位を書く形かどうかは転写からは読み切れません。
- 理科: 選択肢は ①〜⑥ の丸数字で、「2 つ選んで」「全て選んで」が混じります。計算の桁指定が但し書きで出ます(「小数第 1 位まで」2024・2026、「整数で」2024 大問 2(2))。指定を読み落とすと、合っていても外れます。「漢字 4 文字で答えなさい」(2026 大問 3(7) 食物連鎖)のような文字種・字数の指定が短答に付きます。記述の字数指定は無く(字数指定のある冊は転写全体で 0%)、解答欄の大きさが分量の指示になっていると考えられます。作図は転写全体では「あり」となっていますが、精読した 3 年には現れませんでした。
- 社会: 選択肢は ア〜エ(一部ア〜カ)。「すべて選びなさい」「正しいものの組み合わせを a〜d から」が混じります。空らんは「漢字で答えなさい」の指定つきが定番。字数指定は年により有無が分かれ、2026 大問 1(1) は「5 字以上 10 字以内」、他の記述には字数指定が無く「解答らんにあうように」「文章の形で」といった形式指定が付きます(転写全体では字数指定のある冊が 82%)。「解答らんに合うかたちで」(2025 大問 1 問 4(1))のように文末や書き出しが指定されることがあるので、過去問は実寸の解答用紙で練習したいところです。記述の空らんに「文章の形で」答える指定(2025 大問 2 問 5 の A・B は文章、C は歴史用語)もあり、語句と文の書き分けを求められます。別ページの資料を参照させる設問が多く(「〇ページの下線部」「地図 II を参考にして」)、冊子を行き来する時間を見込む必要があります。
- 国語: 冒頭に「字数制限のある問題は、句読点やカギカッコも一字と数えること」の但し書きが精読した 3 年ともあります。記述は 30〜100 字の字数指定つき。「本文中の語句を用いて」の指定が多いので、自分の言葉に置き換えすぎないほうが合います。抜き出しは「六字で」「最初と最後の五字」と答え方まで指定されます。形式段落に番号が振られている年があり(2017 大問 1 は 1〜13)、段落番号を使った設問に備えます。本文の表記について「本文中の表記は原文のままにしてあります」の注記があります。
- 時間: 算数 50 分 15 問(1 問 3 分強。大問 1 の計算 3 問を 6〜8 分で抜け、3 問構成の大問 6 に 12 分残す配分が現実的)、国語 50 分 28〜30 問(読む本文が 2 本あるので、大問 3 の漢字・語彙 10 問を先に 5 分で片づける進め方が現実的)、理科 40 分 20〜22 問(1 問 2 分弱。記述が 5 問以上出る年は先に時間を見積もる)、社会 40 分 17〜23 問(うち記述 4〜5 問。記述に 15 分前後は取られる計算で、残りを 25 分で回す配分)。社会と理科は記述に取られる時間を先に見積もる必要があります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さを最優先に。分数と小数の混じった四則混合を、途中で約分しながら正確に通せるところまで。図形は面積の公式と角度の基本、立体は「回すとどうなるか」を粘土や紙で体感しておきます(回転体が 3 年連続で出る学校です)。国語は音読と語彙、漢字は学年配当を確実に。理科・社会は身のまわりの自然と地図に興味を持たせる段階でよく、時間計測はまだしません |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終えることが、この学校では本体になります。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の四則混合と逆算、それに国語の漢字・語彙を毎日。週末 60 分はその週の単元 1 つに充てます。算数の単元は、大問 2 の一行問題 3 枠と大問 3〜5 に入るものを次の順に置きます。平面図形の面積比(受験用教材の単元)→ 速さ → 売買損益(受験用教材の単元)→ 規則性 → 場合の数 → 約束記号(新しい記号の決まりを読んで使う問題・受験用教材の単元)→ 水量。理科は 4 分野を均等に、とくに地学(気象・月・星・地震火山・地層)を厚めに。社会は地理と歴史を通しで一巡し、資料を見て 2〜3 文で理由を書く習慣をここで作ります。国語は説明的文章と小説の 2 本立てに慣れ、四字熟語・慣用句・ことわざを貯めます。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は大問の番号ごとに年度をまたいで縦に解きます(算数の大問 1 を 17 年分、理科の大問 4 を 10 年分、社会の大問 3 を 6 年分)。通しで時間を計るのは各科目 2〜3 回で足ります。社会の通し演習には 2021 年度以降を使ってください(それ以前は分量が倍近くあります)。国語は 2019 年度までしか資料が無いので、市販の過去問集で直近を確認します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差が出るのは小 5 での全分野の一巡です。算数の大問 2 の 3 枠と大問 3〜5 は毎年入れ替わるので、単元プールの穴がそのまま失点になります。逆に、座席が固定されている場所(算数の大問 1、理科の大問 4)は小 6 の反復で十分間に合います。もう一点、書く力の立ち上がりが遅いと最後まで響きます。社会の記述 4〜5 問、理科の記述 1〜6 問、国語の記述 3〜6 問を合わせると、4 科目で毎年 10 問前後を書くことになります。「資料を見て理由を 2〜3 文で書く」を小 5 のうちに習慣にしておくと、小 6 で過去問に入ったときの伸びが違います。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。
- 品川女子学院中等部(東京都・女子校)— 4 科すべてが近く、算数がとくに近い組み合わせです。大妻多摩の算数(6 題 15 問・全問短答)に最も近く、過去問がそのまま演習量になります。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 昭和学院中学校(千葉県・共学)— 理科が最も近く、算数・国語も近い組み合わせです。社会はやや離れます。
- 自修館中等教育学校(神奈川県・共学)— 理科・国語が近い組み合わせです。算数は構成が違います。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- この学校は 2 科と 4 科を選べる入試です。2 科で受けるなら、併願先が 4 科目校の場合、理科・社会は本校の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」の距離と、単元の分布の似方を合成したものです。同じ問題が出るという意味ではありません。なお大妻多摩の国語は資料のある年が 2019 年度までなので、国語の近さは古い年度どうしの比較である点に注意してください。
13. 資料の限界
- 入試回が分かりません。過去問データベースは校×年×科目 1 冊のみの掲載で、回の区別ができないため、第 1 回相当として読んでください。2027 年度は第 1 回〜第 5 回があり、午後の第 2 回・第 4 回は 2 科(算数・国語)または算数 1 科という別形式なので、その傾向はこの資料からは分かりません。
- 国語は 2020 年度以降の資料がありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。資料があるのは 2010・2014・2016〜2019 の 6 年で、精読したのは 2017〜2019 の 3 年です。直近 6 年の国語の形式・記述量・素材のジャンルは、市販の過去問集で必ず確認してください。理科は 2011 年度の資料がありません。
- 精読したのは各科目 3 年分です(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2017〜2019)。それより前の年について書いた回数・年度は、転写データの単元分類にもとづきます。設問の中身まで確認したわけではないので、単元名の粒度は本文中の 3 年分より粗くなります。
- 転写データは画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがあり得ます。設問文の一部に明らかな誤字(「定価をつしました」「辺 AB の数を求めなさい」など)が残っており、原本の表記そのままではない箇所があります。
- 配点はどの科目・年度にも印刷されていません。本文の比重はすべて設問数ベースで、実際の得点への効き方とは違う可能性があります。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で確認したか、自動集計で連続年数が出ているものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念には触れていません。これらは別のページの領分です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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