茗溪学園中学校 の過去問分析
茗溪学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
茗溪学園中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・4 科目そろう回・科目により 5〜16 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県つくば市 |
| 男女 | 共学 |
入試回一覧(2027 年度要項)
| 回 | 日程 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国際生特別選抜(国際生 A/B・IC11 月) | 2026 年 11 月 14 日・午前 | AC 国語・算数・英語/MG 英語・日本語作文/IC 英語・日本語算数 | 科目共通 50 分 | 科目共通 100 | オンライン実施。募集人員は AC10 名/MG15 名(国際生)、IC20 名 |
| 第 1 回推薦(専願)・第 1 回国際生 B | 2026 年 12 月 19 日・午前 | AC・MG 共通 国語・算数(EEC 選抜希望者は追加で英語) | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 募集人員 AC30 名/MG45 名。集合 9:00 |
| IC1 月・国際生 A/B | 2027 年 1 月 11 日・午前 | IC 英語・日本語算数/AC 国語・算数・英語/MG 英語・日本語作文 | 科目共通 50 分 | 科目共通 100 | 募集人員 IC20 名、AC35 名/MG50 名(第 2 回一般 4 科と共通枠) |
| 第 2 回一般 4 科 | 2027 年 1 月 11 日・午前 | 4 科(国語・算数・理科・社会) | 国語 50 分・算数 50 分・理科 30 分・社会 30 分 | 国語 100・算数 100・理科 50・社会 50 | 募集人員 AC35 名/MG50 名(国際生 A/B と共通枠)。集合 9:00 |
| 第 3 回一般総合 | 2027 年 1 月 23 日・午前 | 総合学力(国語・算数・社会・理科の融合型) | 総合学力 50 分 | 総合学力 100 | 募集人員 AC5 名/MG10 名。集合 9:00 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。AC・MG・IC・EEC は募集要項に出てくるコース・区分の記号で、それぞれが何を表すかは資料に記載が無いため、ここでは推測せずそのまま表記だけを使っています。
この分析(4 節以降)が対象にしているのは第 2 回一般 4 科(2027 年 1 月 11 日・午前)です。 教科としての 4 科目の学力試験はこの回だけで、理科・社会は各 50 点・各 30 分です。第 1 回推薦は国語・算数の 2 科目、第 3 回一般総合は国語・算数・社会・理科を融合した「総合学力」1 本(50 分・100 点)、11 月の国際生特別選抜と 1 月の IC1 月・国際生 A/B は英語・日本語作文・日本語算数などが中心です。2 科目・総合学力・国際生の入試には、この分析は当てはまりません。
2027 年 1 月 11 日は IC1 月・国際生 A/B と第 2 回一般 4 科が同じ枠で行われ、募集人員も AC35 名/MG50 名(IC20 名を含む)の共通枠です。内訳は資料に無いため、当てずっぽうで分けていません。11 月の国際生特別選抜はオンラインで実施されます。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 茗溪学園は 4 科目すべてで「自分の考えを理由つきで書く」設問が置かれる学校です。社会の大問 3 の最終問は 3 年連続で「あなたの考えを述べなさい」、理科も 3 年連続で「あなたならどうするか」を書かせています。
- 並びの固定度は科目でかなり違います。社会と国語(2018 年度まで)が非常に固く、大問の並びまで年をまたいで一致します。算数は大問 1(計算中心の小問集合)だけが 16 年動かず、大問 2〜4 は毎年書き下ろされます。理科は大問 4 題という数だけが固定され、分野の並び順は毎年入れ替わります。
- 配点は国語・算数が各 100 点、理科・社会が各 50 点。国語・算数が 2 倍の重みを持つ一方、理科・社会は 30 分しかないのに記述が 2〜6 問あり、時間当たりの負荷はむしろ理科・社会のほうが高くなっています。
家でやること 3 つ
- 理科・社会の「①資料から読み取れること→②自分の立場→③理由」の 3 段で書く練習を週 1 回。この学校で最も差がつく場所です。
- 国語の漢字を毎日。読み・書き 12〜16 問で全小問の 3〜4 割を占め、位置も問い方も動かない最も確実な得点源です。
- 算数の大問 1(16〜19 問中 8 問)を時間つきで。16 年動いていない入口です。
今週やる 1 つ
- 2024 年度社会大問 3 の核廃絶の設問(「まず、どちらの考えに賛成かを提示し、そのあとに理由を述べなさい。あなたが、2 人とまったく異なる考えを持っている場合は、まず 2 人の考えを否定してから、そのあとなぜ否定するのか、理由を述べなさい」)を読み、実際にこの型で書いてみます。
注意
- 原本で設問文まで読んだのは各科目 3 年分(国語は 2015・2016・2018 年度)で、それ以前は大問ごとの分野・単元の集計だけです。国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係)、この分析は 2018 年度までに限られます(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年度 | 構成だけ数えた年度 | 資料のある年度 | 年数 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2023・2024・2025 | 2010〜2022 | 2010〜2025 | 16 |
| 理科 | 2023・2024・2025 | 2010・2012・2014〜2022 | 2010〜2025(2011・2013 年度の問題は資料に無い) | 14 |
| 社会 | 2023・2024・2025 | 2010・2014〜2022 | 2010〜2025(2011〜2013 年度の問題は資料に無い) | 13 |
| 国語 | 2015・2016・2018 | 2010・2014 | 2010・2014・2015・2016・2018(2019 年度以降の問題文は著作権処理の関係で資料に無い) | 5 |
- 分析対象の回について: 手元の資料は年度×科目につき 1 冊で、4 科目そろっているので第 2 回一般 4 科(1 節)にあたるものと考えられる。2 科目入試・総合学力・国際生の問題は資料が無く、扱っていない。
- 配点は国語・算数が各 100 点、理科・社会が各 50 点(合計 300 点)で、国語・算数が理科・社会の 2 倍の配点である(詳細は 1 節)。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、2023・2024・2025 年度(国語は 2015・2016・2018 年度)の問題文を原本で読み直して確認したもの。「6 年連続」「7 年連続」「16 年」と書いたものは、それ以前の年について大問ごとの分野・単元の集計で確認したもので、設問文までは読んでいない。読んでいない年のことは断定していない。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形問題の細部・地形図・グラフの読み取りは、設問文と図の説明文からの推定を含む。
- 資料そのものの異常: 国語 2018 年度の転写だけ、漢字の読みと書き取りの 2 大問を 1 つにまとめて数えている(記録上は 3 大問・27 問)。設問文を読むと読み 6 問・書き 6 問が別々にあるので、実際は他の年と同じ 4 大問・37 問相当である。大問数の年次比較はこの年だけずれるため、本文では原本の設問文にもとづいて 4 大問として扱った。収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。 この学校では、別の学校の問題が混ざっている・同じ設問が二重に記録されている、といった異常は読んだ範囲では見つからなかった。
