獨協中学校 の過去問分析
獨協中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
獨協中学校 過去問分析(2023〜2025 年度・第 1 回・算数/理科/社会 3 年分・国語は 2019 年度まで)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都文京区 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前 — 4 科(約 80 名)/第 2 回 2 月 1 日午後 — 2 科(国語・算数。約 20 名。①14:45 集合・②15:45 集合の 2 時間帯)/第 3 回 2 月 2 日午前 — 4 科(約 70 名)/第 4 回 2 月 4 日午前 — 4 科(約 30 名) |
| 試験時間・配点 | 第 1 回・第 3 回・第 4 回は国語 50 分・算数 50 分・社会 40 分・理科 40 分、配点は国語 100・算数 100・社会 70・理科 70。第 2 回は国語 40 分・算数 40 分の各 100 点 |
| 校名の由来 | 獨逸学協会中学校(1893)・独協学園(1947)を経て現在の校名です |
| 同名・類似名の別校 | 埼玉県越谷市の獨協埼玉中学校とは別の学校で、出題も別ものです |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 獨協中学校は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。大問の何番目にどの単元・どの形式の問題が来るかが動きません(同じ問題がそのまま出るという意味ではありません)。
- 算数は大問 1 が毎年ちょうど 7 問で、(1)(2) が計算 2 問・(3) が逆算(□にあてはまる数を求める計算)・(4) が食塩水の濃度という座席(問題の置き場所)が 3 年連続です。最後の大問は必ず「先生と太郎君の会話文」で、その年の西暦を題材にした数の性質です。
- 理科は大問 1 が必ず生物で、その場で配られた実物を観察してスケッチする問題が 3 年連続です。社会は大問 1 が必ず地理で、地形図の読図と雨温図がそれぞれ毎年 1 問出ます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 だけを 3 年ぶん続けて解き、計算 2 問・逆算・食塩水の 4 枠を 10 分で確実に取る形をつくります。
- 理科の実物観察スケッチを手で練習します。葉・豆・野菜を 10 分観察してスケッチし、特徴を箇条書きにします。
- 社会の地形図を毎週 1 枚、雨温図を 10 パターン練習します。どちらも 3 年連続で 1 問出ます。
今週やる 1 つ
- 算数のくふう計算(分配法則でくくる)を専門に練習します。大問 1(2) は 3 年とも「まともに計算すると時間が溶ける」形でした。
注意
- 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016・2018・2019 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
このレポートは過去問の転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとにしています。読んだ年を次の 3 つに分けて書きます。精読した年は設問文まで読んだ年、構成だけ数えた年は大問の並びだけを数えた年、資料のある年は冊子が手元にある年です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | — | 16 年(2010〜2025) | 転写の確度は 3 年とも高い。全小問を精読した |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 3 年(2020〜2022。大問 1 が生物という並びのみ) | 15 年(2010〜2025) | 2024 年度は文字のつぶれが目立つが、設問の骨格まで精読した |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | — | 16 年(2010〜2025) | 2024・2025 年度は誤字が混ざる。選択肢まで精読した |
| 国語 | 3 年(2016・2018・2019) | — | 6 年(2010・2014・2015・2016・2018・2019) | 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料は各年度・各科目 1 冊ずつで、入試回の区別ができません。第 1 回相当として扱っています。獨協は第 1 回〜第 4 回まであり、第 2 回のみ 2 科(国算・各 40 分)で、他は 4 科です。ここに書いた形式面の話は第 1 回(国算 50 分 100 点・理社 40 分 70 点)を前提にしています。
- 「3 年連続」「毎年」と書いた箇所は、その 3 年の設問文を原本で読み直して確認したものだけです。確認できなかったことは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形問題の細部(例: 2025 年算数の円が転がる図の形)は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
- 国語は最新年度から 6 年以上あいているため、直近の出題については何も書けません。市販の過去問集で補ってください。
5. 一番大きな結論
獨協中学校は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。とくに算数と理科でそれが強く出ます。ここでいう固定は「同じ問題がそのまま出る」という意味ではなく、大問の何番目にどの単元・どの形式の問題が来るかが動かないという意味です。
精読した 3 年(2023〜2025)で確認できた並びの固定は次のとおりです。
- 算数: 大問 1 は毎年ちょうど 7 問。(1)(2) が計算 2 問(うち (2) はくふう計算)、(3) が逆算、(4) が食塩水の濃度——ここまでが 3 年連続で同じ席です。さらに最後の大問は必ず「先生と太郎君の会話文」で、その年の西暦(2023・2024・2025)を題材にした数の性質です。速さも大問 2 か 3 に毎年 1 題あります。
- 理科: 大問 4 題で固定。大問 1 は必ず生物で、しかも「その場で配られた実物(ソラマメの種子・ヤブツバキの葉・ラッカセイのカード写真)を観察してスケッチする」問題が 3 年連続です。2023 と 2024 は導入文が数語しか違いません。作図・スケッチが毎年 1 問あります。
- 社会: 大問 1 は必ず地理。地形図の読図と雨温図がそれぞれ毎年 1 問(3 年連続)。歴史は「1 つのテーマで原始から近代までを縦に通す長文」が 3 年連続。公民には前年前後の実際の政治のできごとが入ります。
