獨協中学校 の過去問分析

獨協中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

獨協中学校 過去問分析(2023〜2025 年度・第 1 回・算数/理科/社会 3 年分・国語は 2019 年度まで)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都文京区
男女 男子校
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前 — 4 科(約 80 名)/第 2 回 2 月 1 日午後 — 2 科(国語・算数。約 20 名。①14:45 集合・②15:45 集合の 2 時間帯)/第 3 回 2 月 2 日午前 — 4 科(約 70 名)/第 4 回 2 月 4 日午前 — 4 科(約 30 名)
試験時間・配点 第 1 回・第 3 回・第 4 回は国語 50 分・算数 50 分・社会 40 分・理科 40 分、配点は国語 100・算数 100・社会 70・理科 70。第 2 回は国語 40 分・算数 40 分の各 100 点
校名の由来 獨逸学協会中学校(1893)・独協学園(1947)を経て現在の校名です
同名・類似名の別校 埼玉県越谷市の獨協埼玉中学校とは別の学校で、出題も別ものです

上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 獨協中学校は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。大問の何番目にどの単元・どの形式の問題が来るかが動きません(同じ問題がそのまま出るという意味ではありません)。
  2. 算数は大問 1 が毎年ちょうど 7 問で、(1)(2) が計算 2 問・(3) が逆算(□にあてはまる数を求める計算)・(4) が食塩水の濃度という座席(問題の置き場所)が 3 年連続です。最後の大問は必ず「先生と太郎君の会話文」で、その年の西暦を題材にした数の性質です。
  3. 理科は大問 1 が必ず生物で、その場で配られた実物を観察してスケッチする問題が 3 年連続です。社会は大問 1 が必ず地理で、地形図の読図と雨温図がそれぞれ毎年 1 問出ます。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1 だけを 3 年ぶん続けて解き、計算 2 問・逆算・食塩水の 4 枠を 10 分で確実に取る形をつくります。
  2. 理科の実物観察スケッチを手で練習します。葉・豆・野菜を 10 分観察してスケッチし、特徴を箇条書きにします。
  3. 社会の地形図を毎週 1 枚、雨温図を 10 パターン練習します。どちらも 3 年連続で 1 問出ます。

今週やる 1 つ

  1. 算数のくふう計算(分配法則でくくる)を専門に練習します。大問 1(2) は 3 年とも「まともに計算すると時間が溶ける」形でした。

注意

  1. 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016・2018・2019 年度のものです(→ 13 節)。

4. 資料の状況

このレポートは過去問の転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとにしています。読んだ年を次の 3 つに分けて書きます。精読した年は設問文まで読んだ年、構成だけ数えた年は大問の並びだけを数えた年、資料のある年は冊子が手元にある年です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 備考
算数 3 年(2023・2024・2025) 16 年(2010〜2025) 転写の確度は 3 年とも高い。全小問を精読した
理科 3 年(2023・2024・2025) 3 年(2020〜2022。大問 1 が生物という並びのみ) 15 年(2010〜2025) 2024 年度は文字のつぶれが目立つが、設問の骨格まで精読した
社会 3 年(2023・2024・2025) 16 年(2010〜2025) 2024・2025 年度は誤字が混ざる。選択肢まで精読した
国語 3 年(2016・2018・2019) 6 年(2010・2014・2015・2016・2018・2019) 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)

5. 一番大きな結論

獨協中学校は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。とくに算数と理科でそれが強く出ます。ここでいう固定は「同じ問題がそのまま出る」という意味ではなく、大問の何番目にどの単元・どの形式の問題が来るかが動かないという意味です。

精読した 3 年(2023〜2025)で確認できた並びの固定は次のとおりです。

一方で中身そのものは毎年作り直されています。同じ問題がそのまま再登場した例は、算数の逆算(大問 1(3))以外には見つかりませんでした。その逆算は 2023 と 2025 で式の骨格が完全に一致し、割る数と引く帯分数だけが差し替えられています(詳細は 8 節の算数)。理科では 2023 と 2024 の大問 1 の導入文がほぼ同文です。

