関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

サレジオ学院中学校の過去問分析

男子私立神奈川県横浜市都筑区

重要結論

  1. 4 科目とも、大問の並びに役割が割り当てられていて、その割り当てが何年も動きません。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。以下ではこの置き場所を出題位置(大問の番号と順番)と呼びます。
  2. 理科は 大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学。大問数は 17 年間ずっと 4 です。算数は 大問 1 計算・大問 2 小問集合・大問 3〜5 が 3 問ずつの大型問題、社会は 2019 年以降 大問 1 本・小問 32〜35 問です。
  3. ところが、その席に座る単元・題材は毎年入れ替わります。理科の物理は ふりこ → 浮力 → てこ と 3 年で替わりました。

今週やること

  1. 算数の大問 3〜5 の (3)(「途中の考え方もかきなさい」の指定つき)を 1 問書いて、式だけでなく場合分けの基準まで書けているか見てもらいます。
  2. 理科を「大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学」の出題位置で、1 分野 10 分ずつ年度を変えて続けて解きます。
  3. 算数の大問 1(計算 2 問)と大問 2(小問集合 5〜8 問)を 20 分で抜ける練習をします。

分析年度: 2009〜2025 年度
入試回: A 試験相当
資料の範囲: 最大 17 年分
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。また転写データは 1 年に 1 冊しかなく回の区別が付かないため、本文は A 試験相当のものとして読んでください(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 3 題(2018 年度の、大問数を数えられた資料 1 冊のみ。最新の資料は 2018 年度)。前回の変化: 2017 → 2018 の間に 4 題 → 3 題。変化の履歴: 4 回: 2010・2011・2012・2018(間隔 1・1・6)
  • 理科: 4 題(2009 年度から、大問数を数えられた資料 7 冊すべて・数えられなかった年が 10 年。最新の資料は 2025 年度)。前回の変化: なし(2009〜2025 年度の、数えられた資料 7 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 社会: 1 題(2019 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて。最新の資料は 2020 年度(2021 年度・2023 年度・2024 年度・2025 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2021 年度 1 題・2023 年度 1 題・2024 年度 1 題・2025 年度 1 題))。前回の変化: 2018 → 2019 の間に 3 題 → 1 題。変化の履歴: 1 回: 2019。前回の変化のときの分野の並び: 地理-地図・地形・気候|公民-憲法・政治|歴史-近現代 → 歴史-古代〜中世
  • 算数: 5 題(2018 年度から、大問数を数えられた資料 5 冊すべて・数えられなかった年 2019。最新の資料は 2023 年度(2024 年度・2025 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2024 年度 5 題・2025 年度 5 題))。前回の変化: 2017 → 2018 の間に 7 題 → 5 題。変化の履歴: 2 回: 2011・2018(間隔 7)。前回の変化のときの分野の並び: 計算|場合の数・論理|数の性質・規則性|平面図形|割合・文章題|立体図形|数の性質・規則性 → 計算|数の性質・規則性|数の性質・規則性|平面図形|数の性質・規則性

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 神奈川県横浜市都筑区
男女 男子校
旧称 目黒サレジオ中学校(1960〜)、川崎サレジオ中学校(1975〜1989)
入試回と日程・科目 A 試験 2027 年 2 月 1 日午前 — 4 科(国語・算数・社会・理科)/B 試験 2027 年 2 月 4 日午前 — 4 科(同じ科目)
試験時間・配点 A 試験・B 試験とも 国語 50 分・100 点、算数 50 分・100 点、社会 40 分・75 点、理科 40 分・75 点。合計 350 点
合否判定・受験料 合否判定は試験合計点をもとに行います。A 試験合格で入学した場合、B 試験の受験料は返還されます

上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 4 科目とも、大問の並びに役割が割り当てられていて、その割り当てが何年も動きません。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。以下ではこの置き場所を出題位置(大問の番号と順番)と呼びます。
  2. 理科は 大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学。大問数は 17 年間ずっと 4 です。算数は 大問 1 計算・大問 2 小問集合・大問 3〜5 が 3 問ずつの大型問題、社会は 2019 年以降 大問 1 本・小問 32〜35 問です。
  3. ところが、その席に座る単元・題材は毎年入れ替わります。理科の物理は ふりこ → 浮力 → てこ と 3 年で替わりました。

家でやること 3 つ

  1. 理科を「大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学」の出題位置で、1 分野 10 分ずつ年度を変えて続けて解きます。
  2. 算数の大問 1(計算 2 問)と大問 2(小問集合 5〜8 問)を 20 分で抜ける練習をします。
  3. 社会を 40 分・33 問で通しで解き、迷った選択肢を飛ばして戻る手順を決めます。

今週やる 1 つ

  1. 算数の大問 3〜5 の (3)(「途中の考え方もかきなさい」の指定つき)を 1 問書いて、式だけでなく場合分けの基準まで書けているか見てもらいます。

注意

  1. 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。また転写データは 1 年に 1 冊しかなく回の区別が付かないため、本文は A 試験相当のものとして読んでください(→ 13 節)。

4. 資料の状況

この分析は転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)と、その一部について原本の設問文まで精読した結果でできています。年の数え方は 3 通りに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(転写の単元分類だけを数えた年)/資料のある年(転写が残っている年)です。

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科目 資料のある年度 資料のある年 精読した年 構成だけ数えた年 備考
算数 2009〜2025 16(2013 が無い) 3(2023・2024・2025) 13 図のある小問が 47%。図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含む。転写の読み取り確度が低めの年が 16 年中 5 年(2024・2025 を含む)
理科 2009〜2025 17 3(2023・2024・2025) 14 表・グラフが多い(図のある小問 52%)。転写の読み取り確度が低めの年が 17 年中 10 年(2024 を含む)
社会 2009〜2025 16(2022 が無い) 3(2023・2024・2025) 13 小問が年 32〜52 と多い。転写の読み取り確度が低めの年が 16 年中 8 年(2023・2024・2025 を含む)
国語 2009〜2018 10 3(2016・2017・2018) 7 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2009〜2018 年度に限った話
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 入試回について: この学校の入試は A 試験(2 月 1 日午前・定員 110 名)と B 試験(2 月 4 日午前・定員 50 名)の 2 回制です(2027 年度募集要項)。一方、転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、回の区別が付きません。以下は A 試験相当のものとして読んでください。B 試験の問題は別に作られているので、本文の観察がそのまま当てはまるとは限りません。B 試験を受ける予定なら市販の過去問集で両方の回を見比べてください。
  • 「毎年」「〜年連続」は、原本で 3 年以上の反復を確認したものか、転写データの分類で年を数えられるものに限りました。精読していない年(算数・理科・社会の 2022 年以前、国語の 2015 年以前)については、転写データの単元分類を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
  • 満点・設問別の配点は問題冊子・解答用紙に印刷されていません(精読した 3 年で確認)。

5. 一番大きな結論

サレジオ学院は「置き場所は決まっているが、置く中身は毎年作り直す」学校です。

4 科目とも、大問の並びに役割が割り当てられていて、その割り当てが何年も動きません。ところが、その席に座る単元・題材は毎年入れ替わります。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る、ということです。

