関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

千葉日本大学第一中学校の過去問分析

共学私立千葉県船橋市

重要結論

  1. この学校でいちばん動かないのは「どの大問で何を測るか」という出題位置(大問の番号と順番)で、いちばん動くのは「その枠にどの単元を入れるか」です。理科は大問 1 が生物・最後の大問が地学で 15 年(2010〜2025 年度)、算数は大問 1 が計算 4 問で 12 年(2014〜2025 年度)、社会は歴史 → 地理 → 公民の順が 10 年(2016〜2025 年度)動いていません。
  2. ただし社会の地理だけは中身も動きません。2022〜2025 年度の 4 年連続で「去年の夏休みの旅行記」という同じ設計で、設問の言い回しまで年をまたいで同じです。
  3. 小問数が多く、理科は 40 分で 30〜41 問、社会は 40 分で 41〜57 問です。1 問あたり 1 分を切る科目が 2 つあります。

今週やること

  1. 理科と社会を、時計を見ながら 40 分で 1 年分通して解き、最後の問題まで手が届くかを確かめます。
  2. 社会の「去年の夏休みの旅行記」を 2022〜2025 年度の 4 年分そろえて解きます。
  3. 算数の大問 1 の計算 4 問を毎日やります(12 年間ずっと同じ場所にある枠です)。

分析年度: 2010〜2025 年度
入試回: 第 1 期入試
資料の範囲: 算数 13 年分ほか
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: この資料はすべて第 1 期入試のもので、自己推薦入試(12 月)と第 2 期入試(国語・算数の 2 科)の問題は含まれていません。国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら(優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 3 題(2016 年度から、大問数を数えられた資料 3 冊すべて・数えられなかった年 2017・2018・2019。最新の資料は 2021 年度)。前回の変化: 2014 → 2016 の間に 2 題 → 3 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 2 回: 2014・2016(間隔 2)
  • 社会: 4 題(2025 年度の、大問数を数えられた資料 1 冊のみ。最新の資料は 2025 年度)。前回の変化: 2023 → 2025 の間に 1 題 → 4 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 6 回: 2017・2019・2020・2021・2023・2025(間隔 2・1・1・2・2)。前回の変化のときの分野の並び: 歴史-古代〜中世 → 歴史-古代〜中世|地理-地図・地形・気候|公民-憲法・政治|公民-憲法・政治
  • 算数: 4 題(2014 年度から、大問数を数えられた資料 4 冊すべて・数えられなかった年が 5 年。最新の資料は 2022 年度(2023 年度・2024 年度・2025 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2023 年度 4 題・2024 年度 4 題・2025 年度 4 題))。前回の変化: 2010 → 2014 の間に 5 題 → 4 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 1 回: 2014。前回の変化のときの分野の並び: 計算|平面図形|数の性質・規則性|速さ|平面図形 → 計算|数の性質・規則性|割合・文章題|立体図形

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

横にスクロールできます

項目 内容
所在地 千葉県船橋市習志野台
男女 共学
入試回と日程・科目 自己推薦入試 12 月 1 日(第一志望・入学確約)は 4 科/第 1 期入試 1 月 21 日は 4 科/第 2 期入試 1 月 26 日は 2 科(国語・算数)(2027 年度募集要項)
試験時間・配点 4 科は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 80 点・社会 40 分 80 点の 360 点満点。第 2 期入試の 2 科は国語・算数とも各 50 分 100 点
面接・その他 自己推薦入試は面接なし(第 1 期・第 2 期にも面接の記載はありません)。自己推薦入試には英検の加点があります
同じ名前の学校に注意 日本大学第一・日本大学第二・日本大学第三・日本大学豊山・日本大学藤沢・目黒日本大学・土浦日本大学など、名前の近い学校がいくつもあります。このページは千葉県船橋市の千葉日本大学第一中学校のものです

いまの小 6 は 2027 年 1 月(自己推薦入試は 2026 年 12 月)、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. この学校でいちばん動かないのは「どの大問で何を測るか」という出題位置(大問の番号と順番)で、いちばん動くのは「その枠にどの単元を入れるか」です。理科は大問 1 が生物・最後の大問が地学で 15 年(2010〜2025 年度)、算数は大問 1 が計算 4 問で 12 年(2014〜2025 年度)、社会は歴史 → 地理 → 公民の順が 10 年(2016〜2025 年度)動いていません。
  2. ただし社会の地理だけは中身も動きません。2022〜2025 年度の 4 年連続で「去年の夏休みの旅行記」という同じ設計で、設問の言い回しまで年をまたいで同じです。
  3. 小問数が多く、理科は 40 分で 30〜41 問、社会は 40 分で 41〜57 問です。1 問あたり 1 分を切る科目が 2 つあります。

家でやること 3 つ

  1. 社会の「去年の夏休みの旅行記」を 2022〜2025 年度の 4 年分そろえて解きます。
  2. 算数の大問 1 の計算 4 問を毎日やります(12 年間ずっと同じ場所にある枠です)。
  3. 理科の生物と地学を落とさないようにします(地学は深い計算より用語と図の一巡が効きます)。

今週やる 1 つ

  1. 理科と社会を、時計を見ながら 40 分で 1 年分通して解き、最後の問題まで手が届くかを確かめます。

注意

  1. この資料はすべて第 1 期入試のもので、自己推薦入試(12 月)と第 2 期入試(国語・算数の 2 科)の問題は含まれていません。国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。以降の本文でも、この 3 語だけを使います。

横にスクロールできます

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 3 年(2023・2024・2025) 10 年(2010・2014〜2022) 13 年(2010・2014〜2025) 高。式の細部(分数・単位)に転写の揺れがある年がありますが、大問構成と題材の読み取りに支障はありません
理科 3 年(2023・2024・2025) 12 年(2010・2012〜2022) 15 年(2010・2012〜2025) 高。図が多く、図そのものは転写できないため、細部は設問文と図の説明文からの読み取りを含みます
社会 3 年(2023・2024・2025) 11 年(2010・2013〜2022) 14 年(2010・2013〜2025) 中。2022・2023 年度は、内容が歴史・地理・公民の 3 部構成なのに転写では大問 1 本にまとめられています(2023 年度は 1 大問 57 小問)。大問の本数の年次比較には使えません
国語 3 年(2016・2020・2021) 3 年(2010・2014・2015) 6 年(2010・2014・2015・2016・2020・2021) 中。2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2021 年度までの話です
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校については全 48 冊の転写を確認し、別の学校の問題が混ざっている冊子は見つかりませんでした。表紙・注記の学校名はいずれも「千葉日本大学第一中学校」です。名前の近い学校の一覧は 1 節に載せました。
  • 入試回は第 1 期入試です。冊子の表紙や転写の注記から、2015 年度の国語・理科、2019 年度の算数、2021 年度の国語、2025 年度の社会について「第 1 期入試(平成 31 年度第 1 期入試)」の表記を確認しました。同じ形式の冊子が全年度・全科目にわたるので、以下はすべて第 1 期入試についての話です。自己推薦入試(12 月)と第 2 期入試(国語・算数の 2 科)の問題は、この資料には含まれていません。
  • 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、解答用紙が同じ冊子に綴じられている年が多くあります。設問ごとの配点は、どの科目・年度にも印刷されていません。
  • 試験時間と配点は 2027 年度の募集要項によるもので、1 節にまとめました。過去の年度が同じだったかは確認していません。
  • 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、該当年度の設問文を原本で読み直して確認したもの、または年度ごとの大問構成の一覧で反復を確認したものです。確認できなかったものは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。

5. 一番大きな結論

この学校の入試でいちばん動かないのは「どの大問で何を測るか」という出題位置であり、いちばん動くのは「その枠にどの単元を入れるか」です。ただし社会の地理だけは、設問の言い回しごと年をまたいで残っています。