したがって、この学校の過去問の使い方は ①同じ座席を縦に解く(大問 1 の 7 問だけを 3 年ぶん通す、理科の大問 1 だけを通す)、②その席で出る単元の解き方を手順として習得する の二つに近くなります。「出る問題を丸ごと覚える」使い方は効きにくく、「年度通しで時間を計る」練習は社会と算数で必要になります。

4 科目に共通するのは「その場で読んで、その場で理屈を立てる」比重が高いことです。算数の会話文、理科の実物観察と実験記述、社会の対話文と資料、国語の 2 文章読み比べ——いずれも、覚えてきた知識をそのまま出す問題ではありません。一方で入口(算数の大問 1、理科の大問 1、社会の地形図・雨温図、国語の漢字 10 問)は毎年同じ席にあるので、そこは確実に取り切る設計にできます。


6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)


7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定は受験学年(小 6)・過去問演習期です。小 5 以前の方は 11 節の学年別ロードマップを先に読んでください。各項目の末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠が確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数の大問 1 を毎日のルーティンにする。計算 2 問・逆算 1 問・食塩水 1 問を毎日 4 問、10 分で解き切る練習を過去問から抜き出して組みます。まずは大問 1 だけを 3 年ぶん、続けて解いてください。ここが 3 年連続で固定なので、最も確実に時間をかける価値があります。あわせてくふう計算(分配法則でくくる)を専門に練習します。大問 1(2) は 3 年とも「まともに計算すると時間が溶ける」形でした。共通因数を見つける目を鍛えます。(確認: 〜2025 年度)
  2. [毎日 10 分] 理科の実物観察スケッチを実際に手でやる。家にある葉・豆・野菜を 10 分観察してスケッチし、特徴を 4〜5 個箇条書きにします。3 年連続の大問 1 に直結し、白紙を防げます。(確認: 〜2025 年度)
  3. [週 1 回] 社会の地形図を毎週 1 枚、雨温図を 10 パターン。等高線・地図記号・尾根と谷・傾斜の読み取りを、選択肢の文と照らす練習に絞ります。雨温図は日本海側・太平洋側・内陸・瀬戸内・南西諸島・北海道と、世界の主要気候。どちらも 3 年連続で 1 問出ます。(確認: 〜2025 年度)
  4. [毎日 10 分] 国語の同音・同訓の書き分けを毎日 2 組。「予知/余地」「傷む/痛む」「指揮/四季」「週刊/習慣」のような組で覚えます。大問 1 の後半(2018・2019 で 2 組ずつ)に直結します。(確認: 〜2019 年度)
  5. [週 1 回] 算数の「途中経過を記入すること」の答案を書く練習を週 1 問。毎年 1〜2 問あるので、書き方が身についていないと丸ごと落とします。式だけでなく「何を求めたか」を一言添えます。あわせて図を描き足す練習も——円が図形のまわりを転がる問題(2025 大問 2)は、通る道すじを自分で描かないと解けません。(確認: 〜2025 年度)
  6. [週 1 回] 理科と社会の記述を週 2 問ずつ。理科は「理由を簡単に説明」、社会は「資料を根拠に 40〜60 字」。どちらも暗記では書けません。(確認: 〜2025 年度)
  7. [週末 60 分] 算数の会話文(数の性質)を年度の数で練習する。倍数判定(7・11・13 と 1001 の関係)・各桁の和・九九の表の和など、「小さい場合を書き出して規則を見つけ、大きい数に一般化する」手順を身につけます。(確認: 〜2025 年度)
  8. [週末 60 分] 社会と理科を通しで時間を計る。社会は 40 分で 30 問前後+長文、理科は 40 分で 25 問前後。読む量に対して時間が厳しいのはこの 2 科目です。(確認: 〜2025 年度)

