日本大学藤沢中学校 の過去問分析
日本大学藤沢中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
日本大学藤沢中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回・算数 13 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県藤沢市 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日(2 科・4 科の選択)/第 2 回 2 月 2 日(2 科・国語と算数のみ)/第 3 回 2 月 4 日(2 科・4 科の選択) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分 100 点/算数 50 分 100 点/理科 30 分 60 点/社会 30 分 60 点。4 科なら 320 点満点です。第 2 回は国語と算数の 2 科のみです |
| 募集人数 | 第 1 回 男子 20 名・女子 20 名/第 2 回 男子 10 名・女子 10 名/第 3 回 男子 10 名・女子 10 名 |
| 面接 | 3 回とも面接はありません |
上の表は 2025 年度入試の要項による内容です(最新の要項の確認については 13 節に書きました)。このページで扱うのは、このうち第 1 回の問題です。
この学校は同じ名前を共有する学校が多いので、教材や過去問集を選ぶときは校名を最後まで確認してください。この分析は神奈川県藤沢市の日本大学藤沢中学校の資料だけを使っており、日本大学第一・第二・第三、日本大学豊山、日本大学豊山女子、日本大学中学校、千葉日本大学第一、目黒日本大学、土浦日本大学、佐野日本大学、および藤嶺学園藤沢・慶應義塾湘南藤沢とは別の学校です。読んだ範囲で他校の問題が混ざっている形跡は見つかりませんでした。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)、一行題(数行で終わる短い文章題)、逆算(□にあてはまる数を求める計算)、短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校の入試は、4 科目すべてで「大問の数」「小問の数」「どの大問で何の分野を測るか」がほとんど動きません。動くのは中身だけです。
- 社会は大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民という並びが資料のある 14 年すべてで変わらず、理科は大問 1 が生物・大問 2 が地学・大問 3 が物理・大問 4 が化学という並びが 6 年続いています。国語は大問 1 の中の設問の並びまで 3 年同じでした。
- 一方で時間は厳しく、算数は 50 分で 20 問、理科は 30 分で 27〜29 問、社会は 30 分で 40 問、国語は 50 分で 40 問前後です。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 5 問を毎日解きます。13 年間同じ場所にある枠で、(2)(4) は逆算という並びまでそろっています。
- 社会を 30 分 40 問の通しで走り切る演習を、他科目より多く回します。1 問 45 秒に記述 4 問が乗る設計です。
- 理科は生物・地学・物理・化学の 4 分野に空白を作りません。1 分野が空白だと 60 点満点のうち 12〜15 点前後が固定で落ちます。
今週やる 1 つ
- 2025 年度の社会を 30 分で通しで解き、記述 4 問に何分残せたかを測ります。
注意
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2018 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの単元と問題数を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 10 年(2010・2014〜2022) | 13 年(2010・2014〜2025) | 高い。大問構成・小問数・題材とも読み取りに支障はありません |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010・2013〜2022) | 14 年(2010・2013〜2025) | 高い。ただし 2023 年度の大問 4 は転写上の小問番号が (1)(2)(3)(1)(2) と途中で振り直されており、後半 2 問は本来 (4)(5) にあたると考えられます。内容の読み取りには支障がありません |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010・2013〜2022) | 14 年(2010・2013〜2025) | 高い。ただし地図・グラフ・写真・絵巻物などの資料そのものは転写できないため、資料の細部は設問文と説明文からの推定を含みます |
| 国語 | 3 年(2016・2017・2018) | 3 年(2010・2014・2015) | 6 年(2010・2014〜2018) | 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2018 年度までの話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回: 2015 年度の国語の解答冊子の表題に「日本大学藤沢中学校 第一回(国語)」とあり、この資料が第 1 回の問題であることが確認できました。資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、他の年度の冊子には回の表記が読み取れませんが、時間と配点の構成が一貫していることから同じ回のものと考えられます。第 2 回(2 科)・第 3 回の問題はこの資料には含まれません。
- 試験時間と配点は 2025 年度の募集要項によるものです(1 節の表)。過去の年度の時間・配点がこれと同じだったかは確認していません。
- 設問ごとの配点は、どの科目・どの年度の冊子にも印刷されていません。
- 「◯年連続」と書いた箇所は、その年度の資料を実際に確認したものです。確認できなかったことは書いていないか、「読めた年に限れば」と弱めてあります。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、4 科目すべてで「大問の数」「小問の数」「どの大問で何の分野を測るか」がほとんど動きません。動くのは中身だけです。
まず枠の話から。
- 算数は大問 6・小問 20。大問 6 という数は資料のある 13 年(2010・2014〜2025)すべて、小問 20 は 2016〜2025 年度の 10 年連続で変わりません。
- 理科は大問 5・小問 27〜29。大問 5 という数は資料のある 14 年すべてで変わりません。
- 社会は大問 4・小問 40(1 大問につき 10 問ちょうど)。この形は 14 年でほぼ動いていません。
- 国語は大問 3。資料のある 6 年(2010・2014〜2018)すべてです。
次に座席(問題の置き場所)の話です。ここがこの学校のいちばんの特徴になります。
- 社会は大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民。この並びは資料のある 14 年(2010〜2025)すべてで変わりません。大問 4 だけが 3 分野を横断する総合枠になっています。
- 理科は大問 1 が生物、大問 2 が地学、大問 3 が物理、大問 4 が化学。大問 2 と大問 3 は 2019〜2025 年度の 7 年連続、大問 1 と大問 4 は 2020〜2025 年度の 6 年連続です。大問 5 だけが分野を決めない総合枠になっています。
- 算数は大問 1 が計算、大問 2 が一行題 5 問。大問 1 に計算が来るのは資料のある 13 年すべて、大問 2 が一行題 5 問なのは 2014〜2025 年度の 12 年連続です。20 問中 10 問がこの前半 2 大問で占められます。
