関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

逗子開成中学校の過去問分析

男子私立神奈川県逗子市

重要結論

  1. 逗子開成は「出題の器が徹底して固定されている学校」です。中身(題材)は毎年新しく作りますが、置き場所はほとんど動きません。算数は大問 5・小問 18 が 2014 年から 2026 年まで 13 年間動いていません。
  2. 理科は大問 4 本に 4 分野が 1 本ずつ入り、大問 4 は 4 年連続で物理です。社会は 2024 年から大問 3 本・小問 38〜40 になり、3 年とも「1 つのテーマで 40 問を貫く」作りです(2024 災害・2025 ごみ・2026 お金)。
  3. つまり「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校であって、「同じ問題が出る」学校ではありません。読み直した年に、数値まで同じ問題の再登場は見つかりませんでした。

今週やること

  1. 2026 年度の算数・大問 5(3) の記述(答えだけでなく考え方も書く 1 問)を、式と言葉を混ぜて 5 分で書き切ってみます。
  2. 算数の大問 1 の計算 3 問と大問 2 の一行問題 6 問を、毎日・週末で速く正確に抜ける練習をします(13 年間場所が動いていません)。
  3. 社会は 40 分で 40 問を処理する時間配分を年度通しで作り、記述 4〜5 問に使う時間を先に確保します。

分析年度: 2009〜2026 年度
入試回: 1 次相当
資料の範囲: 算数 16 年 / 理科・社会 18 年 / 国語 8 年
原本確認範囲(精読した年): 算数 4 年・理科 4 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: このレポートの中身は 1 次相当のもの(転写データが 1 年 1 冊で回を区別できないため)です。国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く、書いたことは 2009〜2018 年度に限った話です(→13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 3 題(2009 年度から、大問数を数えられた資料 8 冊すべて・数えられなかった年 2013・2017。最新の資料は 2018 年度)。前回の変化: なし(2009〜2018 年度の、数えられた資料 8 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 社会: 3 題(2024 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて・数えられなかった年 2025。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: 2021 → 2024 の間に 1 題 → 3 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 1 回: 2024。前回の変化のときの分野の並び: 地理-産業 → 地理-地図・地形・気候|歴史-古代〜中世|公民-憲法・政治
  • 算数: 5 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 7 冊すべて・数えられなかった年が 10 年。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: なし(2010〜2026 年度の、数えられた資料 7 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 神奈川県逗子市
男女 男子校
旧称 第二開成中学校(1903 年)
入試回と日程・科目 1 次(2 月 1 日)・2 次(2 月 3 日)・3 次(2 月 5 日)の 3 回。いずれも 4 科(国語・算数・社会・理科)
試験時間・配点 国語 50 分 150 点/算数 50 分 150 点/社会 40 分 100 点/理科 40 分 100 点・500 点満点。3 回とも同じ時間・配点です

上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。旧称の「第二開成中学校」は 1903 年の創立時の名称で、東京都荒川区にある開成中学校とは別の学校です(本文の題材表・題材の記述を確認しましたが、東京の開成中学校の内容が混じっている箇所は見当たりませんでした)。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 逗子開成は「出題の器が徹底して固定されている学校」です。中身(題材)は毎年新しく作りますが、置き場所はほとんど動きません。算数は大問 5・小問 18 が 2014 年から 2026 年まで 13 年間動いていません。
  2. 理科は大問 4 本に 4 分野が 1 本ずつ入り、大問 4 は 4 年連続で物理です。社会は 2024 年から大問 3 本・小問 38〜40 になり、3 年とも「1 つのテーマで 40 問を貫く」作りです(2024 災害・2025 ごみ・2026 お金)。
  3. つまり「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校であって、「同じ問題が出る」学校ではありません。読み直した年に、数値まで同じ問題の再登場は見つかりませんでした。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1 の計算 3 問と大問 2 の一行問題 6 問を、毎日・週末で速く正確に抜ける練習をします(13 年間場所が動いていません)。
  2. 社会は 40 分で 40 問を処理する時間配分を年度通しで作り、記述 4〜5 問に使う時間を先に確保します。
  3. 理科は大問 4(物理)の実験データから比例を読んで計算する手つきを、電流・運動・音・熱のどの題材でも同じようにできるようにします。

今週やる 1 つ

  1. 2026 年度の算数・大問 5(3) の記述(答えだけでなく考え方も書く 1 問)を、式と言葉を混ぜて 5 分で書き切ってみます。

注意

  1. このレポートの中身は 1 次相当のもの(転写データが 1 年 1 冊で回を区別できないため)です。国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く、書いたことは 2009〜2018 年度に限った話です(→13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 4 年(2023〜2026) 12 年(2009〜2022、2012・2013 を除く) 16 年(2009〜2026、2012・2013 を除く) 図のある小問が 41% で、図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含みます。転写の読み取り確度が低めの年が 16 年中 9 年
理科 4 年(2023〜2026) 14 年(2009〜2022) 18 年(2009〜2026・欠けなし) 表・グラフが多い(図のある小問 63%)。転写の読み取り確度が低めの年が多いため、細部は市販の過去問集で確かめてほしいところです
社会 3 年(2024〜2026) 15 年(2009〜2023) 18 年(2009〜2026・欠けなし) 小問が多く(年 30〜56)、選択肢の文言まで読めます
国語 3 年(2015・2016・2018) 5 年(2009・2010・2011・2012・2014) 8 年(2009〜2018、2013・2017 を除く)。加えて 2019 年度以降(著作権処理の関係で問題文が掲載されない年が多い)は資料そのものがありません 本文・設問とも読めます。出典が転写に残っている年と残っていない年があります

