関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

光塩女子学院中等科の過去問分析

女子私立東京都杉並区

重要結論

  1. 同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。社会は 8 年すべて大問 1 題、算数の大問 1 は 17 年間ずっと計算と逆算(□にあてはまる数を求める計算)、理科は最後の大問に表のデータをグラフにする作図が毎年 1 問あります。
  2. その一方で、中身は毎年入れ替わります。社会の文章のテーマ、理科の各大問の分野、算数の大問 2 に入る単元、国語の文章の筆者は、年ごとにまったく違います。
  3. 資料の算数と国語は 2016 年度から別の冊子(午後の短い試験)に替わっています。4 科の回を受けるつもりなら、演習に使うのは 2015 年度以前です。

今週やること

  1. 4 科の回と午後の 1 科目の回のどちらを受けるかを決め、演習に使う年度を分けます。
  2. 算数の大問 1(計算 3 問+逆算 2 問)を毎日やります。
  3. 社会を 30 分で 1 本通す練習をします。

分析年度: 2009〜2026 年度
入試回: 4 科目がそろう回と算数基礎の回
資料の範囲: 算数 17 年分ほか
原本確認範囲(精読した年): 算数 6 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 理科・社会は 2017 年度まで、国語は 2018 年度までの資料しかありません。直近の形式は市販の過去問集と学校の発表で確かめてください(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 2 題(2009 年度から、大問数を数えられた資料 7 冊すべて・数えられなかった年 2013。最新の資料は 2016 年度(2017 年度・2018 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2017 年度 2 題・2018 年度 2 題))。前回の変化: なし(2009〜2016 年度の、数えられた資料 7 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 社会: 1 題(2011 年度から、大問数を数えられた資料 5 冊すべて。最新の資料は 2015 年度(2017 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2017 年度 1 題))。前回の変化: なし(2011〜2015 年度の、数えられた資料 5 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都杉並区
男女 女子校
入試回と日程・科目 2 月 1 日午前・2 月 2 日午前は 4 科(国語・算数・社会・理科)/2 月 1 日午後は総合 1 科目、または算数 1 科/2 月 4 日午前は 2 科(国語・算数)(2027 年度募集要項)
試験時間・配点 4 科は国語・算数が各 50 分 100 点、社会・理科が各 30 分 50 点。総合は 60 分 100 点。算数 1 科は 60 分 100 点。2 科は国語・算数が各 50 分 100 点
2027 年度からの変更 午後の総合は「国語基礎」「算数基礎」を統合した 1 科目になります。算数 1 科は 60 分に変わります。2 月 4 日の 2 科は新設です。過去問の冊子の形式と直近の募集要項が食い違う場合があるので、最新の形は必ず学校の発表で確かめてください。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。社会は 8 年すべて大問 1 題、算数の大問 1 は 17 年間ずっと計算と逆算(□にあてはまる数を求める計算)、理科は最後の大問に表のデータをグラフにする作図が毎年 1 問あります。
  2. その一方で、中身は毎年入れ替わります。社会の文章のテーマ、理科の各大問の分野、算数の大問 2 に入る単元、国語の文章の筆者は、年ごとにまったく違います。
  3. 資料の算数と国語は 2016 年度から別の冊子(午後の短い試験)に替わっています。4 科の回を受けるつもりなら、演習に使うのは 2015 年度以前です。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算 3 問+逆算 2 問)を毎日やります。
  2. 社会を 30 分で 1 本通す練習をします。
  3. 理科の「表からグラフをかく」を、目盛りの決め方と単位の書き添えまで手順にします。

今週やる 1 つ

  1. 4 科の回と午後の 1 科目の回のどちらを受けるかを決め、演習に使う年度を分けます。

注意

  1. 理科・社会は 2017 年度まで、国語は 2018 年度までの資料しかありません。直近の形式は市販の過去問集と学校の発表で確かめてください(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びと単元までを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 6 年(2012・2014・2015・2024・2025・2026) 11 年 17 年(2009〜2012、2014〜2026) 高。ただし 2016 年度から冊子が「算数基礎」に替わっています(後述)
理科 3 年(2015・2016・2017) 5 年 8 年(2009〜2012、2014〜2017) 高。2017 年度は転写に判読できない箇所が少しあります
社会 3 年(2014・2015・2017) 5 年 8 年(2009〜2015、2017) 高
国語 3 年(2016・2017・2018) 6 年 9 年(2009〜2012、2014〜2018) 中。2016 年度は問題数の数え方が他の年と違います
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 資料の無い年は、算数が 2013 年度(解答用紙のみ)、理科が 2013 年度と 2018 年度以降、社会が 2016 年度と 2018 年度以降、国語が 2013 年度と 2019 年度以降です。国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多く、学校が出していないわけではありません。
  • この資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊しか収録されていません。どの回の冊子かは表紙の表記からしか分かりません。
  • 算数は 2017・2019・2024 年度の冊子に「算数基礎」と印刷されており、2016 年度以降の 11 年は 4 科目がそろう回の算数とは別の試験です。国語も同じ 2016 年度から構成が変わっています。
  • 試験時間・配点の印字は、どの科目・年度の冊子にもありません。本文中の「50 分・100 点」などは、学校が公表している 2027 年度の日程によるもので、1 節にまとめました。

5. 一番大きな結論

この学校の入試は「どの出題位置(大問の番号と順番)に何が来るか」がきわめて安定していて、そこに入る中身は毎年作り直されます。 同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る、という意味です。

出題位置の固さは、数字で言うとこうなります。

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位置 何が来るか 確認できた年
社会の全体 大問 1 題だけ。1 本の長い文章に下線 20〜25 本、小問 25〜38 題 2009〜2017 年度の 8 年すべて
算数の大問 1 計算と逆算。2010〜2026 年度は (1) 計算 →(2) 逆算 の順 17 年中 16 年
算数基礎の回の大問 1 「計算 3 問+逆算 2 問」の 5 問 2016〜2026 年度の 11 年連続
理科の最後の大問 表のデータをグラフにする作図が 1 問 毎年(設問文までほぼ同じなのは 2015・2016・2017 の 3 年連続)
国語(2016〜2018 年度)の大問 2 の最後 生徒の発言を並べ、本文を正しく読み取っているものに〇、誤りがあるものに × を付けさせる 3 年連続
国語(2016〜2018 年度)の大問 1 漢字の読み → 書き取り → 慣用句や四字熟語 → 接続語 → 文の並べ替えの順 3 年連続