- 国語は大問 1 が知識、大問 2 が説明的文章、大問 3 が文学的文章。しかも大問 1 の中の並び(漢字 → 部首と総画数 → 四字熟語 → 熟語の構成 → 文法・語彙)まで、精読した 3 年(2016〜2018)で同じでした。
- 社会は解答形式の内訳まで固定に近いところがあります。精読した 3 年(2023・2024・2025)はいずれも記号選択 20 問・短答 16 問・記述 4 問で、1 問も違いませんでした。
一方で、中身は毎年作り直されています。理科の地学の枠は太陽 → 流水と地層 → 地震と 3 年で 3 単元を回り、物理の枠は音 → 電流 → 光と一度も重なりません。社会の地理の枠は近畿 → 都道府県の統計表 → 東北・北海道。算数の後半 4 題も毎年別の単元で組まれています。読んだ 3 年で、前年と同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目とも見つかりませんでした。
ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。
したがって過去問の使い方は、「出る問題を覚える」ではなく次の 2 本立てになります。
- 座席(問題の置き場所)を手がかりに準備の枠を決めること。理科は 4 分野を必ず 1 題ずつ、社会は地理・歴史・公民を必ず 1 題ずつ測られます。どこかを捨てると配点の 4 分の 1 や 3 分の 1 が固定で落ちます。算数は大問 1 の計算 5 問と大問 2 の一行題 5 問で満点の半分の問題数があります。国語は大問 1 の知識問題が毎年同じ並びで出ます。この学校では「何を準備すべきか」が過去問からきわめてはっきり読み取れます。
- 時間の使い方を身につけること。算数は 50 分で 20 問、理科は 30 分で 27〜29 問、社会は 30 分で 40 問、国語は 50 分で 40 問前後です。とくに社会は 1 問 45 秒に記述 4 問が乗る設計で、4 科目の中でいちばん時間が厳しくなります。年度通しの時間計測を多めに回す必要があります。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 地元が題材に入ります。 2024 年の社会の大問 4 は「藤沢くん」と先生の会話で夏の行き先を決める形で、江の島(藤沢市)が上空から写った図が出ます。2025 年の社会の大問 3 は「本校は小田急江ノ島線の六会日大前駅が最寄り駅です」という書き出しで小田急グループの取り組みを問い、大問 4 の最後は藤沢市の友好都市(中華人民共和国の都市)を答えさせます。2023 年の理科の大問 5 は「あきらの家族はつい最近、湘南に引っ越してきました」から始まり、海風と陸風を扱います。2017 年の国語の漢字にも「湘南の潮風が心地よい」という例文があります。受験生が通うことになる土地を、複数の科目で題材にしています。
- 理科は生活の出来事から原理へ運びます。けがの出血の色から血液と酸素へ(2025)、ニワトリのたまごの自由研究から密度と熱へ(2025)、水性サインペンのインクの分離から色素へ(2024)、山火事の跡地から森林の移り変わりへ(2024)、モノコードから振動数へ(2023)。教科書の外にある場面を、教科書の中の原理で説明させる作りが 3 年とも共通しています。
- 社会は前年の出来事と「◯◯から 100 年」を入口にします。2023 は関東大震災から 100 年と 2022 年 7 月の参議院選挙、2024 は G7 広島サミットと大阪府知事選挙と SDGs、2025 はパリ五輪と普通選挙法から 100 年。精読した 3 年すべてで、大問の入口が前年の出来事か記念の年になっていました。
- 社会の歴史は図版から入ります。2024 は【図 1】〜【図 10】(埴輪・高松塚壁画・聖徳太子・大和絵・長篠の旗・アイヌの織物・役者絵・鹿鳴館・戊辰戦争の旗・国連旗)、2025 は【図 1】〜【図 7】(高床倉庫・東大寺大仏殿・武芸の絵巻・寺子屋・牛なべ・19 世紀の風刺画・玉音放送)。絵と写真だけで通史を歩かせる形が 2 年連続でした。
- 国語は知識をきちんと問います。部首にあたる部分をぬき出す、総画数が同じ漢字を選ぶ、熟語の組み立てが同じものを選ぶ、文を単語に分けて数を答える、修飾している文節をぬき出す、助詞「に」「らしい」「な」の用法を選ぶ。精読した 3 年(2016〜2018)でこの並びがほぼ動いていません。受験国語の中でも文法と語彙の比重が大きい学校に見えます。
- 算数だけが素っ気ないところです。会話文も登場人物の名前も物語の設定もほとんど無く、計算・一行題・図形・グラフが並ぶだけです。理科と社会が生活と時事で彩られているのと対照的で、科目ごとに求めているものがはっきり分かれているように見えます。
- 2018 年の国語には、初めて来日した外国人観光客に「四月下旬に庭に掲げられているもの」を 40〜50 字の日本語で説明させる作文がありました。知識を相手に伝える形を試した年があります。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に。年度通しで時間を計る演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問。 13 年間同じ場所にある枠で、しかも精読した 3 年は (1)(3) が四則混合、(2)(4) が逆算という並びまで同じでした。小数と分数の相互変換(0.375=3/8、1.25=5/4、0.234 と 2.34 と 23.4 の関係)を使う工夫計算が (1)(3) に必ず入ります。ここは時間をかけた価値がいちばん確実に返ってきます。あわせて部分分数の和を仕上げてください。大問 1 (5) が 2024・2025 の 2 年連続で 1/6+1/12+1/20+… の形でした。分母を 2 つの整数の積に分けて差に直す手順は、覚えていれば 30 秒、知らなければ手が止まります。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会の 30 分 40 問を時間内に走り切り、記述 4 問を「条件処理」として練習する。 1 問 45 秒で、しかも記述 4 問が乗ります。この学校で最初に崩れやすいのが社会の時間配分です。知らない問題で粘らず、記述に時間を残す通し演習を他科目より多く回してください。記述は毎年ちょうど 4 問、地理・歴史・公民・総合に 1 問ずつ散ります。設問文の「〜の語句を使用して」「〜をふまえて」「〜に続くように」を先に丸で囲み、条件 1 つにつき 1 要素を必ず入れる書き方を固めます。字数指定は無いので、解答欄の行数で分量を決めます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科は 4 分野すべてに手を入れる。 生物・地学・物理・化学が大問 1〜4 に 1 題ずつ座る形が 6 年続いています。1 分野が空白だと 60 点満点のうち 12〜15 点前後が固定で落ちます。得意分野を伸ばすより、空白をなくすほうが確実に効きます。(確認: 〜2025 年度)
- 「組み合わせを選ぶ」設問の解き方を固める。この学校の理科でいちばん多い形で、空欄 3〜4 個の組み合わせをア〜オ(ときにア〜ク)から選びます。確実にわかる 1 つの空欄で選択肢を半分に削る手順を身につけてください。
- 物理の計算は「表とグラフから読む」形で。電熱線の発熱量(2024)、弦の振動数(2023)、P 波と S 波の速さ(2025)。いずれも与えられた表かグラフから比例関係を読み取って計算し、桁指定の四捨五入が必ず付きます。
- 地学は 3 分野を回して備える。直近 3 年は太陽 → 流水と地層 → 地震。星・星座が 7 年、月が 5 年空いているので、天体の基本(南中・日の出の位置・季節による変化・月の満ち欠け)は落とせません。
- 化学は「量の関係」を中心に。金属と塩酸の反応で発生する気体の量(2024)、水溶液の判別(2025)、中和(2023・2025)。「途中でグラフが折れる」形を、折れる点の意味から説明できるようにします。
