カリタス女子中学校 の過去問分析
カリタス女子中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
カリタス女子中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・4 科目がそろう回・算数 10 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県川崎市多摩区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前 — 4 科(国語・算数・社会・理科/約 30 名)/第 2 回 2 月 1 日午後 — 2 科(国語・算数/約 35 名)/第 3 回 2 月 2 日午後 — 国語+(算数または理科から出願時に 1 科目選択)(約 30 名)/英語資格入試 2 月 2 日午後 — 国語 1 科(若干名・予定) |
| 試験時間・配点 | 第 1 回は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点。第 2 回は国語 50 分・算数 50 分で各 100 点。第 3 回は各 50 分・各 100 点。英語資格入試は国語 50 分 100 点 |
| 出願の要件 | 英語資格入試は、英検 3 級以上等の資格・スコアが出願の要件です |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。回によって必要な科目が変わります。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが読んだのは 4 科目がそろう回の問題だけです。午後入試(国語と算数の 2 科、国語+算数か理科の選択)と英語資格入試の問題は 1 冊も含まれていません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。逆算は「□にあてはまる数を求める計算」、短答は「語句や数値を短く答える形式」を指します。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- どの大問に何が来るかが決まっていて、中身は毎年作り直される学校です。この座席(問題の置き場所)の決まり方が 4 科目とも徹底しています。
- 理科の大問 1 は資料のある 12 年すべてが「棒のつり合い(てこ)」、社会の大問 1 は 14 年すべてが地理、算数の大問 1 は小問 10 問の集合、国語は大問 2 題(論説と物語)で、どちらも問一が漢字です。
- 同じ問題は出ません。数値や設問文まで同じ問題が別の年に再登場した例は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
家でやること 3 つ
- 理科のてこを 12 年分、大問 1 だけ縦に解きます。
- 算数の大問 1(小問集合 10 問)を 10 年分縦に解きます。約 100 問で、20 分で 10 問が目標です。
- 社会の都道府県を、県名・県庁所在地・地形・産業・雨温図の 5 点セットで、漢字で書けるところまで固めます。
今週やる 1 つ
- 理科 30 分 20 問(1 問 90 秒)・社会 30 分 40 問(1 問 45 秒)を、実際に時計を置いて 1 年分ずつ回してみます。配点は国語・算数の半分ですが、時間あたりの密度は理科・社会のほうが高いためです。
注意
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2010〜2021 年度に限ったものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
転写(過去問の紙面を文字データに起こしたもの)を科目ごとに読みました。年の数え方は次の 3 つに分けています。精読した年(設問文まで読んだ年)・構成だけ数えた年(大問の並びと設問文の頭だけを見た年)・資料のある年(冊子が手元にある年)です。
| 科目 | 資料のある年度 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010・2014・2016・2017・2019・2021〜2025 | 10 | 3(2023・2024・2025 の全文) | 3(2019・2021・2022 の大問構成と設問文の頭) |
| 理科 | 2010・2013・2014・2016〜2019・2021〜2025 | 12 | 3(2023・2024・2025) | 9 |
| 社会 | 2010〜2014・2016〜2019・2021〜2025 | 14 | 3(2023・2024・2025) | 11 |
| 国語 | 2010・2014・2015・2016・2018・2021 | 6 | 3(2016・2018・2021) | 3 |
- 算数だけは、資料のある 10 年のうち 6 年(精読した 3 年+構成だけ数えた 3 年)で大問の構成を確かめました。以下ではこれを「構成を数えた 6 年」と呼びます。理科・社会・国語は資料のある年すべてで構成を数えています。
- 各科目の備考: 算数は資料のある 10 年すべてが「大問 5 題・小問 18〜22 問」で、大問 1 は小問 10 問の集合です。理科は 2022 年度以降は大問 4 題に落ち着いています。社会は小問 24〜43 問と 4 科目のなかで最も問題数が多い科目です。国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。表紙・冊子内の校名はすべて「カリタス女子中学校」で、学校の公表資料の表記と一致しました。別の学校の混入や、別の回の冊子を混ぜて並べた形跡は見つかりませんでした。
- 過去問データベースは 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊のみの掲載で、冊子に回の表記がありません。4 科目がそろう回(現在の入試でいえば 2 月 1 日午前の第 1 回・2 月 3 日午前の第 4 回にあたる 4 科目入試)の問題として読んでいます。国語・算数だけの午後入試や、英語資格入試の問題は含まれていません。
- 現行の試験時間・配点は、国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 30 分 50 点・社会 30 分 50 点(4 科目入試の回)です。理科と社会は算数・国語の半分の時間で半分の配点という枠組みが、以下の全分析の前提になっています。
- 「毎年」「◯年連続」と書いた箇所は、その年の問題文を原本で読み直して確認したものに限ります。確認できなかったことは「読めた年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形問題・地形図・グラフ読み取りの細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
カリタス女子は「どの大問に何が来るかが決まっていて、中身は毎年作り直す」学校です。 しかもその決まり方が 4 科目とも徹底しています。
