広尾学園中学校 の過去問分析
広尾学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
広尾学園中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・4 科目の回・算数 14 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区 |
| 男女 | 共学(2007 年に広尾学園中学校へ改称した際に共学化。旧称は順心高等女学校(1924)・順心女子中学校(1947)) |
| 入試回と日程 | 第 1 回 2 月 1 日午前/第 2 回 2 月 1 日午後(本科/インターナショナル SG)/医進・サイエンス回 2 月 2 日午後/国際生 AG 回 2 月 3 日午前/第 3 回 2 月 5 日午前(第 1 回と同じ)。帰国生入試は 2026 年 12 月 17 日(インターナショナル AG 回)・12 月 18 日(本科/医進・サイエンス/インターナショナル SG) |
| 科目・試験時間・配点 | 第 1 回〜第 3 回は 4 科: 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 30 分 50 点・社会 30 分 50 点(本科)。医進・サイエンス回も 4 科ですが配点が異なります: 算数 50 分 100 点・理科 50 分 100 点・国語 30 分 50 点・社会 30 分 50 点 |
| 国際生 AG 回の科目 | Japanese(日本語 30 分 50 点)+ Mathematics(英語 50 分 50 点)+ English(英語 50 分 100 点)+面接(英語/日本語 10 分) |
| 面接 | 国際生 AG 回に面接(英語/日本語 10 分)があります |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
同名注意: 広尾学園小石川中学校(東京都文京区)は名前が似ていますが別の学校です。過去問も別に用意する必要があります(→12 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校でいちばん動かないのは「どの大問で何の分野を測るか」という座席(問題の置き場所)です。理科は物理 → 化学 → 生物 → 地学の並びが資料のある 15 年で崩れず、社会は地理 → 歴史 → 公民 → 記述 2 問が 2024〜2026 の 3 年で完全に一致します。
- 算数は大問 1 が 6 問の小問集合で (1) が計算・(5)(6) が図形という並びが 3 年連続。国語は漢字 10 問 → 知識 5 問 → 文学的文章 → 説明的文章が資料のある 5 年で同じです。
- いちばん動くのは題材のほうで、小学校で習わない話を長い説明文で読ませ、その場で使わせる問題が 4 科目に共通します。
家でやること 3 つ
- 理科は物理・化学・生物・地学の 4 分野、社会は地理・歴史・公民の 3 分野を、どれも捨てずに 1 題ずつ取れる状態にします。
- 算数の大問 1 の 6 問を 12 分で取り切る練習をします。
- 初めて読む説明文を、知らない用語で止まらずに読み切る訓練を、理科の誘導文と国語の説明的文章で行います。
今週やる 1 つ
- 理科の大問 4(2024〜2026 の 3 年連続で気象)を 3 年分続けて解き、雲のでき方・前線と天気図の読み取りが手から出てくるか確かめます。
注意
- この資料からは入試回が特定できません。また国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(→4 節・13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024〜2026) | 11 年 | 14 年(2010〜2026 のうち) | 高。式が画像で入っている箇所があり、分数・根号まわりの転写に揺れがありますが、大問構成と題材の読み取りに支障はありません |
| 理科 | 3 年(2024〜2026) | 12 年 | 15 年(2010〜2026 のうち) | 高。図が多く、図そのものは転写されないので、図の読み取りを要する小問は設問文と図の説明からの推定を含みます |
| 社会 | 3 年(2024〜2026) | 13 年 | 16 年(2010〜2026 のうち) | 高。設問文が長く、資料(表・写真・地形図)は説明文として入っています |
| 国語 | 3 年(2013・2015・2021) | 2 年(2010・2011) | 5 年(2010・2011・2013・2015・2021) | 2022 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2021 年度までの話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校では、資料そのものの異常(別の学校の問題や解答の混入、年度のずれ)は、精読した 12 冊では見つかりませんでした。
- 入試回は特定できません。資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、回の表記が読み取れません。この学校は 4 科目の回だけでも第 1 回・第 2 回・第 3 回(国語 50 分 100 点/算数 50 分 100 点/理科 30 分 50 点/社会 30 分 50 点)と医進・サイエンス回(算数 50 分 100 点/理科 50 分 100 点/国語 30 分 50 点/社会 30 分 50 点)があり、さらに国際生 AG 回・帰国生入試は科目構成そのものが違います。時間と配点は 2027 年度の募集要項によるもので、過去の年度が同じだったかは確認していません。
- とくに理科は 30 分にしては量が多い(大問 4 本・小問 19〜25 問・記述 3〜5 問)です。資料が 30 分の回のものか、理科が 50 分になる医進・サイエンス回のものかは、この資料からは判断できません。ここでは時間を断定せず、問題の中身だけを扱います。
- 設問ごとの配点は、4 科目・精読したいずれの年度にも印刷されていません。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、その 3 年の設問文を精読して確認したものです。それ以上の年数に触れた箇所は、年度ごとの大問構成(どの大問が何の単元だったか)から数えたもので、設問文まで読んだわけではありません。区別して書いてあります。
5. 一番大きな結論