- 長い文章を読んで答える練習。大問 5 は会話文・実験レポート・自由研究ノートで、本文が長くなります。30 分の試験でここに時間を取られると全体が崩れるので、先に設問を見てから本文に戻る読み方を通し演習で固めます。
- [週末 60 分] 算数・一行題 5 問(大問 2)のプールを一巡し、後半 4 題の常連をつぶす。 精読した資料の 12 年で繰り返し使われているのは、割合と比・和差算と分配算・つるかめ算(個数を合計から逆に求める計算・受験用教材の単元)・食塩水の濃度・数の性質(公約数公倍数)・売買損益・平均算・年齢算・仕事算・速さ・場合の数・円とおうぎ形の面積です。(5) は 3 年とも図形でした(2023 は正方形と半円、2024 は正方形 3 枚の重なり、2025 は円 4 つと大円)。(確認: 〜2025 年度)
- 速さとグラフを最優先の大問対策に。7 年連続(2019〜2025)で後半に 1 題あります。形は 2 通りで、①人の移動をグラフで表す(2023 の花子さんと父)、②点が図形の辺上を動いて面積が変わる(2024・2025)。②はグラフの折れ目が図形の頂点に対応することを読む練習が必要です。
- 規則性・数列を大問 3・4 の枠として練習。4 年連続(2022〜2025)です。「◯番目は何か」「◯個目までに条件を満たすものは何個か」「逆にたどる」の 3 問構成が 2025 の形でした。
- 立体の切断。2021・2023・2024 と 3 回。切り口の形を選ばせる選択肢問題(この学校で数少ない記号選択)と、切られる小立方体の個数を数える問題が対になります。
- 時間配分の練習。50 分で 20 問。前半 10 問(計算+一行題)を 15 分で抜けて、後半 4 題に 35 分を残す配分が現実的です。前半で詰まると後半 4 題が丸ごと落ちる構造になっています。
- [毎日 10 分] 国語・大問 1 の知識枠を「並び順ごと」仕上げる。 漢字の読み書き 8〜10 問 → 部首と総画数 → 四字熟語 → 熟語の構成 → 助詞・助動詞の用法、という並びが精読した 3 年で共通しています。部首と総画数、熟語の構成(同じ組み立ての熟語を選ぶ)は塾のテキストで軽く扱われがちですが、この学校では精読した 3 年すべてに出ています。(確認: 〜2018 年度)
- 漢字は読みと書きを混ぜて 8〜10 問セットで。読みだけ・書きだけの練習ではこの形に合いません。送り仮名込みの語(いちじるしい・シタガウ)が必ず入ります。
- 助詞・助動詞の意味と用法。「に」「らしい」「な」と 3 年連続で出ています。例文 4 つから同じ用法を選ぶ形なので、文法の学習が直接点になる数少ない学校のひとつです。
- [週 1 回] 国語・抜き出しを字数から探す訓練と、説明的文章の構成を問う設問。 抜き出しは「四字で」「七字で」「十五字以上二十字以内で」と字数が細かいので、字数指定を見た瞬間に本文を機械的に走査する手順を固めます。構成を問う設問は「一文をどこに入れるか」「見出しをつけるなら」「二つ/三つに分けるとどこからか」の 3 種で、段落ごとに「何を言っている段落か」を一言でメモしながら読む習慣がそのまま効きます。記述は 30〜50 字で、字数指定が必ず付き、指定語がつく年もあります。長く書く練習より、指定字数に収める練習を。文学的文章は、精読した範囲では島の中学 3 年生(2017)、飼育委員の中学生(2018)、フィットネスクラブに通う老年の女性(2016)と、身近な人間関係を描いた作品が選ばれています。(確認: 〜2018 年度)
- [週 1 回] 社会の地理と歴史を資料から攻める。 地理は「地図と統計表を往復する」形で、地方別の白地図(半島・湾・湖・川・山地)と、都道府県別の面積・人口・農産物・工業出荷額の統計表を組み合わせます。2023 は近畿、2025 は東北・北海道と、地方をひとつ選んで地図から攻める年が多くなっています。(確認: 〜2025 年度)
- 地形図の読図。2023・2025 と隔年で出ています。等高線・地図記号に加えて「この写真はどの方向から撮ったか」を答える形(写真の撮影方向・航空写真との照合)に慣れておきます。
- 歴史は図版から入る練習。2024・2025 の 2 年連続で、大問 2 は絵・写真・工芸品の図版を並べる形です。埴輪・高松塚壁画・大和絵・役者絵・鹿鳴館・風刺画・玉音放送のような、教科書に載っている代表的な図版を「これは何時代か」で言えるようにしておきます。
- 時代の並べ替え。2023・2025 と出ています。年号の丸暗記ではなく、出来事どうしの前後関係で覚えます。
- 地元の地理を押さえる。藤沢市・江の島・相模湾・箱根・富士山・小田急江ノ島線が、2024・2025 に実際に出ています。神奈川県の地図は白地図で書けるようにしておくと素直に効きます。
- [毎日 10 分] 前年 1 年ぶんのニュースを制度・地理・原理に振り分け、表記の指定を守る癖をつける。 社会は 3 年とも前年の出来事が大問の入口でした(2022 年参議院選挙 → 2023、G7 広島 → 2024、パリ五輪 → 2025)。選挙があれば選挙制度(ドント式・定数・特別国会)、国際大会があれば開催国の地理と時差、記念の年があればその出来事の歴史へ翻訳します。理科も身近な出来事から原理へ運ぶ作りが続いています。表記は、社会の「漢字 2 字」「カタカナ 4 字」「アルファベット 4 字」、理科の「漢字 2 字」「必要ならば小数第 1 位を四捨五入し整数で」を守れないと、答えが分かっていても落ちます。理科の語句は「南中」「海風」「初期微動」など漢字 2〜3 字の指定が毎年あるので、ひらがなで書かないよう漢字で書けるようにします。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 大問 6・小問 20。大問 1 は 13 年ずっと計算、大問 2 は 12 年ずっと一行題 5 問。記述・作図はゼロ、記号選択も年 0〜1 問 | 前半 10 問は固定枠、後半 4 題は毎年入れ替え。速さとグラフが 7 年連続、規則性が 4 年連続で後半に入る | 大問 1 の計算 5 問((2)(4) は逆算)/一行題プールの一巡/速さとグラフ |
| 理科 | 大問 5・小問 27〜29。生物→地学→物理→化学の座席が 6〜7 年。記号選択が 56〜61%、記述は年 0〜1 問 | 分野は固定、単元は毎年入れ替え。大問 5 は会話文・実験レポート・自由研究ノートの総合枠 | 4 分野を捨てないこと/「組み合わせを選ぶ」設問の解き方/表とグラフからの計算 |
| 社会 | 大問 4・小問 40(各大問 10 問)。地理→歴史→公民→総合の座席が 14 年。記号選択 20・短答 16・記述 4 が 3 年とも同数 | 前年の出来事や記念の年が必ず入口。歴史は図版を並べる形が 2 年連続 | 記述 4 問の条件処理/30 分 40 問の通し演習/地形図と統計表 |
| 国語 | 大問 3。知識→説明的文章→文学的文章。大問 1 の設問の並びまで 3 年同じ(2016〜2018) | 記号選択と抜き出しが主軸。記述は 3〜4 問で 20〜50 字 | 大問 1 の知識枠(部首・画数・熟語の構成・文法)/字数を手がかりにした抜き出し |
科目ごとに顔つきが違います。算数は装飾のない処理の試験、理科と社会は生活と時事から入る読ませる試験、国語は知識をきちんと問う試験です。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 20)
原本を精読したのは 2023・2024・2025 年度です。大問の並びは 2010〜2025 年度の 13 年分の資料で確認しました。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 計算 5 問(うち逆算 2) | 一行題 5 問(分母分子に同じ数/サイコロ 3 個の積が 6/赤白青 1000 個/3 種類のいす 576 人/正方形と 2 つの半円) | 円グラフ 2 つ(1・2 年の通学方法) | 数列 1,2,3,4,5,4,3,2,1,…(2023 番目・積の一の位) | 立方体の展開図を組み立てて切り落とす(切り口の形・体積) | 速さとグラフ(花子さんと忘れ物を届ける父) |