5. 一番大きな結論
茗溪学園は「4 科目すべてで『あなたはどう考えるか』を書かせる学校」である。そして科目によって、席が固定されている度合いがはっきり違う。
同じ場所に同じ種類の問題が来るという意味での並びの固定は、読んだ 3 年で科目ごとに次のように分かれた(同じ問題がそのまま出るという意味ではない)。
- 社会がいちばん固い。大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民という並びが読んだ 3 年で一致し、大問 2 が歴史である並びは 2019〜2025 年度の 7 年連続。大問 3 題は 2020〜2025 の 6 年連続。そして大問 3 の最終問は 3 年連続で「あなたの考えを述べなさい」である。
- 国語も固い(2018 年度まで)。大問 1 が漢字の読み・大問 2 が漢字の書き取り・大問 3 が物語・大問 4 が説明文で、読んだ 3 年が一致。大問 1 が漢字の読みである点は資料のある 5 年すべてで確認できる。記述はどの年も 7 問ちょうどだった。
- 算数は入口だけが固い。大問 1 は 2010〜2025 年度の 16 年すべてで四則計算から始まる小問集合。ここが最大の固定である。一方で大問 2〜4 は毎年書き下ろされ、単元も順序も入れ替わる。
- 理科は大問の数だけが固い。大問 4 題が 2018〜2025 の 8 年連続で、読んだ 3 年では物理・化学・生物・地学がちょうど 1 題ずつ。ただし並び順は毎年変わるので、「大問 2 は化学」といった席の決まりは無い。
そして 4 科目に共通して、答えが一つに決まらない問いに、自分で立場を選んで理由まで書かせる設問が置かれている。理科は「あなたならどのような方法で森林内の木の本数を推測するか」(2024)、社会は「どちらの考えに賛成かを提示し、そのあとに理由を述べなさい」(2024)、国語は理由説明の記述が毎年 7 問、算数も「答えだけでなく、途中の考え方も書きなさい」(2023)。選んで終わりの試験ではない。
したがって過去問の使い方は、①社会と国語は「同じ席を縦に」解く、②算数は大問 1 を縦に・大問 2〜4 は初見の設定を読む練習、③理科は分野ごとに拾い直して縦に解く、という科目別の使い分けになる。
6. この学校らしさが出る場所
- 登場人物の名前が校名から来ているように見える。社会 2024 の大問 3 は「先生と溪太さんと茗子さんの会話文」で、茗・溪の 2 字が人名に分けて入っている。理科は 2023 と 2025 に「メイコさん」、2024 に「メイ子さん」、2023・2025 に「ケイタさん」、2025 に「ソラさん」が登場する。読んだ 3 年すべての理科に「メイコ(メイ子)」がいる。社会 2023 の大問 1 は「茗溪学園中学校 1 年生のカナさんの発表原稿」という設定で始まる。
- つくばと茨城が題材になる。理科 2023 の大問 4 は「2022 年 6 月〜8 月のつくば市における最高気温と最低気温」で、1921〜2021 年のつくば(館野)の猛暑日の年間日数のグラフまで続く。理科 2025 の大問 4 は「3 月 1 日につくば市で」シリウスを観察する設定。社会 2024 の大問 2 は霞ヶ浦で、本文に「茗溪学園で利用する水の供給源であるこの湖」と書かれ、広畑貝塚の製塩土器・中世の小田氏・江戸時代の土浦のしょうゆ・近代の湖と、一つの湖で通史を通す作りになっている。
- 「あなたはどう考えるか」を 4 科目で聞く。理科は「緑地を太陽光発電の場に開発することについて、あなたの考えを述べなさい」(2024)、社会は「立憲主義の短所は何だと考えますか」(2025)と、答えが割れる問いをそのまま出す。2024 社会の核廃絶の設問は、「2 人とまったく異なる考えを持っている場合は、まず 2 人の考えを否定してから、そのあとなぜ否定するのか、理由を述べなさい」と、反論の作法まで指定している。
- 環境と持続可能性が伏流している。猛暑日の長期変化(理科 2023)、ヒートアイランドと太陽光発電(理科 2024)、森林と光合成(理科 2024)、加熱式弁当の捨て方(理科 2025)、宮古島の水資源と観光(社会 2023)、ビールびんのリユース(社会 2024)、カーボンニュートラルと再生可能エネルギー(社会 2025)。理科と社会の両方から同じ問題意識に届く作りになっている。
- 国語の本文が硬い。憲法 9 条の修正の経緯(2015)、キリスト教の説話をどう読むか(2016)、「フリーター」という言葉の歴史(2018)。物語も江戸時代の漂流民(2015)、辞書編集の現場(2016)と、大人の世界を扱う文章が多い。社会科の教養がそのまま読解を助ける、珍しい組み合わせになっている。
- 前年の出来事が入口になる。G7 広島サミット(社会 2024)、大阪・関西万博(社会 2025)、パリ五輪の聖火(理科 2025)。社会 2024 は「この会話はいつのものと考えられますか。年(西暦)と月を答えなさい」と、会話の時期そのものを推理させる問いまで置いている。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に。学年別の進め方は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- 「自分の考えを、理由をつけて書く」練習を週 1 回 — 理科と社会は 3 年連続で必ず出ます。全体としては「① 資料から読み取れること → ② 自分の立場 → ③ 理由」の 3 段で書く形を体に入れます。理科はさらに「① 根拠になる観察やデータ → ② 自分の判断 → ③ 理由」という書き方で、「あなたならどのような方法で森林内の木の本数を推測するか、自分の考えを述べなさい」(2024)のような問いに、実験の条件の比べ方(ふりこの実験 2023・タンポポの調査 2023・光合成のグラフ 2024)を踏まえて答える練習を。社会は大問 3 の最終問が 3 年連続で「あなたの考え」(2023 選挙がない期間の是非、2024 核廃絶、2025 立憲主義の短所)で、2024 は「まず、どちらの考えに賛成かを提示し、そのあとに理由を述べなさい。2 人とまったく異なる考えを持っている場合は、まず 2 人の考えを否定してから、そのあとなぜ否定するのか、理由を述べなさい」という反論の作法まで指定されます。社会の記述は「〈図〉から〇〇が読み取れる。だから△△になった」の 2 文を基本形にし、指示された観点(自然の条件と人の営み、原料の対比など)を全部使うことを毎回確認してください。この学校で最も差がつく場所です。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字 — 読み 6〜8 問・書き 6〜8 問で計 12〜16 問、全体の 3〜4 割を占めます。送り仮名つきの訓読み(任せる・自ら・集う・支える・補う・負う・富んで・拝んだ)と四字熟語(無病息災・無我夢中・起死回生)が毎年入ります。位置も問い方も動かない、最も確実な得点源です。(確認: 〜2018 年度。国語は 2019 年度以降の資料が無いため)