- 国語(2019 年度まで): 大問 3 題で、大問 1 が漢字 10 問、大問 2 が物語、大問 3 が説明文。字数指定の記述がちょうど 4 問(物語 2・説明文 2)という配分が 3 年連続です。
一方で中身そのものは毎年作り直されています。同じ問題がそのまま再登場した例は、算数の逆算(大問 1(3))以外には見つかりませんでした。その逆算は 2023 と 2025 で式の骨格が完全に一致し、割る数と引く帯分数だけが差し替えられています(詳細は 8 節の算数)。理科では 2023 と 2024 の大問 1 の導入文がほぼ同文です。
したがって、この学校の過去問の使い方は ①同じ座席を縦に解く(大問 1 の 7 問だけを 3 年ぶん通す、理科の大問 1 だけを通す)、②その席で出る単元の解き方を手順として習得する の二つに近くなります。「出る問題を丸ごと覚える」使い方は効きにくく、「年度通しで時間を計る」練習は社会と算数で必要になります。
4 科目に共通するのは「その場で読んで、その場で理屈を立てる」比重が高いことです。算数の会話文、理科の実物観察と実験記述、社会の対話文と資料、国語の 2 文章読み比べ——いずれも、覚えてきた知識をそのまま出す問題ではありません。一方で入口(算数の大問 1、理科の大問 1、社会の地形図・雨温図、国語の漢字 10 問)は毎年同じ席にあるので、そこは確実に取り切る設計にできます。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 理科の「実物が配られる」大問 1。ソラマメの種子、ヤブツバキの葉、ラッカセイ。「種子はビニール袋から出してはいけません」という一文まで含めて、試験会場でものを観察させる作りが 3 年続いています。中学入試でこの形を毎年やる学校は多くありません。
- 算数の最後の大問が「その年の西暦」で作られます。2023 は 2023 が 7 の倍数か 13 の倍数か、2024 は各桁の数字を足して元の数に関係づける「足し算数」、2025 はかけ算九九の表(2025 = 45×45 に行き着く)。先生と太郎君の会話をたどりながら規則を見つける形で、その年しか作れない問題です。
- 理科の題材が暮らしと社会に寄っています。冷蔵庫のしくみとフロン、地熱発電がクリーンといえる理由、水素と燃料電池、ドライヤーとブレーカー、電力会社 A と B の料金表の比較。理科の知識が家庭の道具や社会問題につながる作りになっています。
- 社会の歴史が「テーマで通史を縦に貫く」作りです。医学の歴史(倭の五王の時代から近代の製薬業まで)、日本の世界遺産(縄文から富岡製糸場まで)。時代ごとに区切って覚えていると、テーマで横断された瞬間に手が止まります。
- 社会の導入が授業の対話文です。2024・2025 の 2 年連続で「先生: 今日は、みなさんが訪れたことのある場所についての写真を発表しましょう」といった授業風景から始まります。学校の授業をそのまま入試問題にしたような作りに見えます。国語の説明文も琵琶湖産アユの放流と生態系、人類の脳の進化と肉食、日本列島人の歴史と、理科の生物や社会の地理に関心の向きがそろっています。
- 全体として、「学校でやっていることをそのまま出す」姿勢が 4 科目に共通しているように見えます。実物を観察させ、授業の対話文を読ませ、その年の数字で問題を作る——過去問を眺めていると、そういう色が浮かんできます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定は受験学年(小 6)・過去問演習期です。小 5 以前の方は 11 節の学年別ロードマップを先に読んでください。各項目の末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠が確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1 を毎日のルーティンにする。計算 2 問・逆算 1 問・食塩水 1 問を毎日 4 問、10 分で解き切る練習を過去問から抜き出して組みます。まずは大問 1 だけを 3 年ぶん、続けて解いてください。ここが 3 年連続で固定なので、最も確実に時間をかける価値があります。あわせてくふう計算(分配法則でくくる)を専門に練習します。大問 1(2) は 3 年とも「まともに計算すると時間が溶ける」形でした。共通因数を見つける目を鍛えます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 理科の実物観察スケッチを実際に手でやる。家にある葉・豆・野菜を 10 分観察してスケッチし、特徴を 4〜5 個箇条書きにします。3 年連続の大問 1 に直結し、白紙を防げます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会の地形図を毎週 1 枚、雨温図を 10 パターン。等高線・地図記号・尾根と谷・傾斜の読み取りを、選択肢の文と照らす練習に絞ります。雨温図は日本海側・太平洋側・内陸・瀬戸内・南西諸島・北海道と、世界の主要気候。どちらも 3 年連続で 1 問出ます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語の同音・同訓の書き分けを毎日 2 組。「予知/余地」「傷む/痛む」「指揮/四季」「週刊/習慣」のような組で覚えます。大問 1 の後半(2018・2019 で 2 組ずつ)に直結します。(確認: 〜2019 年度)
- [週 1 回] 算数の「途中経過を記入すること」の答案を書く練習を週 1 問。毎年 1〜2 問あるので、書き方が身についていないと丸ごと落とします。式だけでなく「何を求めたか」を一言添えます。あわせて図を描き足す練習も——円が図形のまわりを転がる問題(2025 大問 2)は、通る道すじを自分で描かないと解けません。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科と社会の記述を週 2 問ずつ。理科は「理由を簡単に説明」、社会は「資料を根拠に 40〜60 字」。どちらも暗記では書けません。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の会話文(数の性質)を年度の数で練習する。倍数判定(7・11・13 と 1001 の関係)・各桁の和・九九の表の和など、「小さい場合を書き出して規則を見つけ、大きい数に一般化する」手順を身につけます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会と理科を通しで時間を計る。社会は 40 分で 30 問前後+長文、理科は 40 分で 25 問前後。読む量に対して時間が厳しいのはこの 2 科目です。(確認: 〜2025 年度)
各項目の根拠と、科目ごとに残る細かい手順は 8 節の科目別を参照してください。
8. 科目別の詳細
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 4〜5・小問 17〜18・50 分。大問 1 の 7 問の並びが 3 年連続で同一 | 答えはほぼ数値のみ(短答 8〜9 割)。「途中経過を記入すること」が毎年 1〜2 問。最後の大問はその年の西暦を題材にした会話文 | 大問 1 の 4 枠(計算・くふう計算・逆算・食塩水)を毎日のルーティンに。次いで速さの単位換算 |