各項目の根拠と、科目ごとに残る細かい手順は 8 節の科目別を参照してください。


8. 科目別の詳細

科目横断の要点

科目 形式の固定度 中身の性格 最優先で時間をかける価値があること
算数 非常に高い。大問 4〜5・小問 17〜18・50 分。大問 1 の 7 問の並びが 3 年連続で同一 答えはほぼ数値のみ(短答 8〜9 割)。「途中経過を記入すること」が毎年 1〜2 問。最後の大問はその年の西暦を題材にした会話文 大問 1 の 4 枠(計算・くふう計算・逆算・食塩水)を毎日のルーティンに。次いで速さの単位換算
理科 高い。大問 4 で固定・小問 24〜27・40 分。生物/化学/物理/地学が 1 題ずつ 実物観察のスケッチが 3 年連続。比例計算と表・料金表の読み取りが毎年。「簡単に説明しなさい」が年 1〜6 問と振れる 観察してスケッチする練習と、理由を 1〜2 文で書く練習。比例計算(燃焼・中和・電力)
社会 中くらい。大問 3〜4(数は動く)・小問 27〜34・40 分。分野の並びは 3 年とも同じ 記号選択が主軸(6〜7 割)。文章量が多く、対話文形式が 2 年連続。記述 2〜4 問(字数指定は年により有無) 地形図の読図と雨温図(それぞれ 3 年連続)。並べかえ問題。用語を漢字で書く
国語 高い(2019 年度まで)。大問 3・小問 26〜28・50 分 漢字 10 問+物語+説明文。記述 4 問が字数指定つき(20〜90 字)。指定語を使う記述が 2 年連続 同音・同訓の書き分けと、字数指定の記述。説明文は生き物・自然・人類史の系統

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4〜5・小問 17〜18)

精読した年: 2023・2024・2025(この 3 年は転写の確度が高く、全小問を精読しました)。

年度×大問の題材表(2023〜2025)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2023 小問集合 7 問
計算 2・逆算・食塩水・平均算・場合の数・面積
速さ(歩く速さと道のり) 水量とグラフ(しきり 2 枚の直方体容器) 数の性質(「2023」を題材にした会話文・7 と 13 の倍数判定)
2024 小問集合 7 問
計算 2・逆算・食塩水・角度(紙折り)・割合と比・回転体
速さ(82 km を 2 つの速さで走る車) 規則性(正方形をつなげて長方形をつくる作業) 数の性質(「2024」を題材にした会話文・各桁の和でつくる「足し算数」)
2025 小問集合 7 問
計算 2・逆算・食塩水・立体の切断・数の性質・円とおうぎ形
図形の移動(円が図形のまわりを転がる) 速さ(1 周 300 m と 210 m の池を兄弟が走る) 規則性(両手の指に 1 から番号を振っていく) 数の性質(かけ算九九の表を題材にした会話文)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

獨協の算数で最も強い固定は 大問 1 の中身の並びです。以下は 2023・2024・2025 の 3 年連続で確認しました。

まとめると、獨協の算数は「大問 1 の 7 問の並びが固定され、最後の大問がその年の西暦を題材にした会話文の数の性質になる」という骨格を、精読した 3 年とも守っています。同じ問題がそのまま出るわけではありませんが、同じ種類の問題が同じ場所に来ることは繰り返し確認できました。

頻出単元と周期

精読した 3 年(2023〜2025)で毎年出た単元は次の 5 つです。

単元 出た年 出る場所
四則計算・くふう計算 2023・2024・2025(3 年連続) 大問 1 (1)(2)
逆算(□を求める) 2023・2024・2025(3 年連続) 大問 1 (3)
食塩水の濃度 2023・2024・2025(3 年連続) 大問 1 (4)
数の性質(会話文つき) 2023・2024・2025(3 年連続) 最後の大問
速さ 2023・2024・2025(3 年連続) 大問 2 または 3

これに次ぐのが規則性(2024・2025 の 2 年連続)、平面図形の求積(2023 大問 1(7)・2025 大問 1(7))です。学校が長く出してきた単元は 2010 年代から数えると、水量とグラフ・立体の切断・図形の回転・場合の数・平均算・売買損益が一定の間隔で戻ってきます。

問い方の特徴

今からやるなら(算数・7 節に無い分)

