筑波大学附属駒場中学校 の過去問分析
筑波大学附属駒場中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
筑波大学附属駒場中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・第 2 次選考 学力検査・17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 次選考(抽選)1 月 14 日 午前 9:30〜11:00 — 募集人員の約 8 倍まで抽選で選出(出願者が募集倍率以下なら抽選を実施せず、出願者全員が第 1 次選考合格)/第 2 次選考(学力検査)2 月 3 日 午前 9:00〜午後 0:40 — 4 科 |
| 試験時間・配点 | 学力検査は各 40 分・各 100 点。これに報告書 100 点を加えて合計 500 点 |
| 募集人員 | 第 1 学年 男子 120 名 |
| 旧称 | 東京教育大学東京農業教育専門学校附属中学校(1949〜1952)、東京教育大学附属駒場中学校・高等学校(1952〜1978) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは第 2 次選考(学力検査)の問題だけです。第 1 次選考の抽選と報告書の点は過去問の対象外で、この資料からは分かりません(→ 13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科目で問われることがまったく違います。算数は「大問 4 題(17 年中 16 年)×各 3 問前後=12〜15 問、全問答えのみ、計算問題なし」の枠が変わらず、中身は毎年新作です。
- 社会は「3 大問・19〜20 問」が 17 年間動かず、「〜についてのべた文として正しくないもの(正しいもの)を、つぎのアからオまでのなかから二つ選び、その記号を書きなさい」という問い方が 1 年に 7〜11 問あります(2023 年 7・2024 年 11・2025 年 10・2026 年 11)。
- 国語は読解設問の 6〜8 割が字数指定なしの記述で、理科はてこ・つり合いが 17 年の単元記録で全年、電気回路も 15 年に出ています。
家でやること 3 つ
- 社会の「二つ選ぶ正誤」を、年をまたいで大量に解きます(2023〜2026 の 4 年で計 39 問)。
- 国語の「それはなぜですか」「どういうことですか」を、字数指定なしで 40〜80 字にまとめる練習をします。
- 算数のルールを読んで数える問題を、「小さい場合で試す→表にする→規則を見つける」の 3 手順で解きます。
今週やる 1 つ
- 2026 年度の算数を 40 分計って通しで解き、大問 1(25 区画と防犯カメラの「見える状態」)・大問 2(正三角形タイル 54 枚の色の配置)の導入文を読む時間を体感します。
注意
- ここで扱うのは第 2 次選考(学力検査)だけです。第 1 次選考の抽選は過去問の対象外です(→ 13 節)。
4. 資料の状況
このレポートでは、資料の読み方を 3 段階に分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)・構成だけ数えた年(大問ごとの単元名の記録だけを使った年)・資料のある年(転写の資料が存在する年)の 3 つです。転写とは、過去問の紙面を文字データに起こしたもののことです。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 4(2023〜2026) | 13(2010〜2022) | 17(2010〜2026・欠けている年なし) | 全年度が 4 大問前後・12〜15 問。2019 年分は先に読んだ記録を参照。2011・2012・2015・2016・2020・2023・2024 の冊子は転写の確度が低めと記録されており、これらの年は単元名だけを使う |
| 理科 | 4(2023〜2026) | 13(2010〜2022) | 17(2010〜2026・欠けている年なし) | 6〜7 大問・19〜27 問。2010・2016 の冊子は転写で大問が細かく割れており(11 大問)、大問数はそのまま使わない |
| 社会 | 4(2023〜2026) | 13(2010〜2022) | 17(2010〜2026・2021 年度は大問 2 の転写が欠けている) | 3 大問・18〜23 問 |
| 国語 | 4(2023〜2026) | 14(2009〜2022) | 18(2009〜2026・欠けている年なし) | 2〜4 大問・10〜16 問。2026 の冊子は転写の確度が低め |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試は第 1 次選考(抽選)と第 2 次選考(学力検査)の 2 段階で、過去問として残るのは第 2 次選考の 1 種類です。ここで扱うのはすべてその学力検査です。
- 2026 年度の募集要項では、学力検査は国語・算数・理科・社会の 4 科目で各 40 分・各 100 点、これに報告書 100 点を加えた 500 点満点です。試験時間・配点はこの 1 年分の要項で確認したもので、過去にさかのぼって同じだったかは資料からは分かりません。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、該当年度の設問文を読み直して確認したものです。設問文を読んでいない年については、単元名の記録(17 年分)だけを使い、「単元記録では」と断って書きました。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形問題・回路図・つり合いの図は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、4 科目で「競技」がまったく違います。
- 算数は「大問 4 題(17 年中 16 年)×各 3 問前後=12〜15 問、全問答えのみ、計算問題なし」の枠が変わらず、中身は毎年新作です。カメラ・タイル・サイコロ・カードなど、その場で定義されたルールを読んで「数える・調べる・最小最大を探す」問題が並びます。精読した 4 年(2023〜2026)で同じ問題の使い回しは見つかりませんでした。
- 理科は 6〜7 大問・19〜27 問で年ごとに大問数が動きますが、てこ・つり合いは 17 年の単元記録で全年、電気回路も 15 年に出ていて、精読した 4 年ではこの 2 題が毎年セットで入っています。残りは水溶液・溶解度・生態系・地学の会話文で埋まります。記号選択が 6 割、数値や語句の短答が 3 割、記述は年 0〜1 問です。
- 社会は「3 大問・19〜20 問」が 17 年間動かず、「〜についてのべた文として正しくないもの(正しいもの)を、つぎのアからオまでのなかから二つ選び、その記号を書きなさい」という問い方が 1 年に 7〜11 問あります(2023 年 7・2024 年 11・2025 年 10・2026 年 11)。同じ問題の使い回しではなく、問い方の骨格が固定されています。記述は年 1〜2 問・字数指定つきです。
