桐朋女子中学校 の過去問分析
桐朋女子中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
桐朋女子中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・資料に入っている 1 冊ずつ・算数 11 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都調布市 |
| 男女 | 女子校(高等学校音楽科のみ男女共学。普通科・中学校は女子です) |
| 旧称 | 桐朋高等女学校(1947 年に改称)、桐朋高等女学校・桐朋第二中学校 |
| 入試回と日程・科目 | A 入試 2 月 1 日午前 — 国語・算数(筆記)+口頭試問/英語 1 科 2 月 1 日午後 — 英語(筆記)+インタビュー/論理的思考力&発想力入試 2 月 2 日午前 — 記述の試験(言語分野・理数分野)/B 入試 2 月 2 日午後 — 2 科(国語・算数)または 4 科(国語・算数・社会・理科) |
| 試験時間 | A 入試: 国語 45 分・算数 45 分、口頭試問は準備 40 分+試問 15 分/英語 1 科: 筆記 45 分+インタビュー 10 分/論理的思考力&発想力入試: 言語分野 50 分・理数分野 50 分/B 入試: 国語 45 分・算数 45 分・社会 30 分・理科 30 分 |
| 配点 | 4 回とも募集要項に記載がありません |
| 面接にあたるもの | A 入試の口頭試問、英語 1 科のインタビューがあります |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
桐朋中学校(国立市・男子校)とは別の学校です。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
資料に入っているのは筆記の問題冊子だけです。過去問という形で練習できるのは筆記の部分だけで、A 入試の口頭試問と英語 1 科のインタビューはこの資料からは分かりません(→ 13 節)。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数と国語は「大問の並びが 10 年以上動かない」学校で、理科と社会は「形は動くが、聞き方の姿勢が動かない」学校です。
- 算数は精読した年も構成だけ数えた年も含めた 11 年すべてで、大問 1 = 計算 4 問/大問 2 = □ にあてはまる数の小問集合/大問 3 か 4 = 速さ/大問 5 = 初めて見るルールを読み解く長い問題、という並びが崩れていません。
- 国語は 5 年すべてで、大問 1 = 漢字 20 問(書き取り 15・読み 5)/大問 2 = 説明文・随筆/大問 3 = 物語・評論。理科は「実験の結果から、考えられることを書きなさい」、社会は「あなたの考えを、資料を根拠に書きなさい」が名物です。
家でやること 3 つ
- 算数の計算 4 問を毎日、途中式つきで解きます。
- 国語の漢字 20 問を毎日、書き取り 15・読み 5 の配分で練習します。
- 理科の記述だけを 7 年分、社会の記述だけを 9 年分、それぞれ縦に解きます。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 5 を 1 年分、時間を計らずに解きます。(1) を例にならって書き、規則を言葉にしてから (2) へ進めるかを確かめます。
注意
- この資料には複数の入試回の冊子が混ざっています。4 科目を 1 つの回の試験として横に並べて読むことはできません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。以下では、設問文まで通して読んだ年を精読した年、大問の構成と単元だけを数えた年を構成だけ数えた年、その合計を資料のある年と呼び分けます。
| 科目 | 資料のある年度 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010・2014〜2022・2025 | 11 | 6 | 5 | 大問 5 題・小問 16〜22 問。全年で構成が一致し、転写の確度は高い |
| 理科 | 2015・2017〜2022 | 7 | 3 | 4 | 大問 3〜4 題・小問 18〜25 問。2016 年度と 2023 年度以降は資料に無い |
| 社会 | 2012・2013・2015・2017〜2022 | 9 | 3 | 6 | 大問 2〜3 題・小問 16〜26 問。2017 年度は大問の切れ目が資料上まとまってしまっている |
| 国語 | 2014・2015・2016・2018・2021 | 5 | 3 | 2 | 大問 3 題・小問 35〜44 問。2022 年度以降は問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2010 年度は大問の切れ目がずれているため使わなかった |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回が科目によって混ざっています。表紙や解答に回の表記があるものを拾うと、国語と算数は A 入試、理科と社会は B 入試のものが中心と見るのが自然ですが、回の表記が無い年が大半なので、年ごとに断定はできません。4 科目を 1 つの回の試験として横に並べて読むことはできません(→ 13 節)。
- 口頭試問の資料は入っていません。資料のある年の冊子は、すべて筆記の問題冊子です。A 入試を受けるなら、口頭試問の準備は別途必要になります。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の問題冊子を読み直して確認したものです。確認できなかったことは「精読した年と構成だけ数えた年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 配点は 4 科目とも問題冊子にも解答にも印刷されていません。募集要項にも配点表がありません。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形問題や地形・グラフの細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
算数と国語は「大問の並びが 10 年以上動かない」学校で、理科と社会は「形は動くが、聞き方の姿勢が動かない」学校です。