  • 理科は大問 1 が生物、最後の大問が地学です。この配置は 2010〜2025 年度の 15 年すべてで確認できます。間の大問が化学と物理で、ここは毎年作り直されます。
  • 算数は大問 1 が計算 4 問です。この位置に計算が来るのは 2014〜2025 年度の 12 年間動いていません。続いて大問 2 が「□にあてはまる数を答えなさい」の一行題(数行で終わる短い文章題)、大問 3・4 が「式や考え方を書きなさい」の但し書きつきで各 3 問、という並びが精読した 3 年(2023〜2025)でそろっています。
  • 社会は歴史 → 地理 → 公民の順です。先頭が歴史なのは 2016〜2025 年度の 10 年。そして中盤の地理は、2022〜2025 年度の 4 年連続で「去年の夏休みの旅行記」という同じ設計であり、「旅行記中の空欄( 1 )と( 2 )にあてはまる適切な語句を答えなさい」「5 人が旅行した都道府県はそれぞれどこなのか。旅行先の都道府県を下の図から選び、番号で答えなさい」という設問文まで年をまたいで同じです。
  • 国語は 3 大問で、説明的文章 1 題・文学的文章 1 題・知識(ことわざ・慣用句・同音異義語)1 題です。精読した 3 年(2016・2020・2021)で共通し、説明的文章が文学的文章より先に来る順も変わりません。

ここで言う固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。理科の最後の大問は気象・星座・月・地震と 4 分野を回っていますし、算数の大問 3・4 は 3 年で速さ・流水算(川を上り下りする速さの問題)・仕事算(仕事の量を 1 とおいて日数を出す問題)・回転体・折り返し・水量と 6 分野を回っています。

したがって過去問の使い方は、次の 3 本立てになります。

  1. 出題位置を手がかりに準備の枠を決めます — 理科は生物と地学を必ず 1 題ずつ、社会は歴史・地理・公民を必ず 1 題ずつ。どこかを捨てると配点の 3 分の 1 前後が固定で落ちます。
  2. 時間の使い方を身につけます — 理科は 40 分で 30〜41 問、社会は 40 分で 41〜57 問。1 問あたり 1 分を切る科目が 2 つあるのがこの学校の最大の特徴で、処理速度が結果に直結します。
  3. 社会の地理と国語の知識だけは「出る問題を覚える」が効きます — 旅行記の枠(2022〜2025 の 4 年)と、ことわざの □ に身体の一部の漢字を入れる問題(2015・2016・2020)は、同じ作りが繰り返されています。ここは過去問そのものが教材になります。

同じ大問を、年度を変えて解く回し方の手順は 過去問の使い方 にあります。

なお 4 科目に共通するのは、「誰かが調べた文章・話している文章」を読ませてから設問に入るという作りです。社会は自由研究と旅行記、理科は親子や友達の会話、算数さえ「千葉くん」「たかひろくん」といった人物が問題文に登場します。読む量が多いぶん、読解の速さが 4 科目すべての土台になります。


6. この学校らしさが出る場所

過去問でしか掴めない題材の色は、次のとおりです。

  • 千葉県が毎年どこかに入ります。 2025 年の社会は歴史の大問がまるごと「千葉県について調べました」(相沢忠洋・高床式倉庫・平将門・足尾銅山まで千葉と全国史を往復)、2023 年は手賀沼の宿泊体験で勾玉を作る会話から始まり、千葉県佐原出身の伊能忠敬が問われます。地理でも京葉工業地域(2024)、鹿島臨海工業地域と霞ヶ浦(2025)。理科 2023 の地震波の比較も「地点 A(宮城県)と地点 B(千葉県)」です。算数 2023 の一行題には「千葉くん」が皿を磨いています。
  • 登場人物が問題文を進めます。算数の「千葉くん」(2023)、理科の「リカさん」「てっぺい君」(2023)、「ちひろさん」「しゅういちくん」(2024)、「たかひろ君」(2024)、社会の「のぞくくん」「みのりさん」(2023)、「慎くん」(2024)、「ケイゴ君」「daisuke くん」「あさかさん」「ふうまくん」「あやのさん」「たかひろくん」(2025)。4 科目すべてで、誰かの会話や自由研究の中に設問が埋め込まれています。
  • 「去年の夏休みの旅行記」という枠が社会にあります。5 人の小学生が別々の県に旅行した文章を読み、空欄の地名を埋め、最後に日本地図の番号で県を当てます。2022〜2025 の 4 年連続で、しかも設問の言い回しまで同じです。この学校の顔と言っていい設計です。
  • 理科は台所と工作から入ります。すりおろしたニンジンと過酸化水素水で栓を飛ばす「ニンジンロケット」(2023)、でんぷんのりがなぜ青いのか(2023)、星のミニチュアを吊るしたモビール(2023)、南部鉄器がわざと黒くさびさせてある理由(2024)、豆電球と発光ダイオードとモーターの配線づくり(2024)、水筒の水を直接温めずに温める方法(2025)。教科書の外にある物を、教科書の中の原理で説明させる作りが 3 年とも共通しています。
  • 前年〜前々年の出来事を必ず入れます。西九州新幹線の開業(2024 社会)、北陸新幹線の敦賀延伸と令和 6 年度予算と戦後 80 年(2025 社会)、東日本大震災の地震波(2023 理科)、生息域を関東まで広げたナガサキアゲハ(2024 理科)、2010 年から 2020 年の発電量の推移と原子力の減少(2025 理科)。ニュースを科学と社会の両方から問います。
  • 生物の大問に計算があります。チョウの幼虫の体重とフンの量から食べた葉の枚数を出す(2024)、はく動 75 回・1 回 60mL から 1 分間の拍出量を出す(2025)。「生物は暗記」と思って準備すると失点します。
  • 国語は重松清と外山滋比古が繰り返し出ます。重松清は 2010・2015・2021 の 3 回、外山滋比古は 2014・2020 の 2 回。物語は中学生の家族・友人関係(『ステップ』の父と娘、『兎の眼』の小谷先生と鉄三、入院中の祖母に本を探す羊子)、評論はことばと考え方(『考える力』の距離、『ホンモノの日本語』の日本語ブーム、「KY」と空気を読む社会)。人と人の距離をめぐる文章が両方の柱になっているように見えます。

7. 今からやるなら(優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。年度通しで時間を計って解く演習は、小 6 の夏以降が目安です。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を確認できている最後の年度です。