- 国語は 3 大問前後・10〜14 問で、読解設問の 6〜8 割が字数指定なしの記述です。「それはなぜですか」「どういうことですか」の 2 種類にほぼ収まり、選択は語義や空欄の 1〜3 問だけです。漢字は「カタカナは漢字に直し、文字の形、大きさや配置を整えて一行で書きなさい」という書写形式です。
したがって過去問の使い方は科目で分けます。算数は「出る問題を覚える」のではなく、初見のルールを整理する手順と 40 分の時間配分を身につける素材です。社会は同じ問い方(二つ選ぶ正誤)に慣れる素材で、年をまたいで大問ごとに解くと効きます。国語は答案の書き方(理由説明・内容説明)を固める素材で、全年度が使えます。理科はてこと電気回路だけは縦に、他は単元をひととおり学び終えることを目指します。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 算数: その場で定義するルール。「見える状態」(2026 カメラ)、「オモテ和」「ウラ和」(2024 サイコロ)、〈きまり〉①②③(2023 マスの数)、《規則 1》《規則 2》《規則 3》(2025 数表)、「AP の長さ」(2026 円周上の点)。用語を定義して例を 1 つ示し、(1) で確認、(2)(3) で一般化させる書き方が 4 年とも共通です。西暦の仕込みも濃く、2023「1 から 2023 までのカード」、2024「2024 以下の A」、2025「45 段×45 列=2025 マス」「1947 が書きこまれたマス」(1947 は開校の年と同じ数で、意図的な仕込みのように見えます)。2023 大問 4 の舞台は「ケルネル通り」、2025 大問 5 の登場人物は「豊さん」と「学さん」です。
- 理科: 会話文の登場人物と、生活の中の器具。2024 大問 2 の会話は「つくばさん」と「こまおさん」です。パルスオキシメーター(2024)、示温インク(2026)、こまごめピペットの持ち方(2026)、リトマス紙の正しい使い方(2024)、星座早見の使い方(2026)、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の六角形の鏡(2025)、ユニセフの記事と SDGs(2026)と、器具の扱いや時事の文章がそのまま設問になります。生物は「調査データから何が言えるか」を選ばせます(ツバメ・シカ・モズ・アサギマダラ)。てこは毎年装置が違います(米粒はかり→角材→砂の容器→板と木片)が、問うことは「どこまで載せると傾くか」で一貫しています。
- 社会: 一つの現代的テーマから 3 分野へ広げます。ダークツーリズム(2023)、映画『ニューヨーク公共図書館』(2023)、地球温暖化の歴史(2023)、関東大震災 100 年(2024)、神宮外苑再開発(2024)、テレビドラマ「17 歳の帝国」と統一地方選(2024)、水俣病(2025)、PFAS(2025)、東京の歴史(2025)、北前船と太平洋ベルト(2026)、衣服の歴史の自由研究(2026)、総務省の ICT リテラシー調査(2026)。大問の並びは地理→歴史→公民に固定されず、1 つの導入文の中で地理・歴史・公民の設問が混ざります。記述はテーマの核心(足尾の代償・再開発反対の根拠・令和の水俣病の共通点・アテンション・エコノミー)を書かせます。
- 国語: 書写と詩。漢字を「一行で・形と配置を整えて」書かせる形は独特で、ことわざ・慣用句・俳句(蕪村の句 2026)が素材です。詩は木坂涼・東田直樹と現代詩人で、詩の一節を「どのような意味か」「どのようなことが読み取れるか」で説明させます。説明文の題材は「学びと遊び」(2023)、「カブトムシの角の進化」(2024)、「ハングリー精神と自由」(2025)、「ヘヤー・インディアンの子どもの学び方」(2026)と、学ぶこと・自由をめぐる文章が続いています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先にしてください。学年別の進め方は 11 節に分けて書きました。
各項目の根拠(年度ごとの題材・問数)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。末尾の「確認」は、その施策の根拠を確認できている最後の年度です。
- [週 1 回] 社会・「二つ選ぶ正誤」を年をまたいで大量に(確認: 〜2026 年度) — 2023〜2026 の 4 年で計 39 問。「〜についてのべた文として正しくないもの(正しいもの)を、つぎのアからオまでのなかから二つ選び」。テーマ語は水産物・北海道・律令・基本的人権・マスメディア・石油・裁判・人工林・鎌倉・三陸…と毎年入れ替わりますが、5 文のうち 2 文を落とす消去法は同じです。過去問は大問ごとに解き、5 文すべてに○×と理由を書いて、正解でない 3 文も「なぜ正しいか」を言えるようにします。あわせて、前年の出来事を「どの制度・どの地理・どの歴史につながるか」で 1 枚にまとめ(参院選→選挙制度と当確調査、震災 100 年→関東の統計と防災)、統計表から県名を当てる練習(工業出荷額・積雪・水稲・乗用車保有)と、時期特定の正誤(明治初期・大正・戦時中)を年表で押さえます。
- [週 1 回] 国語・記述 2 種類の書き方(確認: 〜2026 年度) — 「それはなぜですか」(2024・2026 は各 6 問)と「どういうことですか」(2023・2025 は各 5〜7 問)。字数指定がないので、「答えの核+本文の根拠 1 つ」で 40〜80 字にまとめる練習をします。「なぜですか」は「直接の理由+その背景」の 2 要素、「どういうことですか」は「本文の言い換え+具体化」で組み立てます。過去問は 18 年分あり、全部が教材になります。記述をすべて書いて、模範解答と要素を照合してください。
- [週末 60 分] 算数・ルールを読んで数える問題と、動く点・転がる図形(確認: 〜2026 年度) — 2026 大問 1(25 区画と防犯カメラの「見える状態」)、2026 大問 2(正三角形タイル 54 枚の色の配置・回転して同じなら 1 種類)、2024 大問 2(サイコロを貼り合わせた「オモテ和」「ウラ和」)、2023 大問 2(マスに数を書く〈きまり〉)、2025 大問 1(1〜9 のカードを 3 の倍数条件で置く)。「小さい場合で試す→表にする→規則を見つける」の 3 手順を全問で使います。動く点・転がる図形(2024 大問 3 の正六角形の辺上を動く点 P と三角形 PGH の面積が等しくなる時刻をすべて、2025 大問 4 の正十二角形の内側で正三角形を転がし頂点 A が描く線の長さと囲む面積・元の位置に戻るまで)では、「条件を満たす瞬間をすべて」の書き出し方を練習します。2019 年にも円の内側で三角形を転がす大問がありました(先に読んだ記録)。仕上げに 2023〜2026 の 4 年分を 40 分計って通しで解き、「導入文を読む時間」を体感します。数の性質(2023 大問 1・2024 大問 1)は、余りの連鎖・倍数の除外を 2027 に置き換えて自作すると身につきます。