  • 理科の 4 大問は 大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学。転写データで大問 1 が物理分野なのが 2009〜2025 の 17 年、大問 4 が地学分野なのも 17 年、大問 3 が生物分野なのが 2015〜2025 の 11 年です。精読した 3 年(2023・2024・2025)もこの並びでした。大問数は 17 年間ずっと 4。ただし物理の中身は ふりこ → 浮力 → てこ と毎年替わります。
  • 算数の 5 大問は 大問 1 計算 2 問・大問 2 小問集合・大問 3〜5 が 3 問ずつの大型問題。大問 1 が四則計算なのは転写データで 2014〜2025 の 12 年です。導入文「次の□にあてはまる数を答えなさい」は精読した 3 年とも同じでした。大問 3・4・5 の (3) には「途中の考え方(過程)もかきなさい」がつきます(2023・2025 は 3 問とも)。
  • 社会は大問 1 本・小問 32〜35 問。長い文章に下線部が 20〜25 か所つき、そこから地理・歴史・公民・時事が飛び出します。転写データでは 2019 年以降の 6 年分がこの構成です(2018 年以前は 3 大問でした)。
  • 国語は 大問 1 漢字の書き取り・大問 2 漢字の読み・大問 3 説明的な文章・大問 4 文学的な文章。大問 1 が漢字の書き取りなのは転写データで 2009〜2018 の 10 年連続です。ただし 2019 年度以降の資料が無いので、この並びが今も続いているかは市販の過去問集で確認してください。
  • 精読した 3 年で同じ問題の再登場は見つかりませんでした。使い回されているのは問題ではなく作り方で、たとえば算数の約束記号(2023 大問 3・2025 大問 3)はどちらも「定義の確認 → 小さい場合の計算 → 一般化」の 3 段構えで、(3) に途中式が要求されるところまで同じ形をしています。

したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、次の二つに近いものになります。①席ごとの競技に慣れる(理科なら 4 分野を 10 分ずつ、算数なら計算 → 小問集合 → 大型 3 題)、②時間の使い方を身につける(社会 40 分で 33 問、理科 40 分で 24 問、国語 50 分で 2 本+漢字 15 問)。


6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)

  • 理科の会話文に同じ人物が出てきます。「サビオさん」が 2023 大問 4(先生と中学 1 年生の会話・線状降水帯と東尋坊)、2024 大問 4(横浜のいとこと地震の会話)、2025 大問 4(三学期始業式後の先生との会話)と 3 年連続で登場します。2024 には「ボスコさん」も大問 2(製鉄の実験)と大問 4 に出ます。学校の名前に由来する人物名が会話文の主人公になるという色が、地学の大問に定着しているように見えます。
  • 算数に学校そのものが題材として出ます。2024 大問 2(2) は「サレジオ学院の校章」を題材にした角度の問題で、星型の十角形 ABCDEFGHIJ に竹をイメージした太線 KL・MN を重ねた図から角度を求めさせます。
  • 理科は「身の回りの出来事から入って計算に降りる」作りです。冷凍庫に入れたスポーツドリンクが凍る話から溶解度と凝固点(2023 大問 2)、アルキメデスの逸話から浮力(2024 大問 1)、生物部の川の水質調査(2024 大問 3)、ムラサキツユクサの気孔を 600 倍で観察(2025 大問 3)、伊能忠敬の月食の記録から地球の半径(2025 大問 4)。導入文が長いぶん、知識より読解と計算で決まる作りになっています。
  • 社会は「1 本の物語を最後まで読ませる」作りです。2023 は昔話・神話(桃太郎の像・かちかち山・古事記のいなばのしろうさぎ・万葉集の千曲川)、2024 は AI と情報の伝わり方(のろし・戦国のニセ情報・かわら版と鯰絵・マスメディア・避難所の掲示板)、2025 は人口(人口ピラミッド・外国人住民・大学進学率・移民)。一つの主題を古代から現在まで貫いて、その道すがら地理と公民を拾う構成が 3 年とも共通しています。
  • 社会は「地図で読ませる」問い方です。地理院地図の正誤判定が 3 年連続(松本城・奈良の地点・出島)、雨温図の組合せも 3 年連続(倶利伽羅峠と屋島と壇ノ浦・標準時子午線の 3 市・三内丸山と大森貝塚と吉野ヶ里)。地図記号を自分で描く設問も 2 年続きました。歴史上の場所を地理の道具で読み直させる問い方が、この学校の社会でいちばん目立つ色です。
  • 社会は「防災」に繰り返し戻ります。自然災害伝承碑の地図記号(2023)、線状降水帯とハザードマップ(理科 2023)、珠洲市と安政の大地震・避難所の掲示板(2024)、緊急地震速報(理科 2024)。理科と社会をまたいで災害の話題が続いているように見えます。
  • 国語の説明的な文章は「学問の入口」です(2009〜2018)。人類学(2018 松村圭一郎)、植物学(2017 稲垣栄洋)、地震学(2016 島村英紀)、霊長類学(2015 山極寿一)、言語学(2012 田中ゆかり)。文学的な文章は小学生〜中学生が主人公で、家族・友人・学校をめぐる話が多くなっています(2018 朝井リョウ『世界地図の下書き』、2017 浜口倫太郎『廃校先生』、2012 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』)。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。過去問を使った時間計測は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。

