田園調布学園中等部 の過去問分析

田園調布学園中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

田園調布学園中等部 過去問分析(2009〜2025 年度・第 1 回相当・最大 17 年分)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都世田谷区
男女 女子校
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前・4 科(定員 80 名)/午後入試 2 月 1 日午後・算数 1 科(定員 20 名)/第 2 回 2 月 2 日午前・4 科/第 3 回 2 月 4 日午前・4 科
試験時間・配点(4 科の回) 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/社会 40 分・60 点/理科 40 分・60 点。第 2 回・第 3 回も第 1 回と同じです
試験時間・配点(午後入試) 算数 1 科・60 分・100 点
旧称 調布高等女学校(1927 年〜戦後)、調布中学校・高等学校(戦後〜2004 年)

上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。

3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. この学校は同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る学校です。算数は 5 大問・小問 22〜24 問という形と、大問の並びが、精読した 3 年(2023〜2025)で同じです。ただし同じ問題そのものが出るわけではありません。
  2. 4 科目すべてに「なぜそうなるのかを説明しなさい」「あなたの考えを書きなさい」という、答えの筋道や自分の判断を書かせる設問が毎年入ります。算数で 2〜3 問、理科で 4〜6 問、社会で 5〜7 問、国語は精読した年(2016・2020)で 5〜6 問です。
  3. 社会は大問が 1 本しかありません。長い文章 1 本に問 1〜問 15〜22 が付き、問 1 の空欄補充は 3 年連続で同じ問い方です。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 4(規則性・数列)だけを、2021〜2025 の 5 年分続けて解きます。
  2. 算数の大問 2(平面図形の線分比・面積比)だけを、3 年分続けて解きます。
  3. 社会の問 1(本文の空欄 10〜13 個)を漢字で埋める練習をします。

今週やる 1 つ

  1. 直近 2 年(2024・2025)の算数の大問 4 を解いて、①○番目の数 ②ある数が○回目に出るのは何番目 ③はじめから○番目までの和 の 3 点セットが手順として出てくるか確かめます。

注意

  1. 国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016〜2022 年度のものです(→ 13 節)。

4. 資料の状況

転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。この分析では、年ごとの資料を次の 3 つに分けて扱っています。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元だけを数えた年)/資料のある年(その両方を合わせた年数)です。

科目 資料のある年 精読した年 構成だけ数えた年 備考
算数 2009〜2025 のうち 16 年 2023・2024・2025 の 3 年 13 年 図に依存する小問が半分強。図そのものは転写できないため、図の説明文からの読み取りを含む
理科 2009〜2025 の 17 年 2023・2024・2025 の 3 年 14 年 表・グラフ・実験装置の図が多い。設問文が長く 3000 字前後
社会 2009〜2025 の 17 年 2023・2024・2025 の 3 年 14 年 1 本の長い文章に問 1〜問 22 が付く形。2025 は転写の都合で問ごとに分けて記録されているが、文章は 1 本
国語 2009〜2022 の 9 年 2016・2020・2022 の 3 年 6 年 2023 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2022 は大問 2 の設問が資料に含まれていない

5. 一番大きな結論

田園調布学園は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校です。ただし同じ問題そのものが出るわけではありません。

科目ごとに、固まり方が違います。

したがって過去問の使い方は、「同じ場所を縦に解く」が最も効きます。算数なら大問 2 だけを 3 年分続けて解く、大問 4 だけを 5 年分続けて解く。社会なら問 1 の空欄補充だけを 3 年分続けてやる。理科なら大問 4(物理)だけを縦に。単元の型を習得する使い方が中心で、「出る問題を覚える」使い方は効きません(数値まで同じ問題の再登場は、精読した年では見つかりませんでした)。

もうひとつ、科目をまたいで共通するものがあります。「なぜそうなるのかを説明しなさい」「あなたの考えを書きなさい」という、答えの筋道や自分の判断を書かせる設問が 4 科目すべてに毎年入ることです。算数で 2〜3 問、理科で 4〜6 問、社会で 5〜7 問、国語は精読した年(2016・2020)で 5〜6 問。これがこの学校のいちばんの特徴で、対策の中心になります。