| 2024 | 計算 5 問(うち逆算 2) | 一行題 5 問(所持金の比 6:5/たて 1 と 1/6 × よこ 3 と 5/24 の敷き詰め/15% 食塩水をこぼす/8 人 18 日の仕事に 7 人追加/正方形 3 枚の重なり) | 曜日と暦(うるう年でない年の 5 月 10 日・前年 3 月 31 日) | おうぎ形が直線上を転がる(点 P の軌跡の長さ・通過面積) | 速さとグラフ(点 P が折れ線上を動き三角形の面積が変わる) | 立方体 64 個の切断(体積・切り口の形・切られる個数) |
| 2025 | 計算 5 問(うち逆算 2) | 一行題 5 問(1〜9 のどれでも割れる最小の数/パン A・B・C の 2 個ずつの値段/5km の自転車レース/紙を 3 回折って 2 か所切る/大円の周に接する 4 つの小円) | フィボナッチ式の数列(10 番目・偶数の個数・逆算) | 円グラフ 2 段(好きな学校行事 → 体育祭の好きな種目) | 速さとグラフ(長方形の辺上を動く点 P と三角形 PAB の面積) | 水量(階段状の容器を 45° かたむける) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
この科目でいちばんはっきりしているのは、前半 2 大問の座席が動かないことです。
- 大問 1 は計算。資料のある 13 年(2010・2014〜2025)すべてで大問 1 は「次の □ にあてはまる数を答えなさい」の計算問題です。しかも小問 5 問という形は 2016〜2025 年度の 10 年連続(2010・2014・2015 は 4 問)。
- その計算 5 問の中身の並びも固定に近くなっています。精読した 3 年(2023・2024・2025)はいずれも (1)(3) が四則混合計算、(2)(4) が □ を含む逆算、(5) が工夫を要する計算(2023 は 1.2+2.3+…+9.1、2024 は 1/6+1/12+1/20+… の部分分数、2025 は 1/(1×3)+1/(2×4)+… の部分分数)でした。(5) の部分分数は 2024・2025 の 2 年連続です。
- 大問 2 は一行題 5 問。2014〜2025 年度の 12 年連続で大問 2 が小問集合、そのうち 2014 年度以降はすべて 5 問(2010 年度のみ 6 問)。
- したがって 20 問中 10 問が「大問 1 の計算 5 問+大問 2 の一行題 5 問」で、前半だけで小問の半分を占めます。この配分は精読した資料の全年度で共通しています。
- 大問 3〜6 は 2〜3 小問ずつの 4 題で、合計 10 問。ここは毎年作り直されます。
- 速さとグラフは後半の常連です。2019 年度から 2025 年度まで 7 年連続で大問 3〜6 のどこかに「速さとグラフ」の大問があります(2019 大問 3・2020 大問 3・2021 大問 5・2022 大問 6・2023 大問 6・2024 大問 5・2025 大問 5)。位置は年ごとに動きますが、後半に必ず 1 題あります。
- 規則性・数列は大問 3 か大問 4。2022 大問 4・2023 大問 4・2024 大問 3・2025 大問 3 と 4 年連続でこの位置に来ています。
- ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。読んだ 3 年で、前年と同じ問題がそのまま再登場した例は見つかりませんでした。
問い方の特徴
- すべて答えのみです。精読した 3 年で式や考え方を書かせる設問はゼロ、記述もゼロでした。
- 選択肢を選ぶ設問はごく少なくなっています。2023 は 20 問中 1 問(立体の切り口の形)、2024 も 1 問(同じく切り口の形)、2025 は 0 問。記号選択はほぼ出ないと考えてよさそうです。
- 大問 3〜6 は「短い導入文+図+(1)(2)(3)」の形です。(1) が基本、(2)(3) が発展という 2〜3 段構えになります。
- 西暦を計算に仕込む定番があります。2023 大問 1 (2)「(2023÷7+11)÷□×5=500」、2023 大問 4 (1)「最初から数えて 2023 番目の数」。年の数字が問題文に入るのは毎年ではありませんが、2023 は 2 か所に入っていました。
- 円グラフは 2 段構え(大きい円グラフの 1 項目をもう一度細かく分ける)が 2023・2025 の 2 回。中心角と割合と実数を行き来させます。
8-2. 理科(30 分・60 点・大問 5・小問 27〜29)
原本を精読したのは 2023・2024・2025 年度です。大問の並びは 2010〜2025 年度の 14 年分の資料で確認しました。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(生物) | 大問 2(地学) | 大問 3(物理) | 大問 4(化学) | 大問 5(総合枠) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 人体(呼吸と血液循環・心臓のつくり・カエル/ヤモリ/ニワトリの心臓) | 太陽(透明半球に記録した 1 日の動き・日の出の位置・昼の長さ) | 音(モノコードの弦と波形・振動数・校舎の両端から出した音) | 中和・濃度(食塩水の混合・A 液と固体 B の中和) | 気象(湘南に引っ越した家族の会話・海風と陸風・高気圧の風の向き・南半球での実験) |
| 2024 | 生態系(山火事の跡地から森林への移り変わり・陽生植物と陰生植物の光−デンプングラフ) | 流水のはたらき(山から海までの川・扇状地と三角州・粒の大きさ・地層) | 電流(太さの違う電熱線 A・B の直列と並列・水の上昇温度) | 金属と水溶液(亜鉛 0.1g×15 本にうすい塩酸・濃さ 2 倍のグラフ) | 水溶液(ペーパークロマトグラフィー・サインペンの色素の分離) |
| 2025 | 人体(けがの出血の色から酸素と二酸化炭素・肺と血液循環・えら呼吸の生き物) | 地震(P 波と S 波・初期微動継続時間・マグニチュード・波の速さ) | 光(水中の魚の見え方・屈折・全反射・光の三原色) | 水溶液の判別(A〜E の 5 つの水溶液を実験 1〜4 で特定・BTB・中和) | 熱と密度(ニワトリのたまごの自由研究・食塩水に浮かせる・ゆで時間と金属) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
理科はこの学校でいちばん座席がはっきりしている科目です。
- 大問 5 題・小問 27〜29 問という枠が、資料のある 14 年(2010〜2025)すべてで動いていません。大問の数は 14 年間ずっと 5、小問は 24〜30 の幅に収まり、直近 6 年(2020〜2025)は 27〜29 に収まっています。
- 大問 2 が地学、大問 3 が物理という配置は 2019〜2025 年度の 7 年連続。
- 大問 1 が生物、大問 4 が化学という配置は 2020〜2025 年度の 6 年連続。
- つまり大問 1〜4 が「生物 → 地学 → 物理 → 化学」の順に並ぶ形が、少なくとも 6 年続いています。
- 大問 5 は分野を決めない枠で、ここだけ毎年性格が変わります。2023 は気象(会話文)、2024 は水溶液の分離(実験レポート)、2025 は自由研究のノート。2022 は身近な話題から熱へ、2020 はこん虫と音の混合でした。「長い文章や実験ノートを読ませて、複数分野をまたいで考えさせる」枠として使われているように見えます。
- ここでも固定しているのは「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ことであって、「同じ問題が出る」ではありません。地学の枠は太陽(2023)→ 流水と地層(2024)→ 地震(2025)と 3 年で 3 単元を回り、物理の枠は音(2023)→ 電流(2024)→ 光(2025)と一度も重なっていません。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年で選択が 56〜61%、短答(語句・数値)が 39〜41%。記述は 2023 が 0 問、2024 が 1 問、2025 が 0 問でした。