社会は、地理・歴史・公民の区切りが無く、文章の流れのまま三分野を行き来します。この形が 8 年間 1 度も崩れていません。理科の作図の設問文は「横軸に〜、縦軸に〜をとり、表の結果をグラフで表しなさい。横軸、縦軸の目盛りや単位なども記入しなさい」で、3 年そろっています。国語の正誤判定は「この文章を読んだ人たちの発言を次に記します。本文を正しく読み取っているものには〇を、誤りがあるものには×を」という形です。

一方で、中身は毎年入れ替わります。社会の文章のテーマ(お金・流行・健康・税・日食・国どうしの対等)、理科の各大問の分野、算数の大問 2 の (2)〜(4) に入る単元、国語の文章の筆者は、年ごとにまったく違います。同じ問題の使い回しは、精読した範囲では 1 例も見つかりませんでした。

したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、「同じ出題位置に来る問い方に慣れる」+「時間の使い方を身につける」の 2 つになります。とくに社会は 30 分で 30 問前後を解く形なので、通しで時間を計る練習が欠かせません。算数の大問 1、理科のグラフ作図、国語の知識問題と正誤判定は、年度をまたいで同じ出題位置だけを年度順に並べて解くのが効きます(手順は 過去問の使い方)。

そしてこの学校を見るうえで最も大事な注意が 1 つあります。資料の算数と国語は 2016 年度から別の冊子(午後の短い試験)に替わっています。4 科の回を受けるつもりなら、演習に使うのは 2015 年度以前です。この切り替わりを知らずに 2016 年度以降だけを解くと、分量も問い方も本番と食い違います。


6. この学校らしさが出る場所

  • 登場人物が「光子さん」「塩子さん」「光男君」です。 校名にちなんだ名前が、算数(2014・2015・2024・2026 年度)にも理科(2011・2014・2015・2016 年度)にも出てきます。冊子の身元を確かめる目印にもなりますし、問題文の親しみやすさにもつながっています。
  • 理科が体験や物語から入ります。夏の林間学校の登山で霧を見てやまびこを聞く(2015)、映画で忍者が水の上を歩くのを見て疑問に思う(2015)、メダカを買ってきて袋から水そうに移す(2016)、映写機と透明な板で映像を浮かせる(2016)。「なぜだろうと思った」から実験に入るという流れが繰り返されます。
  • 理科に古典が出ます。2017 年度の大問 1 は「枕草子」の星の一節から入り、すばる・彦星・夏の大三角へ進みます。科目の境目をまたぐ作り方を好むように見えます。
  • 社会が身近な一語から歴史を貫きます。お金(2010)、流行(2012)、日食(2013)、健康と病気(2014)、税(2015)、国どうしの対等(2017)。どれも「みなさんは〜したことがありますか」のような呼びかけで始まり、原始時代までさかのぼって現代に戻ってきます。
  • 算数が生活の場面を数字にします。いちごのカップケーキの材料と費用(2015)、焼き菓子の売買(2024)、165〜175 人分のノートをどちらの店で買うか(2025)、腕立てとスクワットの日課(2014)、階段でじゃんけん(2015)。式を立てる前に場面を整理する一手間が要ります。
  • 「あなたはどう考えるか」を正面から聞きます。人口減少を望ましいと思うか(社会 2014)、集めた税を環境・防災・伝統文化のどれに使うのがふさわしいか(社会 2015)、二酸化炭素を増やさないために自分にできること(理科 2015)。答えが 1 つに決まらない問いを、複数の科目で毎年のように置いています。
  • 読み違えを見つけさせる問い方をします。国語では 3 年連続で、生徒たちの発言のどれが本文を正しく読み取れているかを〇×で判定させます。社会でも「表から読み取れることを一つ選び」という形で同じ力を見ています。正しく読み取れたかを、他人の読み方を通して問うという共通の姿勢があるように見えます。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この 8 項目を「いつか通る道」として眺め、11 節の学年別ロードマップから入ってください。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [週末 60 分] どの回を受けるかを先に決め、使う年度を分ける。 4 科の回なら算数・国語とも 2015 年度以前です。大問 3〜5 が 3〜5 小問つきの大きな問題で、途中の考え方を並べる要求もあり、国語は内容説明と理由説明が 6〜9 問あります。午後の短い試験を受けるなら 2016 年度以降。混ぜて解くと分量も問い方も感覚が狂います。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 社会を 30 分で通す練習を最優先に。8 年連続で大問 1 題・30 問前後です。分野別の問題集をいくら解いても、1 本の文章を 30 分で読み切って 30 問に答える形には慣れません。精読した 3 年(2014・2015・2017)をまず時間を計って解いてください。(確認: 〜2017 年度)
  3. [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算 3 問+逆算 2 問)を毎日。11 年連続で同じ出題位置です。分数と小数が混じる四則計算 3 問と、2 段階以上の逆算 2 問。ここは点の取りこぼしが直接効きます。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 理科は「表からグラフをかく」を軸に。3 年連続でほぼ同じ設問文なので、目盛りの取り方(最大値から逆算して 1 目盛りいくつにするか)と、軸に単位を書き添えることを手順として固めます。あわせて、長い文章と図表を読んでから解く形に慣れること(過去問は分野別ではなく大問まるごとで解く)、条件が 1 つだけ違う実験を選ぶ「比べる相手を選ぶ」考え方を言葉で説明できるところまで持っていくこと、湿度・含まれる割合・距離の比・単位面積あたりの重さといった割合と比の計算を理科でやること。分野では気象と生物(食物連鎖・動物の誕生・こん虫)が確認できた 8 年で最も手厚いので、ここから固めます。(確認: 〜2017 年度)
  5. [毎日 10 分] 国語は知識問題を毎日、読み方の練習を週 1 回。漢字の読み 5・書き取り 5 は 3 年連続で同じ出題位置にあり、送り仮名の指定も固定です(読みは拝む・補う・試みる・設ける・探るのような訓読みが中心)。接続語の補充は 6 問セットで、「同じものを二度使わないこと」なので 1 つ決めては全体を見直す解き方に。文の並べ替えは指示語と接続語を手がかりに、書き出しと結びをつなぐ道筋を作ります。生徒の発言の正誤判定は、本文のどこにも書かれていないことを「正しい」と判断しないこと、言い過ぎ(「必ず」「すべて」)に気づくことの 2 点で見分けます。科学・歴史・生き方といった身近でないテーマの説明文を読む量も増やしてください。(確認: 〜2018 年度)
  6. [週 1 回] 社会の年代の並べかえと、地図への書き込み。並べかえは精読した 3 年すべてに複数問あり、人物・できごと・時代を混ぜて早い順に並べる練習を毎週。地図は都道府県の位置を白地図に斜線で示す、領土の変化を地図に落とす形で、書ける都道府県を増やしておきます。(確認: 〜2017 年度)
  7. [週 1 回] 理由を 1〜2 文で書く練習を 8 割、自分の考えを書く練習を 2 割。社会は 8 年すべてに 2〜5 問、理科は精読した 3 年すべてに 1 問あります。字数の指定は無いので、解答らんに収める練習を。理由は「〜だから」、目的は「〜のため」と結び方を分けて固めます。「あなたの考えを述べなさい」は社会 2014・2015 年度、国語 2012・2015 年度で出ており、賛否のどちらでもよいので理由を 1 つに絞って 2〜3 文で書く形を作っておきます。あわせて、前年 1 年の出来事を憲法・歴史とつなげて言えるように。出来事の名前だけでは足りず、「これは憲法のどの考え方か」「歴史のどの出来事に似ているか」まで一言添えられる状態にします。(確認: 〜2017 年度)
  8. [週末 60 分] 算数は図形 2 題続きとグラフを軸に。2023・2025・2026 の 3 年連続で「円とおうぎ形の斜線部の面積」→「立体の体積」の並びが来ます(半円柱・円柱の一部・展開図の 3 パターン)。速さと水量のグラフは 2020〜2026 の 7 年連続で大問 2 の終盤にあり、読むだけでなくもう 1 人の動きをかき足す練習まで。割合系の一行題(数行で終わる短い文章題。売買損益=仕入れ値・定価・売値の関係から損得を求める問題、食塩水、買い方の場合分け)は、式より先に「何をもとにするか」を一言書く癖を。規則性は数列(2024 の分数列)と図形の並べ方(2026 のタイル)の両方を、1 から順に書き出して区切りを見つける手で。(確認: 〜2026 年度)

