明治大学付属明治中学校 の過去問分析
明治大学付属明治中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
明治大学付属明治中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・最大 17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都調布市 |
| 男女 | 共学(2008 年 4 月に調布への移転と同時に共学化しました。それ以前は男子校です) |
| 旧称 | 明治中学校(旧制・1912 年開校) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2026 年 2 月 2 日 — 4 科(募集は男子約 45 名・女子約 45 名の合計)/第 2 回 2026 年 2 月 3 日 — 4 科(募集は男子約 30 名・女子約 30 名の合計) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 75 点・社会 40 分 75 点。両回とも同じです |
| 面接 | 募集要項に面接の記載はありません |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 同じ問題が使い回される学校ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。精読した 3 年(2024・2025・2026)とも、算数は大問 5 題・小問 13〜15 問、理科は大問 7 題・小問 35〜37 問、社会は大問 3 題で動きません。
- 算数は大問 1 が小問集合 5 問、大問 5 がニュートン算で 3 年連続。理科は大問 2 が化学、大問 4 が生物、大問 6 が物理で 3 年とも動きません。社会は大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民と時事の順で 3 年連続です。
- 国語は資料のある 2015〜2022 年度が大問 2 題(8000 字級の論説 1 本+漢字の書き取り 10 問)です。
家でやること 3 つ
- 算数のニュートン算を 2024・2025・2026 の 3 年分続けて解きます。この 1 単元だけで算数の 5 分の 1 に当たる大問が取れる可能性があります。
- 理科の量的関係の計算を、塩酸と金属(2026)・中和(2025)・浮力(2024・2026)の 3 系統で固めます。
- 社会の地形図の読図を、断面図・新旧の比較・読み取りの正誤の 3 パターンで週 1 枚。3 年連続で大問 1 の締めに来ます。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1(小問集合 5 問)を 12 分で通せるか計ってみます。逆算 1・文章題 3・図形 1 の構成が 3 年とも同じです。
注意
- 国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2010〜2022 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 2009〜2023(大問数・小問数だけを自動集計で数えました) | 16 年(2009〜2026) | 全問が答えのみを書く形式です。図のある小問が 25% で、図そのものは転写に残らないため図の説明文からの推定を含みます |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 2009〜2023(同上) | 15 年(2009〜2026) | 図・表・グラフが多く(図のある小問 61%)、転写の読み取り確度が低めの年が 15 年中 7 年あります(2024・2026 を含みます) |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 2009〜2023(同上) | 17 年(2009〜2026) | 設問文が長く(1 年あたり約 6500 字)、選択肢の文言まで読めます。転写の読み取り確度が低めの年が 17 年中 8 年あります(2024 を含みます) |
| 国語 | 3 年(2017・2019・2022) | 2010〜2021 のうち資料のある年(同上) | 9 年(2010〜2022) | 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。本文・設問とも読める年は読めます |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: この学校の 2026 年度入試は第 1 回(2 月 2 日・募集 90 名)と第 2 回(2 月 3 日・募集 60 名)の 2 回です。ところが転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回のものかを資料から確定できません(第 1 回相当と考えられます)。以下の観察は「資料に載っている 1 冊」についての話で、第 2 回に同じことが言えるかは確認できていません。ただし試験時間と配点は両回とも同じなので、時間配分の話は両方に通じます。
- 試験時間・配点(2026 年度募集要項)は 1 節の表のとおりで、4 科合計 350 点です。共学で、募集人員は男女ほぼ半々の内訳が示されています。
- 「毎年」「〜年連続」は原本で 3 年以上の反復を確認したものに限って書きました。それ以前の年については、転写データの単元分類を数えた結果だけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
- 国語について: ここに書いたのは 2010〜2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
5. 一番大きな結論
この学校は「同じ場所に同じ種類の問題が出る」学校です。 同じ問題そのものが使い回されるわけではありません(精読した年の設問文で、そのまま再登場した問題は見つかりませんでした)。動かないのは問題の並び、つまり座席(問題の置き場所)の方です。