根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。

  1. [週末 60 分] 理科を「大問 1 物理・大問 2 化学・大問 3 生物・大問 4 地学」の出題位置ごとに年度を変えて続けて解きます(想定: 小 6 夏以降)— 17 年間この並びが動いていません。1 分野 10 分で解く練習をすると、自分の弱い分野がそのまま時間の超過として出ます。2023 ふりこ・2024 浮力・2025 てこ の 3 年は物理だけ年度を変えて続けて解けます。物理は「支点や条件を途中で変えて再計算する」形(2025 大問 1)に慣れておきます。化学は溶解度のグラフ・気体の発生と集め方・重さの比例関係(製鉄・燃焼)で、グラフを自分で描く練習も入れます(2024 大問 2(4))。地学は天体の計算(月食・南中高度・地球の大きさ)と地震の計算(初期微動継続時間)で、3 年とも会話文から入るので会話の中の数値を拾う読み方に慣れます。(確認: 〜2025 年度)
  2. [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算 2 問)と大問 2(小問集合 5〜8 問)を 20 分で抜けます(小 6)— 大問 1 は 3 年とも「分数・小数の四則計算」+「□を求める逆算(□にあてはまる数を求める計算)」の 2 問。大問 2 は流水算・食塩水・仕事算・平均算・角度・立体の水量・速さが繰り返し現れます。ここで時間を落とすと大問 3〜5 の記述に手が回りません。(確認: 〜2025 年度)
  3. [週 1 回] 算数の「途中の考え方もかきなさい」を書く練習をします(小 6)— 2023 は大問 3(3)・4(3)・5(3)、2025 も大問 3(3)・4(3)・5(3) の 3 問がこの指定つきでした。式を並べるだけでなく、場合分けの基準と、なぜそれで尽くせるかを 2〜3 行で書きます。あわせて「すべて答えなさい」に備え、答えの候補を表にして潰す書き方を身につけます(2024 大問 3(3)・2025 大問 3(2))。(確認: 〜2025 年度)
  4. [週末 60 分] 社会を 40 分・33 問で通しで解きます(小 6 秋以降)— 1 問 70 秒です。長文と資料の量が 4 科目で最も多くなります(設問文の中央値 7375 字)。迷った選択肢に印をつけて飛ばし、最後に戻る手順を決めておきます。あわせて「適当でないものを一つ」に強くなるため、選択肢 4 つを 1 つずつ正誤判定して消す書き込み方を固定します。通史を一巡し、下線部から飛んでくるどの時代にも 1 問で答えられる状態にします(江戸時代・近代の戦争・戦後は 3 年とも複数問)。憲法の条文の空欄(第 13 条・第 26 条・第 27 条など有名条文)を語句で埋められるようにします。記述は「資料を読んで理由といきさつを書く」形に絞って練習します。年 2〜3 問しかありませんが、字数指定がないぶん何をどこまで書くかの判断が要ります。(確認: 〜2025 年度)
  5. [週末 60 分] 社会の地理院地図(地形図)の読み取りと、雨温図と地点の組合せを、それぞれ 3 年分(小 6)— 地形図は 2023 松本城周辺、2024 奈良県内の地点、2025 出島周辺と 3 年連続で出ました。「述べた文の正誤」を判定する形で、等高線・地図記号・土地利用・新旧の比較が問われます。雨温図は 2023 倶利伽羅峠・屋島・壇ノ浦、2024 標準時子午線周辺の 3 市、2025 三内丸山・大森貝塚・吉野ヶ里。歴史の地名を地理の道具で読ませる形なので、地図帳で位置を確認する癖をつけ、日本海側・太平洋側・瀬戸内・内陸・南西諸島の 5 パターンを覚えます。(確認: 〜2025 年度)
  6. [週 1 回] 理科の 20 字記述を書きます(小 6)— 2023「20 字程度」2 問、2024「20 字以内」2 問。書き出しを指定される形もあります(2023 大問 4「『にごりの原因となる小さな粒は、』という書き出しに続けて」)。短く言い切る練習を分野を問わず週に数問。(確認: 〜2024 年度)
  7. [週末 60 分] 算数の約束記号(自分で定義された記号を読んで使う)に慣れます(小 6)— 2023 大問 3 の記号 ∧、2025 大問 3 の [N](2 番目に大きい約数)。「定義を例で確かめる → 小さい場合を書き出す → 規則を言葉にする」の 3 手順を固定します。(確認: 〜2025 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語は漢字を書き取り 10・読み 5 の形で毎日、記述は「観点・個数の指定つき」で書きます(小 5〜小 6。資料は 2018 年度まで)— 漢字は四字熟語と訓読みが混じり(前後策・縦横無尽・預かる・省く・覆す)、10 年間この構成でした。記述は 2017 大問 3 が「三つの点に注目してそれぞれ説明」、2017 大問 4 が「根拠を二つ、三十字以上四十字以内でそれぞれ」。骨子を箇条書きしてから字数に詰める手順を身につけ、30 字・40 字・60 字の 3 サイズを書き分けられるようにします。記号選択は、選択肢の「言い過ぎ」「本文に無い因果」を消す手順で固定します(この学校の選択肢は本文の言い換えが丁寧で、細部の 1 語で切れることが多いためです)。説明的な文章は新書系(生物・地学・人類学・言語)に慣れ、本文中で説明される学問の用語(ニッチ・ハザードマップ・互酬性)の定義を追う読み方を練習します。直近の形式は市販の過去問集で確認し、食い違う点があればそちらを優先してください。(確認: 〜2018 年度)

8. 科目別の詳細

8-0. 科目横断の要点

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科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 高い。大問 5・小問 16〜19・50 分(2018 年以降は大問 5 で安定) 大問 1 計算・大問 2 小問集合・大問 3〜5 が (1)(2) 誘導+(3) 本体。規則性/約束記号・数の性質・図形が常連 (3) に「途中の考え方」を書く練習と、大問 1・2 を 20 分で抜ける計算力
理科 非常に高い。4 大問(17 年間不変)・小問 23〜26・40 分。分野の並びも 17 年固定 長い導入文と会話文+表から計算させる。分野ごとの単元は毎年替わる。記述は 20 字前後で 1〜2 問 4 分野それぞれの計算単元(ふりこ・浮力・てこ/溶解度・気体・重さの比例/蒸散・水質/地震・天体)と、長い文を速く読む力
社会 高い(2019 年以降)。大問 1 本・小問 32〜35・40 分 長文に下線部 20〜25 か所。通史が背骨で、地理と公民が差し込まれる。記号選択が主軸で 48〜71% 40 分で 33 問の処理速度と、地理院地図・雨温図・統計表の読み取り
国語 高い(2009〜2018 の 10 年)。漢字 2 大問+説明的文章+文学的文章・50 分 説明的文章は新書系(生物・地学・人類学)。記号選択が主軸で、記述は 30〜60 字が 4〜5 問 漢字 15 問を 5 分で終える速さと、字数を指定された記述(観点や個数の指定つき)の練習

科目ごとに競技が違います。算数は「誘導に乗って書く」、理科は「読んで計算する」、社会は「大量の資料を速く判定する」、国語は「指定された観点で字数どおりに書く」です。

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 16〜19・作図あり)

年度×大問の題材表(2023〜2025・原本の設問文で確認)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2025(5 題・16 問) 計算 2 問(四則計算/逆算の穴埋め) 小問集合 5 問(連続 51 個の整数の奇数和と偶数和の差=規則性
大小 2 円の重なりの斜線部の面積=円とおうぎ形
天びんと 1g・2g・6g のおもりで量れる重さ=数の性質
毎秒 14m と 6m の 2 人が 84m を進む=速さ
68°と 32°の三角形を重ねた角度)
約束記号(「N の 2 番目に大きい約数を [N] と表す」。[72]・[[54]]/[[C]]=3 になる C をすべて/[[[[D]]]]=15 になる D の個数・途中の考え方も書く)3 問 鉄道の延伸工事(3 つの候補地 A・B・C の工事費 S と延伸で得られる利益の比較。利益の合計が S に並ぶ年数/2 市の差/50 年後にどこへ開業するのが最もふさわしいか・途中の考え方も書く)3 問 立体(1 辺 5cm の中のつまった立体に 1cm 方眼の紙をはり、プラス型と正方形の穴を垂直にくり抜いた残りの体積。1 面→2 面→2 種類の穴・途中の考え方も書く)3 問
2024(5 題・19 問) 計算 2 問(四則計算/逆算の穴埋め) 小問集合 8 問(流水算=川の速さが 2 倍の日
サレジオ学院の校章の星型十角形と太線 KL・MN の角度
0・1・3 だけで作る数を小さい順に並べる=規則性 2 問
段差のある容器に水を入れる=立体の体積 2 問
体育祭の 3 チームの得点=平均算・数の性質 2 問)
正六角形と台形の敷き詰め(正六角形 6 枚で 1 周/台形 ABCD は何枚で 1 周するか/台形 EBCF で 1 周する枚数をすべて)3 問 5 で割った余りによる分類(積がどのグループに入るか・記号選択/積が「余りが 1」になる組をすべて選ぶ・記号選択/3 つの袋から 1 個ずつ取る場合の数)3 問 正三角形の各辺を 7 等分した点線上を動く 2 点 X・Y(Y の移動距離/三角形 XIY の面積比/三角形 AXY が正三角形になる回数と時刻)3 問
2023(5 題・16 問) 計算 2 問(四則計算/逆算の穴埋め) 小問集合 5 問(直方体の展開図を完成させる作図
48 人のクラスで 4 人・3 人の代表を選ぶ最少票数=推理・論理
3% と 4% の食塩水を同量ずつ交換=濃度
リニア中央新幹線 286km を 40 分=速さ
問題集を 1 日 9 問ずつ=仕事算)
約束記号(新しい記号 ∧ を定義。a∧b=b∧a になる条件/1∧3+2∧3+3∧3+4∧3/1∧3 から 100∧3 までの和・途中の過程も書く)3 問 会話文+平面図形(うみさんとそらさんが半径の等しい円と正方形について話す。会話の空欄に辺・記号を入れる(選択肢から 1 つ・すべて)/AH の長さ/正方形 ABCD の面積・途中の過程も書く)3 問 円周上を回る 3 点 A・B・C(グラフから正三角形になる時刻を読む/B・C が 1 周する秒数/12 秒までに三角形 ABC が二等辺三角形になる回数・途中の過程も書く・解答らんの図を使ってよい)3 問

