城西大学附属城西中学校 の過去問分析
城西大学附属城西中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
城西大学附属城西中学校 過去問分析(2022〜2026 年度・5 年分/国語は 2010〜2018 年度)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都豊島区 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回(2 月 1 日午前・2 月 1 日午後)/第 2 回(2 月 2 日午前)/第 3 回(2 月 5 日午前)は、2 科(国語・算数の 200 点満点)か 4 科(国語・算数・理科・社会の 320 点満点)を選ぶ。第 4 回(2 月 7 日午前)は 2 科のみ(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 30 分 60 点・社会 30 分 60 点。2 科なら合計 200 点、4 科なら合計 320 点 |
| そのほかの受け方 | 第 2 回には適性検査での受験もある(都立共通問題に合わせた検査Ⅰ・Ⅱか、都立大泉中に合わせた検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲかを選ぶ。各 45 分 100 点。大泉中に合わせた 3 検査は学力スカラシップ制度の優先認定の対象)。第 1 回〜第 4 回には英語資格を使う受け方(英語Ⅰ・Ⅱ)もある |
| 帰国生入試 | 12 月 4 日と 1 月 13 日の 2 回(合わせて 5 名)。Ⅰ は 2 科+面接(日本語のみ)、Ⅱ は CEFR A2 以上の受験生が対象で面接のみ。時間・配点は募集要項で確認 |
| 面接 | 一般入試に面接は無い。面接があるのは英語資格を使う受け方と帰国生入試 |
| 募集人数 | 一般入試は合計 100 名。学力スカラシップ制度がある |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行問題(数行で終わる短い文章題)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科目すべてで、どの大問に何が出るかが決まっています。算数は大問 1 = 計算+一行問題 10 問、大問 2 = 角度、大問 3 = 斜線部分の面積、最後の大問 = 規則性が 5 年連続です。
- 理科は生物 → 化学 → 物理 → 地学の順が 5 年連続で、化学の座席(問題の置き場所)には毎年「水溶液の判別か中和」が来ます。社会は地理 → 歴史 → 公民、国語は説明文 → 物語文 → 知識・資料の並びです。
- しかも数年おきに、同じ問題が数値だけ替わって戻ってきます(算数の円の面積・回転体・追いかける速さ)。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1〜3 の 15 問だけを 5 年ぶん、枠ごとに縦に解きます(1 回ぶん 23 問のうち 15 問がここです)。
- 理科の化学(水溶液の判別と中和)を 5 年ぶん続けて解きます。
- 社会の「資料から理由を書く記述」を、資料の数値を引きながら 1〜2 文で書く練習をします。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 の 10 問を 1 年ぶんだけ解いて、15 分で抜けられるかを計ってみます。
注意
- 算数は 2024 年度に 6 題・20 問から 7 題・23 問へ、理科は 2025 年度に 5 題から 4 題へ変わりました。演習の基準は新しいほうに置いてください。国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 注記 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 5 年(2022〜2026) | 0 年 | 11 年(2010〜2026 のうち 11 年) | 大問 1 が計算・一行問題 10 問、最後の大問が規則性という並びが 5 年とも同じ。2024 年度から大問 7 題・小問 23 問に増えた |
| 理科 | 3 年(2024〜2026) | 2 年(2022・2023) | 11 年(2010・2016〜2020・2022〜2026) | 2025 年度から大問 5 題・小問 24 問が 4 題・17〜22 問に減った。図そのものは転写に含まれない |
| 社会 | 3 年(2024〜2026) | 0 年 | 11 年(同上) | 大問 3 題で安定。地図・グラフ・写真の細部は転写に含まれない |
| 国語 | 3 年(2010・2016・2018) | 0 年 | 3 年(2010・2016・2018) | 2019 年度以降の問題文は資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
資料そのものについて気づいたこと
原本を読んで、手元の自動集計・索引と食い違った点を挙げます。このレポートは、食い違った箇所ではすべて原本を採りました。
- 算数の大問 1 が、集計では「四則計算」1 単元で代表されていました。実際の大問 1 は独立した 10 問の集まりで、計算・単位換算・割合・売買損益(原価・定価・割引の計算)・場合の数・数の性質・角度・平均算(合計=平均×回数に戻して解く)と 8 単元にまたがります。この学校の算数でいちばん対策が効く場所が、集計上は「計算」1 語に畳まれて見えなくなっていました。
- 理科の座席(問題の置き場所)の索引に「大問 1 = 生物が 3 年連続(2024〜2026)」とありますが、2024 年度の大問 1 は 4 択の一問一答 8 問で、生物・化学・物理・地学の全分野にまたがります。先頭の小問(肺呼吸を行わない動物)が生物だったために生物と記録されたものです。原本で並べ直すと、本当の座席は「生物 → 化学 → 物理 → 地学」の 5 年連続でした。
- 社会の「字数指定のある冊が 55%」は、文字種の指定を拾ったものでした。「漢字 3 字で」「カタカナ 4 字で」は多いのですが、精読した 3 年(2024〜2026)に「〇字以内」という字数指定は 1 問もありません。
- 国語の「字数指定のある冊が 0%」は、逆に原本と合いません。精読した 3 年すべてに字数指定があります(2010「三十字以上四十字以内」、2018「五十字以上六十字以内」など)。
- 理科の「時事の語が多い」も原本で確認できませんでした。精読した 3 年の設問文にニュース由来の題材は見あたりません。時事の要素があるのは社会のほうです。
- 2018 年度の国語の大問 3 が、転写では 1 小問に畳まれています(実際は (ア)〜(オ) の 5 つ分を答えます)。2010 年度の国語の大問 3 も設問番号が (1)〜(5) のあとに (2) が来ていて通っていません。この 2 か所は小問数の集計に使わず、中身だけを読みました。
