本郷中学校 の過去問分析
本郷中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
本郷中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・入試回は 1 種類ぶんの資料・最大 18 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都豊島区 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前(100 名)/第 2 回 2 月 2 日午前(140 名)/第 3 回 2 月 5 日午前(40 名)。3 回とも 4 科(国語・算数・社会・理科) |
| 試験時間・配点 | 3 回とも同じで、国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 75 点・理科 40 分 75 点 |
| 当日の時程 | 集合 8:00・8:20 開始・12:20 終了(3 回とも) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析に使った転写データは 1 年につき 1 冊で、どの回のものかを区別できません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は、同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。大問の並びと役割が決まっていて、そこに入る題材だけが毎年入れ替わります。
- 算数は大問 1 が計算 2 問、大問 2 が小問集合 6 問、最後の大問が立方体の切断という並びで、2024・2025・2026 の 3 年とも崩れていません。社会も大問 1 = 地形図・地図、大問 2 = 通史、大問 3 = 公民・国際・時事 12 問で固定、国語も大問 1 = 漢字 5 問、大問 2 = 説明文、大問 3 = 小説で固定です。
- 理科だけは性格が違います。大問 4 つ・40 分という枠は 17 年間動きませんが、分野の並びも題材も毎年作り直しています。
家でやること 3 つ
- 算数の立方体の切断を、2024 大問 5・2025 大問 5・2026 大問 7 の 3 年分まとめて縦に解きます。
- 算数の大問 2 の小問集合 6 問を 18 分で処理する練習をします(1 問 3 分で切って先へ進む)。
- 社会の地形図の読図と縮尺計算(原図の長さから実際の距離を出す計算)を、3 年分そろえて解きます。
今週やる 1 つ
- 直近 2 年の算数の最終大問(2025 大問 5・2026 大問 7)を解いて、「3 点を通る平面で切り、点◯を含む立体の体積を出す」手順が手から出てくる状態か確かめます。
注意
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2010〜2021 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 15 年(2009〜2023) | 18 年(2009〜2026・資料の無い年なし) | 図のある小問が 53% で、図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含みます。転写の読み取り確度が低めの年が 18 年中 8 年(2024 を含む) |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年 | 17 年(2009〜2026。2020 は資料なし) | 設問文が長く(1 年あたり約 4,900 字)、表・グラフが多い。転写の読み取り確度は全年で低め |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 12 年 | 15 年(2009〜2026。2016・2019・2020 は資料なし) | 小問が年 28〜45 問と多く、選択肢の文言まで読めます。地形図そのものは転写できません |
| 国語 | 3 年(2017・2018・2021) | 6 年 | 9 年(2010〜2021。2014・2019・2020、および 2022 年度以降は資料なし) | 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2010〜2021 年度に限った話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: この学校の入試は 3 回あり、いずれも 4 科目です(1 節)。一方この分析に使った転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どの回のものかを区別できません。時期的に第 1 回に相当すると考えられますが、第 2 回・第 3 回の問題がここに書いたとおりとは限りません。過去問集を買うときは、回ごとの収録範囲を確認してください。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本の設問文で 3 年以上の反復を確認したものに限って書いています。それ以前の年(2009〜2023)については、転写データの単元分類(大問ごとの主要単元)を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
- 満点・設問別配点は問題冊子に印刷されていません(精読した年で確認しました)。
5. 一番大きな結論
本郷は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校です。同じ問題が出るのではなく、大問の並びと役割が決まっていて、そこに入る題材だけが毎年入れ替わります。
- 算数は大問 1 が計算 2 問、大問 2 が小問集合 6 問、そして最後の大問が立方体の切断 — この並びが 2024・2025・2026 の 3 年とも崩れていません。小問数は 3 年とも 17 問で、転写のある 18 年のうち 16 年が 17 問です。大問 2 に仕事算が入るのも 3 年連続で、これは資料のある関東 265 校の中でこの学校だけに見つかった並びです。
- しかも算数には「数値だけ変えた同じ問題」の実例があります。2025 大問 3 と 2026 大問 3 は、どちらも「立体を毎秒 1cm で動かして共通部分の体積の変化をグラフで見る」問題で、設問文まで近いものでした(2025「共通した部分の体積が 2 回目に 156cm³ になるのは……何秒後ですか」/2026「共通した部分の体積が 2 回目に 170cm³ になるのは……何秒後ですか」)。
- 社会は大問 3 つの役割が固定で、大問 1 = 地形図・地図、大問 2 = 通史 15〜17 問、大問 3 = 公民・国際・時事 12 問(3 年とも 12 問ちょうど)です。大問 1 では「原図上の ◯cm は実際に何 km か」を問う設問が 3 年連続で出ています。