精読した 3 年に共通するのは、大問の並びが役割ごとに固定されていることです。

  • 大問 1 は計算 2 問。導入文は「次の□にあてはまる数を答えなさい」で 3 年とも同じでした。中身は (1) 分数・小数の混じった四則計算、(2) □を求める逆算で、3 年とも同じ組み合わせです。転写データの分類でも大問 1 が四則計算なのは 2014〜2025 の 12 年に及びます(うち読み取り確度が低めの年を含みます)。
  • 大問 2 は小問集合。2023 年 5 問・2024 年 8 問・2025 年 5 問で、速さ・図形・数の性質・割合の文章題が並びます。ここだけで単元の幅が広く、1 年分で 5〜8 単元をさらいます。
  • 大問 3・4・5 は 3 問ずつの大型問題で、いずれも (1)(2) が誘導、(3) が本体です。2023 と 2025 は大問 3・4・5 の (3) が 3 問とも「途中の考え方(過程)もかきなさい」の指定つきでした。2024 の転写には同じ指定が大問 5(3) にだけ残っています(2024 は転写の読み取り確度が低めの年)。

同じ問題の再登場は精読した 3 年では見つかりませんでした。ただし問題の作り方は繰り返されています。約束記号(自分で定義された新しい記号やかっこの意味を読んで使う)が 2023 大問 3・2025 大問 3 と 2 年に出て、どちらも「定義の確認 →(2)小さい場合の計算 →(3)一般化して個数や和を求める」の 3 段構えで、しかも (3) に途中式が要求されるところまで同じ形をしています。

頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 16 年で大問の主要単元として数えたもの)

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単元グループ 大問で出た年 傾向
四則計算・逆算 2010〜2025 のほぼ全年(大問 1) 大問 1 の出題位置。2 問固定
規則性・数列・約束記号 2015・2017(2 題)・2018(2 題)・2019(2 題)・2020・2023・2024・2025 16 年で最も多い群。近年は約束記号・数の並べ方の形
数の性質 2012・2015・2016・2019・2021(2 題)・2024・2025 余りによる分類・約数・整数の作り方
平面図形(角度・面積・面積比) 2010・2012(2 題)・2014・2015・2016・2017・2021・2023・2024 角度は敷き詰め・重ねた三角形の形で出る
立体図形(体積・表面積・切断) 2009・2010・2011・2012・2014・2015・2016・2023(大問 2 の小問)・2024(大問 2 の小問)・2025 2025 は穴をくり抜く体積。切断は 2009・2014・2016・2023
速さ・速さとグラフ 2010・2011・2014・2015・2017(回転)・2022・2023・2024 円周上・図形上を動く点の形が近年
割合・売買・食塩水・仕事算・平均 2009・2011・2011・2014・2015・2017・2022・2023・2024・2025 大問 2 の小問集合に降りていることが多い
場合の数・推理・論理 2009・2011・2012・2014・2016・2017・2022・2024 2024 大問 4(3) は袋から球を取る場合の数
資料の読み取り 2019・2020・2021 2022 以降は大問として無し
縮尺 2022 1 回のみ

問い方の型

  • 大問 3〜5 は「長い設定文(会話文・実験・計画)+図か表+(1)〜(3)」です。(1) は定義や例の確認で、そこから (3) の難所へ段階的に上がる作りになっています。(3) に「途中の考え方もかきなさい」がつくので、答えだけ書いても点になりません。
  • 「すべて答えなさい」が複数年に出ます(2024 大問 3(3)「考えられる枚数をすべて」、2025 大問 3(2)「C にあてはまる数をすべて」、2024 大問 4(2)「適するものをすべて選び」)。数え漏らしを潰す習慣が要ります。
  • 記号選択はほとんど無い年が続きます(2023 は選択 0%、2025 も 0%、2024 は 19 問中 2 問)。答えは数値の短答(語句や数値を短く答える形式)か、考え方を書く記述です。
  • 会話文の空欄を埋める形(2023 大問 4(1))は、選択肢から 1 つ選ぶ欄と「すべて選ぶ」欄が混じります。
  • 図のある小問が 47%(16 年平均)。図を自分で描き直しながら考える場面が多くなります。

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。

8-2. 理科(40 分・75 点・大問 4・小問 23〜26・作図あり)

年度×大問の題材表(2023〜2025・原本の設問文で確認)

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年度 大問 1(物理) 大問 2(化学) 大問 3(生物) 大問 4(地学)
2025(4 題・23 問) てこ・つり合い(1 辺 10cm・重さ 50g の容器 A〜K を並べた直方体容器を三角柱の支点にのせ、水や氷を入れて水平を保つ。支点の位置を変える/液体 Y の 1cm³ あたりの重さ)6 問 気体(過酸化水素水と二酸化マンガンの実験。気体の性質の誤りをすべて選ぶ/水上置換の装置を自分で描く/生のジャガイモを使ったときの説明/条件を変えたときの反応時間と体積のグラフ/リトマス紙での確認方法を説明)5 問 植物のはたらき(ムラサキツユクサの気孔を 600 倍で観察・接眼と対物レンズの倍率の組合せ/蒸散量の計算(あ)〜(う)/袋 A・C の酸素と二酸化炭素の割合/光合成と呼吸の表の読み取り)5 問 会話文(先生とサビオさんの三学期始業式)→ チバニアン・移動性高気圧・北極星/日食と月食をすべて選ぶ/伊能忠敬の文化 12 年の月食記録から経度差/子午線の長さと地球の半径を計算)7 問
2024(4 題・24 問) 浮力・密度(アルキメデスの逸話→直方体を水とアルコールに入れる/ばねばかりの示す値/沈めた距離とばねばかりの値のグラフを描く)5 問 製鉄(ボスコさんが鉄鉱石から鉄を取り出す実験。金属と水溶液の反応/活性炭の重さと発生した二酸化炭素の重さのグラフを描く/帯の長さで重さを表す図の対応)5 問 生態系(生物部の川の水質調査 a〜d 地点。集計表を解答用紙に書き込む/よごれの原因を選び理由を説明/調査地点の決め方/不完全変態の昆虫を 3 つ/ウキクサの増加割合と条件 A〜F)6 問 地震(横浜のボスコさんと海外に住むいとこのサビオさんの会話。初期微動継続時間の計算/緊急地震速報の弱点を 20 字以内/海のそばでの避難先/地熱発電の利点を 20 字以内)8 問
2023(4 題・26 問) ふりこ(インクの容器をつけたおもりを、動くグラフ用紙の上でふらせて軌跡を描く。動いた幅/1 往復の秒数/ひもの長さ・おもりの重さ・紙の速さを変えたときのグラフを選ぶ)5 問 スポーツドリンクを凍らせる(凍ると体積 1.1 倍/ペットボトルについた液体/溶解度のグラフと濃さの変化/氷点下何度で凍り始めるか/できた氷は浮くか沈むか)5 問 A ヒトの誕生(へその緒・羊水・出産)+ B 遺伝(メンデル・「しわ」の種子ができる理由を 20 字程度/アンケート結果の前提条件/身長の遺伝がエンドウと違う理由)9 問 中学 1 年のサビオさんと先生の会話(線状降水帯・ハザードマップ/東尋坊のデイサイトと火成岩/流速と石英の粒が動き始める順・止まる順/大雨の後のにごりが続く理由を「にごりの原因となる小さな粒は、」に続けて 20 字程度)7 問