収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。

  • 入試回について: この学校の入試は 2026 年度で 1 次(2 月 1 日・定員 150)・2 次(2 月 3 日・定員 50)・3 次(2 月 5 日・定員 50)の 3 回あり、3 回とも 4 科目・同じ時間と配点(国語 50 分 150 点/算数 50 分 150 点/社会 40 分 100 点/理科 40 分 100 点・500 点満点)です。一方、転写データは 1 年につき 1 冊しかなく回の区別ができないため、このレポートの中身は 1 次相当のものとして読んでください。2 次・3 次の問題は市販の過去問集で別途確認してください。
  • 「毎年」「〜年連続」は原本で 3 年以上の反復を確認したものに限って書いています。それ以前の年については、転写データの単元分類を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
  • 満点・設問別配点は問題冊子に印刷されていません(読み直した年で確認)。

5. 一番大きな結論

逗子開成は「出題の器が徹底して固定されている学校」です。 中身(題材)は毎年新しく作りますが、置き場所は動きません。

  • 算数は大問 5・小問 18 が 2014 年から 2026 年まで 13 年間動いていません。しかも中身の並びまで揃っていて、大問 1 = 計算 3 問、大問 2 = 一行問題 6 問、大問 3〜5 = 誘導つきの大型問題 3 本、そして記述(考え方を書く欄)は大問 5 の (3) ただ 1 か所です(2023〜2026 の 4 年連続)。ここまで場所が決まっている学校は多くありません。
  • 理科は大問 4 本に 4 分野が 1 本ずつ入り、大問 4 は 4 年連続で物理です(2023 音・2024 物体の運動・2025 物体の運動・2026 熱と気体)。しかも 4 年とも「実験の表やグラフから比例を読んで計算する」作りで揃っています。生物枠は 3 年連続で人体です。
  • 社会は 2024 年から大問 3 本・小問 38〜40 になり、3 年とも「1 つのテーマで 40 問を貫く」作りです(2024 災害・2025 ごみ・2026 お金)。歴史 → 制度 → 現代の問題、という並びが 3 年同じで、最後は「あなたならどうするか」を書かせて終わります。
  • 国語は大問 3 本で、大問 1 が知識問題(冒頭に漢字 15 問)、大問 2 が論説、大問 3 が随筆です。この並びは精読した 3 年(2015・2016・2018)で確認でき、大問数・小問数そのものは資料のある 8 年(2009〜2018)で一定しています。ただし 2019 年度以降の問題文は資料に無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

つまり「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校であって、「同じ問題が出る」学校ではありません。読み直した年に、数値まで同じ問題の再登場は見つかりませんでした。

したがって過去問の使い方は、①各大問に何分かけるかを先に決めて、その配分どおりに解く練習(時間の使い方を身につける)と、②大問ごとに要求される作業(計算・一行問題・誘導を読む・実験データを計算する・資料から記述する)を単元の型として仕上げる練習の二つに近くなります。「出る問題を覚える」使い方は効きにくいところです。


6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)

  • 算数は「学校の風景」がそのまま問題になります。 2026 大問 3 は「逗子開成中学校の体育祭のクラス対抗リレー」で、1 人 80 m ずつ走ってバトンをつなぐ設定から平均算に入ります。2024 大問 2(3) は「Z 中学校の海洋教育センターの大きなお風呂」の体積です。子どもが解きながら学校生活を想像できる作りになっているように見えます。
  • 算数の大問 3〜5 は「その場で定義を読む」形です。畳のしきつめ方(2026)、152 個のランプと点灯ボタン(2025)、モンスターの 3 つの能力値から「強さのポイント」を計算する(2024)、≪M≫ という記号の定義(2023)。定義が長く、(1) が例の確認になっていて、手を動かせば (1)(2) までは届く作りです。
  • 理科は「知らない実験を導入文で理解させる」形です。 ガリレオが自作の望遠鏡で木星の 4 衛星を観察した記録(2026)、シャルルが注射器で気体の体積と温度を測った実験から絶対零度を求める(2026)、球を積み重ねた「すっとびボール」(2024)、坂で球を転がして木片を押す(2025)。科学史や見たことのない装置が題材でも、解くための材料は導入文と表の中に全部あります。知識より読解と計算で決まる作りです。
  • 社会は 1 つのテーマで 40 問を貫きます。 災害(2024)、ごみ(2025)、お金(2026)。2025 は貝塚から始まって江戸のごみ捨て場、高度経済成長期のごみ処理と公害、最終処分場の残り年数まで、ごみだけで 38 問です。2026 は富本銭から始まって藩政改革・金銀の交換比率・財政と税・キャッシュレス決済まで、お金だけで 40 問です。身近な一つのものを歴史・地理・公民・現代の問題として多面的に見るという一貫した姿勢が 3 年続いています。
  • 社会は最後に「あなたならどうするか」を書かせます。避難所のイラストを見て問題点を挙げ「公助」の視点で行動を述べる(2024)、最終処分場を長く使う工夫(2025)、キャッシュレス決済の利点 3 つと災害時に現金を持つ理由(2026)。正解が一つに決まらない問いで締める形が 3 年連続です。
  • 社会には地元が顔を出します。2024 大問 1 問 11 の「逗子市に隣接する葉山町にある自然災害伝承碑」です。
  • 国語は「遠くへ行った人の体験記」が繰り返し来ます(精読した年に限れば)。自転車で世界一周した 7 年半の旅の終わり(2015)、東日本大震災の被災地での心のケア(2016)、エチオピアの食堂で見たスリ族の作法と「誇り」(2018)、ゾウに乗る辺境の旅(2011)。論説枠も「ものの見方は文化によって変わる」話が多いところです(言葉と風土、病気のとらえ方、知性と情報化社会)。自分の当たり前が異文化に触れて揺らぐ題材が並んでいるように見えます。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。時間を計った通し演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。