  1. [週末 60 分] 社会・「去年の夏休みの旅行記」を 4 年分そろえて解く — 2022〜2025 の 4 年連続で同じ設計、しかも設問の言い回しまで共通しています。5 人の文章から県を特定し、空欄の地名を埋め、最後に地図の番号で答えます。この一連を 4 回通せば、この学校の地理の枠はほぼ準備できます。あわせて、県名 → 特産・地形・工業地域・世界遺産・公害の対応表を自分で作ると、旅行記の手がかり(地形・気候・農産物・工業地域・伝統工芸品・新幹線と高速道路・世界遺産・公害)がそのまま引けるようになります。この学校でいちばん同じ時間で点になりやすい場所です。(確認: 〜2025 年度)
  2. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 4 問を年度横断で — 12 年間ずっと同じ場所にある枠です。とくに (2) は 2024・2025 で数値だけを変えた同じ組み立てが出ています。分数と小数を行き来する四則(0.35=7/20、1.44=36/25 の言い換え)を反射で処理できるようにします。(3)(4) の工夫計算は、部分分数(1/(1×2)+1/(2×3)+… の形)・平方差(●×●−▲×▲)・分配法則でまとめる形・西暦を使った分数のたし算の 4 系統を、3 年分そろえて解きます。(確認: 〜2025 年度)
  3. [週 1 回] 算数・大問 2 の一行題を単元プールで回す — 逆算(□にあてはまる数を求める計算)・売買損益・食塩水・つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から出す)・仕事算・速さ・通過算(列車が橋や人を通り過ぎる速さ)・時計算(長針と短針のつくる角度)・場合の数・約束記号(その場で定義される記号)・推理(覆面算・紙幣)・規則性・角度・平面図形の求積。1 単元 5 問ずつの薄い反復を週 1 巡します。10〜16 問という量なので、1 問 1 分で切り上げる訓練とセットにしてください。約束記号は 2024・2025 と 2 年続けて大問 2 の (5) に出ました。定義文と例示を読んでその場でルールを使う練習は、他校の過去問でも代用できます。角度と面積比の 2 問は落とせません(大問 2 の後半は 3 年とも角度 → 平面図形の求積・面積比の順で、正五角形と正方形の組み合わせ、折り返し、おうぎ形の重なり、平行四辺形の中の相似が主な材料です)。(確認: 〜2025 年度)
  4. [週末 60 分] 算数・大問 3・4 で式や考え方を書く — 3 年分 6 題ぶんの「式や考え方」を実際に書き、他人が読んで筋を追えるかを確認します。答えが合っていても書き方で減点される可能性のある枠で、算数の中でここだけ性格が違います。あわせて、グラフから状況を復元する練習を。流水算(2023)、水量と仕切り板(2025)はどちらも「グラフの折れ目が何を意味するか」を言葉にできれば解けます。速さのダイヤグラム(時間と道のりのグラフ)も含めて、「折れ目=出来事」の読み替えを固めます。(確認: 〜2025 年度)
  5. [週末 60 分] 理科・生物と地学を捨てない — 大問 1 が生物、最後の大問が地学という出題位置が 15 年動いていません。この 2 分野が空白だと、80 点満点のうち 3 割前後が固定で落ちます。地学は「浅く広く」を先に固めます。2024・2025 の地学の大問は、天気記号・気圧の値・雲のでき方・前線の種類・季節の天気図・北極星・星の日周運動・飽和水蒸気量・断層・火山の形と、1 問 1 単元の記号選択が 10 問並びました。深い計算より、地学の用語と図を一通り言えることのほうが直接効きます。生物は、幼虫の体重とフンから葉の枚数(2024)、はく動数から 1 分間の拍出量(2025)のような比例計算に慣れておきます。物理は力のつり合いを軸に。3 年でてこ・輪軸・歯車・回路・投げ出した物体の運動が出ており、とくに 2023 のモビール、2025 の輪軸と歯車は「支点からの距離×重さ」の同じ考え方の言い換えなので、ここを厚めに。(確認: 〜2025 年度)
  6. [週 1 回] 理科・社会の時間配分を先に固める — 理科は 40 分で 30〜41 問、社会は 40 分で 41〜57 問。どちらも 1 問 1 分を切ります。記述に時間を取られるので、記号選択と短答(語句や数値を短く答える形式)は迷わず処理する練習を、年度通しで。年度通しの時間計測は、他校より多めに回数を確保してください。(確認: 〜2025 年度)
  7. [週末 60 分] 社会・通史の一巡と記述、そして千葉県 — 前半の歴史は毎年、原始から戦後まで一気に下ります。「時代の順に並べる」設問が毎年あるので、年号の暗記より出来事どうしの前後関係で覚えます。記述は年 3〜5 問で、風刺画・合戦図・グラフ・遺跡の図から「何が見えるか」+「なぜそうなるか」を 2 文で書く形。字数指定は無いので、解答らんの大きさに合わせる練習を過去問でします。指定語句がある年(2023 の「天皇が幼い時」「藤原氏」、2024 の「朝鮮」「ロシア」)にも慣れておきます。公民は三権分立・選挙・憲法の 3 本で、国会・内閣・裁判所の関係図、選挙制度(投票率のグラフを含む)、憲法の条文の空欄が材料です。語群から選ぶ穴埋めが多いので、条文の言い回しに触れておきます。千葉県と身近な地域は毎年どこかに入ります(2023 の手賀沼と伊能忠敬、2024 の京葉工業地域、2025 の歴史の枠まるごとと鹿島臨海工業地域)。(確認: 〜2025 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語・ことわざと慣用句、抜き出し、漢字 — 「□に入る身体の一部の漢字」という問い方が 2015・2016・2020 と繰り返されています。目・耳・鼻・口・手・足・首・腹・骨・肩・胸と、身体の部分ごとに、そこを使う慣用句とその意味を一覧にします。抜き出しは字数指定(六字・十字以内・二十五字以内)と答え方(初めの五字・始めと終わりの五字・句読点を含む)に忠実に。指定を外すと 0 点になります。漢字は独立した大問が無いので、文章を読みながら傍線部の読み書きを処理する形で練習します。接続語と指示語の空欄補充(1 問で 3〜6 個をまとめて埋める形)と、心情の選択肢を本文の根拠と 1 対 1 で照合するくせも、ここに含めます。重松清は 3 回、外山滋比古は 2 回出ているので、同じ作家の別の作品を読んでおくと、文体に慣れる分だけ読む速さが上がります。50 分の配分は説明的文章 → 文学的文章の順(3 年ともこの順)で、知識の大問は先頭か最後かで動きますが 10 分以内で終わらせて読解に時間を回します。(確認: 〜2021 年度。身体の部分を入れる問い方は 2020 年度まで)

理科の対照実験と量的関係(2023 の「純水を加えた試験管でも同じ実験をした理由」のように実験の設計を言葉で説明させる記述、中和で緑色になる量や鉄の酸化前後の重さのような表・グラフからの比例計算。1 単元 5 問の反復で足ります)と、前年〜前々年の出来事を科学で説明する練習(東日本大震災と地震波、生息域を北へ広げる昆虫、発電の内訳の変化を「なぜそうなるのか」の一文にする習慣)は、5 と 6 の練習の中に組み込んでください。根拠は 8 節の科目別を参照してください。


8. 科目別の詳細

まず 4 科目を横に並べます。

横にスクロールできます

科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 大問 4・小問 20〜26。大問 1 は 12 年間ずっと計算。記号選択ゼロ。大問 3・4 だけ式を書かせる(3 年連続) 大問の役割は固定、単元は毎年入れ替え。一行題は 14 単元ほどのプールから抽出 大問 1 の計算 4 問(2024・2025 は数値だけ変えた同じ組み立て)/大問 2 の角度と平面図形/大問 3・4 で式を書く練習
理科 大問 4〜6・小問 30〜41。大問 1 が生物、最後が地学の出題位置が 15 年(2010〜2025)。記述 1〜3 問、作図が出る年あり 両端は固定、真ん中の化学・物理は毎年入れ替え。生物の大問にも計算が入る 地学の用語と図を一通り/生物の比例計算/40 分で 30〜41 問を通す速さ
社会 小問 41〜57。歴史 → 地理 → 公民の順。記号選択 46〜53%・短答 34〜46%・記述 5〜11% 自由研究・会話文・旅行記から入る。地理の枠は設問文ごと 4 年連続で共通 旅行記の枠を 4 年分/通史の一巡と時代の並べ替え/資料つき記述
国語 大問 3・小問 29〜40。説明的文章+文学的文章+知識の 3 本(2016 年度以降) 抜き出しと記号選択が主軸。自分の言葉で書く記述はごく少ない ことわざ・慣用句(身体の部分から引く)/抜き出しの字数指定に忠実に答える/読解の中で漢字を拾う

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 20〜26)