- 算数は、11 年(2010〜2025)すべてで「大問 1 = 計算 4 問」「大問 2 = □ にあてはまる数の小問集合」「大問 3 か 4 = 速さ」「大問 5 = 初めて見るルールを読み解く長い問題」という並びが崩れていません。同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味であって、同じ問題が出るわけではありません。数値まで一致する再出題は 11 年分を見比べても見つかりませんでした。
- 国語は、5 年(2014〜2021)すべてで「大問 1 = 漢字 20 問(書き取り 15・読み 5)」「大問 2 = 説明文・随筆」「大問 3 = 物語・評論」。漢字 20 問という数まで動いていません。
- 理科は大問 1 が生物である年が 7 年中 6 年です。それ以上に一貫しているのは、「実験の結果から、考えられることを書きなさい」という聞き方です。記述が全体の 1〜4 割を占め、ゼロの年がありません。
- 社会は大問 1 が歴史(原始・古代から始まるテーマ通史)で 9 年不変です。大問が 3 つある年は 3 つ目が公民。ここでも「あなたの考えを、資料を根拠に書きなさい」という設問が名物になっています。
したがってこの学校の過去問の使い方は、①同じ座席(問題の置き場所)を縦に解く(算数の大問 1・2・5、国語の漢字 20 問)、②その場で考えて書く練習をする(理科・社会の記述)の二つに集約されます。「出る問題を覚える」使い方はどの科目でも効きません。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最初に時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 5 題・小問 16〜22 問・45 分・答えのみ(11 年不変) | 大問 1・2 は確実に取る枠、大問 5 は初見のルールを読む枠。速さは 11 年皆勤 | 計算 4 問を途中式つきで+大問 5 の「ルールを読んで手を動かす」訓練 |
| 国語 | 非常に高い。大問 3 題・小問 35〜44 問・45 分(5 年不変) | 漢字 20 問+説明文+物語。抜き出しと記述で 8 割 | 漢字 20 問と字数を守った記述(15〜50 字、まれに 80 字) |
| 理科 | 中程度。大問 3〜4 題・小問 18〜25 問・30 分。大問 1 は生物が定位置 | 実験と観察から考えて書く。記述が 1〜4 割、グラフをかく設問が 4 年連続 | 「実験の結果から言えること」を 1〜2 文で書く練習と、表からグラフをかく作業 |
| 社会 | 中程度。大問 2〜3 題・小問 16〜26 問・30 分。歴史→地理→公民の順は不変 | テーマ通史と地元(多摩・武蔵国)の地域史。提案・考案の記述が名物 | 「資料 → 気づいたこと → 自分の考え」を 2〜3 文で書く練習 |
4 科目を通じて共通するのは、「知っていることを答える」より「今読んだものから考えて書く」比重が高いことです。算数の大問 5 も、理科の「考えられることを書きなさい」も、社会の「あなたならどうするか」も、国語の「あなたはどちらの見方をするか」も、根は同じところにあります。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 「桐子さん」と「朋子さん」が科目をまたいで登場します。理科では自然観察に出かけ(2020)、けんび鏡をのぞき(2018)、先生に質問します(2019)。社会では歴史上の「旅」を調べてカードを作り(2022)、日本各地を語り合います(2018・2022)。算数にも顔を出します(2020・2022)。受験生と同じ年ごろの生徒が主人公になって問題が進むのが、この学校の全科目に共通する作りです。
- 地元が題材になります。武蔵国と多摩郡(社会 2013・2020)、東京都内の遺跡を調べたメモ(社会 2017)、東京都年表(社会 2020)。調布・多摩・武蔵野の地域史は他校ではまず出ません。
- 算数の大問 5 は「学校の外の生活」から題材を取ります。動物レースの順位当て(2016)、クレジットカード番号のチェックのしくみ(2017)、ブザーが鳴る周期(2019)、道のタイルのつなぎ目を数えながら歩く(2020)、ダンス大会の採点ルール(2021)、ドッジボール大会のトーナメント表づくり(2022)。塾のテキストにそのままの形では載っていない設定を読んで、その場で規則を見つけるという一貫した作りです。
- 理科は「日常のもの」から入ります。カステラの袋に入っている脱酸素剤(2020)、金魚を入れてくれるビニールぶくろ(2021)、モビール(2021)、つゆの天気(2022)、消火のあわ(2022)。「なぜそうなっているのか、考えられることを書きなさい」という問いに続きます。
- 社会は「あなたならどうするか」で締めます。自分の街のバリアフリーの工夫(2020)、大地震への備え(2020)、江戸時代の旅人の紹介カードを作る(2022)、都道府県の観光パンフレットを作る(2022)。
- 国語も「あなたはどう考えるか」を聞きます。知っている昔話を一つ挙げてくりかえしの種類を説明する(2016)、農業と自然の見方について自分の立場を理由つきで書く(2021)。
4 科目に共通して、「考えたことをことばにする」ことが問われているように見えます。校名を伏せて 4 科目の記述だけを並べても、同じ学校のものだとわかる程度に姿勢がそろっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定学年は受験学年(小 6)の過去問演習期です。小 5 以前の読み方は 11 節(学年別ロードマップ)に分けて書きました。各項目の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数の計算 4 問を途中式つきで。 2015 年度以降 9 年連続で「とちゅうの計算式も解答用紙に書きなさい」と指示があります。答えだけ書く癖がついていると、ここでそのまま失点します。分数と小数の混在、かっこの入れ子が深い形に慣れておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字 20 問。 書き取り 15・読み 5 の配分で、送り仮名つきの訓読み(養う・快く・営む・幼い・治める)を重点的に。漢字 20 問を 5〜7 分で終える練習をしておくと、45 分で 37 問という速度の中で読解に時間が回ります。(確認: 〜2021 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 2(小問集合)を過去問 11 年分だけ縦に解きます。割合・面積比・立体・売買・単位換算という、この学校が好む単元が一巡します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 算数の速さ。往復とすれ違い、引き返し、2 ルートの比較、グラフの空欄埋めの 4 つ。11 年皆勤の単元です。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科の記述だけを 7 年分縦に解き、あわせて表からグラフをかく作業を定規つきで(2017〜2020 の 4 年連続)。「実験の結果 →(だから)→ 言えること」の並べ方を、答えを覚えるのではなく手順として身につけます。知識ではなく本文の条件を根拠に書き、「〜から」「〜ので」で締めます。生物は大問 1 の指定席なので、発芽・光合成・花のつくり・人の呼吸・食物連鎖を実験と結びつけて復習し、気体と水溶液の判別は実験の手順(BTB・石灰水・においなど)ごとまとめます。(確認: 〜2022 年度)