各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 3 問を固定する — 小数と分数の混合(2026 は 0.1−0.02+0.003 と帯分数の割り算)、逆算(□ にあてはまる数を求める計算。2024 は 9999 −{(260−□)÷8}×111 −102×5/9 −7600 = 2024 のように項が多い)。この 3 問は 13 年間場所が動いていません。5 分以内で確実に抜けるようにします。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 算数・大問 2 の一行問題 6 問を単元別に — 食塩水・売買損益・分割払い・仕事算・単位換算・立体の体積・数の性質・場合の数・規則性・つるかめ算(つるかめの数と足の数の合計から内訳を逆算する、受験用教材の単元)が回っています。1 問 2 分で切り上げる訓練をします。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・大問 3〜5 の「ルールを読んで書き出す」練習 — 畳のしきつめ(2026)、3 色のランプと点灯ボタン(2025)、モンスターの能力値(2024)。導入文 800 字前後を読み、(1) の例で仕組みを確認し、小さい場合から書き出して規則を見つける、という 3 手順は共通です。記述は大問 5(3) の 1 問だけと分かっているので、式と言葉を混ぜて 5 分で書き切る型をあらかじめ用意し、その時間を配分に見込んでおきます。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週 1 回] 理科・人体と物理の実験計算、グラフ作図、理由の記述 — 人体(血液循環・心臓・肺・じん臓)は 3 年連続で大問枠になり、図の記号で血管や器官を答えさせるので、教科書の図を自分で描けるところまで仕上げます。大問 4 は 4 年連続で物理の計算です(電流と発熱 2026、坂と木片 2025、すっとびボール 2024、音の速さ 2023)。表から比を作り、条件を変えた値を出す手順を固め、「小数第 1 位を四捨五入して整数で」のような桁指定は毎年入るので、答えを出したあとに指定を見直す習慣をつけます。グラフは、実験の条件を 1 つ変えたらどう動くかを軸の意味から考えて描く練習をします(2025 大問 4(4)、2026 大問 1(6))。記述は指定語つき・書き出し指定つきが年 2〜3 問なので、原因と結果を 1〜2 文でつなぐ形を練習します。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週末 60 分] 社会・40 分で 40 問の処理 — 読む文章量が 4 科目で最も多く(設問文の総量が 7000 字前後)、まず年度通しで時間を計り、記述 4〜5 問に使う時間を先に確保する配分を作ります。大問 1 の歴史 → 大問 2 の制度 → 大問 3 の現代、という流れを体で覚えます。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週 1 回] 社会・記号選択の 3 つの形と、統計表から都道府県を当てる練習 — X・Y の正誤の組み合わせ、できごとの並べかえ、「すべて選び」。この 3 つで毎年 5〜8 問です。歴史は年号の暗記より、できごとの前後関係を因果でつなげます。あわせて、人口増減率・高齢化率・農業産出額・発電の電源構成・雨温図から都道府県を当てる練習を毎年どこかに入れます。(確認: 〜2026 年度)
  7. [週 1 回] 社会・資料を使う記述と、最後の「あなたならどうするか」 — 『宋書』と『隋書』の資料を比べる(2026)、指定語句に下線を引いて書く(2025)、降水量の表から理由を説明する(2026)のように、知識だけで書かず、示された資料の語を引用して組み立てる練習をします。3 年連続で最終問題が「あなたならどうするか」を書かせる形なので、そこに 5 分を残します。日ごろから身の回りの問題(ごみ・災害・キャッシュレス)を家庭で話題にしておくと書きやすくなります。(確認: 〜2026 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語・漢字 15 問と語彙、文を完成させる記述 — 精読した 3 年とも大問 1 の冒頭が漢字 15 問で、小問全体の 4 割が知識問題です(書き取りと読みの両方)。語彙・慣用句・ことわざ・擬態語・品詞も一巡しておきます(大問 1 の後半は年ごとに顔ぶれが変わるため)。記述は「与えられた文型に言葉をはめる」形が多いので、字数の下限と上限の間に収める練習をし、書いてから削る作業を習慣にします。論説と随筆の 2 本立てで読む練習もあわせて行います。(確認: 〜2018 年度・直近の形式は市販の過去問集で確認してください)

8. 科目別の詳細

8-0. 科目横断の要点

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科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 非常に高い。大問 5・小問 18・50 分が 13 年(2014〜2026)変わらず、大問ごとの小問数も 3・6・3・3・3 大問 1〜2 で計算と一行問題 9 問、大問 3〜5 で長い導入文のルールを読む問題 3 本。規則性・場合の数・速さが大問枠を回します 大問 1 の計算 3 問と大問 2 の 6 問を速く正確に抜けること。その先の 3 本に時間を残します
理科 高い。4 大問・小問 23〜30・40 分。分野の並び順は年ごとに違いますが、4 分野 1 本ずつは変わりません 実験の設定を導入文で読ませ、表・グラフの数値で計算させます。人体(3 年連続)と物理の大問 4(4 年連続)が柱です 表・グラフから比例を読んで計算する手つきと、桁指定を守ること。作図(グラフを描く)が毎年 1 問あります
社会 中程度。2024 年に大問 1 本から 3 本へ変わり、以後 3 年は 3 本・小問 38〜40 で安定 その年のテーマ(災害・ごみ・お金)を歴史・地理・公民・時事で貫きます。記号選択が主軸で、正誤の組み合わせ・並べかえ・全選択が毎年出ます 40 分で 40 問を処理する速さと、資料や統計表の言葉を使って書く記述 4〜5 問
国語 高い(資料のある 8 年に限れば)。大問 3・小問 37〜40・50 分 大問 1 が知識 20〜25 問(うち漢字 15 問)、大問 2 が論説、大問 3 が随筆・体験記。記述は年 3〜4 問で字数の幅指定つき 漢字 15 問と語彙・慣用句を落とさないこと。記述は「与えられた文型に言葉をはめる」形の練習です

4 科目に共通するのは「時間内に決まった量を処理する」設計であることです。算数 18 問/理科 25〜30 問/社会 38〜40 問/国語 37〜40 問と、各科目の問題数がほぼ一定なので、1 問あたりの持ち時間を最初から計算して臨めます。


8-1. 算数(50 分・150 点)

年度×大問の題材表(2024〜2026 は全大問、2023 は大問 1 と大問 5 を設問文で読み直しました)

