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過去問、今からどこから手をつける?——志望校の「毎年同じ所」を先に知る

「過去問は何年分も手元にある。でも、全部を解く時間はもう無い」

秋になると、志望校の過去問を前にして、こう感じる家庭は少なくありません。第一志望だけでも 4 科目が何年分もあり、併願の学校もある。どの年度から、どの科目から解けばいいのか。自分で過去問を分析して決めたいけれど、その見立てに自信が持てない。そう思うのは、それだけ真剣に向き合っているからだと思います。

全部を一度に決めなくても大丈夫です。まず「この学校の試験で、毎年同じ形になっている所はどこか」を知るところから始めると、残りの時間の使い方を話し合いやすくなります。このページでは、そのための見方を 4 つに絞りました。

まず、試験の形は毎年同じとは限らない

過去問は、同じ学校でも年によって形が変わることがあります。

このサイトで数えた学校×科目の組(冊子が 5 冊以上ある 753 組)で、前の年と両方そろって数えられたものを比べると、大問の数が前の年と違った組は、2017〜2026 年度の各年で 11〜26% ありました。毎年どこかの学校で、形が変わっているということです。

だからこそ、古い年度から順に解く前に、「今の形はいつから続いているか」を見ておくと、どの年度を先に解くかを決める手がかりになります。

見ておきたい 4 つのこと

各校の頁の「過去問」のタブを開くと、ここに書く 4 つが載っています。

1. 大問の数が、何年度から今と同じか

資料のそろっている学校では、過去問の頁の上の方に「大問数の変化点」があります。科目ごとに、今の大問の数と、それが何年度の冊子から同じかが書いてあります。

ここで「2018 年度から」とあれば、それより前の年度は形の違う試験です。「数えられなかった年がある」と書いてあるときは、その年は大問の数を確かめられていないので、手元の過去問集で形を見てから使ってください。

2. 大問 1 に、何が置かれてきたか

算数の大問 1 は、多くの学校で計算の問いが置かれています。このサイトでは、ある学校のある科目の「何番目の大問か」を席と呼んでいます。また、四則計算や逆算(□にあてはまる数を求める計算)などをまとめて「計算」の分類と呼んでいます。席を数えられた 229 校のうち、算数の大問 1 に計算の問いが最新年度から 3 年以上続いて置かれている学校は 188 校、10 年以上は 111 校でした。たとえば大妻は、数えた範囲で 2011〜2026 年度の 16 年、大問 1 に計算の問いが置かれています。

ほかの大問の位置でも、同じ分類の問いが続いている所はあります。ただ、後ろの大問ほど少なくなります。算数の席を数えられた 206 校で、最新年度から 3 年以上同じ分類が続く席がある学校は、大問 1 が 194 校、大問 2 が 89 校、大問 3 が 61 校、大問 4 が 50 校でした。大問 1 は多くの学校で形が続いていても、その先は学校ごとに違う、ということです。

志望校の場合は、過去問の頁の科目別の詳細(「算数」「理科」のように科目ごとに分かれた節)に、何年度から何年度まで、何番目の大問に同じ分類の問いが置かれてきたかが書いてあります。

ここで続いているのは「同じ分類の問いが同じ位置に置かれる」ことで、同じ問題が出るという意味ではありません。それでも、試験を開いて最初に何が来るかの見当がつくと、本番の進め方を家で決めておくときの材料になります。

3. 1 問にかけられる時間

試験時間を小問の数で割ると、1 問にかけられるおよその時間が出ます。関東の 237 校の算数では、真ん中が約 2.5 分で、短い学校は約 1.2 分、長い学校は約 5.0 分でした。同じ算数でも、学校によって 4 倍ほどの開きがあります。

志望校の試験時間と小問の数は、過去問の頁の科目別の見出しに並んでいます。1 問にかけられる時間が短い学校なら、時間を計って解いたときの進み方を見ておくことが、過去問を解く意味のひとつになります。