  1. 逆算は「戻す順番」を書き出す手順で固めます。2023 と 2025 の (3) はほぼ同じ式なので、この 2 年を並べて解くと手順が体に入ります。
  2. 食塩水は 3 パターン(加える・蒸発させる・3 種類を混ぜる)を全部やります。精読した 3 年でこの 3 パターンが 1 つずつ出ています。
  3. 速さは「単位換算を含む問い」に慣れます。「時速 4.8 km で 25 分」「100 m を何秒で」「1 時間 12 分で 60 km」と、時速・分速・秒速をまたぐ換算が毎年入ります。

8-2. 理科(40 分・70 点・大問 4・小問 24〜27)

精読した年: 2023・2024・2025。2024 年度の転写は文字のつぶれ(「おおさ」「おおもさ」など)が目立ちますが、設問の骨格は読み取れました。

年度×大問の題材表(2023〜2025)

年度 大問 1(生物・実物観察) 大問 2 大問 3 大問 4
2023 ソラマメの種子(袋入りの実物を観察・スケッチ) 浮力と密度(5 種の物質・空気中の浮力・真空中の重さ) 地震・火山(大分熊本サイエンスツアー・温泉・地熱発電・カルデラ・火山灰・地層) 熱の伝わり方(伝導・対流・放射/冷蔵庫のしくみ・フロン)
2024 ヤブツバキの葉(袋入りの実物を観察・スケッチ) ばねと物体の運動(ばねで打ち出す・衝突・はね返る高さ) 燃焼と化学計算(水素・メタンの燃焼と二酸化炭素・燃料電池) 地震(関東大震災 100 年・被害の表の読み取り・震度分布)
2025 ラッカセイ(配付されたカードの写真を観察・スケッチ) 中和(BTB 溶液・塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の量の計算) 電流と電気の利用(消費電力・ブレーカー・電気料金表の比較) 太陽(棒の影の長さから南中高度・季節による影の動き)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

理科は 4 科目のなかで最も並びが安定しています。

頻出単元と周期

分野 精読した 3 年での中身 補足
生物 種子の発芽(2023)・葉のつくりとはたらき(2024)・種子と共生(2025) 植物が 3 年連続。動物・人体は 3 年間出ていない
化学 熱と状態変化(2023)・燃焼の計算(2024)・中和の計算(2025) 3 年とも比例計算を伴う題材
物理 浮力と密度(2023)・ばねと運動(2024)・電流と電力(2025) 力学 2 年・電気 1 年
地学 火山・地層(2023)・地震(2024)・太陽(2025) 地震・火山は 2 年連続(2023・2024)

長い目で見ると、この学校は地震・火山、ふりこと物体の運動、植物のつくり、熱と状態変化、こん虫と動物の分類を柱にしてきました。分野の偏りは小さく、4 分野が毎年まんべんなく出るのが特徴です。

問い方の特徴

今からやるなら(理科・7 節に無い分)

  1. 理由を 1〜2 文で書く練習を週 3 問。「なぜそうなるか」を、実験結果を根拠に書きます。字数指定はないので、短く言い切る形を身につけます。
  2. 比例計算(燃焼・中和・電力)を反復します。3 年とも化学は比例計算でした。「A が 2 倍なら B も 2 倍」を表で整理する解き方に慣れます。表や料金表を読み取って「どこが分かれ目になるか」を求める練習もここに含めます。
  3. 積み上げ式の実験問題を通しで解きます。(1) の答えを (5) で使う構成なので、途中で答えを書き残すクセをつけます。
  4. 地学は地震・火山・太陽の 3 本柱。震度とマグニチュードの違い、南中高度の求め方、火山灰の粒の形の違いは押さえておきます。
  5. 暮らしの中の理科に興味を向けます。冷蔵庫・ドライヤー・ブレーカー・電気料金・燃料電池と、家庭の道具が毎年題材になっています。

8-3. 社会(40 分・70 点・大問 3〜4・小問 27〜34)