精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。構成だけ数えた年まで含めて年度ごとの大問構成をたどると、大問 4 本という枠は 2014 年度から 2025 年度までの 12 年間変わっていません(2010 年度だけ 5 本)。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 大問 1(計算 4 問・答えのみ) 大問 2(一行題・答えのみ) 大問 3(3 問・(2)(3) は式を書く) 大問 4(3 問・式を書く)
2023 ①(9+99+999)÷3 の組み替え
②分数と小数の混合
③1/(1×2)+1/(2×3)+… の部分分数
④2022×(1/2022+1/4044+…)
10 問(下の一覧) 円周上を回る 2 点 P・Q(速さと角度) 流水算(15km の往復・グラフつき・途中でエンジン停止)
2024 ①かっこ・中かっこの四則
②分数と小数の混合
③2024×2025×(2027/2024−2026/2025)
④2.8×17.3+10.8×16.8−… の分配法則
16 問(下の一覧) 仕事算(A24 日・B40 日・C20 日) 平行四辺形を直線のまわりに 1 回転させる回転体
2025 ①中かっこ入りの四則
②分数と小数の混合
③222×222+333×333+777×777−555×555−666×666
④1/3−1/5+1/9−2/15+…
11 問(下の一覧) 正方形の折り返し(1 辺 8cm) 水量とグラフ(仕切り板つき水そう・排水口)

大問 2 の一行題の中身は、次のとおりです。

  • 2023 年度: 逆算/消費税と本体価格/食塩水(蒸発)/つるかめ算(皿磨き・千葉くん)/売買損益(定価と値引き)/速さ(100m 走)/縮尺 1/5000/循環小数の位/ニュートン算(増え続ける行列を処理する問題。遊園地の行列)/角度/おうぎ形を 3 等分した図形
  • 2024 年度: 逆算/時計算(午前 10 時 38 分)/通過算(すれちがい)/仕事算(問題集)/約数の個数を [A] と決める約束記号/場合の数(リレーと玉入れ)/●×●−▲×▲ の公式利用/覆面算(数字を文字に置きかえたひっ算)/角度の比 1:2/平行四辺形の面積比/半径 4cm の円 3 つ/規則性(5,6,10,11,15,16…)
  • 2025 年度: 逆算/覆面算のひっ算(ABC)/売買損益(3 割 5 分の利益と 2 割引き)/紙幣の組み合わせ(推理)/3 で割った余りを [A] と決める約束記号/和差算(合計と差から 2 つの数を出す。金銀銅のメダル数)/道順の場合の数/正五角形と正方形の角/正方形と半円の面積差/円すいの切断

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 大問 1 は計算 4 問です。導入文は「次の計算をしなさい。」で 3 年とも同じ。この位置に計算が来ること自体は、年度別の大問構成で見るかぎり 2014〜2025 年度の 12 年間動いていません。
  • 大問 2 は「次の □ にあてはまる数を答えなさい」の一行題が 3 年連続。小問数だけは 10・16・11 と年により大きく動きます(2024 年度は 16 問)。
  • 大問 3・大問 4 は「式や考え方を書きなさい」の但し書きつきで各 3 問が 3 年連続。ここだけ答案に途中経過を残させます。
  • 大問 2 の (1) は 3 年とも □ を含む逆算です。分数・小数の混じった式の途中に □ があり、逆にたどって求める形が動きません。
  • 大問 2 の後半は必ず図形です。角度が 3 年連続(2023 (10)・2024 (9)・2025 (8))、その直後に平面図形の求積・面積比が 3 年連続(2023 (11) おうぎ形、2024 (10)(11)、2025 (9))で並びます。
  • 一方で大問 3・4 の中身は毎年入れ替わります。3 年で速さ・流水算・仕事算・回転体・折り返し・水量とグラフと 6 分野を回っており、同じ単元が 2 年続いた例はこの 3 年ではありません。

つまり出題位置(何番に何の種類が来るか)は固定で、中身は毎年作り直されるわけです。ここで言う固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味で、「同じ問題が出る」ではありません。

数値だけを変えた同じ問題(両年の原本で確認)

  • 大問 1 の (2) は、2024 年度が 15÷(7/10×1.25÷7/2+0.35)、2025 年度が 50÷(3/10×1.44÷9/5+0.26)。「整数 ÷(分数×小数÷分数+小数)」という組み立てが完全に同じで、数値だけが差し替えられています。2023 年度の (2) も分数と小数を混ぜた四則で、この枠の性格は 3 年とも共通です。
  • その年の西暦を計算に使う工夫問題が大問 1 の後半に入ります。2023 年度は 2022×(1/2022+1/4044+1/6066+…)、2024 年度は 2024×2025×(2027/2024−2026/2025)。2025 年度は西暦を使わず平方差(222×222+333×333+…)でした。
  • 記号を自分で定義してその場で使わせる問題が、大問 2 の (5) に 2 年連続。2024 年度は「[A] は A の約数の個数を表す。たとえば [2]=2、[6]=4」、2025 年度は「整数 A を 3 でわった余りを [A] で表す。たとえば [2]=2、[6]=0、[13]=1」。角かっこの記号、例示の作り方、位置までそろっています。
  • 覆面算のひっ算も 2024 (8)(A〜E に 1〜5 が入る)と 2025 (2)(A・B・C に 1〜9 が入り、3 か所の C は同じ数)で 2 年連続です。

問い方のくせ

  • 解答形式は 3 年とも記号選択がゼロ。すべて数値や式を書かせます。大問 1・2 は答えのみ、大問 3・4 は式や考え方まで書かせる、の 2 段構えが 3 年とも同じです。
  • 大問 2 には、一つの小問の中に ① ② と 2 つの空欄を置く形が毎年あります(2023 の (5)(8)(10)(11)、2024 の (6)(7)(10)(12)、2025 の (3)(7)(8)(9))。片方だけ合っていても部分点になるかは解答用紙からは分かりませんが、1 小問で 2 つ答える問題が全体の 2〜3 割を占める年があります。
  • 大問 4 は 3 年のうち 2 年(2023 の流水算、2025 の水そう)でグラフを読み取って条件を復元する作りです。「グラフのどこが折れているか=何が起きた瞬間か」を言葉にできるかが問われています。
  • 大問 3 の (1) は 3 年とも軽い問題です(速さの単位換算、2 人の仕事算、辺の長さ)。(1) を取りこぼさないことが先で、(2)(3) は式を書く分だけ時間がかかります。

8-2. 理科(40 分・80 点・大問 4〜5・小問 30〜41)

精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。年度別の大問構成は 2010〜2025 年度の 15 年分が残っています。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 大問 1(生物) 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2023 ニンジンロケット(すりおろしたニンジンと過酸化水素水・アミラーゼ・純水を加えた対照実験 6 問) 生物: トマト・トウモロコシ・イネ・カボチャの特徴とスケッチの照合(4 問) 化学: でんぷんのりとヨウ素・中和(フェノールフタレイン・水酸化ナトリウムと塩酸の量的関係 10 問) 物理: てこ(くぎぬきとピンセット・星のミニチュアのモビール 5 問) 地学: 東日本大震災を題材にした地層と地震波(宮城と千葉の波形比較 5 問)
2024 ナガサキアゲハの観察会話文(複眼・触角・脱皮・幼虫のフンと葉の枚数の計算・クモの体のつくりを描く 14 問) 化学: 鉄の赤さびと黒さび(南部鉄器・7g の鉄が完全にさびたときの重さ・塩酸との反応のグラフ 11 問) 物理: 水平に投げ出したボールの運動(表の空欄を埋め、すべて選ぶ 3 問) 物理: 豆電球・発光ダイオード・モーターの回路づくり(3 問) 地学: 気象の小問集合(天気記号・気圧・雲のでき方・停滞前線・夏の気圧配置・天気図の季節当て・ハザードマップ 10 問)
2025 ヒトの心臓の 2 心ぼう 2 心室(血管を流れる血液・両生類の心臓・はく動 75 回からの拍出量計算・ニワトリの心臓の観察 9 問) 化学: 日本の発電量の推移グラフ(火力・原子力・水力の同定、原子力が減った理由の記述、熱量の計算 12 問) 物理: 輪軸と歯車(半径 16cm と 12cm の円盤・歯 48 個と 36 個のかみ合わせ 9 問) 地学: 小問集合(四季の理由・月・星の日周運動・北極星・飽和水蒸気量・猛暑日・積乱雲・川の蛇行・断層・火山の形 10 問) —

