関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

サレジアン国際学園世田谷中学校の過去問分析

共学私立東京都世田谷区

重要結論

  1. 2023 年の改称・共学化と同じ年に入試の作りが変わりました。算数と社会は大問の数が減り、そのかわりに考え方や理由を書かせる問題が入っています。
  2. 新しい作りでは、同じ種類の問題が同じ場所に来ます。算数は大問 1 が計算・大問 2 が一行問題(数行で終わる短い文章題)5 問、社会は大問 3 が資料つきの記述 1 問だけ、理科は大問 4 が地学です。
  3. 同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目のどこにも見つかりませんでした。繰り返されるのは問題そのものではなく問い方です。

今週やること

  1. 2026 年度の算数の大問 1・2 の 10 問を時間を計って解き、15 分で通せる状態か確かめます。
  2. 算数の大問 1(計算)と大問 2(一行問題)の合計 10 問を、5 年分まとめて年度を変えて続けて解きます。
  3. 社会の大問 3(記述 1 問)を 4 年分(2023〜2026)だけ年度を変えて続けて解きます。

分析年度: 2010〜2026 年度
入試回: 第 1 回相当
資料の範囲: 算数 11 年分ほか
原本確認範囲(精読した年): 算数 5 年・理科 3 年・社会 5 年・国語 3 年
制約: 理科と社会はあわせて 50 分です。片方に時間を吸われると、もう片方が丸ごと落ちます。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら(優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 3 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 6 冊すべて・数えられなかった年が 5 年。最新の資料は 2020 年度)。前回の変化: なし(2010〜2020 年度の、数えられた資料 6 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 社会: 3 題(2020 年度から、大問数を数えられた資料 5 冊すべて・数えられなかった年 2021・2022。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: 2012 → 2020 の間に 6 題 → 3 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 3 回: 2011・2012・2020(間隔 1・8)。前回の変化のときの分野の並び: 地理-地図・地形・気候|地理-社会・環境・世界|歴史-古代〜中世|歴史-近現代|地理-社会・環境・世界|公民-経済・社会 → 地理-産業|歴史-近現代|公民-憲法・政治
  • 算数: 5 題(2024 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて。最新の資料は 2025 年度(2026 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2026 年度 5 題))。前回の変化: 2022 → 2024 の間に 6 題 → 5 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 2 回: 2016・2024(間隔 8)。前回の変化のときの分野の並び: 計算|数の性質・規則性|平面図形|割合・文章題|割合・文章題|立体図形 → 計算|割合・文章題|平面図形|場合の数・論理|資料・グラフ

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都世田谷区
男女・旧称 共学。2023 年に目黒星美学園中学校からサレジアン国際学園世田谷中学校へ改称し、同時に中学校を共学にしました
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前/第 2 回 2 月 2 日午後(ほか複数回)。4 科(EDGE クラス)または英語筆記+エッセイ+面接(VISTA クラス)。帰国生入試は 11 月 21 日・12 月 12 日で英語筆記+エッセイ+面接(2027 年度募集要項)
試験時間・配点 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科と社会あわせて 50 分で各 50 点。帰国生は英語筆記 50 分 100 点+エッセイ 30 分 50 点
面接 VISTA クラスを受ける場合と帰国生入試にあります(英語と日本語・受験生のみ約 10 分)。4 科(EDGE クラス)で受ける場合に面接はありません
同名の学校に注意 サレジアン国際学園中学校(北区・旧 星美学園)は、この学校とは別の学校です

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 2023 年の改称・共学化と同じ年に入試の作りが変わりました。算数と社会は大問の数が減り、そのかわりに考え方や理由を書かせる問題が入っています。
  2. 新しい作りでは、同じ種類の問題が同じ場所に来ます。算数は大問 1 が計算・大問 2 が一行問題(数行で終わる短い文章題)5 問、社会は大問 3 が資料つきの記述 1 問だけ、理科は大問 4 が地学です。
  3. 同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目のどこにも見つかりませんでした。繰り返されるのは問題そのものではなく問い方です。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算)と大問 2(一行問題)の合計 10 問を、5 年分まとめて年度を変えて続けて解きます。
  2. 社会の大問 3(記述 1 問)を 4 年分(2023〜2026)だけ年度を変えて続けて解きます。
  3. 表やグラフを読んで予想し、その理由を数字を根拠に書く練習をします(算数で 3 年分)。

今週やる 1 つ

  1. 2026 年度の算数の大問 1・2 の 10 問を時間を計って解き、15 分で通せる状態か確かめます。

注意

  1. 理科と社会はあわせて 50 分です。片方に時間を吸われると、もう片方が丸ごと落ちます。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 5 年(2022・2023・2024・2025・2026) 0 年 11 年(2010〜2026 の隔年、2022 年度以降は毎年) 中。2026 年度は転写の確度が低めと記録されているが、設問文の判読には支障がない
理科 3 年(2024・2025・2026) 0 年 11 年(同上) 中。図が多く、転写では図そのものは再現されない
社会 5 年(2022・2023・2024・2025・2026) 0 年 12 年(同上) 高。会話文・リード文が長く、設問の文言まで判読できる
国語 3 年(2016・2018・2020) 0 年 6 年(2010〜2020 の隔年) 高。ただし 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • この学校は 2023 年に目黒星美学園中学校からサレジアン国際学園世田谷中学校へ改称し、同時に中学校を共学にしました(学校の公表資料による)。2022 年度以前の問題冊子は旧校名・女子校時代のもので、2023 年度を境に算数・社会の作りが実際に変わっています(表紙・実施年度と設問の中身を原本で突き合わせて確認しました)。
  • 資料は 1 年 1 科目につき 1 冊のみで、回の区別が付きません。2 月 1 日の第 1 回に相当するものとして読んでいます。第 2 回以降・特待生回・MEDICO 回(算数と理科の 2 科目)・帰国生回(英語)はこの資料に含まれません。
  • 試験時間・配点は 1 節に載せました。理科と社会があわせて 50 分という配分は、10 節(形式面の注意)で効いてきます。
  • 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直して確認したものに限ります。確認できなかったものは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
  • 2010〜2020 年度は隔年(偶数年)でしか資料がありません。「◯年連続」は資料のある年を数えたもので、間の年に別のことが起きていた可能性は否定できません。