| 理科 | 高い。大問 4 で固定・小問 24〜27・40 分。生物/化学/物理/地学が 1 題ずつ | 実物観察のスケッチが 3 年連続。比例計算と表・料金表の読み取りが毎年。「簡単に説明しなさい」が年 1〜6 問と振れる | 観察してスケッチする練習と、理由を 1〜2 文で書く練習。比例計算(燃焼・中和・電力) |
| 社会 | 中くらい。大問 3〜4(数は動く)・小問 27〜34・40 分。分野の並びは 3 年とも同じ | 記号選択が主軸(6〜7 割)。文章量が多く、対話文形式が 2 年連続。記述 2〜4 問(字数指定は年により有無) | 地形図の読図と雨温図(それぞれ 3 年連続)。並べかえ問題。用語を漢字で書く |
| 国語 | 高い(2019 年度まで)。大問 3・小問 26〜28・50 分 | 漢字 10 問+物語+説明文。記述 4 問が字数指定つき(20〜90 字)。指定語を使う記述が 2 年連続 | 同音・同訓の書き分けと、字数指定の記述。説明文は生き物・自然・人類史の系統 |
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4〜5・小問 17〜18)
精読した年: 2023・2024・2025(この 3 年は転写の確度が高く、全小問を精読しました)。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 小問集合 7 問 計算 2・逆算・食塩水・平均算・場合の数・面積 |
速さ(歩く速さと道のり) | 水量とグラフ(しきり 2 枚の直方体容器) | 数の性質(「2023」を題材にした会話文・7 と 13 の倍数判定) | — |
| 2024 | 小問集合 7 問 計算 2・逆算・食塩水・角度(紙折り)・割合と比・回転体 |
速さ(82 km を 2 つの速さで走る車) | 規則性(正方形をつなげて長方形をつくる作業) | 数の性質(「2024」を題材にした会話文・各桁の和でつくる「足し算数」) | — |
| 2025 | 小問集合 7 問 計算 2・逆算・食塩水・立体の切断・数の性質・円とおうぎ形 |
図形の移動(円が図形のまわりを転がる) | 速さ(1 周 300 m と 210 m の池を兄弟が走る) | 規則性(両手の指に 1 から番号を振っていく) | 数の性質(かけ算九九の表を題材にした会話文) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
獨協の算数で最も強い固定は 大問 1 の中身の並びです。以下は 2023・2024・2025 の 3 年連続で確認しました。
- 大問 1 は毎年ちょうど 7 問(3 年連続)。全体の小問 17〜18 問のうち 4 割が大問 1 に集まります。
- (1) と (2) は計算 2 問(3 年連続)。しかも (1) は分数と小数の混ざった四則計算、(2) は「くふうして計算する」タイプが 3 年連続です。2024 は
11×38 + 36×26 + 25×38 − 36×14、2025 は4.5×157.8 + 57.4×45 + 0.45×2682と、いずれも共通因数でくくると一瞬で終わる形でした。 - (3) は逆算(□にあてはまる数)(3 年連続)。さらにこの (3) は、数値だけ変えた同じ問題が 2 年をまたいで出ています。2023 は
(□ ÷ 50 − 4 2/5) × 1/6 − 3/5 = 2、2025 は(□ ÷ 101 − 9 2/5) × 1/6 − 3/5 = 2。式の骨格(÷ある数 → 帯分数を引く → 1/6 をかける → 3/5 を引く → = 2)が完全に一致し、割る数と引く帯分数だけが差し替えられています。両年の設問文を原本で並べて確認しました。 - (4) は食塩水の濃度(3 年連続)。2023 は「3% 300 g にある濃度を加えて 6% 400 g」、2024 は「6% 500 g から水を蒸発させ、同じ量の食塩を加える」、2025 は「5% 100 g に 4% と 10% を合計 300 g 混ぜる」。数字と設定は毎年変わりますが、席は動いていません。
- 最後の大問は「先生と太郎君の会話文」+数の性質(3 年連続)。しかも題材はその年の西暦の数そのものです。2023 は 2023 が 7 の倍数か 13 の倍数かを説明させ、2024 は各桁の数字を足して元の数に関係づける「足し算数」、2025 はかけ算九九の表(2025 = 45×45 に行き着く)。この大問だけ小問が 4〜5 問あり、配点上も最後の山になります。
- 速さは大問 2 か大問 3 に毎年 1 題(3 年連続)。大問 2(2023・2024)か大問 3(2025)で、位置は 1 つずれることがあります。
- 大問 3〜4 のどこかに規則性(2024 大問 3・2025 大問 4)か水量とグラフ(2023 大問 3)が入ります。
まとめると、獨協の算数は「大問 1 の 7 問の並びが固定され、最後の大問がその年の西暦を題材にした会話文の数の性質になる」という骨格を、精読した 3 年とも守っています。同じ問題がそのまま出るわけではありませんが、同じ種類の問題が同じ場所に来ることは繰り返し確認できました。
頻出単元と周期
精読した 3 年(2023〜2025)で毎年出た単元は次の 5 つです。
| 単元 | 出た年 | 出る場所 |
|---|---|---|
| 四則計算・くふう計算 | 2023・2024・2025(3 年連続) | 大問 1 (1)(2) |
| 逆算(□を求める) | 2023・2024・2025(3 年連続) | 大問 1 (3) |
| 食塩水の濃度 | 2023・2024・2025(3 年連続) | 大問 1 (4) |
| 数の性質(会話文つき) | 2023・2024・2025(3 年連続) | 最後の大問 |
| 速さ | 2023・2024・2025(3 年連続) | 大問 2 または 3 |
これに次ぐのが規則性(2024・2025 の 2 年連続)、平面図形の求積(2023 大問 1(7)・2025 大問 1(7))です。学校が長く出してきた単元は 2010 年代から数えると、水量とグラフ・立体の切断・図形の回転・場合の数・平均算・売買損益が一定の間隔で戻ってきます。
問い方の特徴
- 「途中経過を記入すること」が毎年 1〜2 問あります(2023 大問 2(2)、2024 大問 1(7) と大問 2(2)、2025 大問 3(2) と大問 5(4))。3 年連続です。答えだけ書くと点にならない問題が必ず混ざります。式と考え方を書く欄が用意されています。
- 答えの形式はほぼすべて短答(語句や数値を短く答える形式。ここでは数値を書きます)。精読した 3 年で記号選択は 2024 の 1 問だけでした(「足し算数をすべて選び記号で答えなさい」)。
- 説明を文で書かせる問題が 2023 に 2 問ありました(「202321 が 7 の倍数であることを、文章中の下線部①のように説明しなさい」など)。ただし 2024・2025 では同じ形は見られず、代わりに「途中経過」欄に置き換わっています。文で説明する練習はしておいて損はありません。
