関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

開智中学校の過去問分析

共学私立埼玉県さいたま市岩槻区

重要結論

  1. 算数は 4 つの大問の中身の並びが、精読した 4 年(2023〜2026)で 1 度も入れ替わっていません。大問 1 =小問集合 8 問、大問 2 =速さ、大問 3 =平面図形、大問 4 =数え上げ・規則性という出題位置(大問の番号と順番)です。
  2. 理科は大問 4 本という形だけが動かず、どの位置に何の分野が来るかは毎年変わります。社会は大問 1 つ・小問 29〜30 問の長文 1 本という形が 4 年続いています。
  3. 算数は 60 分 120 点で国語より配点が高く、理科・社会は各 30 分 60 点です。時間配分の重心がそのまま決まります。

今週やること

  1. 2024〜2026 の理科から「表からグラフを描く」設問だけを 3 問抜き出して解きます(3 年連続で出ています)。
  2. 算数の大問 3(面積比)と大問 4(規則性)を、年度をまたいで同じ出題位置だけ年度を変えて続けて解きます。
  3. 算数の大問 1 の小問集合 8 問を「20 分で 8 問」のセットで解きます(2023〜2026 の 4 年分=32 問がそのまま素材になります)。

分析年度: 2023〜2026 年度
資料の範囲: 4 科目・国語は 2017〜2020 年度
原本確認範囲(精読した年): 算数 4 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 過去問の転写は 1 年に 1 冊だけで入試回の区別ができず、このレポートは第 1 回相当として書いています。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 4 題(2017 年度から、大問数を数えられた資料 3 冊すべて・数えられなかった年 2019。最新の資料は 2020 年度)。前回の変化: 2016 → 2017 の間に 3 題 → 4 題。変化の履歴: 2 回: 2015・2017(間隔 2)
  • 理科: 4 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 7 冊すべて・数えられなかった年が 10 年。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: なし(2010〜2026 年度の、数えられた資料 7 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 社会: 1 題(2024 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて。最新の資料は 2025 年度(2026 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2026 年度 1 題))。前回の変化: 2022 → 2024 の間に 2 題 → 1 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 6 回: 2011・2012・2016・2021・2022・2024(間隔 1・4・5・1・2)。前回の変化のときの分野の並び: 地理-産業|公民-経済・社会 → 歴史-近現代
  • 算数: 4 題(2016 年度から、大問数を数えられた資料 6 冊すべて・数えられなかった年が 5 年。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: 2015 → 2016 の間に 5 題 → 4 題。変化の履歴: 2 回: 2011・2016(間隔 5)。前回の変化のときの分野の並び: 割合・文章題|割合・文章題|場合の数・論理|速さ|平面図形 → 割合・文章題|割合・文章題|数の性質・規則性|速さ

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

横にスクロールできます

項目 内容
所在地 埼玉県さいたま市岩槻区
男女 共学
同じ名前の別校に注意 開智学園の本校にあたる、さいたま市岩槻区の開智中学校です。開智未来・開智日本橋学園・開智所沢・開智望とは別の学校で、このレポートは岩槻区の開智中学校だけを扱います
入試回と日程・科目 第 1 回 1 月 10 日/特待Ⅰ(創発クラス)1 月 11 日午前/算数特待 1 月 11 日午後/第 2 回 1 月 12 日/特待Ⅱ 1 月 15 日。算数特待だけが算数 1 科で、ほかの 4 回は 4 科です(2027 年度募集要項)。このほか 2 月 4 日に日本橋併願の回があります(4 節・13 節)
試験時間・配点(4 科の回) 国語 50 分 100 点/算数 60 分 120 点/社会 30 分 60 点/理科 30 分 60 点・計 340 点。算数の配点が国語より 20 点高く、理科・社会は各 60 点を 30 分で解きます
試験時間・配点(算数特待) 算数 1 科・60 分 120 点