- [週末 60 分] 算数の大問 1(計算中心の小問集合)を時間つきで — 16〜19 問中 8 問がここに集まり、16 年動いていません。20 分で 8 問を目標にします。計算のくふう(「2025×79+2025×21」「9+98+997+9996+99995」のようにまとめて計算させる問題)と、立体図形 1 問(立方体を組んだ立体の体積・円すいの表面積・円すいの表面上の最短経路を展開図に直す問題)が 3 年連続で入るので、分配法則を手癖にし、展開図で考える練習もここに含めます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 2〜4「初見の設定を読む練習」 — 新しいきまりを読んで使う練習(約束記号・装置・料金表・操作の手順)が、読んだ 3 年の大問 2〜4 の 9 題中 6 題を占めます。「何が決まっていて何を求めるか」を箇条書きに直す作業を、9 題分やります。経路の数え上げ・色紙の重ね方・さいころの目の合計のような数え上げを表に整理する練習が 2023・2024 と 2 年連続、速さとグラフ(高度と時刻 2024、円形コースの周回 2025)が 2024・2025 と 2 年連続で大問 2 に来ています。2025 は 4 問が作図(点の動く範囲を斜線で示す・グラフに折れ線を描き足す)でした。「答えだけでなく、途中の考え方も書きなさい」に備える練習も(2023 に 2 問、出る年は大問の最終問に置かれます)。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会の時間配分と大問 3 対策 — 30 分・18〜24 問・記述 4〜6 問。選択と短答(語句や数値を短く答える形式)を 15 分で終え、大問 3 の記述に時間を残します。大問 3 から解くという手も検討に値します。憲法は条文レベルまで——三権分立の図(矢印が何を表すか)、条文と生活の事例の対応(2025 大問 3 問 2)、憲法改正の手続き、三原則。読んだ 3 年すべてに出ている、最も確実な得点源です。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 地形図と空中写真、理科は分野ごとに束ね直す — 社会は地形図・空中写真を毎週 1 枚。社会の大問 1 に 3 年連続で入っています。等高線・土地利用の記号(水田・畑・果樹園)・新旧の比較・地理院地図との対応まで、「読み取れないものを選べ」の形で練習すると効率がよいです。理科は並び順が毎年変わるので、「大問 2 だけを 3 年分縦に」という解き方は意味を持ちません。3 年分から「気象の大問」「生物の大問」と分野ごとに拾い直して束ねます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] グラフ・表から数値を読み取って計算する — 理科は温度差が最大になる時刻(2024)、約何年で 2 日増えるか(2023)、光合成量の読み取り(2024)のほか、てこのつり合い・発熱量と水の量・心臓が 1 分間に送り出す血液量・比例と逆比の計算が各大問に 1〜2 問入ります。四捨五入の桁指定(「小数第 1 位まで」)を毎回確認してください。社会は人口ピラミッド・発電量・土器の割合のような表を読む問題が毎年あります。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 国語の記述・知識、社会と理科の前年ニュース、身近な地域 — 国語は「〜はなぜですか。説明しなさい」を週 3 問(3 年とも記述 7 問。字数指定が無いので解答欄の大きさに合わせて 1〜2 文に収める)、「文中の表現を用いて」書く練習、5 択の「適切でないものを選ぶ」訓練、段落分け・構成の問題、憲法・宗教・労働のような硬めの説明文に慣れることを組み合わせます。社会・理科は前年〜前々年のニュースを「どの制度・どの地域・どの科学の話か」で仕分ける練習を——社会は国際会議・万博・エネルギー政策・人口減少、理科はパリ五輪の聖火(2025)・加熱式弁当(2025)・ネックの冷却材や太陽光発電(2024)・猛暑日やヒートアイランドのような気象と環境の題材(2023・2024 と 2 年連続)で、同じニュースが 2 科目に別々の顔で出ることがあります。社会は茨城県と身近な地域の地理・歴史も厚めに——霞ヶ浦・土浦・貝塚・中世の在地領主のような足元の題材が歴史の大問 2 に入る年があります(2024)。(確認: 〜2025 年度。国語は〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 並びの固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 入口だけ高い。大問 1 は 16 年すべて計算から始まる小問集合。大問 4 題は 6 年連続。大問 2〜4 は自由 | 新しいきまりを読んでから解く問題が大問 2〜4 の 3 分の 2。記号選択はほぼ無く答えを自分で書く | 大問 1 の 8 問を落とさないことと、計算のくふう |
| 理科 | 大問数だけ。4 題は 8 年連続だが分野の並び順は毎年変わる | 単元の偏りが小さく、どの分野からも出る。実験の手順を追わせる | 「あなたの考えを述べなさい」を書く練習と、グラフから数値を読む力 |
| 社会 | 非常に高い。地理 → 歴史 → 公民が 3 年一致、歴史の席は 7 年連続 | 30 分で 18〜24 問、うち記述 4〜6 問。地形図が 3 年連続 | 「立場 → 理由」で書く練習と、地形図の読図 |
| 国語 | 非常に高い(2018 年度まで)。漢字 2 大問+読解 2 大問。漢字の位置まで固定 | 漢字が全体の 3〜4 割。記述は 3 年とも 7 問で、ほぼすべて理由説明 | 漢字 12〜16 問と理由説明の記述 |
配点は国語・算数が各 100 点、理科・社会が各 50 点。国語と算数が 2 倍の重みを持つ一方で、理科・社会は 30 分しかないのに記述が 2〜6 問あり、時間当たりの負荷はむしろ理科・社会のほうが高い。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4 題・小問 16〜19)
年度×大問の題材表(原本で読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 小問集合 8 問(計算 2・約分できない分数の個数・余りからの整数の個数・おうぎ形 2 枚の斜線部・立方体 10 個を組んだ立体・食塩水・学校と家と図書館の速さ) | 分数どうしの新しい記号 ⊕ を決める(約束記号・大小比較・分母が最小の分数) | 経路の数え上げ(右・上・右上に進める図で A から B へ) | スマートフォンの月額料金のルール(動画の視聴時間と閲覧回数から料金を出す) |
| 2024 | 小問集合 8 問(計算 2・家から駅までを 4 等分した速さ・3 本のひもの和差算・2 店の割引の比較〈選択〉・3 個のさいころの目の合計・おうぎ形が半径の周りを回る移動・円すいの表面上の最短経路) | 飛行機の高度と時刻(速さとグラフ・毎分何 m 下降するか・海抜 3640 m 以上の時間帯) | 装置 A・B をつないだ装置 C(約束記号・逆算〈□にあてはまる数を求める計算〉) | 5 色の円の色紙の重ね方(場合の数・見える色の条件) |
| 2025 | 小問集合 8 問(計算 4・往復の平均の速さ・6 人の平均点・円の中の斜線部の面積・円すいの表面積) | 1 周 3 km のランニングコースを 3 周(速さとグラフ・逆回りの人の動きをグラフに描く・すれ違いと追い越しの時刻) | 2 つの円上を動く点 P・Q と、それらで決まる点 R が動く範囲(図形の移動・3 問とも作図) | 線分の間に和を書き入れる操作をくり返す(規則性・6 回後の総和) |
同じ種類の問題が同じ場所に来るという意味での並びの固定が、この学校の算数にははっきりある(同じ問題がそのまま出るという意味ではない)。
- 大問 1 は必ず「四則計算から始まる小問集合」。資料のある 2010〜2025 年度の 16 年すべてで大問 1 の先頭が四則計算である。読んだ 3 年ではいずれも小問 8 問で、「次の各問に答えなさい。□ については、あてはまる数を答えなさい」という同じ一文で始まる。
- 大問 1 の中に立体図形が 1 問入る。2023 は立方体 10 個を組んだ立体の体積、2024 は円すいの表面を通る最短経路、2025 は円すいの表面積。3 年連続で、しかも 2024・2025 は大問 1 の最終問に置かれている。
- 大問数 4 題は 2020〜2025 の 6 年連続。2010〜2019 年度は 5 題だったので、4 題体制はここ 6 年の形と見てよい。小問は 16〜19 問で、大問 1 に 8 問が集まり、大問 2〜4 は 2〜4 問ずつ。