8. 科目別の詳細

まず 4 科目を並べて見ておきます。

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科目 形式の固さ 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 4 科目がそろう回(〜2015)は大問 5・小問 12〜17。算数基礎の回(2016〜)は大問 2・実際の設問 12〜15。説明を書かせる設問は 17 年でゼロ、作図はあり 大問 1 は計算と逆算で不動。大問 2 以降の単元は毎年入れ替わる。グラフを読む・かき足す問題が毎年 計算と逆算の 5 問、円とおうぎ形→立体の体積の 2 題続き、速さと水量のグラフ
理科 大問 3〜4・小問 23〜32。30 分にしては多い。記号選択 24〜43%/短答(語句や数値を短く答える形式)42〜64%/説明 4%/作図 8〜9% 1 つの大問に複数分野を詰める。長い導入文と実験の手順を読ませる 表からグラフをかく練習。長文と図表を読む体力。割合と比の計算
社会 8 年すべて大問 1・小問 25〜38。記号選択 52〜73%/短答 10〜32%/説明 6〜13%/作図 0〜2 問 身近な一語から原始時代までさかのぼり現代へ戻る文章。前年の出来事を必ず取り込む 30 分の通し演習、年代の並べかえ、理由を 1〜2 文で書く練習
国語 2015 年度までは読解 2 題・説明を書く設問 6〜9 問。2016 年度からは知識 1 題+説明的文章 1 題で説明はほぼ無し 抽象的なテーマの説明文が続く。物語文には前書きが付く 漢字の読み書き、接続語と並べ替え、発言の正誤判定、抜き出し(本文中の言葉をそのまま書き写して答える形式)

8-1. 算数(2009〜2026 の資料 17 年分。ただし途中で別の試験に切り替わります)

この科目でいちばん先に知っておくこと

資料の算数は、2015 年度までと 2016 年度からで、まったく別の試験です。

  • 2009〜2015 年度(7 年): 大問 5 題・小問 12〜17 題。4 科目がそろう回の算数と考えてよい分量です。
  • 2016〜2026 年度(11 年): 大問 2 題だけ。冊子の表記を確認できた 2017・2019・2024 年度には「算数基礎」と書かれています(2024 年度の冊子には「光塩女子学院中等科 第 1 回 算数基礎入試問題」とあります)。2016 年度以降の 11 年はすべて同じ構成なので、同じ種類の試験と見てよさそうです。

つまり 2016 年度以降の資料を「4 科目がそろう回の算数」として読むと大きく取り違えます。大問数が 5 から 2 へ減ったのは出題が易しくなったからではなく、資料が別の冊子に替わったためです。以下では二つを分けて書きます。

年度×大問の題材表 — 4 科目がそろう回(精読した 2012・2014・2015)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2012 計算 1 問/逆算 1 問 年齢算/直径 20cm の半円の斜線部の面積 整数の操作をくり返す規則性(奇数なら 1 を足す・偶数なら 2 で割る) 720m の直線を兄と弟が行き来する速さとグラフ(グラフをかき足す) 直方体にテープを斜めに巻く(立体の展開・切り口)
2014 計算 1 問/逆算 1 問 ひし形を底面とする四角柱の体積/男女の平均点 長方形を転がす図形の移動(コンパスで作図) 1 周 1.8km の周回コースを歩く人と走る人(グラフをかき足す・すれちがう順番の推理) 腕立てとスクワットの日課(規則性)
2015 計算 1 問/逆算 1 問 時計算 2 問/段差のある容器の水量とグラフ 2 問 いちごのカップケーキの材料と費用(割合・単位量あたり) 30 段の階段でじゃんけん(場合の数) 円の中を転がる円板(図形の移動・作図・記号選択)