5. 一番大きな結論

この学校の入試は、2023 年度を境に作り替えられています。そして新しい作りは「同じ種類の問題が同じ場所に来る」ことがはっきりしています。

2023 年度は、目黒星美学園からサレジアン国際学園世田谷へ改称し、中学校が共学になった年です。過去問の中身も同じ年に変わりました。原本で確かめられた変化は次のとおりです。

  • 算数: 2022 年度は大問 6 つ・小問 26 問で、答えだけを書かせる作りでした。2023 年度以降は大問 5 つ・小問 17〜19 問に減り、そのかわり「途中の式や考え方もかきなさい」「説明しなさい」が毎年 4〜6 問入ります。
  • 社会: 2022 年度は大問 4 つ・小問 23 問。2023 年度以降は大問 3 つ・小問 11〜16 問に減り、最後の大問 3 が「資料を 2 つ以上使って自分の考えを書く記述 1 問だけ」という作りで 4 年連続そろっています。
  • 理科: 大問 4 つ・22〜24 問という枠は前から安定していますが、精読した 3 年の中で、理由を書かせる記述が 2 問(2024)→ 5 問(2025)→ 5 問+作図 1 問(2026)と増えています。
  • 国語: 2021 年度以降の資料が無いため、この変化に含まれるかどうかは分かりません。

同じ種類の問題が同じ場所に来ること、つまり出題位置(大問の番号と順番)の固定が、この学校のいちばん使える特徴です。

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科目 固定されている出題位置 何年連続か(原本で確認)
算数 大問 1 = 計算 4〜5 問 5 年連続(2022〜2026)
算数 大問 2 = 一行問題 5 問。4 問目が角度、5 問目が立体 4 年連続(2023〜2026)
算数 表・グラフを読んで予想し理由を説明する大問が 1 つ(位置は動く) 3 年連続(2024〜2026)
理科 物理・化学・生物・地学が 1 題ずつ。大問 4 は地学 3 年連続(2024〜2026)
社会 大問 3 = 資料つきの記述 1 問だけ(大問 1・2 は記号選択が主軸) 4 年連続(2023〜2026)
国語 大問一 = 物語、大問二 = 説明文、大問三 = 知識(漢字 10 問から始まる) 3 年連続(2016・2018・2020。以降は資料が無い)

一方で、同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目のどこにも見つかりませんでした。繰り返されるのは問題そのものではなく問い方です。社会の「〜について述べたものとして、誤っているものを次の中から 1 つ選び、記号で答えなさい」は精読した 5 年すべてにあり、国語の「次の①〜⑩の――線部のカタカナは漢字に直し、漢字は読みを書きなさい」も同じ形で繰り返されます。

したがって、この学校の過去問の使い方は、①同じ大問を、年度を変えて解く(大問 1 の計算だけ 5 年分、社会の大問 3 だけ 4 年分、というように)、②自分の考えを根拠つきで書く練習をする、の 2 つに近くなります(回し方の手順は 過去問の使い方)。「出る問題を覚える」使い方は効きません。


6. この学校らしさが出る場所

  • 台所と暮らしから理科が始まります。 いちごジャムの食品表示(2024 大問 1)、鮭のムニエルのレシピ(2026 大問 1)、タマネギの皮で草木染め(2025 大問 2)、海のごみ拾いの会話(2026 大問 2)。理科の用語から入る大問は精読した 3 年で 1 つもありませんでした。身のまわりのものを理科の言葉で説明する、という一貫した姿勢が見えます。
  • 学校の足もとを題材にします。2025 年度社会の大問 3 は「本校が位置する世田谷区の大蔵地区および隣の砧地区」で運行されている乗合ワゴンの利用者を増やす改善策を、資料 6 点から 2 つ以上使って書かせる問題でした。地域の交通問題を、受験生に当事者として考えさせています。
  • 「あなたはどう考えるか」を 3 科目で聞きます。算数は 2040 年の乗降客数を予想して説明(2026)、社会は市議会への陳情書(2024)、理科は深海に人が住んだときに排泄物がどう問題になるか(2024)。正解が一つに決まらない問いを、根拠つきで書かせるのがこの学校の共通の顔です。
  • 記念日・行事・数字の遊びが好まれます。3 月 14 日は円周率の日という会話から円と正六角形の大小を説明させる(2024 算数大問 3)、バーコードのチェックデジット(2023 算数大問 4)、「1, 11, 21, 1211, …」の読み上げ数列(2026 算数大問 5)。算数の後半は「身近な数字の仕組みを解き明かす」題材が続きます。
  • 持続可能性・多様性・共生が繰り返し流れています。SDGs と食物連鎖(2024 理科)、サステナブルな染色(2025 理科)、海のプラスチックごみ(2026 理科)、ジェンダーギャップ指数と女性議員(2022 社会)、BLM 運動(2024 社会)、外国人労働者(2023 社会)。
  • 観光と地域の課題が社会の定番になりつつあるように見えます。オーバーツーリズム(2023 京都・2026 富士山)、インバウンド(2024)、人口減少と地方(2026 東北)、地域交通(2025)。