- [週末 60 分] 社会の記述だけを 9 年分縦に解きます。「資料から読み取れること → 自分の考え → 理由」の 3 文で、「〜だから」「〜と考えられる」で締めます。あわせて、テーマ通史のノート(宗教・戦争・食・交通と旅・移民の 5 本を縄文から現代まで 1 枚に)、古代(縄文・弥生・古墳。9 年中 6 年で大問 1 の入口。地元題材も 2 回出ています。土偶・銅鐸・銅矛・前方後円墳は写真と用語をセットで)、東京・多摩・武蔵野の地域史(国分寺・国府・武蔵国、調布と多摩川、東京の坂と地形)、憲法と三権を条文レベルまで(平和主義は第何条か、憲法改正の手続き、地方公共団体の仕事)、図版・写真・表(教科書の写真ページを「これは何の資料か」と言えるまで)。(確認: 〜2022 年度)
- [週 1 回] 国語の字数指定つき記述。15 字・25 字・40 字・50 字の 4 段階で同じ内容を伸縮させます。句読点も 1 字と数える前提で。「解答らんに合うように」の条件つき記述は、文末を「〜こと。」「〜から。」「〜点。」で合わせます。説明文は生き物とことば、物語は同世代の女の子の心情という 2 本を意識して読み物を選び、「あなたはどう考えるか」を理由つきで 2〜3 文で書く練習もここに入れます。(確認: 〜2021 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 5 を別枠で。時間を計らず、(1) を例にならって書き、規則を言葉にしてから (2) へ進みます。ここは「解けるかどうか」より「読み方を知っているかどうか」で差がつきます。図や表に書き込ませる設問があるので、答案に途中の表を作る癖をつけておきます。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(45 分・大問 5 題・小問 16〜22 問・答えのみ)
資料のある年 11 年(2010・2014〜2022・2025)。精読した年は 6 年(2016・2017・2018・2021・2022・2025)、構成だけ数えた年は 5 年です。
同じ場所に同じ種類の問題が出る(この学校で一番はっきりしている固定)
11 年すべてで、次の並びが崩れていません。
| 位置 | 中身 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 大問 1 | 計算 4 問(整数・小数・分数の四則混合) | 11 年すべて(2010〜2025)。小問数も 4 問で一度も動かない |
| 大問 2 | 「次の □ にあてはまる数を答えなさい」の小問集合 3〜5 問 | 11 年すべて。割合・図形・立体・売買・単位など、単元は毎年入れ替わる |
| 大問 3 または 大問 4 | 速さ(グラフつきの年が半分) | 11 年すべて。大問 3 に置かれた年が 7 回、大問 4 が 4 回 |
| 大問 5 | 初めて見るルール・しくみを読み解く長い問題(小問 3〜7 で最多) | 11 年すべて |
「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味です。数値も設定も毎年作り直されており、11 年分を見比べても数値まで一致する再出題は見つかりませんでした。
なお、自動集計の一覧では大問 2 の単元が年ごとに「和差算」「平均算」「割合」と入れ替わって見えますが、これは小問集合の先頭の小問だけを拾った結果です。原本では 11 年とも大問 2 は「□ にあてはまる数」の小問集合で、位置は動いていません。
年度×大問の題材表(精読した 6 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 計算 4 | 小問集合 4(割合・差の分配・直角二等辺三角形の重なり・三角柱の容器) | 速さ(弟が引き返し兄が追う) | 図形の移動(円のまわりを円が転がる) | 数の性質(2 けたの数を奇偶で ×・+ に変える自作ルール) |
| 2022 | 計算 4 | 小問集合 4(平均点・三角形の面積比・4 けたの整数・円柱のくりぬき) | 割合(1 年生の住所を都県別に・9 月の転入) | 速さ(2 本の登山道 A・B の上り下り) | 場合の数(ドッジボール大会のトーナメント表づくり) |
| 2021 | 計算 4 | 小問集合 3(りんごとトマト・長方形の中の三角形・ソフトボール投げの比) | 売買(コロッケとハムカツのポイント還元) | 速さとグラフ(自転車+坂道の徒歩・図書館へ) | 平均算(審査員 7 人の最高点と最低点を除く採点ルール) |
| 2018 | 計算 4 | 小問集合 4(7 で割る商と余り・円とおうぎ形・帯グラフ・容器の水) | 速さ(跳ねて進むロボット 2 台の追いかけ) | 濃度(果汁 80% と 60% の飲み物を混ぜる) | 平面図形(正方形を折り目で切り続ける・面積の規則) |
| 2017 | 計算 4 | 小問集合 3(ジュースの分配・人口密度・時計算) | 速さとグラフ(姉と妹・駅へ・ポストに寄る) | 平面図形(ひし形の紙を重ねて並べる) | 推理(クレジットカード番号のチェックのしくみ) |
| 2016 | 計算 4 | 小問集合 4(ジュースの割合・土地の縮尺・半円柱・円グラフ) | 図形の移動(二等辺三角形から紙テープを切り取る) | 速さとグラフ(貨物船と遊覧船・C 島で荷降ろし) | 推理(動物レースの順位当て・表に書き入れる) |
頻出単元と周期(11 年分)
| 単元 | 出現 | 出方 |
|---|---|---|
| 四則計算(大問 1) | 11/11 | (1) 整数、(2)(3)(4) が小数・分数の混合。かっこの入れ子が深く、逆算(□ にあてはまる数を求める計算)は大問 1 には出ない |
| 速さ | 11/11 | 往復・追いかけ・引き返し・2 コースの比較。グラフの空欄を埋める形が 2016・2017・2021 ほか |