- 選択肢は「組み合わせとして最も適切なもの」が非常に多くなっています。空欄( A )〜( D )に入る語の組み合わせをア〜オから選ぶ形が、3 年ともほぼ全大問に入っています。1 つでも取り違えると全部落ちる作りなので、消去法で候補を削る練習がそのまま点になります。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」も毎年あります(2023 大問 4、2024 大問 4、2025 大問 1)。
- 「最も適切でないもの」「あてはまらないもの」を選ぶ形も毎年です(2023 大問 4 (1)、2024 大問 5 (4)(5))。
- 計算問題には「必要ならば小数第 1 位を四捨五入し、整数で答えなさい」の桁指定がほぼ必ず付きます(2023 大問 3・大問 4、2025 大問 2・大問 5)。
- 語句を書かせるときは文字種と字数を指定します。「漢字で」(2023 大問 2)、「漢字 2 字で」(2023 大問 5・2025 大問 1)、「3 字以内で」「漢字 3 字で」「漢字 1 字で」(2025 大問 3)。
- 実験の条件を変えたらどうなるかを問う設問が毎年あります。2023 は「南半球について調べるには実験をどう変えればよいか」、2024 は電熱線のつなぎ方を変えたグラフの組み合わせ、2025 は「ゆでたまごが浮くようにするにはどうすればよいか」でした。
8-3. 社会(30 分・60 点・大問 4・小問 40)
原本を精読したのは 2023・2024・2025 年度です。大問の並びは 2010〜2025 年度の 14 年分の資料で確認しました。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民) | 大問 4(総合枠) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 近畿地方の地図(若狭湾・琵琶湖・三重県・伊勢志摩・潮岬・地形図から撮影方向) | 4 人の人物の語り(池田勇人・卑弥呼・空海・江戸の改革)を古い順に並べる | 2022 年の参議院選挙(ドント式の議席計算・特別国会・憲法改正の手続き・年代別投票率のグラフ) | 関東大震災から 100 年(線状降水帯・噴火警戒レベル・ハザードマップ・三権分立・ライフライン・情報の扱い方) |
| 2024 | 都道府県を面積順に並べた表(人口密度・米の生産量・讃岐のため池・瀬戸内の気候) | 【図 1】〜【図 10】の図版 10 点で通史(埴輪 → 高松塚 → 聖徳太子 → 源氏物語 → 長篠 → アイヌの織物 → 役者絵 → 鹿鳴館 → 戊辰戦争 → 国連旗) | SDGs と持続可能性(国連・裁判所・バリアフリー・PKO・地産地消・都市鉱山のメダル) | 藤沢くんと先生の会話で夏の行き先を決める(日本三景・江の島・芦ノ湖のカルデラ・富士山のマイカー規制・京都・聖武天皇・国会議事堂・日米和親条約) |
| 2025 | 東北・北海道地方の地図(青函トンネル・伝統工芸品・最上川・野口英世・函館の地形図・下北半島・リアス海岸・降水量の表) | 【図 1】〜【図 7】の図版 7 点で通史(高床倉庫 → 東大寺大仏 → 武芸の絵巻 → 寺子屋 → 牛なべ → 19 世紀の風刺画 → 玉音放送) | 選択と意思決定(二院制・普通選挙法 100 年・裁判員制度・三権分立の図・観光庁・合計特殊出生率・歳出の内訳) | パリ五輪(六大陸・東京五輪・ハブ空港・地方交付税・サウジアラビアの国旗と原油・政見放送・報道の読み方・歌舞伎・藤沢市の友好都市) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
社会はこの学校の 4 科目でいちばん形が固い科目です。
- 大問 4 題・小問 40 問という枠が、資料のある 14 年(2010〜2025)でほぼ動いていません(40 問が 11 回、39 問が 2 回、35 問が 1 回)。しかも 1 大問あたりちょうど 10 問という配分が精読した 3 年で共通しています。
- 大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民という並びは、資料のある 14 年(2010〜2025)すべてで変わりません。
- 大問 4 は 3 分野を横断する総合枠です。前年の出来事や記念の年を入口にして、地理・歴史・公民をひとつの話題の中で行き来させます(2023 は関東大震災 100 年、2024 は夏の旅行の会話、2025 はパリ五輪)。
- 解答形式の内訳まで固定に近くなっています。精読した 3 年(2023・2024・2025)はいずれも記号選択 20 問(50%)・短答 16 問(40%)・記述 4 問(10%)で、1 問も違いませんでした。記述は毎年きっかり 4 問という前提で準備してよさそうです。
- 記述 4 問は 4 つの大問に 1 問ずつ散ります。精読した 3 年(2023・2024・2025)はいずれも大問 1・2・3・4 に 1 問ずつでした。どの分野も記述を避けられない設計になっています。
- 大問 2(歴史)は図版を並べて通史を歩かせる形が 2024・2025 の 2 年連続でした(【図 1】〜【図 10】、【図 1】〜【図 7】)。2023 は人物の語り 4 つを並べる形でした。
- ここでも固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」であって、「同じ問題が出る」ではありません。地理の枠は近畿(2023)→ 都道府県の統計表(2024)→ 東北・北海道(2025)と毎年別の地域を扱っています。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です(毎年ちょうど 50%)。多いのは次の 4 つ。
- 「誤っているもの」を選ぶ(2023 大問 1 問 6(2)、2024 大問 2 問 1・大問 3 問 2、2025 大問 4)。
- 組み合わせを選ぶ(2023「①と⑨にあてはまる都道府県の組み合わせ」、2025「番号と伝統行事・伝統工芸品の組み合わせ」)。
- A・B 2 つの文の正誤を組み合わせて選ぶ(2023 大問 4 問 10、2025 大問 3 問 4・大問 4 問 4(2))。
- 古い順に並べる(2023 大問 2 問 1、2025 大問 2 問 7)。
- 短答は文字種と字数の指定が多くなっています。「漢字 3 字で」「漢字で」(2023)、「カタカナ 4 字で」「アルファベット 4 字で」(2024)、「漢字 2 字で」(2025)。指定を外すと点になりません。
- 記述には条件が必ず付きます。指定語つき(2024「以下の語句を用いて」、2025「北西・奥羽の 2 つの語句を使用して」「『審議』の語句を使用して」)、書き出し指定つき(2023「『家事にかかる時間が短くなったことにより,』のあとに続くように」、2024「解答欄の書き出しに続くように」)、資料の読み取りを条件にする形(2023 のグラフと表から投票率の違いを説明、2024 の二酸化炭素排出量のグラフから地産地消を説明)。字数指定は 3 年とも無く、「簡単に説明しなさい」で解答欄の大きさが分量を決めます。
- 地形図の読図が地理の枠に入ります。2023 は写真の撮影方向を地図から選ぶ、2025 は函館山の地形図と航空写真を照合する形でした。単なる地図記号ではなく「どこから見た景色か」を問う形が 2 年に 1 回入っています。