この学校の入試でいちばん動かないのは「どの大問で何の分野を測るか」という座席(問題の置き場所)で、いちばん動くのは「その中で何を題材にするか」です。 そして題材は、小学校で習わない話を長い説明文で読ませ、その場で使わせる方向に寄っています。
- 理科は大問 1 が物理・大問 2 が化学・大問 3 が生物・大問 4 が地学。この並びは 2024〜2026 の 3 年を精読して確認したうえ、資料のある 15 年(2010〜2026)の大問構成でも崩れていません(2016〜2021 年度は 5 本目が足されていましたが、先頭 4 本の分野は同じです)。さらに大問 4 の地学は 2024・2025・2026 の 3 年連続で気象です。
- 社会は大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民・大問 4 が記述 2 問だけの枠。2024〜2026 の 3 年で完全に一致し、地理 → 歴史 → 公民の順は 2023 年度から 4 年続いています。
- 算数は大問 1 が 6 問の小問集合で、その (1) が計算。2024〜2026 の 3 年連続です。資料のある 14 年の大問構成でも、大問 1 が計算(もしくは □ にあてはまる数を求める逆算)で始まらないのは 2020 年度だけです。大問 1 の (5)(6) が図形というところまで 3 年一致しています。
- 国語は大問 1 が漢字 10 問(読み 4・書き 6)、大問 2 が語句・知識 5 問、大問 3 が文学的文章、大問 4 が説明的文章。資料のある 5 年(2010・2011・2013・2015・2021)すべてでこの並びです。記述は大問 3 と大問 4 に 1 問ずつ、合計 2 問という配置まで同じです。
ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。精読した 12 冊の中に、数値まで同じ問題が再登場した例は見つかりませんでした。理科の大問 4 は気象という枠こそ 3 年続きますが、中身は雲のでき方 → 前線と天気図 → あられとひょう、と毎年別物です。社会の大問 2 も、日韓関係 → 道路の歴史 → 史料集と、通史を通すテーマが毎年立て直されます。
もう一つ、科目をまたいで共通する性格があります。知らない話を長い文章で説明し、その説明だけを根拠に答えさせる問題が多いことです。理科の真空蒸着(2024)・PFAS(2025)・フレネルレンズ(2026)・卵の中の「設計図」とタンパク質(2026)、算数の記号の定義(2024・2026)、社会の統計表の読み取りはいずれもこの作りで、知識の量よりもその場で読んで当てはめる速さが問われています。
したがって過去問の使い方は、「出る問題を覚える」ではなく次の 2 本立てになります。
- 座席を手がかりに準備の枠を決める。理科は 4 分野を必ず 1 題ずつ、社会は地理・歴史・公民を必ず 1 題ずつ。どこかを捨てると配点の 4 分の 1 や 3 分の 1 が固定で落ちます。算数は大問 1 の 6 問と大問 5 の重い 1 題、国語は漢字 10 問と記述 2 問が毎年同じ場所にあります。
- 初めて読む説明文を、止まらずに読み切る訓練をする。どの科目にも「本文に書いてあることを使えば解ける」問題が入っています。知らない用語で手が止まらないことが、この学校ではそのまま得点になります。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 問題文の中に学校の名前と生徒が出てきます。 算数の「広尾小学校のある学年で」(2024 大問 1(3))と 6 人組ヒーロー「ヒロガクレンジャー」(2024 大問 4)、理科の「広尾さん」(2024 大問 4 の会話文)と「広尾くん」(2026 大問 4 の会話文)、社会の「広尾学園中学校の 3 年生のタイスケくん」(2024 大問 1)・「広尾学園中学校の 1 年生のリョウジさん」(2025 大問 1)・「広尾学園の社会科の授業で、先生と生徒の A さん、B さんが」(2025 大問 3)。3 科目にわたって、この学校の生徒が問題を進めていく作りになっています。
- 小学校では習わない話を、その場で読ませて使わせます。真空蒸着とタングステン(2024 理科)、PFAS(2025 理科)、フレネルレンズによる太陽光発電(2026 理科)、沸点上昇と凝固点降下(2026 理科)、卵の中の「設計図」とタンパク質・ショウジョウバエの翅(2026 理科)、落下する「ひょう」の速さが一定になる理由(2026 理科)。理科の 3 年ぶんを通して、この作りが最も濃く出ています。
- 前年の実データをそのまま持ち込みます。2024 年 7 月 3 日の実際の天気図 2 枚(2025 理科)、温暖化が進んだ場合の予測を報告した論文の図(2026 理科)、日韓首脳会談(2024 社会)、新紙幣の発行(2025 社会)、SNS と選挙(2026 社会)。
- 社会の記述が生活の値段の話に降りてきます。テーマパークのチケット価格の幅が広がった理由(2024)、イギリスと日本の新紙幣とキャッシュレス(2025)、SNS が選挙で使われること(2026)。歴史の記述(女性参政権・鎌倉新仏教・鎌倉幕府と貴族)と 2 本立てで、毎年この組み合わせになっています。
- 算数の設定が遊びがかっています。6 人組ヒーローの並び方(2024)、真実か嘘が書かれた箱を開ける(2025)、車両をつなぐと速さが変わる列車(2026)、90 円のチョコレートと 80 円のガム(2024)。いずれも設定を読んで整理するところから始まります。
- 理科の生物枠が「発生と遺伝」に寄ってきています。ヘチマの観察日記(2024)、リンゴの受粉と種子の数(2025)、卵の中の設計図と体のできかた(2026)。3 年とも「どうやって次の世代ができるか」に軸があります。
- 国語の説明的文章は社会を論じるものです。神話と人間の空間感覚(2013)、ルネサンスと「私」という感覚(2015 小熊英二)、日本の教育とプレゼンテーション偏重への疑問(2021 苅谷剛彦)。精読した 3 年はいずれも抽象度の高い文章です。文学的文章はいずれも中学生・小学生の人間関係を描いたもので、石田衣良『夕日へ続く道』(2015)、安田夏菜『むこう岸』(2021)。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に。過去問を年度通しで時間を計って解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週 1 回] 理科の 4 分野をすべて埋める — 物理・化学・生物・地学が 1 題ずつという座席が資料のある 15 年で動いていません。1 分野の空白がそのまま配点の 4 分の 1 の失点になります。ここが最も時間をかける価値のある枠です。気象(雲のでき方・前線の通過と風向・天気図の読み取り)は 3 年連続で大問 1 本ぶんなので厚めに。