7. 今からやるなら(優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に並べています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙・短い記述)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算と大問 2 の一行問題を 10 問セットで — 5 年連続で位置が動いていない得点源です。合計 10 問を 15 分でノーミスにするのが目標で、逆算(□にあてはまる数を求める計算)・分配法則・工夫して足す数列は毎年出ます。一行問題の 4 問目(角度)と 5 問目(立体)はさらに単独で反復してください。正多角形の内角、二等辺三角形の重ね、直方体のくり抜き、回転体の体積が繰り返されます。2022 年度以前の過去問は「大問 1 が 12 問ある古い形」と割り切り、一行問題の演習材料として使えます。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 社会・大問 3 の記述を 4 年分(2023〜2026) — 資料を 2 つ以上使い、「問題点 → 根拠 → 改善策」の順に書きます。1 問の重みが大きく、ここが社会の中心です。2024 の陳情書、2025 の乗合ワゴンをそのまま練習材料にできます。観光と地域の課題(オーバーツーリズム・インバウンド・人口減少・空き家・交通)はこの学校が繰り返し扱っている層なので、ニュースの言葉で説明できるようにしておくと書きやすくなります。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・後半の大問(資料の読み取り・場合の数・規則性) — 表やグラフから予想して理由を書く大問が 3 年連続です(2024 アイスクリーム・2025 梅雨・2026 東京駅)。「どの数字を根拠にしたか」「何倍・何 % で伸びていると見たか」を必ず書きます。あわせて「途中の式や考え方」を毎回書く癖を付けてください(2025 年度は大問 4 の 3 問すべてがこの形でした)。場合の数(円卓の座り方・ルールを読むじゃんけん)と規則性(数字の読み上げ列)は、書き出して整理する手順ごと練習します。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 理科・計算のある単元 — 密度と浮力(2025 大問 1・2026 大問 2 の 2 年連続)は「重さ÷体積」で比べ、浮くか沈むかを密度の言葉で言い切れるように。溶解度と濃度(2024 大問 1・2026 大問 1(3))は溶け残りと % の計算、指示薬の色まで。地学は大問 4 に来る前提で最後に置き、流水・気象(飽和水蒸気量と湿度)・天体(南中高度)の 3 分野を計算までやっておきます。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週 1 回] 社会・記号選択の処理速度 — 「誤っているものを 1 つ選ぶ」は 5 年連続、「A・B(または X・Y)の正誤の組み合わせ」は 4 年連続で出ています。この 2 つで大問 1・2 の半分近くを占めるので、選択肢の主語・年号・人物を 1 つずつ確認する手順を固めます。地図・雨温図・グラフから県を当てる訓練(県の形、山地の割合、農産物の生産量割合の上位県は暗記が効きます)と、歴史を「述べた文の正誤」に耐える精度で入れること、文化史(建築様式・浮世絵・寺院)を地図と組み合わせて覚えることもここに含みます。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週末 60 分] 理科・理由を書く記述 — 2025・2026 は 5 問ずつありました。生態系(物質の循環)・植物・実験の条件そろえの 3 分野が中心で、植物の受粉や身のまわりの安全装置のように、正解が一つに決まらない問いに 1〜2 文で答える訓練が効きます。「何を変えて何をそろえるか」を口に出して言える状態にしておくと、そのまま点になります。「すべて選びなさい」「2 つ選びなさい」には、選択肢を 1 つずつ ○×で判定して残す手順で臨みます。(確認: 〜2026 年度)
  7. [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問(書き 5・読み 5)と慣用句・ことわざ — 大問三の入口は 3 年間まったく同じ形です。慣用句・ことわざは「体の一部」「数字」「同じ意味の組」の 3 つの切り口で整理します。あわせて抜き出しの精度(字数指定を見た瞬間に本文を探す・「最初と最後の五字」に慣れる)、20〜30 字の記述(「……こと。」「……ということ。」で締める・指定語を使う条件つきにも慣れる)、接続語と指示語・表現技法の小問を落とさないこと。ただし 2021 年度以降は資料がありません(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で必ず補ってください。(確認: 〜2020 年度)
  8. [週 1 回] 理科と社会を 50 分セットで通す — 社会の大問 3 の記述に 10 分残す配分を体に入れます。理科だけなら 25 分前後で 22〜24 問、社会だけなら大問 1・2 の記号選択を 15 分で終える形が現実的です。(確認: 〜2026 年度)

8. 科目別の詳細

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科目 形式の固まり方 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 高い(2023 年度以降)。5 大問・17〜19 問・50 分・100 点。大問 1 計算、大問 2 一行問題 5 問 前半は答えのみで確実に取る枠。後半 3 題は長い導入つきで、考え方の説明を求める 大問 1・2 の 10 問ノーミスと、表・グラフから予想して理由を書く練習
理科 高い。4 大問・22〜24 問。物理・化学・生物・地学が 1 題ずつ、地学は大問 4 身近な生活(食品表示・レシピ・草木染め・ごみ拾い)から入り、理由を考えて書かせる 密度と浮力・溶解度の計算と、「なぜそうなるか」を 1〜2 文で書く練習
社会 高い(2023 年度以降)。3 大問・11〜16 問。大問 3 は記述 1 問のみ 大問 1・2 は長いリード文+記号選択が主軸。地理・歴史・公民を 1 つの大問で混ぜる 大問 3 の記述(資料 2 つ以上 → 問題点 → 理由 → 改善策)。ここが社会の中心
国語 高い(2020 年度まで)。3 大問・35 問前後 物語+説明文+知識。記号選択と抜き出しが主軸、記述は 2〜4 問で 20〜30 字 漢字 10 問と慣用句、抜き出しの精度、枠を与えられた記述

4 科目に共通するのは、答えを出すだけでなく、なぜそう考えたかを書かせるという方向です。算数でも理科でも社会でも、正解が一つに定まらない問いが必ず 1〜数問あり、2023 年度以降にその比重が上がりました。

8-1. 算数(50 分・100 点。2023 年度から 5 大問・約 17〜19 問)