- [週末 60 分] 算数・速さは「2 人(2 点)が重なる・距離が等しくなる」問題(確認: 〜2026 年度) — 2026 大問 3(円周 360cm 上の 2 点 P・Q)、2025 大問 5(上り坂・下り坂 6000m を自転車 1 台と徒歩で 2 人が移動)、2023 大問 4(横断歩道 3 本を選んで駅へ・最短の到着時刻)。単元記録では速さは 17 年中 11 年です。この 3 題は比で処理し、円周上の 2 点は「差の速さ」「和の速さ」を使い分けます。
- [週末 60 分] 理科・てこと電気回路(確認: 〜2026 年度) — てこは 2023 大問 4(米粒を 10g 刻みではかる装置)、2024 大問 6(角材の立方体・直方体を積み上げる)、2025 大問 1(110cm の棒と砂が流れ出る容器)、2026 大問 6(板と木片を置いて傾かない組み合わせ)。数値の穴埋めと「すべて選びなさい」が中心で、棒や板の重さの扱いと、支点をずらす発想が共通です。この 4 題を「支点の位置・棒(板)の重さ・載せる順」で整理し、数値穴埋めを自力で全部埋めます。電気回路は 2023 大問 3(豆電球 2 個・スイッチ 2 個・6 たんし)、2024 大問 5(豆電球 P・Q とかん電池 2 個のつき方 ◎○△×)、2025 大問 2(危険なつなぎ方を避ける)、2026 大問 7(プロペラ付きモーター 2 個と豆電球)で、「つなぎ方を全部書き出す→つき方を分類」の手順を身につけ、「何通りありますか」「なしなら『なし』」に慣れます。
- [週 1 回] 社会・字数指定つき記述(確認: 〜2026 年度) — 2023「足尾銅山の代償とは何か(25 字程度)」、2024「再開発計画に反対する立場からの主張の根拠(30 字程度)」、2025「水俣病問題と PFAS 事例の共通点(20 字程度)」「関東大震災後の旧市域・新市域の人口変化と理由(各 25 字程度)」、2026「自由研究のタイトル(5 字以上 10 字以内)」「アテンション・エコノミーが情報の質に生じさせる問題(30 字以上 40 字以内)」。導入文の核心を 20〜40 字に要約する練習を、4 年分 7 問で行います。
- [週末 60 分] 理科・生態系のデータ読みと、残りの単元の回し方(確認: 〜2026 年度) — 生態系は 2024 大問 4(モズのはやにえ)、2025 大問 5(ニホンジカの増加と大台ヶ原の森・記述 15 字以内)、2026 大問 1(ツバメの子育て調査)と 3 年連続で、グラフから「言えること・言えないこと」を選びます。水溶液の判別(2024 大問 1・2026 大問 3)と溶解度(2023 大問 5・2025 大問 3)は、実験手順の表から逆算する形で解き直します。地学は会話文 4 題(2023 大問 2・2024 大問 2・2025 大問 6・2026 大問 5)で月・星座早見・台風の進路図・流水・地層を一気に復習します。器具の扱い(注射器・リトマス紙・こまごめピペット・星座早見)は「正しくない操作をすべて選ぶ」形で出るので、操作の理由まで押さえます。
- [毎日 10 分] 国語・漢字は一行書写と詩(確認: 〜2026 年度) — 「カタカナは漢字に直し、文字の形・大きさ・配置を整えて一行で書きなさい」(2023「サキかんずればヒトをセイす」、2024「トンでヒにいるナツのムシ」、2026「ナの花やツキはヒガシにヒはニシに」)。ことわざ・慣用句・有名な俳句を「意味+漢字表記」で覚え、一行書写は実際に大きく書く練習をします。詩は 2023 木坂涼「花時計」、2025 東田直樹「小さな嘘」、2024 は会話文の中の詩「うしろで何か」を踏まえて答える形で、この 3 題で「一節の意味」「題名との関係」を説明する練習をします。語義の選択(「気のおけない」「ものにした」「はっと息を呑む」)は、慣用表現の正確な意味を確かめておきます。
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を一覧にします。取り組み方は 7 節、しばらく出ていない単元は 9 節、形式の注意は 10 節にまとめました。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。4 大問(2025 のみ 5・実質 4 テーマ)・12〜15 問・答えのみ・40 分 | 毎年新作。数の性質・規則性・場合の数・速さ・平面図形(動く点・転がる図形)が単元記録 17 年の主軸。計算だけの大問は 0 | 「ルール読解→小さい場合で実験→一般化」の手順。「考えられるものをすべて」「もっとも少ないもの・多いもの」への答え方 |
| 理科 | 中程度。6〜7 大問・19〜27 問・40 分。記号選択 6 割 | てこ・つり合い(単元記録 17/17)と電気回路(15/17)が柱。生態系のデータ読み(2024〜2026 の 3 年連続)、水溶液の判別、地学は会話文で複数単元 | てこ(毎年違う装置)と回路(つなぎ方の場合分け)。「すべて選びなさい」「適切ではないものを 2 つ」の消去法 |
| 社会 | 非常に高い。3 大問・19〜20 問・40 分(17 年不変) | 現代的な一つのテーマ(ダークツーリズム・神宮外苑・水俣病・PFAS・ICT リテラシー…)の長い導入文から、地理・歴史・公民を横断。「二つ選ぶ正誤」が 1 年 7〜11 問 | 正誤 5 文を読んで 2 つ落とす訓練。字数指定つき記述(20〜40 字)を年 1〜2 問 |
| 国語 | 高い。3 大問前後・10〜14 問・40 分。記述 6〜8 割 | 説明文+物語(随筆)+詩または漢字一行書写。字数指定なし | 「なぜですか」「どういうことですか」を字数無指定で過不足なく書くこと。詩の一節の意味を説明すること |
8-1. 算数(40 分・4 大問×3 問前後・答えのみ)
年度×大問の題材表(精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | (大問 5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 論理(25 区画と防犯カメラの「見える状態」・最少最多) | 場合の数(正三角形タイル 54 枚の正六角形パネル・色の配置・回転同一視) | 速さ(円周 360cm 上を動く 2 点 P・Q が重なる時刻・AP と AQ の長さ) | 平面図形(二等辺三角形 15cm・40°、BC≒23cm として□を埋める) | — |
| 2025 | 場合の数(1〜9 のカードをア〜ケのマス目に・3 の倍数条件) | 規則性(45×45=2025 マスの数表《規則 1・2》・8 段 8 列の数) | 規則性(同じ数表《規則 3》・1947 のマス・999 を含む段の和) | 図形の移動(正十二角形の内側で正三角形を転がす・A の描く線と面積・元に戻るまで) | 速さ(上り坂・下り坂 6000m を自転車 1 台と徒歩で 2 人) |