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年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2026 5/18 計算 3 問(四則 2・逆算 1) 小問集合 6 問(円と円の転がり/食塩水/円柱の積み木/分割払い/サイコロの場合の数/1〜31 の積の末尾の 0) 平均算(体育祭のクラス対抗リレー・50 m 走の平均タイムとバトンパス) 場合の数(畳のしきつめ方) 速さとグラフ(台形の上を動く正方形の重なり面積)
2025 5/18 計算 3 問(四則 2・逆算 1) 小問集合 6 問(小麦粉の分け方/直方体の辺の比/つるかめ算/カード 5 枚の場合の数/正方形を並べる規則性/円柱の水量とグラフ) 規則性(3 色のランプ 152 個と点灯ボタン) 速さ(PQ 間を往復する 2 人の出会い) 平面図形(直角三角形に正方形を詰める操作の繰り返しと周の長さの和)
2024 5/18 計算 3 問(四則 2・逆算 1) 小問集合 6 問(365 日を分に換算/仕事算/お風呂の体積/長方形と正方形の面積/11 で割った余り/白玉と赤玉の割合) 規則性(長方形を折ったミゾをのりしろで貼り合わせる全長) 約束記号(モンスターの 3 つの能力値から「強さのポイント」を計算) 規則性(3 けたの数の列と総和)
2023 5/18 計算 3 問(四則 2・逆算 1) 小問集合 6 問 通過算(転写の分類) 場合の数(転写の分類) 約束記号(≪M≫ の定義を読む)

同じ位置に同じ種類の問題が出る(この学校で一番はっきりしている特徴)

  • 大問数 5・小問数 18 が 2014 年から 2026 年まで 13 年間まったく動きません(転写のある年で数えて、大問数のばらつきは 0、小問数も 17〜20 の範囲で近年は 18 に固定)。大問ごとの小問数も「3・6・3・3・3」で揃っています。
  • 大問 1 は計算 3 問です。しかも中身の並びまで揃っていて、(1) が小数と分数を混ぜた四則計算、(2) か (3) の一方が □ を求める逆算になる形が 2023〜2026 の 4 年連続で確認できました。年度×大問の集計では、大問 1 に四則計算が来るのは 2014〜2026 の 13 年連続です。
  • 大問 2 は小問集合 6 問です。ここに割合・食塩水・つるかめ算・仕事算・単位換算・立体の体積・数の性質・場合の数といった「一行問題」の主要単元が毎年 6 つ並びます。
  • 大問 3〜5 は誘導つきの大型問題が 3 本で、(1)(2) が易しい確認、(3) が本番という作りが 3 年とも共通です。
  • 大問 5 の (3) だけが「答えだけでなく考え方も書きなさい」という記述問題です(2023・2024・2025・2026 の 4 年連続で、記述はこの 1 問のみ、全体の 6%)。つまり途中式を書かせる欄は年に 1 か所しかなく、その場所も決まっています。

「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」型です。読み直した 4 年で、数値まで同じ問題の再登場は見つかりませんでした。

頻出単元と周期

転写のある 16 年(2009〜2026)で大問の主要単元を数えると、計算 20%・数の性質と規則性 19%・割合と文章題 16%・速さ 13%・立体図形 11% です。大問 3〜5 の 3 枠を、規則性/速さ/場合の数/平面図形が回しています。

  • 規則性・数列: 2024 年は大問 3 と大問 5 の 2 枠、2025 年は大問 3、2026 年は大問 2(5) の小問です。大問枠で 3 年連続です。
  • 場合の数: 2023 大問 4、2025 大問 2(4)、2026 大問 4 と大問 2(5)。数え上げを「書き出して規則を見つける」形で聞きます。
  • 速さ: 2024 は大問枠になし(大問 2 の仕事算のみ)、2025 大問 4(往復の出会い)、2026 大問 5(グラフつき)と大問 3(1)。
  • 約束記号(自分で定義を読む問題): 2023 大問 5・2024 大問 4。2 年連続で出たあと 2025・2026 は無しです。

問い方の型

  • 大問 3〜5 の導入文が長いのが特徴です。畳のしきつめ(2026)、ランプの点灯ボタン(2025)、モンスターの能力値(2024)のように、その場で定義されたルールを読んで、小さい場合から書き出す作業から始まります。導入文の長さは 800 字前後です。
  • 学校の風景がそのまま題材になる年があります。2026 大問 3 は「逗子開成中学校の体育祭のクラス対抗リレー」、2024 大問 2(3) は「Z 中学校の海洋教育センターの大きなお風呂」です。
  • 数値が年号になっていることがあります(2024 大問 1(3) の答えが 2024、大問 3(2) が「全長が 2024 cm を初めて超えるのは何枚目か」)。

8-2. 理科(40 分・100 点)

年度×大問の題材表(2023〜2026 を設問文で読み直しました)

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年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2026 4/25 人体(動物の体温調節・消化液・肺胞・心臓・ラットの体温グラフ) 電流と発熱(電熱線で水を温める・電流と発熱量の比例) 惑星(ガリレオが観察した木星の 4 衛星・公転周期の比) 熱と状態変化(シャルルの実験・絶対零度・空気の密度)
2025 4/29 人体(心臓と血液循環・じん臓・心拍数と拍出量・脈拍) 気体と量的関係(塩酸と炭酸カルシウム・発生量の計算) 気象(台風の発生・うず・進路と風向・降水量の計算) 物体の運動(坂で球を転がして木片を動かす実験)
2024 4/30 流水のはたらき(扇状地・川の断面図・砂防ダム) 人体(血液循環・薬が届く経路・胎児の卵円孔) 水溶液の判別と中和(4 種の粉末 A〜D を実験で特定・塩酸と水酸化ナトリウム) 物体の運動(「すっとびボール」を積み重ねる)
2023 4/23 地層(地層の接し方・化石と時代・見えない部分を描く) 植物と二酸化炭素の循環(光合成と呼吸・濃度のグラフ) 溶解度・再結晶(溶解度曲線・濃度の計算) 音(音の速さ・反射・風の影響)