年度×大問の題材表(精読した 5 年)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6
2022 計算 5 問+一行問題 7 問を 1 つの大問にまとめた 12 問
(約数の個数の約束記号・通過算・割合・過不足算・売買損益・角度・年齢算)
規則性(棒を段に並べる) 円とおうぎ形(正方形に円・おうぎ形を組み合わせた影の面積 2 題) 比例と反比例(6 つの関係を判別・式・グラフ選択) つるかめ算(5・10・50 円玉で 200 円) 水量とグラフ(直方体の容器・おもりを沈める)
2023 計算 5 問(四則 3・逆算 1・工夫のいる数列 1) 一行問題 5 問(消去算・売買損益・通過算・角度・くり抜いた立体の体積) 会話文「ジュースの濃さ」(濃度・説明 1 問) 会話文「バーコードの数字の決まり」(数の性質・説明 1 問) 平行四辺形の面積分割(考え方を書かせる) —
2024 計算 5 問(四則 3・逆算 1・等差数列 1) 一行問題 5 問(時計算・平均算・売買損益・角度・くり抜いた立体の体積) 会話文「3 月 14 日は円周率の日」(円と正六角形・正方形の大小を説明) 新しいじゃんけん 4 種の手(場合の数・考え方 2 問) アイスクリームの支出金額と気温(表とグラフ→翌年を予想し説明) —
2025 計算 5 問(四則 3・逆算 1・工夫のいる数列 1) 一行問題 5 問(時計算・食塩水・数列・正三角形をずらした面積・立方体と円すいの複合) 円卓 6 人の座り方(場合の数 3 問) 正方形の中の面積(3 問すべて考え方を書かせる) 梅雨入り・梅雨明けの気象データ(降水量と日照時間→時期を予想し説明) —
2026 計算 4 問(四則 2・逆算 1・分数の数列 1) 一行問題 5 問(和差算・植木算・つるかめ算・正五角形と正方形の角度・ひし形の回転体) 東京駅の乗降客数と生産年齢人口(増加率→2040 年を予想し説明) 円板の回転移動(重なり・通過部分の面積・角度。3 問すべて考え方) 数列「1, 11, 21, 1211, …」(見たままを読み上げる規則・理由の説明) —

「—」はその年にその番号の大問が無いことを示します。表に出てくるつるかめ算(個数を合計から逆算する)・消去算・通過算・過不足算・和差算・売買損益などの中身は 用語集 にあります。

この 5 年でいちばん確かなこと

  • 大問 1 は 5 年連続(2022〜2026)で計算です。2023 年度以降は 4〜5 問で、内訳もほぼ固定されています(四則の混合 2〜3 問+逆算 1 問+規則を見つけて工夫する計算 1 問)。西暦を仕込む年があります(2025 大問 1(4)「2025+2023+2021+…+2013」、2026 大問 1 は 19+199+1999+… の位取りの工夫)。
  • 大問 2 は 2023〜2026 の 4 年連続で「一行問題 5 問」です。 しかも中身の並びまで似ていて、4 問目が角度、5 問目が立体(体積・表面積・回転体)というところまで 4 年連続です。2023 と 2024 は「消去算/時計算・売買損益・通過算/平均算・角度・直方体からくり抜いた立体」とほぼ同じ骨格でした。
  • 表やグラフを読んで「予想し、その理由を説明する」大問が 3 年連続です(2024 大問 5・2025 大問 5・2026 大問 3)。位置は最後尾か前寄りかで動きますが、出ること自体は動きません。
  • 会話文で導入する大問が 2023・2024 に連続しました(ジュースの濃さ/円周率の日)。2025・2026 は会話文ではなく、代わりに長いリード文つきの大問になっています。
  • 2022 年度以前とは作りが違います。2022 は大問 6 つ・小問 26 問で、答えのみの短答(語句や数値を短く答える形式)が中心でした(考え方を書かせる問題はありません)。2023 年度以降は大問 5 つ・小問 17〜19 問に減り、そのかわり「途中の式や考え方もかきなさい」「説明しなさい」が毎年 4〜6 問入ります。1 問あたりに使える時間は倍近くになった計算です。

頻出単元(精読した 5 年)

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単元 出た年 出方
計算(大問 1) 2022・2023・2024・2025・2026 逆算が毎年 1 問。分配法則でまとめる計算(2023・2026)と、規則を見つけて足す計算(2023・2024・2025・2026)が定番
角度 2022・2023・2024・2026 一行問題の 4 問目。二等辺三角形の重ね・正多角形の組み合わせ
立体図形 2022・2023・2024・2025・2026 一行問題の 5 問目。直方体からくり抜く(2023・2024)、立方体と円すいの複合(2025)、回転体(2026)
場合の数 2022・2024・2025 硬貨の払い方、新ルールのじゃんけん、円卓の座り方
規則性・数列 2022・2025・2026 棒を並べる、階差のある数列、数字の読み上げ列
平面図形の面積・面積比 2022・2023・2025・2026 円とおうぎ形の影(2022)、平行四辺形の分割(2023)、正方形の中の等積変形(2025)、回転移動(2026)
資料の読み取り 2024・2025・2026 3 年連続。表とグラフから傾向を読み、未来の値を予想して理由を書く
売買損益・濃度・通過算・つるかめ算・消去算 各 2 回前後 一行問題の前半に順ぐりで入る

問い方

  • 大問 3〜5 は「長い導入(会話文・実験・調査データ)+(1)〜(3)」で、(1) は素直、(2)(3) で説明を求めるという組み立てが 2023 年度以降ほぼ共通です。
  • 説明の問い方は 2 通りあります。①「また、途中の式や考え方もかきなさい」(答えとセット。2025 大問 4 は 3 問すべてがこれ)、②「なぜか、理由を説明しなさい」「どのように考えたか説明しなさい」(答えを求めない純粋な説明。2023 大問 3(3)・2023 大問 4(3)・2024 大問 3(2)・2026 大問 5(3))。②は算数の答案というより、理由を筋道立てて書く問題です。
  • 資料の大問は「予想しなさい。また、その考え方を説明しなさい」の形です(2024・2025・2026)。正解が一つに定まらない問題を根拠つきで書かせるのが、この学校の算数の顔になっています。
  • 一行問題(大問 2)は答えのみです。ここは全問取りにいく設計に見えます。

