国語の本文が 8,000 字を超える学校は、関東にどれくらい?——195 校の過去問の字数から
問い
「うちの子は、文章を読むのがゆっくり。国語の問題文がとても長い学校がある、と聞いて心配になった」
国語の過去問を開くと、問題用紙が何枚も続く学校があります。読むのに時間がかかる子だと、それだけで不安になります。長い学校がどれくらいあって、志望校はどのあたりなのか。まず数で見てみます。
このページでは、関東の過去問で数えた「本文の字数」を使います。どの学校がよいかは扱いません。読むのが速いか遅いかの見立てもしません。試験の側で何がどれだけ求められているかを並べます。
先に、数だけ
- 国語の資料が 5 年分以上ある関東の学校は 195 校です。
- ここでいう本文は、1 回の試験で読ませる文章の合計(設問文を除く)です。文章が 2 本あれば 2 本の合計です。
- 195 校の真ん中は約 6,200 字(6,210 字)で、半分の学校が約 5,000〜7,300 字に入ります。
- 8,000 字以上の学校は、男子校 38 校中 5 校、女子校 62 校中 5 校、共学校 94 校中 16 校、合わせて 26 校です。一覧はまとめの頁にあります(男子校・女子校・共学校)。
- 10,000 字を超えるのは 3 校です。浦和明の星女子が 12,511 字、中央大学附属横浜が 11,052 字、慶應義塾湘南藤沢が 10,089 字でした。
8,000 字は、400 字詰めの原稿用紙で 20 枚分にあたります。
いちばん長い学校と短い学校で、5 倍の差
195 校でいちばん短いのは、聖和学院の 2,382 字です。浦和明の星女子の 12,511 字とは 5 倍ほどの差があります。
同じ「中学入試の国語」でも、読ませる量はこれだけ違います。8,000 字以上の 26 校は 195 校の中で長い側にいますが、「長い学校が当たり前」というわけではありません。真ん中の 6,210 字より短い学校が、半分あります。
男子校・女子校・共学校で分けると
8,000 字以上の学校の数を、男女の属性で分けて見ます。
- 男子校は 38 校中 5 校です。城西川越・本郷・東京都市大学付属・浅野・聖光学院で、聖光学院は 8,922 字(資料 20 年分)です。
- 女子校は 62 校中 5 校です。大妻・日本女子大学附属・普連土学園・浦和明の星女子・鷗友学園女子の 5 校で、いちばん長いのが浦和明の星女子の 12,511 字です。
- 共学校は 94 校中 16 校です。中央大学附属横浜・慶應義塾湘南藤沢のように 10,000 字を超える学校から、8,000 字を少し超える学校までが入ります。
属性ごとの真ん中は、男子校が約 6,800 字、女子校が約 6,400 字、共学校が約 6,000 字でした。真ん中どうしの差は数百字で、8,000 字以上の学校の数の差ほどは開いていません。「男子校は長い」「女子校は短い」とひとまとめにするより、1 校ずつの字数を見る方が、志望校の姿に近づきます。
長くなっているのか
「最近の国語は文章が長くなった」という話も聞きます。顔ぶれをそろえて比べられる 46 校(2010〜13 年度と 2023〜26 年度の両方に、読み取りの確度が高い冊子がある学校)で見ると、本文の字数の真ん中は 6,478 字から 7,459 字へ、981 字増えていました。同じ 46 校で、小問の数の真ん中は 22 問から 20.5 問に減っています。
ただし、毎年少しずつ増えたわけではありません。年度ごとに並べると、2010 年度の 5,872 字から 2026 年度の 8,013 字までの間で、上がったり下がったりしています。年度ごとに数えられた冊子は 22〜43 冊で、学校の入れかわりも含みます。
志望校が長くなっているかどうかは、その学校の年ごとの字数を見る方が確かです。
本文の量と、問の数・時間は別の物差し
本文が長いことと、1 問にかけられる時間が短いことは、同じではありません。本文の量が近い学校でも、問の数と試験時間は大きく違います。
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| 学校 | 本文の字数(真ん中) | 小問の数(真ん中) | 国語の試験時間(2027 年度の要項) |
|---|---|---|---|
| 浦和明の星女子 | 12,511 字 | 23 問 | 50 分 |
| 慶應義塾湘南藤沢 | 10,089 字 | 20 問 | 45 分 |