- 算数: 大問 5 題・小問 13〜15 問が 3 年とも同じです。大問 1 は小問集合 5 問で、その (1) は分数と小数のまじった逆算(□ にあてはまる数を求める計算)の □ 埋めです。そして大問 5 がニュートン算(2024 マイナンバーカード交付窓口、2025 空港の保安検査ゲート、2026 ドーナツショップのレジ待ち)で 3 年連続。「窓口が複数あって、途中で本数や条件が変わる」という骨格まで同じでした。
- 理科: 大問 7 題・小問 35〜37 問が 3 年とも同じです。分野の内訳も化学 2・生物 2・物理 2・地学 1 で 3 年一致。大問 2 は化学、大問 4 は生物、大問 6 は物理が 3 年とも動きませんでした。地学が入る位置だけが毎年変わります(2024 は大問 1、2025 は大問 5、2026 は大問 7)。
- 社会: 大問 3 題で、大問 1 =地理/大問 2 =歴史/大問 3 =公民と時事の並びが 3 年連続です。大問 1 の締めが地形図の読図、大問 3 の終盤に「あなたはどう考えるか」を書かせる記述、という位置まで揃っています。
- 国語: 資料のある 2015〜2022 年度は大問 2 題(8000 字級の論説 1 本+漢字の書き取り 10 問)です。漢字の大問の指示文「次の 1〜10 の文中の(カタカナ)を漢字で書きなさい。」は 2011〜2022 の 8 年すべてで同一でした。
したがって過去問の使い方は、①その座席に来る単元をあらかじめ仕上げておく(算数のニュートン算・食塩水、理科の量的関係と浮力、社会の地形図と統計)、②決まった問題数を決まった時間で処理する感覚を作る(理科 40 分 36 問、社会 40 分 35 問)の二つが中心になります。「出た問題を暗記する」使い方は効きませんが、「出る種類を先回りする」使い方は非常に効く学校です。
6. この学校らしさが出る場所
- 算数の題材が「行列と待ち時間」に寄ります。 ニュートン算の設定が、マイナンバーカードの交付窓口(2024)、空港の保安検査ゲート(2025)、ドーナツショップのレジ待ち(2026)と、3 年とも現実に並んだことのある行列から取られています。抽象的な「牧草と牛」ではなく、生活の場面に置き換えて出題する好みが見えます。
- 理科が前年の出来事を入口にします。 噴火警報(2024)、パリから見た星空(2025)、沖縄のテーマパーク開業とやんばる、皆既月食(2026)。ただし問われる中身は教科書どおりで、ニュースの知識そのものを聞く小問は限られています。「知っている入口から、習ったことを取り出させる」作りに見えます。
- 社会の歴史が「モノ・行為」から通史を通します。 医療(2024)、落とし物(2025)、身体運動とスポーツ(2026)。政治史の年表をなぞるのではなく、一つの営みを古代から現代まで追わせます。史料や絵画・かわら版・新聞記事をそのまま読ませる比重も大きく、2026 は史料 10 点でした。
- 社会の公民が「答えの決まっていない問い」で終わります。 外国籍の住民の地方選挙参加(2024)、流言飛語と虐殺(2025)、平和への決意として中学生に何ができるか(2026)。3 年とも、最後は受験生自身の考えを書かせて締めていました。
- 国語が一貫して「言葉とものの見方」を扱います。 資料に残る出典は、コミュニケーション論・哲学・暮らしの思想・話し言葉論と、評論と随筆でそろっています。物語文で心情を追わせるより、抽象的な議論を正確に追わせたいように見えます。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習期(夏以降)を前提に優先順を付けています。小 5 以前の方は、この節を「いつか通る道の一覧」として眺め、11 節の学年別ロードマップの該当段を見てください。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数のニュートン算を 3 年分続けて解く(2024・2025・2026) — 窓口・ゲート・レジが複数あり、途中で本数が変わり、答えを時刻で聞かれます。「窓口が複数・途中で本数が変わる・時刻で聞かれる」形に絞って 10 題。3 年分を続けて解くのが最短です。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数の大問 1(小問集合 5 問)を 12 分で通す訓練 — 逆算 1・文章題 3・図形 1 の構成が 3 年とも同じなので、セットを自作して毎日回せます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の割合まわりの文章題 — 食塩水は「容器 3 つ・やりとりあり・逆算」まで(2 つの容器で止めません)。売買損益は「2 段階(初日/翌日、A 店/B 店)」の設定に慣れます。平行四辺形・三角形の辺上に点を取る面積比は、補助線なしで比だけで処理する練習を。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の量的関係の計算 — 塩酸と金属(2026)・中和(2025)・浮力(2024・2026)の 3 系統で固めます。表から比例を読み、外挿・内挿する形が共通です。浮力は「1 cm³ あたりの重さ」「水面から何 cm 出るか」で答える形に慣れ、判別問題(水溶液 4 種・金属 4 種・気体)は実験結果の表からしらみつぶしに絞る手順で練習します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科を 40 分 36 問で解く練習 — 1 問 1 分。計算の重い小問に印を付けて後回しにする手順を、過去問 1 年分で決めてしまいます。地学は 4 分野(気象・地層と火山・星と月・太陽)を薄く広く。年 1 題なので深追いは不要です。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の地形図の読図と統計表の読み取り — 断面図・新旧の比較・読み取りの正誤の 3 パターンを週 1 枚。