女子校の算数にも「場合の数」は出る?——関東の女子校 72 校の過去問で数えると
問い
「場合の数は男子校の算数でよく出る、と聞く。娘は女子校が第一志望。場合の数にどれくらい時間を割けばいいのか、見当がつかない」
並べ方・選び方・塗り分けのように「何通りあるか」を数える問題が、志望校で本当に出ているのか、出ているならどれくらいなのか、知りたくなるのは自然なことです。
このページでは、関東の女子校の過去問を数えた結果から、「出ているか」「どれくらいか」「どこに置かれているか」を見ます。どの学校がよいかは扱いません。
先に、数だけ
- 算数の資料が 5 年分以上ある関東の学校は 252 校で、そのうち女子校は 72 校です。
- 場合の数・論理が「よく出る単元 上位 5」に入る学校は 252 校中 46 校。男子校 10 校・女子校 12 校・共学校 24 校です。女子校の 12 校は、まとめの頁 算数のよく出る単元に場合の数・論理が入る女子校 にあります。
- 場合の数・論理が小問に占める割合は、関東の学校ごとの真ん中が 5.9%(半分の学校が 3.8〜8.9% に入る)。女子校 72 校の真ん中は 5.1% で、男子校 39 校の 8.0% より低く、共学校 140 校の 5.8% に近い値です。
「男子校で多い」という言い方は、真ん中どうしで比べればそのとおりです。ただ、女子校の中の幅は大きく、真ん中だけでは志望校のことは分かりません。
一覧に載る女子校の中でも、量は 3 倍違う
一覧の 12 校で、場合の数・論理が小問に占める割合がいちばん大きいのは普連土学園の 18%、次が横浜女学院の 15%、フェリス女学院と玉川聖学院の 14% です。いちばん小さいのは捜真女学校の 6% と、聖ドミニコ学園の 7% でした。
同じ一覧に並んでいても、18% と 6% では 3 倍の差があります。捜真女学校の 6% は、関東の真ん中の 5.9% をわずかに上回る程度です。
一覧に載らない女子校にも、1 割を超える学校がある
一覧は「割合が大きい順」ではなく、その学校の上位 5 に入るかどうかで選んでいます。そのため、場合の数・論理の割合が大きくても、ほかの単元がもっと大きければ上位 5 に入らず、一覧に載りません。
女子校 72 校のうち、場合の数・論理の割合が関東の真ん中(5.9%)以上の学校は 32 校ありました。一覧の 12 校はすべてこの中に入っていて、残りの 20 校は、割合は真ん中以上なのに一覧に載っていません。
横にスクロールできます
| 学校 | 場合の数・論理の割合 | 上位 5 に入るか |
|---|---|---|
| 普連土学園 | 18% | 入る |
| 横浜女学院 | 15% | 入る |
| 品川女子学院 | 12% | 入る |
| 一覧外の女子校 4 校 | どれも 11〜12% ほど | 入らない |
| 捜真女学校 | 6% | 入る |
一覧外にも、場合の数・論理が小問の 1 割を超える女子校が 4 校あります。どの学校も、割合・文章題や平面図形などがそれより大きく、場合の数・論理は上位 5 の外になります。捜真女学校は 6% でも、ほかの単元との並びで 5 番目に入ります。
ですから、志望校が一覧に無いことは、場合の数が出ないことを意味しません。 逆に、一覧に載っていることは、量が多いことを意味しません。見るのは、一覧に載っているかどうかより、志望校の割合そのものです。
男子校の一覧と並べると
男子校の一覧(算数のよく出る単元に場合の数・論理が入る男子校)は 10 校で、いちばん大きいのは開成の 21% です。女子校の一覧でいちばん大きい普連土学園の 18% は、この男子校の一覧の中に置いても上の方に入ります。
男子校 39 校の真ん中 8.0% と、女子校 72 校の真ん中 5.1% には差があります。けれども、女子校の中にも男子校の一覧に並ぶ割合の学校があり、男子校の中にも上位 5 に入らない学校があります。「男子校か女子校か」で決まる単元ではなく、学校ごとに決まる単元だと読むのが、数に合った読み方です。
「場合の数・論理」に入る問い
このサイトでいう場合の数・論理は、算数の小問を 8 つに分けた分類の 1 つです。並べ方・選び方・塗り分け・道順のように「何通りあるか」を数える問いと、条件から順位や組み合わせを決める推理の問いが入ります。
1 つの小問は 1 つの分類に数えます。たとえば、図形の上の道順を数える問いは、図が出てきても場合の数・論理に数えることがあります(品川女子学院の 2024 年度の例)。割合は、こうして振り分けた小問の数の比です。配点の比ではありません。