この学校の理科でいちばん強い規則は、4 つの大問の並び順です。大問 1 が物理、大問 2 が化学、大問 3 が生物、大問 4 が地学。転写データでは大問 1 が物理分野なのが 2009〜2025 の 17 年、大問 4 が地学分野なのも同じく 17 年、大問 3 が生物分野なのが 2015〜2025 の 11 年です(読み取り確度が低めの年を含みます)。精読した 3 年(2023・2024・2025)はいずれもこの並びでした。大問数は 17 年間ずっと 4 で、小問は 23〜26 問です。

分野の中の単元は年ごとに入れ替わります。物理は ふりこ(2023)→ 浮力(2024)→ てこ(2025)、化学は 溶解度(2023)→ 質量保存(2024)→ 気体(2025)、地学は 流水・地層(2023)→ 地震(2024)→ 月・天体(2025)と回っています。つまり「同じ場所に同じ分野が来るが、同じ単元が来るわけではない」ということです。

頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 17 年)

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位置 分野 17 年で出た単元 傾向
大問 1 物理 てこ・つり合い(2009・2010・2017※ばね・2025)/ばね(2011・2017)/電気回路(2012・2022)/ふりこ(2013・2016・2019・2023)/電磁石(2014)/浮力・密度(2015・2018・2021・2024)/音(2020) ふりこ・浮力・てこ・ばね・電気の 5 種が回る。2 〜4 年周期
大問 2 化学 中和(2009 燃焼・2011・2012・2017・2021 濃度)/気体の性質(2015・2016・2018 溶解度・2019 燃焼・2025)/水溶液(2014)/質量保存(2020・2024)/溶解度・再結晶(2018・2023)/熱と状態(2022) 水溶液・気体・溶解度・燃焼の 4 系統
大問 3 生物 植物のつくりとはたらき(2010・2012・2016・2022・2025)/こん虫・動物の分類(2009・2019・2021)/人体(2011 実験器具・2013 生態系・2017・2023)/動物の誕生(2015)/花のつくり(2018)/生態系(2013・2024) 植物が 5 回で最多。人体・生態系・こん虫が交互
大問 4 地学 地層・岩石(2009・2014)/流水のはたらき(2010・2023)/太陽(2011・2019)/星・星座(2012・2022)/惑星・太陽系(2013・2021)/月(2015・2025)/気象(2016・2018)/地震・火山(2017・2020・2024) 天体(太陽・星・月・惑星)が 8 回、地質(地層・流水)が 4 回、気象・地震が 5 回

問い方の型

  • どの大問も長い導入文(実験の手順・会話文・身近な出来事)+図表 2〜4 枚から始まり、その中に解くための数値が全部置いてあります。図のある小問は 52%(17 年平均)です。
  • 会話文に登場する名前が固定されています。「サビオさん」が 2023 大問 4・2024 大問 4・2025 大問 4 の 3 年連続で、「ボスコさん」が 2024 の大問 2 と大問 4 に出ます。学校の名前に由来する人物名で、会話文形式が地学の大問に定着しています。
  • 記号選択が 30〜62%、数値・語句の短答が 31〜61%。「すべて選び」(2024 大問 3(4) は 3 つ、2025 大問 2(1)・大問 4(4)(a))と「誤りを含むもの」の形が混じります。
  • 記述は 1 年 1〜2 問で、いずれも短いものです。字数指定つきの年が続きます(2023「20 字程度」2 問、2024「20 字以内」2 問)。2025 は「説明しなさい」で字数指定なしでした。書き出しを指定する形もあります(2023 大問 4「『にごりの原因となる小さな粒は、』という書き出しに続けて」)。
  • 計算がどの分野にも入ります。てこのつり合いから容器の水の高さ(2025)、初期微動継続時間から距離(2024)、蒸散量(2025)、月食の記録から子午線の長さと地球の半径(2025)、浮力とばねばかり(2024)。
  • 作図(グラフを描く・装置を描く)が 2024 に 2 問、2025 に 1 問。2023 は無しでした。

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。

8-3. 社会(40 分・75 点・大問 1・小問 32〜35)

年度×大問の題材表(2023〜2025・原本の設問文で確認)

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年度 構成 通しテーマ(導入文) 中身の流れ
2025(1 題・33 問) 長い文章 1 本+下線部 ①〜㉔ 人口(2023 年 9 月の日本の人口 1 億 2435 万人、前年同月比 62 万人減。2050 年ごろの推計) 人口ピラミッド 3 時期の並べ替え
人口下位 4 県の同定
横浜市・浜松市・宜野湾市の外国人住民の国籍別内訳
内陸県
縄文・弥生の住居と 3 遺跡の雨温図
日本列島と朝鮮半島の位置
仏教受容の争いを史料から
東北各県の農業統計
坂上田村麻呂
衣類の産地表示から貿易
倭寇と鉄砲
江戸の特産品・外交の並べ替え
シーボルトと塾
出島周辺の地理院地図の正誤
条約改正
裁判員
原爆と国際社会
内閣発足までの流れ
高度経済成長と新千円札
1 円硬貨の流通・製造グラフの変化を 10 字程度で 2 つ
大学進学率の都道府県差
子どもの権利
中東情勢
移民・難民の流入によるよい効果を具体例つきで説明
2024(1 題・35 問) 長い文章 1 本+下線部 ①〜㉕ AI と情報の伝わり方(「10 年後には人間の仕事の半分は AI に奪われる」) 憲法第 26・27 条の空欄
労働者の権利
占い・神託
珠洲市狼煙町と地図記号
のろしと古代の官道(大路・中路・小路)
大宰府
室町の自治
江戸の地場産業
戦国のニセ情報
長崎の輸出入品
高札に由来する地図記号を描く
安政の大地震のかわら版と鯰絵
カルトグラム
マスメディアと国の発表
気象衛星と冷害(やませ)を説明
日本標準時子午線と「時のまち」・雨温図
バブル期の家電
近代の戦争の正誤の組合せ
国連安保理の拒否権
行政機関のできごとの並べ替え
民主主義と人権
刑罰と憲法の条文
100 年前の絵巻物(関東大震災)の殺害の理由といきさつを説明
トレーサビリティ
避難所の掲示板の不十分な点を二通り
2023(1 題・32 問) 長い文章 1 本+下線部 ①〜㉒ 物語(昔話・神話は「ただの作り話ではない」) 桃太郎の像がある県庁所在市
『かちかち山』と森林面積の割合
自然災害伝承碑の地図記号を描く
古墳時代
『古事記』と本居宣長・淡路島・隠岐
万葉集の「信濃なる千曲川」と下流の県名
平安・鎌倉・室町の文化
倶利伽羅峠・屋島・壇ノ浦の雨温図
松本城周辺の地理院地図
ぶどう・りんご・日本なしの収穫量上位
江戸の通貨制度
浮世絵 3 枚の位置と説明
高野長英
ジェンダー
憲法第 13 条
大日本帝国憲法
国際連盟・国際連合
選挙制度
1900 年時点の日本の領域
漫画『冒険ダン吉』の「違う考え方」を説明
核兵器
教科書の記述の読み比べ