- 大問 2〜4 は毎年書き下ろされる。2023 は約束記号 → 場合の数 → 料金のルール、2024 は速さとグラフ → 約束記号 → 場合の数、2025 は速さとグラフ → 図形の移動 → 規則性。単元も並び順も年ごとに入れ替わり、「去年と同じ単元が同じ席に来る」という期待は持てない。
つまりこの学校の算数は、入口(大問 1)が 16 年動かず、本体(大問 2〜4)は毎年作り直される構造になっている。過去問の使い方も、大問 1 は「同じ席を縦に」、大問 2〜4 は「初見の設定を読む練習」と分けるのが素直である。
頻出単元と周期
16 年分(2010〜2025)の単元の分布は、計算 34%・数の性質と規則性 14%・平面図形 13%・速さ 12%・割合と文章題 12%。計算が全小問の 3 分の 1 を占めるのがこの学校の際立った数字で、大問 1 の 8 問構成がそのまま効いている。
| 単元 | 読んだ 3 年での様子 | 16 年分での位置づけ |
|---|---|---|
| 計算(大問 1 の先頭) | 2023・2024 は 2 問、2025 は 4 問。整数の四則、分数と小数の混合、くふうして計算する形 | 2010〜2025 の 16 年すべてで大問 1。皆勤 |
| 速さ・速さとグラフ | 3 年すべてに登場。2023 大問 1(8)、2024 大問 1(3) と大問 2、2025 大問 1(5) と大問 2 | 2010・2012・2015・2016・2017・2018・2019・2020・2024・2025 と最頻クラス。2024・2025 は大問 2 が速さとグラフで 2 年連続 |
| 約束記号(新しい記号や装置を決める) | 2023 大問 2(分数の ⊕)、2024 大問 3(装置 C) | 2020・2022・2023・2024 の 4 回。2022〜2024 は 3 年連続。2025 は出ていない |
| 場合の数 | 2023 大問 3(経路)、2024 大問 4(色紙の重ね方) | 2023・2024 の 2 年連続。数え上げを表に整理する形 |
| 立体図形 | 3 年とも大問 1 に 1 問(立方体の組み合わせ・円すいの最短経路・円すいの表面積) | 2016 切断、2021 切断など大問でも登場 |
| 円とおうぎ形 | 2023 大問 1(5)(おうぎ形 2 枚の斜線部)、2025 大問 1(7)(円の中の斜線部)、2024 大問 1(7)(おうぎ形の回転移動) | 2010・2011・2013・2014・2018・2020 と大問でも定期的 |
| 規則性・数列 | 2025 大問 4(線分に和を書き入れる操作) | 2013・2014・2017・2021・2022・2025 と 6 回。3〜4 年おきに戻ってくる |
| 図形の移動 | 2025 大問 3(点 R の動く範囲・作図 3 問) | 2015・2017・2025 の 3 回 |
問い方の特徴
- 大問 2〜4 は「ルールを読んでから解く」問題。新しい記号の決め方(2023)、装置のしくみ(2024)、料金の決まり(2023)、操作の手順(2025)と、その場で説明されたきまりを正しく受け取れるかが入口になっている。読んだ 3 年の大問 2〜4 の 9 題中 6 題がこの作りだった。
- 段階を追って誘導する。大問 2〜4 は (1) で具体的な数を作らせ、(2)(3) で条件を変え、最後に一般化や逆算(□にあてはまる数を求める計算)を問う流れが 3 年に共通する。(1) は取りやすい設計なので、大問 2〜4 の (1) を 3 題とも拾うだけで小問 3 問になる。
- 「答えだけでなく、途中の考え方も書きなさい」が出る年がある。2023 は 2 問(大問 2(4) 分母が最小の分数、大問 4(4) 視聴時間の範囲)。ただし 2024・2025 の原本にはこの指示が無く、毎年必ず出るとは言えない。出る年は大問の最終問に置かれている。
- 答えを自分で書く試験。読んだ 3 年で記号選択は 2024 の 1 問(○をつける形)だけ。16 年分の集計でも選択 0%・短答 94% で、選択肢から選んで逃げる場面がほとんど無い。
- 「すべて答えなさい」が出る。2025 大問 2 は「A さんと B さんがすれ違う時刻をすべて答えなさい」で、1 つでも落とすと点にならない形。
- 西暦を数字に仕込む。2023 は大問 4(1) の「データ通信量が 2023 MB である月」、2025 は大問 1(1) の「2025×79+2025×21」。読んだ 3 年のうち 2 年で確認できた。
8-2. 理科(30 分・50 点・大問 4 題・小問 15〜20)
年度×大問の題材表(原本で読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 化学|スチールウールの燃焼(実験 A・B・C、燃えた後の重さの変化・性質の変化を確かめる方法) | 物理|ブランコに見立てたふりこ(「だれよりも速くこぐには」という自由研究の設定) | 生物|タンポポの花のつくり(綿毛の正体・セイヨウとカントウのタネの重さと落下速度) | 地学|つくば市の 2022 年 6〜8 月の気温(猛暑日の日数・1921〜2021 年の長期変化のグラフ) |
| 2024 | 物理|てこ(支点と力点の位置・200 kg のバイクを持ち上げる計算・つなわたりの棒) | 地学|猛暑日の芝生面と黒石畳・白石畳の温度(ヒートアイランドと太陽光発電の是非) | 化学|○・☆・+のカードを並べて物質のでき方を表す(決められたルールに従う数え上げ) | 生物|森林と光合成(陽生植物・陰生植物のグラフ・森林の木の本数の推測法) |
| 2025 | 化学|加熱式弁当の生石灰と水(発熱量の計算・油で実験したらどうなるか・未使用品の捨て方) | 生物|人体(吸う息とはく息・心臓が 1 分に送り出す血液量の計算・高地での拍動数・植物の呼吸) | 物理|パリ五輪の聖火の点火に使う鏡(凹面鏡の形・鏡にうつる図の作図・生活の中の鏡) | 地学|つくば市で 3 月 1 日に見たシリウス(方位・星の色・2 時間後の位置・星の明るさと距離) |
理科は大問の数だけが固定され、分野の席は毎年入れ替わる。
- 大問 4 題は資料のある 2018〜2025 年度の 8 年連続。それ以前(2010〜2017 年度)は 7〜12 題だったので、4 題体制は 2018 年度からの形である。小問は 15〜20 問。
- 物理・化学・生物・地学が 1 題ずつ。読んだ 3 年すべてで、4 つの大問がちょうど 4 分野に 1 題ずつ割り当てられていた。ただし並び順は毎年変わる(2023 は化 → 物 → 生 → 地、2024 は物 → 地 → 化 → 生、2025 は化 → 生 → 物 → 地)。「大問 1 は物理」というような席の決まりは無い。
- したがって「大問 2 だけを 3 年分縦に」という解き方は、この学校の理科では意味を持たない。分野ごとに拾い直して縦に解く(3 年分の気象の大問だけ、3 年分の生物の大問だけ)という組み替えが要る。
- 単元の分布も 14 年分で非常に平らで、最頻の気象と植物でも 9% ずつ。どの分野からでも出ると考えておくのが安全である。
頻出単元と周期
| 分野 | 読んだ 3 年での様子 | 14 年分(2010〜2025)での位置づけ |
|---|---|---|
| 気象・天気 | 2023 大問 4(猛暑日)、2024 大問 2(ヒートアイランド)で 2 年連続 | 単元別で最頻の 9%。2010・2014・2016・2017・2018・2023・2024 |
| 植物のつくりとはたらき | 2023 大問 3(タンポポ)、2024 大問 4(光合成のグラフ)、2025 大問 2(6)(植物の呼吸) | 9% で気象と並ぶ最頻。3 年連続で顔を出す |
| 天体(星・星座・月・太陽) | 2025 大問 4(シリウスの観察) | 星・星座 7%。2010・2012・2014・2015・2016・2019・2021・2025 |
| 熱と状態変化 | 2025 大問 1(生石灰の発熱量) | 7%。2010・2012・2014・2016・2018・2025 |
| 人体 | 2025 大問 2 | 2017・2022・2025 と 3 回。3 年おきに戻ってきている |