- 会話文の大問は穴埋め → 小さい規則を発見 → 一般化して大きな数で答える、という 3 段構えになっています。(1) は会話文の空欄にあてはまる整数や漢字 1 文字を入れる易しい問い、最後の小問は「0 から 9999 まで何個あるか」「和が 9000 になるのは縦がいくつまでか」といった大きな数の問いになります。
- 図を使う小問が全体の 4 割ほど。図形の移動(円が転がる)・立体の切断・回転体・紙折りの角度など、図を自分で描き足して考える問題が大問 1 の後半に入ります。
今からやるなら(算数・7 節に無い分)
- 逆算は「戻す順番」を書き出す手順で固めます。2023 と 2025 の (3) はほぼ同じ式なので、この 2 年を並べて解くと手順が体に入ります。
- 食塩水は 3 パターン(加える・蒸発させる・3 種類を混ぜる)を全部やります。精読した 3 年でこの 3 パターンが 1 つずつ出ています。
- 速さは「単位換算を含む問い」に慣れます。「時速 4.8 km で 25 分」「100 m を何秒で」「1 時間 12 分で 60 km」と、時速・分速・秒速をまたぐ換算が毎年入ります。
8-2. 理科(40 分・70 点・大問 4・小問 24〜27)
精読した年: 2023・2024・2025。2024 年度の転写は文字のつぶれ(「おおさ」「おおもさ」など)が目立ちますが、設問の骨格は読み取れました。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(生物・実物観察) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | ソラマメの種子(袋入りの実物を観察・スケッチ) | 浮力と密度(5 種の物質・空気中の浮力・真空中の重さ) | 地震・火山(大分熊本サイエンスツアー・温泉・地熱発電・カルデラ・火山灰・地層) | 熱の伝わり方(伝導・対流・放射/冷蔵庫のしくみ・フロン) |
| 2024 | ヤブツバキの葉(袋入りの実物を観察・スケッチ) | ばねと物体の運動(ばねで打ち出す・衝突・はね返る高さ) | 燃焼と化学計算(水素・メタンの燃焼と二酸化炭素・燃料電池) | 地震(関東大震災 100 年・被害の表の読み取り・震度分布) |
| 2025 | ラッカセイ(配付されたカードの写真を観察・スケッチ) | 中和(BTB 溶液・塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の量の計算) | 電流と電気の利用(消費電力・ブレーカー・電気料金表の比較) | 太陽(棒の影の長さから南中高度・季節による影の動き) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
理科は 4 科目のなかで最も並びが安定しています。
- 大問数は 4 で固定。精読した 3 年とも 4 大問、小問は 24〜27 問です。
- 大問 1 は生物、しかも「その場で配られた実物(またはカード写真)を観察してスケッチする」問題が 3 年連続です。導入文まで似ています。2023「配布したビニール袋に入っているのは、ソラマメの種子です。この種子をよく観察して、各問いに答えなさい。種子はビニール袋から出してはいけません」、2024「配布したビニール袋に入っているのは、ヤブツバキの葉です。この葉をよく観察して、次の各問いに答えなさい。葉はビニール袋から出してはいけません」——ほぼ数語しか違いません。両年の設問文を原本で並べて確認しました。2025 は実物ではなく配付されたカードの写真に変わりましたが、「よく観察して、解答らんにスケッチを描きなさい。さらに、観察してわかったとくちょうを、スケッチの下にかじょう書きにまとめなさい」という指示は同じです。
- なお「大問 1 が生物」という並びは、この学校の索引の自動集計では 2020〜2025 の 6 年連続とされています。そのうち原本で直接確認したのは 2023〜2025 の 3 年です。
- 作図(またはスケッチ)が毎年ちょうど 1 問あります(2023・2024 は大問 1 のスケッチ、2025 は大問 1 のスケッチに加えて大問 4(2) で南中高度を測る角度の作図)。3 年連続です。
- 大問 2 と大問 3 は「計算のある物理・化学」の枠です。2023 は浮力+熱、2024 は運動+燃焼、2025 は中和+電気。物理と化学が 1 題ずつ入る形が 3 年続きます。
- 大問 4 は地学(または熱・気象)の枠です。2023 は熱と状態変化、2024 は地震、2025 は太陽。地学分野は大問 3 か 4 のどちらかに毎年入っています。
- 分野の割り当ては、生物 1・化学 1・物理 1・地学 1 の 4 大問で 1 セットという並びで 3 年とも通っています。
頻出単元と周期
| 分野 | 精読した 3 年での中身 | 補足 |
|---|---|---|
| 生物 | 種子の発芽(2023)・葉のつくりとはたらき(2024)・種子と共生(2025) | 植物が 3 年連続。動物・人体は 3 年間出ていない |
| 化学 | 熱と状態変化(2023)・燃焼の計算(2024)・中和の計算(2025) | 3 年とも比例計算を伴う題材 |
| 物理 | 浮力と密度(2023)・ばねと運動(2024)・電流と電力(2025) | 力学 2 年・電気 1 年 |
| 地学 | 火山・地層(2023)・地震(2024)・太陽(2025) | 地震・火山は 2 年連続(2023・2024) |
長い目で見ると、この学校は地震・火山、ふりこと物体の運動、植物のつくり、熱と状態変化、こん虫と動物の分類を柱にしてきました。分野の偏りは小さく、4 分野が毎年まんべんなく出るのが特徴です。
問い方の特徴
- 数値を書かせる短答が 4〜5 割(2023 46%・2024 54%・2025 44%)。記号選択が 3〜4 割(27%・29%・41%)です。
- 「簡単に説明しなさい」という短い記述が毎年あります。2023 は 6 問と多く、2024 は 3 問、2025 は 1 問。年により振れ幅が大きいので、記述が出ない前提の対策は危ないです。字数の指定は精読した 3 年ではありませんでした。
- 記述の内容は理由を説明するものが中心です。「地熱発電がクリーンといえる理由」「白熱電球のほうが消費電力が大きいのはなぜか」「震源がほぼ同じ 2 つの地震で震度分布が違うのはなぜか」など、暗記では書けず、その場で理屈を立てる必要があります。
- 表・グラフ・料金表を読み取って計算する問題が毎年入ります。2024 は地震の被害棟数の表から「間違っているものを選ぶ」問い、2025 は電力会社 A と B の料金表を比べて「どちらが安くなるのは何 kWh より多いときか」を求める問い。理科というより資料読解に近い小問があります。
- 大問 2・3 は長い実験の記述を読んで、条件を変えたらどうなるかを追う構成です。「ばねを縮める長さを 5.0 cm にして飛び出す速さを秒速 15 cm にするには」「10 倍にうすめた水酸化ナトリウム水溶液の何倍か」のように、前の小問の結果を使う積み上げ式。前半でつまずくと後半が全部落ちます。