- 理科の大問 1 は、資料のある 12 年すべて(2010〜2025)が「棒のつり合い(てこ)」です。棒に何をつるすかが年ごとに変わるだけで、問われる考え方は同じです。大問の並びも「物理 → 化学 → 生物 → 地学」が 2013 年度以降の 11 年で崩れていません。
- 社会の大問 1 は 14 年すべてが地理で、最後の大問は 14 年中 13 年が公民です。地理は「地図や表に並んだ都道府県について 1 問ずつ」という形が 2016 年度以降ほぼ毎年続いています。
- 算数の大問 1 は小問 10 問の集合で、その 1 番目が計算、2 番目が□を求める逆算です。構成を数えた 6 年(2019〜2025)で不変でした。
- 国語は大問 2 題だけです。大問 1 が説明文・論説、大問 2 が物語で、どちらも問一が漢字です。資料のある 6 年で不変でした。
一方、どの科目も同じ問題は出ません。読んだ範囲で、数値や設問文まで同じ問題が別の年に再登場した例は見つかりませんでした。単元と場所が決まっていて、中身は毎年作り直されています。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①決まった場所の単元を、解き方の手順ごと身につける(とくに理科のてこ、社会の都道府県、算数の小問集合)、②理科 30 分・社会 30 分という短さに体を合わせる——この二つになります。
もう一つ、4 科目に共通する顔があります。「指定された言葉を使って書く」記述が、国語・理科・社会の 3 科目に毎年出ます。この学校の記述は「自由に書きなさい」ではなく「この語を必ず入れて説明しなさい」の形が多いということです。
科目ごとの重みが違う点も押さえておきたいところです。国語 100 点・算数 100 点に対して理科 50 点・社会 50 点(4 科目入試の回)。ところが理科・社会は 30 分で 20 問・40 問を処理させます。配点は半分ですが、時間あたりの密度は理科・社会のほうが高い作りです。
6. この学校らしさが出る場所
過去問でしか掴めない題材の色です。
- 社会に「刈田寿愛(かりたすあい)さん」という生徒が登場します。2013・2014・2017・2018・2019・2021・2022・2023・2024・2025 の 10 年で確認しました。旅行の計画を立て、引っ越し先を地図で選び、車のナンバープレートを調べ、多摩川沿いを散歩して古い標識を見つけます。問題全体が「彼女の調べ学習」という設定でつながっている年が多くあります。
- 理科には「ひぐこさん」と「るぱおさん」という 2 人が出てきます。2017・2018・2021・2022・2023・2024・2025 で確認しました。実験の結果を 2 人が話し合い、その会話の空欄を埋めながら結論に近づきます。2023 では「ひぐこさんの仮説はどこを見落としていたか」を書かせています。登場人物が間違えるのがこの学校の理科の特徴で、正解を出すだけでなく「なぜ間違いか」を言わせます。
- 地元が題材になります。多摩川(2018 理科は登戸から河口へ/2024 理科は多摩川のアズマモグラ/2024 社会は多摩川沿いの標識)、川崎市内の星空(2018・2022 理科)、学校の理科センターにあるガリレオ温度計(2010 理科)、校庭の樹木の 1 年間の観察(2021 理科)。通学圏の風景がそのまま問題になります。
- テレビ番組・時事が入口になります。NHK 大河ドラマ『青天を衝け』から太陽暦と太陰暦へ(2024 理科)、連続テレビ小説『らんまん』から牧野富太郎とイネ科の植物へ(2025 理科)、冥王星に接近した探査機(2016 理科)、富士山の世界文化遺産登録(2014 理科)、新しい紙幣の肖像 10 人から近代史へ(2025 社会)、能登半島地震の緊急速報から防災と憲法へ(2025 社会)。
- 国語は「人と生きもの」「人と科学技術」の論説です。ひらめきの脳科学(2010)、暮らしの中の科学(2014)、イヌの家畜化(2015)、ねこの家畜化(2016)、障害者スポーツの見られ方(2018)、アニミズムと自然観(2021)。2015 と 2016 は 2 年続けてイヌ・ねこの家畜化でした。物語のほうは同世代の女の子・男の子が家族や部活で気持ちを動かす話に寄っています。
- 「ちょうど◯年前」で歴史を切ります(社会 2021・2023・2024・2025)。前の年の西暦から 50 年・100 年・200 年・1400 年を引いて、その年の出来事を選ばせます。受験する年の分を自分で作っておける、珍しい問い方です。
7. 今からやるなら
想定は受験学年(小 6)の過去問演習期です。小 5 以前の読み方は 11 節の学年別ロードマップに分けて書きました。根拠は 8 節(科目別)を参照してください。
- [毎日 10 分] 理科のてこを 12 年分縦に解く。この学校でいちばん確実に返ってくる、時間をかける価値のある場所です。棒の重さを考える・ばねばかりが支点になる・棒を 2 本組む、まで。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数の大問 1(小問集合 10 問)を 10 年分縦に解く。約 100 問です。この学校の算数の半分はここにあります。20 分で 10 問を目標に。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 社会の都道府県を、漢字で書けるところまで。県名・県庁所在地・地形・産業・雨温図の 5 点セットです。大問 1 の 10 問前後がここで決まります。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語の記述を毎日 1 問。30 字・40 字・60 字の 3 通りを、指定語を入れる条件つきで。理科・社会・国語の「指定語を使って書く」記述は 3 科目に共通する条件なので、一度身につくと 3 か所で効きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会の地形図の読図(2023・2024・2025 の 3 年連続)。地図記号・等高線・距離・「この道を歩くと何が見えるか」。あわせて「明らかに誤っているものを選ぶ」練習を、過去問の選択肢を 1 つずつ○×にして誤りの箇所を言葉にする形で。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科の水溶液の判別と量の計算。指示薬・気体・加熱後の残りを 1 枚の表に。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の割合と比の文章題。「比を実数に直す往復」(2023 大問 3・2024 大問 4)。食塩水は 3 年連続で顔を出しています。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 時間の練習。理科 30 分 20 問(1 問 90 秒)、社会 30 分 40 問(1 問 45 秒)を必ず計って回します。とくに社会は「飛ばして戻る」運用を身につけないと後半の記述に届きません。あわせて、受験する年の「ちょうど 50 年前・100 年前・150 年前・200 年前」の年表を自作しておきます(社会で 4 年分の実績がある問い方です)。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を並べた見取り図です。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。大問 5 題・小問 19〜22・大問 1 は小問集合 10 問(構成を数えた 6 年で不変) | 大問 1 に基本の一行題(数行で終わる短い文章題)が 10 問。大問 2〜5 は生活の場面で作り直される | 大問 1 の 10 問を落とさないこと。割合と比・平面図形・食塩水・速さ |