科目ごとの見取り図

科目 形式の固まり方 中身の性格 最優先で時間をかける価値があること
算数 非常に高い。5 大問・22〜24 問・50 分。大問の並びが 3 年同じ 小問集合+図形比+グラフ+規則性+実生活データ。数値まで同じ問題は出ない 大問 2(線分比)・大問 4(数列)を縦に解く。「なぜそうなるのかを図や式で説明」の書き方
理科 中程度。4 大問・29〜31 問・40 分。大問 4 は物理で固定、他は入れ替わる 身のまわりの現象・防災・環境を題材に、実験と表から考えさせる 理由を 1〜2 文で書く練習と、表からの計算。作図(回路図・実験装置)
社会 高い(形として)。実質 1 大問・31〜35 問・40 分。問 1 の問い方が 3 年同じ 長い文章 1 本に地理・歴史・公民を混ぜる。近現代が中心。直近の出来事が毎年入る 問 1 の空欄 10〜13 個を漢字で埋める速さと、用語の中身を書く記述
国語 高い。2 大問(物語+説明文)・14〜18 問・50 分 現代の児童文学+自然や社会を扱った新書。記述が 3〜4 割 理由説明の記述(字数指定ありとなしの両方)と漢字の書き取り

4 科目に共通するのは「答えだけでなく、そこに至る理由を書かせる」ことです。算数の「図や式などを使って説明」、理科の「その理由を説明しなさい」、社会の「目的と内容を説明しなさい」、国語の「なぜですか。説明しなさい」は、すべて同じ性格の設問です。


6. この学校らしさが出る場所

  1. 「なぜそうなるのかを図や式などを使って説明しなさい」(算数)。3 年連続で毎年 2〜3 問、しかも大問 3・大問 4 という後半の大問の中に置かれています。答えが合っていても筋道が書けないと取り切れない設計に見えます。
  2. 身のまわりのものを算数にする大問 5。ランニングの記録表(2023)、東京都の農業経営体の円グラフ(2024)、横断歩道の白線の幅と本数(2025)。教科書の単元名では呼びにくい題材を、条件を整理して数で答えさせます。2025 の「2024 年 5 月 30 日に横断歩道の白線の間かくを 90cm まで広げることが可能になりました」のように、直近の制度変更をそのまま問題にする年もあります。
  3. 防災・環境・生活と結びつける理科。火山ガスへの対処(2023)、資源回収とアルミ・スチールの分別(2023)、台風への備え(2024)、大雨と土地の被害(2025)、わき水の出る地層(2025)。実験の知識を「自分の暮らしでどう使うか」に接続させる設問が毎年入ります。
  4. 文章 1 本で 40 分を通す社会。地理・歴史・公民を分けずに、1 本のテーマ文の中で行き来させます。2023 は火山、2024 は長野県、2025 は 1926 年からの約 100 年。テーマの選び方が「ひとつの土地・ひとつのもの」を軸にしているように見えます。
  5. 4 科目すべてに「あなたの考えを書きなさい」があること。理科(2023・2024)、社会(2023・2025)、国語(2020)。設問の形はそれぞれですが、本文や資料を材料に自分の結論を書かせるという点で共通しています。
  6. 国語の説明文の選び方(資料のある 2009〜2022 年度)。自然・生き物・農・社会のあり方を扱った新書や選書が続きます。硬い評論というより、身近な題材から考えを進める文章が並んでいるように見えます。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。過去問を「同じ場所だけ縦に解く」使い方は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。