| 2024 | 数の性質(37・17・7 で割った余りの連鎖 B・C・D、2024 以下の個数) | サイコロの「オモテ和」「ウラ和」(3〜4 個を貼り合わせ・割り切れる場合をすべて) | 平面図形(正六角形の辺上を動く点 P と三角形 PGH の面積・すべて答える) | 立体と水量(立方体ブロック A・B・C を水そうに置いたときの水面の高さ) | — |
| 2023 | 数の性質(1〜2023 のカードから 3 の倍数・5 の倍数を除く・和が 7777 を超える) | 論理(マスに数を書く〈きまり〉・隣り合う差を下段に・最後の数が 8 になる個数) | 平面図形(角あ・いをもつ直角三角形の辺の比・もっとも簡単な整数比) | 速さ(「ケルネル通り」の横断歩道 A・B・C と駅・最短の到着・お姉さんとの出会い) | — |
| 2019 | 規則性(看板) | 図形の移動(線をなぞる一筆書き) | 速さ(電飾の光の往復) | 角度・おうぎ形(円の内側で三角形を転がす) | — |
2019 は先に読んだ記録によります。2025 は大問 2・3 が同じ数表の続き(大問 3 の設問番号が (3)(4))で、実質は 4 テーマです。
2010〜2022 の単元記録(単元名のみ・設問文は未確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 数の性質 | 論理 | 速さ | 仕事算 |
| 2021 | 円・おうぎ形 | 数の性質 | 場合の数 | 速さ |
| 2020 | つるかめ算 | 数の性質 | 速さ | 平面図形 |
| 2018 | 規則性 | 場合の数 | 平面図形 | 水量 |
| 2017 | 数の性質 | 立体図形 | 規則性 | 平面図形 |
| 2016 | 規則性 | 平面図形 | 速さ | 平面図形 |
| 2015 | 数の性質 | つるかめ算 | 規則性 | 平面図形 |
| 2014 | 数の性質 | 平面図形 | 食塩水 | 論理 |
| 2013 | 数の性質 | 速さ | 場合の数 | 規則性 |
| 2012 | 速さ | つるかめ算 | 数の性質 | 場合の数 |
| 2011 | 水量 | 場合の数 | 数の性質 | 図形の移動 |
| 2010 | 規則性 | 数の性質 | 速さ | 図形の移動 |
頻出単元と周期(単元記録 17 年)
| 単元グループ | 出現年数 | 傾向 |
|---|---|---|
| 数の性質(倍数・余り・約数・数表) | 12/17 | 2020〜2024 は 5 年連続で大問 1〜2 に。西暦を仕込む(2023 枚のカード・2024 以下・2025 マス) |
| 速さ | 11/17 | 2019〜2023・2025・2026。「2 人(2 点)が重なる」「距離が等しくなる」「最短・最遅の時刻」。グラフを読む問題は精読した 4 年でなし |
| 平面図形(面積比・動く点・辺の比) | 9/17 | 正六角形の辺上を動く点(2024)、角あ・いの三角形(2023)、二等辺三角形の□(2026) |
| 規則性・数表 | 8/17 | 2025 は 45×45 の数表で 2 大問分。「何段目何列目」「〜を含む段の和」 |
| 場合の数 | 7/17 | 2025 カード・2026 タイルの塗り分け(回転同一視)。「同じ数のカードは区別しない」「回転させて同じは 1 種類」の但し書き |
| 論理・推理 | 4/17 | 2014・2022・2023・2026。〈きまり〉や「見える状態」を定義して調べさせる |
| 図形の移動 | 4/17 | 2010・2011・2019・2025。多角形の内側で三角形を転がす設定が 2019 と 2025 |
| 立体・水量 | 4/17 | 2011・2017・2018・2024。2024 はブロックと水面の高さ |
| つるかめ算・食塩水・仕事算・円 | 各 1〜3 | 2020 年代は減少 |
同じ問題の使い回しについては、精読した 4 年(2023〜2026)の設問文どうしを見比べた範囲では、数値だけ変えた同一問題は見つかりませんでした。「多角形の内側で三角形を転がす」設定が 2019 と 2025 に共通しますが、問い方は別です。
問い方の特徴
- 各大問は「ルールと例を示す導入文+(1)(2)(3)」です。(1) は例のとおりに数えれば届く確認問題、(2)(3) は「すべて答えなさい」「もっとも少ないもの・多いもの」「何通り」「何個」の一般化です。
- 「考えられるものをすべて答えなさい」が精読した 4 年で少なくとも 6 問あります。答えの個数が分からない設問なので、数え漏れの検算に時間を残します。
- 速さは「時刻を『11 時何分何秒』で答える」(2023)、「初めて同時に重なるのは何秒後」(2026)、「自転車を交代する地点をどこに置くか」(2025)のように、比を立てて式にする文章題です。ダイヤグラムを描く問題は精読した 4 年でありません。
- 図形は「動かして条件を満たす瞬間をすべて挙げる」「元に戻るまで繰り返す」が中心で、静止図形の求積は少なめです。
8-2. 理科(40 分・6〜7 大問・19〜27 問)
年度×大問の題材表(精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 生物/ツバメの子育て調査(食物連鎖・体の形・調査から言えないこと) | 時事・生物/ユニセフの記事と SDGs・ヒトの受精卵の大きさ・メダカとの比較 | 化学/水溶液 A〜E の判別(【実験 1〜4】)・こまごめピペットの扱い・「とける」の意味 | 化学・物理/示温インクで水のあたたまり方 | 地学/会話文: 流水の 3 はたらき・地層・天気の記録・星座早見 | 物理/板と木片のつり合い(【実験 1〜4】・傾かない組み合わせ) | 物理/プロペラ付きモーター 2 個と豆電球のつなぎ方 |
| 2025 | 物理/110cm の棒と砂が流れ出る容器のつり合い(【操作 1〜4】) | 物理/豆電球 2 個・スイッチのつなぎ方と危険な回路 | 化学/とけ残りのある水溶液(食塩・ミョウバン・ホウ酸)に加えた水の量 | 生物/アサギマダラのわたり・チョウの特徴 | 生物/ニホンジカの増加と大台ヶ原の森(記述 15 字以内) | 地学/会話文: 台風の予想進路図・野島断層・星の動き・宇宙望遠鏡の六角形の鏡 | — |
| 2024 | 化学/ラベルのはがれた水溶液 A〜G の判別(【実験 1〜7】・リトマス紙の使い方 10 字以内) | 地学/会話文(つくばさん・こまおさん): 秋川の水深・台風の進路・護岸・火山のめぐみ・夏の星座 | 生物/パルスオキシメーター(脈拍と酸素飽和度) | 生物/会話文: モズのはやにえ・オニヤンマの育ち方 | 物理/豆電球 P・Q とかん電池 2 個のつき方(◎○△×) | 物理/角材の立方体・直方体を積み上げるつり合い | — |