名前が近くても、試験は別
大妻のつく学校では、大妻中野が 9%、大妻多摩が 13% で一覧に入っています。一方、大妻中学校の場合の数・論理は 2.7% で、252 校中 229 番目です。名前が近い学校でも、算数の問題は学校ごとに作られていて、単元の割合も違います。併せて受けることを考えるときも、1 校ずつ見る必要があります。
どこに置かれているか——学校の頁で見る
割合は「どれくらい出たか」の数です。もう 1 つ、「試験のどこに置かれているか」は、学校の過去問の頁の題材表で見られます。原本を読んだ年について、大問ごとの中身が書かれています。
- 横浜女学院: 大問の並びが決まっていて、大問 5 が場合の数の大問です(過去問の頁)。
- 普連土学園: 場合の数は、最後の会話文の大問に入る年があります。2021・2023・2025 年度の会話文の大問に入っていました(過去問の頁)。
- 品川女子学院: 2023〜2025 年度の 3 冊では、大問 2 の一行問題 10 問の中に、場合の数・論理が 3 冊とも入っていました(原本で確かめた例)。
- 昭和女子大学附属昭和: 一覧には載りませんが(場合の数・論理は上位 5 の外)、原本を読んだ 2024〜2026 年度は、大問 1 の後半か最後の会話文の大問に、毎年場合の数がありました(過去問の頁)。
同じ「場合の数が出る」でも、独立した大問で毎年出る学校、一行問題の 1 問として出る学校、会話文の大問の途中で出る学校があります。置かれ方が違えば、問いの形も違います。
志望校の頁で見る 3 つ
- 割合: 学校の頁の「よく出る単元」で、場合の数・論理が小問の何 % か。上位 5 に入っていない単元の割合も、学校の頁で確かめられます。関東の真ん中 5.9% と並べると、多い側か少ない側かが分かります。
- 置かれ方: 過去問の頁の題材表で、場合の数がどの大問に、どんな形で出ているか。独立した大問か、一行問題の 1 問か、会話文の途中か。
- 資料の年数: 割合を数えた資料が何年分か。一覧の 12 校は 13〜22 年分です。資料が 5 年分に近い学校は、少ない冊子の数で割合が決まっています。
どれくらいの時間を割くかは、ご家庭とお子さんの今の様子で決まることで、このサイトの数からは言えません。ここで分かるのは、志望校の試験で場合の数が「どれくらい」「どこに」出てきたか、までです。その 2 つが分かると、塾の先生に相談するときも、話がしやすくなります。
数え方と出典
- 252 校・46 校・男子 10・女子 12・共学 24: C-0115(よく出る単元 上位 5 に場合の数・論理が入る学校)。
- 関東の真ん中 5.9%・3.8〜8.9%・大妻の 2.7%(229 番目): C-0171。
- 一覧の学校の割合と上位 5 の並び: 各校の学校の記録(算数の「よく出る単元 上位 5」)。品川女子学院の大問 2: X-0008(2023〜2025 年度の原本)。
- 女子校 72 校・男子校 39 校・共学校 140 校の真ん中、真ん中以上の 32 校と一覧外の 20 校、一覧外で 1 割を超える 4 校: C-0171 と同じ数え方で学校ごとの割合を出し、男女の属性で分けた値です(数え方は記録に書きました)。
- 横浜女学院・普連土学園・昭和女子大学附属昭和の置かれ方: 各校の過去問の頁の題材表(原本を読んだ年)。
- 留保: 単元の分類は書き起こしからの機械の振り分けで、例として挙げた冊のほかは原本で確かめていません。割合は小問の数の比で、配点の比ではありません。新しい年度ほど重みを大きくして数えています。資料は 1 校 × 1 年度 × 1 科目で 1 冊(第 1 回にあたるもの)です(C-0115・C-0171)。
- 何を見て何を見ていないかは 資料の限界、数え方は 方法論 にあります。
ほかの特集: 算数 1 科目だけで受けられる入試、2027 年度は関東に何校?——21 校の要項で見る日付と中身/国語の本文が 8,000 字を超える学校は、関東にどれくらい?——195 校の過去問の字数から/名前に「付属」とあれば大学の系列か——関東の男子校 40 校を公式の資料で確かめると 16 校
数字は各校の募集要項・入試結果・過去問の書き起こしから数えたものです。合格可能性・学校の優劣は扱いません(→ 資料の限界・方法論)。更新 2026-11-01。