- 座席の索引には算数の一部の行しか載っていません(理科・社会・国語の行がほとんどありません)。原本を年度順に並べ直せば、理科の 4 分野の並び・社会の 3 大問の並び・国語の 3 大問の並びはいずれも座席が固定されています。索引に無いことは、座席が無いことを意味しません。
- 他校の混入は見つかりませんでした。各年の冊子の校名表記が「城西大学附属城西中学校」で一致しているうえ、算数の登場人物が「城さん」「西さん」(2025)、設問文に「城西中学校 320 名」(2023)「城西中学校の部活動への入部率」(2025)、社会の登場人物も「城さん」(2025・2026)と、自校の名前が繰り返し出てきます。資料の身元は確かだと考えてよいところです。
5. 一番大きな結論
城西大学附属城西は「どの大問に何が出るか」が 4 科目すべてで決まっている学校です。しかも、数年おきに同じ問題が数値だけ替わって戻ってきます。
原本で確認できた座席の固定は次のとおりです。
| 科目 | 固定されている座席 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 算数 | 大問 1 = 計算+一行問題 10 問/大問 2 = 角度 2 問/大問 3 = 斜線部分の面積/最後の大問 = 規則性 | 5 年連続(2022〜2026) |
| 理科 | 生物 → 化学 → 物理 → 地学 の順/化学は毎年「水溶液の判別か中和」 | 5 年連続(2022〜2026) |
| 社会 | 大問 1 = 地理/大問 2 = 歴史/大問 3 = 公民(小問 5〜7 問と最も小さい) | 精読した 3 年(2024〜2026)で一致 |
| 国語 | 大問 1 = 説明文(抜き出しが主軸)/大問 2 = 物語文(記号選択が主軸)/大問 3 = 知識・資料 | 精読した 3 年(2010・2016・2018)で一致 |
ここで言う「座席が固定されている」とは、同じ種類の問題が毎年同じ場所に出るということで、同じ問題がそのまま出るという意味ではありません。ただしこの学校には、設問文まで同じという場所も実在します。
- 算数「直径が 8cm の円の面積は □ cm² です。」が 2023 年度と 2026 年度で一字一句同じ。
- 算数の回転体の大問が、2022 年度と 2025 年度で 1 辺の長さと軸の名前以外まったく同じ導入文(小問も体積・表面積で同じ)。
- 算数の「分速 80m で歩いて駅へ、12 分後に忘れ物に気づいた家族が追いかける」速さの問題が、2022 年度と 2025 年度で数値ごと同じ骨組み。
一方、この 5 年で本当に作りが変わった場所も 2 つあります。算数は 2024 年度に大問 6 題・20 問から 7 題・23 問へ増えました。理科は 2025 年度に大問 5 題から 4 題へ減り、冒頭にあった 4 択の一問一答 8 問が無くなりました。どちらも直近 2〜3 年の形が続いているので、演習の基準は新しいほうに置きたいところです。
したがってこの学校の過去問の使い方は、①同じ座席の問題を年度をまたいで縦に並べて解く(算数の大問 1〜3、理科の化学、国語の大問 1)、②時間の使い方を身につける(社会は長い読み物 3 本を 30 分、理科も 30 分)、の 2 つになります。とくに算数は 23 問中 15 問が毎年同じ顔ぶれの場所で、ここで取れるかどうかが大きいところです(手順は 過去問の使い方)。
4 科目に共通しているのは、「難問を積み上げる」のではなく「決まった場所の標準問題を落とさない」設計です。算数の記号選択ゼロ・理科と社会の記述・国語の抜き出しと、答え方の作法だけは科目ごとにはっきり違います。
6. この学校らしさが出る場所
- 「城さん」と「西さん」が登場人物になります。 算数 2025 の大問 4「城さんと西さんの持っているアメの個数の比」、大問 5「城さんは、午前 8 時に家を出発し」。社会 2025 の大問 1「城さんと西さんが、夏休みの思い出について先生と話しています」、大問 2「夏休みに奈良へ旅行に行った城さん」、2026 の大問 2「夏休みに宮城県大崎市の鳴子温泉に旅行に行った城さん」。校名を分けた 2 人が問題文を歩き回るのが、この学校の目印です。
- 自校がそのまま数字になります。「城西中学校 320 名の中に自転車通学している生徒は 48 名」(算数 2023)、「城西中学校の部活動への入部率は 76% で 247 人」(算数 2025)。
- 社会は「旅行の記録」から歴史に入ります。奈良(2025)、宮城県鳴子温泉(2026)。旅先で見たもの——横断幕、こけし、温泉の由来、運休している路線——を手がかりに、鎌倉時代から昭和までを横断して問います。その土地を歩いた人の目線で歴史をたどらせる作りが 2 年続いています。
- 理科は「身近な道具」から入ります。はさみとスコップ(2022)、メトロノーム(2023)、年末の大そうじで使う重そう(2026)、夏に伸びる電車の線路(2025)、凸レンズ(2026)。用語を先に出さず、道具の仕組みを説明させてから用語に着地させる作りです。
- 答えが一つに決まらない問題を社会に置きます。「投票率を上げるためにできることは何か、グラフを参考にしてあなたの考えを述べなさい」(2025)、「【意見 1〜4】を読んだ上で、陸羽東線の復旧についてあなたはどう考えるか」(2026)。採算性・住民の足・災害時の代替という 4 つの意見を読ませてから立場を書かせる形で、正解のある問題ではありません。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先にしてください。同じ座席を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の 10 問を 5 年ぶん、枠ごとに縦に解く — 1 回ぶん 23 問のうち 10 問がここです。計算 3 問・単位換算・割合と売買損益・場合の数・数の性質・正多角形の角度、という並びが見えます。ここを 15 分で抜けられるかが算数の全体を決めます。うち 1 問は必ず分配法則でくくる工夫算で、そのまま計算すると時間を失う作りになっているので、独立して練習する価値があります。単位換算は「時間・面積・体積・重さ」の 4 系統で総ざらいを。ha・t・秒・cm³ が実際に出ていて、比の形(6.4m : □cm = 16 : 7)で問われることも多いところです。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 2(角度)と大問 3(斜線部分の面積)を 5 年ぶん — 合わせて 5 問。角度は平行線と錯角・同位角、正多角形の内角、三角定規の重ね、長方形の折り返しの 4 種類で 5 年ぶんがほぼ埋まります。面積は円とおうぎ形の複合、長方形・正方形・ひし形の重なり、面積比の 3 系統。大問 3 は 2024 年度から 3 問に増えたので、そのぶん配点も増えています。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・最後の大問(規則性)の (1) と、「考え方や式も書きなさい」の 1 問 — 規則性は 5 年連続で最後の大問です。