- 国語も 3 大問の並びが固定で、大問 1 = 漢字 5 問、大問 2 = 説明文、大問 3 = 小説です。漢字の設問文は 2010〜2021 の 9 年でほぼ同じ言い回しでした。
- 理科だけは性格が違います。大問 4 つ・40 分という枠は 17 年間動きませんが、分野の並びも題材も毎年作り直しています。長い導入文を読ませて、そこから知識と計算に入る作りで、小問数も年によって 24〜39 問と大きく動きます。
したがって過去問の使い方は、①「時間の使い方を身につける」(大問ごとの持ち時間が読めるので、配分を体に入れる)と、②「決まった場所に来る単元を仕上げる」(立方体の切断・仕事算・地形図・漢字といった、置き場所の決まっている単元を潰す)の二つに近くなります。理科だけは「初見の文章を読んで考える」練習が要ります。
科目ごとの性格をまとめると次のとおりです。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数(50 分・100 点) | 高い。大問 5・小問 17 が基本(18 年中 16 年が 17 問)。精読した 3 年は並びも同じ | 大問 1 計算 → 大問 2 小問集合 6 問 → 大きな問題 3 セット(動く立体・規則性や会話文・立方体の切断)。答えはほぼ全部が数値の短答(語句や数値を短く答える形式) | 立方体の切断(3 年連続で最終大問)と、大問 2 の 6 問を 18 分で処理する速さ |
| 理科(40 分・75 点) | 中程度。大問 4・40 分は 17 年動かないが、小問は 24〜39 問と幅がある | 分野の並びは毎年違う。長い導入文(1 年 4,900 字前後)を読み、知識と表・グラフの計算で答える。記号選択が半分以上 | 長文を読んでその場で考える練習と、表・グラフからの計算。「すべて選びなさい」への構え |
| 社会(40 分・75 点) | 高い。大問 3・小問 35〜39 が 15 年安定。3 つの大問の役割も固定 | 大問 1 地形図 → 大問 2 通史 → 大問 3 公民・時事。記号選択 6 割・短答 4 割で、文章で説明させる設問は 3 年とも無し | 地形図の読図と縮尺計算(3 年連続)、通史の一問一答を指定字数で書く |
| 国語(50 分・100 点) | 高い(2010〜2021 で確認)。大問 3・小問 18〜25 | 漢字 5 問 → 説明文 → 小説。記号選択が主軸で、記述は 1〜2 問(40〜75 字の字数指定つき) | 漢字 5 問の確保と、40〜75 字の記述を字数ぴったりに収める練習 |
科目ごとに求められる力が違います。算数は「決まった場所の単元を確実に」、理科は「読んで考える」、社会は「速く正確に処理する」、国語は「選択肢を照合する」です。
6. この学校らしさが出る場所
- 問題文に学校と生徒が出てきます。「本郷君の所属している地学クラブでは毎年、夏合宿で……糸魚川へ訪れています」(2024 理科 大問 4)、「A さんと B さんは、本郷中学校の生徒です」(2025 算数 大問 4)、「本郷学園がある巣鴨・駒込の地は豊島区に属しています」(2025 社会 大問 2)、「本郷中学 2 年の K 君は、夏休みのレポートで『奥の細道』の旅の追体験を書いてみようと思い」(2026 社会 大問 2)、「本郷生の染井君」(2026 社会 大問 3)。理科では「H 君」が 2025・2026 と続けて登場します。入学後の生活を想像させる作りになっているように見えます。
- 「調べてまとめたレポート」という枠組みを好みます。2025 社会の大問 1 は中 1 の生徒が書いた地域調査レポートで、地図と本文の食い違い(進む方向の誤り・施設の取り違え)を見つけさせます。2026 社会の大問 2 は『奥の細道』の追体験メモ、2024 理科の大問 4 はクラブの夏合宿の記録です。「人が調べて書いたものを読み、その誤りや根拠を検討する」という作りが、科目をまたいで現れます。
- 理科でも歴史・文化が入口になります。2026 理科は江戸期の書物に載った見世物の挿絵から静電気へ、奈良の大仏のめっきから水銀と状態変化へ。2024 理科は糸魚川のヒスイとフォッサマグナ。2026 社会はモネの絵から世界遺産条約と国際関係へ。理科と社会の境目にある題材を好むように見えます。
- 身のまわりの現象を最後まで説明させます。氷のとけ方、コップの音の高さ、雷と稲妻の語源、暑さ指数、フェーン現象。知識の名前を答えて終わりではなく、「なぜそうなるか」まで一続きで問われます。
- 算数は装飾が少なめです。文章題の設定はあっさりしていて、図と数値で勝負させます。答えは数値だけで、途中式を書かせる欄も無し。3 セットの大きな問題は誘導が丁寧で、(1)(2) が (3) の足場になっています。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に順序を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数・立方体の切断を 3 年分縦に解く — 2024 大問 5・2025 大問 5・2026 大問 7 です。1 辺 3〜6cm の立方体の辺上に点をとり、3 点を通る平面で切って「点◯を含む立体の体積」を出す作業が共通です。2025 には切り口を描かせる作図も出ました。最後の大問がここだと分かっているので、同じ時間で最も点になりやすいところです。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 2 の小問集合 6 問を 18 分で — 3 年とも仕事算が入り、割合・文章題・図形・場合の数が混ざります。1 問 3 分で切って先へ進む練習を、市販の小問集合でも積んでください。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・地形図と縮尺計算 — 「原図 ◯cm は実際に何 km か」が 3 年連続です。5 万分の 1 と 2 万 5 千分の 1 の換算を、「原図 6cm ×5 万= 3km」のように暗算でできるところまで。地図記号・等高線・扇状地と三角州の見分けもここで。標高差の読み取り(2025 問 5)も同じ大問に入ります。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 5 問 — 2010〜2021 の 9 年ずっと同じ形(書き取り 3〜4 問+読み 1〜2 問、「ていねいに書くこと」の注記つき)です。標準的な熟語で、確実に取れる 5 問です。(確認: 〜2021 年度)