科目別の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。

  1. [週末 60 分] 算数・大問 4(規則性・数列)だけを縦に 5 年分(確認: 〜2025 年度)。2021〜2025 の 5 年、大問 4 はずっと規則性・数列です。2023「4,5,5,3,4,4,5,5,3,…」、2024「階段状に並ぶ 1〜10 のカード」、2025「1,2,3,4,2,3,4,5,3,4,5,6,…」と素材は違いますが、問われることは ①○番目の数 ②ある数が○回目に出るのは何番目 ③はじめから○番目までの和 の 3 点セットで重なります。この 3 つを書き出して周期・群で処理する手順を体に入れるのが、この学校で最も時間をかける価値のある一手です。
  2. [週末 60 分] 算数・大問 2(正方形・長方形の線分比)だけを縦に 3 年分(確認: 〜2025 年度)。2023 は長方形の辺を 3 等分・4 等分した点、2024 は正方形の対角線と 4 等分点、2025 は 1 辺 6cm の正方形 9 個の格子。素材が違うだけで、「2 つの比 → 3 つの比 → 面積」という進み方まで 3 年同じです。相似と面積比の基本ができていれば取り切れる場所(大問 2 の席)です。
  3. [週 1 回] 算数・「なぜそうなるのかを図や式などを使って説明しなさい」の書き方(確認: 〜2025 年度)。2023 に 3 問、2024 に 2 問、2025 に 2 問。3 年とも大問 3 か大問 4 の中に置かれます。式の羅列でなく「どの量とどの量が等しいか」を 1 文添える形で、答案を人に見せて直してもらう回数を稼ぎます。
  4. [毎日 10 分] 社会・問 1(本文の空欄 10〜13 個)を漢字で埋め、近現代を厚くする(確認: 〜2025 年度)。問 1 は 3 年連続で同じ問い方です。歴史・地理・公民の基本語を漢字で書ける状態にするだけで、35 問中 10〜13 問の土台になります。□の数で字数が示されるので、確認しながら書けます。あわせて、3 年とも文章の中心が明治〜昭和なので、日清・日露、大日本帝国憲法、太平洋戦争、戦後の占領と憲法・教育の流れを、年表で言えるところまで持っていきます。
  5. [週末 60 分] 理科・大問 4(物理)の 4 分野を回す(確認: 〜2025 年度)。2023 電気回路 → 2024 ふりこ → 2025 光。てこ・ばね・滑車・音が 3〜8 年空いており、次の候補です。どれも「表から比例を読んで計算する」形で出ます。
  6. [週 1 回] 理科・社会・国語の「あなたの考えを書きなさい」に備える(確認: 〜2025 年度)。理科 2023(学校でできるリデュース)、理科 2024(台風への備え)、社会 2023(火山との共存)、社会 2025(100 年で変わったきっかけ)、国語 2020(性のとらえ方)。正解の暗記ではなく、本文や資料の材料を 1〜2 個引いて自分の結論を添える形に慣れておきます。
  7. [週末 60 分] 国語・理由説明の記述と、各科目の「読む量」に慣れる(確認: 国語は〜2022 年度、理科・社会は〜2025 年度)。国語の記述は字数指定あり(2016「十五字程度」、2022「三十五字以内」)と指定なし(2020)の両方があります。指定なしのときは解答欄の大きさが分量の指示です。読む量では、理科の設問文は 3000 字前後、社会も 3000 字前後、国語は本文だけで 5000 字を超える年があります。40〜50 分の中で読む量が多いのがこの学校の共通点で、読む速さそのものが得点になります。
  8. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の 10 問を 15〜18 分で(確認: 〜2025 年度)。計算・逆算・平均・食塩水・時計算・過不足算(受験用教材の単元)・売買損益・約数倍数が 3 年の中で繰り返し出ています。ここで時間を作らないと、説明を書く大問 3・4 に手が回りません。

8. 科目別の詳細

8-1. 算数

年度×大問の題材表(2023〜2025・精読した年)