小問に付いている単元名だけで見ると、2009〜2011 年度も同じ骨格です(大問 1 が計算+逆算、大問 2 が一行題 2 題、大問 3〜5 が 3〜5 小問つきの大きな問題)。この節に出てくる年齢算・時計算・平均算・通過算・売買損益といった特殊算の中身は 用語集 にあります。

年度×大問の題材表 — 算数基礎の回(精読した 2024・2025・2026)

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年度 大問 1(答えだけでよい) 大問 2
2024 計算 3 問/逆算 2 問 (1) 焼き菓子の売買損益 2 問
(2) 円柱を直方体の箱に入れる体積・容積 2 問
(3) 分母ごとに区切った分数列 2 問
(4) 3600m の道を歩く人と自転車の速さとグラフ 3 問(うち 1 問はグラフをかき足す)
2025 計算 3 問/逆算 2 問((2) は 1 問)/2025×□ の虫食い算 (1) 円と長方形の展開図から半径と体積 2 問
(2) 165〜175 人分のノートをどちらの店で買うか(割合と場合分け)
(3) 通過算
(4) 給水管と排水口のある直方体容器の水量とグラフ 3 問
2026 計算 3 問/逆算 2 問 (1) 正方形と半径 5cm の円を組み合わせた斜線部の面積
(2) 底面の半径 3cm の半円柱の体積
(3) 5% と 10% の食塩水を混ぜる
(4) A 町〜C 町 12km を走る 2 人の速さとグラフ 4 問(グラフをかき足す)
(5) 1〜100 のタイルを並べる規則性 3 問

同じ位置に同じ種類の問題が出る(算数)

  • 大問 1 は 17 年間ずっと「計算」+「逆算」です。2009 年度だけ (1) 逆算・(2) 計算の順で、2010〜2026 年度は (1) 計算 →(2) 逆算 の順が 17 年中 16 年そろっています。
  • 算数基礎の回では 2016〜2026 年度の 11 年連続で、大問 1 が「計算 3 問+逆算 2 問」の 5 問です。導入文も「次の各問いに答えなさい。ただし、答えだけでよいです。」で 3 年分(2024・2025・2026)そろっているのを確認しました。
  • 大問 2 の入口は図形です。2023・2025・2026 の 3 年連続で (1) 平面図形(円とおうぎ形がらみの面積)→(2) 立体の体積という並びになっています。
  • 大問 2 の終盤にグラフを読む問題が来ます。速さとグラフ、または水量とグラフが 2020〜2026 年度の 7 年連続(2020・2022・2023 は (5)、2021・2024・2025・2026 は (4))。
  • 4 科目がそろう回のほうも、グラフを読む・かき足す問題は 2009〜2015 年度の 7 年すべてに入っています(大問 3〜5 のどこか)。
  • 一方で、大問 2 の (2)〜(4) にどの単元が入るかは毎年入れ替わります。売買損益・食塩水・通過算・平均算・場合の数・推理は年ごとの持ち回りで、並び順は固定されていません。

問い方のくせ(算数)

  • グラフを自分でかき足させます。 2012 年度 大問 4(3)(4)、2014 年度 大問 4(2)、2024 年度 大問 2(4)②。「もう一人の動きを同じグラフにかき入れなさい」という形が多く、読み取りだけでは終わりません。
  • 定規とコンパスによる作図が、精読した年のうち 2009・2014・2015・2021 年度にあります。「点 A が通ったあとをコンパスを用いて解答欄にかきなさい」(2014 年度)のように、図形の移動とセットで出ます。
  • 「答えだけでよいです」「答えのみでよいです」という但し書きが小問ごとに付きます。逆に言えば、但し書きの無い小問は途中の書き方が採点対象になりえます。2012 年度 大問 3(1) は「問題文の 5 の場合のように整数の変化を表してから答えなさい」と、途中の並べ方を明示的に要求しています。
  • 光子さん・塩子さん・光男君という校名にちなんだ人物名が登場します(2014・2015・2024・2026 年度で確認)。この学校の冊子であることの確かな目印になります。
  • 生活の場面を題材にします。カップケーキの材料と費用(2015)、焼き菓子の売買(2024)、ノートの買い方の店比較(2025)、腕立てとスクワットの日課(2014)、階段でじゃんけん(2015)。数字を式に写す前に、場面を整理する一手間が要ります。

8-2. 理科(2009〜2017 の資料 8 年分。2018 年度以降は資料がありません)

精読したのは 2015・2016・2017 年度で、単元の並びは 2009〜2017 の 8 年分を数えました。2018 年度以降の冊子は資料に無いので、直近 9 年の理科はこの資料からは分かりません。

年度×大問の題材表(2015〜2017)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2015 食物連鎖と二酸化炭素の出入り(矢印の図を書き足す・自分にできることを 2 つ書く) 光子さんの登山(霧・湿度・やまびこの音・水がこおる・石灰石と塩酸)— 1 つの物語に地学・物理・化学をまとめた大問 忍者の水上歩行から入る浮力と密度(表からグラフをかく・体重 36kg を支える板の面積) —
2016 メダカを買ってきた(雌雄の見分け・卵の成長順・流れに対する泳ぎ方の実験) 装置で流水のはたらきを調べる(運搬・堆積・浸食、川の断面) 映写機と透明プラスチック板で映像を浮かせる(光の直進と反射・像の位置・距離の比と像の高さのグラフ) そのプラスチック板の材質調べ(1cm³ の重さ・種類の判別・加熱の変化)
2017 「枕草子」の星の一節から入る星・星座と金星(すばる・彦星と夏の大三角・金星の見え方・太陽からの距離の比) 受粉と受精、ヒトの誕生、せきつい動物の産卵数と理由 電池と金属(豆電球のつなぎ方・箱の中の配線当て・金属の判別・酸化銅と炭素の加熱とグラフ) —

同じ位置に同じ種類の問題が出る(理科)