しきつめ(2022)・マッチ棒(2023)・2 種類の数が交互に並ぶ数列(2024)・段状に並ぶ奇数(2025)・テープの重なり(2026)。(1) は素直に数える問題、(2) は逆に問う問題という作りが 5 年とも共通なので、(1) は必ず取りたいところです。記述は毎年 1 問だけで、後半の大問のどこかに付きます。式に一言添える書き方を練習し、時間切れにしないことです。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・水溶液の判別と中和 — 5 年連続で化学の座席に来ています。リトマス紙・BTB 溶液・石灰水・気体の発生を表にまとめ、「実験結果の表から水溶液を特定する」作業を年度をまたいで 5 回やります。あわせて、当日は「大問 1 は生物、大問 2 は化学、大問 3 は物理、大問 4 は地学」と決めて回せます(5 年連続)。地学は天体(星の日周運動・月・地軸)と地震・気象・岩石の 4 本で、最後の大問なので時間が残っていないと落としやすく、先に解いてしまう手もあります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・資料から理由を書く記述 — グラフ・地図・写真を根拠にして 1〜2 文。毎年 2〜5 問あり、配点も大きいと考えられます。根拠として資料の数値や変化を必ず引くのが、この学校の記述の作法です。あわせて「あなたの考えを述べなさい」にも備えます。2025・2026 の 2 年連続で、複数の意見や統計を読ませてから自分の立場を書かせています。賛成・反対のどちらでもよいので、理由を資料に結びつける書き方を身につけたいところです。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・公民と、地理の資料読み取り・歴史の通史・文字種の指定 — 大問 3(公民)は小問 5〜7 問と少ないのですが、3 年ともここから出ています。日本国憲法の三大原則・平和主義・第 9 条、選挙権年齢と選挙制度の長所短所、国会と内閣と裁判所の 3 本で固めます。地理は用語の暗記より、雨温図・生産量のグラフ・分布地図・統計表を見て日本のどこか・何かを当てる練習が効きます。歴史は 1 つの時代を深掘りする作りではないので、縄文から昭和までを一度通し、各時代の「正しい説明」を選べるように。人物(源頼朝・北条氏・杉田玄白・吉野作造・平塚らいてう・千利休)は説明文とセットで覚えます。「漢字 2 字」「カタカナ 4 字」で答える問題が毎年あるので、用語は漢字とカタカナの両方で書けるようにしておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語・字数指定つきの抜き出しと、接続語・記号選択・記述・語句 — 「〇字で」「〇字以内で」「最初の五字を」が説明文の中心です。指定字数を数えて合わせる練習を、市販の問題集でよいので数をこなします。接続語の空欄補充は 3 年とも説明文の前半にあり、「だから・しかし・つまり・たとえば・なぜなら」の使い分けを前後の文の関係で判断します。物語文は理由・心情・人物像を問う 4 択で、本文の記述と選択肢を照らす作業。20〜60 字の記述は「本文中の言葉を使って」の指示があるので、本文から使う語を先に決めてから文を組みます。語句の意味とことわざ・慣用句・熟語は、物語文の冒頭と大問 3 の両方で出ます。「一石二鳥」のような数字入りの慣用句と、体の部分を使う慣用句を一巡しておきます。(確認: 〜2018 年度)
- [週 1 回] 理科・「答え+理由」の記述と、理科・社会の 30 分の配分 — 理由の主語を「表の数値が」「成分が」にして、根拠を必ず 1 つ入れます。毎年 2〜4 問あります。表の空欄を埋める計算も数多くこなしておきます(与えられた関係式にあてはめる形なので、比例・反比例の読み取りができれば取れます)。同じ週 1 回の枠で、理科と社会の 30 分の配分も一度決めておきたいところです。社会は読み物が長く、理科は記述があります。どちらも「先に小さい大問を片づける」配分を一度試しておくと、当日の迷いが減ります。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を並べておきます。最優先で時間をかける価値のあることは 7 節に一本化しました。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 |
|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。50 分・大問 7・小問 23(2024 以降)。記号選択は 5 年でゼロ、記述は毎年 1 問だけ | 大問 1〜3 の 15 問は毎年同じ顔ぶれ。大問 4〜6 は文章題と立体で毎年作り直し。最後は必ず規則性 |
| 理科 | 高い。30 分・大問 4(2025 以降)・小問 17〜22。生物 → 化学 → 物理 → 地学 の順 | 化学は 5 年連続で水溶液の判別か中和。物理は身近な道具から入る。記述が毎年 2〜4 問 |
| 社会 | 高い。30 分・大問 3・小問 27〜32。地理 → 歴史 → 公民 の順 | 導入の読み物が長い。資料(グラフ・地図・統計)から読み取る問題が毎年複数。記述は 2〜5 問 |
| 国語 | 高い(精読した 3 年)。50 分・大問 3・小問 21〜23 | 説明文で抜き出し、物語文で記号選択、大問 3 で知識または資料。字数指定が細かい |
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6〜7・小問 20〜23)
年度×大問の題材表(精読した 5 年・2022〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 計算+一行問題 10 問 | 角度(平行線と正三角形/長方形の折り返し) | 面積(正方形とおうぎ形/平行四辺形) | 速さ(弟を兄が追いかける) | 回転体(1 辺 5cm の正方形を並べた図形) | 規則性(正三角形のしきつめ) | — |
| 2023 | 計算+一行問題 10 問 | 角度(三角定規の重ね/正五角形) | 面積(半径 6cm の円/長方形と正方形の重なり) | 平均算(男女別平均・4 人のテスト) | 回転体 | 規則性(マッチ棒の正方形) | — |
| 2024 | 計算+一行問題 10 問 | 角度(正六角形) | 面積(正六角形/長方形と三角形の面積比/正方形に接する円) | 割合と比・和差算(所持金のやりとり/3 色の袋) | 流水算(P 地点と Q 地点・2 そうの船) | 立体の切断(直方体を 3 点で切る) | 規則性(2,1,4,4,6,9,8,16… の数列) |
| 2025 | 計算+一行問題 10 問 | 角度(平行線/二等辺三角形の組み合わせ) | 面積(同心円 3 つ/長方形の組み合わせ/長方形に正方形 3 つ) | 割合と比(城さんと西さんのアメ) | 速さ(城さんを母が自転車で追いかける) | 回転体(1 辺 2cm の正方形を並べた図形) | 規則性(1/3,5/7,9,11… の段) |