8-2. 理科(社会とあわせて 50 分・50 点。4 大問・22〜24 問)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2024 いちごジャムの食品表示(溶解度・濃度・紫キャベツ液と pH) 手回し発電機の実験 3 つ(回路と手ごたえ・電力・回転数) 水の循環と流れる水のはたらき(V 字谷と扇状地・流速と粒の大きさのグラフ) SDGs と食物連鎖・光合成の実験(宇宙/深海での居住と排泄物の分解)
2025 アルキメデスと王冠(浮力・体積・密度・天びん) タマネギの皮で草木染め(色素・繊維の染まり方・弱アルカリ性の確かめ方) 世界三大穀物とイネ科(単子葉類・花のつくり・温暖化と収量) 空気と水蒸気(ラジオゾンデ・飽和水蒸気量・湿度計算・湿度の日変化)
2026 鮭のムニエルのレシピ(呼吸・色素・乳脂肪分の計算・サケと森の物質循環) 海のプラスチックごみの会話文(密度による樹脂の区別・食塩水・液体の層) 電気エネルギーと LED・導体(2 か所から点灯できる階段のスイッチ) 地球の公転と太陽・星座(南中高度・透明半球の作図・見えない星座)

この 3 年でいちばん確かなこと

  • 大問は 4 つで 22〜24 問が 3 年連続です。しかも物理・化学・生物・地学が 1 題ずつ入る配分も 3 年連続で崩れていません。
  • 大問 4 は 3 年連続で地学です(2024 流れる水のはたらき/2025 気象・湿度/2026 太陽と星座)。地学は最後に来ると考えて、時間を残す設計にできます。
  • どの大問も身近なものから入ります。食品表示・レシピ・草木染め・ごみ拾いの会話・手回し発電機と、3 年とも生活の場面が入口です。理科の用語から始まる大問は 3 年で 1 つもありませんでした。
  • 理由を書かせる記述が増えています。2024 は 2 問(+考え方を書く 1 問)、2025 は 5 問、2026 は 5 問+作図 1 問。「〜と考えられますか。理由も述べなさい」「どのような実験を行えばよいですか」という、答えが一つに決まらない問いが中心です。
  • 一方で計算問題も毎年あります(2024 溶解度と濃度・電力、2025 密度と湿度、2026 乳脂肪分と南中高度)。「小数点以下を四捨五入し、整数で」「小数第二位を…」という桁指定つきです。

頻出単元(精読した 3 年 + 資料のある 11 年の傾向)

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単元 出た年(原本で確認) 補足
浮力・密度 2025 大問 1・2026 大問 2 2 年連続。2026 は「密度」という語を使って説明させる
水溶液・溶解度・濃度 2024 大問 1・2025 大問 2・2026 大問 2 3 年連続で何らかの形で登場。指示薬(紫キャベツ・BTB)も
植物のつくりとはたらき 2024 大問 4・2025 大問 3 資料のある 11 年でも最も出現の多い単元のひとつ
生態系・食物連鎖 2024 大問 4・2026 大問 1 物質の循環(宇宙・深海・海と森)という切り口
電気(回路・電流のはたらき) 2024 大問 2・2026 大問 3 手回し発電機、LED と導体、階段の 2 路スイッチ
気象 2025 大問 4 資料のある年では繰り返し登場する分野
天体(太陽・星座) 2026 大問 4 南中高度・公転と星座の見え方
流れる水のはたらき 2024 大問 3 流速と粒の大きさのグラフ読み取り

問い方

  • 長いリード文(説明文・会話文・レシピ・表)を読ませてから (1)(2)(3)… と進みます。リード文の中に答えの材料が埋めてあるので、読み飛ばせません。
  • 選択は「1 つ選び」だけでなく「すべて選び」(2026 大問 1(1)・大問 3(2))「2 つ選び」(2026 大問 3(1))が混ざります。取りこぼすと 0 点になる形です。
  • 記述は「解答欄内で簡潔に述べなさい」という言い方が 2026 で目立ち、字数の数字ではなく解答欄の大きさで分量が決まります。
  • 実験の設計を書かせる問題があります(2025 大問 2(4)「色ではなく弱アルカリ性の作用だと確かめるにはどんな実験をすればよいか」)。条件をそろえて 1 つだけ変えるという発想が、そのまま点になります。
  • 作図が 2026 大問 4(5) にありました(北極付近の太陽の日周運動を透明半球にかく)。3 年で 1 問だけですが、出る年はあります。

8-3. 社会(理科とあわせて 50 分・50 点。2023 年度から 3 大問・11〜16 問)

年度×大問の題材表(精読した 5 年)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2022 農産物の全国上位 5 道県の地図+西日本豪雨の新聞記事(3 問) 農産物の輸入割合と収穫割合のグラフ 1 問 世界文化遺産 20 件の年表
(縄文遺跡群・厳島神社・養蚕・古い順の並べかえ。13 問)
ジェンダーギャップ指数(女性議員・働き方・SDGs。6 問。政策を考える記述 2 問)
2023 政令指定都市の地図(都の範囲・寺院・応仁の乱・密教・オーバーツーリズム。8 問) 人の移動と移住(渡来人・鎖国・日露戦争・ブラジル・外国人労働者。7 問) 資料 I・II からテーマを決めてレポートを書く(記述 1 問) —
2024 G7 広島サミット公式サイトの文章
(県庁所在地・雨温図・かき養殖・政令指定都市・インバウンド・戦国武将・明治。8 問)
砂糖と甘味料の歴史(藤原氏・宮古島の雨温図と世界の気候区分・BLM 運動・産業革命。5 問) X 市 Y 地区の住民として市議会に陳情書を書く(資料 4 点から 2 つ以上使う。記述 1 問) —
2025 日本の伝統と制度(山地面積の割合・農産物のグラフ・奈良の仏教・民主主義・都知事選。6 問) 日本とポルトガルの交流(種子島・宇宙開発・16 世紀・広島と長崎の原爆被害半径。4 問) 世田谷区大蔵・砧地区の「乗合ワゴン」の利用者を増やす改善策(資料 6 点から 2 つ以上使う。記述 1 問) —
2026 富士山(世界遺産の区分・『日本書紀』・高速道路・浮世絵・オーバーツーリズム対策。5 問) 東北地方(県の判別・やませの天気図・米と加工食品のランキング・米騒動・人口減少。5 問) 16〜17 世紀のヨーロッパ製日本地図が正確になっていった理由を考える(記述 1 問) —