| 2023 | 生物/注射器とマシュマロ・種子の吸水と発芽(弁のつくり) | 地学/会話文: 朝 6 時の月と校舎の向き・夏の星座・探査機との電波の往復 | 物理/豆電球 2 個・スイッチ 2 個・6 たんしの回路 | 物理/米粒を 10g 刻みではかる装置(てこ・数値穴埋め) | 化学/もののとけ方(とけ残り・ミョウバンの水溶液) | 化学/金属板 3 種と水溶液(アルミ板の見分け・記述) | — |
| 2019 | 生物/こん虫 | 生物/植物 | 地学/太陽 | 化学/溶解度(海水から塩) | 化学/金属と水溶液 | 物理/積み木と板のつり合い | 物理/光 |
2019 は先に読んだ記録によります(題材は一言のみ)。
2010〜2022 の単元記録(単元名のみ・設問文は未確認・大問順)
- 2022: 月/水溶液の判別/溶解度/花のつくり/植物/てこ/電気回路
- 2021: 燃焼/流水/人体/生態系/てこ/電流
- 2020: てこ/電気回路/太陽/こん虫/種子の発芽/溶解度/燃焼
- 2018: てこ/電気回路/水溶液の判別/燃焼/地層/動物の誕生/植物
- 2017: 植物/人体/気体/溶解度/気象/てこ/電気回路
- 2015: こん虫/人体/地層/水溶液の判別/気体/てこ/電気回路
- 2014: 人体/生態系/気象/水溶液の判別/熱と状態変化/てこ/電気回路
- 2013: 実験器具/水溶液の判別/気象/水溶液の判別/燃焼/電流/てこ
- 2012: こん虫/植物/溶解度/水溶液の判別/実験器具/てこ/電気回路
- 2011: こん虫/人体/地層/水溶液の判別/燃焼/電気回路/てこ
- 2010・2016: 転写で大問が細かく割れており(11 大問)、てこ・電流・月・星・地層・気象などを含む
頻出単元と周期
- 物理: てこ・つり合いは単元記録で 17/17、電気回路・電流は 15/17(2010・2019 を除く)。精読した 4 年ではこの 2 題が毎年セットで、2023・2024・2026 は最後の 2 大問、2025 は最初の 2 大問にあります。光は 2010・2019、熱と状態変化は 2014・2016・2026 です。
- 化学: 水溶液の判別(単元記録で 9 年、精読した 2026 を含めれば 10 年・2024・2026)、溶解度(8 年・2023・2025)、金属と水溶液(2019・2023・2026 の小問)、燃焼(6 年・2021 が最後)、気体(2015・2017・2023 の小問)。判別と溶解度がほぼ交互です。
- 生物: 生態系のデータ読み(2014・2021・2024・2025・2026)、こん虫(2011・2012・2015・2019・2020・2025)、人体(2010・2011・2014・2015・2017・2021・2024)、種子・植物(2012・2016・2017・2018・2019・2020・2022・2023)、動物の誕生(2016・2018・2026)。
- 地学: 会話文で複数単元を束ねる大問(2023 月と星座と電波、2024 川と台風と火山と星座、2025 台風と断層と星、2026 流水と地層と天気と星座早見)。単独の大問としては 月(2010・2016・2022・2023)、太陽(2019・2020)、気象(2010・2013・2014・2016・2017)、地層(2010・2011・2015・2016・2018)です。
- 毎年出るもの(精読した 4 年): 【実験】【操作】の番号つき手順、会話文の大問、「すべて選びなさい」「適切ではないものを 2 つ」、数値の穴埋め、器具の扱い(2023 注射器・2024 リトマス紙・2026 こまごめピペット)。
同じ問題の使い回しについては、精読した 4 年の範囲では、数値だけ変えた同一問題は見つかりませんでした。てこは 4 年とも装置が違います。
問い方の特徴
- 各大問は「実験・観察・記事の導入文+2〜7 問」です。導入が長く(2024 大問 1 は実験 7 つ、2025 大問 5 はシカの文章とグラフ 5 枚)、設問は導入の表・グラフから読める事実の判定が中心で、知識だけで答える小問は少なめです。
- 選択は「最も適切なもの 1 つ」より「2 つ選びなさい」「すべて選びなさい」「正しくないものをすべて」が多く、消去法の精度がそのまま点になります。
- てこは「文中の( ① )〜( ④ )に入る適当な数」(2023・2025)や「【実験 2】の( X )に入る数」(2026)と、文章の穴埋め形式です。回路は「つき方を ◎○△× で」「何通りありますか」「なしなら『なし』」の形です。
- 記述は年 0〜1 問で「方法を答える」「15 字以内で理由の核を埋める」「語の意味を簡単に」と短いものです。
8-3. 社会(40 分・3 大問・19〜20 問・記号選択が主軸)
年度×大問の題材表(精読した年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2026 | 地理|太平洋ベルトと北前船(工業統計表・日本海側の府県名・北海道・水産物・九州四国南部・交通機関) | 歴史|衣服の歴史の自由研究メモ A〜E(語句・タイトルを 5〜10 字・メモの位置・中国との関係・律令・明治初期・戦時中の女性) | 公民|総務省の ICT リテラシー調査(2025 年参院選・当確の調査方法・基本的人権・マスメディア・アテンション・エコノミー 30〜40 字・SNS 規制反対の根拠) |
| 2025 | 公民・地理|水俣病(不知火海の位置・プラスチック・大臣・公害・裁判・水俣病の年代) | 地理・公民|PFAS(県名・「令和の水俣病」の共通点 20 字・アメリカ・日本の川・報道されなかった理由・立川市の地形図・石油) | 歴史|東京の歴史(博物館のメモ・語句・海岸線の変化・古墳・期間のできごと・関東大震災後の人口変化 25 字×2・地図と時代) |
| 2024 | 地理・防災|関東大震災 100 年(日付・関東 7 県の統計表・朝鮮と中国・鎌倉・三陸・南海トラフ) | 歴史・環境|神宮外苑再開発(庭園・人工林・大正のできごと・木材利用・東京と大阪の分類並べ替え・煤煙の背景・反対の根拠 30 字) | 公民|統一地方選と「17 歳の帝国」(裁判・地方政治・AI と雇用・個人情報・国際機関・憲法の誤り指摘) |
| 2023 | 地理・歴史|ダークツーリズム(長島愛生園・夢の島・第五福竜丸・大久野島の分類・ごみ処理・漁業・毒ガス・工業地域・足尾銅山の代償 25 字) | 公民|映画『ニューヨーク公共図書館』(アメリカ・ユニバーサルデザイン・憲法の語・防災・指定管理者制度・民主主義の課題) | 歴史・地理|地球温暖化と気候の歴史(グラフ読み・縄文弥生・農業技術の順序・人口推移・時代のできごと・産業革命・記述) |
| 2019 | 3 大問 19 問(先に読んだ記録・題材は未記録) |