| 力学(てこ・ふりこ・浮力) | 2023 大問 2(ふりこ)、2024 大問 1(てこ) | ふりこは 2012・2014・2017・2018・2019・2023 と 6 回で物理の最頻。てこは 2012・2014・2016・2024 |
| 燃焼・質量保存・量的関係 | 2023 大問 1(スチールウール)、2024 大問 3(カードのルール) | 2016・2023 燃焼、2024 質量保存 |
問い方の特徴
- 「あなたならどうするか」を書かせるのがこの学校の理科の顔である。読んだ 3 年すべてで確認できた。2023 は「もしあなたがメイコさんだったら、どのような乗り方をしますか。あなたの考えを書きなさい」(ふりこ)と「あなたが調査を行うとしたら、気をつけて行うことはどんなことですか。複数考えうるときは、その中で一番重要だと思うことを 1 つ答えなさい」(タンポポ)、2024 は「緑地を太陽光発電の場に開発することについて、あなたの考えを述べなさい」と「あなたならどのような方法で森林内の木の本数を推測するか、自分の考えを述べなさい」、2025 は「未使用の加熱式弁当を、安全面に注目してどのように捨てれば良いですか」と「最も重要と考えるものを説明しなさい」。答えが一つに決まらない問いに、自分で一つ選んで理由まで書かせる形が毎年入る。
- 記述は 15〜25%。2023 は 20 問中 5 問(25%)、2024 は 15 問中 2 問(13%)、2025 は 20 問中 3 問+選択と説明を組み合わせた問いが 2 問(合わせて 25%)。年による幅はあるが、記述ゼロの年は読んだ 3 年に無い。
- 実験の手順をそのまま追わせる。2023 の大問 1 は【実験 A】【実験 B】【実験 C】の 3 段構えで、表の空欄に「どのような結果になりましたか」を 12 字以内で書かせる。実験結果を予想し、性質の違いを確かめる別の方法を自分で考案させる問いまで続く。
- 文の形を指定して書かせることがある。2023 大問 4(3)「『〇〇ので、△△と考えられる。』という文で答えなさい。ただし、〇〇には表 1 から読み取れる内容を書くこと」。根拠 → 結論の順で書く訓練がそのまま点になる。
- 計算は各大問に 1〜2 問。てこのつり合い(2024)、発熱量と比熱(2025 の生石灰・油)、心臓が 1 分間に送り出す血液量(2025)、猛暑日の日数の増え方(2023)。理科の中に算数が入り込むので、四捨五入の桁指定(「小数第 1 位まで」)にも注意が要る。
- 記号選択が 40〜50%。「すべて選び、記号で答えなさい」(2023 大問 4(1) 百葉箱の置き場所)や、「ア〜ウから 1 つ選び、さらにその理由を簡単に説明しなさい」(2025 大問 1(4))のように、選んだ後に理由を書かせる形が混ざる。
- 会話文で進む大問がある。2025 大問 2 は「メイコさんとケイタさんの会話を読んで」から始まり、空欄に入る語を選ばせながら人体の話が進む。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 3 題・小問 18〜24)
年度×大問の題材表(原本で読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 中学 1 年生のカナさんによる宮古島の発表原稿(人口ピラミッド・地形図の畑記号・地下ダム・観光と水) | 千葉氏と佐竹氏を軸に、鎌倉の御家人から江戸の大名へ(領地と武士の結びつきの変化) | 三権分立・議院内閣制・選挙(憲法改正の手続き・「選挙がない期間が長いこと」の是非) |
| 2024 | ビールびんのリユースから工業立地へ(セメント工場と鉄鋼工場の位置の違い・山口県の地形図と地理院地図) | 霞ヶ浦の歴史(広畑貝塚の製塩土器・小田氏・江戸時代の土浦のしょうゆ・近代の湖と戦争) | G7 サミットと核兵器禁止条約(先生・溪太さん・茗子さんの会話・憲法の三原則との対応) |
| 2025 | 大阪・関西万博から日本の課題へ(高齢化のグラフ・万博跡地の空中写真と地形図・再生可能エネルギー・太陽光発電の課題) | 「時代」の名前をたどる通史(稲荷山古墳の鉄剣と干支の計算・十七条の憲法・『古事記』『日本書紀』の読み方) | モンテスキュー『法の精神』から三権分立・人権の事例と憲法の条文・立憲主義の長所と短所 |
社会はこの学校で並びの固定が最もはっきりしている科目である(同じ問題がそのまま出るという意味ではない)。
- 大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民。読んだ 3 年(2023・2024・2025)で完全に一致した。大問 2 が歴史である並びは、大問ごとの分野の集計まで含めると 2019〜2025 年度の 7 年連続で確認できる。
- 大問 3 題は 2020〜2025 年度の 6 年連続。2010〜2019 年度は 4〜8 題だったので、3 題体制は 2020 年度からの形である。小問は 18〜24 問。
- 大問 1 に地形図か空中写真がほぼ必ず入る。2023 は宮古島の地形図(畑の記号が多い理由)、2024 は山口県のセメント工場付近の地形図と地理院地図の比較、2025 は万博跡地の空中写真と地形図の読み比べ。3 年連続で、いずれも「読み取れる内容として適当でないものを選べ」または記述につながっている。
- 大問 3 の最後は「あなたの考え」を書かせる記述。2023 は「選挙がない期間が長いこと」を望ましくないと見る理由、2024 は核廃絶について 2 人のどちらに賛成か、2025 は立憲主義の短所。3 年連続で最終問に置かれているので、時間切れで大問 3 に到達できないと、この学校が一番書かせたい問いを白紙にすることになる。
- 大問 1・大問 2 の中身は毎年書き下ろされる。地理は宮古島 → 工業立地 → エネルギー、歴史は中世〜近世 → 霞ヶ浦の通史 → 時代区分の通史と、単元も時代も入れ替わる。
頻出単元と周期
13 年分(2010〜2025)の分布は、公民の憲法・政治 19%・歴史の古代〜中世 19%・地理の産業 13%・歴史の近現代 12%・地理の地図と地形と気候 12%。細かく見ると、日本国憲法 11%・鎌倉室町 7%・地形図の読図 6%・飛鳥奈良 6%・幕末明治 6% の順になる。
| 単元 | 読んだ 3 年での様子 | 13 年分での位置づけ |
|---|---|---|
| 日本国憲法・三権分立 | 2023 大問 3(議院内閣制と憲法改正)、2024 大問 3 問 6(三原則との対応)、2025 大問 3(条文と事例の対応・立憲主義) | 単元別で最頻の 11%。2014・2015・2017・2018・2025 と大問でも。読んだ 3 年すべてに登場 |
| 地形図・空中写真の読図 | 3 年連続(宮古島・山口県のセメント工場・万博跡地) | 6%。2014〜2018 は 5 年連続で大問にあった。この学校の看板 |
| 国際社会・国際協力 | 2023 大問 1(宮古島の位置と近隣国)、2024 大問 3(G7・核兵器禁止条約) | 2016・2023・2024 |
| 原始・古代 | 2024 大問 2 問 6(広畑貝塚の製塩土器)、2025 大問 2(稲荷山古墳の鉄剣・十七条の憲法) | 飛鳥奈良 6%。2014・2015・2016・2020・2021・2024・2025 |
| 鎌倉・室町 | 2023 大問 2(御家人と領地)、2024 大問 2 問 4(小田氏) | 7%。2017・2018・2022・2023 |
| 幕末・明治維新/近代の戦争 | 2023 大問 2 問 4・5(大名の配置)、2024 大問 2(近代の霞ヶ浦)、2025 大問 2 問 5 | 6%。2010・2014・2015・2016・2017・2018・2019・2024 |
| 工業・産業・貿易・資源 | 2024 大問 1(セメントと鉄鋼の立地)、2025 大問 1(再生可能エネルギー) | 地理-産業 13%。2010・2016・2020・2022・2024・2025 |
| 人口・都市問題 | 2023 大問 1 問 2(宮古島の人口ピラミッド)、2025 大問 1 問 2(高齢化のグラフ) | 2 年連続 |
問い方の特徴