| 渋谷教育学園渋谷 | 9,533 字 | 16 問 | 50 分 |
| 普連土学園 | 9,263 字 | 45 問 | 60 分 |
| 鷗友学園女子 | 8,304 字 | 12 問 | 45 分 |
普連土学園と渋谷教育学園渋谷は、本文の量がほぼ同じでも、小問の数は 45 問と 16 問です。鷗友学園女子は、8,000 字を超える本文に小問が 12 問です。
関東の 184 校の国語で、試験時間を小問の数で割ると、1 問あたりの時間の真ん中は 1.79 分でした(短い学校で 0.86 分、長い学校で 6.25 分)。本文の量・問の数・試験時間の 3 つを並べると、同じ「長い」でも、試験の形はかなり違って見えます。
試験時間は 2027 年度の要項の値で、過去問の年の試験時間と同じとは限りません。過去問を使うときは、その年度の問題用紙の表紙で時間を確かめてください。
一覧を読むときの注意
- 資料の年数を見る: 一覧の字数は、資料のある年の真ん中です。中央大学附属横浜は資料 5 年分、浦和明の星女子は 20 年分で、同じ「真ん中」でも数えた冊子の数が違います。国語は 2017 年度以降の資料が少ない学校があります。
- 合計であって、1 本の長さではない: 8,000 字が 1 本の文章なのか、2 本・3 本の合計なのかは、一覧からは分かりません。学校の過去問の頁で、大問の数と文章の種類を見てください。
- 第 1 回にあたる 1 冊: 資料は学校ごと・年度ごとに 1 冊(第 1 回にあたるもの)です。ほかの回の本文の量は数えていません。
- 一覧に無い=短い、ではない: 国語の資料が 5 年分に届かない学校は、字数の真ん中を出していないので、一覧に入りません。志望校が一覧に無いときは、まず学校の頁で国語の資料が何年分あるかを見てください。「この資料からは分からない」学校もあります。
- 字数は書き起こしで数えたもの: 原本の紙面の字数とは、改行・ふりがな・記号の扱いで違うことがあります。
志望校の頁で見る 3 つ
- 本文の字数と資料の年数: 学校の過去問の頁で、本文の量と、それが何年分の資料の真ん中かを見ます。195 校の真ん中 6,210 字と並べると、長い側か短い側かが分かります。
- 問の数と試験時間: 小問の数と、要項の試験時間。1 問あたりの時間は、学校の頁の出題傾向の表に「1 問あたりの時間」の欄がある学校が多くあります(試験時間か小問の数がそろわない学校には無い)。
- 文章の本数: 過去問の頁の題材表で、大問がいくつあり、文章が何本か。
過去問を 1 回分、本文を読み終えるまでの時間を測ってみる家庭もあります。目安です。根拠は数えたものではなく、効果も確かめていません。測るときは、上の 3 つを見たあとにすると、何と比べればよいかが分かりやすくなります。
本文の量は、志望校の国語の試験がどんな形をしているかを知るための数の 1 つです。字数だけで心配をふくらませる前に、問の数と時間、文章の本数もあわせて見てみてください。
数え方と出典
- 195 校: C-0184(国語の過去問が 5 年分以上ある学校)。
- 8,000 字以上の男子校 38 校中 5・女子校 62 校中 5・共学校 94 校中 16: C-0102。
- 195 校の真ん中 6,210 字・半分の学校の幅・10,000 字を超える 3 校・合わせて 26 校: C-0102 と同じ欄(学校ごとの本文の字数の真ん中)を 195 校で数えた値です(数え方は記録に書きました)。
- 46 校の 6,478 字から 7,459 字・小問 22 問から 20.5 問: C-0001。年度ごとの上下: C-0010。
- 1 問あたりの時間(184 校): C-0188。
- 学校ごとの本文の字数・小問の数・資料の年数: 各校の学校の記録(国語)。試験時間: 各校の学校の記録(2027 年度の募集要項の回の表)。
- 留保: 本文の字数は、冊子ごとの合計字数を、新しい年度ほど重くして真ん中をとったものです。読み取りの確度で絞っていません。原本では確かめていません(C-0102)。
- 何を見て何を見ていないかは 資料の限界、数え方は 方法論 にあります。
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数字は各校の募集要項・入試結果・過去問の書き起こしから数えたものです。合格可能性・学校の優劣は扱いません(→ 資料の限界・方法論)。更新 2026-11-01。