2010〜2022 の単元記録(単元名のみ・設問文は未確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 工業 | 文化史 | 人権・多様性 |
| 2021 | 交通・通信 | (転写欠け) | 地方自治 |
| 2020 | 近代の戦争 | 世界地理 | 情報・メディア |
| 2019 | 日本の地形 | 人口・都市 | 国際社会 |
| 2018 | 水産業 | 江戸時代 | 国際社会 |
| 2017 | 環境問題 | 環境問題 | 近代の戦争 |
| 2016 | 農業 | 飛鳥・奈良 | 国際社会 |
| 2015 | 都道府県 | 史料 | 人口・都市 |
| 2014 | 戦後・現代 | 工業 | 国際社会 |
| 2013 | 選挙制度 | 原始・古代 | 都道府県 |
| 2012 | 都道府県 | 日本国憲法 | 財政・税 |
| 2011 | 都道府県 | 飛鳥・奈良 | 経済・労働 |
| 2010 | 工業 | 近代の戦争 | 三権分立 |
大問の並びは「地理→歴史→公民」に固定されません。単元記録でも 3 大問は 17 年不変です。
頻出テーマと周期
- 問い方の固定(本校最大の特徴): 「〜についてのべた文として正しくないもの(正しいもの)を、つぎのアからオまでのなかから二つ選び、その記号を書きなさい」が 2023 年 7 問・2024 年 11 問・2025 年 10 問・2026 年 11 問。テーマ語は 水産物・北海道・九州四国南部・交通機関・律令・戦時中の女性・基本的人権・マスメディア・SNS 規制(2026)、プラスチック・大臣・公害・裁判・水俣病・アメリカ・日本の川・石油・古墳(2025)、朝鮮と中国・鎌倉・南海トラフ・庭園・人工林・木材利用・煤煙・裁判・個人情報・憲法(2024)、ごみ処理・毒ガス・工業地域・ユニバーサルデザイン・防災・指定管理者・民主主義・縄文弥生(2023)です。
- 前年の出来事が入口になる: 2026 大問 3「2025 年に行われた参議院議員選挙」、2025 大問 2 の PFAS、2024 大問 1「2023 年は関東大震災から 100 年」、2024 大問 3「2023 年 4 月の統一地方選挙」。時事そのものより、そこから制度・地理・歴史へ広げた正誤文が問われます。
- 統計表・図の読み: 工業出荷額上位県の表(2026)、日本海側 12 府県の面積・人口・積雪・水稲の表(2026)、関東 7 県の統計(2024)、海岸線の変化図(2025)、東京市の人口グラフ(2025)、2 万 5 千分の 1 地形図(2025)。
- 歴史は「時期の特定」: 明治初期の出来事をすべて選ぶ(2026)、大正の出来事(2024)、北条氏〜家康・35 区〜都成立・憲法施行後の期間ごとに分ける(2025)、東京と大阪に分類して時代順(2024)、農業技術の普及順(2023)。
- 公民は裁判・選挙・人権・メディア: 裁判(2024・2025)、選挙・当選確実の調査(2026)、基本的人権(2026)、個人情報(2024)、マスメディア・SNS(2026)、指定管理者制度(2023)、地方政治(2024)。
問い方の特徴
- 各大問は「1,000〜1,500 字級の導入文+『あとの 1 から 7 までの各問いに答えなさい』+空欄語句 1 問+正誤 4〜6 問+記述 0〜1 問」という作りです。
- 正誤 5 文のうち 2 文を選ぶ完答型なので、「1 つ確実に落として残り 4 つから 1 つ」の消去法になります。「すべて選び」(年 2〜3 問)と「三つ選び」(2023)も混じり、選ぶ数を読み落とすと 0 点です。
- 記述は「〜とは何か(25 字程度)」「共通点(20 字程度)」「根拠(30 字程度)」「問題(30 字以上 40 字以内)」と、導入文の核心を要約する形です。「自由研究のタイトルを 5 字以上 10 字以内で」(2026)のような見出し作りもあります。
8-4. 国語(40 分・3 大問前後・10〜14 問・記述 6〜8 割)
年度×大問の題材表(精読した年)
| 年度 | 大問一 | 大問二 | 大問三 | 大問四 | 設問計(うち記述) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 説明文(原ひろ子・ヘヤー・インディアンの子どもと折鶴)4 問 | 物語文(津波のあとの高台の家・おばあさんと旅人と死んだ人)6 問 | 漢字一行書写(俳句「ナの花やツキはヒガシにヒはニシに」) | — | 11(8) |
| 2025 | 説明文(「ハングリー精神」と「ぬるま湯」・自由)7 問(漢字 4 語含む) | 随筆(書道の先生と「ぼく」・甲賀さんとパソコン)5 問 | 詩(東田直樹「小さな嘘」)2 問 | — | 14(11) |
| 2024 | 説明文(カブトムシの角の進化・武器のコスト)5 問(慣用句の一行書写含む) | 会話体の文章(「きみ」と「ぼく(おじさん)」・詩「うしろで何か」・じゃがいも)5 問 | — | — | 10(6) |
| 2023 | 説明文(学びと遊び・発達心理学)4 問 | 随筆(ダウン症の弟とガラスのコップ)4 問 | 漢字一行書写(「サキかんずればヒトをセイす」) | 詩(木坂涼「花時計」)2 問 | 11(9) |
| 2019 | 説明文 6 問 | 漢字一行書写 1 問 | 詩と文章 6 問 | — | 13 |
2019 は先に読んだ記録によります。単元記録では 2009〜2022 も 3〜4 大問・10〜16 問で、記述の設問が大半、漢字の大問が 18 年中 12 年にあります。
頻出と周期
| ジャンル | 出現(精読した 4 年) | 備考 |
|---|---|---|
| 説明文・論説 | 4/4 | 学び・自由・進化と、考え方を問う文章。設問は「なぜ」「どういうこと」 |
| 物語・随筆 | 4/4 | 家族・先生・老人と旅人。心情説明も「どういうことですか」「なぜですか」の形 |
| 詩 | 3/4 | 2023 木坂涼・2025 東田直樹(独立大問)、2024 は会話文の中の詩を踏まえて答える |
| 漢字一行書写 | 3/4 | ことわざ(2023)・慣用句(2024)・俳句(2026)。2025 は本文中の 4 語 |
| 古文・漢文・文法 | 0/4 | なし |
問い方の特徴
- 記述は「〜とありますが、それはなぜですか」(2023 年 3・2024 年 6・2025 年 2・2026 年 6)と「〜とはどういうことですか」「どのような〜か」(2023 年 7・2024 年 2・2025 年 5・2026 年 2)の 2 種類で、字数指定はありません。
- 選択は「ここでの意味に最も近いもの」(語義)、「A に入る最も適切な文」(空欄)、「発言した人物をア・イから」(2024)の 1〜3 問です。2024 は「理由として正しいものをすべて選び」が 1 問あります。
- 詩は「どのような話ですか」「詩の題名をふまえると、どのような意味を持つと考えられますか。『それ』が指す内容もふくめて」(2025)、「言い方から、どのようなことが読み取れますか」(2023)と問われます。