| 2026 | 計算+一行問題 10 問 | 角度(平行線) | 面積(長方形/ひし形と円/影の部分) | 和差算(A・B・C 3 種類のおもり) | 和差算(毎月同額のおこづかいと貯金) | 水量とグラフ(直方体の容器を 45 度かたむける) | 規則性(10cm のテープを重ねる) |
表に出てくる和差算(和と差から 2 つの数を求める)・流水算(川の流れと船の速さ)・平均算・売買損益は受験用教材の単元です。中身は 用語集 にあります。
座席の固定
| 座席 | 中身 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 大問 1 | 計算 3 問+一行問題 7 問=10 問 | 5 年連続(2022〜2026) |
| 大問 2 | 角度 2 問(「次の図のア, イ の角の大きさを求めなさい」) | 5 年連続(2022〜2026) |
| 大問 3 | 斜線部分(2026 は「影の部分」)の面積 2〜3 問 | 5 年連続(2022〜2026) |
| 最後の大問 | 規則性・数列 2 問 | 5 年連続(2022〜2026。2022・2023 は大問 6、2024〜2026 は大問 7) |
| 後半のどこか 1 問 | 「この問題は考え方や式も書きなさい」と指示のある記述 1 問 | 5 年連続(2022 大問 5(2)・2023 大問 4(2)・2024 大問 7(1)・2025 大問 6(1)・2026 大問 6(2)) |
つまり 23 問中 15 問(大問 1 の 10 問+大問 2 の 2 問+大問 3 の 3 問)が、5 年間ずっと同じ顔ぶれの場所です。毎年作り直されるのは大問 4〜6 の文章題・立体の中身だけと言ってよいところです。
2024 年度に大問が 6 題・20 問から 7 題・23 問に増えました。増えたのは大問 3 の面積が 2 問から 3 問になったぶんと、大問が 1 つ増えたぶんです。これは本当の変化で、2016〜2023 年度の 8 冊はすべて 6 題・20 問、2024〜2026 年度の 3 冊はすべて 7 題・23 問でした。各年の冊子は表紙の校名が「城西大学附属城西中学校」で一致しており、別の回や別の学校の冊子が混ざった形跡はありません(設問番号の枝番も年度ごとに 1 冊ぶんとして通っています)。
大問 1 の 10 枠(ここが最大の得点源)
5 年ぶんを枠ごとに並べると、こう並びます。
- (1)〜(3) は計算 3 問。うち 1 問は必ず「分配法則でくくると速くなる」作りになっています(2022「5.3×4.3−4.3×2.3」、2024「51×9−34×13+17×3」、2025「5.25×5+5.25×6−5.25×8+5.25×4.4−5.25×6.6」、2026「3×8×125−15×2×15−4×131」の 4 年)。2023 も「1/5×(5+10+15+…)」でまとめる作りでした。5 年とも小数と分数の混じった計算が 1 問入ります。
- 単位換算・比の逆算(□にあてはまる数を求める計算)が 1〜2 問(5 年連続)。cm³ と L(2022)、6.4m : □cm = 16 : 7(2023)、時速 1.8km を秒速 □m・11657 秒を時間分秒(2024)、24ha を m²・2.6 時間 : □分 = 12 : 5(2025)、0.009t を g(2026)。時間・面積・体積・重さの単位をまたぐ換算が毎年出ます。
- 割合・売買損益が 1〜3 問(5 年連続)。とくに「◯% の利益を見込んで値段をつけたが、売れなかったので ◯% 割引にした」という売買損益は 2024・2026 の 2 年に出ていて、数値だけが違う同じ問題です。
- 場合の数が 1 問(2022・2023・2024・2025 の 4 年)。5 種類から 3 種類を選ぶ(2022)、硬貨の支払い方(2023)、0・1・2・3 のカードで 3 桁の偶数(2024)、6 枚から 2 枚を選ぶ(2025)。
- 数の性質(倍数の個数・約数)が 1〜2 問(2022・2024・2025 の 3 年)。「100 から 500 までの 11 の倍数は何個」(2022)、「100 から 200 までの 13 の倍数は何個」(2024)は、範囲と数を替えた同じ問題です。
同じ問題・同じ作りの問題(原本で両年を突き合わせて確認したもの)
- 「直径が 8cm の円の面積は □ cm² です。」 — 2023 年度の大問 1(6) と 2026 年度の大問 1(8) が一字一句同じ。両年の原本で確認しました。
- 回転体の大問。2022 年度の大問 5 は「1 辺が 5cm の正方形を下の図のように並べてできた図形があります。この図形を、直線 ア を軸として回転させてできる立体について」、2025 年度の大問 6 は「1 辺が 2cm の正方形を下の図のように並べてできた図形があります。この図形を、直線 A を軸として回転させてできる立体について」。導入文は 1 辺の長さと軸の名前以外まったく同じで、小問も (1) 体積・(2) 表面積で同じです。
- 追いかける速さの問題。2022 年度の大問 4 は「弟は、分速 80m で歩いて駅に向かいました。弟が家を出た 12 分後に、忘れ物に気づいた兄が、分速 240m で…」、2025 年度の大問 5 は「城さんは、午前 8 時に家を出発し、分速 80m で歩いて駅に向かいました。城さんが家を出てから 12 分後に忘れ物に気付いた母親が…」。分速 80m・12 分後・忘れ物という骨組みと数値が一致し、(1) は両年とも「追いつくのは何分後か」。(2) だけが違います(2022 は弟が引き返す、2025 は自転車を借りて分速 310m)。
3 年以上そろった逐語の反復ではないので「毎年同じ問題が出る」とまでは書きません。ただし、この学校は数年おきに同じ問題を数値だけ替えて出すことがある、とは言えます。
問い方の傾向(算数)
- 記号選択が 5 年でゼロ。答えを書く短答が 23 問中 22 問(96%)で、残り 1 問が「考え方や式も書きなさい」の記述です。
- 大問 1 は「次の □ にあてはまる数を答えなさい」で 5 年とも同文。答えだけを □ に入れる形なので、途中式は求められません。
- 大問 2 は「次の図のア, イ の角の大きさを求めなさい」で 5 年ともほぼ同文。アとイの 2 問セットが崩れたことはありません。
- 大問 3 は「次の図において、斜線部分の面積をそれぞれ求めなさい」(2022・2023・2025)「次の図の斜線部分の面積を求めなさい」(2024)「次の図の影の部分の面積を求めなさい」(2026)。言い方は揺れますが中身は同じです。
- 大問 4 以降は 2 小問セットで、(1) が素直な設定、(2) が条件を 1 つ足した設定になる作りが 5 年とも共通です。(1) だけを確実に取る方針が立てやすいところです。
8-2. 理科(30 分・60 点・大問 4〜5・小問 17〜24)
年度×大問の題材表(精読した 3 年は 2024〜2026、2022・2023 は構成だけ数えた年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 4 択の一問一答 8 問(全分野横断) | 生物(消化酵素と温度) | 化学(お酢とマグネシウム・水溶液の判別) | 物理(てこ・はさみ・スコップ・棒のつり合い) | 地学(地軸と自転・南中時刻) |