大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問/小問
2023 小問集合 10 問
計算・逆算・分配算・約数・おうぎ形・平均・食塩水・通過算・時計算・展開図
平面図形の比(長方形を 3 等分・4 等分した点と交点の比) 水量とグラフ(おもり入り水そう・向きを変えて置き直す) 規則性(4,5,5,3 の繰り返し数列) 速さ・資料(ランニング記録表と地点図) 5/23
2024 小問集合 10 問
計算・逆算・約分できない分数・時計算・投影図から体積・過不足算・面積比・平均・流水算・単位分数の和
平面図形の比(正方形の対角線と 4 等分点でできる線分比・面積) 速さとグラフ(長方形の周上を動く点 P と四角形の面積) 規則性(階段状に並ぶ 1〜10 のカード) 資料の読み取り(東京都の農業経営体の円グラフと区分表) 5/22
2025 小問集合 10 問
計算・逆算・消去算・回転体・食塩水・円グラフ・場合の数・公倍数と公約数・売買損益・クロス集計表
平面図形の比(1 辺 6cm の正方形 9 個を並べた図の線分比・面積) 水量とグラフ(へこみのある水そう・給水管 A と排水管 B) 規則性(1,2,3,4,2,3,4,5,… の数列) 推理・論理(横断歩道の白線の幅と本数) 5/24

座席の固定(同じ場所に同じ種類の問題)

精読した 3 年(2023〜2025)で、5 つの大問の並びは次のように揃っています。

つまり 1(小問集合)→ 2(平面図形の比)→ 3(グラフを読む)→ 4(規則性)→ 5(実生活のデータ) の 5 つの席が並びとして固まっています。ただし同じ問題そのものが出るわけではありません。精読した 3 年で、数値まで同じ問題の再登場は見つかりませんでした。

頻出単元と回数

問い方の型

  1. 「また、なぜそうなるのかを図や式などを使って説明しなさい」 — これがこの学校の算数で最も目立つ問い方です。2023 は 3 問(大問 3(1)(2)・大問 4(3))、2024 は 2 問(大問 3(3)・大問 4(2))、2025 は 2 問(大問 3(4)・大問 4(3))。3 年連続で、しかも毎年「大問 3 か大問 4 の中の 1〜2 問」に付きます。答えの数値だけでなく、そこへ至る筋道を採点者に見せる欄があります。
  2. 「もっとも簡単な整数の比で答えなさい」 — 大問 2 で 3 年連続。2 つの比(GJ : JF)を出してから 3 つの比(GJ : JK : KF)へ進む二段構えが 2023・2024・2025 で共通です。
  3. 「次の空欄ア〜カにあてはまる数を求めなさい」型の誘導 — 2024 大問 4(1) はア〜カの 6 か所、2024 大問 5 はア〜コの 10 か所、2025 大問 5 は表の空欄。難しい大問でも、途中の考え方を空欄で追わせる形になっているので、部分点を拾いやすい作りです。
  4. 「すべて求めなさい」 — 2023 大問 4(4)、2024 大問 3(3)・大問 4(3)、2025 大問 1 の一部。答えが 1 つとは限らない設問が毎年あります。
  5. 単位・形式の指定 — 「何 cm²」「何 L」「何時何分」「もっとも適切な数」。数字を書く欄の単位は問題文で指定されます。

8-2. 理科

年度×大問の題材表(2023〜2025・精読した年)

大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問/小問
2023 気象・火山(宮沢賢治『風野又三郎』の文から風と雲・海底火山のふん火) 植物(サクラ・アサガオ・ヒガンバナの開花条件) 気体と物質(注射器の中の空気と水・飲料用容器のリサイクルとプラスチックの密度) 電気回路(豆電球・発光ダイオードの電光けい示板) 4/30
2024 生物(動物のなかま分け・メダカの発生) 水溶液と溶解度(試験管 A〜F の判別・ホウ酸と硝酸カリウムの溶ける量) 気象(台風 7 号の進路と風向・線状の降水・観測装置) ふりこと光(レーザーポインターと光検出器でふりこの周期を測る) 4/29
2025 人体と動物の誕生(心臓のつくりと血液の道すじ・たい生) 気体(酸素の発生装置・ドライアイスから出る気体の重さ) 地層と流水(水のしみこみやすさとわき水・がけの地層・川の流れと大雨の被害) 光(反射・ソーラーカーと鏡・凸レンズと視力の測り方) 4/31