- 前年の出来事が必ず入口になります。2023 は 2022 年 7 月の参議院選挙・関東大震災 100 年、2024 は 2023 年の G7 広島サミット・大阪府知事選挙、2025 は 2024 年のパリ五輪・普通選挙法 100 年でした。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3。2010・2014〜2018 年度の 6 年のみ)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2014〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。原本を精読したのは 2016・2017・2018 年度の 3 年です。
年度×大問の題材表(2016〜2018)
| 年度 | 大問 1(知識) | 大問 2(説明的文章) | 大問 3(文学的文章) |
|---|---|---|---|
| 2016 | 漢字の読み書き/部首と総画数(勤)/四字熟語(馬耳東風)/熟語の構成(洗顔・創造)/単語の数/修飾する文節/慣用句(虫がいい)/助詞「に」の用法 | 森達也『たったひとつの「真実」なんてない』(メディアと両論併記・視聴率) | 井上荒野『静子の日常』(老年の女性とフィットネスクラブ) |
| 2017 | 漢字の読み 5・書き 5/部首と総画数(雑)/四字熟語を 2 つ選ぶ/熟語の構成(始末・朗報)/単語の数/修飾する文節/助数詞(イカ)/「らしい」の用法 | 田村明『まちづくりと景観』(都市の景観と市民) | 八束澄子『明日につづくリズム』(瀬戸内海の島に住む中学 3 年生) |
| 2018 | 漢字の読み 4・書き 4/部首名と総画数(刻)/四字熟語(一期一会)/熟語の構成(起床・無限)/慣用句(寝食を忘れる)/「な」の用法/外国人観光客にこいのぼりを説明する作文 | 「聞く」ことをめぐる演出家の文章(辞書の定義との違い・稽古場) | 『しずかな日々』(飼育委員の 4 人と亀) |
精読した年を含む 6 年の出典(大問 2 が説明的文章・大問 3 が文学的文章): 2010 菅野仁『友だち幻想』/はらだみずき『サッカーボーイズ 13 歳』、2014 笠井奈津子『甘い物は脳に悪い』/瀬尾まいこ『幸福な食卓』、2015 枡野俊明『日本人はなぜ美しいのか』/江國香織『つめたいよるに』、2016 森達也/井上荒野、2017 田村明/八束澄子、2018 大問 3 が『しずかな日々』。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
国語は 4 科目の中でも、大問 1 の中身の並びまで固定されている点が際立ちます。
- 大問 3 題という枠は、資料のある 6 年(2010・2014〜2018)すべてで変わりません。
- 大問 1 が知識、大問 2 が説明的文章、大問 3 が文学的文章という並びも 6 年で共通です。
- 大問 1 の中の設問の並びが、精読した 3 年(2016・2017・2018)でほぼ同じでした。
- 問一 = 漢字の読み書き(傍線部の漢字を読み、カタカナを漢字に直す混合形。8〜10 問)
- 問二 = 部首と総画数(示された漢字 1 字について、部首にあたる部分をぬき出す/部首名をひらがなで書く、と、総画数が同じ漢字をア〜エから選ぶ、の 2 問セット)。2016 は「勤」、2017 は「雑」、2018 は「刻」。3 年連続で同じ形です。
- 問三 = 四字熟語(意味を選ぶ/正しい四字熟語を選ぶ)。2016「馬耳東風」、2017 は 6 つから正しい 4 字熟語を 2 つ、2018「一期一会」。
- 問四 = 熟語の構成(示された熟語と組み立てが同じものをア〜カから選ぶ、2 問)。2016「洗顔・創造」、2017「始末・朗報」、2018「起床・無限」。3 年連続で同じ形です。
- 問五〜問八 = 文法と語彙。「次の文を単語に分けた場合、いくつに分かれますか」は 2016・2017 の 2 年で、文だけ差し替えて同じ問い方が出ています(2016「学校の中から生徒の声が聞こえていた。」/2017「京都は盆地であるため、夏は非常に暑くなる。」)。「――線部が修飾している文節をぬき出して書きなさい」も 2016・2017 の 2 年。助詞・助動詞の意味と用法を選ばせる問い(2016「に」、2017「らしい」、2018「な」)は 3 年連続。慣用句・ことわざの使い方が正しいものを選ぶ問いは 2016・2018 でした。
- ここでも固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。上に挙げたどの設問も、問い方は同じで素材(漢字・熟語・例文)が毎年入れ替わっています。
- 大問 2 と大問 3 の設問の並びにも共通点があります。説明的文章(大問 2)には「次の一文(段落)は本文中のどの位置に入りますか。【ア】〜【エ】から選びなさい」が 3 年連続、「この文章に見出し(小見出し)をつけるとしたらどれか」が 2016・2017・2018 の 3 年連続、「本文の内容と合っているものを二つ選びなさい」が 3 年連続で入っています。
問い方の特徴
- 記号選択と抜き出しが主軸です。精読した 3 年で選択が 48〜53%、短答(抜き出し・語句)が 34〜45%、記述が 7〜12%(3〜4 問)でした。
- 抜き出しには字数指定が細かく付きます。「四字で」「七字で」「漢字二字で」「十五字以上二十字以内で」「三十字程度で探し、初めと終わりの◯字を」。字数を手がかりに探す訓練がそのまま点になります。
- 記述は 30〜50 字が中心です。「二十五字以上三十字以内」(2016)、「二十字以内」(2017)、「三十五字以上四十五字以内」「四十字以上五十字以内」(2018)。指定語つきの記述もあります(2016「『視聴率』『報道』という言葉を使って、三十字程度で」)。
- 空欄に語句を入れる形が 2 種類あります。接続語をア〜カ(ときにア〜ク)から選ぶ形と、擬態語(ひやひや・そわそわ・ふつふつ など)を選ぶ形で、どちらも 3 年とも出ています。
- 文章の構成を問う設問が説明的文章に必ずあります。「大きく三つに分けるとき第二・第三の部分はどこから始まるか」(2016)、「大きく二つに分けると第二の部分の初めの五字」(2017)、「前半と後半に小見出しを」(2018)。
- 2018 の大問 1 問七は毛色が違います。イラストを見て、初めて来日した外国人観光客に「あれは何か」を 40〜50 字の日本語で説明するという作文で、四月下旬の庭に掲げられたもの(こいのぼり)を説明させます。精読した 3 年でここに作文が入ったのは 2018 だけですが、この学校が「知っていることを相手に伝える」形を試した年があることは押さえておいてよさそうです。
- 古文・漢文は精読した 3 年でゼロでした。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
大問の主題として使われた年から見た、しばらく空いている単元です。最終確認年度は、その単元が大問の主題として出たことを確認できている最後の年度です。
| 科目・枠 | 単元 | 大問で使われた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 仕事算・ニュートン算(受験用教材の単元) | 2010・2014・2017(大問 3・4)・2020・2021 | 2021 | 大問 1 本を占めていた時期があり、近年は大問 2 の一行題に吸収されている(2024 の一行題に仕事算)。5 年ぶりに大問へ戻る余地がある |
| 算数 | 場合の数を主題にした大問 | 2010・2015・2017・2018 | 2018 | 7 年空き。大問 6 や大問 5 の枠にあった。2019 年度以降は一行題止まり(2023 の一行題にサイコロ 3 個) |
| 算数 | 約束記号 | 2021 | 2021 | 4 年空き。1 回しか大問になっていないが、この学校の後半は「その場でルールを読む」問題を好む |
| 算数 | 回転体 | 2014・2016・2022 | 2022 | 立体図形の枠で 3 年空き |
| 算数 | 平面図形の面積・面積比を主題にした大問 | 2010・2018・2022 | 2022 | 近年は一行題と図形の移動に吸収されている |
| 理科・大問 1(生物) | 花のつくりと受粉 | 2010・2013・2016・2017 | 2017 | 8 年空き。生物枠の主役だった時期がある |