  • 大問数は 3 題か 4 題(2009〜2017 で 3 題が 5 年、4 題が 3 年)。小問は 23〜32 題で、30 分の試験としては多い数です。
  • 大問 1 は生物が 2009〜2016 年度の 8 年中 6 年(人体・植物・こん虫・池の微生物・食物連鎖・メダカ)。例外は 2012 年度(はね上がるボール)と 2017 年度(星)です。
  • 化学系(燃焼・気体・重さの関係・水溶液)は最後の大問に置かれることが多くなっています(2010・2014・2016・2017 年度)。
  • 表のデータをグラフにする作図が、最後の大問に毎年 1 問。しかも設問文がほぼ同じで、「横軸に〜、縦軸に〜をとり、表の結果をグラフで表しなさい。横軸、縦軸の目盛りや単位なども記入しなさい。」が 2015・2016・2017 の 3 年連続です(2015 は木材の面積と重さ、2016 は距離の比と像の高さ、2017 は炭素の重さと固体の重さ)。目盛りと単位を自分で決めさせる点まで同じです。
  • 1 つの大問に複数の分野を詰めるのが、この学校の作り方です。 2015 年度の大問 2 は登山という 1 つの場面から湿度・音・状態変化・気体を続けて聞き、2017 年度の大問 3 は電池・電気回路・金属・燃焼を 1 本につないでいます。分野別に区切って対策していると、途中で「これは何の単元か」を見失いやすくなります。

問い方のくせ(理科)

  • 長い導入文を読ませてから問います。新聞記事(2009)、登山の体験談(2015)、映画で見た忍者(2015)、メダカを買った話(2016)、「枕草子」の一節(2017)。理科の知識より先に、文章と図表を読む作業が入ります。
  • 実験の手順を示して、結果を考えさせます。「[実験 1]〜[実験 5] のうち最も大きい粒が流されるのはどれか」(2016)、「どう変化するか調べるためにはどの木材の結果を比べればよいか」(2015)のように、比べる相手を自分で選ばせる問いが混じります。
  • 説明を書かせる設問が毎年 1 問あります。2015 は「二酸化炭素がこれ以上増えないよう、あなたができることを 2 つ」、2016 は「メダカの行動が自然の川で生活するうえでどう役立つか」、2017 は「一度に産む卵や子の数が最も少ないのはどれか、またその理由」。いずれも字数の指定は無く、1〜2 文で足りる長さです。
  • 選び方の指示が細かく付きます。「すべて選び」「早いものから順にならべかえ」「解答らんの正しい方を○で囲みなさい」「ア〜カから 2 つ選び」。記号を選ぶ問題は全体の 4 割前後を占めます。
  • ここでも光子さんが登場します(2011・2014・2015・2016 年度)。

8-3. 社会(2009〜2017 の資料 8 年分。2016 年度と 2018 年度以降は資料がありません)

精読したのは 2014・2015・2017 年度で、文章のテーマと単元の並びは 2009〜2017 の 8 年分を数えました。

この科目の形は 8 年間まったく動いていません

社会は 8 年すべて「大問 1 題だけ」です。 1 本の長い文章に下線が 20〜25 本引かれ、その下線ごとに問いが並びます。小問は 25〜38 題(平均 31 題)。地理・歴史・公民という区切りは無く、文章の流れに沿って三分野が入れ替わり立ち替わり出てきます。この形が 2009〜2017 年度の 8 年間 1 度も崩れていません。

年度×文章のテーマ(2009〜2017)

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年度 文章のテーマ 小問数 よく出た分野
2009 代表者を選ぶということ(係や委員から選挙へ) 25 三権分立・明治維新・近代の戦争・情報の読み取り
2010 お金の歴史(物々交換から現代へ) 30 経済と産業・農業・奈良時代・安土桃山
2011 地球 46 億年と人類・日本の歴史の長さ 29 史料の読み取り・原始古代・世界地理
2012 「流行」(外来の宗教から文化・芸術へ) 38 江戸時代・経済・世界地理・環境
2013 2012 年の金環日食から 29 世界地理・江戸時代・平安時代
2014 健康と病気の歴史(土偶・天然痘・はしか・平均寿命) 30 戦後現代・都道府県の同定・原始古代
2015 税(消費税 8% から租・地租改正・ふるさと納税へ) 31 財政と税・近代の戦争・奈良時代・明治維新
2017 国どうしは対等という考え方(世界の国々から日本の成り立ちへ) 32 原始古代・世界地理・国際協力・江戸時代

テーマの選び方に色があります。身のまわりの一語(お金・流行・健康・税・日食)を出発点にして、そこから原始時代まで一気にさかのぼり、また現代に戻ってくるという組み立てが 8 年に共通します。

同じ位置に同じ種類の問題が出る(社会)

  • 大問 1 題・小問 30 前後という形が 8 年連続で不変です。冒頭は必ず「次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。」で始まります。
  • 文章の前半は現代の話題、中盤で歴史をさかのぼり、後半でまた現代(憲法・国際・地方自治)に戻る構成が、精読した 3 年(2014・2015・2017)で共通しています。歴史の比重が大きく、原始・古代から昭和まで通しで動きます。
  • 年代順の並べかえが毎年複数問。2014 年度は 3 問(行事を祝う年齢順、天然痘で亡くなった人物、研究者の功績)、2015 年度は 2 問、2017 年度は 2 問です。
  • 説明を書かせる設問が 8 年すべてに 2〜5 問あります(2010 年度が最多の 5 問)。
  • 地図に印をつける作図が 2009・2011・2012・2014・2015 年度にあります(長野県の位置を斜線で示す、日露戦争後に日本領となった樺太の部分を斜線で示す)。2015 年度には円グラフをかかせる設問もあります。

問い方のくせ(社会)