- 「あなたの考えを述べなさい」が毎年ある。しかも書き方まで指示される。2024 大問 3 問 8 は「まず、どちらの考えに賛成かを提示し、そのあとに理由を述べなさい。あなたが、2 人とまったく異なる考えを持っている場合は、まず 2 人の考えを否定してから、そのあとなぜ否定するのか、理由を述べなさい」。立場 → 理由の順で書くという形式が、そのまま設問文に書き込まれている。
- 記述が全体の 21〜33%。2023 は 18 問中 6 問(33%)、2024 は 24 問中 5 問(21%)、2025 は 20 問中 5 問(25%)。小問 5 問に 1 問以上が記述という比率は、30 分の試験としては重い。
- 資料を根拠に理由を説明させるのが記述の主力。2024 大問 2 問 3「江戸時代に土浦でしょうゆの生産が盛んになった理由を、〈図 3〉と《江戸時代におけるしょうゆの情報》を参考にしながら、自然の条件と人の営みに注目して説明しなさい」のように、どの資料を見て何に注目するかまで指定される。指示された観点を全部使わないと減点される作りである。
- 指定語句つきの記述がある。2025 大問 1 問 3(2)「以下の語句を用いて、〈図 3〉の農地の利用の特徴について説明しなさい。語句:水田、畑、果樹園」。
- 記号選択は「適当でないものを 1 つ選べ」が主軸。2024・2025 の複数問で確認でき、資料から読み取れることを 4 つ並べて誤りを見つけさせる形。グラフや地形図を細かく確認する読み方が要る。
- 会話文で進む大問が増えている。2024 は大問 1(赤城さん・榛名さんと先生)と大問 3(先生・溪太さん・茗子さん)の 2 つ、2025 は大問 1 が会話文。登場人物 2 人の意見が対立し、どちらに賛成かを書かせるという作りが 2024 大問 3 に出ている。
- 前年〜当年のニュースが大問の入口になる。2024 は G7 広島サミット(2023 年 5 月)で、「この会話はいつのものと考えられますか。年(西暦)と月を答えなさい」と会話の時期そのものを問う。2025 は大阪・関西万博。
- 歴史でも「資料をどう読むか」を問う。2025 大問 2 問 4 は『古事記』『日本書紀』を「どのようなことを考えながら読むべきか」、同問 2 は稲荷山古墳の鉄剣の「辛亥」を干支の 60 年周期の表から西暦に絞り込ませる。暗記だけでは届かない。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 4 題・小問 36〜37。2010〜2018 年度の資料のみ)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2015・2016・2018 年度の 3 年を原本で読んだ結果に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい。資料のある年は 2010・2014・2015・2016・2018 の 5 年である。
年度×大問の題材表(原本で読んだ 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 漢字の読み 8 問(簡潔・至難・口座・任せる・容易・誤った・絹織物・無病息災) | 漢字の書き取り 8 問(宿泊・補う・遺失物・観察・余る・操縦・銭湯・無我夢中) | 物語 10 問|石森史郎『ゴンザ』(江戸時代、薩摩から漂流した少年がスケートを教わる場面) | 説明文 10 問|池上彰『憲法はむずかしくない』(憲法 9 条の芦田修正と文民条項) |
| 2016 | 漢字の読み 8 問(案内・方角・集う・自ら・中腹・策略・忠告・一致団結) | 漢字の書き取り 8 問(負う・深刻・歓喜・秘境・穀物・賛成派・寸法・起死回生) | 物語 11 問|辞書編集部の荒木が「馬締」という男をスカウトする場面(出典は資料に記載なし) | 評論 10 問|キリスト教と「石を投げる者」の話(イエスの言葉をどう読むか) |
| 2018 | 漢字の読み 6 問(支える・備わった・才覚・初版本・通達・見聞) | 漢字の書き取り 6 問(恩師・富んで・輸血・灰色・拝んだ・除幕式) | 物語 12 問|小学 4 年生の「私」と 5 年生の「シモダくん」・図書委員の選挙(出典は資料に記載なし) | 評論 13 問|「フリーター」という言葉の成り立ちと歴史(1987 年ごろの流行から) |
国語はこの学校の 4 科目でいちばん並びが動かない(同じ問題がそのまま出るという意味ではない)。
- 大問 1 が漢字の読み、大問 2 が漢字の書き取り、大問 3 が物語、大問 4 が説明文・評論。読んだ 3 年(2015・2016・2018)で完全に一致した。大問 1 が漢字の読みである点は、資料のある 5 年(2010・2014・2015・2016・2018)すべてで確認できる。
- 漢字は読みと書きが同数。2015・2016 は各 8 問、2018 は各 6 問。問い方の一文も 3 年とも同じで、「線部の漢字の読みをひらがなで書きなさい」「線部のカタカナを漢字になおしなさい」。
- 漢字が全小問の 3〜4 割を占める。2015 は 36 問中 16 問(44%)、2016 は 37 問中 16 問(43%)、2018 は 37 問相当のうち 12 問(32%)。この学校の国語で最も大きく、最も確実な得点の塊である。
- 記述は 3 年とも 7 問。2015・2016・2018 のいずれも記述が 7 問で、大問 3 と大問 4 に 3〜4 問ずつ振り分けられている。この一致は偶然とは考えにくい。
- 読解大問の最後は「人物像」か「文章の分け方」。2015 は大問 3 の最終 2 問が「ソウザはどのような人物か」と「文章全体を四つに分けるとしたら」、2016 は大問 3 の問 9・10 が馬締と荒木の人物像、大問 4 の最終問が「三つに分けるとしたら」、2018 は大問 2 の問 11 が「私」の人物像、大問 3 の最終問が「三つのまとまりに分けると」。3 年連続で、読解の締めが人物像と文章構成になっている。
頻出と周期
| 出題 | 読んだ 3 年での様子 | 5 年分(2010〜2018)での位置づけ |
|---|---|---|
| 漢字の読み(大問 1) | 3 年とも 6〜8 問。訓読み(任せる・自ら・集う・支える・拝んだ)が半分近く | 5 年すべてで大問 1。皆勤 |
| 漢字の書き取り(大問 2) | 3 年とも 6〜8 問。四字熟語が毎年 1 問(無我夢中・起死回生)、送り仮名つき(補う・負う・富んで)も毎年 | 5 年分の単元別で漢字が 28%。最頻 |
| 記号選択 | 3 年で 11〜13 問(31〜44%)。5 択が中心 | 5 年分で 27%。漢字に次ぐ |
| 記述(理由説明) | 3 年とも 7 問(19〜26%)。ほぼすべてが「〜はなぜですか。説明しなさい」 | 5 年分の記述系が 22%、うち理由説明が 16% |
| 抜き出し(字数指定つき) | 2015「九字で」、2016「最初の五字を」、2018「九字で」「十六字で」 | 抜き出し・空欄補充が 17% |
| 空欄補充(接続語・擬態語・語句) | 3 年とも 2〜4 問。「すーっと」「ふらふら」「じわじわ」のような擬態語と、「むしろ」「したがって」の接続語 | 空欄補充が 8% |
| 文章構成・段落分け | 2015 に 2 問、2016 に 1 問、2018 に 1 問 | 構成・表現が 4% |
問い方の特徴
- 記述はすべて「理由を説明しなさい」の一本。読んだ 3 年の記述 21 問のうち大半が理由説明で、残りが内容説明(「『お父さんみたいに』とは上級生のどのような様子をたとえているか」2018、「『裏を取る』とはどのような意味か」2018)。字数指定は 3 年とも無く、解答欄の大きさで分量が決まる。
- 1 問で 2 つ聞く記述がある。2016 大問 4 問 3 は「(1)『年長者から順に』去って行ったのはどうしてですか。(2) みんな一緒ではなく、一人一人去って行ったのはどうしてですか。それぞれの理由を文中の表現を用いて説明しなさい」。「文中の表現を用いて」という条件が付く問いがあるので、本文の言葉を拾って組み立てる書き方に慣れておきたい。