いまの小 6 は 2027 年 1 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 算数は 4 つの大問の中身の並びが、精読した 4 年(2023〜2026)で 1 度も入れ替わっていません。大問 1 =小問集合 8 問、大問 2 =速さ、大問 3 =平面図形、大問 4 =数え上げ・規則性という出題位置(大問の番号と順番)です。
  2. 理科は大問 4 本という形だけが動かず、どの位置に何の分野が来るかは毎年変わります。社会は大問 1 つ・小問 29〜30 問の長文 1 本という形が 4 年続いています。
  3. 算数は 60 分 120 点で国語より配点が高く、理科・社会は各 30 分 60 点です。時間配分の重心がそのまま決まります。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 3(面積比)と大問 4(規則性)を、年度をまたいで同じ出題位置だけ年度を変えて続けて解きます。
  2. 算数の大問 1 の小問集合 8 問を「20 分で 8 問」のセットで解きます(2023〜2026 の 4 年分=32 問がそのまま素材になります)。
  3. 理科・社会は年度通しで時間を計ります(理科 30 分 24 問前後、社会 30 分 30 問)。

今週やる 1 つ

  1. 2024〜2026 の理科から「表からグラフを描く」設問だけを 3 問抜き出して解きます(3 年連続で出ています)。

注意

  1. 過去問の転写は 1 年に 1 冊だけで入試回の区別ができず、このレポートは第 1 回相当として書いています。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを 3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(転写データの単元分類を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

横にスクロールできます

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 4 年(2023・2024・2025・2026) 12 年(精読した 4 年を除く残り) 16 年(2009〜2026) 全問が答えのみを書く形式。読み取り確度が低めの年が 16 年中 2 年(2018・2025)
理科 3 年(2024・2025・2026) 13 年(精読した 3 年を除く残り) 16 年(2009〜2026) 図・表が多く(図のある小問 59%)、図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含みます。読み取り確度が低めの年が 16 年中 9 年(2024 を含む)
社会 3 年(2024・2025・2026) 14 年(精読した 3 年を除く残り) 17 年(2009〜2026) 長文 1 本に下線を振る形式。読み取り確度が低めの年が 17 年中 7 年(2026 を含む)
国語 3 年(2017・2018・2020) 8 年(精読した 3 年を除く残り) 11 年(2009〜2020) 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語の記述は 2020 年度までの姿として読んでください
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 入試回について。この学校は 2027 年度に 6 つの回があります(日程と科目は 1 節)。一方、過去問の転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、回の区別ができません。このレポートは第 1 回相当の 1 冊を読んだものとして書いています。他の回(とくに算数 1 科の算数特待)は形式が違う可能性があるので、回ごとの実物は市販の過去問集で確認してください。
  • 試験時間・配点(2027 年度募集要項)は 1 節にまとめました。
  • 「毎年」「〜年連続」は原本で 3 年以上の反復を確認したものに限ります。それ以前の年については、転写データの単元分類を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書きました。