- [毎日 10 分] 算数・計算 2 問(大問 1) — 逆算(□にあてはまる数を求める計算で、□が式の途中にある形)と工夫のいる分数計算の 2 種類です。3 年とも大問 1 はこの形でした。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・通史の一問一答と「誤っているものを 1 つ選ぶ」形 — 「4 字で」「3 字で」「7 字で」が繰り返し出ます。用語を漢字で、指定の字数で書けるかを確認しながら回してください。大問 2 の前半は 9 問続けて「誤っているものを 1 つ選ぶ」形なので、4 つの選択肢のうち 3 つは正しいと考えて、1 つずつ真偽を判定する作業に慣れておきます。都道府県の統計表(3 年とも県名を書かせる)と、大問 3 は 3 年とも前年〜前々年の話題から入るので、ニュースそのものより、そこにつながる公民の基礎(選挙制度・三権分立・条約・通貨)を確認しておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・長い導入文を読んで考える練習と、表・グラフからの計算 — 3 年とも大問の頭に半ページ〜1 ページの文章があります。初見の説明をその場のルールとして受け取り、知識に頼らず考える設問(2024 のコップ A〜D、2026 の静電気の見世物)が毎年入ります。計算は音速と気温、溶解度と濃度、密度と体積、金属と塩酸の量的関係で、「表の 2 点から比例の割合を出す」「1 あたりを出す」の 2 手で届くものが多くあります。答え方の指定(四捨五入の位・漢字何文字・カタカナ・整数値)を読む癖と、その年の小問数を最初に確認する癖もあわせて。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語・40〜75 字の記述 — 「◯字以上◯字以内」の形が多く、下限を割ると点になりません。線部の言い換え+理由(または心情の変化)の 2 要素で組み立てて、字数に合わせて削る・足す練習をします。字数を指定した抜き出しも毎年入るので、指定字数を数えながら候補を絞る作業にも慣れておきます。(確認: 〜2021 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 以降 | 最終大問 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算 2 問(□に当てはまる数・工夫のいる分数計算) | 小問集合 6 問(仕事算・和差算・数列・ニュートン算・上り下りの往復・柱状容器の水) | 速さとグラフ(停留所 3 つのバスと自転車・渋滞) | 大問 4: 奇数を並べた表の規則性(x・y・z の 3 問) | 大問 5: 立方体の切断(1 辺 6cm・辺上の点 I〜L・点 A を含む立体の体積ほか 3 問) | 17 |
| 2025 | 計算 2 問(□に当てはまる数・逆算) | 小問集合 6 問(食塩水・仕事算・場合の数・パイプの切断・円の転がり・円に内接する三角形) | 動く立体の共通部分の体積とグラフ(小さい立体 4 個に大きい立体を通す) | 大問 4: 会話文の規則性(ア・イ・ウ に当てはまる最小の整数 3 問) | 大問 5: 立方体の切断(展開図から切り口を作図・切り口の形を選ぶ・点 E を含む立体) | 17 |
| 2026 | 計算 2 問(□に当てはまる数・逆算) | 小問集合 6 問(仕事算・塗り分け・平均算・回転体の表面積・電車とバスの出発時刻・正六角形の面積比) | 動く立体の共通部分の体積とグラフ(立方体と直方体を組んだ立体を毎秒 1cm で動かす) | 大問 4〜6: 会話文の概数(音声認識のコンピュータが表示する値段・四捨五入の範囲)3 問 | 大問 7: 立方体の切断(1 辺 3cm・6 辺上の点 P〜U・点 B を含む立体の体積ほか 3 問) | 17 |
仕事算・和差算・ニュートン算・平均算のような名前のついた解き方は、教科書ではなく受験用教材の単元です(→ 用語集)。
小問数は 3 年とも 17 問です。転写の記録では 2009〜2026 の 18 年のうち 16 年が 17 問で、例外は 2015 年(21 問)と 2023 年(19 問)だけでした。大問数は 5 が基本で、2026 年は会話文の大問を 3 つに分けて数えたため 7 になっています(中身は「計算 2 問+小問集合 6 問+大きな問題 3 セット」で 2024・2025 と同じです)。
大問の並びがほぼ動かない
精読した 3 年(2024〜2026)で、次の並びが崩れていません。
- 大問 1 は計算 2 問(3 年連続)。設問文は 3 年とも「次の□に当てはまる数を答えなさい」。(2) は 2025・2026 が逆算(□が式の途中に埋まっている)、2024 は 2024 を掛ける分数計算で、いずれも「順に計算するだけでは終わらない」形です。
- 大問 2 は小問集合 6 問(3 年連続・小問数まで同じ)。しかも 3 年とも仕事算が入っています(2024 (1)(5)、2025 (2)(4)、2026 (1))。この「大問 2 の位置に仕事算」という並びは、資料のある関東 265 校の中でこの学校だけで見つかりました。
- 最終大問は立方体の切断(3 年連続)。2024 は 1 辺 6cm の立方体の辺 AB・DC・EF・HG 上に点をとって切る、2026 は 1 辺 3cm の立方体の辺 EA・EF・GF・GC・DC・DA 上に 6 点をとって切る形です。問い方も「3 点◯、◯、◯を通る平面で切ったとき、点◯を含む立体の体積は何 cm³ ですか」で共通しています(2024 大問 5(1)・2026 大問 7(2))。2025 は展開図から切り口を復元させる形で、作図が 1 問入りました。
- 大問 3 は 2025・2026 が同じ種類の問題です。どちらも「一方を固定してもう一方を毎秒 1cm で動かし、共通部分の体積の変化をグラフで見る」立体で、設問の言い回しまで近いものでした。2025 (3)「共通した部分の体積が 2 回目に 156cm³ になるのは、大きい立体を動かし始めてから何秒後ですか」/2026 (2)「共通した部分の体積が 2 回目に 170cm³ になるのは、動き始めてから何秒後ですか」。数値だけ差し替えた同じ問題と言ってよいものです。2024 の同じ位置は速さとグラフでした。
- 大問 4 以降に「会話文または表を読んで規則を見つける」大きな問題が 3 年連続で入ります。2024 は奇数を並べた表、2025 は生徒 2 人の会話でア・イ・ウ に入る最小の整数、2026 はコンピュータが四捨五入して表示する値段の範囲です。答えは 3 つの穴埋めで、(1) から順に (3) へ効いていく誘導になっています。
つまりこの学校の算数は、同じ問題が出るのではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」と言えます。50 分の中で「最初の 2 問は計算」「次の 6 問は 1 問 3 分の小問」「残り 3 セットが本体」という配分が、少なくとも 3 年は動いていません。
頻出単元と周期
転写の単元分類(2009〜2026 の 18 年)で数えると、立体図形が最も多く(全小問の 23%)、次いで数の性質・規則性 15%、割合と文章題 14%、速さ 14%、計算 13% です。細かく見ると「立体の体積・表面積」11%、「速さとグラフ」11%、「規則性・数列」10% でした。