| 平面図形の面積・面積比 | 8/11 | ほとんどが大問 2 の小問集合の 1 問。大問として出た年は 2017・2018 |
| 立体図形の体積・表面積 | 6/11 | 2014・2015・2016・2018・2020・2022・2025。円柱のくりぬき・容器に入る水・展開図 |
| 規則性・数列 | 6/11 | 2010・2015・2017・2019・2020 ほか。大問 5 の主戦場 |
| 売買損益 | 6/11 | 2010・2014・2015 は 3 年連続で大問 4。2019・2020 は大問 2 の 1 問に、2021 は大問 3 に |
| 割合と比 | 6/11 | 2016・2019・2020・2021・2022・2025 |
| 場合の数 | 4/11 | 2014・2015・2022 ほか。トーナメント・カードの並べ方 |
| 推理・論理 | 2/11 | 2016(動物レース)・2017(カード番号のしくみ)の 2 年連続。以後は出ていない |
| 数の性質 | 4/11 | 2010・2014・2018・2025 |
| 濃度(食塩水・果汁) | 2/11 | 2015(大問 2 の 1 問)・2018(大問 4) |
| 縮尺・単位換算 | 3/11 | 2010・2014・2015・2016 と大問 2 に集中。2017 以降は出ていない |
| 時計算 | 1/11 | 2017 |
| 水量とグラフ | 1/11 | 2019(大問 3) |
問い方のくせ
- 大問 1 に「とちゅうの計算式も解答用紙に書きなさい」の一文がつきます。2015 年度から 2025 年度まで 9 年連続で同じ文言です。2010・2014 にはこの一文がありません。実際、2021 年度の解答にも計算の途中経過が印刷されています。答えだけ書いて途中式を書かない練習をしていると、大問 1 でそのまま失点しえます。
- 大問 5 は「その場で新しいルールを読み、手を動かして調べる」問題です。動物レースの順位当て(2016)、クレジットカード番号のチェック(2017)、ブザーの鳴る周期(2019)、タイルのつなぎ目を数える歩き方(2020)、審査員の採点ルール(2021)、トーナメント表の作り方(2022)、2 けたの数を奇偶で計算式に変えるルール(2025)。どれも塾のテキストにそのままの形では載っていない設定で、(1) は例にならって書き写せば取れる、(2) 以降で一般化を要求する、という上り方をします。
- 大問 5 には「解答用紙の図(表)に書き入れなさい」という設問が混ざる年があります(2015・2016・2019・2020 で確認)。コンパスと定規で図形をかく作図ではなく、用意された表・数直線・図に印や数を書き込む形です。自動集計は「作図あり」と表示しますが、中身はこちらです。
- 大問 3・4 の速さは「グラフの空欄ア・イ・ウを埋める」→「速さを求める」→「出会う時刻・残りの距離」の 3 段が定番です。
- 小問集合(大問 2)は 1 問 1 単元で、図つきが毎年 1〜2 問あります。
8-2. 理科(30 分・大問 3〜4 題・小問 18〜25 問。2015〜2022 の 7 年分)
資料のある年 7 年。精読した年は 2020・2021・2022 の 3 年、構成だけ数えた年は 2015・2017・2018・2019 の 4 年です。2016 年度と 2023 年度以降は資料にありません。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は生物です。2015(インゲンマメの発芽)・2017(植物と光合成)・2018(花粉の観察)・2020(こん虫と化石)・2021(人の呼吸)・2022(田んぼの生態系)の 7 年中 6 年。例外は 2019(気温のグラフ)だけです。直近では 2020〜2022 の 3 年連続。
- 大問 2・3 は物理と化学です(年により地学が 1 つ入ります)。大問 2 は電気・磁石・力のいずれか(2015・2018・2020・2021)が 4 回、熱と燃焼が 2 回。大問 3 は化学(水溶液・気体・溶解度・質量)が 5 回。
- 大問数は 2017 年度以降 3 題が基本です(2019 のみ 4 題)。2020〜2022 は 3 題で 3 年連続。
- 算数のような 11 年規模の固定ではないので、「毎年この位置にこれ」と言い切れるのは大問 1 の生物だけです。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 生物/田んぼの調査区画と食べる・食べられる関係(バッタを取り除いたら) | 化学/ものが燃える 3 条件・消火のしくみ・化石燃料 | 地学/つゆ(梅雨前線と 4 都市の気温・降水量) | — |
| 2021 | 生物/人の呼吸(はき出した息の実験・えら呼吸・金魚のふくろ) | 物理/てこと荷物・モビールのつり合い | 化学/炭酸カルシウムと塩酸(発生する二酸化炭素の重さ) | — |
| 2020 | 生物・地学/がけのスケッチと化石・こん虫のからだ | 物理/電熱線の発熱と LED | 化学/オキシドールから出る酸素・脱酸素剤 | — |
| 2019 | 地学/3 市の気温のグラフ | 化学/酸性とアルカリ性の中和(先生との会話) | 生物/だ液のはたらき | 物理/空気てっぽうと空気の圧縮 |
| 2018 | 生物/けんび鏡と花粉の観察 | 物理/電磁石とモーター(グラフをかく) | 化学/食塩とミョウバンの溶解度・再結晶 | — |
| 2017 | 生物/光合成とオオカナダモの気ほう | 物理/水を熱したときの温度変化と状態変化 | 地学/月の満ち欠けと見え方 | — |
| 2015 | 生物/インゲンマメの発芽条件(5 通りの比較) | 物理/磁石と電磁石 | 化学/5 つの薬品びんの判別 | 地学/流水のはたらきと地形 |
頻出単元と周期(7 年分)
| 単元 | 出現年 |
|---|---|
| 植物・生態(発芽・光合成・花粉・食物連鎖) | 2015・2017・2018・2019・2022 の 5 年 |
| 気体と水溶液(判別・中和・発生量・溶解度) | 2015・2018・2019・2020・2021 の 5 年 |
| 電気・磁石 | 2015・2018・2020 の 3 年 |
| 気象 | 2019・2022 の 2 年 |
| 人体・動物 | 2020・2021 の 2 年 |
| 力(てこ・つり合い・浮力) | 2021 の 1 年 |
| 月・天体 | 2017 の 1 年のみ |
| 地層・化石・流水 | 2015・2017・2020 の 3 年 |