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 大問 1 は必ず生物です。年度別の大問構成をたどると、2010〜2025 年度の 15 年すべてで大問 1 が生物分野(植物・人体・こん虫・生態系)でした。
  • 最後の大問は必ず地学です。こちらも 15 年すべてで、気象(2010・2012・2015・2018・2021・2022・2024・2025)、星・星座(2013・2014・2016・2017・2019)、月(2020)、地層・地震(2023)と分野の中身は入れ替わりますが、地学が最後という出題位置は動いていません。
  • その地学の大問は、一問一答が 10 問ならぶ小問集合になる年があります。2024 の大問 5、2025 の大問 4 は、どちらも導入文が「以下の問いに答えなさい。」の一行だけで、続く 10 問がそれぞれ独立した記号選択。この 2 年は全問が 4 択の記号選択で、地学の基礎知識をまとめて確認する枠になっています。
  • 間の大問(大問 2〜4)が化学と物理で、ここは毎年入れ替わります。3 年で中和・金属の酸化・熱量・てこ・輪軸と歯車・電気回路・物体の運動と、化学 2 分野・物理 3 分野を回っています。
  • 大問数は 4〜6 で動き、小問は 30〜41 と多くあります。40 分なので 1 問あたり 1 分前後になります。

つまり理科も「両端(生物と地学)の出題位置は固定、真ん中の化学・物理は毎年作り直し」という作りです。ここでの固定も、同じ問題が出るという意味ではありません。

問い方のくせ

  • 会話文や物語の中に実験を埋め込む入り方が生物・化学に多くあります。2023 は「リカさん」と先生のニンジンロケット、「てっぺい君」とお父さんののり(でんぷんのり)の話、2024 は「ちひろさん」「しゅういちくん」とお父さんの 5 月 24 日の公園、2025 は発電量のグラフから入ります。読み物として最後まで読まないと途中の問いが解けません。
  • 計算を必ず混ぜます。2023 は中和の量的関係(何 mL 加えれば緑色になるか)、2024 は 7g の鉄が完全にさびたときの重さ(小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで)と幼虫が食べた葉の枚数、2025 ははく動 75 回・1 回 60mL からの拍出量、水の温度と熱量、歯車の回転数と力。生物の大問にも計算があるのがこの学校の特徴で、2024 の幼虫のフンから葉の枚数を出す問題、2025 の心臓の拍出量はどちらも生物の大問に置かれています。
  • 記述は年 1〜3 問です。2023 は「純水 1mL を加えた試験管でも同じ実験をしたのはなぜですか」(対照実験の意味)、2024 は「ナガサキアゲハが生息域を関東まで広げた理由」、2025 は「原子力の割合が 2010〜2015 年に減った理由」「火力と原子力の似ている点」「水を直接温めずに温度を上げる方法」。いずれも字数指定は無く、「簡潔に」「説明しなさい」だけです。
  • 「すべて選びなさい」「正しくないものを選びなさい」が毎年混ざります(2024 の運動の表から「正しいことをすべて選ぶ」など)。
  • 数を組み合わせて答えさせる形(2024 の回路づくりは「A と C をつなぎ、次に D と(①)を…」と空欄に端子の記号を入れる)や、2023 の表から選択肢のグラフの形を選ぶ問いなど、答え方が一問ごとに違います。設問文の指示を読み落とさない練習が要ります。

8-3. 社会(40 分・80 点・小問 41〜57)

精読したのは 2023・2024・2025 年度の 3 年です。2022・2023 年度の資料は、内容としては歴史・地理・公民の 3 部構成なのに、転写では大問 1 本(2023 年度は 57 小問)にまとめられています。そのため大問の本数を年ごとに比べることはできませんが、中身の並びは読み取れるので、以下は「前半・中盤・後半」という言い方で書きます。

年度×まとまりの題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 前半(歴史・古代からの通史) 中盤(地理・去年の夏休みの旅行記) 後半(公民)
2023 のぞくくんとみのりさんのアクセサリーの会話文(勾玉から縄文・古墳・摂関政治・参勤交代・鹿鳴館・シベリア出兵・戦時中の新聞記事まで 32 問) 5 人の旅行記(九州・有明海・呉の造船・新幹線・瀬戸大橋・東北三大祭り・内陸県・中央アルプス・雨温図 18 問) 三権分立と地方自治(モンテスキュー『法の精神』・国会・裁判員制度 10 問)
2024 慎くんの自由研究「日本の世界遺産」の地図とレポート(三内丸山・法隆寺・姫路城・八幡製鉄所・原爆ドームまで 18 問) 5 人の旅行記(津軽海峡の海底トンネル・やませ・西九州新幹線・阿賀野川の公害・京葉工業地域・東名高速・ラムサール条約 16 問) 選挙制度と国会(投票率のグラフ・若者と高齢者・政党・衆議院の優越 7 問)
2025 ケイゴ君の自由研究「千葉県について」(相沢忠洋の打製石器から高床式倉庫・防人・平将門・勘合・長篠の戦い・足尾銅山・成金・終戦の日まで 26 問) 5 人の旅行記(桜島・屋久島・北陸新幹線の敦賀延伸・瀬戸内・四日市・霞ヶ浦・鹿島臨海工業地域 12 問) 戦後 80 年をめぐる会話文(日本国憲法・自由権・国民主権・令和 6 年度予算・国債)+内閣・裁判所・選挙制度の語群補充(9 問)

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 前半は歴史の通史です。しかも「原始・古代から始めて近現代まで一気に下る」形が 3 年とも共通。年度別の大問構成をたどると、先頭に歴史が来るのは 2016〜2025 年度の 10 年にわたります。
  • 中盤は「去年の夏休みの旅行記」です。5 人の小学生(またはその年の登場人物)が別々の県に旅行した文章を読み、空欄の地名を埋め、下線部の地理知識に答え、最後に「5 人が旅行した都道府県はそれぞれどこか」を日本地図の番号で答えます。この設計は 2022〜2025 年度の 4 年連続で確認できます。
  • しかも設問文がそのまま使い回されています。「旅行記中の空欄( 1 )と( 2 )にあてはまる適切な語句を答えなさい」という一文は、2022・2023・2024・2025 年度の複数の設問に、空欄の番号だけを変えて登場します。最後の「5 人が旅行した都道府県はそれぞれどこなのか。旅行先の都道府県を下の図から選び、番号で答えなさい」も 3 年とも同じ文です。
  • 後半は公民です。3 年とも三権分立・選挙制度・憲法のいずれかが軸で、2023 は三権分立と地方自治、2024 は選挙制度、2025 は憲法と財政+三権分立の語群補充。
  • 全体の小問数は 41〜57 問と多く、40 分で解くと 1 問あたり 40 秒〜1 分になります。

つまり社会も「歴史 → 地理 → 公民の出題位置は固定、中身は毎年入れ替え」です。ただし地理の枠だけは、設問の言い回しまで含めて年をまたいで残っています。ここで言う固定も、同じ問題が出るという意味ではありません。