- 立方体の切断: 2023・2024・2025・2026 と 4 年続けて大問です(転写の分類で確認)。
- 速さとグラフ: 2012・2015〜2017・2019・2020・2022〜2024 と繰り返し大問になっています。2025・2026 の大問 3 は「動く立体とグラフ」に置き換わっているので、グラフを読む作業自体は続いています。
- 仕事算: 2024・2025・2026 の大問 2 に 3 年連続。
- 水量(容器と水位): 2010・2014・2018・2021・2023 と 3〜4 年おきに出ます。2024 大問 2(6) は柱状の容器に水を入れる小問で、大問としては 2023 が最後です。
この科目で足す練習(全体の優先順は 7 節)
- 大問 3 の「動く立体と共通部分の体積」を 2025・2026 の 2 年で比べます。グラフの折れ目が何を意味するか(面が抜ける瞬間・全部入った瞬間)を言葉で説明できるようにすると、数値が変わっても同じ手順で解けます。速さとグラフ(2024)も動く立体(2025・2026)も、グラフの各区間で何が起きているかを読む点は同じです。
- 会話文・表から規則を見つける練習。2025・2026 は生徒の会話が長く、条件が会話の中に散らばっています。線を引きながら条件を箇条書きに直す作業を、時間を計って行います。
- 計算 2 問(大問 1)は、3 年とも 1 問目が四則、2 問目が逆算または工夫算でした。2024 (2) のような「共通因数でくくると一気に消える」分数計算にも慣れておきます。
- 円周率 3.14 の計算に慣れる。回転体の表面積(2026 大問 2(4))・円の転がり(2025 大問 2(5))など、大問 2 の中に円がらみが 1 問入る年が多くあります。
- 答えの単位と形を確認する癖。「何秒後」「2 月何日」「最も簡単な整数の比」など、設問文の末尾の指定を読み落とさないようにします。
8-2. 理科(40 分・75 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 温度と熱・氷のとけ方(分子の説明を読んでコップ A〜D を比べる)7 問 | 元素と水素(宇宙の水素・燃料電池・液体水素・金属と塩酸の量的関係)10 問 | ヒトの血液循環(図の①〜⑩の血管と心臓・メダカとカエルの循環・血液量の計算)14 問 | 糸魚川ジオパークと断層(ヒスイの見分け・衝撃痕とポットホール・根なし山)8 問 | 39 |
| 2025 | 光と音(弦・試験管・コップの音の高さ・気温と音速のグラフ)8 問 | 死海の塩分と水位低下(陥没・溶解度・濃度計算・浮力)6 問 | タンポポと生態系(花のつくり・キク科・草原の個体数計算・外来生物)7 問 | 太陽とオーロラ(太陽風の到達時間・黒点の動き・南中高度・金環日食)7 問 | 28 |
| 2026 | 静電気(江戸期の書物に載った見世物の挿絵から・雷と稲妻の由来)7 問 | 海の生態系(ジャイアントケルプとラッコとウニ)+セキツイ動物の分類 5 問 | 気象と地球温暖化(120 年の平均気温グラフ・フェーン現象の計算・暑さ指数 WBGT)7 問 | 奈良の大仏と水銀(めっき・状態変化・金の重さと密度・温度計の限界)5 問 | 24 |
大問 4 つは動かないが、中身は毎年入れ替わる
- 大問数は 4。転写のある 17 年(2009〜2026)すべてで 4 大問でした。時間は 40 分です。
- 一方で分野の並びは年ごとに違います。2024 は 化学→化学→生物→地学、2025 は 物理→化学→生物→地学、2026 は 物理→生物→地学→化学。4 分野が 1 題ずつ入る年(2025)と、同じ分野が 2 題入る年(2024)があります。
- 大問 1 に物理分野が来る並びは、転写の記録では 2021〜2026 の 6 年続いています(原本で確認できたのは 2024 の熱、2025 の音、2026 の静電気の 3 年です)。
- 小問数は年によって大きく動きます(2024 年 39 問、2025 年 28 問、2026 年 24 問)。40 分で 24 問の年と 39 問の年があるので、過去問を解くときは「その年が何問あるか」を先に見て配分を決めたいところです。
長い導入文を読ませるのがこの学校の理科
設問文の総量は 1 年あたり 4,900 字前後(A4 に直すと 17 ページ相当)で、資料のある関東の学校の中では多い方に入ります。3 年とも、大問の頭に半ページ〜1 ページの文章があり、そこを読まないと最初の設問に入れません。
- 2024 大問 1 は「もの(水、空気、氷など)は、分子とよばれる小さな粒子でできている」から始まる説明を読み、その枠組みでコップ A〜D の氷のとけ方を考えさせます。
- 2024 大問 4 は「本郷君の所属している地学クラブでは毎年、夏合宿で……糸魚川へ訪れています」という文章から始まり、ジオパーク・フォッサマグナ・ヒスイの見分け方へつながります。
- 2025 大問 2 は死海の水位低下と陥没の話から、溶解度・濃度計算・浮力へ。
- 2026 大問 1 は江戸期の書物に載った見世物の挿絵から入り、静電気の発生・ひもの素材・台の役割・雷の発生・「稲妻」の語源(雷と稲の実りの関係)まで一続きで問います。
知っている用語を答える設問と、その場で文章を読んで考える設問が混ざっているのが特徴で、後者は知識だけでは埋まりません。
この科目で足す練習(全体の優先順は 7 節)
- 記述は 1〜2 文で理由を言い切ります。「〜だから。」の形で、条件(温度・体積・重さ)を 1 つ入れます。書き出しの指定がつく年もあります。
8-3. 社会(40 分・75 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・精読した年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民・国際・時事) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 5 万分の 1 地形図(三重県・雲出川流域)8 問 | 戸籍と徴税の通史(庚午年籍から明治の地租改正まで)17 問 | 経済学者の生涯をたどる文章(合区・公害・関税・生存権・沖縄戦)12 問 | 37 |
| 2025 | 中 1 の生徒が書いた地域調査レポートと地図(ルートマップの誤りさがし)10 問 | 学校の周辺(巣鴨・駒込・豊島区)の地域史 17 問 | 「選挙イヤー」の文章(韓国・米国の選挙・首相・裁判員制度)12 問 | 39 |
| 2026 | 5 万分の 1 地形図(山形県・最上川流域)8 問 | 『奥の細道』を追体験したレポート 15 問 | モネの絵を入口にした文章(世界遺産・通貨・条約・首相・美術館)12 問 | 35 |
3 つの大問の役割が固定されている
転写のある 15 年(2009〜2026)すべてで大問は 3 つです。そして精読した 3 年とも、