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会も地理・歴史・公民を 1 本ずつ — 同じ理由です。加えて大問 4 の記述 2 問は 3 年とも「歴史の資料から説明する 1 問」と「今の社会について説明する 1 問」なので、両方の書き方を練習しておきます。通史は外交・交通・土地制度・貨幣などのテーマで年表を作り直しておくと、そのまま大問 2 の形になります。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の 6 問を 12 分で取り切る — 計算 → 逆算や小問 → 図形 2 問、という形が 3 年連続で、満点を狙う枠として作られています。(1) の工夫計算、(5)(6) の図形をそれぞれ単独で速くします。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 初めて読む説明文を読み切る訓練 — 理科の誘導文(2024 の真空蒸着、2026 のフレネルレンズと遺伝)と国語の説明的文章は、どちらも「知らない話を本文の説明だけで扱う」作りです。線を引きながら定義を拾う読み方を、科目をまたいで同じ手順で身につけます。(確認: 理科は〜2026 年度・国語は〜2021 年度)
- [週末 60 分] 算数の数の性質と場合の数 — 約数の個数、倍数と余り(3 つの条件を同時に満たす数)、各位の数の操作は 2024〜2026 の 3 年とも大問 1 本ぶん。場合の数も 3 年連続です。条件が 1 つずつ増える 3 段の作りなので、(1) の全体を数え、(2) で制限を入れ、(3) でさらに重ねる、という書き出し方を練習します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の理由記述と社会の統計表 — 理科の記述は毎年 3〜5 問で字数指定はほとんど付かないので、「原因 → 結果」を 1 文でつなぐ形を固めます。社会は 4 つの県や港が並んだ表からどれがどれかを当てる形が毎年複数あり、「人口・面積・産業構成・特産」を組にして覚え、極端な数字から先に決める手順を練習します。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字 10 問と、文字種の指定 — 国語は読み 4・書き 6 が固定で、「行脚」「流布」「有象無象」「不精」のような読みにくい語が読みに、「節操」「画策」「軽率」「臨終」のような硬い語が書き取りに来ます。小学校配当の外にある語も含めて、熟語で覚えます。社会は「漢字 4 字」「カタカナ 9 字」、理科も「漢字で書きなさい」と指定が細かく、守れないだけで 0 点になる枠を先に潰します。(確認: 国語は〜2021 年度・理科・社会は〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語の 80〜100 字の記述 2 本と、前年の出来事の整理 — 国語は大問 3 と大問 4 の最後に 1 問ずつ、字数の下限つきで出るので、要素を 2〜3 個そろえてから書き始めます。前年 1 年ぶんの出来事は、理科は原理へ(気象・エネルギー・環境)、社会は制度と歴史へ(選挙・税・労働・エネルギー政策・メディア)と振り分けて整理し、気象庁の天気図や環境に関する報道の図も実際に見ておきます。この学校は前年の実データをそのまま設問にします。(確認: 国語は〜2021 年度・理科・社会は〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(大問 5・小問 18)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問 5 本・小問 18 問という構成は 3 年とも同じで、資料のある 14 年(2010〜2026)の大問構成で見ると、大問 5 本は 2020 年度から 7 年連続、2014〜2019 年度は 6 本でした(さらに古い 2010 年度も 5 本)。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
大問 1 は毎年 6 問の小問集合なので、別に表を立てます。
| 年度 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | つるかめ算(90 円のチョコレートと 80 円のガム・10 個買うと 1 個無料の条件つき) | 数の性質(約数の個数を《X》と表す約束・《2024》から) | 場合の数(6 人組ヒーローの並び方・「隣に来る」条件) | 平面図形の面積比(70m×90m の土地をロープで分ける・作図 3 問) |
| 2025 | 数の性質(100〜999 のうち各位の和が 3 の倍数/各位の積が 3 桁の奇数) | 立体図形(立方体の 8 頂点から 4 点を選んでできる立体・共通部分の体積) | 割合と比(3 種類の液体 A・B・C を混ぜる・比の変化) | 推理(真実か嘘が書かれた箱 A・B・C から中身を確定する・理由記述 1 問) |
| 2026 | 数の性質(m÷n をこえない最大の整数を ⟨ ⟩ と表す約束) | 場合の数(1〜9 のカードから 4 枚選んで 4 桁の整数・各位の和が 15) | 平面図形の面積比(1 辺 6cm の正方形と辺上の点の比・図 1〜図 3 の 3 段) | 速さ(車両をつないだ列車・両数が増えると速さが変わる・向かい合わせで走らせる) |
表に出てくるつるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める・受験用教材の単元)などの特殊算の中身は 用語集 にあります。
大問 1 の小問集合(毎年 6 問):
| 年度 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算(253÷8+25.3×3.25+11×2.3×5.5) | 連分数の形の逆算 | 集合(算数と国語の好き・好きでない) | 時計算(4 時台に長針と短針が反対向きに一直線) | 円とおうぎ形(正方形の中に四分円 4 つ) | 立体(直方体を 2 つの平面で切る) |
| 2025 | 計算(1/(2020×2021)+… の和) | 逆算(3.14×2×(□÷7/32−2 3/7)=15.7×0.8) | 場合の数(大小 2 個のさいころの積が偶数) | 数の性質(2 桁の数・各位の和を 5 倍) | 円(直角三角形 3・4・5 に内接する円) | 立体(正方形の紙の四隅を切って容器を作る) |