この 4 年でいちばん確かなこと

  • 2023 年度から「3 大問・小問 11〜16」に固定されています。2022 年度以前は 4〜6 大問・小問 23〜43 でボリュームが全く違い、2023 年度を境に問題数がおよそ半分になりました(2022 は 23 問、2025・2026 は 11 問)。
  • 大問 3 は 4 年連続(2023〜2026)で「記述 1 問だけの大問」です。 ここがこの学校の社会の中心です。資料を 2 つ以上使って地域や社会の課題に対する自分の考え・改善策を書く形(2024 の陳情書、2025 の乗合ワゴン)と、資料から読み取れることを筋道立てて説明する形(2023 のレポート、2026 の古地図)があります。出題位置としては最後尾で不動です。
  • 大問 1 と大問 2 は、長いリード文に下線を引いて記号選択を並べる形が 4 年連続です。記号選択が主軸で、選択の比率は 2024 が 71%、2025・2026 は 82%。短答は毎年 1〜2 問だけです。
  • 地理・歴史・公民を 1 つの大問の中で混ぜるのが、この学校の作り方です。大問 1 が「地理から入って歴史で終わる」、大問 2 が「歴史から入って公民・国際で終わる」という並びが多く、単元別に区切って出す学校ではありません。
  • 同じ問い方が毎年出ます。「〜について述べたものとして、誤っているものを次の中から 1 つ選び、記号で答えなさい」は 2022・2023・2024・2025・2026 の 5 年すべてで原本にありました(2026 は『日本書紀』、2025 は奈良時代の仏教、2024 は政令指定都市と戦国武将)。「文 A・B(または X・Y)の正誤の組み合わせとして正しいものを選ぶ」も 2023・2024・2025・2026 の 4 年連続です。

頻出テーマ(精読した 5 年)

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テーマ 出た年 出方
都道府県・地域の同定 2022・2024・2025・2026 地図・県の形・グラフから県を当てる。大問の入口に置かれやすい
雨温図・気候 2023・2024・2025(間接)・2026 広島市の雨温図、宮古島と世界の気候区分、やませの天気図
農業・農産物のグラフ 2022・2025・2026 生産量割合の円グラフ・ランキング表から品目を当てる
オーバーツーリズム・観光 2023・2024・2026 3 回。インバウンド、富士山の入山規制、京都の混雑
世界遺産 2022・2026 縄文遺跡群、富士山(自然遺産か文化遺産か)
近代の戦争・大正昭和前期 2022・2023・2024・2026 米騒動、日露戦争、産業革命、明治の改革
人口減少・人口問題 2024・2025(間接)・2026 政令指定都市、東北の人口減少と対策
環境問題・防災 2022・2023・2025 西日本豪雨、レポートの題材、原爆被害の範囲
地方自治・選挙 2022・2024・2025 都知事選、陳情書、女性議員を増やす政策

問い方

  • 大問 1・2 は「リード文の下線部について問う」形が徹底されています。リード文自体に知識のヒントがあるので、先に設問を見て下線部だけ拾う読み方が有効です。
  • 選択肢は「誤っているものを 1 つ」「正しいものを 1 つ」「最も適切なものを」「正誤の組み合わせ」の 4 種類がほぼすべてです。あてはまらないものを選ぶ形が多いので、選択肢を 1 つずつ ○×で判定する手順が要ります。
  • 短答は文字種の指定つきです(「ひらがなで」2024、「カタカナ 6 字で」2024、「漢字 2 字で」2025)。字数を数える指定ではなく、どの文字種で書くかの指定です。
  • 大問 3 の記述は条件が細かく決まっています。2023「両方の資料に関係するテーマを設定すること・グラフから読み取れることを書くこと」、2024「資料 I〜IV から 2 つ以上使って地域のかかえる問題をあげ、その解決策を考える」、2025「資料 1〜6 より 2 つ以上を用いて、改善すべき理由と改善策を考えなさい」。使う資料の本数まで指定されるのが共通点です。

8-4. 国語(50 分・100 点。2010〜2020 の 6 年分のみ。3 大問・35 問前後)

2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2020 年度に限った話で、改称・共学化をはさんだ 2023 年度以降の国語がどうなっているかは、この資料からは言えません。算数と社会が 2023 年度に大きく変わっていることを考えると、国語も変わっている可能性があります。直近の形式は必ず市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

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年度 大問一 大問二 大問三 設問数
2016 物語(小学校の創作劇『リアルシンデレラ』の後日。吉野万理子『劇団六年二組』) 論説(生物の時間はくり返す・伊勢神宮の式年遷宮) 知識(漢字 10・熟語 2・ことわざの誤り直し 4) 37
2018 物語(大学の駅伝チームと留学生ランナー。三浦しをん『風が強く吹いている』) 説明文(ツアーと一人旅・異なる価値観) 知識(漢字 10・慣用句の空欄 4・熟語の共通点 3) 36
2020 物語(マレーシアへの引っ越しと時計店。こまつあやこ『リマ・トウジュ・リマ・トウジュ・リマ・トウジュ』) 説明文(十代のうちに旅に出る。本田健『十代にしておきたい十七のこと』) 知識(漢字 10・数字の入る慣用句 4・同義のことわざ 2) 35

出典は資料の記録と原本の本文を突き合わせて一致したものだけを挙げました(一致を確認できなかった年・大問は書いていません)。

この 3 年でいちばん確かなこと

  • 大問は 3 つで固定です。大問一が物語文、大問二が説明文・論説文、大問三が知識という並びが 3 年連続で動きません。設問数は 35〜37 問です。
  • 大問三の冒頭は 10 問の漢字です。「次の①〜⑩の――線部のカタカナは漢字に直し、漢字は読みを書きなさい」という同じ指示で、書き取り 5 問+読み 5 問(2020 年度の原本で文言を確認。2016・2018 も同じ 10 問の作りです)。そのあとに慣用句・ことわざ・熟語の問題が 4〜6 問続きます。
  • 記号選択と抜き出しが主軸です。3 年とも記号選択が 33〜46%、抜き出しなどの短答が 46〜61%。記述は毎年 2〜4 問で、20〜30 字以内が中心です。
  • 読解の中に語句・文法の小問が必ず混ざります。熟語の読み方の種類(重箱読み・湯桶読み。2016)、「まま」の意味用法(2016)、接続語の空欄補充(2016・2018・2020)、体の一部を入れる慣用句(2018・2020)、表現技法(倒置法・体言止め。2016・2020)、文を戻す位置(2020)。