| 理科・大問 1(生物) | 動物の誕生(メダカ・カエル・ヒト) | 2015・2018・2021・2022 | 2022 | 3 年空き。周期が短い単元 |
| 理科・大問 2(地学) | 星・星座 | 2014・2018 | 2018 | 7 年空き。地学枠でいちばん空いている |
| 理科・大問 2(地学) | 気象(前線・雲・天気図) | 2013・2016・2017 | 2017 | 大問 2 の枠では 8 年空き。2023 は大問 5 の枠で出た |
| 理科・大問 3(物理) | ふりこ・物体の運動 | 2018 | 2018 | 7 年空き |
| 理科・大問 3(物理) | 滑車 | 2019 | 2019 | 6 年空き |
| 理科・大問 3(物理) | てこ・つり合い・ばね | 2013・2020 | 2020 | 5 年空き |
| 理科・大問 4(化学) | 溶解度・再結晶 | 2013・2017・2020・2022 | 2022 | 3 年空き。周期が短い |
| 理科・大問 4(化学) | 燃焼 | 2014・2016 | 2016 | 9 年空き。化学の枠(大問 4)でいちばん空いている |
| 社会・大問 1(地理) | 農業・畜産を主題にした地理 | 2013 | 2013 | 主題としては 12 年空き。統計表の中に 1〜2 問は毎年入る |
| 社会・大問 1(地理) | 世界地理 | 2020(大問 1)・2025(大問 4) | 2025(大問 4) | 大問 1 の枠では 5 年空き |
| 社会・大問 2(歴史) | 鎌倉・室町時代を主題にした大問 | 2014・2018・2020・2022 | 2022 | 3 年空き。周期が短い |
| 社会・大問 2(歴史) | 安土桃山時代を主題にした大問 | 2013・2016 | 2016 | 歴史の枠(大問 2)で 9 年空き |
| 社会・大問 3(公民) | 財政・税・社会保障 | 2010 | 2010 | 主題としては 15 年空き。2025 は歳出の内訳が 1 問だけ出た |
| 社会・大問 3(公民) | 地方自治 | 2013 | 2013 | 主題としては 12 年空き。2023・2025 は 1 問ずつ混ざっている |
| 社会・大問 3(公民) | 人権・多様性・共生 | 2017 | 2017 | 8 年空き。近年は三権分立・国際・選挙が交互 |
| 国語 | 作文(想定にもとづく説明) | 2018 | 2018 | 2018 の大問 1 問七。1 回しか確認できていないが、大問 1 の知識枠の最後に置かれていた。2019 年度以降は資料が無いため確認できない |
| 国語 | 慣用句・ことわざ | 2016・2018 | 2018 | 2017 は助数詞に置き換わっていたので、語彙の枠は年ごとに中身が入れ替わる |
国語は 2019 年度以降の資料が無いため、国語についての警戒はすべて 2018 年度時点の話です。
10. 形式面の注意
- 小問数が多く、時間が厳しい試験です。 算数 50 分で 20 問、国語 50 分で 40 問前後、理科 30 分で 27〜29 問、社会 30 分で 40 問。理科と社会は 1 問 1 分を切ります。
- 記述は社会と国語に偏ります。社会が毎年ちょうど 4 問、国語が 3〜4 問、理科は 0〜1 問、算数はゼロ(式や考え方を書かせる設問も精読した 3 年では無し)。「記述が重い学校」という印象で準備すると算数と理科の対策を誤ります。
- 字数指定は国語だけです。国語は抜き出しにも記述にも細かい字数指定が付きます。社会の記述は 3 年とも字数指定が無く、解答欄の大きさで分量が決まります。理科の記述は解答欄の書き出しが印字されています。
- 文字種の指定が多く出ます。社会「漢字 2 字」「カタカナ 4 字」「アルファベット 4 字」、理科「漢字 2 字」「漢字 3 字」「3 字以内」、国語「漢字二字でぬき出して」。
- 計算の桁指定があります。理科は「必要ならば小数第 1 位を四捨五入し、整数で答えなさい」がほぼ全大問に付きます。算数の円周率は 2010・2014・2015 年度の冊子に「円周率は 3.14 とします」があり、近年の冊子では転写に記載が見当たりませんが、円とおうぎ形は毎年のように出るので 3.14 の計算は前提と考えておいてください。
- 作図は 4 科目とも精読した年では確認していません。
- 資料の点数が多くなっています。社会は図に依存する小問が 6 割、理科は 3 割、算数は 4 割強。図 1・図 2、【地図 1】【表 1】【グラフ 1】と番号を振った資料を本文中で行き来させます。
- 設問ごとの配点は、4 科目のどの年度の冊子にも印刷されていません。
- 2025 年度の算数と理科の冊子には、問題文の訂正紙がそれぞれ 1 枚同梱されていました。
科目ごとの細かい点は次のとおりです。
- 算数: 50 分・100 点・大問 6・小問 20(2016〜2025 の 10 年で小問 20 が動いていません。2014・2015 のみ 19)。1 問あたり 2 分半の計算になります。記述・作図は精読した 3 年でゼロ、答えのみです。図に依存する小問は全体の 45%(2025 年度)で、図 1・図 2 と番号を振って複数の図を並べる形が多くなっています。2025 年度の冊子には問題文の訂正用紙が 1 枚同梱されていました。計算用紙が別に配られる年があります。設問ごとの配点は問題冊子にも解答用紙にも書かれていません。
- 理科: 30 分で 27〜29 問。1 問あたり 1 分強で、しかもグラフの読み取りと計算が混ざるので、理科は時間との勝負になります。図に依存する小問は 2025 年度で 32%。図 1・図 2 と番号を振った図を本文中で行き来させます。記述は年 0〜1 問で、出るときは指定語つき(2024「文章中に『種類』という語句を用いること」)で、解答欄の書き出しが印字されていて続きを埋める形です。作図は精読した 3 年では確認していません。設問ごとの配点は印刷されていません。2025 年度の冊子には問題文の訂正紙が 1 枚同梱されていました。
- 社会: 30 分で 40 問。1 問あたり 45 秒で、そこに記述 4 問が入ります。この学校の 4 科目でいちばん時間が厳しいのは社会です。資料の点数が多く、図に依存する小問は 2025 年度で 63%。地図・統計表・グラフ・写真・絵巻物・風刺画・国旗・年表を次々に行き来します。作図は資料のある 14 年で確認していません。設問ごとの配点は印刷されていません。記述の解答欄は 1 行〜2 行程度で、書き出しが印字されている年があります。
- 国語: 50 分・100 点・大問 3。設問の総数は精読した 3 年で 40 問前後です(13 節「資料の限界」のとおり、資料に記録された小問数の数字はそのまま使えません)。各長文の冒頭に「問いの中で字数に指定のあるときは、特に指示がないかぎり、句読点や符号もその字数に含めます」という注意が 3 年とも同じ文言で印刷されています。説明的文章・文学的文章とも本文が長く、2 本の長文に大問 1 の知識問題が加わって 50 分なので、読む速さが要ります。設問ごとの配点は印刷されていません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をやるか |
|---|---|
| 小 4(土台) | ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と、□を含む逆算。この学校は算数の大問 1 が 13 年間ずっと計算で、しかも逆算が 2 問入ります。ここが最終的にいちばん効きます。②漢字の読み書き — 読みと書きを混ぜて 8〜10 問セットで解く形に早くから慣れる。あわせて部首・画数・熟語の組み立てを「面倒な知識」ではなく日常の作業にしておく。③図形の入口 — 角度、円とおうぎ形、面積。④身のまわりの理科 — 植物を育てる、月と太陽を見る、電池と豆電球を触る。この学校の理科は 4 分野を必ず 1 題ずつ出します。⑤地図と日本 — 都道府県、地形、地図記号。時間計測はまだしなくてかまいません |