5. 一番大きな結論

算数は同じ種類の問題が毎年同じ場所に出る学校で、理科・社会は大問の本数だけが固まっていて中身は毎年作り直す学校です。

  • 算数の出題位置が動きません。精読した 4 年(2023〜2026)はすべて、大問 1 =小問集合ちょうど 8 問、大問 2 =速さ(通過算(列車が橋やトンネルを通り抜ける時間の問題)・周回コース)、大問 3 =平面図形(面積比・図形の移動)、大問 4 =数え上げ・規則性でした。4 年連続でこの並びが 1 度も入れ替わっていません。2024 年からは小問数まで 20 問(8+4+4+4)で 3 年続いています。ただしこれは同じ問題が出るという意味ではありません。文言まで一致する問題は 4 年で見つかりませんでした。同じ種類の問題が同じ場所に置かれる、という固定です。
  • 社会は大問が 1 本だけです。精読した 3 年(2024〜2026)はいずれも大問 1 つ・小問 29〜30 問で、「全国を移動しながら見聞きしたことを述べる長文 1 本」(城めぐり/島/駅弁と鉄道)に下線を振り、下線ごとに地理・歴史・公民のどれからでも設問が飛んできます。転写の分類では 2023 年も 1 大問なので、この形は 4 年続いています。
  • 理科は大問 4 本という形だけが動きません(16 年で大問数のばらつき 0)。ただし分野の並びは年ごとに違い、大問 1 が物理の年・地学の年・化学の年があります。表からグラフを描く設問が 3 年連続(2024・2025・2026)で、これは出題位置は動くのに問い方が動かない例です。
  • 国語は 2017 年から 4 大問(漢字 10 問/語彙 1 大問/論説/小説)の並びです。ただし資料が 2020 年度までなので、直近の形は市販の過去問集で確かめてください。

したがって過去問の使い方は科目でまったく違います。算数は「同じ大問を、年度を変えて解く」(大問 3 だけを 4 年分続けて解く、など)が最も効きます。理科・社会は「1 年分を、時間を計って解く」(理科 30 分 24 問、社会 30 分 30 問という速さの練習)に近く、国語は漢字・語彙を切らさない全分野の一巡です。