統計は農業・工業・人口の 3 分野で、都道府県や品目を当てる問題が毎年 3〜5 問あります。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の「あなたはどう考えるか」記述 — 3 年連続で大問 3 の終盤にあります。資料を 1 文で引用 → 自分の立場 1 文 → 理由 1〜2 文、という書き方を先に用意しておくと、字数指定がなくても手が止まりません。あわせて「正しくないものを 1 つ選ぶ」形式の演習(4 つの文を全部判定する癖)と、前年 1 年間のニュースを選挙・国際・人権・災害の 4 つの引き出しに分けたメモを。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語の指示語と漢字 — 1 本の論説で 4〜9 か所の「それ」「これ」をまとめて言い換える練習を。精読した 3 年すべてに同じ形の設問がありました。漢字 10 問(熟語 7・訓読みの送りがな 3)は毎日です。配分が 3 年とも同じで、指示文も 8 年変わっていないので、ここは落とせません。週末には 8000 字級の評論を 20 分で読み切る練習、字数指定のない理由説明を 40〜60 字と見積もって書く訓練、本文全体を 70〜100 字でまとめる要約を週 1 本。(確認: 〜2022 年度)
8. 科目別の詳細
今からやること・しばらく出ていない単元・形式面の注意は、科目をまたいで 7 節・9 節・10 節にまとめてあります。ここでは題材と問い方だけを科目ごとに書きます。
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 5・小問 13〜15・50 分。16 年通じて大問数が 5 で不変、小問数のばらつきも 5% 未満 | 割合と文章題への偏りが大きい(転写の分類で 48%)。ニュートン算・食塩水・売買損益が軸。全問が答えのみ | ニュートン算を時刻で答える形まで。そして大問 1 の 5 問を 12 分で抜ける計算力 |
| 理科 | 非常に高い。大問 7・小問 35〜37・40 分。15 年通じて大問数が 7 で不変 | 4 分野を万遍なく。表・グラフから比例を読む計算が各分野に入る。説明を書かせる問題は精読した 3 年でゼロ | 量的関係の計算(塩酸と金属、中和、浮力、体液の量)と、1 問 1 分の処理速度 |
| 社会 | 高い。大問 3・小問 34〜36・40 分。地理→歴史→公民の順が 3 年連続 | 地理は図表と地形図、歴史は 1 テーマの通史、公民は前年のニュースが入口。記述は年 1〜3 問だが自由記述 | 地形図の読図(3 年連続)と統計の読み取り、そして「あなたの考え」を 3〜5 文で書く手順 |
| 国語 | 高い(2015〜2022 の資料の範囲で)。大問 2・小問 20〜27・50 分 | 論説・随筆 1 本(物語文は資料の 9 年で大問の主軸に出ない)+漢字 10 問。指示語の内容説明と理由説明の記述が中心 | 指示語をまとめて言い換える練習と、8000 字を 20 分で読む速度 |
科目ごとに求められる力が違います。算数は「割合の文章題を式にする」、理科は「表から計算する」、社会は「図表を速く読む」、国語は「指示語を言い換えて書く」です。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 13〜15・答えのみを書く形式)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(小問集合 5 問) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 逆算/通過算/食塩水(A・B の入れ替え)/過不足・比/回転体 | 規則性(奇数を三角形に並べる) | 消去算(お菓子 3 種の代金) | 売買損益(仕入れ値と値下げ) | ニュートン算(マイナンバーカード交付窓口) | 15 |
| 2025 | 四則計算の逆算/規則性(分母 2025 の既約分数)/仕事算(排水管)/和差・分配算/平行四辺形の面積比 | 過不足・差集め算(記念カード配布) | 食塩水の濃度(容器 3 つ) | 流水算(船 2 そう・エンジン停止) | ニュートン算(空港の保安検査ゲート) | 13 |
| 2026 | 四則計算の逆算/仕事算(お茶の分配)/速さ(池の周りの出会いと追いこし)/平行四辺形の面積比/推理(選挙の当落) | 売買損益(2 店に分けて売る) | 食塩水の濃度(3 種の混合) | 回転体(体積と表面積) | ニュートン算(ドーナツショップのレジ待ち) | 15 |
精読した 3 年とも 大問 5 題・小問 13〜15 問、そして大問 1 が小問集合 5 問という並びが動きません。自動集計で数えた 16 年分(2009〜2026)でも大問数は 5 で一定、小問数は平均 14.7(ばらつきは 5% 未満)でした。
頻出単元と周期(原本で確認した 3 年+転写の分類)
- 大問 5 がニュートン算: 2024(交付窓口)・2025(保安検査ゲート)・2026(レジ待ち)の 3 年連続です。しかも 3 年とも「窓口・ゲート・レジが複数あり、途中で本数や条件が変わる」という同じ骨格でした。転写の分類でさかのぼると 2015・2016・2017・2019〜2024 にもニュートン算が入っており、この学校の看板単元と言ってよいものです。
- 食塩水の濃度: 2024 は大問 1(3)、2025 は大問 3、2026 は大問 3 と 3 年連続で出ました。2025・2026 はどちらも「容器・種類が 3 つ」で、混ぜた後の濃度から元の濃度や量を逆算させます。
- 売買損益: 2024 大問 3・4、2026 大問 2。仕入れ値・定価・値下げ・利益の 4 点セットを、2 段階(初日と翌日、A 店と B 店)で動かすのが共通です。
- 平行四辺形の辺上に点を取り面積比を出す問題: 2025 大問 1(5)・2026 大問 1(4) と 2 年連続で、しかも小問集合の同じ位置に入っていました。
- 逆算の □ 埋め: 大問 1(1) は 3 年とも分数・小数まじりの四則計算で、答えを □ に入れる形です。転写の分類では 16 年のうち大問 1 が逆算または四則計算で始まる年がほとんどを占めます。