座席の固定

頻出単元と回数

問い方の型

  1. 「〜を説明しなさい」「その理由を説明しなさい」 — 3 年連続で毎年 4〜6 問。2023 は 30 問中 5 問、2024 は 29 問中 4 問、2025 は 31 問中 6 問。文で説明させる設問が全体の 1〜2 割を占めます。
  2. 「あなたの考えを書きなさい」型 — 2023 大問 3(8)「あなたが学校で行っている、または今後行うことができるリデュースの方法を考えて答えなさい」、2024 大問 3(5)②「この装置で全国から集められたデータからどのようなことがわかりますか。あなたの考えを書きなさい」、同(5)③「台風による災害から身を守るために、事前にどのような取り組みをすれば良いですか」。知識を答える設問ではなく、自分の言葉で提案させる設問が 2 年つづけて入りました。
  3. 記号を選んでから理由を書かせる二段構え — 2023 大問 2(2)(アゲハ…ではなくソメイヨシノの開花に効く要因を選び、理由を説明)、2025 大問 3(5)(大雨で被害が出るのは A・B どちら側かを選び、理由とともに答える)。
  4. 図にかき入れる作図 — 2023 大問 3(1)(注射器のピストンを押した後の水面の位置)、2023 大問 4(1)(実体配線図を回路図に描き直す)、2025 大問 2(1)(三角フラスコに足りないガラス管を、長さに注意してかき入れる)。3 年のうち 2 年で作図が出ています。
  5. 表・グラフの数値から計算する短答(語句や数値を短く答える形式) — 2024 大問 2(4)〜(7)(溶解度の表から溶ける量)、2024 大問 4(5)(円周率を 3 として弧の長さと速さ)、2025 大問 2(7)(気体 1L あたりの重さ)、2025 大問 4(4)(ランドルト環の大きさと距離から視力を求める)。
  6. すべて選ぶ設問 — 「ア〜オからすべて選び」(2023 大問 4(2)、2025 大問 1(1)(5)(8))。1 つとは限りません。

8-3. 社会

年度×大問の題材表(2023〜2025・精読した年)

文章のテーマ 小問数 記述
2023 1 本の長い文章に問 1〜問 22 火山(日本の活火山・江戸城の石垣・鹿児島の火山灰・ハザードマップ) 33 5
2024 1 本の長い文章に問 1〜問 16 長野県(地理・歴史・産業・戦争・政治を県を軸にたどる) 31 5
2025 1 本の長い文章に問 1〜問 15 1926 年からの約 100 年(鉄道・産業・戦争・憲法と教育) 35 7

座席の固定

この学校の社会は、大問がひとつしかありません。 3 年とも「〈はじめに〉に相当する長い文章が 1 本あり、そこに引かれた下線部に沿って問 1 から問 15〜22 までを答える」形で、地理・歴史・公民が 1 本の文章の中に混ざって出てきます。転写の分類でも 2009 年以降ほぼ毎年この形です(2020 と 2025 は転写の都合で問ごとに分かれて記録されていますが、文章 1 本に問 1〜問 15 が付く形は同じ)。

その中で、問 1 の位置が完全に固定されています。

3 年とも一字一句に近い同じ問い方で、本文中の空欄 10〜13 個を埋めさせます。これが問 1 に来ることは転写の分類でも 2012 年以降くり返し確認できます。

文章の軸になる時代も偏っています。座席の索引には、この学校の文章の中心が「近代の戦争と大正・昭和前期」である年が 2023〜2025 の 3 年続いていると記録されています(同じ記録がある学校は他に 1 校だけです)。