- 大問 1 = 地理(地形図または地図を読む)
- 大問 2 = 歴史(1 本の長い文章を読んで通史を答える)15〜17 問
- 大問 3 = 公民・国際・時事 12 問(3 年とも 12 問ちょうど)
という役割分担になっています。転写の分類では、大問 1 に地図・地形・気候の地理が来る並びが 2021〜2026 の 6 年続いています。小問は 35〜39 問で 40 分。1 問あたり 1 分強という配分が読めます。
大問 1 に「同じ問い方」が 3 年続けて出ている
これはこの学校の社会で最もはっきりした反復で、原本の設問文で確認しました。
- 地図上の長さから実際の距離を出す問題が 3 年連続です。2024 問 4「図中の雲出川流域にみられる 2 か所の『老人ホーム』の直線距離は、図面上(原図)では 3cm です。実際の距離を……」/2025 問 4「すぐる君が歩いたルートの長さを地図(原図)上で測ったら 30cm でした。実際に歩いた距離を答えなさい」/2026 問 5「『あしざわ』駅から『きたおおいしだ』駅までの直線距離は、図面上(原図)では 6cm です。実際の距離を……」。縮尺と cm から km を出す計算が毎年の 1 問になっています。
- 地形図の読み取りの正誤判定が大問 1 の問 1 に固定されています。2024・2026 は書き出しまで同じで、「この図から読み取れる内容を説明した次の各文について、内容が正しければ○を、誤っていれば×を答えなさい」。針葉樹・広葉樹の分布、河川の流れる向き、区画整理された田といった読み取りが並びます。
- 図の地域が属する県の説明から誤りを選ぶ設問も 2024 問 6 と 2026 問 4 でほぼ同文でした(「図中の地域が属する県について述べた次の中から、誤りを含むものを 1 つ選び、記号で答えなさい」)。
- 統計表から県名を当てる設問が 3 年連続です。2024 問 8(隣接する 7 府県)、2025 問 7(鳥取・岡山・高知・鹿児島)、2026 問 6(東北 6 県)。
大問 2(歴史)は前半が選択・後半が短答
2024・2025 では並びがはっきりしています。長い文章に A・B・C… と ①・②・③… の 2 系統の傍線が引かれ、アルファベットの傍線には「これに関する説明として誤っているものを次の中から 1 つ選び、記号で答えなさい」という選択(2024 は問 1〜問 9、2025 は問 1〜問 9)、数字の傍線には語句を書かせる短答(2024 は問 10〜問 17、2025 は問 10〜問 17)が続きます。この「誤っているものを 1 つ選び、記号で答えなさい」という言い回しは、転写の記録では 2012・2013・2014・2018・2023・2024・2025 と長く反復しています。
短答は字数指定つきが多くなっています。「この事件の名称を 4 字で答えなさい」(2024 問 10)、「この帳簿の名称を 3 字で答えなさい」(2024 問 14)、「土地の広さや生産力を調査したものを何と言いますか。4 字で」(2025 問 12)、「公害の名称を 7 字で答えなさい」(2024 大問 3 問 7)。字数が合わない答えは書き直しになるので、用語を正しい字数で覚えているかが問われます。
扱う時代は文章の流れに沿って古代から現代まで通しで動きます。2024 は古墳期の戸籍から班田収授・太閤検地・宗門改帳・版籍奉還・地租改正・サンフランシスコ平和条約まで。2026 は『奥の細道』の道筋に沿って、元禄文化・平安の歌人・鎌倉の執権・登呂遺跡・渡辺崋山の「鷹見泉石像」まで飛びます。1 つの時代に固まらず、通史をまんべんなくという作りが 3 年とも共通です。
大問 3 は前年の出来事が入口
3 年とも 12 問で、入試の前年〜前々年の話題が文章の骨格になっています。2024 は経済学者の没後 10 年(合区・公害訴訟・関税・生存権・沖縄戦の証言)、2025 は「昨年は……『選挙イヤー』といわれました」から韓国・米国の選挙・裁判員制度・公民権法へ、2026 はモネの絵を入口に世界遺産条約・ユーロ・ワシントン条約・参議院議員選挙へ。公民の基本事項(三権分立・選挙・憲法)が、時事の文章の中に埋め込まれて出ます。
「日本の首相について説明した文章として誤っている(適切ではない)ものを次の中から 1 つ選び、記号で答えなさい」は 2025 大問 3 問 3 と 2026 大問 3 問 10 の 2 年連続で、ほぼ同じ設問文でした。
この科目で足す練習(全体の優先順は 7 節)
- 地形図の記号と等高線。老人ホーム・博物館・図書館などの新しめの記号、扇状地・三角州・河岸段丘・海岸段丘の見分け。
- 都道府県の統計表。3 年とも「表の①〜⑦(あ〜か)にあてはまる県名」を書かせます。人口・農業産出額・製造品出荷額あたりを、隣接県セットで比べられるようにします。
- 地域史・文化史のような「変わった入口」に驚かないこと。2025 は学校のある豊島区の地域史、2026 は『奥の細道』の道筋でした。入口は変わっても、問われるのは標準的な通史の知識です。
8-4. 国語(50 分・100 点)
先に断っておきたいこと: 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2017・2018・2021 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(2017・2018・2021・精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2017 | 漢字 5 問 | 説明文(木と草の進化・「死」は生物の発明品という論)5 問 | 小説(調理実習室・兄と弟と同級生の三角関係)10 問 | 20 |
| 2018 | 漢字 5 問 | 説明文(スマートフォンに「飼い慣らされる」ことを論じた社会学の文章)8 問 | 小説(昭和十六年の夏・商業学校の野球部)9 問 | 22 |
| 2021 | 漢字 5 問 | 説明文(アリストテレスの「ロゴス」から、クラス環境・なかよし環境・プロジェクト環境と対話力へ)9 問 | 小説(学校での人間関係に悩む美緒と祖父の紘治郎・染織の話)9 問 | 23 |
3 つの大問の役割が動かない
転写のある 9 年(2010〜2021)すべてで大問は 3 つ、小問は 18〜25 問です。しかも並びが同じでした。
- 大問 1 は漢字 5 問(9 年すべて)。設問文もほぼ同じで、「次の (1) 〜 (5) の――線部について、カタカナの部分は漢字に直し、漢字の部分はその読みをひらがなで答えなさい。なお、答えはていねいに書くこと」。5 問のうち 1〜2 問が読み、残りが書き取りです。精読した 3 年は、2017 が「キク(効く)・ジュウゾウ・ジョレツ・ゲンセン・門戸」、2018 が「終始・イセツ・ハクアイ・テイアン・キカン」、2021 が「利根川・ヤブれる・オウク・ヒホウ・ジシャク」。熟語の書き取りが中心で、難読というより標準的な語が並びます。