- そのほか 3 年で見えたのは、規則性・数列(2024 大問 2、2025 大問 1(2))、仕事算(2025 大問 1(3)、2026 大問 1(2))、流水算(2025 大問 4)、回転体(2024 大問 1(5)、2026 大問 4)、速さ(2026 大問 1(3))です。単元の広がりより、割合と文章題まわりに大きく偏っているのが特徴で、自動集計の単元の割合でも「割合・文章題」が 48%、次いで速さ 17%、平面図形 13% でした。
問い方
- 大問 1 の導入文は「次の □ にあてはまる数を求めなさい。」で、2024・2025・2026 の 3 年とも同じ一文でした。
- 大問 2 以降は「文章題の設定を 5〜10 行で説明し、小問 2〜3 問でその設定を掘る」形です。小問 (1) が状況の把握、(2)(3) が条件を 1 つ変えた発展、という段差の付け方が 3 年とも共通しています。
- ニュートン算は 3 年とも「時刻」で聞かれます(○時○分に並んでいる人は何人か/列がなくなるのは何時何分何秒か)。人数と時刻を行き来する形に慣れておくと有利です。
- 答えは数値のみ。考え方や式を書かせる欄は、精読した 3 年の設問文には出てきませんでした。
8-2. 理科(40 分・75 点・大問 7・小問 35〜37・記号選択と短答(語句や数値を短く答える形式)が半々)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
前半の大問
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 火山の形とマグマ(地学) | 4 種の水溶液の判別(化学) | 4 種の金属の判別(化学) | インゲンマメの発芽と乾燥重量(生物) |
| 2025 | 塩酸と水酸化ナトリウムの中和(化学) | 有機物と燃焼(化学) | ウシガエルの筋肉と神経の伝わる速さ(生物+速さの計算) | オオカナダモと BTB 溶液(生物) |
| 2026 | 石灰石と塩酸・気体の発生(化学) | アルミニウムと塩酸の量的関係(化学) | 血液の成分とエネルギー(生物) | やんばるの生態系と外来種(生物) |
後半の大問
| 年度 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 腎臓と尿のもと(生物) | 浮力・密度(物体 A〜C) | 電熱線と水温上昇(物理) | 35 |
| 2025 | パリで見た北天の星空(地学) | 回路とスイッチ(物理) | プリズムと虹(物理) | 37 |
| 2026 | フーコーの光速測定(物理) | 三角形の重心と浮力(物理) | 皆既月食と土星(地学) | 36 |
大問 7 題・小問 35〜37 問が 3 年とも動きません。自動集計で数えた 15 年分(2009〜2026)でも大問数は 7 で一定、小問数は平均 33.0 でした。
分野の並び(3 年で確認できた座席)
- 精読した 3 年とも化学 2 題・生物 2 題・物理 2 題・地学 1 題の 7 題構成でした。
- 大問 2 は 3 年とも化学(2024 水溶液の判別・2025 燃焼・2026 金属と塩酸)。大問 4 は 3 年とも生物(発芽・光合成・生態系)。大問 6 は 3 年とも物理(浮力・回路・浮力とつり合い)。この 3 つの座席は、年度が変わっても分野が入れ替わりませんでした。
- 逆に大問 1・大問 5・大問 7 は動きます。地学が入る位置が 2024 は大問 1、2025 は大問 5、2026 は大問 7 と毎年違うので、「最後は地学」といった思い込みは持たない方がよいところです。
頻出単元と周期(原本で確認した 3 年+転写の分類)
- 金属・気体と塩酸の量的関係: 2024 大問 3(発生した気体 0.84 L から金属の重さ)・2026 大問 2(アルミニウム 3 g・9 g で発生量と溶け残り)。表の比例関係を読み取って外挿・内挿する計算が中心です。
- 浮力・密度: 2024 大問 6(立方体・直方体・体積 300 cm³ の物体)・2026 大問 6(板にはたらく浮力と 1 cm³ あたりの重さ)。2 年とも「1 cm³ あたりの重さ」を答えさせる小問が入っていました。
- 人体: 2024 大問 5(腎臓・尿のもとの量)・2026 大問 3(血液成分とブドウ糖の量)。どちらも体液の量や濃度を計算させる方向です。転写の分類では人体が 15 年で最も多い単元群(8%)でした。
- 光: 2025 大問 7(プリズムと虹)・2026 大問 5(フーコーの光速測定)。2 年連続で光が入り、2026 は空欄に式を当てはめて光速を導く形でした。
- 前年の出来事を題材の入口にします: 2024 大問 1(6) は 2023 年に噴火警報が出た火山、2025 大問 5 はパリの北緯 49 度から見た星空(2024 年 8 月)、2026 大問 4 は 2025 年 7 月開業のテーマパークとやんばる、2026 大問 7 は 2025 年 9 月 8 日の皆既月食です。3 年とも、その年の受験生が「去年ニュースで見た」ものが少なくとも 1 題の入口になっています。ただし問われる中身は教科書の内容で、時事知識そのものを聞く小問はごく一部でした。
- 実験器具の操作(2024 大問 2 の水酸化ナトリウム水溶液のつくり方、2026 大問 1 のメスシリンダーの読み方)も 2 年で確認できました。転写の分類では 2015・2017・2019・2020・2021 にも実験器具の大問があります。
問い方
- 「〜として正しいものを選び、ア〜エの記号で答えなさい」が全体の骨格です。とくに気体の性質は選択肢の文言まで似ています(2026 大問 1(5) と大問 2(2) は同一年の中で「ア 同じ体積の空気より軽い/イ 同じ体積の空気より重い……」という同じ選択肢の並びが 2 度使われ、2024 大問 3(2) にも同種の問いがありました)。
- 「A〜D の名称をそれぞれ答えなさい」という判別問題が 3 年とも入ります(2024 は水溶液 4 種と金属 4 種、2025 は物質 A〜D、2026 は血液成分)。実験結果の表から未知の物質を特定する形に慣れておきます。