7 年では天体(月・星)が 2017 の 1 回だけで、他校に比べて薄いところです。逆に「実験の結果から言えることを書く」形の生物・化学が厚くなっています。
問い方のくせ
- 「なぜですか。考えられることを書きなさい」が看板です。2022 年度は 25 問中 4 問がこの言い回しで、ほかに「理由もあわせて書きなさい」「そのはたらきを書きなさい」が並びます。知識を答えるのではなく、目の前の実験結果・グラフから推論して書かせるのが一貫した姿勢です。
- 記述の割合は年で大きく動きます。2020 年度は 20 問中 9 問(45%)、2022 年度は 25 問中 9 問(36%)、2015 年度は 25 問中 7 問(28%)、一方 2021 年度は 18 問中 2 問(11%・ただし「選んで、理由も説明する」混合が 3 問)、2018 年度は 22 問中 3 問(14%)。少ない年でも 1 割強、多い年は 4 割強と幅があります。ゼロの年は 7 年にありません。
- グラフをかかせる設問が 2017・2018・2019・2020 の 4 年連続です(オオカナダモの気ほう・モーターの回転数・空気の圧縮・オキシドールと酸素)。表の数値を点に打ち、線で結ぶ形です。2015 は磁石の N・S を図に書き入れる、2020 はこん虫の足を図にかき足す設問でした。定規で点を打つ練習は必須です。
- 実験は【実験 1】【実験 2】…と並べ、「実験 1 の結果から、どのようなことがわかりますか」と続けます。条件を 1 つだけ変えた比較実験(2015 のインゲンマメ 5 通り、2020 の電熱線)が繰り返し出ます。
- 会話文で進む大問があります(2019 の中和は生徒と先生の問答、2021 のてこは友だち同士の会話)。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」の完答式の選択が毎年数問あります。
- 生徒役の名前として「桐子さん」が繰り返し登場します(理科 2017・2018・2019・2020 で確認。社会・算数にも出てきます)。
8-3. 社会(30 分・大問 2〜3 題・小問 16〜26 問。2012〜2022 の 9 年分)
資料のある年 9 年。精読した年は 2020・2021・2022 の 3 年、構成だけ数えた年は 2012・2013・2015・2017・2018・2019 の 6 年です。2014 年度・2016 年度と 2023 年度以降は問題冊子が資料にありません。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は歴史です。9 年すべてで、原始・古代から始まるテーマ通史が大問 1 に置かれています(2020〜2022 は 3 年連続で縄文・弥生から入ります)。
- 大問が 3 つある年は、3 つ目が公民です。2013・2015・2018・2022 の 4 年すべてで大問 3 が憲法・三権・地方自治でした。大問が 2 つの年(2012・2019・2020・2021)は、公民が大問 2 の後半に組み込まれます。
- 大問 2 は地理が多くなっています(2013・2015・2018・2021・2022)。歴史の続きになる年もあります(2019 は「食生活の歴史」を大問 1・2 で古代→現代と分担、2020 は東京の年表)。
- つまり「歴史→地理→公民」の順が骨組みで、大問の数だけが 2 か 3 で動きます。歴史・地理・公民の 3 分野が必ず入る点は 9 年変わりません。
年度×大問のテーマ表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 歴史/桐子さんの「旅」カード①〜⑤(縄文〜現代の通史) | 地理/桐子と朋子の会話・新幹線で行く日本各地 | 公民/移動の自由と日本国憲法・エネルギー・地方公共団体 |
| 2021 | 歴史/弥生の渡来人から江戸の伊能忠敬まで | 地理・公民/北海道への移住と海外への出かせぎ・在日外国人 | — |
| 2020 | 歴史/武蔵国と多摩郡(本校のある調布のあたり)の古代・中世 | 歴史・地理・公民/「東京都年表」で江戸〜東京オリンピックまで | — |
| 2019 | 歴史・地理/縄文〜奈良の食生活(果実・稲・魚) | 歴史・公民/平安〜現在の食生活(お茶から始まる) | — |
| 2018 | 歴史/戦争に関わる図版から(平安〜近代) | 地理/桐子と朋子の会話・地形と農業 | 公民/選挙・国会・人口・税と社会保障 |
| 2017 | 東京都内の歴史的遺物・遺跡を調べた 10 枚のメモ(歴史+地理+公民が 1 題に) | — | — |
| 2015 | 歴史/日本における宗教の歴史 | 地理/日本の川 | 公民/日本の裁判 |
| 2013 | 歴史/武蔵国と本校周辺の地域史 | 地理/地図と表から県を特定 | 公民/地方自治・選挙・三権 |
| 2012 | 歴史/遣唐使と大宝律令から | 歴史・公民/明治の岩倉使節団から近現代へ | — |
※ 2017 年度は資料上、大問が 1 つ(16 小問)としてまとめられています。原本では複数のまとまりに分かれている可能性が高く、この年は大問の数の集計には使っていません。
頻出テーマと周期(9 年分)
- テーマ通史が歴史の基本です。宗教史(2015)、戦争史(2018)、食生活史(2019)、旅と交通(2022)、移民・出かせぎ(2021)。年号の暗記より「一つのテーマが時代とともにどう変わったか」を追う作りです。
- 地元・自校の周辺が題材になります。武蔵国と多摩郡(2013・2020 の 2 回)、東京都内の遺跡(2017)、東京都年表(2020)。調布・多摩・武蔵野の地域史は、他校ではまず出ない色です。
- 古代(縄文・弥生・古墳)は 9 年中 6 年(2012・2013・2019・2020・2021・2022)で大問 1 の入口です。土偶・銅鐸・前方後円墳は繰り返し出ます。
- 地理は「日本の地形と農業・水産業」が軸です。日本の地形(2013・2015・2018・2020・2021・2022)、農業・畜産(2013・2015・2018・2019・2021・2022)、水産業(2013・2019・2020・2021)。雨温図は 2012・2018・2022。
- 公民の核は憲法と三権です。日本国憲法(2012・2015・2017・2020・2021・2022)、三権分立・国会・裁判所(2013・2015・2018・2019・2020・2022)、地方自治(2013・2022)、選挙制度(2012・2013・2018・2019・2020)。
- 共生・多様性が近年の柱です。パラリンピックとバリアフリー(2020)、在日外国人と「デカセギ」労働者(2021)。
問い方のくせ