| 2026 | 計算((1.25−0.75÷5/8)÷(1/2+1/4+1/8)) | 食塩水(容器 A と B の間で 2 回移す) | 数の性質(3 で割ると 1・5 で割ると 2・7 で割ると 3 余る数) | 速さ(往復の平均の速さ) | 回転体(へこみのある五角形を回す) | 図形の移動(半径 1cm の円が八角形の辺上を 1 周) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は 6 問の小問集合で、(1) は必ず計算です。3 年連続。資料のある 14 年の大問構成で見ても、大問 1 が計算(もしくは □ を求める逆算)で始まらないのは 2020 年度だけで、13 年がこの並びです。
- 大問 1 の (5)(6) は 3 年とも図形です。(5) が平面(うち 2 回は円がからむ)、(6) が立体または図形の移動。小問集合の後半 2 問が図形枠になっています。
- 数の性質を主題にした大問が、大問 2 か大問 3 に 3 年連続で入ります(2024 は大問 3、2025・2026 は大問 2)。
- 場合の数も 3 年連続です(2024 大問 4、2025 は大問 1(3)、2026 大問 3)。
- 大問 5 は最後の重い 1 題で、扱う単元は毎年入れ替わります(平面図形の分割 → 推理 → 速さ)。ここだけは答え方の指示も年ごとに変わり、2024 は作図 3 問(解答らんの長方形に線を引いて面積比どおりに分ける)、2025 は記号選択 2 問+理由記述 1 問(「どのような結果が考えられるかを理由とともに答えなさい」)、2026 は答えのみ 3 問でした。
どう問われるか
- 記号を自分で定義して意味を追わせる問題が 2024(約数の個数 《X》)と 2026(m÷n をこえない最大の整数 ⟨ ⟩)の 2 年に大問 1 本ぶん。(1) で定義の確認、(2) で条件を満たす個数、(3) で複数の条件の重ね合わせ、という 3 段の作りが両年で共通しています。定義を読んだら、(1) で小さい数を実際に代入して確かめてから (2)(3) に進む手順が効きます。
- どの大問も (1)→(2)→(3) で条件が 1 つずつ増えます。(1) は定義や設定の確認で、(3) は場合分けの数え上げになることが多いです(2024 大問 4(3)、2025 大問 2(3)、2026 大問 3(3))。(1) を取り切れるかどうかが最初の分かれ目になります。
- その年の西暦を計算・数の性質に仕込むのが 3 年連続です。2024 は《2024》の約数の個数、2025 は 2020〜2025 を分母に並べた分数の和、2026 は ⟨m/2026⟩。西暦を素因数分解しておく習慣が効きます(2024=2³×11×23、2026=2×1013)。
- 小問集合の計算は、単なる四則ではなく分配法則や部分分数でまとめる工夫を要求する形です(2024 の 25.3 と 2.3 の組み合わせ、2025 の連続する 2 数の積を分母にした和)。
- 平面図形の面積比は、正方形と辺上の点を結ぶ形(2026 大問 4)や土地の分割(2024 大問 5)で、相似比と面積比を素早く往復する練習が向きます。回転体・円が多角形の周りを 1 周する通過部分・紙を折って作る容器のような立体と図形の移動は、大問 1 の (6) 枠で毎年出ています。
8-2. 理科(大問 4・小問 19〜25)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問 4 本は 2022 年度から 5 年連続で、2016〜2021 年度は 5 本でした。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
| 年度 | 大問 1(物理) | 大問 2(化学) | 大問 3(生物) | 大問 4(地学) |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | ばね 2 本と小箱・棒(ばねの伸び → 浮力で体積 → てこのつり合い) | 粒子と状態変化 → 真空蒸着(タングステンの性質・銀の膜の厚さをナノメートルで) | ヘチマの観察日記(芽のスケッチ・実と花のつくり・つるの巻きつき方・葉の毛・グリーンカーテン) | 会話文(キャンプ)。雲のでき方・ペットボトルで雲をつくる実験・逆転層と雲海 |
| 2025 | 水面の波(速さ・振動の回数)→ 音(オシロスコープの波形・打ち消す音を作図) | プラスチックの燃焼(PE・PP・PET の見分け/重さの関係を式に)+ PFAS | リンゴの受粉(ヒトの胎児と植物の胚・偽果・種子が 4 つ以下だといびつになる理由・受粉品種の配置) | 2024 年 7 月 3 日の天気図 2 枚・寒冷前線の通過時刻と風向・地すべりと土石流の違い |
| 2026 | 光(直進・屈折・物質ごとの通りやすさ・フレネルレンズで太陽光発電・面積からの計算) | 状態変化(圧力と沸点・高尾山の山頂での沸点・沸点上昇と凝固点降下) | 発生と遺伝(卵の中の「設計図」とタンパク質の分布・ショウジョウバエの翅の数) | 会話文(あられとひょう)。氷のつぶの衝突と電気・落下速度が一定になる理由・温暖化での予測の図 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
この学校の理科でいちばん動かないのは大問の分野の並びです。大問 1 が物理、大問 2 が化学、大問 3 が生物、大問 4 が地学。2024〜2026 の 3 年は精読して確認しました。資料のある 15 年(2010〜2026)の大問構成を見ても、先頭 4 本のこの並びは崩れていません(2016〜2021 は 5 本目に物理か化学がもう 1 題足されました)。
- 大問 4 は 2024・2025・2026 の 3 年連続で気象です。雲のでき方 → 前線と天気図 → あられ・ひょう、と題材は毎年変わりますが、地学の枠に気象が入る状態が続いています。地学枠には過去に地層(2012・2017・2018・2022)や天体(2015・2019・2021・2023)も入っており、分野の座席は固定でも中の単元は入れ替わります。
- 大問 3 の生物は資料のある 15 年すべてで生物です。連続では 2014〜2026 の 13 年。内訳は人体(2010・2012・2014・2018・2021・2022)と植物(2015・2016・2017・2024・2025)が二本柱で、直近は 2024 ヘチマ・2025 リンゴの花・2026 発生と遺伝と、植物・発生の側に寄っています。
- 記述は毎年あります。2024 が 3 問(+説明を含む混合が 2 問)、2025 が 5 問、2026 が 4 問。3 年とも大問 3・大問 4 に必ず 1 問以上入ります。
どう問われるか