頻出(精読した 3 年)

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種類 出た年 出方
漢字 10 問(書き 5・読み 5) 2016・2018・2020 大問三の問一。ミチジュン・タイセキ・ホウフ/手際・机上・律儀・最寄り のような日常語+大人語彙
慣用句・ことわざ 2016・2018・2020 誤りを直す(2016)、体の一部を入れる(2018)、数字を漢数字で入れる(2020)、同義のことわざを選ぶ(2020)
空欄補充(接続語・擬態語) 2016・2018・2020 毎年 2〜3 問
抜き出し(字数指定つき) 2016・2018・2020 「三十字以上三十五字以内」「二十字以内」「最初と最後の五字」と細かい
20〜30 字の記述 2016・2018・2020 「……ということ。」「……こと。」に続く形が多い
表現技法 2016・2020 擬人法・体言止め・対句法・倒置法・反復法から選ぶ
物語文 2016・2018・2020 小学生・大学生・中学生と主人公の年齢は幅がある。スポーツと集団(劇・駅伝)が題材になりやすい
説明文・論説 2016・2018・2020 「旅」が 2018・2020 の 2 年連続。生き方・異文化・時間といった、答えの出にくいテーマ

問い方

  • 選択肢は 5 つ(ア〜オ)が基本で、内容説明・心情説明の長い選択肢を読み比べる形が多いです。
  • 抜き出しは「本文中から◯字でさがし、ぬき出して答えなさい」「最初と最後の五字を」という定番の形です。字数の指定が厳しいので、数える習慣が要ります。
  • 記述には条件が付くことがあります。2016 大問二問九-II は「『次世代』『自分』という言葉を必ず使って」十〜二十字で空欄を埋める形、2020 大問二問七は空欄 A・B にそれぞれ十五字以内を書いて 1 つの文を完成させる形。自由に書かせるのではなく、枠を与えて埋めさせるのがこの学校の記述です。
  • 「本文の内容として正しいものを選ぶ」総合問題が大問の最後に来ることが多いです(2018 大問二問十、2020 大問二問九)。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

精読した年(算数 5 年・理科 3 年・社会 5 年・国語 3 年)の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認できた年度を指します。

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単元 出ていた年 最終確認年度 中身
算数・水量とグラフ 2022 2022 年度 2022 年度大問 6(直方体の容器・おもりを沈める)を最後に、2023〜2026 の 4 年で大問としては出ていません。立体の体積は毎年出るので、水位の変化まで戻ってもおかしくありません
算数・比例と反比例のグラフ 2022 2022 年度 2022 年度大問 4 が最後です。表・グラフを読む力を問う方向は続いているので、形を変えて戻る余地があります
算数・円とおうぎ形の求積 2022・2026 2026 年度 2022 年度大問 3 のあと、2026 年度は円板の回転移動という形で戻ってきました。おうぎ形の面積と弧の長さは常に手元に置いておきます
理科・力のつり合い(てこ・ばね・ふりこ) 精読した 3 年では確認できず 2024〜2026 で確認できず 物理の枠は電気 2 回・浮力 1 回でした。資料のある古い年には繰り返し出ている分野なので、警戒しておきたいところです
理科・光・音 精読した 3 年では確認できず 2024〜2026 で確認できず 3 年でゼロです
理科・こん虫と動物の分類 2026(小問 1 問) 2026 年度 2026 年度に小問 1 問(サケと同じ呼吸をする動物)で顔を出した程度で、大問としては 3 年でゼロです
社会・地形図の読図 精読した 5 年では確認できず 2022〜2026 で確認できず 地図を読ませる問題自体は毎年あるので、等高線・地図記号は捨てられません
社会・三権分立と選挙制度のまとまった出題 2022・2024(小問) 2024 年度 2024 年度以降は小問レベル(都知事選・民主主義の正誤)にとどまっています。公民は憲法・地方自治・人権が中心です
国語・大問三の 2 つ目以降の知識問題 2016・2018・2020 2020 年度 熟語の共通点・ことわざの誤り直しなど、3 年とも形を変えて出ています。パズル風の出題に慣れておきます

10. 形式面の注意

  • 理科と社会はあわせて 50 分・各 50 点です(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点)。理社は「どちらから解くか」を決めておきます。理科だけなら 25 分前後で 22〜24 問、社会は大問 1・2 の記号選択を 15 分、大問 3 の記述に 10 分前後という配分が現実的です。
  • 記述の分量は、字数の数字ではなく解答欄で決まることが多い作りです。社会は陳情書・レポートの書式が解答用紙に印刷されており(2024)、理科は「解答欄内で簡潔に述べなさい」(2026)。国語だけは「二十字以内」「三十字以内」と数字で指定されます。
  • 文字種の指定が社会に多く出ます。「ひらがなで」「カタカナ 6 字で」(2024)、「漢字 2 字で」(2025)。字数を数える指定ではなく、どの文字種で書くかの指定で、守らないと 0 点になります。
  • 四捨五入の桁指定が算数・理科の計算に付きます。「小数第 2 位を四捨五入」(2026 算数大問 4(3))、「百の位を四捨五入して、解答らんにしたがって答えなさい」(2026 算数大問 3(2))、「小数点以下を四捨五入し、整数で」(2025 理科)。読み飛ばすと形式で失点します。
  • 2023 年度以降の算数は、解答用紙に式や考え方を書く欄があります(2023 大問 5(2) は「解答用紙の図を用いて」と指定)。図に書き込んで説明する練習が要ります。
  • 作図は理科に稀にあります(2026 大問 4(5) 透明半球に太陽の動きをかく)。算数の作図指示は精読した 5 年では見つかりませんでしたが、説明に図を使ってよいという指示は複数あります。
  • 円周率の値の指定は、精読した 5 年の設問文からは確認できませんでした(冊子の冒頭注意書きにある可能性が高いところです)。3.14 の計算は分配法則でまとめる練習をしておくと安全です(2025 大問 1(5)「3.14×9−6.28×2×2+9.42×5」がまさにその形)。
  • 選択肢の記号は、社会で(イ)(ロ)(ハ)(ニ)と(ア)(イ)(ウ)(エ)が年により混ざります。理科は「すべて選び」「2 つ選び」が混ざります。
  • 理科はリード文が長いので、設問を先に見てから読む練習が要ります。記述の答えは「〜だから。」で終える形でよいのですが、2025・2026 は分量が解答欄の枠で決まるため、書き切れる長さに削る練習が必要です。
  • 図・グラフ・地図・雨温図・天気図・浮世絵・写真を読む問題が理科・社会とも毎年あります。転写では図そのものは再現されないため、実際の見え方は市販の過去問集で確認してください。
  • 国語は 3 大問 35 問前後を 50 分で解きます。読解 2 本+知識 1 本なので、知識の大問(16〜17 問)を 8 分以内で終えて読解に時間を回す設計が現実的です。記述の字数指定には「(『、』や『。』も字数に入れます)」という注記が付きます(2018)。古文・漢文は精読した 3 年でゼロでした。