社会は 3 年とも「大問 1 本・小問 32〜35 問」です。長い文章に下線部が 20〜25 か所つき、そこから地理・歴史・公民・時事が順不同で飛び出します。転写データでは 2019 年以降(2019・2020・2021・2023・2024・2025 の 6 年分)がこの 1 大問の構成で、2018 年以前は 3 大問構成でした(2009〜2018)。2019 年ごろに構成が変わり、それ以降は 1 本の長文に統合されています。

したがって「大問 1 は地理、大問 2 は歴史」といった出題位置の分け方はできません。代わりに、文章の流れがだいたい時代順(または話題の展開順)に進み、途中に地理と公民が差し込まれるという順序があります。2025 は縄文 → 飛鳥 → 平安 → 戦国 → 江戸 → 明治 → 戦後 → 現代、2024 は古代の官道 → 室町 → 江戸 → 幕末 → 近代 → 戦後 → 現在、2023 は古墳 → 奈良 → 平安 → 鎌倉室町 → 安土桃山 → 江戸 → 近代 → 戦後、と 3 年とも通史が背骨になっています。

頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 16 年)

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分野 16 年での比重 よく出る中身
歴史・近現代 全体の 16% 近代の戦争、大正・昭和前期、戦後・現代。3 年とも下線部で 3〜5 か所
地理・産業 15% 農業・畜産の統計表、工業・産業構造、貿易・資源
地理・地図・地形・気候 13% 地理院地図の正誤判定(2023 松本城・2024 奈良・2025 出島)、雨温図の組合せ(2023・2024・2025)、地図記号
歴史・古代〜中世 11% 飛鳥・奈良・平安・鎌倉・室町・江戸。江戸時代は 3 年とも複数問
公民・憲法・政治 10% 憲法の条文の空欄(2023 第 13 条・2024 第 26・27 条)、三権分立、選挙制度
国際社会・国際協力 細粒度で最多(7%) 国連・安保理・核兵器・中東情勢。3 年連続で出た

3 年連続で確認できた形が 2 つあります。ひとつは地理院地図(地形図)を示して「述べた文の正誤」を判定させる問題(2023 松本城周辺、2024 奈良県内の地点、2025 出島周辺)。もうひとつは雨温図と地点の組合せ(2023 倶利伽羅峠・屋島・壇ノ浦、2024 標準時子午線周辺の 3 市、2025 三内丸山・大森貝塚・吉野ヶ里)です。どちらも「歴史の場所を地理の道具で読ませる」問い方になっています。

問い方の型

  • 記号選択が主軸で 48〜71%。うち「適当でないものを一つ」が非常に多くなります。正誤の組合せ(ア〜ク の 8 択)、年代の古い順の並べ替え、A〜C と ①〜④ の組合せも定番です。
  • 短答は 14〜42% で、「漢字で答えなさい」「漢字 4 字で」の文字種・字数指定つきです(2025 問 15「漢字 4 字」、問 8・問 9(2)「漢字で」)。
  • 記述は 1 年 2〜3 問。字数指定がない年が多く、解答欄の大きさが分量の指示になります(2023「説明しなさい」2 問、2024「説明しなさい」3 問)。2025 だけ「10 字程度で」(問 20(3))が入りました。
  • 記述の問い方は「理由といきさつ」(2024 問 23)、「どの部分が、どのような人たちにとって不十分か・二通り答えなさい」(2024 問 25(2))、「どのようなよい効果があるか・具体例をあげて」(2025 問 24)のように、資料を読んで自分で言葉にする形です。年号や語句の暗記では届きません。
  • 地図記号を解答用紙に描く設問が 2 年続きました(2023 自然災害伝承碑、2024 高札に由来する地図記号)。
  • 前年〜前々年の出来事が入口になります(2024 の生成 AI と情報の伝わり方、2025 の新紙幣と人口推計、2023 のジェンダーと参議院選挙)。転写では時事に関わる語が年 7 語前後、前年の年号が年 2 回前後現れます。

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3〜4・小問 17〜32)

国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2009〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。以下は 2016・2017・2018 年度の 3 年分を原本の設問文で精読したものです。

年度×大問の題材表(2016〜2018・原本で確認)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2018(17 問) 漢字の書き取り(カタカナ→漢字。シュウシ・サンザイ・ハチク・ゲンメイ・リョウヨク …) 漢字の読み(夕映え・素性・一目置かれる・縦横無尽・くつがえす)※転写では大問 1 とまとめられている 論説(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』。バレンタインのチョコと「対価」から、経済と非経済の線引きを論じる)7 問 小説(朝井リョウ『世界地図の下書き』。児童養護施設の太輔と佐緒里)8 問
2017(32 問) 漢字の書き取り 10 問(セイキュウ・コウチク・ボウエキ・ジュクレン・キザむ・ミツリョウ・コンザツ・ボウガイ・カンソ・リョウシュウ) 漢字の読み 5 問(養生・所望・早世・自重・節操) 論説(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』。ニッチ・雑草・西洋タンポポと日本タンポポ)9 問 小説(浜口倫太郎『廃校先生』。谷川小学校の六年生・十夢とよし太)8 問
2016(30 問) 漢字の書き取り 10 問(ジョマク・ハンコツ・センモン・ゼンゴサク・ヒヒョウ・ジュクレン・シュウコウ・ショウジュン・トロウ・アズかる) 漢字の読み 5 問(臨終・米俵・節操・湯治・省く) 論説(島村英紀『ハザードマップの罠』。東日本大震災以降のハザードマップの限界)8 問 小説(長島有里枝『背中の記憶』。「わたし」の家族とけんか)7 問

国語の並びは 2009〜2018 の 10 年間ずっと同じでした。大問 1 が漢字の書き取り(転写データで 2009〜2018 の 10 年連続)、大問 2 が漢字の読み、大問 3 が説明的な文章(論説・随筆)、大問 4 が文学的な文章(小説)です。精読した 3 年はいずれもこの並びで、漢字は書き取り 10 問・読み 5 問の 15 問でした(2018 の転写だけ大問 1 に 2 つの設問がまとめて記録されています)。

出典(2009〜2018 の資料に残っている分)

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年度 説明的な文章 文学的な文章
2018 松村圭一郎『うしろめたさの人類学』 朝井リョウ『世界地図の下書き』
2017 稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』 浜口倫太郎『廃校先生』
2016 島村英紀『ハザードマップの罠』 長島有里枝『背中の記憶』
2015 山極寿一『「サル化」する人間社会』 中島淳彦『ぐらぐら少年』
2014 佐藤雅彦『考えの整頓』 中村航『奇跡』
2013 角田光代「足裏文化考察」 —
2012 田中ゆかり『「方言コスプレ」の時代』 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』
2011 森まり子の文章/岡崎由紀子の文章 —
2010 鷲田清一の文章 西川美和『1983 年のほたる』
2009 米長邦雄『不運のすすめ』 風潮潮「小さな空」

説明的な文章は 人類学・生物学・地球科学・言語学など「学問の入口」を一般向けに書いた新書系が続きます(2015 山極寿一の霊長類学、2016 島村英紀の地震学、2017 稲垣栄洋の植物学、2018 松村圭一郎の人類学)。文学的な文章は小学生〜中学生が主人公で、家族・友人・学校をめぐる話が多くなっています。

問い方の型(2016〜2018)