| 2023 | 4 択の一問一答 8 問(全分野横断) | 生物(照葉樹林と夏緑樹林・暖かさの指数) | 化学(5 つの溶液の判別と中和) | 物理(メトロノームとふりこ) | 地学(気象庁の観測・アメダス・雲量) |
| 2024 | 4 択の一問一答 8 問(全分野横断) | 生物(ヒトの血管と臓器・弁) | 化学(塩酸と水酸化ナトリウムの中和) | 物理(ばねののびと浮力・密度) | 地学(火成岩と鉱物の割合) |
| 2025 | 生物(フナ・変温動物・標識再捕) | 化学(無色透明な 6 種類の水溶液の判別) | 物理(鉄と木の熱膨張・線路ののび) | 地学(地震の P 波 S 波・到達時刻) | — |
| 2026 | 生物(蒸散の実験・気孔) | 化学(重そうと塩酸の中和・ドライアイス) | 物理(凸レンズの像・1/a + 1/b) | 地学(北極星と北斗七星・日周運動) | — |
座席の固定
理科は「生物 → 化学 → 物理 → 地学」の順が 2022〜2026 の 5 年連続で崩れていません。これは原本を年度順に並べて確認しました。2022〜2024 はその前に一問一答の大問が 1 つ付く形で、2025 からその大問が消えて 4 題になりました。
| 座席 | 中身 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 分野の並び | 生物 → 化学 → 物理 → 地学 | 5 年連続(2022〜2026) |
| 化学の座席 | 水溶液の判別または中和(酸性・アルカリ性・BTB 溶液・リトマス紙) | 5 年連続(2022〜2026) |
| 最後の大問 | 地学(天体・気象・地層・地震のどれか) | 5 年連続(2022〜2026) |
| 大問 1 | 4 択の一問一答 8 問 | 2022・2023・2024 の 3 年連続。2025・2026 には無い |
2025 年度に大問が 5 題から 4 題に減り、小問も 24 問から 17 問に減りました。 2025・2026 の冊子はどちらも読み取りの確度が高いもので、大問 1 の一問一答がまるごと無くなっています。これは資料の欠けではなく、実際の作りの変化と考えてよいところです(大問 1 が落ちているなら残り 4 題の番号が 2〜5 になるはずですが、2025・2026 とも 1〜4 で通っています)。2026 は 4 題のまま小問が 22 問に戻りました。
化学の座席に注目したい
5 年ぶんを並べると、化学の大問はほぼ毎年「水溶液を見分ける」か「中和させる」かのどちらかです。
- 2022: お酢とマグネシウム、水・レモン水・せっけん水の色の変化
- 2023: 溶液 A〜E を実験 1〜4 の結果から特定し、緑色にするのに必要な体積を計算
- 2024: 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液をいろいろな体積で混ぜ、表の色と数値を埋める
- 2025: 無色透明な 6 種類(アルコール水・砂糖水・炭酸水・石灰水・食塩水ほか)を実験結果から特定
- 2026: 重そうの水溶液のリトマス紙、塩酸を加えすぎたときの戻し方、結晶の観察、ドライアイスと BTB 溶液
「表になった実験結果から、どれがどの水溶液かを詰める」という同じ作業が 5 年続いています。ここは単元というより手順の訓練が効く場所です。
問い方の傾向(理科)
- 記述が毎年あります。2024 は 24 問中 3 問(12%)、2025 は 17 問中 2 問(12%)、2026 は 22 問中 4 問(18%)。文言は「理由を説明しなさい」「簡単に答えなさい」「〜にふれながら説明しなさい」で、精読した 3 年で字数の指定は 1 つもありません。
- 記述の中身は「答え+その理由」の 2 段構えが多くなっています。2024「玄武岩と流紋岩ではどちらの方が黒っぽいか答えなさい。また、表から読み取れるその理由を説明しなさい」、2026「風をあてると蒸散する水の量はどうなるか答えなさい。また、そのように考えた理由を説明しなさい」。表やグラフの数値を根拠に引くよう求められます。
- 作図が出る年があります。2026 は大問 4(5)「解答用紙の図に、北極星の位置を×で書きこみなさい」に言葉による説明を書き加える指示が付きます。2022 にも温度と反応速度のグラフを書く問題、はさみとてんびんの支点を矢印で指す問題がありました。
- 計算は「表の空欄を埋める」形が中心です。2025 は線路が 1m につき 1mm のびる条件からの計算、2026 は 1/a + 1/b が一定という関係を使う計算。式そのものは誘導文で与えられ、あてはめて計算させる作りです。
- 用語を漢字で書かせる問題があります(2023「漢字で答えなさい」)。気孔・変温動物・示準といった語は書けるようにしておきたいところです。
8-3. 社会(30 分・60 点・大問 3・小問 27〜32)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・2024〜2026)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民) |
|---|---|---|---|
| 2024 | 日本人と海のかかわり(海流・リアス海岸・三角州・地図記号・水揚げ量・G7 広島サミット)13 問 | 先生と生徒の会話文からオリンピックの歴史へ(縄文〜東海道新幹線・治安維持法・平塚らいてう)12 問 | 東日本大震災から政治へ(三権・デジタル庁・消費税・領域)7 問 |
| 2025 | 城さんと西さんの夏休みの会話(富山の雨温図・フェーン現象・合掌造り・日本アルプス・地形図と 8 方位・イタイイタイ病)11 問 | 城さんの奈良旅行の記録(奈良時代の税から満州国まで通史)14 問 | 選挙制度(財産による制限選挙から現在まで・投票率のグラフ)5 問 |
| 2026 | 戦後の世界の紛争(時差の計算・谷川俊太郎「朝のリレー」・石油の輸入・海外安全情報・ASEAN)10 問 | 城さんの宮城県鳴子温泉の旅行記録(稲作・減反・陸羽東線 /鎌倉幕府・平安時代・解体新書・吉野作造)12 問 |
終戦から日本国憲法へ(大日本帝国憲法との比較・平和主義)5 問 |
座席の固定
| 座席 | 中身 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 大問の数 | 3 題(地理 → 歴史 → 公民) | 精読した 3 年(2024〜2026)で一致。手元の自動集計では 2016 年度以降の 10 冊がすべて 3 題 |
| 大問 1 | 地理(長い説明文または会話文が入口) | 3 年連続 |
| 大問 2 | 歴史(通史を横断。1 つの時代に閉じない) | 3 年連続 |
| 大問 3 | 公民(小問 5〜7 問と、3 大問の中で最も小さい) | 3 年連続 |