問い方のくせ

  • 自由研究・レポート・会話文・旅行記といった「誰かが調べた文章」から入ります。3 年とも、歴史の枠は中学生の自由研究や会話が入口で、地理の枠は旅行記、公民の枠は先生と生徒の会話。社会の知識を、他人の文章を読みながら引き出す作りが徹底しています。
  • 資料から読み取って書かせる記述が年 3〜5 問あります。2023 は摂関政治の説明(語句指定「天皇が幼い時」「藤原氏」)と参勤交代の経済的影響(松江藩の支出の円グラフつき)、2024 は奈良から平安への衣装と文字の変化(国際関係に着目して)・元寇の絵が 2 回目だと判断できる理由・ビゴーの風刺画(「朝鮮」「ロシア」を必ず用いて)、2025 は縄文と弥生の集落の図の差とその理由・勘合を使った理由・長篠の戦いで織田軍が勝てた理由・第 1 次世界大戦で成金が生まれた理由・国債発行の問題点。字数指定はどれにも無く、「簡潔に」「説明しなさい」だけです。代わりに使うべき語句を指定する形が 2023・2024 にあります。
  • 図・絵・写真・グラフから読み取らせます。風刺画、合戦図、遺跡の復元図、縄文カレンダー、輸出入のグラフ、雨温図、工業地域の品目割合、投票率のグラフ。記述はほぼすべて資料つきで、資料なしで書く問題は少なめです。
  • 時代の並べ替えが毎年あります(2023 の「開国から幕府滅亡までを時代順に」、2025 の問 8・問 25 の「古いものから順に並べ替えなさい」)。
  • 2 つの文 X・Y の正誤の組み合わせを選ぶ形が毎年混ざります(2023 の貿易額グラフ、2025 の相沢忠洋の記録と律令の税)。
  • 語群からそれぞれ選ぶ穴埋めが公民の枠に毎年あります。2025 の最後の 3 問はすべてこの形で、内閣・裁判所・選挙制度の空欄を語群から埋めます。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 29〜40。2016・2020・2021 年度で確認)

国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2014・2015・2016・2020・2021 の 6 年で、そのうち精読したのは 2016・2020・2021 の 3 年。ここに書いたのは 2021 年度までの話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 大問 1 大問 2 大問 3
2016(29 問) 説明的文章(展覧会の入りの二極化・「KY」と空気を読む日本社会)13 問 文学的文章(中学 2 年の羊子が入院中のおばあちゃんに頼まれて本を探す)12 問 ことわざ・慣用句の □ に共通する身体の一部の漢字を入れる 4 問
2020(40 問) ことわざ・慣用句の □ に身体の部分の漢字を入れる 8 問 説明的文章(外山滋比古『考える力』・距離をとって見ること)14 問 文学的文章(灰谷健次郎『兎の眼』・小谷先生と鉄三)18 問
2021(30 問) ことわざの類義選び 5 問+同音異義語の書き取り 5 問 説明的文章(金田一春彦『ホンモノの日本語』・日本語ブームと日本人の話し方)8 問 文学的文章(重松清『ステップ』・妻を亡くした「僕」と娘の美紀)12 問

同じ位置に同じ種類の問題が出る

  • 3 大問という枠は 2016・2020・2021 の 3 年とも同じで、内訳も「説明的文章 1 題・文学的文章 1 題・知識(ことわざ・慣用句・同音異義語)1 題」で共通しています。年度別の大問構成を見ると、2015 年度は 4 大問、2014 年度は 2 大問と揺れがあり、3 大問に落ち着いたのは 2016 年度以降のように見えます。
  • 知識の大問の位置だけが動きます。2016 年度は最後(大問 3)、2020・2021 年度は先頭(大問 1)。
  • 説明的文章 → 文学的文章の順は 3 年とも不変で、説明的文章が先に来ます。
  • 漢字は独立した大問になりません。3 年とも、読解の本文中の傍線部について「カタカナは漢字に直し、漢字には読みを付けなさい」の形でまとめて問われます。1 つの大問につき 3〜7 字ぶん、多い年で 1 回のテストに 15 字ほど。「漢字 10 問」の枠を探しても無いので、読解の中で漢字を拾う練習になります。

何度も出ている同じ問い方

  • ことわざ・慣用句の □ に身体の一部の漢字を入れる問題が繰り返し出ています。2016 年度は「次のことわざや慣用句について、□に共通する身体の一部を表す漢字を一字答えなさい」(赤子の□をひねる/□もふたもない/悪銭□につかず)、2020 年度は「次の語句の□に人間の身体の部分を表した漢字一字を入れ、下の意味を持つ慣用句を完成させなさい」(馬の□に念仏 ほか 8 問)。問い方も答えさせ方もほぼ同じで、2015 年度にも同じ言い回しの設問があります。
  • 同じ作家が繰り返し出ます。文学的文章は重松清が 2010(『季節風・春 ツバメ記念日』)・2015(『ポニーテール』)・2021(『ステップ』)の 3 回。説明的文章は外山滋比古が 2014(『ライフワークの思想』)・2020(『考える力』)の 2 回。ほかに村山由佳『約束』(2014)、灰谷健次郎『兎の眼』(2020)、金田一春彦『ホンモノの日本語』(2021)。中学生の家族・友人関係を描いた物語と、ことばや考え方をめぐる評論という組み合わせが安定しています。

問い方のくせ

  • 抜き出しが主軸です。「初めの五字を答えなさい(句読点を含む)」「十字以内で抜き出して」「始めと終わりの五字」「六字で抜き出しなさい」と、字数と答え方が細かく指定されます。3 年とも抜き出しが最も多い分野で、字数指定を見た瞬間に本文を機械的に探す練習が直接点になります。
  • 空欄補充が多くあります。接続語(A〜F に「いわば」「一方」「しかし」「そして」)、語句、擬態語(「ばらばら」「ぽん」「せかせかと」)を選ばせる形が 3 年ともあり、1 問で 3〜6 個の空欄をまとめて埋めさせます。
  • 自分の言葉で書かせる記述はごく少なめです。2016 は 3 問(10%)、2020 は 1 問(2%)、2021 は 0 問。字数指定つきの記述は 2016 の「三十五字以内で文章を使って答えなさい」くらいです。「記述が重い学校」と思って準備すると力の配分を誤ります。
  • 心情や理由を選択肢から選ぶ問題が多くあります。2020・2021 は文学的文章の設問がほとんど記号選択で、しかも「(7)『胸が痛くなった』・(8)『胸がいっぱいになった』の心情の組み合わせとして最も適当なもの」のように 2 か所の心情をまとめて 1 つの選択肢にする形が両年にあります。
  • 本文の内容と合うものを選ぶ問題が説明的文章・文学的文章の最後に置かれます(2021 の大問 2 問八、大問 3 問十二)。
  • 段落番号を答えさせる問題があります(2020 大問 2 問十二「次の一文は 7 〜 11 のいずれかの段落の最後に入ります。その段落を選び、段落番号で答えなさい」)。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

出題位置そのものは動かないので、警戒すべきは「その枠の中でどの単元が長く使われていないか」です。下の表は、精読した年(各科目 3 年)だけでなく、構成だけ数えた年の大問の並びから拾ったものを含みます。設問文まで確かめたのは精読した年だけなので、古い年の単元名は大問構成の一覧に載っている粒度での話です。最終確認年度は、その単元を大問として最後に確認できた年度を指します。