| 理科 | 非常に高い。大問 1 はてこが 12 年連続、分野の並びも 11 年不変。近年は大問 4 題・小問 20 問 | 会話文で実験を振り返り、表とグラフを読ませる。記述は 1〜2 問 | てこ(棒のつり合い)を完成させる。次に水溶液の判別と表・グラフの読み |
| 社会 | 大問数は 3〜6 と動くが、地理で始まり公民で終わる並びは 14 年不変 | 30 分で 39〜41 問。地図・写真・グラフが全大問につく。前年のニュースが必ず入る | 都道府県を 5 点セット(県名・県庁所在地・地形・産業・雨温図)で即答。地形図の読図 |
| 国語 | 非常に高い。大問 2 題(論説+物語)、どちらも問一が漢字(資料のある 6 年で不変) | 記述が全体の 33〜44%。指定語つきの記述と「自分で考えて書く」設問 | 記述の練習。30・40・60 字の書き分けと、指定語を入れる書き方 |
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5 題・小問 18〜22 問)
この科目でいちばん先に知っておくこと
大問 1 が小問 10 問の集合で、これだけで全小問の半分を占めます。 構成を数えた 6 年(2019・2021・2022・2023・2024・2025)すべてで「大問 5 題/大問 1 は 10 問の小問集合/大問 2〜5 は各 2〜3 問」という並びが崩れていません。小問の総数は 19〜22 問で、大問 1 の 10 問はそのうち 45〜53% にあたります。
自動集計の単元一覧では、この大問 1 が「四則計算の大問」「割合の大問」などと年ごとに違う名前で載っています。実際には毎年同じ小問集合で、名前が違うのは先頭の小問の単元を拾っているためです。原本で 6 年分を確認しました。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 5 題: 資料のある 10 年(2010・2014・2016・2017・2019・2021〜2025)すべて。小問は 18〜22 問です。
- 大問 1 = 小問 10 問の集合: 同じ 6 年連続。
- 大問 1 の 1 番目 = 分数・小数の四則混合計算、2 番目 = □を求める逆算: 同じ 6 年連続。この 2 問はほぼ同じ形で毎年出ます(同じ数値の問題が出るという意味ではありません)。
- 大問 2〜5 は毎年入れ替わります。構成を数えた年で、大問 2 が 2 年続けて同じ単元だったことはありません。
つまりこの学校の算数は「入口の 12 問(大問 1 の 10 問)は場所が決まっていて、そこから先は毎年作り直す」構造になっています。
年度×大問の題材表(大問 2〜5・全文を読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 円すいを机の上で転がす(通った跡の円周・面積・表面積) | 割合と比(姉妹のおこづかい・プレゼント代を出し合う) | 方角と相似(家・校門・塔・電柱の高さ) | 速さとグラフ(歩く弟を自転車で追う兄・グラフの作図あり) |
| 2024 | 速さ(2 人が自転車で同じ駅へ・出発時刻の逆算) | 資料の読み取り(オンライン授業のアンケート・会話文の空欄補充) | 割合と比(3 種の菓子のセット買い・最大何セット) | 立体図形(2 つの三角柱を重ね方を変えて組む) |
| 2025 | 平面図形(平行四辺形の対角線と面積比) | 推理(4 人の解答一覧と得点から正解を決める) | 過不足算(えんぴつを 2 班に配る) | 数の性質(一の位を取り除く約束記号・和が 2025 になる) |
大問 1(小問集合)の中身 — 精読した 3 年の 10 枠
| 枠 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|
| 1 | 四則計算 | 四則計算 | 四則計算 |
| 2 | 逆算(□) | 逆算(□) | 逆算(□) |
| 3 | 三角形の底辺と高さ(面積を変えない) | 食塩水(水を加える) | 食塩水(2 種を混ぜて水を加える) |
| 4 | 曜日と平均(木曜日 5 つの日付) | 角度(印つきの角) | 角度(印つきの角) |
| 5 | 割合(部員 118 人) | 割合(5 年 6 年の女子の人数) | 割合の言いかえ(「3 倍」=「何 % 増えた」) |
| 6 | 長方形の折り返し | 割合と比 | 数の性質(1〜2025 で 3 でも 5 でも割り切れない数) |
| 7 | 日の出・日の入りと昼夜の時間 | 和差算・分配算(姉と妹のお金) | 平均算(2 種のりんご) |
| 8 | 規則性(3km に 200m ごとの旗) | 立体図形(円すいと円柱の体積比) | 速さ(50m 走の 2 人) |
| 9 | 仕事算(姉と妹) | 平面図形(長方形内の面積比) | 規則性・数列 |
| 10 | 平面図形(正方形の中の色つき長方形) | 数の性質(2024 を 5 で割ると 4 あまり…) | 回転体(直角三角形を 1 回転) |
3 年を縦に見ると、3〜4 番目に食塩水・角度、5〜6 番目に割合、後半に数の性質・平面図形・立体図形という並びの気配はありますが、単元まで固定されているとは 3 年では言い切れません。確実なのは 1・2 番目の計算 2 問だけです。
頻出単元(10 年分の集計と、精読した 3 年の実物)
| 単元 | 出方 |
|---|---|
| 計算・逆算 | 大問 1 の 1・2 番目に毎年(構成を数えた 6 年) |
| 割合と比・文章題 | 全単元のなかで最も厚い層。大問 1 にほぼ毎年 2 問前後、さらに大問 2〜5 のどれかにも(2023 大問 3・2024 大問 4) |
| 平面図形(面積比・角度・折り返し) | 大問 1 に毎年 1〜2 問、大問でも 2022・2023・2025 |
| 速さ | 大問 1 か大問のどちらかに毎年(2019・2021・2023・2024・2025 で確認)。グラフ読み取りつきは 2023 |
| 数の性質・規則性 | 大問 1 の後半の定席。大問に上がるのは 2016・2025 |
| 立体図形(体積・表面積・回転体・切断) | 2019・2024 は大問、2023・2025 は大問 1 に 1 問 |