- 【実験 1】〜【実験 8】と番号を振って条件を少しずつ変え、最後の小問で「同じ結果になるのはどの接続か」と逆向きに問います(2024 大問 7)。
- 計算の答えには桁の指定が付くことがあります(2024「小数第 3 位まで」、2026「小数第 3 位を四捨五入して小数第 2 位まで」)。
8-3. 社会(40 分・75 点・大問 3・小問 34〜36・地理/歴史/公民の 3 本立て)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民・時事) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 日本の地理(正誤の組み合わせ 6 問+工業生産額・農産物出荷額・年齢別人口・店舗別販売額・逆さ地図・断面図) | 日本の医学・医療の通史(弥生の出土品から戦後まで 13 問) | 地方自治(市町村合併・知事と議会・LGBT 理解増進法・ふるさと納税・外国籍住民と選挙) | 36 |
| 2025 | 日本の 11 の半島(名称・説明文との対応・日の出時刻・雨温図・漁港の水揚量・野菜の収穫量・地形図の断面) | 落とし物の歴史(2023 年の統計から入り、聖武天皇・戦国の絵画・草津宿本陣・戦後まで 12 問) | 2024 年の世界各地の選挙(台湾・アメリカ大統領選・グローバルサウス・円高ドル安・東京都の有権者・関東大震災の流言) | 34 |
| 2026 | 47 都道府県(県民歌の歌詞から県を当てる 7 問+地方中心都市の統計・鉄道時間距離・SNS の地名・農業産出額・雨温図・地形図の新旧比較) | 身体運動に関する史料 10 点(蹴鞠の絵巻・かわら版・1908 年ロンドン五輪の新聞記事・1964 年沖縄の聖火リレー) | 被爆 80 年の高校生決議(戦後の経済・核をめぐる国際情勢・防衛費・参議院選挙・外国人政策・憲法第 14 条) | 35 |
大問 3 題が 3 年とも動きません。しかも並び順が大問 1 =地理/大問 2 =歴史/大問 3 =公民と時事で 3 年連続そろっていました。自動集計で数えた 17 年分(2009〜2026)でも大問数はほぼ 3 で一定、小問数は平均 36.0 でした。
大問ごとの性格(3 年で確認)
- 大問 1(地理)は図・表・地形図の束です。3 年とも最後の小問が地形図の読図でした(2024 断面図、2025 断面図と読み取り、2026 は同じ地域の新旧地図を年代順に並べる)。統計表から品目や都道府県を当てる問題が毎年 3〜5 問入ります。
- 大問 2(歴史)は 1 本のテーマで古代から現代まで通します。テーマは医療(2024)・落とし物(2025)・身体運動とスポーツ(2026)と毎年違いますが、弥生・飛鳥から戦後まで時代を飛ばさずに並べる構成は 3 年とも同じでした。2026 は史料 10 点そのものを読ませる形に寄っていました。
- 大問 3(公民)は前年の出来事から入ります。2024 は地方自治と LGBT 理解増進法、2025 は 2024 年の各国の選挙、2026 は被爆 80 年と参議院選挙。ここにその年の「答えの決まっていない問い」が置かれます。
頻出単元と周期(原本で確認した 3 年+転写の分類)
- 地形図の読図が 3 年連続(2024・2025・2026)。断面図・新旧比較・読み取りの正誤と形は変わりますが、25000 分の 1 の地図を扱う点は共通です。
- 雨温図・気候が 2 年連続(2025 大問 1 の 4 地点、2026 大問 1 の 4 観測地点)。転写の分類では 2025 の大問 1 主要単元が気候でした。
- 都道府県の同定は 2024(正誤問題の中)・2025(半島 11 か所)・2026(県民歌 7 問)と 3 年とも形を変えて出ます。図中の番号で位置を答えさせるのが定番です。
- 農業・食料の統計が 3 年連続(2024 農産物出荷額の推移、2025 野菜 4 品目の収穫量上位、2026 農業産出額 3000 億円以上の道県)。
- 選挙制度は 2024・2025・2026 の 3 年とも公民の大問に登場します。外国籍の住民・外国人政策も 2024(地方選挙への参加)と 2026(外国人優遇という言説の検証)に出ました。
- 転写の分類では「地理-地図・地形・気候」が全体の 22%、次いで「公民-憲法・政治」15%、「歴史-古代〜中世」11%、「歴史-近現代」11%。地理の比重がやや大きいところです。
問い方
- 「正しくないものを次のア〜エの中から 1 つ選び、記号で答えなさい」が最多です。誤りを 1 つ探す形に慣れていないと時間を失います。
- 2024 大問 1 は「A〜C の文を読み、正誤の組み合わせとして正しいものを〈選択肢群〉ア〜クから選ぶ」形式が 6 問並びました。3 つの文の正誤をすべて確定しないと答えが出ません。
- 「あなたはどう考えるか」を書かせる記述が 3 年連続で大問 3 の終盤に置かれます。2024「あなたならどのように答えるか、自分の考えを書きなさい」「あなたはどのような考えを持ちますか。本文と会話文の内容をふまえて具体的に答えなさい」、2025「なぜ人々は流言飛語に惑わされたと考えられますか」、2026「あなたが中学生になって……どのようなことができると考えますか。具体的に例を挙げて説明しなさい」。精読した 3 年の記述に字数指定は付いていませんでした(解答欄の大きさで決まると思われます)。
- 語句の答えに「漢字で」「カタカナで」「漢字 4 字で」の指定が入ります(2024 大問 3-1、2025 大問 3 の 2 と 6、2026 大問 3 の 1)。
- 会話文・生徒と先生のやりとりを読ませる小問が 2024 に出ました。過去には資料を並べて時代順に並べ替える問題も繰り返し出ています。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 2・小問 20〜27・長い論説 1 本+漢字 10 問)