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 大問 4 は 4 年連続で物理分野です(2023 音、2024 物体の運動、2025 物体の運動、2026 熱と気体の体積)。しかも 4 年とも「実験の結果を表やグラフで与え、比例関係を読み取って未知の値を計算させる」作りで揃っています。
  • 人体が 3 年連続で大問枠になっています(2024 大問 2、2025 大問 1、2026 大問 1)。血液循環・心臓・肺は 3 年連続で図に名称を書き込む形で出ました。転写のある 18 年で最も多い単元です(大問の主要単元として 11%)。
  • 大問 4 本の分野の並びは年ごとに違います(2024 は地学→生物→化学→物理、2026 は生物→物理→地学→化学)。分野の順番は決まっていませんが、4 分野が 1 本ずつ入る形は変わりません。
  • 大問数 4・小問数 23〜30 で、1 問あたり 1 分半弱です。

頻出単元と周期

  • 同じ言い回しが毎年出ます。「答えが割り切れないときは、小数第 1 位を四捨五入して整数で答えなさい」は 2023(大問 3・大問 4 で 5 回)・2024(大問 3)・2025(大問 2)で確認でき、2026 は「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」に変わっています。桁指定を読み落とすと計算が合っていても失点する作りです。
  • 「最も簡単な整数の比で表しなさい」(2026 大問 3(2) の衛星の公転周期)も算数と共通の指定です。
  • 「すべて選び、記号で答えなさい」「誤っているものをすべて選び」(2025 大問 1(2)・大問 3(6)、2026 大問 1(1))のように、個数を教えない全選択が毎年混じります。
  • 記述は年 2〜3 問です(2024 年 2、2025 年 3、2026 年 3)。字数指定はなく、「理由を説明しなさい」「〜という語を使って説明しなさい」(2025 大問 3(4) の「海」)、「解答らんに書かれた語句から始めなさい」(2024 大問 1(7))のような条件つきです。書き出しや使う語を指定する形が 3 年とも入っています。
  • 作図が毎年 1 問あります(2023 は 2 問)。気温と体温の関係のグラフを描く(2026)、実験結果のグラフを描き足す(2025)、川の断面図を描く(2024)、見えていない地層のようすを描く(2023)。「与えられた実験を 1 段階ずらした条件で、結果を自分で予測して描く」という共通の作りがあります。

問い方の型

  • 40 分・100 点・4 大問・小問 23〜30。図のある小問が 63% と多く、図・表・グラフを読む作業が量として本体です。
  • 導入文が長いのも特徴です(会話文ではなく実験の説明文が中心で、1 冊あたりの導入文は 700 字前後)。ガリレオの木星観測(2026)、シャルルの実験(2026)、すっとびボール(2024)のように、知らない実験を導入文だけで理解させる設定が続きます。
  • 字数指定のある年は 18 年中 22% で、読み直した 4 年では字数指定はありませんでした。

8-3. 社会(40 分・100 点)

年度×大問の題材表(2024〜2026 を設問文で読み直しました)

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年度 大問数/小問数 その年の通しテーマ 大問 1 大問 2 大問 3
2026 3/40 お金 日本のお金の歴史(富本銭から現代まで)を軸に、歴史・地理・産業を 32 問 財政・税・社会保障・選挙(お金の流れを人体の血液にたとえた文章) キャッシュレス決済(記述 2 問)
2025 3/38 ごみ 貝塚から現代まで、ごみの歴史で通史を辿る 17 問 高度経済成長期のごみ処理・公害・環境政策 10 問 中学 1 年生 2 人が集めたごみの新聞記事から、地理・統計・記述 11 問
2024 3/38 災害 日本の地形と自然災害 14 問 白鳳地震から現代までの災害年表で通史 16 問 災害対策基本法・国会・地方自治・避難所(記述 2 問)

この学校で一番はっきりしている特徴: 1 つのテーマで 40 問を貫く

  • 2024・2025・2026 の 3 年とも、大問 3 本が同じ一つのテーマでつながっています。災害(2024)、ごみ(2025)、お金(2026)。大問 1 でそのテーマの歴史を辿り、大問 2 でそのテーマに関わる制度(公民)を聞き、大問 3 で現代の問題として考えさせる、という流れが 3 年とも同じです。
  • 大問 3 本・小問 38〜40 という形も 2024 年から 3 年連続です。それ以前(2009〜2023)は大問 1 本に 30〜56 問という作りで、2024 年に 3 本に分かれました。この学校の社会は 2024 年に形が変わっているので、古い年の過去問を解くときは大問の見た目が違う点を承知しておいてください。ただし「長い文章を読んで下線部について答える」という中身の作りは変わっていません。
  • 大問 3 の末尾は「自分の考えを書く記述」で締めます(2024 避難所のイラストから問題点を挙げ「あなたがこの避難所を運営する立場であるならば」どうするか、2025 最終処分場を長く使うための工夫、2026 キャッシュレス決済の利点 3 つと災害時に現金を持つ理由)。3 年連続です。

頻出単元と問い方の型

  • 転写のある 18 年の集計では、地理-産業 17%・歴史 27%(古代〜中世 14%・近現代 13%)・公民-憲法と政治 11%・地理-社会と世界 11% です。地理・歴史・公民が偏りなく入ります。
  • 記号選択が主軸です(52〜61%)。中でも次の 3 つの形が 3 年連続で出ます。
  • X・Y の正誤の組み合わせ(「次の X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを、下のア〜エから一つ選び」)— 2026 は 3 回、2025・2024 にもあります。
  • できごとの並べかえ(「次の文ア〜エを古いものから並べかえ、記号で答えなさい」)— 2026 大問 1 問 2、2025 大問 1 問 4・問 11、2024 大問 2 問 7。
  • すべて選ぶ(「次のア〜オからすべて選び」)— 2025 大問 1 問 6・問 14、大問 2 問 4。個数を教えません。
  • 短答は文字種の指定つきです(「漢字で答えなさい」「カタカナで答えなさい」「解答らんに合うように漢字で」)。
  • 統計表から都道府県・地域を当てる問題が毎年あります。九州新幹線が通る 4 県の人口と農産物(2024)、秋田・神奈川・愛知・沖縄の人口増減率と高齢化率(2025)、北海道・東北・近畿・九州の農業産出額の割合(2026)、雨温図から静岡市を選ぶ(2025)、発電エネルギー源別割合で日本・中国・カナダ・フランスを見分ける(2026)。
  • 前年〜前々年の出来事が題材に入ります(2026 の米価高騰と備蓄米放出・参議院選挙の一票の格差、2024 のガソリン価格と為替)。