| 推理・論理 | 2021 大問 5・2025 大問 3。「表を整理して決めていく」問題が数年おき |
| 食塩水 | 2021 は大問、2024・2025 は大問 1 に 1 問ずつ(3 年連続で登場) |
| 過不足算・つるかめ算(個数を合計から逆算)・仕事算・集合 | 2019・2021・2023・2024・2025 に散らばって出る、いわゆる特殊算の一群 |
問い方のくせ
- 大問 2〜5 はどれも「短い場面設定の導入文+(1)(2)〔(3)〕」です。(1) は導入文をそのまま式にすれば取れる設計で、(2) 以降で条件が 1 つ増えます。精読した 3 年で、(1) が単独で難しい大問は見当たりませんでした。
- 大問の題材は生活の場面が多くあります(おこづかい、菓子のセット買い、自転車通学、アンケート、えんぴつ配り)。2024 大問 3 は先生役・生徒役の会話をたどって空欄を埋める形で、資料の読み取りを会話で誘導しています。
- 数字に西暦を仕込む問題が 2024・2025 の 2 年連続で出ています(2024 大問 1(10)「2024 は 5 で割ると 4 あまり、7 で割ると 1 あまる」、2025 大問 1(6)「1 から 2025 まで」、2025 大問 5(3)「和が 2025 になる」)。2026 年度も 2026=2×1013 のような仕込みを想定しておくとよいでしょう。
- 大問 5 は「その場でルールを読む」問題になる年があります(2021 の経路と所要時間、2025 の約束記号)。ここは (1) を確実に取り、(2)(3) は時間と相談する枠です。
- 練習の当て方: 計算と逆算は毎日 2 問(分数・小数の混合と、かっこの中に□がある形を分けて)。割合と比は「比が変わる前と後」(2023 大問 3)、「何セット買えるか」(2024 大問 4)のように、比を実数に直す往復が繰り返し問われます。平面図形の面積比(相似・辺の比から面積比)と角度(印つきの角)は大問 1 の 4 番目・9 番目あたりの定席。速さは「出発時刻の逆算」「追いかけ」「グラフ読み取り」の 3 通りで、グラフに自分で線を引く練習を 1 回入れておきます。食塩水は混ぜる・水を足す・濃度を変えないで量を増やすの 3 通り。数の性質(余りの条件・割り切れない数の個数)と規則性は大問 1 の後半で 1〜2 問なので、西暦の数を使った出題に慣れておきます。
8-2. 理科(30 分・50 点・大問 4 題・小問 20 問前後)
この科目でいちばん先に知っておくこと
大問 1 は、資料のある 12 年すべてで「棒のつり合い(てこ)」でした。 2010・2013・2014・2016・2017・2018・2019・2021・2022・2023・2024・2025 の 12 冊すべての大問 1 を原本で開いて確認しました。棒・糸・おもり(スプーンとフォーク・ゾウの人形・かざり・雪だるまなど)という道具立てまでほぼ共通で、これほど徹底して同じ場所に同じ単元が来る学校は多くありません。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = てこ・棒のつり合い: 12 年連続(2010〜2025 の資料のある全年度)。ばねばかりを組み合わせる年(2018・2024)、棒自身の重さを考えさせる年(2016・2023・2025)があります。
- 大問の並びが「物理 → 化学 → 生物 → 地学」: 2013〜2025 の 11 年で成立しています(2010 だけ地学が生物より先)。大問 4 題に落ち着いた 2022〜2025 の 4 年は、この 4 分野が 1 題ずつ、この順にきれいに並びます。
- 大問 2 は電気か化学: 大問 5 題だった年は電気回路・電流(2013・2014・2016・2017・2019・2021)、大問 4 題になった 2022〜2025 は化学(燃焼・水溶液・溶解度)です。2022 年度以降、電気回路が大問から消えているのは、大問が 5 題から 4 題に減って物理枠が 1 つになったためと見えます。
つまり、この学校の理科は開いた瞬間にやることが決まっています。大問 1 のてこで手間取ると、残り 3 題を 30 分で処理できなくなります。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(物理) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5・6 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | てこ(厚紙の雪だるまをつるす) | 溶解度(固体と気体の溶ける量の表・濃度) | 植物(『らんまん』と牧野富太郎・イネ科) | 気象(地球温暖化・二酸化炭素濃度の表とグラフ) | — |
| 2024 | てこ(ばねばかりつき) | 燃焼(スチールウールと割りばし・量の計算) | 動物(多摩川のアズマモグラ・分類) | 太陽と暦(大河ドラマ『青天を衝け』・太陽暦と太陰暦) | — |
| 2023 | てこ(容器に水を入れて重さを変える) | 水溶液の判別(6 つのビーカー) | 植物(ダイコンとカイワレ・祖父との会話) | 地震(P 波と S 波・ゆれの大きさと規模) | — |
| 2022 | てこ(かざりをつるす) | 燃焼と水溶液(授業の実験を 2 人が振り返る会話) | 人体(からだのしくみの会話) | 星(川崎市内で東西南北を固定撮影) | — |
| 2021 | てこ | 電気回路(電池と豆電球) | 気体(教会の「種なしパン」) | 植物(校庭の樹木の 1 年間の観察) | 地層・地震 |
| 2019 | てこ(棒の上におもりを置く) | 電流と発熱(電熱線と水温) | 水溶液の判別 | 植物と人体(生き物に必要なもの) | 気象(水の循環) |
| 2018 | てこ+ばね | 水溶液の判別(5 種の液体を 2 人が話す) | 塩酸と亜鉛(量の計算) | 人体(心臓と血液) | 星座(川崎市内)・流水(多摩川を登戸から河口へ) |
| 2017 | てこ(理科室の実験装置とばねばかり) | 電気回路(2 人が回路を作る) | チョークの実験(気体・水溶液) | 植物の分け方 | 月と星 |
| 2016 | てこ(80cm の棒を切り分ける) | 電気回路(豆電球の明るさ) | 水溶液と状態変化 | 植物の観察 | 惑星(冥王星に接近した探査機) |
| 2014 | てこ(ゾウのおもちゃ 3 種) | 電磁石・コイル | 気体 5 種の判別 | 生物の共通点さがし | 富士山(世界文化遺産・地層) |
| 2013 | てこ(シーソー) | 電気回路 | 熱と状態変化 | 人体・動物(正誤 10 連問) | 日食と月食(前年の金環日食) |
| 2010 | てこ(スプーンとフォーク) | 台所のものを使う実験(水溶液) | ガリレオ温度計(理科センターにある実物) | 星の動き | 発芽・サンマの観察 |
問い方のくせ