- 長い説明文を読ませて、その場で初めて知る内容を使わせます。真空蒸着(2024)、PFAS(2025)、フレネルレンズ(2026)、卵の中の「設計図」とタンパク質(2026)、凝固点降下(2026)のように、小学校で習わない話題を導入文で説明し、その説明だけを根拠に答えさせます。知識よりも「読んで当てはめる」比重が大きくなっています。
- 理由を説明させる記述が中心です。「なぜつるで巻きついて成長する必要があるのか」(2024)、「反応物と生成物の重さについてどのようなことが言えるか」(2025)、「地すべりと土石流の違い」(2025)、「雪が夏にほとんど降らない理由」(2026)。字数指定はほとんど付かず、付いた例は 2024 の「10 字程度」だけでした。
- 会話文から入る大問が毎年あります。2024 の大問 4 は「広尾さん」と先生、2026 の大問 4 は「広尾くん」とお父さん。生徒が疑問を出し、大人が原理を説明していく形で進みます。
- 前年の実データをそのまま使います。2025 大問 4 は 2024 年 7 月 3 日の実際の天気図 2 枚、2026 大問 4 は温暖化の予測を報告した論文の図。
- 計算が物理と化学に必ず入ります。ばねの伸びから重さ・体積・つり合いへ(2024)、燃焼の重さの関係から未反応分を出す(2025)、レンズの面積比から発電量へ(2026)、沸点の変化量から標高へ(2026)。ばね(自然長と伸びの分離)・てこのつり合い・浮力を組み合わせた 1 本の流れ(2024 大問 1)は、この学校の物理枠の中心です。
- 選択は 4〜5 割、短答(語句や数値を短く答える形式)が 3〜4 割、記述が 1.5〜2 割で、3 年ともこの配分に近くなっています。
8-3. 社会(大問 4・小問 24〜26)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問 4 本で、うち最後の 1 本が記述 2 問だけの独立した枠になっています(2025 年度の資料はこの記述 2 問を大問 4・大問 5 に分けて収録していますが、設問番号は「4-I」「4-II」で、他の 2 年と同じ作りです)。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民) | 大問 4(記述 2 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 修学旅行で行く広島県(尾道の新旧地形図・瀬戸内工業地域・かき の海面養殖・世界遺産の写真) | 日韓関係の通史(古代の史料の並べ替え → 白村江 → 中世の港 → 秀吉の朝鮮出兵 → 近代 → 戦後) | SDGs から入る公民(安全保障理事会・社会保障の 4 本柱・基本的人権の 4 分類・経済成長率のグラフ・司法) | I 女性参政権が欧米で広がった理由(年表と写真・「地位」の語を使う)/II ディズニーランドのチケット価格の幅が広がった理由 |
| 2025 | 長崎県を他地域と比べる(海岸線の長さ・漁業生産量・県民所得・世界遺産・火砕流・長崎の地形図と断面図) | 道路の歴史(七道 → 鎌倉 → 室町戦国の史料 → 江戸の城下町・港町・宿場町 → 江華島事件 → 集団疎開 → 高度経済成長) | 先生と生徒 A・B のニュース討論(男女の格差指数・外国人材の制度・レシートの軽減税率・有事法制・国会議員の特権・出生率) | I イギリスと日本の新紙幣とキャッシュレス/II 鎌倉新仏教の特徴と庶民に広まった理由(資料 3 点から) |
| 2026 | エネルギー資源と鉱産資源(風力と太陽光の都道府県別発電量・京都議定書とパリ協定・東京湾の 3 港の輸入品・粗鋼生産の推移) | 史料 A〜G を読む(改新の詔・土地制度・江戸の将軍と政策・養老七年の格・湯島聖堂・条約前の国際関係図・並べ替え) | 情報とメディア(デジタル庁・世論と三権・非拘束名簿式・メディアリテラシー・新しい人権・国家財政の表・非正規雇用) | I 鎌倉幕府の中心に貴族がいた理由(幕府のしくみの図から)/II SNS と選挙 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民、大問 4 が記述 2 問。この並びが 2024・2025・2026 の 3 年で完全に一致しています。資料のある 16 年の大問構成で見ても、地理 → 歴史 → 公民の順は 2023 年度から 4 年続いています。
- 大問 1 は「ある県・あるテーマを調べる」設定で、統計表からの県当て・組み合わせ選択が必ず複数入ります。2024 と 2025 は生徒が主人公(タイスケくん・リョウジさん)で、地形図が 2 年連続で入りました。
- 大問 2 は 1 本のテーマで古代から現代まで下る通史です。日韓関係(2024)、道路(2025)、史料集(2026)と入口は毎年変わりますが、飛鳥・奈良 → 鎌倉・室町 → 江戸 → 近代 → 戦後、と時代を順に踏む構成は 3 年とも同じです。
- 大問 3 は公民をひとまとめに扱います。三権分立・国会・内閣・裁判所は 3 年とも出て、社会保障・財政・国際・人権のうち複数がそこに重なります。
- 大問 4 は記述 2 問だけ。3 年とも「歴史の資料から理由を説明する 1 問」と「今の社会の出来事について説明する 1 問」の組み合わせで、どちらが I になるかは年によって違います。
どう問われるか
- 「誤っているものを選びなさい。誤っているものがない場合はオを答えなさい」という選択が 2024 の大問 2 に 3 問(問 3・問 7・問 8)ありました。選択肢を 1 つずつ検証しないと処理できない問い方で、消去法だけでは処理できず、4 つ全部を判定する必要があります。
- 「正しいものを 1 つ選び、さらに残りを時代の古い順に並べ替える」という二段構えの設問(2025 大問 2 問 4、2026 大問 2 問 5)。選ぶだけでは終わりません。
- 時代の並べ替えが 3 年とも出ます(2024 大問 2 問 2 の史料の並べ替え、2026 大問 2 問 8 の B〜F の並べ替え)。年号ではなく前後関係で並べる練習と、史料の現代語訳を読んで時代を推定する形(2024・2026)への慣れが要ります。
- 統計表から都道府県や品目を当てる問題が地理に毎年複数あります。海岸線の長さ、漁業生産量、産業別人口と県民所得、製造品出荷額、港ごとの輸入品、発電量。
- 地形図が 2024(尾道の新旧比較)・2025(長崎の断面図)と 2 年続きました。地図記号、新旧比較、断面図、縮尺の計算まで練習しておきます。
- 文字種の指定が細かくなっています。「漢字 4 字」(2024 大問 2 問 1・大問 3 問 1)、「漢字で」(2025 大問 2 問 3)、「カタカナ 9 字」(2026 大問 3 問 4)、「漢字 5 字」(2026 大問 3 問 5)、「カタカナで」(2026 大問 2 問 7)。守れないと 0 点になります。