- 選択肢は 5 択(ア〜オ)が基本で、「適切でないものを一つ選び」が毎年ある。2016 は 11 問中 3 問が「適切でない」を選ばせる形。選択肢 5 本を全部本文と照合する必要があり、消去法で速く回す訓練が要る。
- 説明文の最後に必ず文章全体の構成を問う。「三つに分けるとしたら」「四つに分けるとしたら」。段落番号が本文に振ってあるので、読みながら話題の切れ目に印を付ける読み方が直接点になる。
- 物語は「登場人物がどういう人か」に収束する。3 年とも終盤に人物像の選択問題が置かれ、しかも 2016 は荒木と馬締の 2 人分を続けて問う。
- 本文の素材が硬め。憲法改正の経緯(2015)、キリスト教の説話とその読み方(2016)、「フリーター」という言葉の歴史(2018)と、社会科の教養がそのまま読解を助ける作りになっている。物語も、江戸時代の漂流民(2015)、辞書編集の現場(2016)と、子ども向けの物語ばかりではない。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
大問の主要単元として数えたものです。精読していない年の細部は保証しません。最終確認年度は、その単元が大問として出たことを確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 大問で出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 水量(容器に水を入れる・傾ける) | 2011・2013・2014・2016 | 2016 | 2016 を最後に 9 年見えない |
| 算数 | 縮尺・拡大縮小 | 2011・2015・2016・2017・2018 | 2018 | 5 年に 5 回出た時期がある。2018 を最後に 7 年出ていない。戻ってきてもおかしくない |
| 算数 | 論理・推理 | 2012・2015・2019 | 2019 | 2019 を最後に 6 年出ていない |
| 算数 | 約束記号 | 2020・2022・2023・2024 | 2024 | 2022〜2024 の 3 年連続のあと 2025 は出ていない。連続が切れただけで消えたとは考えにくい |
| 理科 | 電気回路と電磁石 | 2010・2014・2016・2020・2022 | 2022 | 3 年空白だが、14 年分では定期的に来ている |
| 理科 | 水溶液の性質・溶解度・濃度 | 2015・2020・2021 | 2021 | 2021 を最後に 4 年見えない |
| 理科 | 地層・岩石・流水のはたらき | 地層 2014・2016/流水 2017・2020・2022 | 地層 2016/流水 2022 | 地層は 2016 を最後に 9 年、流水は 2022 を最後に 3 年空白。地学の大問は天体と気象が続いているので、大地の分野が戻る番と考えられる |
| 理科 | 月・太陽の動き | 太陽 2017/月 2019 | 2019 | 2025 は恒星(シリウス)だったので、月の満ち欠けと出没時刻は空いている |
| 社会 | 気候・雨温図 | 2018 | 2018 | 7 年出ていない。地理の大問は産業・エネルギー・人口が続いているので、自然地理が戻る番と考えられる |
| 社会 | 農林水産業 | 農業 2015・水産業 2017・林業 2022 | 2022 | 読んだ 3 年では 2023 の宮古島の畑、2025 の農地の利用の記述と、地形図の中に埋め込まれた形でしか出ていない |
| 社会 | 戦後・現代史 | 2015 | 2015 | 10 年出ていない。歴史の大問 2 は古代〜近代で止まる年が続いている |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2014 | 2014 | 読んだ 3 年では見えない。公民の大問 3 は三権分立・人権・国際が続いている |
| 国語 | 抜き出し(字数指定つき) | 2015・2016・2018 | 2018 | 2018 に 2 問あったが 2015 は 1 問、2016 は 1 問と少ない。出たときに落とさないよう練習はしておきたい |
| 国語 | 知識の独立大問(四字熟語・慣用句・ことわざ) | — | — | 漢字以外の知識大問は読んだ 3 年に無い。慣用句は読解の中の 1 問として出ている(2016・2018) |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | — | — | 資料のある 5 年で見えない。ただし読解が 2 本だけの構成なので、入る余地は小さい |
10. 形式面の注意
配点と時間は科目でまったく違います。国語 50 分・100 点、算数 50 分・100 点、理科 30 分・50 点、社会 30 分・50 点。理科と社会は時間も配点も半分ですが、記述は理科 2〜5 問・社会 4〜6 問あり、時間当たりの負荷はむしろ理科・社会のほうが重くなります。4 科目すべてに書かせる問いがあり、記述の割合は国語 19〜26%、社会 21〜33%、理科 13〜25%、算数 0〜11%——書く問いを白紙にする癖があると全科目で失点する設計です。記号選択の重さも科目でまったく違い、社会 46〜50%、理科 40〜50%、国語 31〜44%、算数はほぼ無し(0〜6%)——算数と社会で頭の使い方を切り替える必要があります。「適当でないものを選べ」が社会と国語の主軸で、「すべて選び」も理科・社会に出ます。
- 算数: 50 分・大問 4 題・小問 16〜19。大問 1 に 8 問が集まるので、大問 1 を 20 分で終えて残り 30 分を大問 2〜4 に配るのが現実的な配分になる。大問 2〜4 は設定文を読む時間が要る。記号選択はほぼ無く(0〜6%)、答えを自分で書く試験。作図が出る年がある——2025 は全 17 問中 4 問(24%)が作図で、大問 2(1) はグラフに動きを描き入れる問題、大問 3 は 3 問続けて「点 R が動いてできる図形を描きなさい」「動く範囲をすべて描きなさい」。2023・2024 の原本には作図が無かったので、近年になって入ってきた形と読める。定規・コンパスを使う前提で練習しておきたい。円周率は 3.14——2024・2025 の大問 1 の導入文に「円周率は 3.14 とします」と明示されている(2023 は記載を確認できなかった)。単位を付けて答える問題が多く(cm・cm²・cm³・分速 m・何時何分何秒)、2024 大問 2(3) の「午前何時何分何秒から午前何時何分何秒までの間か」のように答えの形が細かく指定される。
- 理科: 30 分・大問 4 題・小問 15〜20。うち 2〜5 問が記述で、計算も各大問に入るため、書く問いを後回しにすると全部落ちる時間設計。先に選択と短答を全部埋め、残り時間を記述に充てる練習をしておきたい。図・グラフの読み取りが非常に多く(14 年分で有図の小問が 61%)、折れ線(気温・光合成量・猛暑日の年間日数)・実験の装置図・星の配置図・人体の模式図が出る。作図が出る年がある——2025 大問 3(2) は鏡にうつる図を解答用紙にかく問題。2023・2024 には作図が無かった。字数指定は少なく、読んだ 3 年で 2023 の「12 字以内」だけで、記述の分量は解答欄の大きさで決まる形。用語を漢字で書かせる問い(「気管」など)が各年 1〜2 問。「すべて選び、記号で答えなさい」(2023 大問 4(1) 百葉箱の置き場所)や、「ア〜ウから 1 つ選び、さらにその理由を簡単に説明しなさい」(2025 大問 1(4))のように、選んだ後に理由を書かせる形が混ざる。
- 社会: 30 分・大問 3 題・小問 18〜24。うち 4〜6 問が記述で、この配分がこの学校の社会の最大の難所。記述に使える時間を先に確保する(選択と短答を 15 分で終える)ペース配分を過去問で必ず作っておきたい。大問 3(公民)が最も小問数が多い年がある(2024 は 11 問)。前から順に解くと最後の記述に届かないので、大問 3 から始めるという選択肢も検討に値する。全大問に図表がつく——人口ピラミッド・折れ線グラフ・地形図・空中写真・古地図・貝塚の土器の割合・各国の発電量の表。13 年分で有図の小問が 32%、設問文と導入文を合わせると 4,400 字級で、読む量が多い。語句は漢字で答えるものが中心で、「カタカナで」の指定もある(2025 のカーボンニュートラル)。字数指定は少なく、解答欄の大きさで分量が決まる形(13 年分で字数指定のある冊は 31%)——「解答欄にあう形で説明しなさい」(2023)のように書き出しや文末が決まっている年もある。