歴史の大問 2 は、「城さんが夏休みに旅行した記録」を入口にする形が 2025・2026 の 2 年連続です(2025 は奈良、2026 は宮城県鳴子温泉)。2024 も先生と生徒の会話文が入口でした。読み物を読ませてから、そこに出てくる地名・人物・年号を手がかりに時代をまたいで問う作りが 3 年とも共通です。
頻出の中身
- 公民(大問 3)の骨格は「憲法・選挙・三権」です。2024 は三権分立と消費税と領域、2025 は選挙制度まるごと 1 大問、2026 は日本国憲法と大日本帝国憲法の比較・平和主義。日本国憲法は 3 年とも何らかの形で出ています。
- 地理(大問 1)は資料の読み取りが本体です。雨温図(2025)、水揚げ量の分布地図と輸入水産物の表(2024)、工業地帯の製造品出荷額のグラフ(2026)、明治 43 年の海水浴場の分布地図(2024)、外務省の海外安全情報の色分け地図(2026)。表・グラフ・地図から読み取って答える問題が毎年複数あります。
- 歴史は「時代の名前を答える」より「その時代の説明として正しいものを選ぶ」形が多くなっています。江戸・平安・鎌倉・奈良・近代がまんべんなく出て、特定の時代に偏りません。
- 前年の出来事や最新の資料が入ります。2023 年 5 月の G7 広島サミット(2024)、令和 3 年の年代別投票率(2025)、2025 年 8 月 20 日現在の海外安全情報(2026)。ただし「時事だけの大問」は 3 年とも無く、地理・歴史・公民の中に部品として入ります。
問い方の傾向(社会)
- 記号選択が主軸です。3 年とも記号選択が 43〜53%、短答が 33〜41%、記述が 6〜17%。「次のア〜エの中から 1 つ選び、記号で答えなさい」が基本形で、「2 つ選び」(2026 大問 3 問 2(1))「あてはまらないものを」「あやまっているものを」も混じります。
- 記述が毎年あります。 2024 は 2 問、2025 は 5 問、2026 は 4 問。中身は 2 種類に分かれます。
- 資料から理由を説明する記述: 「国土面積に比べて日本の海岸線が長いのはなぜですか」(2024)、「なぜ写真のような形の屋根をしているのか、富山の気候と関連させて」(2025)、「(減反)政策をとった理由を『米の生産量と消費量の変化』のグラフを参考にして」(2026)、「大日本帝国憲法の『人権の保障』が十分と言えない理由を資料を参考にして」(2026)。
- 自分の意見を書く記述: 「投票率を上げるためにできることは何か、グラフを参考にしてあなたの考えを述べなさい」(2025)、「【意見 1〜4】を読んだ上で、陸羽東線の復旧についてあなたはどう考えるか、自分の意見を述べなさい」(2026)。正解が一つに決まらない問題が 2025・2026 の 2 年連続で出ています。
- 文字種の指定が非常に多くなっています。「漢字 3 字で」「漢字 2 字で」「カタカナ 4 字で」「カタカナ 6 字で」「漢字で答えなさい」「解答らんに合うように」。守らないと点にならないので、ここは形式の練習が要ります。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 21〜23。2010・2016・2018 年度で確認)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2016・2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。ただしこの 3 年の間隔は 8 年あり、その間で作りが変わっていないことには意味があります。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2010 | 説明文(木と建築・「木は光の花である」)10 問 | 物語文(団地のベランダのペナントと畑)7 問 | 知識(誤字を探して直す 5 問+□に数字が入る四字熟語・ことわざ)6 問 |
| 2016 | 説明文(「聞く」ことが先・話し上手と聞き上手)9 問 | 物語文(雨の校庭とピアノ・「私」と麻衣)10 問 | 知識(熟語を一文に言い換える/説明にあうことわざ・慣用句)2 問 |
| 2018 | 説明文(オーロラはなぜ赤いか・太陽風)11 問 | 物語文(十年ぶりにふるさとの小学校の工事に関わる「僕」)9 問 | 資料の読み取り(フードバンクの文章と 2 つの図から (ア)〜(オ) を抜き出す)1 問 |
出典の表記が転写に残っていたのは 2016 年度だけで、大問 1 が斎藤孝『話し上手 聞き上手』、大問 2 が野中柊『ひな菊とペパーミント』。2010・2018 年度は本文末尾の出典表記が転写に残っていないので、書かないことにしました。
座席の固定
| 座席 | 中身 | 何年か |
|---|---|---|
| 大問 1 | 説明文・論説文の読解(抜き出しが主軸) | 精読した 3 年で一致(2010・2016・2018) |
| 大問 2 | 物語文の読解(記号選択が主軸) | 精読した 3 年で一致 |
| 大問 3 | 知識または資料の読み取り(本文を伴わない小さい大問) | 精読した 3 年で一致 |
| 大問 1 の最後 | 「本文の内容にあうもの(違うもの)を一つ選べ」の総合選択 | 精読した 3 年で一致(2010 問九・2016 問九・2018 問十) |
| 大問 1 の前半 | 接続語(そして・しかし・つまり・たとえば)の空欄補充 | 精読した 3 年で一致(2010 問一・2016 問三・2018 問二) |
説明文で抜き出しを問い、物語文で記号選択を問うという役割分担が、8 年の間隔をおいた 3 年でそろっています。
大問 1(説明文)の問い方
- 抜き出しが本体で、字数の指定が細かくなっています。「十五字で抜き出し、〜というありかたに続くように」(2010)、「三十一字で抜き出し、最初の五字を答えなさい」「七字で抜き出して」「二十字以内で抜き出し」(2016)、「十字で抜き出して」「二字で抜き出して」(2018)。指定字数ちょうどを探す精度が要ります。
- 接続語の空欄補充が 3 年ともあります。選択肢は「だから・しかし・まず・つまり・たとえば」(2010)、「なぜなら・ところが・たとえば・つまり」(2016)、「そして・しかし・たとえば・なぜなら・また」(2018)。
- 自由に考えて書かせる問題が混じる年があります。2018 の問一は「空らん X にあてはまる比ゆ表現を十字以内で自由に考えて答えなさい」。本文から抜くのではなく、自分で比喩をつくる問題です。
大問 2(物語文)の問い方
- 記号選択が主軸です。2016 は 10 問中 7 問、2018 は 9 問中 6 問が「もっともふさわしいものを一つ選び、記号で答えなさい」。理由・心情・人物像・関係を問います。
- 記述は 1〜3 問。字数指定つきのものがあります(2010「二十字以内」「三十字以上四十字以内」「十五字」)。
- 変わった知識問題が混じります(2010 問三の「一尾」などものの数え方、2016 問二の表現技法、2016 問八の漢字二字の補充)。
大問 3(知識・資料)の中身
3 年とも中身が違い、ここだけは作りが定まっていません。