- 会話文が多く出ます。「ひぐこさん」と「るぱおさん」という 2 人の生徒が、2017・2018・2021・2022・2023・2024・2025 に登場して実験を振り返ります。会話の空欄を埋めながら結論を作らせる形が、この学校の理科の基本の運び方です。会話は誘導なので、丁寧に読めば答えが用意されています。
- 「〜さんの仮説はどこが間違っていたか」を書かせます(2023 大問 1(3))。実験の結果と食い違った理由を説明させる問題が、記述の中心にあります。
- 記述は毎年 1〜2 問で、全小問の 3〜13%(資料のある 12 年)です。字数指定はなく「簡単に説明しなさい」「あなたの考えを述べなさい」の形です。使う語を指定されることがあります(2023 大問 3 問 3「『葉脈』という言葉を必ず使うこと」)。
- 記号選択は「すべて選び」「正しくないものを 1 つ」が毎年複数出ます。記号だけでなく用語を漢字で書かせる指定も出ます(2023「漢字 2 文字で」、2024「漢字 2 字で」)。これは字数の指定ではなく文字の種類の指定なので、答えの長さを縛るものではありません。
- 表とグラフを読む問題が必ず入ります。2025 は二酸化炭素濃度の 10 年ごとの表を読み、そこから作ったグラフの 2 本のどちらが 2 月かを当てさせます。図や表つきの小問は資料のある 12 年で 19〜75%、直近 3 年は 29%・45%・75% と多くなっています。
- 計算は割合・比例・つり合いの逆算が中心で、桁の指定(「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」2025 大問 2 問 4)がつきます。
- 練習の当て方: 化学は「水溶液の判別」と「燃焼・溶解度の量の計算」の 2 本です。てこは、棒の重さを考える(重心を棒の中心の 1 点におく)・ばねばかりを支点にする・棒を 2 本組み合わせる(2025 大問 1 問 5)まで。生物は植物(分類・葉脈と根・花のつくり)が厚く、人体・動物の分類も 3 年おきに来ます。地学は気象・天体・地震・地層を薄く一巡し、暗記より「表の縦横を読む」練習を。記述は「実験の結果が予想と違った理由」を 1 文で書く練習で、指定語を使う条件を読み落とさないことです。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 3〜6 題・小問 24〜43 問)
この科目でいちばん先に知っておくこと
4 科目のなかで最も問題数が多く、30 分で 39〜41 問(直近 3 年)です。 1 問あたり 45 秒しかありません。しかも大問 1 は 10〜13 問の地理の巨大な問題で、地図・雨温図・グラフ・写真が次々に出てきます。知識を思い出す時間がないので、即答できる状態まで固めておく必要があります。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = 地理: 資料のある 14 年すべて(2010〜2025)。都道府県の同定(10 年)、貿易・資源(2011・2013)、日本の地形(2012)、水産業(2014)、観光(2021)。とくに「地図や表に①〜⑩の都道府県が並び、それぞれについて 1 問ずつ問う」形は 2016 年度以降ほぼ毎年で、2022〜2025 は 4 年連続です。
- 最後の大問 = 公民: 14 年のうち 13 年(2011 だけ戦後史で終わります)。三権分立(国会・内閣・裁判所の権限の相互チェック)が 6 回、憲法・財政・国際・環境がそれぞれ 1〜2 回です。憲法の前文・条文の穴埋めも出ます。
- 真ん中は歴史: 大問 2〜4 に歴史が 1〜2 題。歴史は古い順ではなく新しい時代から古い時代へさかのぼる年があります(2023 大問 3 は 21 世紀 → 昭和 → 明治 → 江戸 → 鎌倉 → 飛鳥 → 原始の順)。
- 地形図の読図が独立した大問: 2023 大問 2・2024 大問 2 の 2 年連続。2025 は大問 1 の中に地図記号と読図が組み込まれました。3 年連続で地形図が出ています。
- 大問数は 3〜6 題と年によって動きます。固定されているのは「地理で始まり公民で終わる」という並びのほうです。
年度×大問の題材表(全文を読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 都道府県 8 つの「やりたいこと」表(山脈・海岸線・曲げわっぱ・しまなみ海道・雨温図・産業別人口・地図記号と読図)12 問 | 歴史(原始〜江戸・天平の命令の現代語訳・将軍の並べかえ)9 問 | 歴史(新しい紙幣の肖像 10 人から近代史)10 問 | 能登半島地震の緊急速報(防災・憲法・国と都道府県と市町村の役割・選挙)8 問 | — |
| 2024 | 車のナンバープレート(三重・石川・高知・山形…県庁所在地・半島・雨温図・デザインを描く)10 問 | 地形図の読図(蒲原)2 問 | 歴史(学問の神様と神社をめぐる会話文・古代〜幕末)11 問 | 歴史(鹿児島の銅像と年表・幕末〜戦後)8 問 | 公民(憲法前文・国会・内閣・裁判所・税・多摩川の「建設省」の標識)10 問 |
| 2023 | 海とのつながり(都道府県①〜⑩・函館山・若狭湾・貿易港・風力発電・桜島)13 問 | 地形図の読図(兵庫県相生市・引っ越し先を選ぶ)3 問 | 歴史(21 世紀から原始へさかのぼる・数え年の計算)16 問 | 公民(授業のグループ発表・参議院・予算・税・円安)9 問 | — |
問い方のくせ
- 「明らかに誤って述べているものを 1 つ選び」。この独特の言い回しが、資料のある 14 年のうち 12 年に出てきます(2014・2017 以外)。年 1〜8 問です。「正しいもの」ではなく「誤っているもの」を探す設問が多いので、選択肢を 4 つとも読み切る訓練が要ります。
- 「昨年(20XX 年)のちょうど◯年前の出来事を選べ」。2021・2023(3 問)・2024・2025 で確認しました。前の年の西暦から 50 年前・100 年前・200 年前・1400 年前を引き算させます。受験する年の「◯年前」を自分で作って調べておくと、そのまま当たる可能性があります。
- 刈田寿愛(かりたすあい)さんという生徒が問題の中に登場します。2013・2014・2017・2018・2019・2021・2022・2023・2024・2025 の 10 年で確認しました。旅行の計画を立て、引っ越し先を選び、ナンバープレートを調べ、多摩川沿いを散歩します。会話文や調べ学習の設定で問題全体をつなぐ役をしています。
- 記述は年 0〜4 問(3〜10%)と少ないものの、書き方の条件がつきます。「『タンカー』という言葉を使って説明しなさい」(2023 大問 1 問 6)、「写真 1 か写真 2 のどちらかを選び、特徴と理由を答えなさい」(2025 大問 1 問 8)、「金や銀に価値があるという考えはどこからきているのか」(2025 大問 3 問 10)。記述は 1〜2 文で、指定語を使う条件を必ず確認します。
- 絵を描かせる年があります。2024 大問 1 問 10 は「山梨県のナンバープレートをデザインし、何を描いたか言葉でも説明する」問題です。社会で作図が出るのは珍しいことです。