  • 「ふさわしくないものを一つ選び」「正しくないものを一つ選び」という、あてはまらないほうを選ばせる形が多くなっています。 精読した 3 年のすべてに複数問あります。
  • 記号を選ぶ問題が 5〜7 割を占めますが、選択肢は 1 つ 1 つが 1 文以上あり、読む量が多くなります。
  • 説明の書かせ方が 4 通りあります。
  • 理由(「風呂屋や芝居小屋はなぜ商売がおとろえたのか、両者に共通する点を考えて」2014/「なぜ『私たちのくらしに最も身近な税』といえるのか」2015)
  • 目的(「日本政府が国際機関に報告する目的を述べなさい」2014)
  • 図や資料から読み取る(「二重の堀に囲まれたムラは、他のムラと争ううえでどの点が有利か」2017/「日本でよく見る世界地図とどこがちがうか」2017)
  • 自分の考えを書く(「2060 年の人口減少を望ましいと思うか、思わないか。どちらか一方を選び理由も」2014/「環境・防災・伝統文化の 3 つから 1 つ選び、集めた税をどう使うのがふさわしいか、あなたの考えを」2015)
  • 指定語句を使って説明させる形もあります(2017 年度「征夷大将軍」「関ヶ原の戦い」の 2 語をすべて使って江戸時代の始まりを説明する)。
  • 前年の出来事を必ず取り込みます。2015 年度は 2014 年の消費税率引き上げ、2017 年度は 2016 年 6 月の欧州連合の離脱を問う国民投票、2013 年度は 2012 年 5 月の日食。時事そのものの知識より、出来事を歴史や制度につなぎ直す力を見ています。
  • 地元・身近な題材も混じります(長野県の県歌の歌詞から山と川と寺を答えさせる 2014 年度など)。
  • 統計の表・地図・模式図・グラフを読む設問が毎年あります。数字そのものより、表から言えること・言えないことを判断させる出し方です(2017 年度の世界人口上位 5 か国の表)。30 分で 30 問前後なので 1 問あたり 1 分弱、長い文章を読む時間を先に確保する必要があります。

8-4. 国語(2009〜2018 の資料 9 年分。2019 年度以降は問題文が資料にありません)

国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2009〜2018 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2016・2017・2018 年度で、構成と出典は 2009〜2018 年度の 9 年分を数えました。

国語もまた 2016 年度で形が変わります

  • 2009〜2015 年度(6 年): 大問 2 題とも読解。物語文 1 題+説明的文章 1 題という組み合わせで、小問 16〜24 題のうち説明を書かせる設問が 6〜9 問を占めます。
  • 2016〜2018 年度(3 年): 大問 1 が漢字・語句の知識問題、大問 2 が説明的文章 1 題(5〜6 問)。説明を書かせる設問は 3 年で 1 問しかありません。

算数が「算数基礎」の冊子に替わったのと同じ 2016 年度に、国語も同じ向きに変わっています。国語の冊子には「国語基礎」という表記を確認できていないので断定はしませんが、2016 年度以降の国語を 4 科目がそろう回の国語だと思って読むのは危ないところです。

年度×大問の題材表

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年度 大問 1 大問 2
2009 「私的生活環境とサステイナビリティ」と題する文章(加藤幸子) デジタルの道具と人の暮らし(赤瀬川原平)
2010 父の再婚で姉妹になった小 4 と小 6 の物語(重松清) 卒業する中学生からもらった色紙をめぐる随筆
2011 箱根駅伝の復路を走る大学生たちの物語(三浦しをん) 歴史とは何か(内山節)
2012 古い街並みと異質なものが並ぶ風景をめぐる文章 「福岡ハカセ」の語りかけ調の科学エッセイ(福岡伸一)
2014 海外旅行から帰国したときの印象の変化(吉田修一) 画一化する近代社会と多様性
2015 フィリピンから嫁いだテルちゃんと息子の物語(玄侑宗久) 「生き方とは何か」を問う哲学の文章(鬼界彰夫)
2016 漢字の読み・書き取り・慣用句・接続語・文の並べ替え 平均寿命と時間の測り方(池内了)
2017 漢字の読み 5・書き取り 5・ことわざ・接続語 6・文の並べ替え 「寝て考える」小説家の話から、考えることの働きへ
2018 漢字の読み 5・書き取り 5・四字熟語 5・接続語 6・文の並べ替え 科学とは何か(法則・理論・仮説と抽象化)

出典は原本の末尾表記で確認できたものだけを書きました。2017・2018 年度の大問 2 は、資料の中に筆者名の表記が見当たりません。

同じ位置に同じ種類の問題が出る(国語)

  • 2016〜2018 年度の大問 1 は、(1) 漢字の読み →(2) 漢字の書き取り →(3) 慣用句・ことわざまたは四字熟語 →(4) 接続語の補充 →(5) 文の並べ替え、の順が 3 年連続で完全に同じです。(4) には毎年「同じものを二度使わないこと」という但し書きが付き、選ばせる数も 6 個で 2017・2018 年度が一致しています。
  • 大問 2 の最後の設問が 3 年連続で同じ形です。「この文章を読んだ人たちの発言を次に記します。本文を正しく読み取っているものには〇を、本文の理解に誤りがあるものには×を」(2016・2017・2018 年度)。生徒の発言を並べて正誤を判定させるという、この学校の看板と言ってよい問い方です。
  • 2009〜2015 年度は物語文と説明的文章を 1 題ずつという組み合わせが 6 年間動いていません。物語文には毎年、あらすじを数行で説明する前書き(「・テルちゃん(本名エテル)がフィリピンから…」)が付きます。
  • 説明的文章のテーマに色があります。持続可能性(2009)、歴史とは何か(2011)、科学の考え方(2012・2018)、生き方とは何か(2015)、時間と寿命(2016)。抽象的な問いを正面から立てる文章が続いており、物語文よりこちらが読みにくくなっています。

問い方のくせ(国語)

  • 抜き出し(本文中の言葉をそのまま書き写して答える形式)が多くあります。「文中から抜き出して答えなさい」「二字の熟語を文中から抜き出して」。字数の範囲を指定することもあります(2016 年度「十五字以上二十字以下」)。
  • 空欄に漢字一字・熟語を入れさせます(2016 年度 問 3、2017 年度 問 5)。読解と漢字の力を同時に使います。
  • 語句の意味を選ばせる設問が 2017 年度は 6 問中 3 問。「画期的な」「馬上」「寝て考える」のように、文脈の中での意味を選ばせます。
  • 2009〜2015 年度は説明を書かせる設問が中心で、内容説明(どういうことか)と理由説明(なぜか)が両方出ます。2012・2015 年度には自分の考えを書く設問もあります。
  • 大問 1 の並べ替えは、書き出しの文と結びの文が示され、その間に入る 4〜6 文を筋が通るように並べる形です。3 年連続で同じ作りです。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