- 2010: 「体育祭が雨で伸びた」のような文から誤字を探して正しい漢字に直す問題 5 問と、「一石□鳥」「□転び□起き」の□に入る数字を合計させるパズル。
- 2016: 熟語を二字とも使った一文に言い換える(例: 着席 → 席に着く)、指定の文字で始まることわざ・慣用句を答える。
- 2018: フードバンクの説明文と 2 つの図を読んで (ア)〜(オ) を抜き出す資料の読み取り。読解でも知識でもない、社会科に近い問題です。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
算数は精読した 5 年(2022〜2026)、理科は精読した 3 年に構成だけ数えた 2 年を合わせた 5 年(2022〜2026)、社会は精読した 3 年(2024〜2026)の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認できた年度を指します。
| 科目 | 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 食塩水 | なし | なし | 精読した 5 年(2022〜2026)で 1 問も出ていません。大問 4〜5 の文章題の座席に戻る候補の筆頭です |
| 算数 | 速さの大問 | 2022(大問 4)・2025(大問 5) | 2025 年度 | 3 年おき。2026 に無いので、次は候補に入ります |
| 算数 | 立体の切断 | 2024(大問 6) | 2024 年度 | 1 回のみ。大問 6 は回転体・切断・水量が入れ替わる場所です |
| 算数 | つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める)・過不足算 | 2022(大問 1(9) の過不足算) | 2022 年度 | 4 年出ていません。一行問題の枠に戻りやすいところです |
| 算数 | 平均算 | 2023(大問 4)・2026(大問 1(9)) | 2026 年度 | 大問としては 2023 年度が最後で 3 年空きです |
| 理科 | 人体(血液・消化) | 2022(酵素)・2024(血管と臓器) | 2024 年度 | 隔年でしたが 2 年空き。生物の座席の主役です |
| 理科 | てこ・つり合い | 2022(大問 4) | 2022 年度 | 4 年出ていません。物理の座席に戻る候補の筆頭です |
| 理科 | 電気回路・電磁石 | 2022・2023 の一問一答のみ | 2023 年度 | 大問としては 5 年で 1 度もありません |
| 理科 | 気象(雲量・アメダス・天気図) | 2023(大問 5) | 2023 年度 | 3 年空きです |
| 理科 | 燃焼・気体の性質 | 一問一答と小問のみ | なし | 大問としては 5 年で見ていません |
| 社会 | 地形図の読図(等高線・方位・地図記号) | 2025(大問 1 問 4) | 2025 年度 | 2026 に無い。大問 1 に戻りやすいところです |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣・裁判所 | 2024(大問 3) | 2024 年度 | 2 年空き。2025 は選挙、2026 は憲法だったので、次の候補です |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2024(消費税) | 2024 年度 | 3 年で 1 回です |
| 社会 | 都道府県の同定(形・隣接・県庁所在地) | 2024(神奈川県の形と隣接県・宮城県の県庁所在地)・2026(新幹線で通過する都県) | 2026 年度 | 毎年ではありませんが繰り返し出ます |
| 社会 | 産業のグラフ(農業・水産業・工業) | 2024・2025・2026 | 2026 年度 | 3 年とも何らかの形で出ています。空きはありませんが最重要です |
10. 形式面の注意
試験時間・配点・入試回は 1 節にまとめました。理科・社会の配点は国語・算数より小さいのですが、理科・社会は座席が固定されていて対策が効く科目なので、4 科で受けるなら手を抜かないほうがよいところです。
算数
- 記号選択が 5 年でゼロ、記述は毎年 1 問だけです(「この問題は考え方や式も書きなさい」と設問文の末尾に書かれます)。どの大問に付くかは年によって違います(後半の大問のどこか)。式の書き方の練習は 1 問ぶんで足ります。
- 23 問を 50 分なので、1 問あたり 2 分強。大問 1 の 10 問を 15 分以内で抜けられるかが配分の分かれ目になります。
- 作図は精読した 5 年で 1 問も確認できませんでした。手元の自動集計には「作図あり」と出ていますが、原本の設問文にはそれらしい指示がありません。実際の解答用紙は市販の過去問集で確かめてください。
- 円周率の指定は転写では確認できませんでした。円やおうぎ形の面積は 5 年とも出るので、冊子の注意書きを実物で確かめておきたいところです。
- 単位(cm²・cm³・度・分・通り)は設問文の中に書かれていて、答えの数だけを書く形が多くなっています。
理科
- 記述が毎年 2〜4 問(12〜18%)あります。字数指定は精読した 3 年で無く、「理由を説明しなさい」「〜にふれながら説明しなさい」の形です。解答欄の大きさで分量が決まると考えられるので、1〜2 文で、根拠(表の数値・成分の名前)を必ず入れる書き方に慣れておきたいところです。
- 小問は 17〜24 問なので、30 分で 1 問あたり 1 分半前後。記述に時間を取られすぎないことです。
- 作図が出る年があり、図に印を付けるだけでなく言葉の説明を書き加えさせる指示が付きます(2026)。
- 手元の自動集計には「時事の語が多い」と出ていますが、精読した 3 年の設問文にニュース由来の題材は見あたりませんでした(→ 4 節)。理科は用語がニュース語と重なりやすいので、この集計はそのまま受け取らないほうがよいところです。
社会
- 27〜32 問で、しかも導入文が長い(1 大問あたり数百字の読み物)。読む時間を含めて 30 分なので、先に設問を見てから本文に戻る読み方の練習が要ります。
- 文字種の指定が非常に多く(「漢字 3 字で」「カタカナ 4 字で」「解答らんに合うように」)、字数指定は精読した 3 年で 1 問も見あたりませんでした(→ 4 節)。記述の分量は解答欄の大きさで決まると見てよいところです。
- 記述の指示語は「説明しなさい」「簡潔に説明しなさい」「あなたの考えを述べなさい」。「〜意図につながる形で」(2024)のように答え方の形を指定されることがあります。
- 作図は精読した 3 年でありません。写真・グラフ・地図を選ぶ問題(2026 大問 2 問 11「写真【X】の位置に入れるのに適する写真を選べ」)はあります。
国語
- 字数指定が細かく出ます。抜き出しに「〇字で」「最初の五字を」、記述に「二十字以内」「三十字以上四十字以内」「五十字以上六十字以内」「十字以内」。原本には確かに字数指定があります(→ 4 節)。