記述の形(この学校の社会で一番差がつく場所)

年 4〜5 問(2024 年 4、2025 年 5、2026 年 4 = 全体の 10〜13%)。字数指定ではなく条件指定で縛るのが特徴です。

  • 資料を読ませてから書かせる: 『宋書』倭国伝と『隋書』倭国伝を並べて「日本が中国と結ぼうとした関係のちがいを、資料中の言葉を使って説明」(2026 大問 1 問 4-II)、リサイクル法の省令の条文を読んで「どのような変化が期待できるからか」(2025 大問 2 問 7)、国分寺建立の命令の資料から天皇の目的を説明(2024 大問 2 問 3)。
  • 使う語句を指定する: 「次の〈語句〉を用いて説明しなさい。ただし、解答の中で〈語句〉を最初に用いたところには必ず下線を引くこと。〈語句〉将軍・旗本・参勤交代」(2025 大問 1 問 7)。
  • 統計表を根拠に理由を説明する: 新潟の月別降水量の表から「越後平野で裏作がおこなわれない理由」(2026 大問 1 問 3-I)。
  • 絵や会話文から自分で問題を見つけて提案する: 避難所のイラストから問題点を挙げて「公助」の視点で行動を述べる(2024 大問 3 問 6)。

問い方の型

  • 1 問あたり 1 分で、読む文章量は 4 科目で最も多いです(設問文の総量が 7000 字前後・A4 換算 14 頁相当)。記述 4〜5 問にかける時間を先に確保しないと最後の大問 3 に届きません。
  • 作図は無く、図・地図・表のある小問は 29% です。
  • 地元の題材が入ることがあります(2024 大問 1 問 11 の「逗子市に隣接する葉山町にある自然災害伝承碑」)。

8-4. 国語(50 分・150 点)

先にお断り: 国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、以下は 2009〜2018 年度(うち 2013・2017 を除く 8 年分)に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。年度×大問の題材表は 2015・2016・2018 の 3 年を設問文で読み直したものです。

年度×大問の題材表(2015・2016・2018)

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年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3
2018 3/37 知識 21 問(漢字 15・対義語・慣用句の使用例・ことわざ) 論説(日本人が「やっぱり」を多用する風土的背景) 随筆・旅(エチオピアの食堂で見たスリ族の作法と「誇り」)
2016 3/38 知識 25 問(漢字 15・擬音語擬態語の穴埋め 5・慣用表現に入る漢字 1 字 5) 論説(マラリアと文化人類学・病気のとらえ方) 随筆(東日本大震災の被災地での心のケア/鎌田實『人間らしくヘンテコでいい』)
2015 3/39 知識 24 問(漢字 15・品詞の識別 3・三字熟語 3・ことわざ 3) 論説(「知ってるつもり」と知性・情報化社会) 随筆・旅(自転車で世界一周する 7 年半の旅の終わり/石田ゆうすけ『行かずに死ねるか! 世界 9 万 5000 km 自転車ひとり旅』)

同じ位置に同じ種類の問題が出る(資料のある 8 年・精読した 3 年)

  • 大問 3 本・小問 37〜40 が資料のある 8 年とも変わりません(大問数のばらつき 0、小問数の平均 37.6)。
  • 大問 1 は必ず知識問題のまとまりで、その冒頭が漢字 15 問です(カタカナを漢字に直すもの 7〜9 問と、漢字の読みをひらがなで書くもの 6〜8 問)。「次の①〜⑮の各文の傍線部のカタカナを漢字で書き、傍線部の漢字の読み方をひらがなで書きなさい」という同じ問い方が精読した 3 年とも出ました。漢字だけで小問全体の 4 割(大問 1 全体では 55〜65%)を占めます。
  • 漢字のあとに、語彙・慣用句・ことわざ・熟語・文法が 6〜10 問続きます。年によって組み合わせは変わります(2015 は品詞の識別と三字熟語、2016 は擬音語擬態語と慣用表現、2018 は対義語と慣用句の使用例とことわざ)。
  • 大問 2 は論説文、大問 3 は随筆・体験記という並びが精読した 3 年とも同じです。物語(小説)は読み直した 3 年には出ていません。

問い方の型

  • 記述は年 3〜4 問(全体の 8〜11%)です。字数指定つきが基本で、「二十字以上三十字以内」「三十字以上三十五字以内」「四十字以上五十字以内」「五十字以上六十字以内」と幅を持たせた指定です。
  • 文を完成させる形の記述が多いのが特徴です。「次の文の( )に入る言葉を五十字以上六十字以内で答え、文を完成させなさい」(2016 大問 2 問五)、「日本の風土は( A 十八字以上二十三字以内 )特徴があるので、日本人は( B 五字以内 )ことができるから」(2018 大問 2 問二)のように、答えの骨組みが先に与えられ、そこに入る言葉を字数内で作ります。丸ごと自由に書かせる設問は少ないところです。
  • 指定語つきの記述もあります(2018 大問 3 問三「『誇り』という言葉を必ず用いて、三十字以上四十字以内で」)。
  • 記号選択は 18〜38% です。「問題文の内容に合っているものを一つ選び」という本文全体の内容合致が 3 年とも大問の最後に置かれています。
  • 抜き出しは字数指定つきです(「八字で抜き出して」「漢字二字で抜き出して」「最初の四字を書きなさい」)。
  • 表現技法(比喩の種類)、脱文挿入(「次の一文が入る箇所を A〜D から選び」)といった技術的な設問も混じります。