- 大問 2 は説明文・評論。3 年とも、生き物や社会や人間関係を材料に「ものの見方」を論じる文章でした。転写に残っている出典を並べると、哲学・思想・社会学の入門書(2012 岡本裕一朗『12 歳からの現代思想』、2015 土屋賢二『あたらしい哲学入門』、2016 竹田青嗣、2018 好井裕明、2021 桑子敏雄『何のための「教養」か』)が続いています。中学生に向けて書かれた思想・社会の入門書という色がはっきりしています。
- 大問 3 は現代の小説です。2011 黒野伸一、2012 関口尚、2013 中田永一『くちびるに歌を』、2016 はらだみずき、2018 須賀しのぶ『雲は湧き、光あふれて』、2021 伊吹有喜『雲を紡ぐ』。中高生が主人公で、部活・家族・友人関係を扱う近年の作品が並びます。2017 は兄と弟、2018 は野球部、2021 は不登校気味の中学生と祖父でした。
本文は 2 本合わせて 9,000 字前後(転写の中央値)で、50 分でこれを読んで 20 問強に答えます。読む速さは要ります。
この科目で足す練習(全体の優先順は 7 節)
- 選択肢を本文の言葉で照合する練習。設問の 6 割前後が「最も適当なものを一つ」です。選択肢の中の言い過ぎ(「すべて」「必ず」)や、本文に無い因果を見つける訓練を積みます。
- 思想・社会の入門書を読んでおくこと。大問 2 は中学生向けの哲学・社会学の本から取られることが多く、抽象語(理性・匿名・共同体・環境)に慣れておくと本文に入りやすくなります。
- 中高生が主人公の小説を読むこと。大問 3 は部活・家族・進路の悩みを扱う作品が続いています。人物の心情が動く場面で「なぜそう感じたか」を口で言う習慣を。
- 語句と文法の基礎(接続語・品詞・係り受け・慣用句)。毎年 2〜4 問は知識で取れます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
転写の単元分類(2009〜2026)で、大問の主要単元として数えたものです。精読していない年の細部は保証できません。この学校は大問の役割が決まっているので、「枠の中で何が来るか」の警戒になります。社会は大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民系という枠が動きません。最終確認年度は、その単元を大問の柱として確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 大問で出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 水量(容器と水位) | 2010・2014・2018・2021・2023 | 2023 年度 | 3〜4 年おき。2023 以来 3 年空きました。大問 3 の枠に戻る候補の筆頭 |
| 算数 | 場合の数 | 2012・2018 | 2018 年度 | 大問としては 8 年なし(2025・2026 は大問 2 の小問で出ました) |
| 算数 | 論理・推理 | 2013・2016・2017・2022 | 2022 年度 | 2022 以来 4 年なし |
| 算数 | 平面図形の面積・面積比 | 2016・2020・2021 | 2021 年度 | 大問としては 5 年なし。2026 大問 2(6) の正六角形が小問として復帰 |
| 算数 | 速さとグラフ | 2012・2015〜2017・2019・2020・2022〜2024 | 2024 年度 | 2024 が最後。2025・2026 は同じ枠が「動く立体とグラフ」に置き換わりました |
| 算数 | 流水算 | 2019・2021 | 2021 年度 | 5 年なし |
| 算数 | つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元) | 2011・2015・2018 | 2018 年度 | 大問としては 8 年なし |
| 理科 | てこ・つり合い | 2011・2018 | 2018 年度 | 8 年なし。物理の中で最も長く空いています |
| 理科 | ふりこ | 2015・2017 | 2017 年度 | 9 年なし |
| 理科 | 電流のはたらき・回路 | 2014・2019・2021 | 2021 年度 | 5 年なし(2024 大問 2(3) に燃料電池とモーターの小問) |
| 理科 | 光 | 2012・2019・2021 | 2021 年度 | 大問としては 5 年なし(2025 大問 1 が光と音、2026 大問 3(5)② に黒球温度の小問) |
| 理科 | 気体の性質 | 2009・2010・2017・2019 | 2019 年度 | 大問としては 7 年なし(2024 大問 2 に水素の性質として登場) |
| 理科 | 水溶液の性質・中和 | 2013(中和)・2018(水溶液) | 2018 年度 | 8 年以上なし。化学の中で 8〜11 年空いています |
| 理科 | 燃焼 | 2015 | 2015 年度 | 11 年なし |
| 理科 | 動物の誕生 | 2018 | 2018 年度 | 8 年なし |
| 理科 | 地震・火山 | 2014 | 2014 年度 | 12 年なし(2024 大問 4 の断層は地層側) |
| 理科 | 流水のはたらき | 2019 | 2019 年度 | 大問としては 7 年なし(2024 大問 4(6) にポットホールの小問) |
| 理科 | 月 | 2022・2023 | 2023 年度 | 2 年続いた後 3 年なし(2025 大問 4(7) に金環日食の小問) |
| 社会(大問 3) | 経済・労働(景気・物価・財政) | 2010・2011・2018・2021 | 2021 年度 | 5 年なし。3〜7 年おきに戻ってきています |
| 社会(大問 3) | 選挙制度を柱に | 2014 | 2014 年度 | 12 年なし(2025・2026 は小問として登場) |
| 社会(大問 3) | 三権分立・国会・内閣・裁判所を柱に | 2015・2017・2025 | 2025 年度 | 2025 に戻ったばかり |
| 社会(大問 2) | 平安時代を柱に | 2014 | 2014 年度 | 12 年なし(2026 は歌人・総社の小問) |
| 社会(大問 2) | 文化史・美術史を柱に | 2015・2023 | 2023 年度 | 8 年おき。2026 大問 3 は絵画が入口 |
| 社会(大問 2) | 近代の戦争と大正・昭和前期を柱に | 2010・2025 | 2025 年度 | 2025 に戻ったばかり |
| 社会(大問 1) | 世界地理を柱に | 2024 | 2024 年度 | 大問 1 が世界地理だった年は珍しく、2025・2026 は日本の地形図に戻りました |
| 国語 | 文法(品詞・係り受け)の設問 | 2021 | 2021 年度 | 年によって入る・入らないが変わります。2022 年度以降は資料が無く確認できません |