精読した年: 2023・2024・2025。2024・2025 の転写には誤字が混ざりますが、設問の骨格と選択肢は読み取れました。

年度×大問の題材表(2023〜2025)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2023 地理
4 つの都市を紹介する文章群・高松/新潟/高知など・工業地域・養殖・雨温図・地形図
公民(2022 年 7 月の参議院選挙・野党・衆議院の優越・総務省) 歴史(医学の歴史をたどる通史・倭の五王から近代の製薬業まで)
2024 地理(世界地図の緯度経度・雨温図 4 つ・県境) 地理
授業の対話文・大井川/温泉/鞆の浦・貿易港・地形図・棚田の景観
公民(2017 年の臨時国会召集問題・小選挙区制・裁判員制度) 歴史(日本の世界遺産をたどる通史・縄文から富岡製糸場まで・15 問)
2025 地理
授業の対話文・輸送手段の比較・静岡/富山・地形図・2024 年問題・国内輸送のグラフ
歴史(弥生・奈良・鎌倉・江戸・明治・昭和の 6 つの文章) 公民・国際(難民問題・UNHCR・出入国在留管理庁・緒方貞子)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

社会は大問の数が 3〜4 と動きますが、中身の配置は 3 年とも同じです。

頻出単元と周期

単元 出た年
地形図の読図/雨温図・気候の判別/都道府県・地域の同定 2023・2024・2025(3 年連続)
江戸時代/飛鳥・奈良時代/近代の戦争と大正・昭和前期 2023・2024・2025(3 年連続)
農業・畜産/工業・産業構造(地理の大問の中で) 2023・2024・2025(3 年連続)
三権分立・国会・内閣・裁判所 2023・2024(2 年連続。2025 は国際分野に置き換わった)

長い目で見ると、この学校の社会は地形図の読図が最大の柱で、次いで江戸時代・都道府県の同定・日本の地形・近代の戦争が続きます。地理と歴史でおおむね 7 割、公民と国際で 3 割という配分が続いています。

問い方の特徴

今からやるなら(社会・7 節に無い分)

  1. 通史を「テーマで縦に読む」練習をします。医学・世界遺産・交通というテーマで原始から現代までつなぐのがこの学校の歴史の作り方です。教科書を時代順ではなくテーマ順に読み直す時間を取ります。
  2. 並べかえ問題を専門に練習します。3 年連続で出るので、「同じ時代の中の前後関係」(例: 大塩平八郎の乱と天保の改革)まで詰めます。
  3. 「正しいものを 1 つ」と「誤っているものを 1 つ」を読み分ける訓練をします。設問文の該当語に印をつけてから選択肢に入ります。あわせて正誤の組み合わせ問題(A・B 両方を判定する形)も集めて解きます。
  4. 用語を「読める」から「漢字で書ける」へ。3 年とも漢字指定が多いです。
  5. 時事を公民とつなげます。前年の選挙・国際情勢のニュースを、教科書のどの単元にあたるか調べる習慣をつけます。
  6. 記述は写真・グラフを見て「〜だから〜である」の 1 文にまとめる形で書きます。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 26〜28。2016・2018・2019 年度で確認)

国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2016・2018・2019 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。資料にあるのは 2010・2014・2015・2016・2018・2019 の 6 年分で、精読したのはこのうち新しい 3 年(2016・2018・2019)です。

年度×大問の題材表(2016・2018・2019)

年度 大問 1 大問 2(物語・小説) 大問 3(説明文・論説)
2016 漢字の書き取り 7 問+「共通の漢字一字」3 問 小川糸『あつあつを召し上がれ』(父の四十九日にきりたんぽの鍋を囲む母娘) 斎藤成也『日本列島人の歴史』(インターネットの登場と人類文明)
2018 漢字の書き取り 10 問(後半は同音異義語のペア) 小川未明「いなかのお母さん」(奉公先のおみつに母から届く小包) 花里孝幸『生態系は誰のため?』(琵琶湖産アユの放流と生態系への影響)
2019 漢字の書き取り 10 問(後半は同音異義語のペア) 山本有三「フリードリヒ大王と風車小屋」(大王と粉屋のやりとり) 原田信男『神と肉』ほか(人類の進化と脳・肉食。A・B 2 つの文章の読み比べ)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