  • 記号選択が主軸です(2016 年 37%、2017 年 34%、2018 年 59%)。設問文は「――線①『…』とありますが、どういうことですか/なぜですか。その説明として最も適切なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい」の形で、3 年ともほぼ同じ言い回しでした。
  • 記述は 1 年 4〜5 問。字数指定つきが基本で、30 字以内(2016 大問 3 問四・問七)、40 字以内(2016 大問 4 問三、2018 大問 2 問三)、50 字以内(2018 大問 2 問七)、50 字以上 60 字以内(2018 大問 3 問五)、60 字以内(2016 大問 4 問七)、30 字以上 40 字以内(2017 大問 4 問五)です。
  • 記述に「観点」や「個数」を指定する形があります。2017 大問 3 問四は「次の三つの点に注目して、それぞれ説明しなさい(1)種子の特徴(2)繁殖の仕方(3)開花の時期」、2017 大問 4 問五は「その根拠を二つ、三十字以上四十字以内でそれぞれ答えなさい。ただし、順序は問いません」。何を何個書くかが指定されます。
  • 空欄補充が説明的文章に入ります(接続語を選ぶ・本文から漢字 2 字で抜き出す・自分で考えて漢字 2 字)。
  • 論の進め方や表現の効果を問う設問が 3 年とも 1 問あります(2017 大問 3 問七「この文章の論の進め方を説明したもの」、2018 大問 2 問五「次の一文が挿入される最も適切な個所」、2018 大問 3 問八「表現の特徴とその効果を…二つ選び」)。
  • 漢字は書き取り 10・読み 5 の 15 問で、四字熟語(前後策・縦横無尽)や訓読み(預かる・省く・覆す)が混じります。同じ語が年をまたいで出ることがあります(「節操」が 2016 と 2017、「熟練」が 2016 と 2017)。

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

転写データの単元分類(算数・理科・社会は 2009〜2025、国語は 2009〜2018)で大問の主要単元として数えたものです。精読していない年の細部は保証できません。

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科目 単元 大問で出た年(転写の分類) 最終確認年度 状況
算数 資料の読み取り 2019・2020・2021 2021 3 年続いた後 2022 以降 4 年なし。戻る候補の筆頭
算数 立体の切断・展開図 2009・2014・2016(2023 は大問 2 の小問として作図) 2016(大問)/2023(小問) 大問としては 2016 が最後。2023 に展開図の作図が小問で復帰している
算数 集合・論理 2011・2016・2017(2023 は大問 2 の小問) 2017(大問)/2023(小問) 大問としては 2017 が最後
算数 縮尺 2022 2022 1 回のみ。地図と縮尺は社会でも出る
算数 速さとグラフ 2015・2023 2023 2023 大問 5(円周上の 3 点)が最後
算数 影・光 2016 2016 大問としては 2016 が最後
理科 電気回路・電磁石 2012・2014・2022 2022(電気回路)/2014(電磁石) 物理は ふりこ → 浮力 → てこ と回っており、電気が 2022 以来 3 年なし
理科 音 2020 2020 物理の 5 種のうち出番が最も少ない
理科 中和 2009・2011・2012・2017・2021(濃度) 2021 化学で最も出た系統だが 2021 以来 4 年なし
理科 燃焼 2009・2019 2019 6 年なし
理科 水溶液の性質 2014 2014 大問としては 2014 が最後
理科 こん虫・動物の分類 2009・2019・2021(2024 は大問 3 の小問) 2021(大問)/2024(小問) 大問としては 2021 が最後
理科 花のつくり 2018 2018 大問としては 2018 が最後
理科 動物の誕生 2015(2023 の大問 3A で人体として復帰) 2015(大問)/2023(大問 3A) 単独の大問としては 2015 が最後
理科 太陽(南中・日周運動) 2011・2019 2019 6 年なし。地学は 流水 → 地震 → 月 と回っている
理科 星・星座 2012・2022 2022 3 年なし
理科 気象 2016・2018(2023・2025 は小問) 2018(大問)/2025(小問) 大問としては 2018 が最後
社会 3 大問の構成 2009〜2018 2018 2019 以降 6 年分は 1 大問。戻る可能性は低いが、変わったら配分を組み直す必要がある
社会 財政・税を大問の柱に 2015 2015 10 年なし。公民は憲法・三権分立・選挙の小問が中心
社会 交通・通信を大問の柱に 2010 2010 15 年なし
社会 環境問題・防災を大問の柱に 2010(2023・2024 は防災の小問) 2010(大問)/2024(小問) 大問としては 15 年なし。小問では 3 年連続で出ている
社会 世界地理を正面から問う設問 — 2025(問 5 の日本列島と朝鮮半島の位置) 近年は時事とセットの小問として出る
国語 抜き出し 2010・2013(空欄補充) 2013 2016〜2018 は空欄補充 1 問程度。ただし 2019 年度以降の資料が無い
国語 大問 3 つの年 2011・2018 2018 漢字の書き取りと読みが 1 つにまとまる形

国語について、上の警戒は 2018 年度までの話として読んでください。2019 年度以降の形式は資料にありません(→ 13 節)。


10. 形式面の注意

  • 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 16〜19): 円周率は 3.14 です(2025 大問 2 の導入「ただし、円周率は 3.14 を用いなさい」)。大問 3・4・5 の (3) に「ただし、解答は途中の考え方もかきなさい」「解答らんには途中の過程もかきなさい」がつきます(2023・2025 は 3 問とも)。「すべて答えなさい」が複数年に出ます(2024 大問 3(3)「考えられる枚数をすべて」、2025 大問 3(2)「C にあてはまる数をすべて」)。作図の指示が出る年があります(2023 大問 2(1)「解答らんの図をもとにして、下の図のような直方体の展開図を完成させなさい。ただし、解答らんをはみださないようにしなさい」)。記号選択はほとんどありません(2023・2025 は 0 問、2024 は 19 問中 2 問)。桁指定・四捨五入の指示は精読した 3 年の算数には現れませんでした(理科には出ます)。1 大問あたり 10 分の配分で、大問 1(計算 2 問)と大問 2(小問集合 5〜8 問)を合わせて 20 分以内に抜けたいところです。記述(途中の考え方を書く欄)は 2023・2025 とも 16 問中 3 問で、いずれも大問の最後です。転写全体(16 年)でも記述の割合の中央値は 12% で、算数としては書く量が多い部類です。
  • 理科(40 分・75 点・4 大問・小問 23〜26): 記号選択 30〜62%、数値・語句の短答 31〜61%、記述 1〜2 問。記述に字数指定がつく年が続きます(2023「20 字程度」2 問、2024「20 字以内」2 問)。書き出しの指定つきもあります。桁・形式の指定があります(2024 大問 1 の導入「計算結果を答える際、割り算が必要な場合は、分数ではなく小数で答えなさい」)。転写では「割り切れない場合のみ小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」(2009〜2011)、「小数第 1 位を四捨五入して整数で」(2021・2022)と同型の但し書きが年をまたいで現れます。字数指定のある冊が 17 年中 24%。作図(グラフを描く・実験装置を描く)が 2024 に 2 問、2025 に 1 問。「すべて選び」「誤りを含むもの」が混じります。解答用紙にグラフや表を書き込ませる設問があります(2024 大問 2(4)・大問 1(5)、2024 大問 3(1) の集計表)。1 問 1 分半しかない一方で導入文が長く(設問文の総字数は 17 年の中央値で 3074 字)、読む速さそのものが得点に直結します。
  • 社会(40 分・75 点・大問 1・小問 32〜35): 記号選択が主軸(48〜71%)で、「適当でないものを一つ」が非常に多くなります。正誤の組合せ(8 択)、年代の古い順の並べ替え、A〜C と ①〜④ の組合せも定番です。短答には「漢字で」「漢字 4 字で」の文字種・字数指定がつきます。記述は年 2〜3 問で、字数指定がない年が多くなります(2025 だけ「10 字程度で」)。「二通り答えなさい」(2024 問 25(2))のような個数指定があり、「それぞれ答えなさい」も含め、片方だけ書くと落ちます。地図記号を解答用紙に描く設問が 2 年続きました(2023 自然災害伝承碑、2024 高札に由来する地図記号)。1 問あたり 70 秒しかありません。設問文の総字数は 16 年の中央値で 7375 字、導入文だけで 2576 字あり、読む量は 4 科目で最も多くなります。資料の点数も多く(統計表・雨温図・地理院地図・浮世絵・グラフ・記事・史料)、図表のある小問は 25% です。記述の解答欄の大きさは転写では読み切れないので、市販の過去問集で実寸を確認してください。
  • 国語(50 分・100 点・大問 3〜4・小問 17〜32。資料は 2018 年度まで): 漢字は書き取り 10 問・読み 5 問。記述は 30〜60 字で年 4〜5 問、「〜字以内」と「〜字以上〜字以内」の 2 種類の指定が使われます。観点や個数を指定する記述があります(2017「三つの点に注目してそれぞれ」「根拠を二つ」)。図・表は 10 年間で 1 問もありません。古文・韻文(詩・短歌)は精読した 3 年にはありませんでした。本文の総量は 2009〜2018 の中央値で 6874 字あり、説明的な文章と小説の 2 本を 50 分で読んで 30 問前後に答えます。漢字 15 問を 5 分以内で終える配分が要ります。