頻出単元と回数

精読した 3 年で毎年出た分野です。

問い方の型

  1. 本文の空欄補充(問 1) — 上記のとおり 3 年連続。□の数で字数が分かり、漢字指定が付きます。
  2. 「漢字で答えなさい」 — 3 年とも複数あります(2023 の徳川家康・井伊直弼、2025 の土佐藩・関東大震災・教育基本法)。
  3. 理由を説明させる記述 — 2023 は 33 問中 5 問、2024 は 31 問中 5 問、2025 は 35 問中 7 問。「班田収授法の目的と内容を説明しなさい」(2023)、「『御恩』と『奉公』の内容を明らかにして説明しなさい」(2024)、「大日本帝国憲法と日本国憲法は、それぞれ天皇の地位についてどのように定めているか」(2024)のように、用語を答えるのではなく用語の中身を書かせます。
  4. 本文を読んで自分の考えを書く記述 — 2023 問 22「本文を読んで、火山との共存についてあなたが理解を深めるべきだと思うこと」、2025 問 15「1926 年からの約 100 年間で…そのきっかけになったと思う出来事」。知識でなく本文と自分の判断を書かせる設問が最後に置かれる年があります。
  5. 資料から読ませる問い — 新聞記事(2023 問 10)、明治の製糸工場の労働者の 3 つの資料(2024 問 13(1))、小選挙区の区割り変更前後の図(2025 問 7(2))、都県比較の表(2025 問 5)。
  6. 「間違っているものを 1 つ選び」 — 3 年とも複数あります。正しいものを選ぶ形より多い年があります。

8-4. 国語

国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2016〜2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。 原本の設問文まで精読したのは 2016・2020・2022 の 3 年で、2022 は大問 2 の設問が資料に含まれていないため大問 1 の 8 問だけを見ています。

年度×大問の題材表(精読した年)

大問 1 大問 2 大問/小問
2016 物語(島に住む中学 2 年生「おれ(征人)」と父・友人) 説明文(やなせたかし『わたしが正義について語るなら』・アンパンマンと正義) 2/16
2020 物語(まはら三桃『青がやってきた』・美央とハルくん) 説明文(稲垣栄洋『オスとメスはどちらが得か?』・魚の性転換) 2/14
2022 物語(しがきようこ『イカル荘へようこそ』・真子と夏鈴さんと「祈る少女」の絵) 説明文(ジェンダーを扱った文章) 2/8(大問 2 の設問は資料に無し)

座席の固定

出典の傾向(資料にある 2009〜2022 年度)

問い方の型

  1. 理由を説明させる記述 — 「なぜこのような顔をしたのですか。説明しなさい」(2020 大問 1 問三)、「なぜ美央は『息をのんだ』のですか」(2020 大問 1 問四)、「なぜですか。説明しなさい」(2016 大問 1 問八)。精読した年では記述が全体の 36〜38%(2016 は 16 問中 6 問、2020 は 14 問中 5 問)を占めました。
  2. 字数指定は年によって違います — 2016 は「十五字程度で説明しなさい」、2022 は「三十五字以内で説明しなさい」、2020 は指定なしの「説明しなさい」。指定がある年とない年の両方に備える必要があります。
  3. 自分の考えを書く設問 — 2020 大問 2 問八は、波線部「魚にとって、性は…ずっと自由なものなのだ」を受けて自分の考えを書かせる形です。理科・社会にも同種の設問があり、科目をまたいだ共通点になっています。
  4. 抜き出し — 「その部分を本文中から抜き出しなさい」型が 2016 に 3 問、2022 に 1 問あります。
  5. 二つ選ぶ・正誤を判定する — 2020 大問 1 問六「適切なものを次の中から二つ選び」、2020 大問 2 問七「正しいものには A を、間違っているものには B を」。
  6. 語句の意味・空欄補充 — 「――線部(A)・(B)のここでの意味として」(2020)、「X に入るのに、もっとも適切な言葉」(2022)、「本文に合う形に変えて答えなさい」(2020 大問 2 問三)。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

転写の分類(2009〜2025・国語は 2009〜2022)で大問の主要単元として数えたものです(社会はその年の文章の中心になった分野を数えたものです)。精読していない年の細部は保証しません。