題材の色

精読した年に限れば、大問 3 の随筆枠に「遠くへ行った人の体験記」が繰り返し来ています。自転車で世界一周した旅の終わり(2015)、被災地での医療支援(2016)、エチオピアで異なる民族の作法に触れる(2018)、ゾウに乗る辺境の旅(2011・高野秀行)。論説枠は言語・文化・医療・情報社会など「ものの見方が文化によって変わる」話が多いところです(2010 ヒトとアリの資源管理、2012 池上嘉彦『ふしぎなことば ことばのふしぎ』、2016 病気のとらえ方、2018 「やっぱり」の風土的背景)。異文化・異なる価値観に触れて自分の当たり前が揺らぐ題材が並んでいるように見えます。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

転写の単元分類(算数 2009〜2026 の 16 年、理科・社会 18 年)で、大問の主要単元として数えたものです。読み直していない年の細部は保証しません。最終確認年度は、その単元が大問として出たことを確認できている最後の年度です(小問での再登場は別枠として本文に注記しています)。

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科目 単元 大問で出た年(転写の分類) 最終確認年度 状況
算数 水量とグラフ 2014・2015・2017・2018 2018 大問枠では 2018 以来 8 年なし。2025 は大問 2(6) の小問で復帰しており、大問に戻る候補です
算数 ニュートン算(水が流れ込みながら排水する量を扱う、受験用教材の単元) 2019・2021・2022 2022 3 回出たあと 2023〜2026 の 4 年なし
算数 立体図形(切断・体積) 2011・2016・2021 2021 5 年周期で大問になっています。2021 以来 5 年なく、近年は大問 2 の小問(2024・2026)に降りています
算数 円とおうぎ形 2010・2026 2026 16 年空いて 2026 に大問 2(1) で復帰しました
算数 図形の移動・回転 2009・2014・2020 2020 6 年周期です。2020 以来 6 年なし
算数 食塩水・濃度 2019 2019 大問枠は 2019 のみ。2026 は大問 2(2) の小問です
理科 電気回路 2010・2015・2017・2020・2022 2022 2〜5 年周期で出続けてきましたが 2022 以来 4 年なし。2026 は電熱線の発熱で電流のはたらきが戻りました
理科 太陽・月 太陽 2014・2019・2022/月 2010・2017 太陽 2022/月 2017 太陽は 2022 以来 4 年、月は 2017 以来 9 年なし。2026 は木星の衛星で天体が戻りました
理科 生態系・食物連鎖 2015・2019・2021・2022 2022 2022 以来 4 年なし。生物枠は 2024〜2026 が人体で埋まっています
理科 こん虫・動物 2012・2018 2018 8 年なし
理科 浮力・密度 2015・2016・2021 2021 2021 以来 5 年なし。2026 大問 4(4) に気体の密度として小問で登場しました
理科 てこ・つり合い・ばね てこ 2013/ばね 2011 てこ 2013/ばね 2011 力のつり合いの大問は長く空いています。物理枠は運動・音・熱が回しています
理科 地震・火山 2012・2020 2020 8 年周期です。2020 以来 6 年なし
社会 世界地理を柱にする 2018・2020・2021 2021 3 年続いたあと 2022 以来 4 年、柱としては出ていません。2026 は中国についての選択肢 1 問のみです
社会 国際社会・国際協力 2015(2025 は小問) 2015 柱としては 2015 以来 11 年なし
社会 三権分立・国会・裁判所を柱にする 2011・2024 2024 2024 大問 3 で 13 年ぶりに柱に戻りました。2025・2026 も公民の大問が続いています
社会 水産業・海流 2013(2026 は小問) 2013 柱としては 2013 以来 13 年なし
社会 日本国憲法・人権 小問のみ 2024・2026 大問としては確認なし 憲法の条文そのものを問う柱は長く空いています
国語 物語(小説) — 確認なし 精読した 3 年(2015・2016・2018)は論説+随筆で、物語は出ていません。ただし 2019 年度以降の資料が無いため、現在どうかは分かりません

10. 形式面の注意

  • 算数: 50 分・150 点・大問 5・小問 18。1 問あたり 2 分半強で、大問 1 の計算 3 問と大問 2 の 6 問を速く正確に抜けられるかで、大問 3〜5 に残せる時間が決まります。解答形式は短答が 94%、記述(考え方を書く欄)が 6% = 1 問だけで、その位置は大問 5(3) に固定されています(2023〜2026)。記号選択はほぼありません。作図の指示がある年があります(図に印を入れる形)。図のある小問は全体の 41% です。「最も簡単な整数の比で表しなさい」(2025 大問 5(1))、「すべて答えなさい」(2026 大問 5(3))のような答え方の指定が混じります。円周率の但し書きは読み直した 3 年の設問文には現れませんでした。
  • 理科: 40 分・100 点・4 大問・小問 23〜30。解答形式は短答 52〜64%、記号選択 20〜34%、記述 7〜12%、作図 3〜4% です。図のある小問が 63% と多く、図・表・グラフを読む作業が量として本体です。導入文が長く(会話文ではなく実験の説明文が中心で、1 冊あたりの導入文は 700 字前後)、ガリレオの木星観測(2026)、シャルルの実験(2026)、すっとびボール(2024)のように、知らない実験を導入文だけで理解させる設定が続きます。字数指定のある年は 18 年中 22% で、読み直した 4 年では字数指定はありませんでした。
  • 社会: 40 分・100 点・大問 3・小問 38〜40。記号選択 52〜61%、短答 24〜38%、記述 10〜13% です。短答は文字種の指定つきです(「漢字で」「カタカナで」「解答らんに合うように漢字で」)。記述は字数指定ではなく条件指定です(指定語句に下線を引く・資料の言葉を使う・「公助」の視点から)。1 問あたり 1 分で、読む文章量は 4 科目で最も多く(設問文の総量が 7000 字前後・A4 換算 14 頁相当)、記述 4〜5 問にかける時間を先に確保しないと最後の大問 3 に届きません。作図は無く、図・地図・表のある小問は 29% です。個数を教えない「すべて選び」が毎年あるので、1 つ選んで満足しないことです。地元の題材が入ることがあります(2024 大問 1 問 11 の「逗子市に隣接する葉山町にある自然災害伝承碑」)。
  • 国語(資料のある 8 年に限る): 50 分・150 点・大問 3・小問 37〜40。短答 54〜71%、記号選択 18〜38%、記述 8〜11% です。知識 20〜25 問と読解 2 本を 50 分で、1 問あたり 1 分半弱です。知識で時間を使いすぎない配分が要ります。記述の字数指定は「二十字以上三十字以内」のような幅指定で、答えの骨組みが文で与えられ、そこに入る言葉を書く形が多いところです。抜き出しにも字数・文字種の指定がつきます(「八字で」「漢字二字で」「最初の四字を」)。作図なし、図表を使う設問なしです。漢字は書き取りと読みの両方が出ます(読みを軽視できません)。