- 「あなたの考えをかきなさい」「あなたがつくるとしたら」という提案・考案の記述が名物です。前方後円墳の大きさの違いから権力者の関係を考える(2020)、自分の街のバリアフリーの工夫を具体例つきで書く(2020)、関東で大地震が起きたときの被害と備えを書く(2020)、江戸時代の旅人を 1 人選んで紹介カードを作る(2022)、写真の県の観光パンフレットを作る(2022)。正解が一つに決まらない問いで、資料を根拠に自分の言葉で書かせます。
- 記述の割合は年で大きく動きます。2017 年度は 16 問中 5(31%)、2013 年度は 22 問中 5(23%)、2018 年度は 24 問中 5(21%)、2020 年度は 26 問中 5(19%)、2021 年度は 22 問中 4(18%)、一方 2015・2022 年度は 8% と少なくなっています。多い年で 5 問前後、少ない年で 2 問と読んでおけばよいでしょう。
- 記述の中身は 3 種類です。①資料(表・グラフ・図版)から読み取れることを書く、②理由を説明する、③自分の考え・提案を書く。①②は毎年、③は近年の目玉です。
- 図版・写真・表を手がかりにする問いが多くなっています。図版から戦争を特定(2018)、正倉院の宝物の写真から誤りを選ぶ(2021)、枯山水の庭園の写真(2021)、原爆ドームの写真(2022)、空港の利用客数の表(2020)。
- 生徒役の「桐子さん」「朋子さん」の会話文が繰り返し使われます(2018・2022 で確認。理科・算数にも登場します)。
- 2020 年度には「前方後円墳を上から見た形を図にかきなさい」という、社会では珍しい図をかく設問がありました。
8-4. 国語(45 分・大問 3 題・小問 35〜44 問。2014〜2021 の 5 年分)
資料のある年 5 年。精読した年は 2016・2018・2021 の 3 年、構成だけ数えた年は 2014・2015 の 2 年です。2022 年度以降は問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2014〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。2010 年度の資料は大問の切れ目がずれた形で入っているため使いませんでした。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
5 年(2014・2015・2016・2018・2021)すべてで、次の並びが崩れていません。
| 位置 | 中身 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 大問 1 | 漢字 20 問。①〜⑮ がカタカナ→漢字の書き取り、⑯〜⑳ が漢字の読み | 5 年すべて。20 問という数も、書き取り 15・読み 5 の内訳も動いていない |
| 大問 2 | 説明文・随筆の読解 8〜13 問 | 5 年すべて |
| 大問 3 | 物語文・評論の読解 7〜11 問 | 5 年すべて |
小問の合計は 35〜44 問で、4 科目の中でいちばん問題数が多くなっています。45 分で 37 問前後を処理する試験です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 漢字 20(わなげ・幼い・夢中・同盟・満潮・許可 ほか) | 随筆/花を育てることと人を育てること(教室の話が重なる) | 評論/農業と自然のとらえ方(宇根豊『日本人にとって自然とは何か』ちくまプリマー新書) |
| 2018 | 漢字 20(署名・慣習・本領・営む・内訳・四捨五入 ほか) | 説明文/動物の「ことば」と人間の「ことば」(池上嘉彦『ふしぎなことば ことばのふしぎ』筑摩書房) | 物語/運動会に出られない「わたし」とママ(中島たい子『がっかり行進曲』ちくまプリマー新書) |
| 2016 | 漢字 20(異変・注射・修正・神秘・養う・恩師 ほか) | 説明文/昔話の「むかしむかし」とくりかえしの力 | 物語/教室のドアの前で深呼吸する「わたし」と優希(蒼沼洋人『さくらいろの季節』ポプラ社) |
| 2015 | 漢字 20(額・朗読・快く ほか) | 説明文/サケの生態と食材としてのサケ | 物語/公園で陸と出くわした夏(森絵都『クラスメイツ』偕成社) |
| 2014 | 漢字 20(損得・私服・銭湯 ほか) | 説明文/モグラのトンネルと冬ごし(川田伸一郎『モグラ博士のモグラの話』岩波ジュニア新書) | 小説/手紙の形で進む物語(小手鞠るい『野菜畑で見る夢は』から「宿題」文春文庫) |
出典は本文の末尾に書かれた表記をそのまま写しました。2021 年度の大問 2 は資料の著者名の表記が崩れているため、著者名は書いていません。
頻出と傾向(5 年分)
- 大問 2 は生き物・ことば・暮らしを扱う説明文か随筆です。モグラ(2014)・サケ(2015)・昔話(2016)・動物のことば(2018)・花を育てる(2021)。理科寄りの生き物の話が 5 年中 2 年、ことばや文化の話が 3 年です。
- 大問 3 は同世代の女の子が主人公の物語が 5 年中 3 年(2015・2016・2018)。友だちとのすれ違い、体調と気持ち、教室での距離感。2014 は手紙形式の小説、2021 は農業をめぐる評論でした。
- 選択肢の割合はそれほど高くありません。5 年で、記号選択 11〜22%、抜き出し・空欄補充・漢字などの短答(語句や数値を短く答える形式)62〜69%、記述 9〜22%。書かせる問題と抜き出しで 8 割を占めます。
- 語句の知識(慣用句・ことわざ・接続語・擬態語の空欄補充)は大問 2・3 の問一・問二に置かれることが多くなっています(2021 は「異口同音」「あんばい」「半信半疑」、2014 は季語と歳時記)。独立した知識の大問は無く、読解の中に混ぜてきます。
- 自分の知識や意見を書かせる設問が国語にもあります。「あなたが知っている昔話からくりかえしを用いているものを一つ選び、題名を答えなさい」(2016)、「農業のように『自然破壊だ』とも『自然を支えている』とも見られる事がらを一つ取り上げ、あなたがどちらの見方をするかを理由を挙げて書きなさい」(2021)。社会の提案・考案の記述と同じ姿勢が国語にも現れています。
- 古文・漢文・学校文法(品詞・活用)は 5 年でゼロです。詩の大問もありません。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 出方 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 推理・論理 | 2017 | 2016(動物レース)・2017(カード番号のしくみ)の 2 年連続のあと出ていない。大問 5 の素材として戻る余地が大きい |