科目 単元・文章の軸 大問で出た年 最終確認年度 状況
算数 立体図形(切断・投影図・展開図) 2009・2010・2011・2015 2015 大問としては 10 年なし。ただし小問集合には 2023 (10)・2024 (5)・2025 (4) と 3 年連続で入っている。大問に戻る候補の筆頭
算数 場合の数 2009・2014(2014 は 2 回) 2014 大問としては 11 年なし。2025 は大問 1(7) に道順として小問で登場
算数 約束記号 2011・2018 2018 大問としては 2018 以来 7 年なし
算数 影(電球と物体) 2012・2015・2018 2018 3 年周期だったが 2018 以来 7 年なし
算数 流水算 2011・2021 2021 10 年周期で戻った実績。2024 は大問 1(9) に小問として登場
算数 売買損益 2021 2021 2025 は大問 1(9) に小問として復帰
算数 論理・推理 2016・2025 2025 9 年空いて 2025 大問 5 に戻った
算数 資料の読み取り 2018・2022・2024 2024 大問 5 の常連。2〜4 年おき
理科 てこ・つり合い 2012・2017・2021 2021 4〜5 年周期。2021 以来 4 年なし。物理の席(大問 4)に戻る候補の筆頭
理科 2010・2018 2018 2018 以来 7 年なし。物理の席で長く空いている(もとの資料に 8 年なしとの記載もあった → 13 節)
理科 ばね・滑車 ばね 2011/滑車 2016 ばね 2011・滑車 2016 どちらも長く空いている
理科 月・星座 月 2009・2015・2020・2022/星 2010・2014 月 2022・星 2014 月は 2022 以来 3 年なし、星座は 11 年なし
理科 惑星・太陽 2011・2012・2016・2021 2021 2021 以来 4 年なし
理科 熱と状態変化 2009・2012・2014 2014 11 年なし
理科 電磁石・モーター 2010・2011・2012・2022 2022 2022 以来 3 年なし
理科 燃焼 2010・2015・2017 2017 2017 以来 8 年、大問としてはなし(2025 大問 2(4) に小問)
理科 人体 2010・2011・2013・2016・2022 2022 2025 大問 1 の前半で心臓として復帰した
理科 水溶液の性質と判別 2010・2012・2013・2016・2018・2022 2022 2024 大問 2 の前半で試験管の判別として復帰
社会 地形図の読図が文章の軸 2009 2009 16 年なし。地図を読ませる小問は毎年あるが、地形図が軸になった年は 1 回だけ
社会 三権分立・国会と内閣が文章の軸 2010 2010 15 年なし。公民が文章の軸になった年としては最も古い。近年は小問として毎年入る
社会 日本国憲法が文章の軸 2015 2015 10 年なし。2023 の前文、2024 の天皇の地位、2025 の教育を受ける権利と小問では毎年出る
社会 戦後・現代が文章の軸 2013 2013 12 年なし。2025 問 15 で戻りかけている
社会 対外関係・外交史が文章の軸 2021 2021 4 年なし
社会 日本の地理(地形・産業)が文章の軸 2016・2020・2024 2024 4〜6 年おき。2024 の長野県はこの系統
社会 飛鳥・奈良時代が文章の軸 2022 2022 3 年なし。2023・2024・2025 は小問でのみ登場
社会 世界地理 2020・2025(小問) 2025 文章の軸になったことはほぼ無い。小問で 1〜2 問
国語 (資料が 2022 年度までのため周期を書けない) 2022 2 大問・物語+説明文の形は 9 年不変。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい

10. 形式面の注意(4 科目まとめ)

項目 算数 理科 社会 国語
時間・配点(2026 年度第 1 回) 50 分・100 点 40 分・60 点 40 分・60 点 50 分・100 点
大問数(精読した年) 5 4 実質 1 2
小問数 22〜24 29〜31 31〜35 14〜18
記号を選ぶ設問 ほとんど無い(3 年で 1 問) 23〜57% 26〜31% 31〜43%
説明を書く設問 2〜3 問 4〜6 問 5〜7 問 5〜6 問(2016・2020)
字数指定 無し(3 年とも) 無し(3 年とも) 無し(3 年とも)。ただし「2 つ挙げて」など要素の数の指定は多い 年による(「十五字程度」「三十五字以内」の年と指定なしの年)
作図 精読した 3 年では無し 3 年のうち 2 年であり(回路図・実験装置・液面) 無し 無し
円周率 「円周率は 3.14 とします」が冒頭に 3 年連続 2024 大問 4 に「円周率は 3 とします」の指定あり
文字種の指定 「もっとも簡単な整数の比で」 「漢字で」「カタカナ 4 文字で」 「漢字で書くべき語句は漢字で」「□内に 1 字とする」 カタカナを漢字に直す
図・表の量 図つき小問が半分強 図つき小問が 6 割弱 図つき小問は 2 割程度 図は使われない