11. 学年別ロードマップ

小 5 の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形として、下の単元を割り付けてください。

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段 何をするか この学校での重み
小 4(土台) 計算の正確さ(分数・小数・かっこの多い逆算)、図形(立方体・正三角形・正六角形をスケッチする)、読解(線部の言い換えを口で言う)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本。この学校で最終的に効く入口は「分数と小数が混じった四則計算」「表を見て比例か反比例かを言う」「地図帳で地名の位置を確かめる癖」 差はほぼ無い。時間計測はまだしない。理科の「実験の説明を読んで数字を拾う」経験だけは早くから積んでおくと後が楽
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終える段。算数は 8-1 節の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使う(規則性・数の性質・平面図形の角度と面積・立体の体積・速さ・流水算・食塩水・仕事算・平均算・場合の数。流水算・食塩水・仕事算・平均算は受験用教材の単元)。理科は 4 分野の計算単元を一巡(ふりこ・ばね・浮力・てこ・電気/溶解度・気体・中和・燃焼・重さの比例/植物・人体・生態系・こん虫/地層・流水・気象・地震・天体)。社会は通史を一巡し、統計表・雨温図・地形図の読み方を身につける。国語は説明的文章(新書系)と小説を交互に読み、30〜40 字の記述を直してもらう回数を稼ぐ。ただし国語は 2019 年度以降の資料が無い(→ 13 節) ここが本体。席は決まっているが中身は毎年替わるので、分野の幅がそのまま得点になる。とくに理科は 4 分野すべてから必ず出るので、苦手分野を残すと毎年そこで確実に失点する
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降に過去問を「同じ大問を、年度を変えて解く」(理科の大問 1 だけ 3 年分、算数の大問 3〜5 だけ 3 年分)と「1 年分を、時間を計って解く」(社会 40 分・理科 40 分)の両方で使う。算数は (3) の記述だけを年度を変えて続けて解いて添削してもらう。国語の過去問は 2018 年度までしか資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で補う(→ 13 節) 出題位置が固定なので「年度を変えて続けて解く」使い方がよく効く数少ない学校。ただし同じ問題は出ないため、年度を変えて続けて解くのはその席の競技に慣れるためであって、答えを覚えるためではない

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか、を一言でいうと、小 5 の理科 4 分野の一巡と、小 6 で「途中の考え方を書く/20 字で理由を言い切る」を何度も直してもらえるかどうかです。理科は 17 年間 4 分野が必ず 1 大問ずつ出ているので、1 分野の穴が毎年そのまま 6 問前後の失点になります。算数と社会の記述は正解を見ても「自分の書き方のどこが足りないか」が一人では分かりにくく、添削の回数が差になります。暗記の量で差がつく場所(社会の一問一答)は、記号選択が主軸のぶん他校より少なめですが、そのぶん「資料を読んで判定する」速さが要ります。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が重なるか」だけです。難易度・偏差値帯・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、同じ問題が出るという意味ではありません。

  • 東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県・共学)— 国語が最も近く、社会も近い水準です。算数・理科は比較できませんでした。
  • 高輪中学校(東京都・男子校)— 4 科目とも近く、とくに理科と社会です。算数は中程度です。2027 年度は 02/01・02/04 の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
  • 逗子開成中学校(神奈川県・男子校)— 国語・理科・社会が近く、算数も中程度です。4 科目で回せます。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

読み方: 理科と社会はどの候補とも近い(理科 81〜92、社会 77〜88)ので、理科の「4 分野を通しで解く」練習と社会の「40 分で大量の資料を処理する」練習はそのまま重なります。一方で算数は 45〜79 とばらつきが大きくなります。この学校の算数は「大問 3〜5 の (3) に途中の考え方を書く」形なので、算数の記述練習を代用できるのは 70 以上の逗子開成・横浜翠陵くらいで、獨協(47)・山手学院(45)では代わりになりません。国語は 2019 年度以降の資料が無いため、上の国語の数字は 2009〜2018 年度の出題構造をもとにしたものとして読んでください。


13. 資料の限界

  • 入試回: この学校は A 試験(2 月 1 日)と B 試験(2 月 4 日)の 2 回制ですが、転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回かの区別が付きません。本文は A 試験相当のものとして書きました。B 試験の出題がこのとおりとは限らないので、市販の過去問集で両方の回を見比べてください。
  • 国語: 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 節と 9 節の国語の記述、および 12 節の国語の数字は、すべて 2009〜2018 年度に限った話です。直近 3 年の国語の形式・出典・記述の字数は市販の過去問集で確認してください。
  • 年の抜け: 算数は 2013 年度、社会は 2022 年度の転写がありません。それぞれ 16 年分での観察になります。
  • 読み取りの確度: 転写は問題冊子の画像から文字を起こしたもので、図そのものは文章による説明として残っています。図形問題・地形図・グラフの細部は、原本の図を見ないと分からない部分があります。読み取り確度が低めと記録された年(算数 5 年・理科 10 年・社会 8 年)は、小問の数え方や単元の分類にずれがある可能性があります。とくに 2024 年度の算数で「途中の考え方をかきなさい」の指定が大問 5(3) にしか残っていないのは、転写の読み落としの可能性があります。
  • 精読した範囲: 算数・理科・社会は 2023・2024・2025 の 3 年、国語は 2016・2017・2018 の 3 年です。それ以外の年については、転写データの単元分類(大問ごとの主要単元)を数えたものだけを書きました。「〜年連続」「17 年」といった数字はこの分類を数えたもので、細部まで同じという意味ではありません。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
  • 配点・解答欄: 設問別の配点は問題冊子に印刷されていません。記述の解答欄の大きさ(何行・何マス)は転写では読み切れないので、字数指定のない記述の分量は市販の過去問集で実寸を確認してください。
  • この分析は過去問の出題内容だけを見たもので、それ以外のことは扱っていません。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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