6. この学校らしさが出る場所

  • 社会の長文が「移動する」。 城をめぐる(2024)、島をめぐる(2025)、駅と駅弁をたどる(2026)と、3 年とも日本各地を移動しながら地理・歴史・公民に触れていく作りです。移動の途中に出てくる地名・写真・時刻表がそのまま設問になるので、文章を読み物として楽しめるかが読解速度に直結しているように見えます。
  • 理科の題材が生活の中から来ます。 水に浮かべるろうそく(2024)、電車のレールの継ぎ目が鳴る「ガタン、ゴトン」(2025)、夕暮れの校庭のコウモリ(2024)、動画解析ソフトで落下を調べる(2026)、献血(2026)。身の回りの現象を計測して数値にするという入り方が 3 年とも共通で、教科書の実験より生活の観察に近い作りです。
  • 問題文に学校名や生徒が登場します。2024 算数の大問 1(2) は「ある年の開智中学校の 1 年生は男女合わせて 279 人で…」、理科の会話文には「開智君」(2024)や「K 君」(2025・2026)が出てきます。社会の 2024 は「校内での有志活動である『開智お城サミット』」という設定でした。
  • 算数の出題位置が学校の性格を語っています。速さ・平面図形の面積比・規則性という 3 つを毎年同じ場所に置き続けるのは、この 3 つは中学に入る前に身につけておいてほしい、という並びに見えます。数え上げの大問(大問 4)が 4 年連続で「小さい場合を書き出す → 規則を見つける → 大きい場合に適用する」という手順で作られているのも一貫しています。
  • 社会の記述が「考えさせる」作りです。孔子廟への市有地無償提供が憲法違反とされた理由(2024)、村役場が島の外にある理由(2025)、八幡製鉄所の立地の利点(2026)。知識の再生ではなく、与えられた表・グラフ・地図から理由を組み立てる設問が毎年 2〜3 問置かれています。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前ならこの節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の道筋は 11 節にまとめました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [週 1 回] 算数・大問 1 の小問集合 8 問を「20 分で 8 問」のセットで解く — 2023〜2026 の 4 年分=32 問がそのまま練習素材になります。中身は逆算(□にあてはまる数を求める計算)・和差算(和と差から 2 つの数を求める)/過不足算(配り方を変えたときの余りと不足から数を求める)(4 年すべてで (2)(3) のどちらか)・食塩水(2023・2024・2026)・仕事算(全体を 1 と置いて速さを比べる。2025・2026)・数の性質・場合の数・図形 1 問という構成です。算数 120 点のうち 4 割近くがここに集まるので、最優先の枠です。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 算数・大問 3 の面積比を年度を変えて 3 年分 — 2024(正方形)・2025(平行四辺形)・2026(正方形)はいずれも「四角形の辺上に点を取り、線分の交点で線分比を出し、それを面積比に変える」構図です。設問の並びまで似ていて、(1)(2) で線分比、(3)(4) で面積または長さ。(1) を落とすと大問ごと落ちるので、比の 1 問目を確実にします。図を自分で描き直すところから固めるのが早道です。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・大問 4 の規則性を書き出しから — 2024(各位に 2 が 2 個以上ある数の列)・2025(正方形のタイルと対角線)・2026(うずまき状に並べた数)の 3 年連続。いずれも (1) は手で書き出せば取れます。(1) を必ず書き出して表にする、(1) を飛ばして公式を探しに行かない、という練習に向きます。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週 1 回] 算数・大問 2 の速さ — 通過算(2023・2026)と周回コース(2024・2025)の 2 系統に分けて対策します。通過算は「速さの比 → 長さの比 → 橋・トンネルを渡る時間 → 追い越しとすれ違い」の流れが 2 回とも同じで、2026 は 2023 に特急列車を 1 種類足した設定になっています。この順に整理する手順を覚えます。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週末 60 分] 社会・資料つき記述を 8 問まとめて — 2024〜2026 の 3 年で 8 問あります(2024: メガソーラーの問題点・孔子廟と憲法・改易件数の減少/2025: 十島村の村役場・紙幣の価値/2026: コンビニの流通・米原と 2024 年 3 月の出来事・八幡製鉄所の立地)。表やグラフを根拠にする形と、「価値」のように使う語を指定する形が中心です。1〜2 文で書く練習を。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週 1 回] 社会・長文 1 本を 30 分で 30 問 — 分野別の問題集では練習になりません。下線部の前後だけを拾って設問に戻る読み方を、3 年分の通し演習で身につけます。あわせて、地名と県名を漢字で書けるようにすること(3 年とも複数問。県庁所在地・平野・海流・工業地帯まで。「漢字で答えなさい」の指定がつくので仮名では点になりません)、日本国憲法の条文そのものを読むこと(3 年連続で条文の空欄補充。第 2 条・第 11 条・第 15 条・第 97 条)、前年のニュースを 1 年分ざっと押さえること(3 年連続。とくに開催地・新線開業・国際会議のような「場所と結びつくニュース」)を、この科目の常備品にします。(確認: 〜2026 年度)
  7. [週末 60 分] 理科・表からグラフを描く — 2024(炭酸カルシウムの重さと気体の体積)・2025(温度とレールの長さ)・2026(銅粉と結びついた物質の重さ)の 3 年連続。点を打つ・直線か折れ線か・原点を通すかまで含めて、単独で練習します。あわせて、長い導入文を読みながら数値に印をつける読み方(30 分で 24 問前後なので読み返す時間はありません)、4 分野に穴を作らないこと(分野の並びが年ごとに違うので、苦手分野を残すと大問 1 つ分=5〜7 問を落とします)、会話文の空欄補充に慣れること(3 年連続で 1 大問が会話文。前後の発言から語句を決める練習は国語の空欄補充と同じ動き方をします)を並行します。(確認: 〜2026 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と語彙 1 大問 — 精読した 3 年(2017・2018・2020)ではこの 2 大問で小問 15〜20 問。ことわざ・慣用句・俳句の季語まで含みます。毎日の積み上げが最も素直に返ってくる場所です。あわせて、論説は科学・自然の題材に慣れておくこと(3 年とも科学寄りなので、理科の読み物を国語の教材として読むのが早い)、記述は 20 字・30 字・60 字・80 字・100 字と幅があるので字数ごとに何を入れるかを決めておくこと(20 字なら核だけ、100 字なら理由+根拠+結論)、接続語と語句の意味は毎回出るので取りこぼさないことを加えます。(確認: 〜2020 年度)