最終確認年度は、その単元を原本で最後に確認できた年度です。理科・社会は 2017 年度まで、国語は 2018 年度までの資料しかありません。「何年空いている」は資料で確認できた最後の年からの年数であって、実際にはその後に出ている可能性があります。

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科目 単元・テーマ 出ていた年 最終確認年度 状況
算数 場合の数 2015(4 科目がそろう回・大問 4)・2017(算数基礎) 2017 年度 算数基礎では 2017 年度以降 9 年出ていません
算数 図形の移動(転がす・回す) 2014・2015(4 科目がそろう回)・2016・2022 2022 年度 算数基礎では 6 年周期。2022 年度以降 4 年空いています
算数 平均算 2010・2014(4 科目がそろう回)・2018(算数基礎) 2018 年度 算数基礎では 2018 年度以降 8 年空いています
算数 食塩水の濃度 2011(4 科目がそろう回)・2026(算数基礎) 2026 年度 2026 年度に久々に登場。当面は続く候補です
算数 推理・論理 2014(4 科目がそろう回・大問 4(5))・2020(算数基礎) 2020 年度 6 年周期。次の候補年に入っています
算数 立体の切断・展開 2012(4 科目がそろう回・大問 5) 2012 年度 4 科目がそろう回でしか出ていません。算数基礎では展開図から体積を求める形(2025)に置き換わっています
理科 気象(湿度・雲・降水) 2009・2011・2012・2014・2015 2015 年度 5 年で 5 回。精読した範囲では最も出やすい地学分野です
理科 星・星座と惑星 2014・2017 2017 年度 3 年周期
理科 実験器具の操作(顕微鏡・ろ過) 2010・2011・2014 2014 年度 3〜4 年周期
理科 地層・岩石・火山 2010・2012 2012 年度 長く空いています
理科 ふりこ・物体の運動 2012・2014 2014 年度 2 年周期で来たあと止まっています
理科 人体・消化 2009・2017 2017 年度 8 年周期。長く空くと戻ってきます
理科 電気回路 2010・2017 2017 年度 2017 年度は箱の中の配線を推理する形で出ました
理科 光 2011・2016 2016 年度 5 年周期
理科 浮力・密度 2015・2016 2016 年度 2 年連続で出たあと、2017 年度は出ていません
社会 世界地理(地図・国名・人口) 2010・2011・2012・2013・2017 2017 年度 8 年で 5 回。文章のテーマが国際に寄ると一気に増えます
社会 江戸時代 2012・2013・2015・2017 2017 年度 8 年で 4 回。鎖国と対外関係の切り口が多くなっています
社会 財政・税・社会保障 2013・2015 2015 年度 2015 年度に大きく出たあと確認できていません
社会 三権分立・国会・内閣 2009・2014 2014 年度 5 年周期
社会 環境問題・防災 2012・2015 2015 年度 課税の理由を考えさせる形(2015)で出ました
社会 文化史・美術史 2012・2014 2014 年度 「流行」のような文化テーマの年に集中します
社会 情報・メディアの読み取り 2009・2017 2017 年度 2017 年度は国民投票と書き込みの話題で出ました。同じ切り口は戻りやすいところです
国語 物語文 2010・2011・2015 2015 年度 2016 年度以降に精読した冊子では説明的文章のみ。4 科目がそろう回では出続けている可能性が高いものの、資料からは確認できません
国語 自分の考えを書く設問 2012・2015 2015 年度 3 年周期で出ていました。社会でも同じ形が出るので、この学校が好む問い方と見てよさそうです
国語 四字熟語 2011・2014・2018 2018 年度 3〜4 年周期
国語 慣用句・ことわざ 2012・2016・2017 2017 年度 2016・2017 と続き、2018 年度は四字熟語に入れ替わりました。交互に出る可能性があります

10. 形式面の注意

  • 説明を書かせる設問に、字数の指定がほとんどありません。 社会も理科も、精読した年に字数指定は 1 問もありませんでした。解答らんの大きさに合わせて 1〜2 文で書く形です。字数を数える練習より、1 文にまとめ切る練習を。
  • 代わりに文字の種類の指定が多くなっています。「漢字 2 字で」「漢字で答えなさい」「漢字 2 字で答えなさい」(2017 年度)「ひらがなで」「アルファベットの大文字を用いて」「算用数字で」「④・⑤は送り仮名もひらがなで書きなさい」(2016・2018 年度)。指示を読み落とすと正解でも失点します。国語では漢数字の指定も付きます。
  • 作図が 3 科目にあります。 算数はグラフのかき足しと、定規とコンパスによる作図。理科は精読した 3 年とも毎年 2 問で、内訳は表からグラフをかく問題 1 問と、図に書き足す・印をつける問題 1 問(2015 は矢印を 1 本足す、2016 は像の位置に × をつける、2017 は箱の中の配線を考える設問に図が絡む)。社会は地図に斜線で示す作図と、円グラフをかく作図。解答用紙に線を引く練習が要る学校です。
  • 記号を選ぶ問題では「あてはまらないほう」を選ばせる形が多くなっています(社会・理科)。「ふさわしくないもの」「正しくないもの」「異なるもの」。
  • 並べかえの指示も共通します。社会は年代順、理科は成長や変化の順、国語は文の順。
  • 2009 年度の算数に「円周率は 3.14 として計算し」の但し書きを確認しました。ほかの年の冊子には表記が見当たりません。
  • 算数は説明を書かせる設問が、精読した範囲でゼロです。答えを書く形式と、作図が混じる形式の 2 種類だけ。解答用紙は冊子と一緒に転写されており、答えの欄が小問ごとに分かれている年が多くなっています。
  • 国語は 2016〜2018 年度が記号を選ぶ問題と短く答える問題だけで、長い説明を書かせる設問はほぼありません(2018 年度に「〜たら」に続く形で答える設問が 1 問)。2015 年度までは逆に、説明を書かせる設問が小問の 3〜4 割を占めました。
  • 試験時間・配点は冊子に印刷されていません。1 節の数字は学校が公表している 2027 年度の日程によるもので、算数基礎の回の時間はこの資料からは分かりません。