国語は資料が 2021 年度までなので、ここは弱めに読んでください。転写の分類では、大問 2 の最後に置かれる形が年によって入れ替わっています(2010〜2017 は抜き出しや記号選択が中心、2018・2021 は内容説明の記述が大問 2・3 の柱)。記述の重みが増える方向に動いた形跡があるので、直近の過去問集で記述の数と字数を確認したいところです。
10. 形式面の注意(原本で確認した年に限る)
- 記述の量: 算数は 3 年とも 0 問。社会も 3 年とも 0 問。理科が年 0〜2 問(「簡単に答えなさい」が多く、書き出しを指定される年もあります)。国語が 1〜2 問(40〜75 字の字数指定つき)。この学校で「書く」負荷がかかるのは国語と理科だけです。
- 字数指定: 国語の記述は「◯字以上◯字以内」(2017・2018・2021)。社会の短答は「4 字で」「3 字で」「7 字で」のような用語の字数指定が多くなっています。理科は「漢字 3 文字で」「カタカナで」の指定です。
- 作図: 算数は 2025 大問 5(1) に切り口を描かせる作図が 1 問(「定規は使わず丁寧にかきなさい。頂点の記号は書き込まなくてもかまいません」)。2024・2026 にはありません。理科は精読した 3 年に作図の設問はありませんでした。
- 円周率: 算数は 3 年とも冒頭に「円周率は 3.14 とします」。
- 単位・答え方の指定: 算数は「何秒後ですか」「2 月何日ですか」のように答えの単位が設問文に書かれます。理科は「小数第 1 位を四捨五入して、整数値で答えなさい」のような桁指定がつきます。
- 「すべて選びなさい」: 理科で 3 年とも複数出ます。部分点が期待できない形なので、1 つずつ判定します。
- 時間あたりの処理量: 社会は 40 分で 35〜39 問(1 問 1 分強)。理科は 40 分で 24〜39 問と年により幅が大きいので、解き始める前にその年の問題数を確認します。算数は 50 分で 17 問、国語は 50 分で 18〜25 問です。
科目別の細部
算数(3 年とも原本で確認)
- 答えは数値を書くだけの短答がほぼ全部です(2024 は 17 問すべて、2026 は 16/17)。式や考え方を書かせる欄は 3 年ともありません。
- 例外は 2025 の 2 問。大問 5(1) が作図で「立方体の切り口の図形の残りの辺を [図Ⅲ] にかきなさい。……(定規は使わず丁寧にかきなさい。頂点の記号は書き込まなくてもかまいません。)」、(2) が切り口の形を (ア) 正三角形 (イ) 直角二等辺三角形 … から選ぶ設問でした。作図が出る年があることは頭に入れておきたいところです。
- 図のある小問が半分強(53%)。とくに大問 3 と最終大問は図なしでは読めません。
- 単位(cm・cm³・分・秒・何日)を答えさせる問い方が多くなっています。
理科(3 年とも原本で確認)
- 記号選択が半分以上です(2024 年 67%、2025 年 64%、2026 年 50%)。「1 つ選び」だけでなく「すべて選び、記号で答えなさい」が 3 年とも複数あり、部分点が期待できない形です。
- 短答が 3 割前後。語句のほか、計算の答えを書かせるものが毎年入ります。「小数第 1 位を四捨五入して、整数値で答えなさい」(2025 大問 2(4))、「漢字 3 文字で答えなさい」(2026 大問 1(2))、「カタカナで答えなさい」(2026 大問 1(1))のように、答え方の指定がつきます。
- 記述は年 0〜2 問。2024 は 2 問(液体水素にする理由・断層の違い)、2026 は 2 問(台の役割・温度計で −89.2℃ を測れない理由)、2025 は独立した記述の欄が無く、選択と説明を組み合わせた設問が 2 問でした。字数指定はほとんど無く、「簡単に答えなさい」が多くなっています。2024 大問 4(8) には「ただし、『図 4 は断層面を境に…』という書き出しに続くように答えなさい」と書き出しの指定がつきました。
- 計算は毎年入ります。2024 は塩酸とアルミニウム・マグネシウムの量的関係(0.5g の混合物から何 g ずつか)と血液量、2025 は音速のグラフから 35℃ の値・食塩水の濃度・太陽風が届くまでの時間・南中高度、2026 はフェーン現象の気温と金の重さ・液体の密度表。表やグラフの数値を使う計算という点が共通しています。
- 精読した 3 年には作図の設問はありませんでした(転写のより古い年には作図があったと記録されています)。
社会(3 年とも原本で確認)
- 記号選択が 6 割、短答が 4 割です(2024 年 65:35、2025 年 62:38、2026 年 60:40)。文章で説明させる設問は 3 年とも 1 問もありません。
- 選択肢は「誤っているもの/適切ではないものを 1 つ」が主軸です。○×を並べて答える形(大問 1 問 1)や「2 つ選び、記号で答えなさい」(2026 大問 2 問 6 の俳句)もあります。
- 短答は字数指定つきが多くなっています(8-3 節)。漢字指定の明記は少ないものの、歴史用語・地名・人物名を書かせるので漢字で書ける状態が前提です。
- 図・地図・写真・グラフを使う設問は全体の 2 割弱ですが、大問 1 は地形図が無いと 1 問も解けません。地形図の記号・等高線・縮尺は必須です。
- 1 問 1 分強なので、地形図の距離計算と統計表の読み取りに時間をかけすぎないようにします。
国語(3 年とも原本で確認)
- 記号選択が主軸です(2017 年 60%、2018 年 55%、2021 年 61%)。ほぼすべてが「その説明として最も適当なものを次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい」の形で、選択肢は 4 つが基本、本文を根拠に絞る作業が中心になります。
- 記述は 1〜2 問。しかも 3 年とも字数指定つきでした。2017「五十字以上六十字以内」「四十字以内」、2018「四十字以上五十字以内」「六十字以上七十五字以内」、2021「四十字以上五十字以内」。40〜75 字の幅で、指定の形は「◯字以上◯字以内」が多くなっています。
- 抜き出しと空欄補充が毎年入ります。「問題文中より九字で抜き出して答えなさい」(2018 大問 2 問四)、空らん X(三字)・Y(十八字)に当てはまる言葉を探す(2017 大問 2 問一)のように、字数を指定して探させます。
- 本文全体との照合設問が大問 2 の最後に来る年があります。2017 問五・2018 問八は「問題文の内容と一致する(合っている)ものには○、一致しない(合っていない)ものには×」を 4〜5 個並べる形でした。2017 には「なお、すべて○、またはすべて×は不可」という注記がつきました。
- 語句・文法の設問も入ります。語句の意味(2018 大問 3 問一の「眉を〜」など)、接続語の空欄補充(2018 大問 2 問一、2021 大問 2 問一)、係り受けと品詞の分類(2021 大問 3 問一・問二)。知識で取れる設問が毎年 2〜4 問あります。