11. 学年別ロードマップ

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段 何をするか この学校での重み
小 4(土台) 計算の正確さ(小数と分数の混合・逆算)、図形(立体の見取図・面積)、読解(傍線部の言い換えを口で言う)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本。この学校で最終的に効く入口は「小数と分数が混ざった計算を最後まで合わせる」「表を見て比例かどうかを言う」「漢字を書きと読みの両方で覚える」ことです 差はほぼありません。時間計測はまだしません。ただし算数の大問 1 と国語の漢字 15 問は 10 年以上場所が動いていない部分なので、早くから毎日の型にしてよいところです
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終える段。算数は 8-1 節の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使います(規則性・場合の数・速さ・平面図形・立体・食塩水・仕事算・つるかめ算・数の性質)。理科は 4 分野の計算単元(電流・運動・音・熱・溶解度・中和・血液循環)と「表から比を作る」習慣。社会は通史を一巡し、統計表(人口・農業産出額・発電の電源構成・雨温図)に触れておきます。国語は漢字と語彙を積み上げ、論説と随筆を読みます 大問の枠が固定なので、どの単元がどの枠に来るかを知っていること自体が武器になります。小 5 で「大問 2 に来る一行問題」の単元を一通り仕上げておくと、小 6 で大問 3〜5 に時間を割けます
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は1 年分を、時間を計って解くのが最も効きます(大問数と小問数が動かないので、配分の練習がそのまま本番で使えます)。算数は大問 1・2 だけを年度を変えて解いて速さを作り、大問 3〜5 は 1 本ずつじっくり。社会は記述だけを年度を変えて、理科は大問 4(物理)だけを年度を変えて続けて解きます 器が動かない学校なので、時間配分の練習の効きが大きいところです。「大問 1 と 2 で 15 分、大問 3〜5 で 30 分、見直し 5 分」のような自分の配分表を作り、それを守れるかを毎回測ります

小 5 の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の大問 1 の計算 3 問と国語の漢字・語彙に充て、週末 60 分は算数の大問 2 の一行問題の単元一巡と、理科の計算単元(電流・運動・音・熱・溶解度・中和・血液循環)に充てます。社会の通史一巡と国語の記述は週末に組み込みます。国語は 2019 年度以降の資料が無いため(→13 節)、小 5 の段階では 2009〜2018 年度の形式(大問 1 の漢字 15 問、大問 2 論説、大問 3 随筆)を基準に進め、直近の形式は市販の過去問集であわせて確認します。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 5 での単元の網羅と、小 6 での配分の作り込みです。出題の場所が動かないぶん、「どこで詰まったか」が毎回同じ形で見えるので、演習の記録を残すと改善点がはっきりします。逆に、同じ問題が出るわけではないので、答えを覚える勉強はほとんど効きません。理科の実験計算と社会の資料記述は一人では直しにくいので、書いたものを見てもらう回数を確保したいところです。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が重なるか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。同じ問題が出るという意味ではありません。

  • 高輪中学校(東京都・男子校): 4 科目とも均等に近い学校です。過去問演習を相互に回しやすいところです。
  • サレジオ学院中学校(神奈川県・男子校): 国語・理科・社会が近く、算数はやや離れます。
  • 日出学園中学校(千葉県・共学): 国語が最も近く、算数は離れます。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。


13. 資料の限界

  • 入試回: この学校は 1 次・2 次・3 次の 3 回入試ですが、転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どの回のものか区別できません。本文は 1 次相当として読んでください。2 次・3 次は問題の傾向が違う可能性があり、市販の過去問集で別途確認してください。
  • 国語: 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、国語について書いたことは 2009〜2018 年度(うち 2013・2017 を除く 8 年)に限った話です。直近 7 年の形式は市販の過去問集で確認してください。大問 3 本・漢字 15 問という構成が今も続いているかどうかは、この資料では確かめられません。
  • 国語の確度表記の整理: 大問 1〜3 の並び(知識→論説→随筆)を直接確認できたのは精読した 3 年(2015・2016・2018)だけです。大問数・小問数そのものの安定は資料のある 8 年で確認できるため、本文ではこの 2 つを分けて書き直しました。事実の追加・削除ではなく、確度の書き分けの訂正です。
  • 算数の 2012・2013 年度の転写がありません。周期の話(何年ぶり)はこの 2 年を除いて数えています。
  • 転写の読み取り: 図・写真・グラフそのものは文字に起こせないため、図の説明文からの推定を含みます。特に理科は図のある小問が 63% と多く、読み取り確度が低めと記録された年が多いところです。算数も 16 年中 9 年が同様です。大問の並びや問題数のような構造は信頼できますが、個々の設問の細部は市販の過去問集で確かめてください。
  • 配点: 科目ごとの配点(国語 150・算数 150・社会 100・理科 100)は募集要項によるものですが、設問別の配点は問題冊子に印刷されていないため分かりません。どの大問が重いかは推測しかできません。
  • 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません。このレポートは過去問の中身だけを見たものです。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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