- 「本文中の言葉を使って答えなさい」の指示が多く、自分の言葉で言い換えるより、本文の語を拾って組み立てる書き方が求められます。
- 漢字の出し方は年によって違います(2010 は誤字直し、2016 は大問 1 の中でカタカナを漢字に 5 問、2018 は大問 2 の中で 2 問)。独立した漢字の大問がある年と無い年があるので、どちらでも対応できるようにしておきたいところです。
- 古文・漢文は精読した 3 年でありません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | やること |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(四則・分数と小数の変換)、平面図形の基本(角度・面積)、音読と語彙、漢字の読み書き。算数は「0.625 = 5/8」「1.25 = 5/4」のような変換を体に入れるところまで。理科・社会は日本地図と身のまわりの自然への関心づくりで十分。時間を計る練習はまだ不要 |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終えるのが、この学年の本体です。1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と単位換算(時間・面積・体積・重さ)を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つに充てます。算数は大問 1 に出る単元を次の順で一巡します。四則計算 → 単位換算 → 割合 → 売買損益(受験用教材の単元)→ 場合の数 → 数の性質 → 角度 → 平均算(受験用教材の単元)→ 過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める・受験用教材の単元)→ 速さ。続けて、大問 4〜6 に出る文章題と立体(和差算・平均算・流水算(受験用教材の単元)・回転体・立体の切断・水量)も一度ずつ触れます。理科は 4 分野をひととおり、とくに水溶液。社会は日本地理の資料の読み取りと通史。国語は接続語・ことわざ慣用句・熟語。ただし国語は 2019 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は同じ座席を縦に(算数の大問 1〜3、理科の化学、国語の大問 1)解き、秋以降に理科・社会を 30 分ずつ計って通し演習 |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 で全分野をひととおり学び終えたかどうかです。算数の大問 1 の 10 問は単元そのものは標準的ですが、「どの単元が来ても 1 分半で処理できる」状態を求められます。抜けている単元が 3 つあれば、それだけで 3 問落ちます。同じことが理科の 4 分野にも言えます(生物・化学・物理・地学のどれかが空白だと大問 1 つぶんが崩れます)。逆に言えば、小 5 で全分野を一巡し終えていれば、小 6 は過去問を座席ごとに縦に解くだけで形が仕上がります。そして、この学校は数年おきに同じ問題を戻してくるので、過去問を古い年まで解く効果が他校より大きいところです。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。
- 法政大学第二中学校(神奈川県・共学)— 4 科目の中で算数の作りがとくに近く、理科も近いので、過去問演習が二重に効きやすい組み合わせです。
- 聖園女学院中学校(神奈川県・女子校)— 理科の作りが近く(分野の配置と小問数)、算数も近い組み合わせです。
- 八千代松陰中学校(千葉県・共学)— 算数・理科・社会が同じくらいの近さで並びます。4 科目そろえて演習したいときに向きます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 2027 年度は、聖園女学院と 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯に城西大学附属城西の入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- この学校は 2 科と 4 科を選べる入試です。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
- 国語は資料が 2018 年度までしかないため、どの学校とも近さを比べられていません。ここで言う「近い」は出題の作りが近いという意味で、同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
- 入試回が分かりません。過去問データベースは 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊しか掲載しておらず、冊子から何回目の入試かを特定できません。この学校の回と科目は 1 節にまとめました。ここで読んだのは 4 科目そろった 1 冊で、他の回の問題は含まれていません。受ける回によって必要な科目が変わる点は、募集要項で確認してください。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためで、学校が出していないわけではありません)。精読できたのは 2010・2016・2018 の 3 年で、しかも間隔が空いています。国語について書いたことは、直近の形を保証しません。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 図そのものは転写に含まれません。算数の図形問題、理科の実験装置、社会の地図・グラフ・写真は、設問文と図の説明文からの読み取りです。図の細部に依存する判断(例: 斜線部分の形)は含めていません。
- 読み落としの可能性があります。2018 年度の国語の大問 3 は 1 小問に畳まれ、2010 年度の国語の大問 3 は設問番号が通っていませんでした。この 2 か所は小問数の集計に使っていません。算数の 2022・2024、理科の 2022・2023 は読み取りの確度が低い冊子ですが、構成の読み取りには支障が無いと判断して使いました。
- 原本で精読した年は科目ごとに違います。算数は 2022〜2026 の 5 年、理科は 2024〜2026 の 3 年(2022・2023 は構成だけ数えた年)、社会は 2024〜2026 の 3 年、国語は 2010・2016・2018 の 3 年。「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直して確認したものに限りました。確認できなかったものは「精読した◯年では」と弱めるか、書いていません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念には触れていません。それらは別のページの領分です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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