先にお断り: 国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2022 年度に限った話で、原本で精読したのは 2017・2019・2022 の 3 年です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2017・2019・2022・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(読解) | 大問 2 | 小問数 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 論説・「話を聴いてもらう」ための言葉と身体(内田樹『転換期を生きるきみたちへ』)・小問 17 | 漢字の書き取り 10 問 | 27 |
| 2019 | 論説・新しい絵の見方と読書法(『随処師説』)・小問 10 | 漢字の書き取り 10 問 | 20 |
| 2022 | 論説・講演と話し言葉、日本語の変化・小問 14 | 漢字の書き取り 10 問 | 24 |
精読した 3 年とも大問 2 題(長い読解 1 本+漢字 10 問)でした。2015 年度以降は資料のある年すべてがこの 2 題構成です(2015・2016・2017・2019・2022)。それ以前(2010〜2014)は読解 2 本+漢字の 3 題構成の年もあります。
- 読解の素材は 3 年とも論説・随筆で、物語文が入りませんでした。資料に残っている出典(2010 中村雄二郎、2011 森山卓郎『コミュニケーションの日本語』、2012 ピーター・フランクル『ピーター流生き方のすすめ』、2015 左近司祥子『哲学のことば』、2016 加藤秀俊『暮らしの思想』、2017 内田樹『転換期を生きるきみたちへ』、2019『随処師説』)も、言葉・コミュニケーション・ものの見方・生き方をめぐる評論と随筆でそろっています。
- 本文は長いものです。自動集計で数えた 9 年分では本文の中央値が約 8900 字で、A4 に直すと 18 頁相当でした。
問い方(精読した 3 年で確認)
- 指示語の中身をまとめて答えさせるのが看板です。2017 問一「部①・③・④・⑦『それ』はそれぞれ何を指しますか」、2019 問二・問三(複数の傍線部の指示内容)、2022 問四「部③『これ』、部⑥『これ』、部⑪『それ』、部⑫『それ』の指示内容をそれぞれ答えなさい」。3 年連続で、しかも 1 問で 4〜9 か所を処理させます。
- 段落の抜けを埋める問題。2017 問十「本文から次の文が抜けています。どの段落の前に入れるのが適当ですか。その段落の初めの五字を答えなさい」、2019 問七も同じ形(初めの三字)。2 年で確認できました。
- 理由説明の記述が各年 3〜5 問。「なぜですか」と聞くだけで字数を指定しない設問が多く、解答欄の大きさで分量を判断することになります。
- 最後に本文全体をまとめる作文。2017 問十七「筆者がこの文章を通して伝えたいことを、七十字以内でまとめなさい」、2022 問十四「日本人は日本語とどのように関わっていくべきか、筆者の主張を解答欄に合うように百字以内でまとめなさい」。
- 抜き出しには字数がつきます(2017「三十字前後で抜き出しなさい」「六字で抜き出しなさい」、2019「漢字二字で」、2022「二十字で抜き出し、初めと終わりの三字を」)。
- 語句・知識も本文の中に埋め込まれます。慣用句から漢字一字を考える(2017 問八)、四字熟語(2022 問十二)、夏目漱石の作品を全て選ぶ(2022 問一)、接続語の補充(2022 問三)など。
- 大問 2 の導入文は「次の 1〜10 の文中の(カタカナ)を漢字で書きなさい。」で、資料のある 2011〜2022 の 8 年すべてで同じ一文でした。10 問のうち 7 問前後が熟語、残りが訓読みの送りがな(2017「養う」「群がる」「志す」、2019「旗」「構える」「設ける」、2022「決を採る」「努める」「延べ」)です。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
直近 3 年では大問の主役になっていませんが、それ以前には繰り返し出ていたものです。次に戻ってきてもおかしくないという意味で挙げます。年は転写の分類によるもので、最終確認年度はその単元が大問の主軸だったと確認できる最後の年です。
| 科目 | 単元 | 大問の主軸だった年(転写の分類) | 最終確認年度 | 一言 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 時計算 | 2015・2016 | 2016 | 2 年続けて出て以降 10 年離れています |
| 算数 | 立体の切断 | 2016・2019 | 2019 | 回転体は 2024・2026 に出ており、立体そのものは切れていません |
| 算数 | 水量とグラフ | 2015 | 2015 | 割合と結びついた形なら復活しやすいところです |
| 算数 | 点の移動・速さとグラフ | 2009・2011・2014 | 2014 | 2026 に小問で速さが復帰しました |
| 算数 | 場合の数 | 2014 | 2014 | 2026 は推理・論理が小問集合に入りました |
| 算数 | 平均算 | 2022 | 2022 | 転写の分類で大問として見えるのはこの年までです |
| 理科 | ばね | 2018・2022 | 2022 | 物理は 2 つの座席があるので入りやすいところです |
| 理科 | てこ・つり合い | 2009・2016・2018 | 2018 | 2026 に小問(重心)で復帰しました |
| 理科 | ふりこ | 2021・2023 | 2023 | 2025 は運動の計算として登場しました |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2019・2022 | 2022 | 直近は小問で断続的に出ます |
| 理科 | 音 | 2019 | 2019 | 光が 2 年連続なので、次の波の題材として |
| 理科 | 地層・岩石 | 2020 | 2020 | 地学は年 1 つの座席の持ち回りで、2024 は火山の中の小問でした |
| 理科 | 遺伝 | 2023 | 2023 | 生物 2 つの座席のうち 1 つに入りえます |