- 漢字指定が非常に多くあります(「漢字で答えなさい」「漢字 4 字で」「都・道・府・県まで書くこと」)。これは文字の種類の指定で、書けないと 0 点になります。
- 「すべて選び」の設問がほぼ毎年 1〜2 問あります。
- 写真・航空写真・グラフ・雨温図・年表・地図が全大問につきます。図表つきの小問は年によって 19〜63% です。
- 練習の当て方: 前年のニュースを月ごとに 5 行ずつメモし、「関係する制度」「関係する地域」を 1 行添えておきます。教科書・資料集の写真(絵画・建築・工芸品)は、名前と時代とセットで見ておきます。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 2 題・小問 15〜18 問。2010・2014・2015・2016・2018・2021 の 6 年分)
2022 年度以降の問題文は資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2021 年度に限った話で、直近の形は市販の過去問集で確認してください。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
資料のある 6 年(2010・2014・2015・2016・2018・2021)で、次の 4 つが一度も崩れていません。
- 大問は 2 題だけです。小問は 15〜18 問です。
- 大問 1 = 説明文・論説、大問 2 = 物語・小説。6 年連続です。
- どちらの大問も「問一」が漢字です(カタカナを漢字に、漢字をひらがなに、3〜4 問ずつ)。漢字の独立した大問は無く、読解の中に組み込まれています。大問 2 つで計 6〜8 問ある固定枠なので、カタカナ→漢字と、漢字→読み(送り仮名つきの訓読みも)の両方向を毎日やる価値があります。
- 大問 1 の「問二」が空欄 1〜4 に接続語などを入れる記号選択です(ア〜オから 1 つずつ、同じ記号は 1 度だけ)。設問の文言までほぼ同じ形で、2014・2015・2016・2018・2021 の 5 年で確認しました。また・しかし・なぜなら・では・たとえば・したがって・ところが、を意味の違いで選べるようにしておく場所です。
つまり国語は、開くと必ず「論説→物語」の 2 本で、それぞれ漢字から始まります。50 分をどう割るかを決めておけます。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(説明文・論説) | 大問 2(物語・小説) |
|---|---|---|
| 2021 | アニミズム(自然観・短歌と俳句の読み取りを含む) | 目の見えなくなった兄と弟の伴走(高校生) |
| 2018 | 障害者スポーツへの注目のされ方 | 中学の水泳部・大会出場をめぐる主将と顧問 |
| 2016 | ねこの家畜化(いぬとの違い) | 今村夏子『こちらあみ子』(トランシーバーと家族) |
| 2015 | 支倉槇人『ペットは人間をどう見ているのか』(イヌの家畜化) | 正月の決まり事の多い家 |
| 2014 | 佐倉統・古田ゆかり『おはようからおやすみまでの科学』 | 草野たき『ハッピーノート』(塾帰りの中学生) |
| 2010 | 茂木健一郎『ひらめき脳』 | 海を舞台にした少年の物語 |
出典は、原本の表記と資料の一覧が一致したものだけを載せました。表記が食い違ったもの(2018 大問 1・2 の書名、2021 大問 1)は、確かめられないので書いていません。
題材の色: 大問 1 は「人と生きもの」「人と科学技術」の関係を考える論説が多くあります(ひらめき/科学と暮らし/イヌの家畜化/ねこの家畜化/障害者スポーツ/アニミズム)。2015 と 2016 は 2 年続けてイヌ・ねこの家畜化という近い題材でした。新書の入門書レベルの読みものに触れておくと合います。大問 2 は同世代の女の子・男の子が、家族や部活の中で気持ちを動かす話が中心です。
問い方のくせ
- 記述が多く、全小問の 33〜44%(資料のある 6 年)、1 回の試験に 6〜7 問あります。4 科目のなかで最も書かせる科目です。
- 字数の指定は「三十字以内」「四十字程度」「六十字以内」「六十字以上、七十字以内」と幅広く、指定のない「説明しなさい」も同じくらい多くあります。指定がない設問は解答欄の大きさで分量を決めます。
- 使う言葉を指定される記述が毎年あります。「『知識の在庫』『想像力』という言葉を必ず入れて、六十字程度で」(2018 大問 1 問八)、「『水泳部』『都大会』という言葉を使って説明しなさい」(2018 大問 2 問三)、「本文中の言葉を使って」(2016・2021)。理科・社会の記述にも同じ条件がつくので、この学校は 3 科目で「指定語を使って書く」練習が共通して効きます。
- 本文に無いことを自分で考えて書かせる設問が混ざります。2021 大問 1 問九「科学で説明できる『生命』として扱っている具体例を一つ考えて書きなさい」、同問六「この短歌での『金の油』とは何ですか。考えて書きなさい」。抜き出しでは届きません。ここは空欄を作らず、部分点を取りにいく設問です。
- 抜き出しは「十五字以内で」「十三字で」と字数つきです。文章を時間の流れで 3 つに分け、2 つ目の始まりを抜き出させる問題(2016 大問 2 問二)のような、構成をつかませる設問も出ます。
- 短歌・俳句・表現技法が読解の中に入ります(2021 大問 1 は擬人法・比喩の例文選択、短歌と俳句の解釈)。詩歌の独立した大問は無く、論説の中で問われます。鑑賞ではなく「何をたとえているか説明する」形で練習しておく場所です。
- 選択肢はア〜オの 5 択が基本です。「ふさわしくないものを選べ」も出ます。
- 気持ちの変化は「気持ちがどう変わったか、変わる前と後がわかるように書く」形で問われます(2018 大問 2 問八・2021 大問 2 問五)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
周期が上限に達しているものです。最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認した年度です。
| 科目 | 単元 | 出た年度 | 最終確認年度 | 見立て |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 電気回路・電流 | 2013・2014・2016・2017・2019・2021 | 2021 | 4 年出ていません。大問が 5 題から 4 題に減って物理枠がてこ 1 つになったためですが、この学校で最も長く繰り返されてきた物理の柱で、てこと入れ替わる形で戻る可能性は残ります。ここを捨てるのは危険です |
| 理科 | 人体 | 2013・2018・2022 | 2022 | おおよそ 3〜5 年おきの周期に見えます |
| 理科 | 月と日食月食 | 2013・2017・2024 の一部 | 2024 | 単独の大問としては 2017 年度が最後です |
| 理科 | 地層・岩石 | 2014・2021 | 2021 | 流水のはたらきは 2018 が最後です |