| 算数 | 縮尺・単位換算 | 2016 | 大問 2 の 1 問として復活しやすい |
| 算数 | 時計算 | 2017 | 2017 の 1 回のみ |
| 算数 | 水量とグラフ | 2019 | 2019 の 1 回のみ(大問 3) |
| 算数 | 濃度 | 2018 | 2015(大問 2 の 1 問)・2018(大問 4)の 2 回 |
| 理科 | 月・天体 | 2017 | 7 年で 1 回のみ。理科の大問 3 に地学が入る年があるので、出るときは丸ごと 1 題になる |
| 理科 | 力のつり合い(てこ・ばね・浮力) | 2021 | 2021 の 1 回のみ |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2021 | 2020・2021 に部分的に出たきり |
| 社会 | 地方自治 | 2022 | 2013・2022 の 2 回。間が 9 年空いた実績がある |
| 社会 | 雨温図 | 2022 | 2012・2018・2022 と 4 年おき |
| 社会 | 地図と表から県を特定する形 | 2013 | 2022 の写真からの特定はその変形 |
| 社会 | 国際協力・ODA・ユニセフ | 2021 | 2018・2019・2021 と散発 |
| 国語 | 季語・歳時記・短歌 | 2015 | 2014・2015 に語彙問題として出たきり |
| 国語 | 詩 | 資料のある 5 年では出ていない | 大問としても小問としても見当たらない |
- 逆に、気体・水溶液の判別は 7 年中 5 年に出ているので、警戒ではなく常備しておく単元です。
- 国語は直近の資料が無いため、2022 年度以降にこの形が続いているかは市販の過去問集で確認してください。
10. 形式面の注意
配点はどの科目も非公開です(→ 4 節)。取れる問題から拾う戦い方になります。過去問という形で練習できるのは筆記の部分だけで、A 入試の口頭試問と英語 1 科のインタビューはこの資料の外です。
算数
- 答えのみです。ただし大問 1 の計算 4 問は途中式も書きます(2015〜2025 の 9 年連続で指示あり)。
- 記述式の説明を求める設問は 11 年でゼロ。記号選択もほぼ無く、2025 年度に「正しい方を選び ○ をつけなさい」が 1 問あった程度です。
- 円周率は 3.14 で、使う設問の文末に個別に「ただし、円周率は 3.14 とします」と書かれます(2010・2014・2015・2016 で確認)。冊子の冒頭にまとめて書く形ではありません。
- 作図と呼べる図形作図は無く、代わりに解答用紙の図や表に数・印を書き込ませる設問が大問 5 に混ざる年があります(2015・2016・2019・2020)。
- 図がついた小問は年により 4〜15 問(全体の 2〜7 割)と幅があり、図が多い年(2016・2019)と少ない年(2018・2021・2022)が交互に来ます。
- 冊子は 6〜13 ページで、偶数ページが「このページは計算などに使用してもかまいません」の白紙になっている年があります(2019 で確認)。計算スペースは十分にあります。
国語
- 字数指定が毎年複数あり、しかも幅が広くなっています。十五字以内・二十字以内・二十五字以内・三十字以内・四十字以内・五十字以内が主力で、2014 年度には八十字以内、2021 年度には五十字程度の設問がありました。抜き出しにも「五字と七字で」「十四字で」「二字で」の細かい指定がつきます。字数を守る練習が要ります。
- 各長文の冒頭に「字数制限のある問に答える場合、『、』『。』等も一字と数えます」という注意が毎年印刷されています(5 年すべて)。句読点を数える前提です。
- 「解答らんに合うように」「解答欄に続くように」という条件つきの記述が毎年あります。書き出しや語尾が指定されるので、答えの形を合わせる練習が要ります。
- 文字種指定(漢字何字で、など)は読解の抜き出しに「二字で」「十四字で」の形で現れます。
- 記述の数は年で 3〜8 問。2018 年度は 37 問中 8 問(22%)と多く、2015 年度は 35 問中 3 問(9%)と少なくなっています。
- 漢字 20 問は配点でも時間でも軽くありません。書き取り 15 問は 4 科目を通じていちばん確実な得点源です。
理科
- 30 分で 18〜25 問。うち記述が 2〜9 問なので、書く問題に時間を残す配分が要ります。
- 字数指定のある記述は 7 年で見当たりません。解答欄の大きさで分量が決まります。
- 図がついた小問は 1〜8 問(大問ごとに 1 つは図・表がつきます)。
- 計算は「発生した気体は何 g ですか」「何 mL ですか」のような比例計算が中心で、複雑な公式は出ません。
社会
- 30 分で 16〜26 問。記述が 2〜5 問あるので、選択と短答を速く回して書く時間を残す配分が要ります。
- 字数指定はまれで、9 年中 2022 年度に「10 字以内で書きなさい」が 1 問あった程度です。ほかは解答欄の大きさで分量が決まります。
- 選択は「正しいもの」「あやまっているもの」「ふさわしくないもの」の 3 種を混ぜてきます。設問文の末尾を読み違えると落とす作りです。
- 選択の割合が高い年(2022 は 64%)と低い年(2013 は 27%)があります。
- 語句は漢字指定がほとんどなく、「〜を答えなさい」で用語を書かせる形が中心です。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
小 4(土台) — 計算の正確さ、図形の基礎、読解、短い記述、漢字語彙の 5 本を普通に積みます。この学校に固有の準備としては、漢字の書き取りを 1 日 5 問、送り仮名つきで始めておくこと(大問 1 の 20 問がそのまま効きます)と、計算で途中式を書く習慣の 2 つだけでよいでしょう。時間計測はまだしません。
小 5(幅) — 全分野をひととおり学び終える時期です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にして、次のように割り付けます。
- 平日 15 分×5 のうち 3 日 — 算数。この学校の場合、算数の大問 2(小問集合)に出た単元リストが、そのまま「小 5 で一巡すべき単元表」として使えます。順番は大問 2 に出た形のまま、割合 → 面積比 → 立体 → 売買 → 単位換算で回し、速さは早めに厚くしておきます(11 年皆勤)。売買損益・平均算・時計算のように教科書に載っていない単元は受験用教材の単元です。