- 2024 大問二は「きみ」と「ぼく」の会話体で、詩「うしろで何か」を踏まえて心情を書かせます。「作者の気もちが、わかってない」という国語テストそのものを題材にした文章です。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 記録されている出現年とメモ |
|---|---|---|---|
| 算数 | つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める計算・受験用教材の単元)・食塩水・仕事算などの文章題 | 2022(水量は 2024) | 単元記録では つるかめ算 2012・2015・2020、食塩水 2014、仕事算 2022、水量 2011・2018・2024。2020 年代は「ルール読解」に寄っており、典型文章題は 4〜5 年空きが続く。出れば取りやすいので、解法だけは維持する |
| 算数 | 円とおうぎ形の求積 | 2021 | 単元記録では 2021 の 1 回。2025 大問 4 の転がる正三角形で弧の長さを求めているが、円の面積そのものは久しく出ていない |
| 理科 | 溶解度 | 2025 | 2023・2025 と隔年で出て、2024・2026 は水溶液の判別。次は溶解度が戻る候補 |
| 理科 | 燃焼 | 2021 | 単元記録では 2010・2011・2013・2018・2020・2021 のあと 5 年なし |
| 理科 | 地層・岩石(大問として) | 2018 | 単元記録では 2010・2011・2015・2016・2018 に大問。2026 大問 5 に小問 1 つ(地層ができた場所)だけで、大問としては 8 年空き |
| 理科 | 月 | 2023 | 2023 大問 2(朝 6 時の月と校舎の向き)のあと 3 年なし |
| 理科 | 光 | 2019 | 単元記録では 2010・2019 |
| 社会 | 地形図の読図 | 2025 | 2025 大問 2 問 6(立川・国立・府中の 2 万 5 千分の 1)。単元記録では地形図の大問は少なく、出ると 1 問だけだが正誤 5 文で問われる |
| 社会 | 財政・税 | 2012 | 単元記録による |
| 社会 | 世界地理の大問 | 2020 | 単元記録による |
| 社会 | 史料そのものの大問 | 2015 | 単元記録による |
| 国語 | 詩の独立大問 | 2025 | 2023・2025 に独立大問、2024 は会話文の中で詩を読ませた。2026 は詩なし。隔年で戻る候補 |
| 国語 | 漢字の独立大問 | 2026 | 2025 は独立大問がなく、本文中の 4 語を書かせる形だった |
てこ・つり合いと電気回路は出続けている前提で準備してください。
10. 形式面の注意
- 算数: 記述・作図は精読した 4 年でゼロ、答えのみです。1 大問 3 問(2023・2024 は大問 2 が 4 問、2025 は大問 4 が 4 問)。「考えられるものをすべて答えなさい」(2023 大問 2・2024 大問 2・3)と「もっとも少ないもの・もっとも多いものをそれぞれ」(2024 大問 2・2026 大問 1)が多く、答えが複数個の設問を 1 個で終わらせると失点します。「もっとも簡単な整数の比で」(2023 大問 3)、「高さを 5.2cm として計算」(2025 大問 4)、「BC の長さをおよそ 23cm として計算」(2026 大問 4)のように、近似値が問題文で与えられます。この指定(5.2cm・およそ 23cm)を読み落とすと計算が合いません。40 分で 12〜15 問=1 問 3 分弱で、導入文が長い大問(2025 大問 2〜3 の《規則 1〜3》、2024 大問 4)は読むだけで 2〜3 分かかります。1 大問 10 分の配分で、(3) を捨てても (1)(2) を全大問で拾います。
- 理科: 40 分で 19〜27 問。記号選択が 11〜19 問、短答(数値・語句)が 6〜8 問、記述は 0〜1 問(2023「金属板をいためずにアルミニウム板を選ぶ方法」、2025「シカは [ X ] と考えられる」15 字以内、2026「SDGs の S の意味を簡単に」)。短答にも「10 字以内」「8 字以内」「3 文字以内」の指定があります(2024 大問 1・2025 大問 3・2026 大問 5)。「すべて選びなさい」「適切ではないものを 2 つ」「正しくないものをすべて」の完答型が毎年数問。数値の穴埋め「( ① )に入る適当な数」はてこの大問に集中します。「小数第一位まで」「整数で」の桁指定もあります(2023 大問 5・2025 大問 3)。作図は精読した 4 年でありません。2026 は 26 問で 1 問 1.5 分なので、導入文を読み切ってから設問に入る癖が要ります。図つきの小問が 4〜8 割(2023 は 19 問中 13、2025 は 22 問中 17)で、回路図・板のマス目・グラフは設問文からの推定を含みます。桁指定・字数指定を読み落とすと失点します。
- 社会: 40 分で 19〜20 問。記号選択が 14〜16 問。記述は毎年 1〜2 問で必ず字数指定つき(20 字程度・25 字程度・30 字程度・30 字以上 40 字以内・5 字以上 10 字以内)です。語句の短答は「本文の空欄に語句・府県名」で年 2〜4 問(「漢字で」「ひらがなでもよい」「略した名称でもよい」の指示があります)。「二つ選び」「三つ選び」(2023 大問 1 問 6)「すべて選び」の完答型が中心で、1 つ選ぶ問題は年 1〜4 問しかありません。並べ替え・分類(2023 大問 3 問 3、2024 大問 2 問 5、2025 大問 3 問 4)も混じります。図表つきの設問は年 1〜6 問(統計表・地形図・海岸線図・人口グラフ)。導入文が 3 本で計 3,000〜4,500 字あり、読む時間が先に消えるので、設問だけ先に見て導入文に戻る手順が現実的です。記述の字数指定は「程度」と「以上以内」が混在し、「程度」は前後 2〜3 字までです。
- 国語: 40 分で 10〜14 問、うち記述 6〜11 問。記述に字数指定はありません(精読した 4 年で 0)。選択は語義(2025「気のおけない」・2026「ものにした」「はっと息を呑む」)・空欄に入る文(2023・2025)・発言者の判別(2024)の 1〜3 問。漢字は「文字の形、大きさや配置を整えて一行で書きなさい」の書写形式が 2023・2024・2026 で、2025 は本文中の 4 語について「ていねいに大きく書きなさい」とあります。丁寧さそのものが採点対象と見える書き方です。本文は説明文と物語(随筆)の 2 題+詩または書写。1 問 3〜4 分で書き切る速さが要り、字数指定なし=解答欄の大きさが分量の指示なので、市販の過去問で実寸の解答欄を確認してください。