| 小 5(幅) | ここが本体です。座席は固定でも中身は毎年入れ替わるので、全分野をひととおり学び終える小 5 の出来がそのまま効きます。算数は一行題の 12 単元(割合と比・和差算・つるかめ算・食塩水・数の性質・売買損益・平均算・年齢算・仕事算・速さ・場合の数・円とおうぎ形。つるかめ算・仕事算などは受験用教材の単元です)を一巡し、規則性・数列と速さとグラフに厚めの時間を取ります。理科は 4 分野それぞれの主要単元を漏らさず(生物なら人体・植物・こん虫・生態系、地学なら太陽・月・星・気象・地震・地層、物理なら光・音・電気・てこ・浮力、化学なら水溶液・気体・中和・溶解度・燃焼)。社会は地理と通史を一巡し、資料(地図・統計表・グラフ・図版)を読む練習をここから始めます。国語は説明的文章を読む習慣と、知識分野(四字熟語・慣用句・熟語の構成・文法)の一巡を。ただし国語は 2019 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください(→ 13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 上の「今からやるなら」8 項目。夏以降は年度通しで時間を計る演習を中心に据えます。とくに社会 30 分 40 問と理科 30 分 28 問は、時間切れが最大のリスクです。「同じ座席を縦に並べて解く」演習は、算数の大問 1・大問 2 と、理科の 4 分野の座席確認、国語の大問 1 の知識枠に限り、残りは通し演習に振ります。国語については 2019 年度以降の資料が無いので、通し演習は市販の過去問集で(→ 13 節)。社会の記述 4 問は書いたものを人に読んでもらい、条件を拾えているか確認します |
小 5 の週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算(四則と逆算)と国語の漢字・知識分野に充て、週末 60 分は一行題の 12 単元の一巡(割合と比 → 和差算 → つるかめ算 → 食塩水 → 数の性質 → 売買損益 → 平均算 → 年齢算 → 仕事算 → 速さ → 場合の数 → 円とおうぎ形 の順)と、規則性・数列と速さとグラフに充てます。理科と社会は週末 60 分の中で交互に回し、理科は 4 分野の主要単元、社会は地理と通史の一巡と資料を読む練習に使います。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは、小 4 から積む処理の速さと、小 5 での全分野の一巡の 2 点です。この学校は 4 科目すべてで「どこで何を測るか」が過去問からはっきり読めるので、準備の設計に迷う時間が少なくて済みます。そのぶん、決めた枠を全部埋め切れるかどうかで差がつきます。とくに算数は 20 問中 10 問が計算と一行題、社会は 30 分で 40 問という設計なので、小 4 のうちに計算と漢字を「考えずに手が動く」水準まで上げておくと、小 6 の通し演習で時間が足りるかどうかがまったく変わります。逆に、難問を 1 問じっくり解く力に早くから時間をかけても、この学校ではあまり返ってきません。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は過去問の勉強がそのまま二度効くか、だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・お子さんとの相性は扱っていません。それらは別のページの領分になります。出題構造の近さで上位に出るのは次の 3 校です(男女の区別は学校の公表資料から付けた注記をそのまま載せています)。
- 法政大学第二中学校(神奈川県・共学): 4 科目すべてが近く、大学付属という点も含め、出題構造がもっとも似ている 1 校です。4 科目とも通しで解いておく価値があります。
- 二松学舎大学附属柏中学校(千葉県・共学): 理科がとくに近く、社会も近い相手です。国語は比較できる資料がありません。
- 横須賀学院中学校(神奈川県・共学): 理科と社会が近く、神奈川県内で理社の演習量を増やしたいときの相手になります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
どの学校も「同じ問題が出る」という意味ではなく、大問の数・小問の数・記述と記号選択の比率・資料の使い方・単元の分布が近いという意味です。
13. 資料の限界
この分析は、次の制約の中で書かれています。
- 入試回は 1 冊ずつしかありません。2015 年度の国語の解答冊子から第 1 回であることは確認できましたが、他の年度の冊子には回の表記が読み取れません。第 2 回(2 月 2 日・国算 2 科)と第 3 回(2 月 4 日)の問題はこの資料に含まれていません。 第 2 回は 2 科のみなので、そちらを受ける場合は国語と算数の配点比重が変わる点に注意してください。
- 1 節の入試回・日程・科目・試験時間・配点・募集人数・面接は 2025 年度入試の要項によるものです。最新の要項(日程・科目・配点・募集人数など)は学校の公式サイトで必ず確認してください。
- 原本を精読したのは科目あたり 3 年分(算数・理科・社会が 2023〜2025 年度、国語が 2016〜2018 年度)です。それ以外の年については、大問の数・小問の数・大問ごとの単元という骨格だけを資料から確認しました。「◯年連続」という記述はその骨格の話で、設問文まで読み直したのは上記の 3 年ずつです。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。2018 年度までに見られた「大問 1 の知識枠の並び」が今も同じかどうかは、この資料からは確認できません。国語については市販の過去問集で直近の形式を必ず確認してください。
- 国語の小問数は、資料に記録された数字をそのまま使えません。大問 1 の漢字問題が、年によって「問一」でまとめて 1 問と数えられていたり(2016 年度)、(1)〜(10) と 1 問ずつ数えられていたり(2017・2018 年度)します。記録上の小問数は 2016 年度 32・2017 年度 44・2018 年度 36 と大きく違って見えますが、実際に解く設問の数はどの年も 40 問前後で、増減はほとんどありません。10 節の「40 問前後」は、記録の数字ではなく原本の設問を数え直したものです。
- 2023 年度の理科の大問 4 は、転写上の小問番号が (1)(2)(3)(1)(2) と途中で振り直されています。後半 2 問は本来 (4)(5) にあたると考えられます。設問の内容は読めるので分析には使いましたが、小問番号だけは原本と食い違っている可能性があります。
- 図そのものは転写できません。算数の図形問題の細部、社会の地図・グラフ・写真・絵巻物、理科の実験装置の図は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。とくに社会は図に依存する小問が 6 割あるため、実際の冊子を見て初めて分かることが多いはずです。
- 設問ごとの配点はどこにも印刷されていません。どの大問が重いかは分からないので、この分析での優先順位は「問題数」と「毎年出るかどうか」で付けています。
- 試験時間と配点は 2025 年度の募集要項によるもので、過去の年度が同じだったかは確認していません。
- 同じ名前を共有する学校が多い学校群です。この分析は神奈川県藤沢市の日本大学藤沢中学校の資料のみを使い、読んだ範囲で他校の問題が混ざっている形跡は見つかりませんでした。ただし、市販の過去問集や問題集を選ぶときは、校名を最後まで確認してから購入することをすすめます。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
日本大学藤沢中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
日本大学藤沢中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