11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

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段 この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さ・図形の基礎・読解・漢字語彙・短い記述の 5 本。この学校で最後に効くのは「計算 10 問を落とさない」力(算数の大問 1・2)と「理由を一言で言える」力なので、答えを出したあとに「なぜ?」と聞かれて答える会話を家庭で習慣にしておくと、そのまま入試の記述につながります。時間を計るのはまだ先で構いません
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終えるのが、この学年の本体です。この学校は同じ問題を出さないので、単元を一巡させておかないと後半の大問に手が出ません。1 週間の割り振りは「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算(逆算・分配法則・工夫して足す数列)を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は 8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、角度 → 立体 → 場合の数 → 規則性 → 割合と比 → 速さ の順に置きます。一行問題の前半に順ぐりで入る特殊算(つるかめ算・消去算・通過算・売買損益。いずれも受験用教材の単元で、中身は 用語集 にあります)も同じ一巡に入れます。理科は 4 分野を均等に(地学=流水・気象・天体を薄くしない)、社会は都道府県と地図の読み取りを固め、国語は物語文と説明文を毎週 1 本ずつ。理由を 2〜3 文で書く習慣をこの学年で始めます。ただし国語は 2021 年度以降の資料がありません(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は「同じ大問を、年度を変えて解く」(算数の大問 1・2、社会の大問 3)と「1 年分を、時間を計って解く」(とくに理社セットで 50 分)を交互に。秋には説明・記述の答案を人に読んでもらう段階に入りたいところです。算数・理科・社会の記述はいずれも正解が一つに決まらないため、自分では採点しにくいからです

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 から積み上げる「理由を言葉にする」習慣の 2 つです。出題の枠(大問の数と並び)は固まっているので、直前期に形式へ慣れるのは難しくありません。難しいのは、算数でも理科でも社会でも求められる「根拠を示して自分の考えを書く」部分で、これは短期間では伸びにくいところです。逆に、単元の一巡さえ小 5 で終えていれば、小 6 は出題位置ごとの反復と記述の練習に集中できます。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は出題構造が近いかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が重なります。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・合格可能性は扱いません(別のページの領分です)。

  • 横須賀学院中学校(神奈川県・共学)— 算数と理科がとくに近く、社会も近い組み合わせです。長い導入文つきの理科の作りが似ています。国語は比較できる資料がありません。
  • 目黒日本大学中学校(東京都・共学)— 算数・理科・社会の 3 科目とも近く、4 科目そろえた総合演習の相手に向きます。
  • 獨協中学校(東京都・男子校)— 理科がとくに近く、算数・社会・国語も比較できます。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

  • 2027 年度は、目黒日本大学・獨協とも 2 月 1 日の同じ時間帯にこの学校と入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
  • 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」の距離と、単元の分布の似方を合成したものです。同じ問題が出るという意味ではありません。「資料を 2 つ以上使って改善策を書く」社会の大問 3 や、「考え方も書きなさい」が並ぶ算数の後半は、この学校に固有の色が強く、他校の過去問では置き換えにくい部分です。

13. 資料の限界

  • 入試回が区別できません。資料は 1 年 1 科目につき 1 冊のみで、2 月 1 日の第 1 回に相当するものとして読んでいます。第 2 回・第 3 回(特待生)・第 4 回 MEDICO(算数と理科の 2 科目・各 60 分 100 点)・第 5 回・帰国生回(英語筆記と英語エッセイ)の問題は含まれていません。MEDICO 回は科目数も時間も配点も違うので、この分析はそのまま当てはまりません。
  • 原本を精読したのは科目ごとに 3〜5 年分です(算数 2022〜2026 の 5 年、理科 2024〜2026 の 3 年、社会 2022〜2026 の 5 年、国語 2016・2018・2020 の 3 年)。それ以外の年については、資料の記録から分かる大問数・小問数の推移だけを参考にしており、中身には踏み込んでいません。
  • 2010〜2020 年度は隔年(偶数年)でしか資料がありません。「◯年連続」はすべて資料のある年を数えたものです。
  • 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。改称・共学化をはさんだ現在の国語がどうなっているかは、この資料からは言えません。市販の過去問集で確認してください。
  • 図そのものは転写に含まれません。図形問題・雨温図・天気図・グラフ・浮世絵などは、設問文と図の説明文から読み取れる範囲で書いています。実際の見え方は市販の過去問集で確認してください。
  • 転写の読み落としの可能性があります。2026 年度の算数と理科は転写の確度が低めと記録されており、2026 年度理科の大問 3(4) は 1 小問が正しく取り込めていません。設問文自体は判読できたのでその大問も分析に使いましたが、細部は原本で確かめてください。
  • 配点は科目ごとの合計(国算 100 点・理社各 50 点)しか分からず、大問ごと・設問ごとの配点は資料からは分かりません。
  • 「〜のように見えます」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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