横にスクロールできます

科目 単元 出ていた年 最終確認年度 状況
算数 規則性・数列 2015・2016・2017・2020・2021 2021 年度(一行題では 2024 年度) 2010 年代は最も出た枠。2022 年度以降は大問になっておらず、2024 年は一行題 (12) に降りていた
算数 数の性質(約数・倍数のパズル) 2014・2017・2021・2024・2025 2025 年度 大問 2 の中では常連。大問としての復活余地がある
算数 食塩水 2014・2019 2019 年度 大問としては 6 年空き。2023 年は一行題 (3) に蒸発の形で出た
算数 ニュートン算 2017 2017 年度 大問としては 8 年空き。2023 年に一行題 (9) で復活済み
算数 立体図形(体積・表面積) 2019 2019 年度 大問としては 6 年空き。2024 年は回転体、2025 年は円すいの切断が一行題に入った
算数 影・光と図形 2016 2016 年度 9 年空き
算数 速さとグラフ(ダイヤグラム) 2021・2023 2023 年度 2 年空き。大問 4 のグラフ枠に戻りやすい
理科 ばね(物理) 2015・2019・2020・2021 2021 年度 4 年空き。2021 年まではよく出ていた。物理の枠で最も戻りやすい
理科 音(物理) 2021 2021 年度 4 年空き。1 度しか確認できていない枠
理科 浮力・密度(物理) 2012・2013 2013 年度 12 年空き
理科 光(物理) 2010・2019 2019 年度 6 年空き
理科 水溶液の性質・判別(化学) 2016・2017・2018 2018 年度 大問としては 7 年空き。2023 は中和の中に入った
理科 溶解度・再結晶(化学) 2010・2014 2014 年度 11 年空き
理科 気体の性質(化学) 2012・2014・2015 2015 年度 大問としては 10 年空き。2023・2024 は他の大問の中に混ざった
理科 燃焼(化学) 2013 2013 年度 12 年空き
理科 動物の誕生(生物) 2016 2016 年度 大問 1 の枠。近年は植物・こん虫・人体で回っている
理科 星・星座(地学) 2013・2014・2016・2017・2019 2019 年度 最後の大問の枠。6 年空きで、2025 は小問集合の中に 2 問だけ入った
理科 月(地学) 2020 2020 年度 5 年空き。2025 は小問集合の中に 1 問
理科 実験器具の使い方 2017 2017 年度 8 年空き
社会 国際社会・国連(公民) 2018・2020 2020 年度 5 年空き。公民の枠で最も戻りやすい
社会 環境政策・持続可能性(公民) 2020 2020 年度 5 年空き。2024 はラムサール条約が地理の中に 1 問だけ入った
社会 財政・税・社会保障(公民) 2025 2025 年度 2025 に予算と国債で復活したばかり
社会 農業・畜産を主題にした大きな設問(地理) 2015 2015 年度 10 年空き。近年は旅行記の中に 1〜2 問
社会 工業・産業構造を主題にした大きな設問(地理) 2020・2021 2021 年度 4 年空き。近年は旅行記の中に工業地域が 1 問
社会 貿易・資源(地理) 2010 2010 年度 主題としては長く空いている
社会 戦後・現代を厚く扱う(歴史) 2017 2017 年度 8 年空き。近年は通史の最後に 1〜2 問
社会 安土桃山時代を主題に(歴史) 2021 2021 年度 通史の中には毎年入る
国語 四字熟語 2010 2010 年度 知識の大問の材料。近年はことわざ・慣用句・同音異義語に寄っている
国語 同音異義語・同訓異字 2021 2021 年度 2021 に登場したばかり。知識の大問はこの 3 種類の持ち回りに見える
国語 ことわざ・慣用句 2015・2016・2020・2021 2021 年度 ほぼ毎年。準備の中心
国語 熟語の構成 2020(本文中に 1 問) 2020 年度 独立した設問としては少ない

国語は年度別の大問構成が残っているのが 6 年ぶんだけなので、断定はできません。理科の大問 1(生物)と最後の大問(地学)、社会の歴史・地理・公民という枠そのものは動かないため、上の表は「枠の中の交代」を見るためのものです。理科でとくに警戒すべきは真ん中の化学・物理の枠と、地学の中の分野交代になります。


10. 形式面の注意

4 科目に共通する点から。

  • 小問数が多く、理科と社会は 1 問 1 分を切ります。算数 20〜26 問/50 分、国語 29〜40 問/50 分、理科 30〜41 問/40 分、社会 41〜57 問/40 分。
  • 記述はあります。ただし科目で偏ります。社会が年 3〜5 問といちばん多く、理科が 1〜3 問。国語は精読した 3 年で 0〜3 問しかありません。算数は記述ではありませんが大問 3・4 で式や考え方を書かせます。「記述が重い学校」という印象で準備すると、国語の対策を誤ります。
  • 記述の字数指定はほとんどありません。社会・理科の記述はどれも「簡潔に」「説明しなさい」だけ。代わりに社会には使うべき語句を指定する形があります(2023「天皇が幼い時」「藤原氏」、2024「朝鮮」「ロシア」)。国語の抜き出しにだけ細かい字数指定が付きます。
  • 1 つの小問で複数の答えを書かせる形が多くあります。社会の「空欄 A 〜 F にあてはまる語句をそれぞれ答えなさい」(1 問で 6 個)、算数の「① と ② に入る数」(大問 2 の 2〜4 割)、国語の「空欄 A 〜 F に入る語」(1 問で 6 個)。表に出ている小問数より、実際に書く答えの数はずっと多くなります。
  • 記号選択の比率は科目で大きく違います。算数は 3 年ともゼロ、理科は 38〜59%、社会は 46〜53%、国語は 34〜53%。算数だけがすべて自分で書く試験です。
  • 文字種・桁の指定があります。社会は「漢字 4 字」「漢字一字を考えて」、理科は「漢字で書きなさい」「7 文字で答えなさい」「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」。
  • 作図が出る年があります。理科 2024 の「クモの体のつくりを、昆虫との違いがわかるように解答らんの図に描き入れなさい」の 1 問。精読した 3 年ではこの 1 問だけですが、年度によっては作図の指示がある前提で準備してください。算数の作図は精読した 3 年では確認していません。
  • 正誤を組み合わせて選ぶ形式が社会・理科に多くあります(2 文 X・Y の正誤、「間違っているもの」「適切でないもの」「すべて選びなさい」)。
  • 解答用紙は問題冊子に同梱されている年が多く、設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。年度によって訂正表・正誤表が挟まれています(2014 の国語・理科・社会、2023 の理科・社会、2025 の社会)。

科目ごとの細かい点は次のとおりです。

  • 算数(50 分・100 点): 小問は 20〜26 問で、50 分で割ると 1 問あたり 2 分〜2 分半。式や考え方を書く欄があるのは大問 3・4 の 6 問(年により大問 4 の (1) から、または大問 3 の (2) から)で、答えだけを出す練習では足りません。円周率の値、四捨五入の桁指定、定規・コンパスの使用可否についての記載は、精読した 3 年の転写にはありませんでした。おうぎ形・円の求積は毎年出るので、円周率の扱いは市販の過去問集の表紙で確認してください。作図の指示は精読した 3 年ではありません。図のある小問は全体の 3 割強で、大問 2 の図形枠と大問 3・4 に集中します。
  • 理科(40 分・80 点。第 1 期入試と自己推薦入試で課され、第 2 期入試にはありません): 小問 30〜41 に対して 40 分なので、4 科目の中でもっとも時間が厳しい科目です。記号選択と短答が主軸で、精読した 3 年の比率は記号選択 38〜59%、短答 33〜55%、記述 2〜8%。図・グラフ・表が多く、精読した 3 年では心臓の図、発電量のグラフ、輪軸と歯車の図、地震波の波形、天気図 4 枚、鉄と塩酸のグラフなど、1 大問に 1〜4 個の図表が入ります。桁の指定がつく計算(2024「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」)と漢字指定(2024「あるものとは何ですか。漢字で書きなさい」、2023「7 文字で答えなさい」)がときどきあります。2023 年度と 2025 年度の冊子には訂正用紙が挟まっています。
  • 社会(40 分・80 点。第 1 期入試と自己推薦入試で課され、第 2 期入試にはありません): 小問 41〜57 に対して 40 分なので、理科と並んで時間が厳しい科目です。記号選択が 46〜53%、短答が 34〜46%、記述が 5〜11%。記号選択が最も多いのですが、短答もほぼ同じ割合あるので、用語を漢字で書けることが前提になります。1 つの小問で複数の空欄をまとめて答えさせる形が多くあります(2025 の「空欄 A 〜 F にあてはまる語句または数字をそれぞれ答えなさい」は 1 問で 6 個、2024 の「空欄あ〜かに当てはまる人物名」は 1 問で 6 個)。前年〜前々年の出来事が地理・公民に必ず入ります(2024 の西九州新幹線=2022 年 9 月開業、2025 の北陸新幹線敦賀延伸=2024 年、令和 6 年度一般会計予算、戦後 80 年)。2023・2025 年度の冊子には正誤表・訂正用紙が挟まっています。
  • 国語(50 分・100 点。第 1 期・第 2 期・自己推薦のすべての回で課されます): 小問は 29〜40 問。記号選択が 34〜53%、短答(抜き出し・漢字)が 43〜60%、記述が 0〜10%。古文・漢文は精読した 3 年でゼロで、学校文法(品詞・活用・敬語)を単独で問う設問もありませんでした。図・写真は 3 年とも無く、文章と設問だけで構成されます。2 科目受験(第 2 期入試)でも国語は必ず課されるので、この科目の配点比重は回によって変わります。