- 記述は資料を根拠にさせます。年表と写真(2024)、資料 3 点(2025 の鎌倉新仏教)、幕府のしくみの図(2026)。使う語句を指定する形もあります(2024「地位」)。「図と資料を参考にして」「〜という語句を使用して」の指定を先に丸で囲み、それぞれに 1 文ずつ対応させる書き方が向きます。
- 前年から前々年の出来事が必ず入口になります。日韓首脳会談(2024)、新紙幣とキャッシュレス(2025)、SNS と選挙(2026)。ただし単独では問われず、制度や歴史に翻訳して聞かれます。
8-4. 国語(大問 4・小問 28〜31。2010・2011・2013・2015・2021 年度の資料のみ)
国語は 2022 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。 ここに書いたのは 2010〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい内容です。精読したのは資料のある 5 年のうち新しい 3 年、2013・2015・2021 年度です。
年度×大問の題材表(2013・2015・2021)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3(文学的文章) | 大問 4(説明的文章) |
|---|---|---|---|---|
| 2013 | 漢字(読み 4・書き 6) | 慣用句の共通漢字 2 問(「□をなす/□が売れる」など)+ことわざの空欄 3 問 | 夏休みに「まっすぐ進む」遊びをする父と「ぼく」 | 神話と空間・方向のイメージ(生命の座標軸) |
| 2015 | 漢字(読み 4・書き 6) | ことわざ 5 つを内容で 5 種類に分類 | 石田衣良『夕日へ続く道』(雄吾と源ジイ) | 小熊英二『社会を変えるには』(ルネサンスと「私」の感覚) |
| 2021 | 漢字(読み 4・書き 6) | 熟語の読みの成り立ちが異なるものを選ぶ 2 問+漢字の書き取り 3 問 | 安田夏菜『むこう岸』(進学校で勉強についていけない中学 3 年生) | 苅谷剛彦『イギリスの大学・ニッポンの大学』(プレゼンテーション偏重への疑問) |
資料のある 5 年(2010・2011・2013・2015・2021)はすべて大問 4 本で、大問 1 が漢字、大問 2 が語句・知識、大問 3 が文学的文章、大問 4 が説明的文章という並びで一致しています。小問数は 28〜31 問です。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は漢字 10 問。読みが 4 問、書き取りが 6 問という内訳が、精読した 3 年(2013・2015・2021)で完全に一致しています。設問文も「――線の漢字の読みをひらがなで答えなさい」で共通です。
- 大問 2 は語句・知識の 5 問ですが、中身は毎年作り直されます。慣用句の共通漢字(2013)、ことわざの分類(2015)、熟語の読みの成り立ち(2021)と、3 年とも違う切り口でした。
- 大問 3 が文学的文章、大問 4 が説明的文章。この順序は資料のある 5 年すべてで同じです。
- 記述は大問 3 と大問 4 に 1 問ずつ、合計 2 問。3 年とも同じ配置で、しかも字数指定つきです(2013 は両方 70〜90 字、2015 は 60〜80 字と 80〜100 字、2021 は両方 80〜100 字)。直近ほど長く、80〜100 字が中心になっています。
どう問われるか
- 記号選択が主軸です。大問 3・大問 4 合わせて 10〜12 問が記号選択で、そのほとんどが「最もふさわしいものを一つ選び」の 4 択です。選択肢はどれも 2〜3 行あり、細部の 1 語で切る作りになっています。選択肢の中を区切って、本文と照合できる部分ごとに ○ × を付ける読み方が向きます。
- 語句の意味を文脈で問う設問が毎年あります。「ひるんで」「いぶかしみ」(2013)、「気おされる」(2015)、「羽目」「はな」「懸念」「もどき」(2021)。慣用句・和語の意味を「辞書の意味」と「この文脈での意味」の両方で押さえておきます。
- 漢字 1 字を共通で入れさせる形が、知識の大問だけでなく本文中にも出ます(2015 大問 3 問四「□をのんだ」「□を整えていった」、2015 大問 4 問二「□で□を洗う」)。
- 本文全体をふまえて 80 字前後で説明する記述が最後の勝負どころです。設問は「この時の心情を、本文全体をふまえて」(2013)、「何を伝えようとしたと考えられますか」(2015)、「どういうことですか」(2021)と、傍線部の言い換えか心情の説明に集中します。
- 文章の構成をたずねる設問があります。抜いた一文をどの段落の後に入れるか(2013 大問 4 問六)、空欄に入る文の順番を選ぶ(2021 大問 4 問五)、本文の出来事を時間の流れに並べ替える(2021 大問 3 問三)。文章の骨組みを意識して読む習慣が直接得点になります。
- 引用文や表現の特徴を問う設問(2013 大問 3 問七の表現の特徴、2021 大問 4 問七の引用文の説明としてふさわしくないもの)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
座席が固定されているこの学校では、警戒すべきは「その枠に入る単元」です。年の並びは、精読した年と構成だけ数えた年の大問構成から数えたもので、小問レベルで同じ単元が出ていた可能性は排除できません(→13 節)。最終確認年度は、その単元が大問で最後に使われた年度です。
| 科目 | 枠 | 単元 | 大問で使われた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理科 | 大問 1(物理) | 電気回路・電流 | 2012・2016・2017・2021・2022・2023 | 2023 年度 | 3 年空き(2024〜2026 は出ていない)。物理枠でいちばん戻りやすい |
| 理科 | 大問 1(物理) | ふりこ | 2017・2018 | 2018 年度 | 8 年空き |
| 理科 | 大問 2(化学) | 水溶液の判別・中和 | 2018・2019 | 2019 年度 | 近年は燃焼・状態変化・質量の関係が続く |
| 理科 | 大問 3(生物) | 人体(消化・呼吸・血液) | 2010・2012・2014・2018・2021・2022 | 2022 年度 | 4 年空き。直近は植物・発生に寄っている |
| 理科 | 大問 4(地学) | 天体(太陽・月・惑星) | 2015・2019・2021・2023 | 2023 年度 | 3 年空き。気象が 3 年続いている |