- 選択肢は「1 つ選び」が基本ですが、「すべて選び、記号で答えなさい」も出ます(2025 大問 4(5))。
今からやるなら(理科・7 節に無い分)
- 理由を 1〜2 文で書く練習を週 3 問。「なぜそうなるか」を、実験結果を根拠に書きます。字数指定はないので、短く言い切る形を身につけます。
- 比例計算(燃焼・中和・電力)を反復します。3 年とも化学は比例計算でした。「A が 2 倍なら B も 2 倍」を表で整理する解き方に慣れます。表や料金表を読み取って「どこが分かれ目になるか」を求める練習もここに含めます。
- 積み上げ式の実験問題を通しで解きます。(1) の答えを (5) で使う構成なので、途中で答えを書き残すクセをつけます。
- 地学は地震・火山・太陽の 3 本柱。震度とマグニチュードの違い、南中高度の求め方、火山灰の粒の形の違いは押さえておきます。
- 暮らしの中の理科に興味を向けます。冷蔵庫・ドライヤー・ブレーカー・電気料金・燃料電池と、家庭の道具が毎年題材になっています。
8-3. 社会(40 分・70 点・大問 3〜4・小問 27〜34)
精読した年: 2023・2024・2025。2024・2025 の転写には誤字が混ざりますが、設問の骨格と選択肢は読み取れました。
年度×大問の題材表(2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 地理 4 つの都市を紹介する文章群・高松/新潟/高知など・工業地域・養殖・雨温図・地形図 |
公民(2022 年 7 月の参議院選挙・野党・衆議院の優越・総務省) | 歴史(医学の歴史をたどる通史・倭の五王から近代の製薬業まで) | — |
| 2024 | 地理(世界地図の緯度経度・雨温図 4 つ・県境) | 地理 授業の対話文・大井川/温泉/鞆の浦・貿易港・地形図・棚田の景観 |
公民(2017 年の臨時国会召集問題・小選挙区制・裁判員制度) | 歴史(日本の世界遺産をたどる通史・縄文から富岡製糸場まで・15 問) |
| 2025 | 地理 授業の対話文・輸送手段の比較・静岡/富山・地形図・2024 年問題・国内輸送のグラフ |
歴史(弥生・奈良・鎌倉・江戸・明治・昭和の 6 つの文章) | 公民・国際(難民問題・UNHCR・出入国在留管理庁・緒方貞子) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
社会は大問の数が 3〜4 と動きますが、中身の配置は 3 年とも同じです。
- 地理 →(地理)→ 歴史 → 公民・国際という分野の割り当てが 3 年連続。大問 1 は必ず地理で始まります。歴史は必ず 1 大問(2024 のみ 15 問と大きい)、公民は必ず 1 大問です。
- 地形図の読図が毎年 1 問(2023 大問 1 問 13 の柏崎市、2024 大問 2 問 5 の「写真の撮影場所の地形図を選ぶ」、2025 大問 1 問 5)。3 年連続です。しかも 3 年とも記号選択で、「地形図から読み取れることについて述べた文として正しいもの」を選ばせる形が 2023 と 2025 でほぼ同じ言い回しです。
- 雨温図が毎年 1 問(2023 大問 1 問 12、2024 大問 1 問 4、2025 大問 1 問 4)。3 年連続。いずれも複数の都市の雨温図から該当するものを選ぶ形です。
- 歴史の大問は「1 つのテーマで時代を縦に通す長文」が 3 年連続。2023 は医学、2024 は世界遺産、2025 は 6 つの時代の文章。原始から昭和まで一続きで問われるので、時代の穴があると複数問まとめて落とします。
- できごとを古い順に並べかえる問題が毎年あります(2023 大問 3 問 8、2024 大問 3 問 3 と大問 4 問 9、2025 大問 2 問 1)。3 年連続です。
- 公民の大問には前年前後の実際の政治のできごとが入ります(2023 は 2022 年 7 月の参議院選挙、2024 は 2017 年の臨時国会召集をめぐる訴訟、2025 は難民数の 2023 年までの推移グラフ)。3 年連続です。
頻出単元と周期
| 単元 | 出た年 |
|---|---|
| 地形図の読図/雨温図・気候の判別/都道府県・地域の同定 | 2023・2024・2025(3 年連続) |
| 江戸時代/飛鳥・奈良時代/近代の戦争と大正・昭和前期 | 2023・2024・2025(3 年連続) |
| 農業・畜産/工業・産業構造(地理の大問の中で) | 2023・2024・2025(3 年連続) |
| 三権分立・国会・内閣・裁判所 | 2023・2024(2 年連続。2025 は国際分野に置き換わった) |
長い目で見ると、この学校の社会は地形図の読図が最大の柱で、次いで江戸時代・都道府県の同定・日本の地形・近代の戦争が続きます。地理と歴史でおおむね 7 割、公民と国際で 3 割という配分が続いています。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です(2023 67%・2024 65%・2025 59%)。短答が 2〜3 割、記述が 1 割前後です。
- 「文 A・B の正誤の組み合わせとして正しいものを選ぶ」が繰り返し出ます(2023 大問 1 問 1・大問 3 問 6、2024 大問 3 問 4)。A も B も判定できないと当たらない形です。
- 「誤っているものを 1 つ選び」が多いです。正しいものを選ぶ問いと混在するので、設問文の「正しい/誤っている」を読み違えると失点します。
- 「すべて選び、記号で答えなさい」が 2025 で増えました(大問 1 問 2・問 5、大問 2 問 9)。部分点がない形なので、あいまいな知識では取れません。
- 漢字・カタカナの指定が多いです。「漢字で答えなさい」「漢字 2 字」「漢字 4 字」「カタカナで答えなさい」「解答らんに合わせて」が頻出。書けない漢字は失点になります。
- 記述は 2〜4 問。2023 は「40 字以内」「60 字以内」と字数が指定され、2024・2025 は「簡単に説明しなさい」「説明しなさい」で字数指定がありませんでした。年により指定の有無が変わるので、両方に備えてください。
- 記述の中身は資料から理由を読み取って書くものです。2024 の「パリの凱旋門のほうがランドマークとして機能している理由を、2 枚の写真をつけて説明する」、2025 の「吉野ヶ里遺跡の写真とかめ棺の写真から戦争が始まったとわかる理由」など、知識だけでは書けず、示された写真やグラフを根拠に組み立てる必要があります。
- 文章量が多いです。導入の文章・対話文が長く、下線部が ①〜⑬ と続きます。40 分でこの分量を読み切る速度が要ります。
今からやるなら(社会・7 節に無い分)
- 通史を「テーマで縦に読む」練習をします。医学・世界遺産・交通というテーマで原始から現代までつなぐのがこの学校の歴史の作り方です。教科書を時代順ではなくテーマ順に読み直す時間を取ります。
- 並べかえ問題を専門に練習します。3 年連続で出るので、「同じ時代の中の前後関係」(例: 大塩平八郎の乱と天保の改革)まで詰めます。