頻出と周期

3 年連続で出たのは、漢字の書き取り 10 問/字数指定の記述 4 問/記号選択(内容・心情・理由)/抜き出し(初めの五字・○字で)/空欄補充(接続語・語句・漢字一字)の 5 つです。文の並べ替えとかかり受け(どの言葉にかかるか)は 2018・2019 の 2 年連続。四字熟語は 2016、表現技法(擬人法・直喩など)は 2018、本文の内容と合うかを ○× で答える問題は 2016 に出ました。

説明文の題材には色があります。精読した 3 年はいずれも生き物・自然・人類史で、2018 は琵琶湖産アユの放流と生態系、2019 は人類の脳の進化と肉食、2016 は日本列島人の歴史とインターネット。理科の大問 1(実物観察)や社会の地理と地続きの世界です。物語のほうは、2016 が亡くなった父を思う母娘、2018 が奉公先の少女と母、2019 が王と粉屋と、家族・立場の違う人どうしの心のやりとりが題材になっています。

問い方の特徴

今からやるなら(国語・7 節に無い分)

  1. 字数指定の記述を週 4 問。20 字・40 字・60 字・90 字と長さを変えて書きます。1 問は短く言い切り、1 問は要素を 3 つ入れる、という書き分けを身につけます。
  2. 指定語を使う記述の練習。与えられた語を全部使って 60〜90 字にまとめる形は、要素を並べてからつなぐ手順で書きます。
  3. 説明文は生き物・自然・人類史を中心に読みます。3 年ともこの系統でした。理科の学習ともつながります。
  4. 段落構成を掴む練習。読んだ説明文に自分で小見出しをつけ、前半と後半の切れ目に線を引きます。
  5. かかり受け・文の並べ替えを文法問題集で 1 冊分やります。2 年連続で出ています。抜き出しは字数を先に見て候補を絞る手順に慣れます(「初めの五字」「十字以内」と細かく指定されます)。
  6. 物語は「立場の違う人の気持ち」を追います。親と子、雇う側と雇われる側、王と職人。自分と違う立場の人物の心情を言葉にする練習をします。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

精読した 3 年(2023〜2025、国語は 2016・2018・2019)には出ていないか、大問としては出ていないものの、この学校が長く出してきた単元です。過去問演習では「出なかった単元」として飛ばさないほうがよいものをまとめました。最終確認年度は、このレポートの資料でその単元を最後に確認できた年度です。

科目 単元 最終確認年度 状況
算数 立体の切断・投影図 2025(大問 1(5) の小問) 2025 は大問 1 の小問で出たが、独立した大問としては 3 年間なし。大問 1 題として出た年もある
算数 図形の回転(回転体の体積・表面積) 2024(大問 1(7) の小問) 2024 は大問 1 の小問のみ。過去には「軸のまわりに回転させてできる立体の表面積」という同じ問い方が複数年に現れている
算数 場合の数 2023(大問 1(6)) 2023 大問 1(6) 以降、独立した大問としては出ていない
算数 資料の読み取り・平均 2023(大問 1(5) の平均算) 2023 大問 1(5) の平均算以外は 3 年間出ていない
理科 こん虫・動物の分類 精読した 3 年では確認できず 2010 年代には大問 1 の定席。生物が 3 年続けて植物なので、動物側に戻る余地がある
理科 人体(消化・呼吸・血液循環) 精読した 3 年では確認できず 3 年間なし
理科 月・星と星座 精読した 3 年では確認できず 天体は 2025 に太陽で出たが、月と星座は 3 年間なし
理科 気体の性質・水溶液の判別 2025(大問 2(7) の小問) 判別の小問が入った程度で、大問としては出ていない
理科 実験器具の操作 2023(大問 3(9) の「安全な装備」) それ以外は独立して出ていない
社会 地方自治 精読した 3 年では確認できず 2010 年代には繰り返し出ていた
社会 日本国憲法の条文・基本的人権 精読した 3 年では確認できず 3 年間、正面から問われていない。公民は国会・内閣・裁判所と時事に寄っている
社会 人口・都市問題 2024(大問 2 問 9 に絡んだ程度) 大問としては出ていない
社会 史料の読み取り(古文書など) 精読した 3 年では確認できず 歴史は写真と年表が中心で、3 年間、原文の史料は出ていない
社会 世界地理(緯度経度・世界の都市) 2024 2024 のみ。1 年おきに戻る可能性がある
国語 詩・短歌・俳句 精読した 3 年では確認できず 2019 年度までの精読した 3 年では出ていない
国語 本文の内容と合うかを ○× で答える問題 2016(大問 3 問 9) 2016 に出た形が 2018・2019 では見られない
国語 四字熟語・ことわざ・慣用句のまとまった知識問題 2016(四字熟語 1 問) 大問 1 の枠は漢字に寄っている