8. 科目別の詳細

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節に一本化しました。ここには年度ごとの中身と、その根拠を置きます。

横にスクロールできます

科目 形式の固まり方 中身の性格
算数 高い。4 大問・20 小問(2024〜2026 の 3 年)・60 分。大問ごとの中身の並びも 4 年不変 大問 1 の小問集合 8 問が全体の 4 割。大問 2〜4 は (1) が (3)(4) の材料になる誘導のつくり。全問が答えのみ
理科 中程度。4 大問・22〜26 問・30 分は動かないが、分野の並びは毎年違う 身近な題材(浮かぶろうそく・電車のレール・コウモリ・献血)から実験と表へ。記号選択と短答(語句や数値を短く答える形式)が半々で、長い記述はほぼ無い
社会 中程度。大問 1 本・29〜30 問・30 分(4 年) 全国を移動する長文 1 本に地理・歴史・公民が混在。記述が毎年 2〜3 問で、資料を読んで理由を考えるもの
国語 精読した 3 年では高い。4 大問(漢字 10/語彙/論説/小説)・31〜36 問・50 分 漢字と語彙で 2 大問分。論説は科学寄りの題材が 3 年とも。記述 4〜5 問で字数は 20〜100 字と幅がある

科目ごとに求められるものが違います。算数は決まった 4 つの持ち場を確実に、理科は読む速さと作図、社会は長文 1 本を読み切って書く、国語は語彙の量と字数に合わせた記述です。

8-1. 算数(60 分・120 点)

年度×大問の題材表(精読した 4 年)

横にスクロールできます

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2023 4 / 17 小問集合 8 問
逆算・食塩水 3 種・過不足・最大公約数と最小公倍数
速さ・場合の数・ニュートン算・回転体
通過算(普通列車と特急列車・トンネル) 図形の移動(直角三角形のまわりを円が転がる・回転移動) 場合の数(3 けたで各位のどこかに 1 がある整数)
2024 4 / 20 小問集合 8 問
逆算・和差算・比の連結・食塩水
場合の数・数の性質・売買損益・三角形の面積比
速さ(橋と池・兄と弟の出会いと追い越し) 平面図形(正方形の中の交点・線分比と面積比) 規則性(各位に 2 が 2 個以上ある数を小さい順に並べる)
2025 4 / 20 小問集合 8 問
四則逆算・和差算・仕事算・通過算
九九の総和・群数列・虫食い算・水量とグラフ
速さ(公園のロードレース・2 コースの比較) 平面図形(平行四辺形の中の交点・線分比と面積比) 規則性(正方形のタイルと対角線・黒く塗る枚数)
2026 4 / 20 小問集合 8 問
逆算・過不足算・食塩水・仕事算
単位換算(里とマイル)・分数の個数・素因数の個数・円の転がり
通過算(普通・急行・特急の 3 種類・橋・追い越しとすれ違い) 平面図形(正方形の中の交点・面積比、辺を 5 等分した図 2 へ発展) 規則性(1 から順にうずまき状に並べた数の位置)

表に出てくるニュートン算・売買損益・群数列・虫食い算・流水算・平均算などの中身は 用語集 にあります。

出題位置の固定(この学校でいちばん強い特徴)

精読した 4 年(2023〜2026)で、4 大問の中身の並びが 1 度も入れ替わっていません。

横にスクロールできます

大問 何が来るか 確認した年
大問 1 小問集合ちょうど 8 問(2023〜2026 の 4 年とも 8 問) 2023・2024・2025・2026
大問 2 速さ(通過算・池の周回・ロードレース) 2023・2024・2025・2026(索引では 2020 以降 7 年)
大問 3 平面図形(面積比・図形の移動) 2023・2024・2025・2026
大問 4 数え上げ・規則性(並べた数・タイル・うずまき) 2023・2024・2025・2026