| 社会 | 国際社会・国際協力 | 2010・2012・2014・2016・2022 | 2022 | 大問 3 の軸として最も回数が多く、直近は小問で登場します |
| 社会 | 情報・メディアリテラシー | 2011・2023 | 2023 | 2026 は小問で復帰しました |
| 社会 | 日本国憲法を軸にした大問 | 2017・2018・2021 | 2021 | 2026 は第 14 条が小問で出ました |
| 社会 | 三権分立 | 2019 | 2019 | |
| 社会 | 経済・労働 | 2020 | 2020 | |
| 社会 | 貿易・資源・エネルギー | 2009 | 2009 | 地理の大問 1 の軸としては長く離れています |
| 社会 | 交通・通信 | 2011 | 2011 | 2026 は小問で出ました |
| 国語 | 読解 2 本立て | 2010〜2014 | 2014 | 2015 年度以降は 1 本+漢字。資料は 2022 年度まで |
| 国語 | 慣用句・空欄補充が独立した大問 | 2010・2011 | 2011 |
- 算数では、速さとグラフの絡みが 2026 に小問集合で顔を出しており、大問として戻ってくる余地があります。
- 理科の地学は年 1 題しか入らないぶん、気象・地層・星・月・太陽が順番に回ってきます(2024 火山、2025 星、2026 月)。次に何が来るかは絞りにくいので、ひととおり触れておく方が安全です。
- 社会の公民の大問はその年の時事に合わせて軸が動きます。憲法・三権・経済・国際のどれが来ても答えられる状態にしておきたいところです。
- 国語の物語文は、資料に残っている 9 年では大問の主軸に出てきません。ただし資料が 2022 年度で止まっているため「今も出ない」とは言えません。市販の過去問集で直近年を確認してください。
10. 形式面の注意
算数
- 精読した 3 年は全問が答えのみを書く短答で、記号選択も説明もありませんでした。考え方や式を書かせる欄は設問文から確認できませんでした。部分点を狙う余地が少ないぶん、計算の精度がそのまま点になります。
- 図のある小問は全体の 25%(自動集計で数えた 16 年分)。図は「右の図のように」で与えられ、図そのものを読み取らせます。回転体(2024・2026)は立体を自分で思い浮かべる必要があります。
- 円周率の指定・単位の印字は、転写された設問文からは確認できませんでした。市販の過去問集で現物を確認してください。
- 50 分で 13〜15 問。1 問あたり 3 分半前後で、大問 1 の 5 問を 12〜15 分で抜けられるかが時間配分の分かれ目になります。
理科
- 精読した 3 年で説明を書かせる記述問題はゼロでした。記号選択がおよそ半分、残りが語句・数値の短答です(自動集計で数えた 15 年分でも選択 51%・短答 47%・記述 0%)。
- 図やグラフのある小問が 61%(15 年分)。図・表・グラフを読むこと自体が主要な作業になります。
- 答えの桁を指定する小問があります(「小数第 3 位まで」「小数第 3 位を四捨五入して小数第 2 位まで」)。文字種の指定も入ります(2025「漢字を含めて 7 文字で」、2026「カタカナで」「漢字 3 字で」)。
- 40 分で 35〜37 問。1 問あたり 1 分強で、計算の重い小問(浮力・中和・量的関係)に時間を残せるかが勝負です。
社会
- 精読した 3 年の内訳は、記号選択が 65〜86%、語句などの短答が 11〜29%、記述が年 1〜3 問(2024 が 3 問、2025 が 2 問、2026 が 1 問)でした。記述に字数指定は付いていなかったので、解答欄の大きさで分量を決めることになります。記述は少ないものの、いずれも配点が読めない自由記述で、白紙にすると差がつきやすいところです。
- 語句には「漢字で」「カタカナで」「漢字 4 字で」の指定が入ります。
- 図・表・地図のある小問が 45%(自動集計で数えた 17 年分)。設問文の総量が多く、A4 に直すと 20 頁を超える年もあります。
- 40 分で 35 問前後、しかも図表を読む時間が要ります。大問 1 の統計・地形図で止まらないことが最優先です。
国語
- 精読した 3 年の内訳は、記述が 5〜7 問、抜き出し・空欄補充などの短答が 8〜12 問、記号選択が 2〜4 問、漢字が 10 問。書く量が多く、記号を選ぶだけで済む設問は少ないところです。
- 理由説明には字数指定が無い設問が多い一方、抜き出しには字数がつきます(「三十字前後で」「二十字で抜き出し初めと終わりの三字を」)。最後のまとめ作文には字数指定があります(2017 七十字以内、2022 百字以内)。
- 本文中の【 】は語句の意味で、解答の字数に含めないと 3 年とも断り書きがあります。
- 50 分で 20〜27 問。うち 10 問は漢字なので、漢字を 5 分以内で終えて読解に 45 分という配分が自然です。
時間と問題数: 算数 50 分 / 13〜15 問、理科 40 分 / 35〜37 問、社会 40 分 / 34〜36 問、国語 50 分 / 20〜27 問。理科と社会は 1 問 1 分強で、算数と国語は 1 問にかけられる時間が長くなります。この非対称は 3 年とも変わりません。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | やること | この学校ならではの点 |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本。算数は分数と小数のまじった四則計算を、逆算(□ を求める形)まで含めて。国語は 3000 字程度の説明文を最後まで読み切る体力 | 時間計測はまだしません。ただし算数の逆算と漢字の書き取りは、この学校で 10 年以上続いている形なので、早く始めた分だけそのまま効きます |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終えること。とくに割合まわり(食塩水・売買損益・仕事算・過不足・消去算・ニュートン算(受験用教材の単元))を一巡させます。