- 過去問で準備できるのは第 2 次選考(学力検査)の部分だけです。第 1 次選考の抽選は過去問の対象外です(→ 13 節)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段階 | この学校に向けてやること | この学校ならではの点 |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本。この学校で最終的に効く「入口」は、①場合の数の数え上げ(樹形図・表)、②速さの基本(道のり・時間・速さの関係を図で)、③理由を 2 文で言う習慣(「〜だから」)、④漢字を大きくていねいに書くこと。 | 算数に計算だけの大問がないので、計算は「速く」より「間違えない」で十分。国語の記述が多いので、読書のあとに「なぜ」を口で説明する習慣がそのまま効く。 |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える時期。算数は 8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使う(数の性質・規則性・場合の数・速さ・平面図形の面積比・図形の移動・立体と水量)。理科はてこ(棒の重さ込み)・電気回路(直列並列・スイッチ)・水溶液の判別・溶解度・月と星・流水を一通り。社会は 47 都道府県と産業統計、通史、憲法・三権・選挙・地方自治を「正誤文を読める」水準に。国語は説明文・物語文で「理由」「内容」の記述を週 2〜3 問。 | この学校はここが本体。算数は毎年新作なので、単元の抜けがそのまま失点になる。社会は正誤 5 文を読める知識の幅が要る。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降に過去問を、社会は「大問ごとに年をまたいで」、算数は「年度通しで 40 分を計って」、国語は「1 題ずつ答案を書いて直す」、理科は「てこ・回路だけ縦に、残りは通し」で使い分ける。 | 社会・国語は過去問 17〜18 年分がすべて教材になる。算数は直近 4 年を時間を計って解き、古い年度は「ルール読解の練習台」として使う。 |
小 5 の 1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分には国語の記述(週 2〜3 問)と社会の正誤文の読みを割り付け、週末 60 分は算数の単元一巡と理科のてこ・電気回路にあてます。単元の順番は、算数なら数の性質→規則性→場合の数→速さ→平面図形の面積比→図形の移動→立体と水量、理科ならてこ→電気回路→水溶液の判別→溶解度→月と星→流水の順です。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくかというと、小 5 での全分野の一巡と、小 6 の「書く・選ぶ」訓練の両方です。算数は毎年作り直されるので、小 5 で単元の抜けを作らないことが先決です。一方、社会の「二つ選ぶ正誤」と国語の「字数指定なし記述」は小 6 の反復量がそのまま得点の安定につながります。小 4 の段階では、計算の量より「なぜ」を言葉にする習慣と、数え上げを表にする癖のほうが後で効きます。
12. この学校と併願するなら
観点は過去問演習が二重に効くかだけです。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏は扱いません(男女表記は元の一覧のままです)。近さの数字は「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回し」の距離と単元分布の類似を合わせたもので、100 に近いほど出題構造が近いという意味です。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 開成中学校(東京都・男子校): 算数・国語が最も近く、理科も近めです。社会は遠く、「二つ選ぶ正誤」の演習は転用しにくいところです。
- 駒場東邦中学校(東京都・男子校): 算数と理科が近く、国語は中程度、社会は遠いです。
- 麻布中学校(東京都・男子校): 国語が近く、算数も近めです。理科・社会は遠いところです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ にあります。
読み方: 算数は「初見のルールを読んで数える」問題の演習が、開成・駒場東邦・武蔵・渋谷教育学園幕張の算数と重ねやすいところです。国語の字数指定なし記述は開成・麻布・武蔵と重ねやすいものです。社会の「二つ選ぶ正誤」に近い学校は上位 8 校の中でも 63 が最高で、この科目は転用先が少ないと考えたほうがよいでしょう。
13. 資料の限界
- 入試回は第 2 次選考(学力検査)の 1 種類で、他の回はもともと存在しません。第 1 次選考(抽選)は過去問の対象外です。
- 設問文まで読み直したのは各科目 2023〜2026 の 4 年分です(2019 年分は先に読んだ記録)。2010〜2022 については 17 年分の単元記録(大問ごとの単元名)だけを使い、題材や問い方は書いていません。「毎年」「〜年連続」は精読した年で確認した範囲に限り、単元記録に基づく数字は「単元記録では」と断りました。
- 転写の読み落としの可能性: 図・回路図・グラフは文字情報に置き換えているため、図形問題や実験装置の細部は設問文からの推定を含みます。算数 2011・2012・2015・2016・2020・2023・2024、理科 2010・2011・2016・2021・2022・2023、社会 2013・2021、国語 2026 の冊子は転写の確度が低めと記録されています。理科の 2010・2016 は転写で大問が細かく割れており、大問数の比較から外しました。社会 2021 は大問 2 が欠けています。
- 「同じ問題の使い回し」は、精読した 4 年の設問文どうしを見比べた範囲で書きました。それ以前の年との重複はこの分析では確認していません。
- 試験時間・配点は 2026 年度の募集要項で確認したもので、過去の年度で同じだったかは資料からは分かりません。設問ごとの配点はどの科目も冊子に印刷されていません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所(開校年の仕込み・題材の傾向)は設問文からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
資料の中で食い違っているところ
- 社会の小問数が、4 節の表では「3 大問・18〜23 問」、5 節・8 節では「19〜20 問」となっています。18〜23 問は 17 年分の転写全体から数えた幅(大問 2 の転写が欠けている 2021 年度を含みます)、19〜20 問は設問文まで精読した 2023〜2026 の 4 年で数えた値です。どちらの数字も原本の記録どおりに残しました。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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