国語については 2020 年度以降の資料が無いため、上の「出ていない」は 2019 年度までの話です。


10. 形式面の注意

4 科目共通

算数

理科

社会

国語


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

小 4(土台)

計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。獨協で最終的に効く単元の入口だけ触れておきます——分数と小数の混じった四則計算(算数の大問 1(1) の形)、割合の考え方(食塩水の入口)、植物と身のまわりの生き物の観察(理科の大問 1 の入口)、地図記号と地図の見方(社会の地形図の入口)。時間の計測はまだしません。理科は「外で見たものをスケッチして特徴を書く」遊びをこの時期にやっておくと、6 年後にそのまま得点になります。

小 5(幅)

単元プールを一巡します。8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一度は触れる単元リスト」として使うとよいでしょう。

1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の単元を順に当て、週末 60 分を社会の地形図・雨温図と国語の記述にあてる、という配り方です。

単元の順番は次のとおりです。算数は食塩水 → 速さ → 規則性 → 水量とグラフ → 立体の切断 → 場合の数(水量とグラフ・立体の切断・場合の数は受験用教材の単元です)、理科は 4 分野を均等に(この学校は分野の偏りが小さいです)、社会は地形図の読図と雨温図をこの学年で完成させておくと小 6 が楽になります。国語は字数指定の記述(20 字・40 字・60 字)に慣れる時期です。獨協の国語は記述が毎年 4 問で、字数の幅が広いです。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無いので、この指示は 2019 年度までの出題にもとづくものです(→ 13 節)。

小 6(仕上げ)

7 節の 8 項目に集中します。夏以降の過去問は、「同じ座席を縦に」解く使い方が特に効く学校です。年度通しで解くのと並行して、「算数の大問 1 だけを 3 年ぶん」「理科の大問 1 だけを 3 年ぶん」「社会の地形図の問題だけを 3 年ぶん」という縦の解き方を必ず入れます。時間を計るのは社会と理科を優先します(読む量が多いためです)。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか

獨協は「その場で観察して書く」「その場で規則を見つける」問題の比重が高い学校です。こういう力は直前期の詰め込みでは伸びにくく、小 4〜小 5 に手を動かして観察する・自分の言葉で理由を書く時間をどれだけ取ったかが効いてきます。逆に、大問 1 の固定枠(算数の計算 4 問、国語の漢字 10 問)は小 6 の反復で十分に間に合います。つまり早く始める価値があるのは「観察と記述」、遅く始めても取り返せるのが「固定枠の反復」——この見分けがこの学校では特にはっきりしています。


12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)

観点は過去問演習が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・共学か男子校かの選び方には触れません。日程の重なりは注記だけ写しました。近さは自動集計によるもので(出題構造の距離と単元分布の類似を合成したもの。100 に近いほど構造が近い)、上位 3 校は次のとおりです。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。

獨協の第 2 回は 2 科(国語・算数)なので、併願先が 4 科目校の場合、理社は第 2 回の準備とは別に立てる必要があります。

ただし注意が要ります。獨協の「理科の大問 1 で実物を観察してスケッチする」「算数の最後の大問がその年の西暦の会話文」という 2 つの特徴は、近い 8 校のどこにも同じ形では見当たりません。この 2 つだけは獨協の過去問でしか練習できません。近さの数字は「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回し」と単元分布から自動集計で計算したもので、同じ問題が出るという意味ではありません。


13. 資料の限界

資料どうしの食い違い


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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