理科は 4 分野を万遍なく、表とグラフから数値を読む問題に慣れます。社会は都道府県と地形図の基礎、統計の読み方 | 算数の出題が割合と文章題に大きく偏る(転写の分類で 48%)ので、小 5 で割合を一巡させておくと小 6 が楽になります。逆に立体図形や場合の数に時間をかけるのは、この学校向けとしては後回しでよいところです |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の項目。夏以降は「同じ座席を縦に読む」やり方が有効です。算数の大問 5 だけを 3 年分、理科の大問 6 だけを 3 年分、社会の大問 1 の地形図だけを 3 年分、というように座席ごとにまとめて解きます。そのあとで年度通しの時間計測を | 座席が動かない学校なので、縦読みの効率が非常に高くなります。年度通しは時間配分の確認用と割り切ってよいところです |
小 5 の 1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の割合まわりを、食塩水 → 売買損益 → 仕事算 → 過不足 → 消去算 → ニュートン算の順に 1 単元ずつ。週末 60 分は理科の表とグラフの読み取りと、社会の都道府県・地形図の基礎に充てます。国語の説明文を最後まで読み切る練習は、平日の 15 分に混ぜます。ただし国語は 2023 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節)。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 の割合まわりを一巡させるところです。算数の大問 2〜5 は、3 年とも売買損益・食塩水・過不足・仕事算・ニュートン算という「割合と比の文章題」で占められていました。この一群を小 5 で一度通しておくと、小 6 では座席ごとの縦読みに時間を使えます。理科と社会は小 6 からでも間に合う作りですが、社会だけは前年 1 年間のニュースを引き出しに入れておく習慣を小 5 から持っておくと、公民の大問の入口で戸惑いません。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 明治大学付属中野中学校(東京都・男子校・近さ 79) — 理科 87・算数 82 が近く、社会 79 も中程度です(国語 69)。4 科とも比較できる数少ない相手です。
- 横浜共立学園中学校(神奈川県・女子校・近さ 79) — 算数 84・国語 83 が近く、理科 76・社会 72 は中程度です。
- 日本大学藤沢中学校(神奈川県・共学・近さ 77) — 社会 87 が最も近く、理科 80 も近いところです(算数 73・国語 69)。
読み方: 算数(割合の文章題が主軸で全問が答えのみ)は横浜共立学園と明治大学付属中野が近く、文章題の演習を相互に回せます。理科(7 大問 36 問・計算多め)は明治大学付属中野が近く、社会(3 大問 35 問・図表多め)は日本大学藤沢が近くて、図表読み取りの演習が二重に効きます。国語は横浜共立学園が近いものの、この学校の国語は資料が 2022 年度までなので、比較の土台が他科目より弱い点に注意してください。
なお同じ系列の付属校(中野・八王子・世田谷)のうち、ここで近さが測れているのは中野だけです。系列が同じでも出題は別なので、他校の過去問を使うときはそれぞれの傾向を確認してください。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
13. 資料の限界
- 入試回: この学校は第 1 回・第 2 回の 2 回制ですが、転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回かを資料から確定できません(第 1 回相当と考えられます)。第 2 回の並びや単元が同じかどうかは、この資料からは何も言えません。第 2 回を受ける場合は市販の過去問集で回ごとの内容を必ず確認してください。
- 国語: 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2010〜2022 年度に限った話で、直近 3 年の形式が同じである保証はありません。出典(著者・作品)も同じ制約を受け、2022 年度の出典は資料に残っていません。
- 転写の読み落としの可能性: 図・写真・グラフは文字情報に置き換えているため、算数の立体図形、理科の表とグラフ、社会の地図・統計の細部は、設問文と図の説明からの推定を含みます。転写の読み取り確度が低めの年が理科 15 年中 7 年・社会 17 年中 8 年あり、2024 理科・2026 理科・2024 社会が含まれます(本文に書いた内容は、これらの年も設問文を読み直して確認しました)。
- 解答用紙は転写に残りません。記述の解答欄の大きさ、算数の途中式を書く欄の有無、円周率や単位の指定は、市販の過去問集で現物を確認してください。
- 設問別の配点は分かりません。分かるのは科目ごとの満点(国語 100・算数 100・理科 75・社会 75)だけで、大問ごとの重みは推定に頼っています。
- 「同じ問題の使い回し」は見つかりませんでした。精読した年の設問文の範囲では、算数・理科でそのまま再登場した問題はありません。ただし国語の漢字の大問の指示文と、社会の一部の言い回し(「その都道府県の位置を図 1 中の数字の中から 1 つ選びなさい」の類)は、複数年にわたって同じ文が使われています。
- 2009〜2023 年度の単元の回数は、転写データの自動集計による分類を数えたものです。精読していない年の細部は保証しません。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- この分析は過去問データベースの転写をもとにしています。実際の受験にあたっては、市販の過去問集と学校公表の募集要項を必ず確認してください。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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