時間配分の目安(精読した年の小問数から): 算数は 1 問 2 分強、理科は 1 問 1 分強、社会は 1 問 1 分強、国語は 50 分で本文 2 本+設問 14〜18 問。理科・社会は問題文が長い割に時間が短いので、読みながら答える練習が要ります。

算数

理科

社会

国語

11. 学年別ロードマップ

何をするか この学校での重み
小 4(土台) 計算の正確さ(分数・小数・単位換算)、図形(正方形・長方形を等分した点を結んで比べる遊び)、読解(線部を自分の言葉で言い換える)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本。この学校で最終的に効く入口は「数を書き出して規則を見つける癖」と「なぜそうなるかを口で言う癖」 差はほぼ無い。時間計測はまだしない。説明を口で言わせる習慣だけは早くから。ここが 4 科目すべてに効く
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終える段階。週の枠組みは平日 15 分×5 + 週末 60 分を基本形にし、平日の 15 分を算数 1 単元 1 問と国語の記述に、週末の 60 分を理科の物理と社会の近現代に割り付ける。算数は 8-1 の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、順番は 規則性・数列 → 平面図形の面積比と線分比 → 水量とグラフ → 点の移動とグラフ → 割合と比 → 場合の数 → 資料の読み取り。理科は 4 分野を一巡し、特に物理(電気回路・ふりこ・光・てこ・ばね)を厚く。社会は近現代を通史で一巡し、基本語を漢字で書けるところまで。国語は物語と説明文を毎週 1 本ずつ、記述は「理由を 2 文で」(ただし国語は 2023 年度以降の資料が無い → 13 節) 中程度。この学校は同じ種類の問題が同じ場所に出るので、小 5 での全分野の一巡そのものより「大問 2・大問 4 に当たる単元を厚く」が効く。ただし理科の生物・化学・地学は毎年題材が変わるので、幅は要る
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降、過去問を「同じ場所を縦に」使う。算数は大問 2 だけを 3 年分、大問 4 だけを 5 年分、大問 1 だけを 3 年分。社会は問 1 だけを 3 年分。理科は大問 4(物理)だけを縦に。国語も同じように縦に解くが、2023 年度以降は資料が無い(→ 13 節)ので市販の過去問集を使う。そのうえで年度通しで時間を計る回を作る ここに時間をかける価値がいちばん大きい学校。同じ場所に同じ種類の問題が出るぶん、縦に解くと「この学校はここでこう聞く」が体に入る。説明を書く設問は添削の回数がそのまま差になる

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 6 の「同じ場所を縦に解く」演習と、説明を書いた答案を直してもらう回数です。算数の大問 4(規則性)と大問 2(線分比)、社会の問 1、理科の大問 4 は、置き場所が決まっている(大問 4 が規則性、大問 4 が物理、といった具合に)ぶん、やった分だけ返ってくる場所で、小 6 の後半に集中させる価値があります。逆に、小 4・小 5 で先取りして差をつける場所は多くありません。強いて言えば、4 科目すべてに「理由を書く」設問があるので、小 4 から「なぜそう思ったか」を口で言い、小 5 から 2 文で書く習慣をつけておくと、小 6 で書く練習に入ったときの伸びが違います。読む量が多い学校でもあるので、読書量そのものも早いうちから時間をかける価値があります。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。


13. 資料の限界

資料の中で食い違っていた点


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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