| 理科 | ばね | 2018・2024(てこと複合) | 2024 | 単独では出ていませんが、てこの大問に混ざる形で毎回警戒します |
| 算数 | 円とおうぎ形の求積 | 2014・2019(大問 1)・2023(大問 2 の転がり) | 2023 | 2024・2025 の 2 年は大問でも小問でも姿が薄くなっています |
| 算数 | 売買損益 | 2019 大問 3・2022 | 2022 | 以降、構成を数えた年では出ていません |
| 算数 | つるかめ算 | 2019 | 2019 | 2019 大問 5 が最後です |
| 算数 | 集合(ベン図) | 2021 | 2021 | 2021 大問 3 が最後です |
| 算数 | 速さとグラフ(作図つき) | 2023 | 2023 | 2023 大問 5。作図が出るとすればここが最有力です |
| 社会 | 国際社会と国際協力 | 2010・2016 | 2016 | 最後の大問が国内の制度に寄っており、久しく大問になっていません |
| 社会 | 人口と都市問題 | 2018 | 2018 | 少子高齢化・人口ピラミッドは地理でも公民でも置ける位置にあります |
| 社会 | 農業と畜産 | 2010・2016・2019・2024 の一部 | 2024 | 直近は水産業・工業に寄っています |
| 社会 | 文化史・美術史 | 2023 の狩野永徳・2024 の神社・2025 の夏目漱石 | 2025 | 絵画・建築の写真を選ばせる問題は毎年 1 問前後あるので、教科書の図版は必ず見ておきます |
国語は資料のある年が 6 年しかなく、しかも 2021 年度が最後なので、周期を根拠に「そろそろ出る」と言える単元はありません。2022 年度以降に大問の数や記述の量が変わっていないかは、市販の過去問集で必ず確かめてください。
10. 形式面の注意
4 科目に共通するもの
- 記述の条件がそろっています。 国語・理科・社会の 3 科目に「指定された言葉を必ず使って説明しなさい」という記述が出ます(国語 2018・2016・2021、理科 2023、社会 2023)。この形は 1 度練習すると 3 科目で効きます。
- 漢字で書かせる指定が多くあります。社会は「漢字で」「漢字 4 字で」「都・道・府・県まで書くこと」、理科も「漢字 2 字で」。これは文字の種類の指定で、答えの長さを縛るものではありません。ひらがなで書くと 0 点になります。
- 図をかかせる問題が、算数と社会に出ます。算数 2023 は解答用紙のグラフに動きを書き込む問題、社会 2024 はナンバープレートのデザインを描いて言葉でも説明する問題です。社会で絵を描かせる学校は多くないので、面食らわないように 1 度は見ておきたいところです。
- 選択肢は「誤っているものを選べ」が多くあります。社会の「明らかに誤って述べているものを 1 つ選び」は 14 年中 12 年に登場します。理科も「正しくないものを 1 つ」「すべて選び」が毎年出ます。
- 表とグラフを読ませる問題が全科目にあります。理科の二酸化炭素濃度の表(2025)、社会の産業別人口割合(2025)・雨温図(毎年)、算数の資料の読み取り(2024)。
- 時間の配分が科目でまるで違います。国語 50 分 16 問(1 問 3 分)/算数 50 分 20 問(1 問 2 分半)/理科 30 分 20 問(1 問 90 秒)/社会 30 分 40 問(1 問 45 秒)。同じ日に受ける 4 科目で、これだけ密度が違います。
- 円周率の指定や配点の記載は、読んだ資料には現れませんでした。市販の過去問集で確認してください。
科目ごとのもの
- 算数: 答えのみが原則です。精読した 3 年(2023・2024・2025)で、文章で説明させる問題は 0 問でした。ただし 2019 大問 4(2) に「その理由も答えなさい」があり、理由を一言で書く問題が絶対に出ないとは言えません。大問 1 は 10 問すべて「□に正しい答えを入れなさい」の形で、途中式を書く欄はないため、計算ミスがそのまま失点になります。作図は毎年ではありませんが、10 年分の資料では作図ありの年が複数あります。小問 19〜22 問を 50 分。大問 1 に 20〜25 分、大問 2〜5 に各 6〜7 分という配分が現実的です。
- 理科: 30 分で 20 問前後(2018 は 32 問)。1 問 1 分半の計算になるので、てこの大問 1(5〜7 問)を 10 分以内に抜けたいところです。記述は 1〜2 問ですが、書かないと埋まらない設問なので飛ばしません。1〜2 文で足りる分量です。図を描かせる問題は資料のある年には見当たりませんでしたが、図を読む量は多くなっています。解答用紙は問題冊子に同梱されています。
- 社会: 30 分で 39〜41 問(直近 3 年)、1 問 45 秒です。分からない問題は飛ばして戻る運用が前提になります。記述は最後の方に置かれる年が多く、後半を落とすと記述ごと落ちます。前の年のニュースが必ず入ります(2023 は円安と 2022 年の国葬、2024 は関東大震災 100 年と紙幣刷新の予告、2025 は能登半島地震と総裁選)。時事は「その出来事が憲法・地方自治・地理のどこにつながるか」までが範囲です。計算が入ることもあります(2023 大問 3 問 13 の数え年、2025 の産業別人口割合のグラフ読み)。
- 国語: 50 分で 2 題・16 問前後。1 題 25 分の計算で、記述に時間を取れる作りです。本文は 1 本あたりかなり長く(冊子の本文量は 4 科目のなかで最も多い)、速く読んで記述で時間を使う配分になります。解答用紙は 2 枚に分かれている年があります(2021)。図・グラフは出ません(資料のある 6 年で 0%)。古文・漢文・文法の独立した設問は、資料のある 6 年では見当たりませんでした。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | やること |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数の四則、□を求める逆算)/漢字を書く習慣/物語と説明文を最後まで読む体力/身のまわりの道具を「なぜそうなるか」で見る(てんびん・シーソー・つりあい)。時間を計るのはまだ先で構いません。この学校の算数の大問 1 は、小 4 で身につく正確さがそのまま点になる作りになっています。 |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える年です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分は前半に都道府県(県庁所在地・地形・産業)、後半に割合と比。週末の 60 分は、てこ・つり合い → 平面図形の面積比 → 水溶液の判別の順に置きます。この 5 つが、後で必ず戻ってくる場所です。国語は「理由を 2〜3 文で書く」習慣をここでつけます。8 節の年度×大問の題材表を、小 5 で一巡する単元リストとして使うとよいでしょう。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は「同じ場所を縦に解く」使い方が特に効く学校です(理科の大問 1、算数の大問 1、社会の大問 1)。秋以降は年度通しで時間を計り、理科 30 分・社会 30 分の密度に体を慣らします。 |