- 「正しいものを 1 つ」と「誤っているものを 1 つ」を読み分ける訓練をします。設問文の該当語に印をつけてから選択肢に入ります。あわせて正誤の組み合わせ問題(A・B 両方を判定する形)も集めて解きます。
- 用語を「読める」から「漢字で書ける」へ。3 年とも漢字指定が多いです。
- 時事を公民とつなげます。前年の選挙・国際情勢のニュースを、教科書のどの単元にあたるか調べる習慣をつけます。
- 記述は写真・グラフを見て「〜だから〜である」の 1 文にまとめる形で書きます。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 26〜28。2016・2018・2019 年度で確認)
国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2016・2018・2019 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。資料にあるのは 2010・2014・2015・2016・2018・2019 の 6 年分で、精読したのはこのうち新しい 3 年(2016・2018・2019)です。
年度×大問の題材表(2016・2018・2019)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2(物語・小説) | 大問 3(説明文・論説) |
|---|---|---|---|
| 2016 | 漢字の書き取り 7 問+「共通の漢字一字」3 問 | 小川糸『あつあつを召し上がれ』(父の四十九日にきりたんぽの鍋を囲む母娘) | 斎藤成也『日本列島人の歴史』(インターネットの登場と人類文明) |
| 2018 | 漢字の書き取り 10 問(後半は同音異義語のペア) | 小川未明「いなかのお母さん」(奉公先のおみつに母から届く小包) | 花里孝幸『生態系は誰のため?』(琵琶湖産アユの放流と生態系への影響) |
| 2019 | 漢字の書き取り 10 問(後半は同音異義語のペア) | 山本有三「フリードリヒ大王と風車小屋」(大王と粉屋のやりとり) | 原田信男『神と肉』ほか(人類の進化と脳・肉食。A・B 2 つの文章の読み比べ) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 3 題で固定(3 年連続)。小問は 26〜28 問です。
- 大問 1 は漢字と語句、ちょうど 10 問(3 年連続)。カタカナを漢字に直す形です。
- 大問 2 は物語・小説、大問 3 は説明文・論説(3 年連続)。この順番が入れ替わった年は精読した 3 年にはありません。
- 字数指定つきの記述が毎年ちょうど 4 問(2016・2018・2019 の 3 年連続)。物語で 2 問、説明文で 2 問という配分も 3 年とも同じです。
- 大問 1 の後半は「まぎらわしい漢字」の枠です。2018 は「考え直すヨチ/自然災害はヨチしがたい」「買った魚がイタむ/かぜのため頭がイタむ」、2019 は「シキ折々の草花/現場でシキをとる」「シュウカン誌/早起きをシュウカンにする」と、同音・同訓を書き分けさせる 2 組が 2 年連続で並んでいます。2016 はこの枠が「共通の漢字一字を入れる」問題に置き換わっていました。
頻出と周期
3 年連続で出たのは、漢字の書き取り 10 問/字数指定の記述 4 問/記号選択(内容・心情・理由)/抜き出し(初めの五字・○字で)/空欄補充(接続語・語句・漢字一字)の 5 つです。文の並べ替えとかかり受け(どの言葉にかかるか)は 2018・2019 の 2 年連続。四字熟語は 2016、表現技法(擬人法・直喩など)は 2018、本文の内容と合うかを ○× で答える問題は 2016 に出ました。
説明文の題材には色があります。精読した 3 年はいずれも生き物・自然・人類史で、2018 は琵琶湖産アユの放流と生態系、2019 は人類の脳の進化と肉食、2016 は日本列島人の歴史とインターネット。理科の大問 1(実物観察)や社会の地理と地続きの世界です。物語のほうは、2016 が亡くなった父を思う母娘、2018 が奉公先の少女と母、2019 が王と粉屋と、家族・立場の違う人どうしの心のやりとりが題材になっています。
問い方の特徴
- 記述の字数は 20 字・40 字・50 字・60 字・80 字・90 字と幅があります。1 問は短く(20 字前後)、1 問は長く(60〜90 字)という組み方です。
- 語句を指定してくる記述が 2018・2019 の 2 年連続で出ました。2018「『生態系』『影響』という言葉を使って六十字以内」、2019「『脳』『高いカロリー』『肉』『発達』という言葉を用いて九十字以内」。指定語をすべて入れないと点になりません。
- 2 つの文章を読み比べる問いが 2019 の大問 3 に出ました(A と B で共通して述べられている内容を書く)。
- 記号選択は「最もふさわしいもの」だけでなく、「ふさわしくないものを選ぶ」が混ざります(2016 大問 2 問 4、2018 大問 3 問 7)。
- 文法的な問いが入ります。文の並べ替え(2018 大問 3 問 5)、かかり受け=どの言葉にかかるか(2018 大問 3 問 4、2019 大問 3 問 7)が 2 年連続です。
- 段落・構成を問う問いがあります(2016 大問 3 問 1 の「前半と後半に分けると後半の最初はどこか」、2018 大問 3 問 9 の「小見出しの組み合わせ」)。文章全体の骨組みを掴んでいるかが問われます。
- 抜き出しは「初めの五字」「十五字で」「十字以内で」と字数が細かく指定されます。
今からやるなら(国語・7 節に無い分)
- 字数指定の記述を週 4 問。20 字・40 字・60 字・90 字と長さを変えて書きます。1 問は短く言い切り、1 問は要素を 3 つ入れる、という書き分けを身につけます。
- 指定語を使う記述の練習。与えられた語を全部使って 60〜90 字にまとめる形は、要素を並べてからつなぐ手順で書きます。
- 説明文は生き物・自然・人類史を中心に読みます。3 年ともこの系統でした。理科の学習ともつながります。
- 段落構成を掴む練習。読んだ説明文に自分で小見出しをつけ、前半と後半の切れ目に線を引きます。
- かかり受け・文の並べ替えを文法問題集で 1 冊分やります。2 年連続で出ています。抜き出しは字数を先に見て候補を絞る手順に慣れます(「初めの五字」「十字以内」と細かく指定されます)。
- 物語は「立場の違う人の気持ち」を追います。親と子、雇う側と雇われる側、王と職人。自分と違う立場の人物の心情を言葉にする練習をします。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年(2023〜2025、国語は 2016・2018・2019)には出ていないか、大問としては出ていないものの、この学校が長く出してきた単元です。過去問演習では「出なかった単元」として飛ばさないほうがよいものをまとめました。最終確認年度は、このレポートの資料でその単元を最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 立体の切断・投影図 | 2025(大問 1(5) の小問) | 2025 は大問 1 の小問で出たが、独立した大問としては 3 年間なし。大問 1 題として出た年もある |