11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

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段 この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さがそのまま点になる学校です。分数と小数が混じる四則計算を、途中式をそろえて書く習慣から。漢字は読みと書きを毎日 5 問ずつ、送り仮名まで。図形は円とおうぎ形、そして直方体・円柱の体積の入口。国語は物語文を読んで「だれが・どうした・なぜ」を口で言えるように。時間を計る必要はまだありません
小 5(幅) この学校は中身を毎年作り直すので、全分野をひととおり学び終える小 5 の 1 年がいちばん効きます。 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算と逆算・漢字の読み書き 5 問ずつを毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数の単元は次の順に置きます。割合 → 売買損益(受験用教材の単元)→ 食塩水 → 速さ → 規則性 → 場合の数。理科は分野を分けずに、実験の話を最後まで読んで表とグラフを自分でかく練習を始めます(ただし 2018 年度以降は資料がありません → 13 節)。社会は歴史を通しで 1 周し、そのうえで「お金」「病気」「税」のような 1 つのテーマで時代を貫いて話せるようにしておきます。この学校の社会はまさにその形で出ます(ただし 2018 年度以降は資料がありません → 13 節)。国語は説明的文章を、段落ごとに一言の見出しを付けながら読みます(ただし 2019 年度以降は資料がありません → 13 節)
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目に集中します。夏以降は、社会と理科は年度通しで時間を計り、算数と国語の知識問題は同じ大問を、年度を変えて解く、という二本立て。算数の大問 1 と国語の大問 1 は毎日 10 分の日課にして、残りの時間を社会の通し演習と、理科のグラフ作図・説明記述に回します

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 からの「読む体力」です。社会は 30 分で 30 問、理科は 30 分で 25 問前後を、いずれも長い文章を読んだうえで解きます。知識の量よりも、初めて見る文章を落ち着いて最後まで読み切れるかが効きます。小 4 のうちから、理科や社会の読み物を「問題として」ではなく読み物として読む時間を取っておくと、小 6 で効いてきます。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は過去問演習が重なるかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。

  • 東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県・共学)— 国語と社会が近い組み合わせです。長い文章に下線を引いて問う社会の作りが似ています。
  • 開智中学校(埼玉県・共学)— 4 科目すべてで近く、とくに国語。理科の実験データを読ませる比重も近いところです。
  • 雙葉中学校(東京都・女子校)— 理科・社会が近い組み合わせです。説明を書かせる比重と、時事を歴史につなぐ社会の出し方が共通します。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

  • 2027 年度は、開智が 2 月 4 日、かえつ有明が 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯に光塩と入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
  • 午後の 1 科目の回や 2 月 4 日の 2 科を受ける場合、併願先が 4 科目校なら、理科と社会はこの回の準備とは別に立てる必要があります。
  • 出題構造の近さで言えば、社会の「1 本の長い文章に 30 問」という形が同じ学校はほとんどありません。社会の過去問演習はこの学校のものを年度を変えて使うほうがよさそうです。逆に、理科の「実験データを表からグラフにする」練習と、国語の漢字・語句の知識問題は、上の学校の過去問でそのまま積み増しできます。
  • 近さは科目ごとの大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の使い回しの距離と、単元分布の類似を合成したものです(100 に近いほど出題構造が近い)。同じ問題が出るという意味ではありません。

13. 資料の限界

  • 入試回の区別ができません。 この資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊しか収録されておらず、どの回の冊子かは表紙の表記からしか分かりません。2017・2019・2024 年度の算数の冊子には「算数基礎」と書かれていましたが、ほかの年は表記を確認できていません。同じ「算数」の名前で 2 種類の試験が混ざっていることが、この学校の資料でいちばん注意すべき点です。
  • 算数以外は途中で止まっています。理科と社会は 2017 年度まで、国語は 2018 年度まで(国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。直近 8〜9 年の理科・社会・国語はこの資料からは分かりません。 2027 年度からは午後の 1 科目の試験が「総合」1 科目にまとめられ、2 科の回が新設されるなど、募集の形自体も動いています。最新の形式は必ず市販の過去問集と学校の発表で確かめてください。
  • 社会は 2016 年度の冊子が資料にありません。2016 年度だけ飛んでいるので、8 年連続と書いた箇所も厳密には「2009〜2015 と 2017 の 8 年」です。
  • 問題数の数え方が年によって揺れています。国語 2016 年度は漢字 5 問がまとめて 1 問と記録され、算数 2022・2023・2026 年度も複数の設問が 1 問にまとめて記録されています(解答欄の数から、実際は 2 〜 4 倍あります)。本文では原本の解答欄の数で数え直しましたが、小問数の年ごとの比較は慎重に読んでください。
  • 自動集計の要約と食い違った点は原本で採りました。(1) 算数の 2016 年度以降を「大問が 2 題に減った」と読むのは誤りで、別の試験の冊子です。(2) 国語・理科に「字数指定がある」とされていましたが、精読した年の指定はほとんどが「漢字 2 字で」のような文字の種類の指定で、字数の指定ではありません(国語の抜き出しに範囲指定が 1 例あるのみ)。(3) 社会・国語を「大問数がほぼ不変」とする要約は、資料の無い年を数えないという条件つきで正しいものでした。
  • 転写の粗さがあります。2017 年度の理科には判読できなかった文字と、他言語の文字が混じった箇所が 1 か所ずつあります。2017 年度の理科・国語、2018 年度の国語は転写の確からしさが低いと記録されています。設問番号が続き方として不自然な箇所(理科 2017 年度の大問 3)もありました。大きな構造の読み取りには影響しませんが、細部の数字は過去問集で確かめてください。
  • 満点・設問別の配点は、どの冊子にも印刷されていません。試験時間・配点として書いた数字は、学校が公表している 2027 年度の日程によるもので、過去の冊子の印字ではありません。
  • 「〜のように見える」と書いた箇所は、題材や問い方からの推測で、裏づけとなる資料はありません。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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