- 国語(2018 年度までの資料): 50 分・大問 4 題・小問 36〜37。うち漢字が 12〜16 問、記述が 7 問。漢字を 5 分で終え、読解 2 本に 20 分ずつという配分が素直になる。記述に字数指定が無いので、解答欄の行数を見て分量を決める練習が要る。読解は 2 本だけで、1 本あたりの設問が 10〜13 問と多い。1 本を深く問う作りなので、途中で読み違えると連鎖して失点する。本文を最後まで読んでから設問に入る読み方が向く。段落番号が本文に振られる年がある(2015 大問 4、2016 大問 4、2018 大問 3)——構成を問う設問への布石になっている。5 択の選択肢が基本で、「適切でないものを一つ選び」が毎年ある。資料上の注意(2018 年度の転写の数え方の違い)は 4 節を参照。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
小 4(土台)
- 計算の正確さ。算数の大問 1 は 16 年ずっと四則計算から始まる。整数・小数・分数の四則がそのまま出るので、学年に関係なく毎日。
- 漢字と語彙。国語は読み・書きが同数の固定枠で、全体の 3〜4 割。送り仮名つきの訓読み(任せる・自ら・集う・支える)から始める。
- 地図を眺める習慣。社会の大問 1 には 3 年連続で地形図か空中写真が入る。住んでいる場所の地図・地図記号・等高線を、遊びの延長で。
- 身のまわりの「なぜ」を口に出す。理科と社会は「あなたの考えを述べなさい」が毎年ある学校である。天気・虫・植物・道具のしくみについて、理由を言葉にする会話を早くから。時間を計るのはまだ先でよい。
小 5(幅)
- 単元を一巡させる年。算数の大問 2〜4 は毎年書き下ろされ、理科は 14 年分の単元分布が非常に平ら(最頻でも 9%)。どの単元が来ても解ける状態が要るので、上の頻出単元表を「小 5 で一巡するリスト」として使うとよい。
- 社会は通史と地理を並行で。歴史(大問 2)と公民(大問 3)の席が決まっているので、この 3 本立てで組むと入試の並びとそのまま重なる。
- 短い記述を書き始める。理由を 2〜3 文で書く習慣。4 科目すべてに書く問いがあるので、この学校では小 5 から始めておく価値が大きい。
- グラフと表を読む。折れ線・棒・人口ピラミッド・割合の表。理科と社会の両方に毎年ある。
- 国語は説明文の話題を広げる。憲法・宗教・労働と、硬めの題材が本文になる。社会の勉強がそのまま国語に効く(ただし国語は 2019 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい → 13 節)。
小 5 の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は国語の漢字と、社会の通史・地理の一問一答に充てます。週末 60 分は算数の大問 2〜4 に相当する単元一巡(上の頻出単元表を一巡リストとして使う)と、理由を 2〜3 文で書く記述練習、グラフと表を読む練習に充てます。
小 6(仕上げ)
- 上の 7 節「今からやるなら」の 8 項目がそのまま小 6 の課題になる。
- 夏以降は 2 通りの解き方を併用する。①同じ席を縦に(社会の大問 3 だけ 3 年分、国語の漢字だけ 5 年分、算数の大問 1 だけ 3 年分)、②年度通しで時間を計る(とくに 30 分の理科・社会)。社会と国語は席が固定されているので ① の効果が大きい。
- 理科だけは組み替える。分野の並びが毎年変わるので、席ではなく分野ごとに束ねて縦に解く。
- 記述の 4 科目まとめ練習。週 1 回、理科の「あなたの考え」・社会の「立場と理由」・国語の理由説明・算数の「途中の考え方」を一気に。作図の道具(定規・コンパス)も試験で使う前提で。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは 小 5 の「幅」と、小 4 から積む「理由を言葉にする習慣」の二つである。席が決まっているのは社会と国語で、そこに入る中身は毎年書き下ろされる。つまり「この単元が出る」と絞り込むことはできず、単元プールの網羅がそのまま得点になる。そのうえで、この学校は 4 科目すべてで「あなたはどう考えるか」を聞いてくる。理由を筋道立てて話す力は、小 6 の数か月では作りにくい。小 4 で計算と漢字と「なぜ」の会話を、小 5 で 4 科目の単元を一巡させ、小 6 で席を縦に解く——この順序がこの学校の作りに素直に合う。
12. この学校と併願するなら
観点は 勉強が転用できるか だけ。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効くという意味である。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていない。
- 昭和学院中学校(千葉県・共学)— 4 科目とも近く、4 科目の作りが最もそろって近い組み合わせ。
- 跡見学園中学校(東京都・女子校)— 国語の構成と算数の小問集合が近い。
- 桐朋女子中学校(東京都・女子校)— 社会の記述の重さが近い。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
いずれも「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元・設問文の言い回し」の近さと単元分布の似かたを合わせて出したもので、同じ問題が出るという意味ではない。ただし、この学校の「あなたの考えを述べなさい」という問い方までそろう学校は上の一覧からは分からない。過去問演習を転用するときは、形式が近くても記述の書かせ方は別物として扱ってほしい。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 種類だけ。手元にあるのは年度×科目 1 冊で、4 科目そろっていることから第 2 回一般 4 科にあたると判断した。12 月の 2 科目入試(第 1 回推薦)・1 月下旬の総合学力(第 3 回一般総合)・国際生の選抜(国際生特別選抜・IC1 月・国際生 A/B)には、この分析は当てはまらない。とくに総合学力は 4 科目を融合した 1 本の試験で、作りがまったく違うと考えられる。回の日程・科目・配点の全体像は 1 節にまとめた。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。資料のある 5 年のうち原本で読んだのは 2015・2016・2018 の 3 年で、直近 7 年の形式はこの資料からは言えない。市販の過去問集での確認が前提になる。
- 理科は 2011・2013、社会は 2011〜2013 年度の問題が資料に無い。年数の集計はこれらを除いた 14 年・13 年で行っている。
- 国語 2018 年度は転写の数え方が他の年と違う(漢字の 2 大問が 1 つにまとめられている)。本文では原本の設問文にもとづいて 4 大問として扱ったが、大問数の機械的な年次比較には注意が要る。
- 原本で設問文まで読んだのは各科目 3 年分。それより前の年については、大問ごとの分野・単元の集計だけを見ている。「16 年すべて」「7 年連続」といった長い連続の主張は、この集計にもとづくもので、設問文の一致まで確かめたものではない。
- 図そのものは転写できない。地形図・空中写真・グラフ・図形の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含む。とくに社会の地形図の読図と算数の作図は、実物を見ないと分からない部分が残る。
- 転写の読み落としの可能性は残る。小問数が 1〜2 問ずれている年があり得る。
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