| 算数 | 図形の回転(回転体の体積・表面積) | 2024(大問 1(7) の小問) | 2024 は大問 1 の小問のみ。過去には「軸のまわりに回転させてできる立体の表面積」という同じ問い方が複数年に現れている |
| 算数 | 場合の数 | 2023(大問 1(6)) | 2023 大問 1(6) 以降、独立した大問としては出ていない |
| 算数 | 資料の読み取り・平均 | 2023(大問 1(5) の平均算) | 2023 大問 1(5) の平均算以外は 3 年間出ていない |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 精読した 3 年では確認できず | 2010 年代には大問 1 の定席。生物が 3 年続けて植物なので、動物側に戻る余地がある |
| 理科 | 人体(消化・呼吸・血液循環) | 精読した 3 年では確認できず | 3 年間なし |
| 理科 | 月・星と星座 | 精読した 3 年では確認できず | 天体は 2025 に太陽で出たが、月と星座は 3 年間なし |
| 理科 | 気体の性質・水溶液の判別 | 2025(大問 2(7) の小問) | 判別の小問が入った程度で、大問としては出ていない |
| 理科 | 実験器具の操作 | 2023(大問 3(9) の「安全な装備」) | それ以外は独立して出ていない |
| 社会 | 地方自治 | 精読した 3 年では確認できず | 2010 年代には繰り返し出ていた |
| 社会 | 日本国憲法の条文・基本的人権 | 精読した 3 年では確認できず | 3 年間、正面から問われていない。公民は国会・内閣・裁判所と時事に寄っている |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2024(大問 2 問 9 に絡んだ程度) | 大問としては出ていない |
| 社会 | 史料の読み取り(古文書など) | 精読した 3 年では確認できず | 歴史は写真と年表が中心で、3 年間、原文の史料は出ていない |
| 社会 | 世界地理(緯度経度・世界の都市) | 2024 | 2024 のみ。1 年おきに戻る可能性がある |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | 精読した 3 年では確認できず | 2019 年度までの精読した 3 年では出ていない |
| 国語 | 本文の内容と合うかを ○× で答える問題 | 2016(大問 3 問 9) | 2016 に出た形が 2018・2019 では見られない |
| 国語 | 四字熟語・ことわざ・慣用句のまとまった知識問題 | 2016(四字熟語 1 問) | 大問 1 の枠は漢字に寄っている |
国語については 2020 年度以降の資料が無いため、上の「出ていない」は 2019 年度までの話です。
10. 形式面の注意
4 科目共通
- 第 1 回は 4 科です。国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 70 点・理科 40 分 70 点(合計 340 点)。第 2 回のみ国算 2 科・各 40 分 100 点で、第 3 回・第 4 回は第 1 回と同じ 4 科の構成です。
- 4 科目とも、作図を除けば答えを書く欄は小さいです。長い記述で埋める試験ではなく、短く言い切る訓練が要ります。
算数
- 試験時間 50 分・100 点(第 1 回)。小問 17〜18 問に対して 50 分なので、1 問あたり約 2.8 分。大問 1 の 7 問を 15 分以内で通したいところです。
- 「途中経過を記入すること」と明記された問題が毎年 1〜2 問あります。途中経過を書く欄がある問題があるので、式を書く場所を最初に確認します。
- 単位(cm・cm²・cm³・分・秒・km)の書き分けが問われます。設問文が「何 cm² ですか」「何秒ですか」と単位を指定してくるので、答えの単位を取り違えないことです。
- 円周率の指定は精読した 3 年の設問文からは確認できませんでした(円とおうぎ形の問題は 2025 大問 1(7) にあります)。市販の過去問集の表紙・注意書きで確認してください。
- 比を答えさせる問題では「最も簡単な整数の比で表しなさい」と明記されます(2023 大問 3(1)(2))。
理科
- 試験時間 40 分・70 点(第 1 回)。小問 24〜27 問なので 1 問 1.5 分前後。読む文章量は 4 科目のなかで社会に次いで多いです。
- スケッチ(作図)の解答欄が毎年あります。線を丁寧に、特徴を箇条書きで添える形式なので、白紙にせず必ず何か書く練習をしておきます。
- 単位(g・cm・度・mL・W・kWh・kcal)が問題ごとに変わります。答えの単位は設問文が指定してきます。
- 用語を「漢字 2 文字で」と指定してくることがあります(2023 大問 4(1) の伝導・対流・放射)。
- 「すべて選び」の選択肢があります。計算問題では割り切れない値も出るので、四捨五入の指示を必ず読みます。
社会
- 試験時間 40 分・70 点(第 1 回)。小問 27〜34 問なので 1 問 1.2〜1.5 分。読む文章量に対して時間は厳しいです。
- 漢字・カタカナの指定が非常に多いです(「漢字で」「漢字 2 字」「漢字 4 字」「カタカナで」「解答らんに合わせて」)。解答欄に「〜県」「〜港」のような語尾が印字されていることがあります(「解答らんに合わせて」と明記されます)。
- 「誤っているものを選ぶ」「すべて選び」が混在します。記述の字数指定は年により有無が変わります(2023 は 40 字・60 字と指定、2024・2025 は指定なし)。
- 導入文は「授業の対話文」の形が 2024・2025 の 2 年連続で使われています。先生と生徒のやりとりの中に下線部があるので、会話を読み飛ばすと空欄補充が解けません。
- 図版(地形図・雨温図・写真・グラフ・表・地図・都道府県のシルエット)が多いです。目で見て判断する問題が 3 割ほどあります。作図は精読した 3 年ではありませんでした。
国語
- 試験時間 50 分・100 点(第 1 回)。読む文章は 2 つ(物語・説明文)で、小問 26〜28 問。
- 記述はすべて字数指定つき(20〜90 字)。解答欄は字数指定のマスで、指定字数の 8 割以上は埋めるのが基本です。
- 指定語を使う記述が 2018・2019 に出ました。抜き出しは「初めの五字」「十字以内」と字数指定が細かいです。
- 漢字は 10 問ぶんの配点があるので、ここを落とすと痛いです。
- 作図・図表の読み取りは精読した 3 年ではありませんでした。選択肢は 5 つ(ア〜オ)のことが多いです。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
小 4(土台)