- 平日 15 分×5 のうち 2 日 — 国語。物語文(同世代の女の子が主人公)と、生き物・ことばを扱う説明文を意識して読みます。ただし 2022 年度以降は国語の資料がありません(→ 13 節)。
- 週末 60 分 — 理科と社会の書く練習。「実験の結果から言えることを 1 文で書く」「資料から気づいたことを 1 文で書く」を始めておくと後が楽になります。この学校の記述は知識量より書き慣れが効きます。ただし 2023 年度以降は理科・社会の資料がありません(→ 13 節)。
小 6(仕上げ) — 7 節の 8 項目です。夏以降は「同じ座席(問題の置き場所)を縦に」(算数の大問 1・2・5、国語の漢字 20 問)と「年度通しで時間を計る」を交互に。算数は 45 分で 20 問、国語は 45 分で 37 問という速度に体を慣らします。理科・社会は 30 分に対して記述が 2〜9 問あるので、書く時間を残す配分の練習を過去問でやります。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか — 算数と国語の「同じ座席」が 10 年以上動いていないので、小 6 で反復に時間をかけた分がそのまま点に変わりやすい学校です。一方で理科・社会の記述と算数の大問 5 は、直前に詰めても伸びにくく、小 5 のうちに「読んで考えて書く」時間を取ったかどうかが効いてきます。小 4 から始める強みは、この小 5 の 1 年を書く練習に使える点にあります。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は過去問の勉強が二重に効くかどうかだけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・お子さんとの相性は扱いません(別のページの領分)。下の並びは、科目ごとの出題構造の近さから自動集計で出した候補です。
- 茗溪学園中学校(茨城県) — 4 科目すべてが近く、とくに社会が近い候補です。資料から考えて書かせる姿勢が共通しています。共学校。
- 東京都市大学等々力中学校(東京都) — 算数と社会が近く、算数の大問構成と単元の並びが似ています。国語は比較できていません。共学校。
- 東京女学館中学校(東京都) — 社会と国語が近く、記述の比重と資料の使い方が似ています。女子校。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
A 入試(国語・算数)や英語 1 科で受ける場合、併願先が 4 科目校であれば、理科・社会は本校の準備とは別に立てる必要があります。
この学校の対策がそのまま効きやすいのは、算数の「計算+小問集合+速さ+考えさせる大問」という組み立てが似ている学校です。逆に、記述をほとんど出さない学校を併願する場合、理科・社会の練習は転用しにくくなります。国語の漢字 20 問は、どの学校を受けるにしても無駄になりません。
13. 資料の限界
- 入試回が混ざっています。この学校は A 入試・B 入試・英語 1 科・記述の試験の 4 つの入試を行っていますが、資料のある冊子には表紙や解答に回の表記があるものと無いものがあり、表記があった分だけでも A 入試(2013 国語・2022 算数)と B 入試(2014 社会・2015 社会)が混在しています。国語・算数と、理科・社会を「同じ日の同じ試験」として横に並べて読むことはできません。この点は本文の各所で断定を避けました。
- 口頭試問の資料がありません。A 入試の口頭試問(準備 40 分・試問 15 分)については、この資料から言えることが何もありません。英語 1 科のインタビューも同様です。
- 年が抜けています。算数は 2011・2012・2013・2023・2024・2026 年度、理科は 2016 年度と 2023 年度以降、社会は 2014・2016 年度と 2023 年度以降、国語は 2017・2019・2020 年度と 2022 年度以降の問題冊子が資料にありません。国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです。直近 3 年(2024〜2026 年度)は算数の 2025 年度しか読めていないので、ここ数年で形が変わっていないかは市販の過去問集で確認してください。
- 転写の読み落としの可能性: 図・写真・地形図は文字情報に置き換えられているため、図形問題の細部、社会の地図・グラフ、理科の実験装置の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。
- 「同じ問題の使い回し」は見つかりませんでした。11 年分の算数、7 年分の理科、9 年分の社会、5 年分の国語を見比べましたが、設問文が同じで数値だけ違う再出題も、まるごと同じ問題の再登場も確認できませんでした。算数の大問 1・大問 2 のように「同じ作りの問題」が毎年出るのは、使い回しとは別のことです。
- 配点が非公開なので、どの問題が重いかは推定に頼っています。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
資料そのものに気づいた食い違い
本文ではその年・その大問を使わずに分析しました。
- 2017 年度の社会は、大問が 1 つ(16 小問)としてまとめられています。原本では複数の大問に分かれていた可能性が高く、この年は大問の数の集計に使っていません。
- 2010 年度の国語は、大問 1 の導入文が漢字 20 問なのに、その下にぶら下がる小問が読解の問いになっています。大問の切れ目がずれているため、この年は使っていません。
- 2021 年度の国語 大問 2 の出典表記が崩れており(著者名が実在しない表記になっています)、著者名は本文に書いていません。書名と出版社の表記は 8-4 の表のとおりです。
- 自動集計で作った出題傾向の一覧には、本文と食い違う箇所がいくつかありました。①算数の大問 2 が年ごとに別の単元として集計されている(実際は 11 年とも「□ にあてはまる数」の小問集合で、先頭の小問の単元だけが拾われていました)。②国語の「字数指定のある年は 0%」という集計(実際は 5 年すべてに複数の字数指定があり、最長は 2014 年度の 80 字以内)。③算数の「作図あり」という表示(実際は解答用紙の図や表への書き込みで、図形の作図ではありません)。本文はいずれも原本の記載を採りました。
桐朋女子中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
桐朋女子中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