| 理科 | 大問 4(地学) | 地層・岩石・化石 | 2012・2017・2018・2022 | 2022 年度 | 4 年空き(2025 に土石流の記述はある) |
| 社会 | 大問 1(地理) | 人口・都市問題 | 2018 | 2018 年度 | 8 年空き |
| 社会 | 大問 1(地理) | 気候・雨温図を主題に | 2014・2022 | 2022 年度 | 4 年空き(2024 に小問としては出た) |
| 社会 | 大問 1(地理) | 都道府県の同定を主題に | 2015・2016・2020 | 2020 年度 | 6 年空き(2025 に小問としては出た) |
| 社会 | 大問 2(歴史) | 江戸時代を主題に | 2012・2015 | 2015 年度 | 11 年空き。近年は通史の 1 コマとして出る |
| 社会 | 大問 2(歴史) | 幕末・明治維新を主題に | 2010・2018 | 2018 年度 | 8 年空き |
| 社会 | 大問 3(公民) | 財政・税・社会保障を主題に | 2014・2020 | 2020 年度 | 6 年空き |
| 社会 | 大問 3(公民) | 地方自治を主題に | 2013 | 2013 年度 | 13 年空き(2024・2025 に小問としては出た) |
| 社会 | 大問 3(公民) | 日本国憲法の条文を主題に | 2012・2022 | 2022 年度 | 4 年空き |
| 算数 | 大問 2〜5 | 立体の切断 | 2017・2018・2021・2022・2023 | 2023 年度 | 3 年空き(2025 の大問 3 は立方体の頂点を選ぶ問題で、切断面を考える形ではない)。算数でいちばん戻りやすい |
| 算数 | 大問 2〜5 | 仕事算・ニュートン算の系統 | 2018・2021・2023 | 2023 年度 | 3 年空き |
| 算数 | 大問 2〜5 | 規則性・数列を主題に | 2015・2016 | 2016 年度 | 10 年空き。数の性質の枠に吸収されているように見える |
| 算数 | 大問 2〜5 | 水量(容器に水を入れる・傾ける) | 2019 | 2019 年度 | 2019 が最後 |
| 算数 | 大問 2〜5 | 縮尺・単位換算 | 2018 | 2018 年度 | 2018 が最後 |
| 国語 | 大問 2 | 知識分野すべて | 慣用句 2013/ことわざ 2013・2015/四字熟語 2011/熟語の構成 2021/語彙・季節の言葉 2010 | 2021 年度 | 毎年入れ替わる。どれが来ても取れる状態が要る |
| 国語 | 大問 4 | 抜き出し | 2010・2021 | 2021 年度 | 出る年と出ない年がある(2021 は 1 問だけ) |
仕事算(何人・何台で分担したときの日数を求める)・ニュートン算(増え続ける量と処理する量のつり合い)はどちらも受験用教材の単元です(→用語集)。
10. 形式面の注意
4 科目共通
- 読む量が多い。 理科は図が図 1〜図 12 まで振られる年があり(2025 大問 1)、社会は 1 問の中に表・図・写真が 2〜4 点入ります。国語は本文 2 題。設問文そのものが長いので、「読む速さ」が 4 科目すべてで効きます。
- 記述はあります。ただし科目で重さが違います。理科が毎年 3〜5 問といちばん多く、国語が 2 問(大問 3・大問 4 に 1 問ずつ)、社会が 2 問(大問 4 が記述だけの枠)。算数は基本的に答えのみですが、2024 は作図 3 問、2025 は理由記述 1 問が大問 5 に出ました。
- 字数指定は科目で扱いが逆になります。国語の記述は 60〜100 字の下限・上限つき。理科・社会の記述はほとんど字数指定が付かず、代わりに「〜という語句を使用して」「図と資料を参考にして」という条件が付きます。
- 文字種の指定が細かい。社会は「漢字 4 字」「漢字 5 字」「カタカナ 9 字」「カタカナで」、理科も「漢字で書きなさい」。
- 選択の問い方が一様ではありません。「2 つ選び」(2025 理科)、「すべて選び」、「誤っているものを選び、誤っているものがない場合はオ」(2024 社会)、「ア>イ>ウ>エ のように書くこと」という並べ替えを記号でつなぐ形式(2026 理科)、「正しいものを選び、残りを時代順に並べ替える」(2025・2026 社会)、誤りを含むものを選ぶ形式(2025 の PFAS)。指示を読み違えると答えが合っていても点になりません。
- 空欄に「文」を入れさせる設問が理科にあります(2026 大問 2 問 1・問 2、大問 4 問 3)。語句 1 語では埋まりません。
- 設問ごとの配点はどの科目にも印刷されていません。
算数
- 18 問。大問 5 が重いことを考えると、大問 1 の 6 問をどれだけ速く正確に処理できるかが時間配分の中心になります。作図・記述が出る年は大問 5 に集中します(→8 節)。
- 円周率は 3.14 が明記されます(2024 大問 1(5))。
- 単位を答える指示や「最も小さい数を求めなさい」「1000 に最も近い数」のような条件が細かく付きます。読み落とすと数え上げの答えが丸ごとずれます。
理科
- 四捨五入の桁指定が計算問題にほぼ必ず付きます。2024 大問 1 は 6 問すべてに「割り切れない場合は、小数第 1 位を四捨五入し整数で答えなさい」が付いていました。答えは合っているのに指定を外して失点、が起きやすい形式です。
- 作図が出る年があります。2025 は打ち消す音の波形をかかせる 1 問。3 年のうち作図があったのは 2025 だけです。
- 図が多く、本文と図を往復しながら読む必要があります。
社会
- 24〜26 問のうち記述 2 問。資料の分量が多いので、地形図・統計表を見る速さがそのまま得点になります。
- 選択が 6〜8 割、短答が 1.5〜3 割、記述が 8% 前後。3 年ともこの配分に近くなっています。
- 記述の解答らんは行で区切られる形で、字数の指定より「資料のどこを使うか」の指定が重くなっています。
国語
- 28〜31 問のうち記述 2 問が 60〜100 字。読む本文は 2 題で、いずれも長めです。
- 記述には字数指定があります(下限と上限の両方)。抜き出しは精読した 3 年で 1 問(2021 大問 4 問六)と少なめです。
- 古文・漢文、学校文法(品詞・活用・敬語)の設問は、精読した 3 年ではゼロでした。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をやるか |
|---|---|