- 図・グラフは使いません。作文(自分の考えを書く)の設問も、精読した 3 年にはありませんでした。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・逆算)、図形(立方体を切ったらどんな面ができるかを実物やスケッチで確かめる)、読解(線部の言い換えを口で言う)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本です。この学校で最終的に効く入口は「立方体・直方体の見取図を描くこと」「地図と地形図に親しむこと」 | 差はほぼありません。時間計測はまだしません。立体を描くことを嫌がらない習慣だけは早くから |
| 小 5(幅) | 1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と漢字語彙、それに社会の通史の一問一答を漢字で書ける状態にする作業へ。週末 60 分は算数の単元をひとつずつで、8-1 節の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、立体の体積・切断 → 仕事算(受験用教材の単元)・割合の文章題 → 速さとグラフ → 規則性と数列 → 場合の数 → 平面図形の面積比 の順に全分野をひととおり学び終えます。社会は通史を一巡したうえで、地形図の記号と縮尺・都道府県の統計に触れます。理科は 4 分野の計算単元(濃度・溶解度・音と光・密度・化学反応の量)と「表を見て比例か反比例かを言う」習慣を。国語は説明文と小説を 1 本ずつ、記述の直しをもらう回数を稼ぎます(ただし国語は 2022 年度以降の資料が無く、直近の形式は市販の過去問集で確認してください → 13 節) | 社会と算数を小 5 で一巡しておくことがここで効きます。出る場所が決まっているので、小 5 で全分野を回しておくと、小 6 で「大問 2 の仕事算」「最終大問の立方体の切断」のような決まった場所に集中して時間をかけられます |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降に過去問を 2 通りの解き方で使います。(a) 年度通しで時間を計る(社会 40 分 35〜39 問、算数 50 分 17 問の配分)、(b) 同じ場所を縦に解く(算数の最終大問だけ 3 年分、社会の大問 1 だけ 3 年分、国語の漢字だけ何年分も) | (b) が効く学校です。並びが固定されているので、「大問 5 だけを 3 年分」といった縦の演習が成立します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 5 で全分野を一巡することと、小 6 での「決まった場所への集中」です。出る場所が読める学校なので、単元の抜けがあるとそこがそのまま失点になりやすい一方、抜けが無ければ小 6 で時間をかける先が明確になります。とくに算数の立体(切断・体積・動く立体の共通部分)と社会の地形図は、早い時期から手を動かして慣れておくと後が軽くなります。理科だけは性格が違い、長い文章を読む体力が要るので、小 5 のうちから科学の読み物を読む習慣をつけておきたいところです。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、同じ問題が出るという意味ではありません。
- 東京都市大学付属中学校(東京都・男子校)— 4 科目とも近く、とくに理科の構造がよく似ています。
- 北里大学附属順天中学校(東京都・共学)— 社会が最も近く、算数・理科も近い相手です。国語は比較できるだけの資料がありません。
- 立教新座中学校(埼玉県・男子校)— 4 科目とも近く、理科の出題量が似ています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
13. 資料の限界
- 入試回: この学校は第 1 回・第 2 回・第 3 回の 3 回入試ですが、使った転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どの回のものかを区別できません。時期から第 1 回に相当すると考えられますが、第 2 回・第 3 回の問題がここに書いたとおりとは限りません。市販の過去問集で回ごとの収録範囲を確認してください。
- 国語: 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 節に書いたことは 2010〜2021 年度に限った話で、直近 4 年の形式・記述の量・出典の傾向は市販の過去問集で確認してください。2014・2019・2020 年度も問題文が資料にありません。
- 理科・社会の欠年: 理科は 2020 年度、社会は 2016・2019・2020 年度の資料がありません。周期の話(「◯年なし」)はこの欠けを含んだ数え方になっています。
- 図が読めない: 転写データは図そのものを保存しておらず、図の説明文だけが残ります。算数の立体図形(図のある小問が 53%)と社会の地形図は、実際の図を見ないと分からない部分が多くあります。ここに書いた題材の説明は、設問文と図の説明文から起こしたものです。
- 転写の読み落とし: 転写の読み取り確度が低めと記録されている冊があります(算数 18 年中 8 年・理科は全年・社会 15 年中 9 年)。小問数や単元の分類に取りこぼしがある可能性があり、とくに小問の細かい枝番((1)① など)の数え方は資料によってずれることがあります。
- 配点: 科目ごとの満点は募集要項から分かりますが(国語 100・算数 100・社会 75・理科 75)、大問別・設問別の配点は問題冊子に印刷されていません。「どの大問に時間をかけるべきか」の判断は、配点ではなく問題数と手間から考えるしかありません。
- 原本を精読したのは各科目 3 年分です。それ以前の年については転写データの単元分類を数えただけで、設問の細部は確認していません。「3 年連続」「3 年とも」と書いたものは原本で確認済み、「転写の分類では」と書いたものは分類を数えただけのものです。
- 「〜のように見えます」と書いた箇所(6 節の作りの読み取りなど)は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
資料どうしの食い違い
- 社会の小問数について、資料の記録では「年 28〜45 問」(4 節の判読の確度欄)とされている一方、構成の集計では「大問 3・小問 35〜39 が 15 年安定」(5 節)となっており、幅が一致しません。精読した 3 年は 37 問・39 問・35 問でした。転写の読み取り確度が低めの年(15 年中 9 年)で枝番の数え方がずれている可能性があります。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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