4. 「今からやるなら」の節の読み方

各校の過去問の頁には「今からやるなら」の節があり、科目をまたいで、どこから手をつけるかの順番が書いてあります。読むときは次の 2 つに目を向けてください。

「毎年同じ所」が見つからないときは

志望校の頁を読んでも、続いている所がほとんど書かれていない学校もあります。大問の数が年によって変わる学校や、大問の位置ごとの分類が毎年入れかわる学校です。

それも、志望校について分かったことのひとつです。大問数の変化点で「前回の変化」がいつだったかを見ておくと、どこまでさかのぼると形が違うのかが分かります。

併願の学校が多いときも同じです。学校ごとの過去問の頁で、「形が続いている所」と「毎年変わる所」を並べて書き出せます。

1 校の例:女子学院の算数

女子学院の算数(一般入試)は、資料のある 22 年すべてに、角度を求める小問があります。そのうち 2009〜2026 年度の 18 年は、毎年大問 1 の中に入っていました。

このような「資料のある年すべてにある」ものは、どの年度の冊子にも入っています。何年分を解くかが決まっていなくても、手元にある年度の冊子の中で、その形の問いを見つけられます。

ただし、これは小問の単元を数えたもので、角度の問いの作りが毎年同じという意味ではありません。図の形や求め方は年ごとに違います。

古い年度の過去問は、解かなくていいのか

「形が変わる前の年度は、解いても意味がないのでは」と心配になるかもしれません。形が変わったあとも、変わる前から同じ席に同じ分類の問いが続いている大問があるかどうかは、学校の頁で確かめられます。

大妻の算数がその例です。過去問の頁の「大問数の変化点」には、2016 年度と 2018 年度の間に大問の数が変わったと書かれています。一方で、大問 1 に計算の問いが置かれているのは、数えた範囲で 2011〜2026 年度の 16 年で、大問の数が変わる前から続いています。

志望校でも同じように、「大問数の変化点」の年度と、科目別の詳細や、頁の前半で学校の形をまとめた節(大妻の頁では「5. 一番大きな結論」)に書かれた、続いている年の範囲(例: 大妻の頁の「2011〜2026 の 16 年続いています」)を並べてみてください。続いている所の範囲が変化点より前から始まっていれば、その大問は形が変わる前の年度にも同じ分類で置かれていた、ということが分かります。

解いたあとに見ること

過去問を 1 年分解いたら、落とした問いが、その学校の試験で毎年同じ位置に置かれてきた所か、その年だけの所かを、学校の頁で確かめられます。

ここで分かるのは、その位置に同じ分類の問いが続いてきたかどうかまでです。同じ問題が出るという意味ではありません。

今週、家でできること

ここまでを、そのまま家で使える形にまとめます。順番や分量は目安で、効果は確かめていません。

  1. 志望校の過去問の頁を開き、「大問数の変化点」を見る。科目ごとに、今の形が何年度からかをメモします。
  2. 「今からやるなら」の上から 2 つの項目と、その末尾の確認の年度を見る。確認の年度が新しい項目から、手元の過去問で同じ形の大問を探します。
  3. 志望校の 1 問あたりの時間を、学校の頁で見る。関東の 237 校の算数では、真ん中が約 2.5 分、短い学校は約 1.2 分、長い学校は約 5.0 分です。最新の年度を試験時間どおりに解くときに、この時間と比べられます。

志望校が複数あるときは、1 と 2 だけを先に全部の学校でやっておくと、学校ごとの違いが並べて見えます。

数字の見方の注意

数え方と出典

この記事の数は、このサイトが関東の過去問の書き起こしを数えた結果です。数ごとに、確かめた記録の番号(C- で始まる番号)を下に挙げています。記録には、何をどう数えたか、どこまで確かめたかが書いてあります。

一度に全部を決めなくても、志望校の「毎年同じ所」がひとつ分かると、残りの時間の割り振りを考える足場ができます。まずは第一志望の頁を開いて、大問数の変化点を見てみてください。


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