| 小 4(土台) | ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と □ を求める逆算。この学校は大問 1 の (1) が毎年計算で、しかも分配法則でまとめる工夫を要求します。②漢字と語彙 — 読みと書きを混ぜて 10 問セットで解く形に早くから慣れます。③図形の入口 — 角度、円とおうぎ形、立体の体積。大問 1 の (5)(6) 枠につながります。④身のまわりの理科を 4 分野とも — 植物を育てる、空を見る(雲・天気)、水を凍らせる・沸かす、ばねやてこを触る。「4 分野を捨てない」という、この学校の一番大事な準備がここから始まります。⑤地図と日本 — 都道府県、地形、天気。時間計測はまだしなくてよい段階です |
| 小 5(幅) | ここが本体になります。この学校は分野の座席が固定されている一方、その中の単元は毎年入れ替わるので、全分野をひととおり学び終える年である小 5 の出来がそのまま効きます。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数に充て、数の性質 → 場合の数 → 平面図形の面積比の順に厚めの時間を取ります。週末 60 分は理科・社会・国語の単元回しに充てます。理科は 4 分野それぞれの主要単元を漏らさず(物理ならばね・てこ・浮力・光・音・電気、化学なら水溶液・気体・燃焼・状態変化・重さの関係、生物なら花と受粉・人体・発生・生態系、地学なら気象・地層・天体)。社会は地理と通史を一巡し、統計表と地形図を読む練習をここから。国語は説明的文章を読む習慣と、知識分野(慣用句・ことわざ・四字熟語・熟語の構成)の一巡。ただし国語は 2022 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください(→13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は年度通しで時間を計る演習を中心に据えつつ、理科の 4 分野と社会の 3 分野については「同じ座席を縦に並べて解く」演習が効きます(大問 4 だけを何年分も続けて解く、など)。座席が固定されているので、この縦の演習が他校よりも意味を持ちます。記述は理科・社会・国語のすべてに入るので、書いたものを人に読んでもらい、主語と因果が通っているか確認する時間を毎週確保します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡(全分野をひととおり学び終えること)と、小 4 から積む「読む速さ」の 2 点です。座席は固定でも中身は毎年作り直されるので、「頻出単元だけ仕上げれば足りる」とはなりません。とくに理科は 4 分野 × 各単元というマス目を全部埋める必要があり、これは小 5 の 1 年をどう使うかで決まります。もう一つ、この学校は 4 科目のいずれにも長い説明文・会話文・資料が入っていて、読む量が多くなっています。小 4 のうちから「知らない言葉が出ても止まらずに最後まで読む」経験を積んでおくと、小 6 の通し演習で時間が足りるかどうかがまったく変わってきます。逆に、難問を 1 問じっくり解く力に早くから時間をかけても、この学校では返りが薄くなります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏・入試日程の重なりは扱いません。
- 星野学園中学校(埼玉県・共学)— 総合の近さが最も高い組の一つで、算数の大問の枠が近い組み合わせです。
- 芝国際中学校(東京都・共学)— 4 科目そろって近く、社会の資料読み取りの演習が二重に効きます。
- 東京都市大学等々力中学校(東京都・共学)— 算数と社会がとくに近く、理科はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 使い方の目安: 社会の演習がいちばん広く転用できます(統計表からの県当て、通史を 1 本のテーマで下る大問、資料つきの記述)。一方で理科は近い学校が少なくなっています。この学校の理科は、小学校で習わない題材を長い説明文で読ませ、その場で使わせる作りが強く、他校の過去問では代わりになりにくいためです。理科だけはこの学校の過去問そのものを縦に積む必要がある、と考えておくのが安全です。
- 近さは自動集計によるもので、同じ問題が出るという意味ではありません。本校の国語は 2021 年度以前の資料で計算されているため、国語の近さは参考程度に見てください。
- 併願候補の一覧には広尾学園小石川中学校(東京都文京区)も入っていますが、名前が似ているだけで別の学校です。過去問も別に用意する必要があります。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、回の表記が読み取れません。この学校は 4 科目の回だけでも第 1 回・第 2 回・第 3 回と医進・サイエンス回があり、医進・サイエンス回は算数と理科が 50 分 100 点、国語と社会が 30 分 50 点と配点が入れ替わります。ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。国際生 AG 回・帰国生入試(Japanese / Mathematics / English と面接)については、この資料には何も入っていません。
- 精読したのは各科目 3 年ぶんです(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2013・2015・2021)。それ以上の年数に触れた箇所は、年度ごとの大問構成から数えたもので、設問文まで読んだわけではありません。9 節の年の並びはこの数え方によるもので、小問レベルで同じ単元が出ていた可能性は排除できません。
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2021 年度までの話で、直近 5 年の形式は市販の過去問集で確認してください。出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
- 図そのものは転写されません。図の読み取りを要する小問(理科の回路図・天気図、算数の図形、社会の地形図)は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。
- 数式の転写に揺れがあります。算数の分数・累乗が画像で入っている箇所があり、一部の設問文は途中で切れています。題材の読み取りには支障がありませんが、個々の数値は市販の過去問集で確認してください。
- 設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていないので、どの大問が何点かは分かりません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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