つるかめ算(個数を合計から逆算)・過不足算・仕事算・和差算・分配算・平均算は、教科書には出てこない受験用教材の単元です。小 5 の一巡ではここだけ塾の教材が要ります。
国語について: 上の「理由を 2〜3 文で書く」も、小 6 の記述練習も、根拠にできるのは 2010〜2021 年度の問題です。ただし 2022 年度以降は資料がありません(→ 13 節)。直近の記述量は市販の過去問集で確かめてください。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡より、むしろ小 4 からの「計算の正確さ」と「書く量」です。算数は大問 1 の 10 問が答えのみで、途中式を書く欄がありません。計算ミスがそのまま失点になります。国語は記述が 3 分の 1 以上で、理科・社会にも記述が入ります。小 4 のうちから、答えを一言で書かずに理由まで書く習慣をつけた子は、6 年生で記述の練習を始める子より確実に楽になります。そのうえで小 5 に「都道府県」と「てこ」を置ければ、この学校に対しては先に進んだ状態で 6 年生を迎えられます。
12. この学校と併願するなら
観点は過去問の勉強が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。日程の重なりは併願候補のページの注記をそのまま写しました。
- 香蘭女学校中等科(東京都・女子校)— 4 科目とも近く、とくに算数と社会です。国語まで比べられる数少ない相手です。
- 恵泉女学園中学校(東京都・女子校)— 算数がいちばん近く、社会の資料の量も近いところです。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 日本女子大学附属中学校(神奈川県・女子校)— 社会がとりわけ近く、小問数の多さと資料の量が似ています。理科はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校自身の中でも回によって科目が違います(4 科目の回、国語と算数だけの回、国語+算数か理科を選ぶ回、国語だけの回)。受ける回によって必要な科目が変わるため、併願先の科目構成と見比べて準備を立てる必要があります。2 科目で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。同じ学校の別の回を受けるなら、そこで使う科目の過去問がそのまま効きます。ただし本レポートで読んだのは 4 科目そろう回の問題だけです。
- 転用のしかたで言えば、理科の「大問 1 は必ずてこ」という作りが同じ学校はまず無いので、理科のてこはこの学校の過去問を縦に使うのがいちばん早い方法です。逆に、社会の「都道府県を並べて 1 問ずつ」「地形図の読図」、算数の小問集合、国語の記述は、上の学校の過去問でそのまま積み増しできます。
- 「近さ」は科目ごとの大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の重なりの距離と、単元分布の類似を合成した自動集計です(100 に近いほど出題構造が近い)。同じ問題が出るという意味ではありません。国語は資料のある学校が限られるため、4 科目そろって比べられているのは上位 3 校だけです。
13. 資料の限界
- 回の区別ができません。過去問データベースは 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊のみの掲載で、冊子に回の表記がありません。4 科目がそろう回の問題として読みましたが、第 1 回と第 4 回のどちらかまでは特定できていません。午後入試(国語・算数の 2 科目、国語+算数か理科の選択)と英語資格入試の問題は 1 冊も含まれていません。
- 年の抜けがあります。算数は 2011・2012・2013・2015・2018・2020 の資料が無く、10 年分です。理科は 12 年分、社会は 14 年分、国語は 6 年分です。2026 年度はどの科目も資料が無いので、本レポートの「直近」は 2025 年度を指します。
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2010〜2021 年度に限った話で、直近 4 年の形は市販の過去問集で確認してください。
- 転写の読み落としの可能性があります。図・写真・地形図は文字の説明に置き換えられているため、図形問題の細部や地形図の読み取りは設問文からの推定を含みます。
- 「同じ問題の使い回し」は、両方の年の設問文を原本で読み比べたものだけを実例にする方針で見ましたが、数値まで同じ問題の再登場は今回の範囲では見つかりませんでした。
- 配点は小問ごとには公表されていません。科目ごとの配点(国語 100・算数 100・理科 50・社会 50)は募集要項によるものです。
資料どうしの食い違い
- 回の呼び方が資料と要項で合いません。上の 4 節と本節では、4 科目がそろう回を「2 月 1 日午前の第 1 回・2 月 3 日午前の第 4 回」と書いていますが、1 節に載せた 2027 年度の募集要項の回は第 1 回・第 2 回・第 3 回・英語資格入試の 4 つで、2 月 3 日午前の回はありません。回の構成が年によって変わったものと見えます。本レポートが読んだのが 4 科目そろう回の冊子であることは変わりませんが、それが現在のどの回にあたるかは特定できていません。
- 転写の重複を 1 か所見つけました。2016 年度の国語で、大問 2 の問六として大問 1 の問六(「緩やかな関係」の言いかえを抜き出す設問)と同じ文が入っています。大問 2 は別の文章なので、この設問は転写の重複と判断して分析から外しました。
- 国語の出典の一覧に誤りがあります。著者名・書名が原本の表記と食い違うもの(2018 年度の 2 本、2021 年度の 1 本)は、確かめられないので本文に書いていません。8-4 の表に載せた出典は、原本の表記と一覧の両方が一致したものだけです。
- 自動集計の単元の一覧にも誤りがあります。算数の大問 1 は毎年同じ小問集合ですが、自動集計の一覧では先頭の小問の単元を拾って「四則計算の大問」「割合の大問」と年ごとに違う名前がついています。本レポートは 6 年分の原本を開いて「小問集合」と読み直しました。国語の「字数の指定が無い」という集計も、原本には「三十字以内」「六十字程度」があり誤りです。社会の「字数指定」は、実際には「漢字 4 字で」のような文字の種類の指定を数えたものが多くなっています。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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