11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

横にスクロールできます

段 何をやるか
小 4(土台) ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と、□を含む逆算。この学校は大問 1 が 12 年間ずっと計算で、大問 2 の (1) も 3 年とも逆算なので、ここが最終的にいちばん効く。②読む速さ — 4 科目すべてが「誰かの文章」から入る。物語も説明文も、毎日読む習慣を先に。③漢字と語彙 — 独立した漢字の大問が無く読解の中で問われるので、文章を読みながら漢字を拾う形に早く慣れる。④図形の入口 — 角度、円とおうぎ形、面積。⑤身のまわりの理科 — 植物を育てる、月と星を見る、てこ(くぎぬき・ピンセット)を触る。⑥地図と日本 — 都道府県と地形、旅行に行ったら「この県は何が有名か」を言う。時間計測はまだしなくてよい
小 5(幅) ここが本体。この学校は出題位置が固定されている一方、その枠に入る単元は毎年入れ替わるので、全分野をひととおり学び終える小 5 の出来がそのまま効く。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にする。平日 15 分は計算と逆算を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数の単元は次の順に置き、8-1 節の一行題の一覧を「小 5 で一巡する単元リスト」として使う。逆算 → 売買損益 → 食塩水 → つるかめ算(受験用教材の単元)→ 仕事算(受験用教材の単元)→ 速さ → 通過算(受験用教材の単元)→ 時計算(受験用教材の単元)→ 場合の数 → 約束記号 → 推理(覆面算・紙幣)→ 規則性 → 角度 → 平面図形の求積。規則性・数の性質には厚めの時間を取る。理科は生物(植物・こん虫・人体・生態系)と地学(気象・月・星・地層・地震)を漏らさず一巡し、化学・物理も主要単元を通す。社会は都道府県ごとの特産・地形・工業地域・世界遺産・公害の対応表を自分で作りながら地理を一巡し、通史も一巡する。国語はことわざ・慣用句・同音異義語の知識を身体の部分・意味の系統ごとに整理する。ただし国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてほしい
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は1 年分を、時間を計って解く演習が中心。ただしこの学校には「同じ大問を、年度を変えて解く」演習が効く場所が 3 つある——社会の旅行記(2022〜2025 の 4 年)、算数の大問 1(何年分でも)、理科の最後の地学の大問。この 3 つだけは年度を変えて解き、残りは通し演習に振る

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 で全分野をひととおり学び終えられるかと、小 4 から積む「計算の速さ」「読む速さ」の 2 点です。理科 40 分で 30〜41 問、社会 40 分で 41〜57 問という設計は、知識があっても手が遅ければ最後まで届きません。逆に、難問を 1 問じっくり考える力に早くから時間をかけても、この学校ではあまり返ってきません。小 4 のうちに計算と音読を「考えずに手と目が動く」水準まで上げ、小 5 で理科の 4 分野と社会の地理・通史を漏れなく回しておけば、小 6 は出題位置に合わせた仕上げと時間の練習に集中できます。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は出題構造が近いかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が重なります。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。

  • 新島学園中学校(群馬県・共学)— 算数の一行題の量と、国語の抜き出し中心の作りが近い組み合わせです。
  • 法政大学第二中学校(神奈川県・共学)— 4 科目そろって近く、理科の小問数の多さと社会の記述が重なります。
  • 八雲学園中学校(東京都・共学)— 算数の枠がよく似ています。

8 校の一覧・科目ごとの近さ・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。 算数の演習を使いやすい相手、理科を 40 分で通す演習に向く相手、社会の資料つき記述が近い相手の内訳も、そちらに載せています。

  • この学校の第 1 期入試と自己推薦入試は 4 科です。第 2 期入試だけを受ける場合は国語・算数の 2 科になるので、併願先の科目数と合わせて、理科・社会にどれだけ時間を割くかを先に決めてください。
  • 近さは科目ごとの出題構造の距離から出したもので、同じ問題が出るという意味ではありません。本校の国語は 2021 年度以前の資料で計算されているため、国語の近さは参考程度に見てください。
  • 社会の「旅行記」の枠と国語のことわざの枠は、この学校に固有の設計で、他校の過去問では代用しにくい部分です。そこだけは本校の過去問を年度横断で使うほかありません。

13. 資料の限界

  • 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊のみで、第 1 期入試の問題です(複数の年度・科目の冊子で「第 1 期入試」の表記を確認しました)。自己推薦入試(12 月・4 科)と第 2 期入試(1 月・国語と算数の 2 科)の問題はこの資料に含まれず、それらの傾向についてはここでは何も言えません。第 2 期入試は 2 科なので、国語と算数の比重が第 1 期とは変わります。
  • 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2014・2015・2016・2020・2021 の 6 年で、本文中の国語の記述は 2016・2020・2021 の 3 年を精読して確認したものに限ります。直近 4 年の形式は市販の過去問集で確認してください。国語の出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
  • 社会の 2022・2023 年度は、内容が歴史・地理・公民の 3 部構成であるにもかかわらず、転写では大問 1 本にまとめられています(2023 年度は 1 大問 57 小問)。この 2 年については大問の本数を他の年と比べることができないため、8-3 節では「前半・中盤・後半」という言い方をしています。中身の並びと設問文そのものは読めるので、分析からは外していません。
  • 精読したのは各科目 3 年ぶんです(算数・理科・社会が 2023〜2025、国語が 2016・2020・2021)。それより前の年について書いた回数・年度は、構成だけ数えた年の大問構成と単元の一覧から拾ったもので、設問文そのものは確認していません。「3 年連続」「3 年とも」「原本で確認」と書いたものだけが、設問文まで確かめた反復です。
  • 資料の無い年があります。算数は 2011〜2013、理科は 2011、社会は 2011・2012、国語は上記のとおりです。
  • 転写データは画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがありえます。とくに算数の分数・単位、理科の図番号の対応、国語の本文の細部には揺れがあります。図そのものは転写されないため、図形問題や実験装置の細部は設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。
  • 試験時間・配点は 2027 年度の募集要項の値で、過去の年度が同じだったかは確認していません。設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていないので、どこに何点あるかはこのページでは分かりません。
  • 「毎年」「〜年連続」は原本または年度ごとの大問構成で反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
  • 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果はこのページでは扱っていません。

千葉日本大学第一中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 出題構造が近い学校 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方


数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

この学校が載っているまとめ