計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。獨協で最終的に効く単元の入口だけ触れておきます——分数と小数の混じった四則計算(算数の大問 1(1) の形)、割合の考え方(食塩水の入口)、植物と身のまわりの生き物の観察(理科の大問 1 の入口)、地図記号と地図の見方(社会の地形図の入口)。時間の計測はまだしません。理科は「外で見たものをスケッチして特徴を書く」遊びをこの時期にやっておくと、6 年後にそのまま得点になります。
小 5(幅)
単元プールを一巡します。8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一度は触れる単元リスト」として使うとよいでしょう。
1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の単元を順に当て、週末 60 分を社会の地形図・雨温図と国語の記述にあてる、という配り方です。
単元の順番は次のとおりです。算数は食塩水 → 速さ → 規則性 → 水量とグラフ → 立体の切断 → 場合の数(水量とグラフ・立体の切断・場合の数は受験用教材の単元です)、理科は 4 分野を均等に(この学校は分野の偏りが小さいです)、社会は地形図の読図と雨温図をこの学年で完成させておくと小 6 が楽になります。国語は字数指定の記述(20 字・40 字・60 字)に慣れる時期です。獨協の国語は記述が毎年 4 問で、字数の幅が広いです。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無いので、この指示は 2019 年度までの出題にもとづくものです(→ 13 節)。
小 6(仕上げ)
7 節の 8 項目に集中します。夏以降の過去問は、「同じ座席を縦に」解く使い方が特に効く学校です。年度通しで解くのと並行して、「算数の大問 1 だけを 3 年ぶん」「理科の大問 1 だけを 3 年ぶん」「社会の地形図の問題だけを 3 年ぶん」という縦の解き方を必ず入れます。時間を計るのは社会と理科を優先します(読む量が多いためです)。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
獨協は「その場で観察して書く」「その場で規則を見つける」問題の比重が高い学校です。こういう力は直前期の詰め込みでは伸びにくく、小 4〜小 5 に手を動かして観察する・自分の言葉で理由を書く時間をどれだけ取ったかが効いてきます。逆に、大問 1 の固定枠(算数の計算 4 問、国語の漢字 10 問)は小 6 の反復で十分に間に合います。つまり早く始める価値があるのは「観察と記述」、遅く始めても取り返せるのが「固定枠の反復」——この見分けがこの学校では特にはっきりしています。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は過去問演習が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・共学か男子校かの選び方には触れません。日程の重なりは注記だけ写しました。近さは自動集計によるもので(出題構造の距離と単元分布の類似を合成したもの。100 に近いほど構造が近い)、上位 3 校は次のとおりです。
- 西武学園文理中学校(埼玉県) — 4 科すべてが近く、獨協の 4 科の分量感に最も似ています。4 科まるごと似た分量で練習したいときの相手です。
- 法政大学第二中学校(神奈川県) — 国語・理科・社会と、読ませる 3 科目が近いです。算数はやや離れます。国語の記述練習を共有したいときに向きます。
- 目黒日本大学中学校(東京都) — 社会が最も近く、地理と資料読み取りの練習が転用しやすいです。理社の練習を二重に効かせたいときの相手です。2027 年度は 02/01・02/02 の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
獨協の第 2 回は 2 科(国語・算数)なので、併願先が 4 科目校の場合、理社は第 2 回の準備とは別に立てる必要があります。
ただし注意が要ります。獨協の「理科の大問 1 で実物を観察してスケッチする」「算数の最後の大問がその年の西暦の会話文」という 2 つの特徴は、近い 8 校のどこにも同じ形では見当たりません。この 2 つだけは獨協の過去問でしか練習できません。近さの数字は「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回し」と単元分布から自動集計で計算したもので、同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
- 入試回が区別できません。資料は各年度・各科目 1 冊のみで、第 1 回〜第 4 回のどれかが判別できません。第 1 回相当として扱いましたが、実際に別の回の問題が混ざっている可能性は残ります。とくに第 2 回は 2 科・各 40 分と時間が違うので、形式面の話(時間配分・小問数)はそのままは当てはまりません。
- 国語は 2019 年度までしか精読できていません。2020 年度以降の問題文は著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです。8-4 に書いたことは 2016・2018・2019 年度の話であり、直近 6 年の形式が同じである保証はありません。出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。市販の過去問集で必ず補ってください。
- 精読したのは各科目 3 年だけです。「3 年連続」と書いたものが 5 年・10 年続いているかどうかは、このレポートでは確認していません。逆に、3 年より前に出ていた単元は 9 節にまとめましたが、そこに挙げていない単元が戻ってくることもあります。
- 転写の読み落としがありえます。とくに 2024 年度の理科・社会、2025 年度の社会は文字のつぶれや誤字が混ざっており、小問の一部を取り違えている可能性があります。図そのものは転写できないため、図形問題や地形図の細部は設問文の説明からの推定を含みます。
- 配点の内訳は分かりません。科目ごとの満点(国算 100・理社 70)は募集要項から取りましたが、大問ごと・小問ごとの配点は資料にありません。「大問 1 の 7 問で何点」といった話は書いていません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念には触れていません。これらは別のページの領分です。
資料どうしの食い違い
- 理科の記述練習の分量は、7 節では「理科と社会の記述を週 2 問ずつ」、8-2 では「理由を 1〜2 文で書く練習を週 3 問」と書いてあり、もとのレポートの時点で数が一致していません。どちらも根拠の年度は同じ(2023〜2025)で、週 2〜3 問の幅と読んでください。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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