小問数は 2024 年から 3 年連続で 20 問(大問 1 が 8 問+大問 2〜4 が各 4 問)です。2023 年は 17 問(8+3+3+3)だったので、2024 年に各 4 問へそろい、そのまま 3 年続いています。

大切なのは、これが同じ問題が出るという意味ではないことです。精読した 4 年で文言まで一致する問題は見つかりませんでした。同じ種類の問題が毎年同じ場所に置かれる、というのがこの学校の固定です。

頻出単元と周期

  • 平面図形の面積比(大問 3): 2024 は正方形、2025 は平行四辺形、2026 は正方形と、「四角形の辺上に点を取り、対角線や結んだ線分の交点で線分比 → 面積比を出す」構図が 3 年連続です(2024〜2026)。設問の並びまで似ていて、(1) 線分比、(2) もう 1 本の線分比、(3)(4) 面積または辺の長さ、という順序が 2024・2025 で共通。
  • 速さ(大問 2): 4 年で通過算が 2 回(2023・2026)、周回コースが 2 回(2024・2025)。通過算の 2 回はどちらも「2 種類(3 種類)の列車の速さの比 → 橋・トンネルを渡る時間 → 追い越し・すれ違い」という同じ筋で、2026 は 2023 の設定に特急列車を 1 種類足した形になっています。
  • 規則性・数え上げ(大問 4): 2024・2025・2026 の 3 年連続で規則性。いずれも (1) が小さい場合、(2)(3) で桁や枚数を大きくし、(4) で向きを変えて問います。2023 は場合の数でしたが、「条件に合う 3 けたの整数を数える」なので手順は同じです。
  • 食塩水の濃度: 大問 1 の中に 2023・2024・2026 の 3 年で登場(2026 は「混ぜる量を逆にしてしまった」設定)。
  • 仕事算・ニュートン算: 2023(ニュートン算)・2025(仕事算)・2026(仕事算)。
  • 過不足算・和差算: 2023・2024・2025・2026 の 4 年すべてで、大問 1 の (2) か (3) に入っています。

問い方

  • 全問が答えだけを書く形式です。精読した 4 年で、途中式や考え方を書かせる設問・記述の設問は 1 問もありませんでした(100% 短答)。
  • 大問 1 は「次の □ にあてはまる数を求めなさい」の 1 行で始まり、8 問がすべて □ 穴埋めです。書き出しの文が 4 年とも同じでした。
  • 大問 2〜4 は「何対何ですか」「何 cm ですか」「何番目の数ですか」といった問い方で、(1) が比を答える設問になることが多いです(2024 大問 2(1)・2025 大問 2(1)・2024 大問 3(1)・2025 大問 3(1)(2)・2023 大問 2(1))。
  • (1) が次の設問の材料になる誘導のつくりです。大問 3 の (1)(2) で出した線分比を (3)(4) の面積に使う作りが 2024・2025・2026 の 3 年連続。前半でつまずくと大問ごと落ちる構造なので、比の 1 問目を確実に取ることの価値が高くなります。

8-2. 理科(30 分・60 点)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2024 4 / 24 浮力・密度(水に浮かべるろうそく) 溶解度・中和(石灰岩の純度と塩酸で出る気体) 動物の分類・音(夕暮れの校庭のコウモリ・超音波の会話文) 地震(P 波と S 波・震源の位置)
2025 4 / 22 太陽の動き(自作の日時計) 熱による膨張・音(電車のレールの継ぎ目) 光(屈折・水滴と虹) 花のつくり(サクラの開花とソメイヨシノの会話文)
2026 4 / 26 燃焼(銅の加熱と結びつく重さ) 物体の運動(落下の速さの解析・水を垂らす) 人体(献血と血液の成分の会話文) 地層(ボーリング調査と地層の傾き)

固定されているもの・されていないもの

  • 固定されているのは大問の本数のほうです。精読した 3 年(2024〜2026)はすべて 4 大問で、小問は 22〜26 問。16 年分の集計でも大問数は 4 で動いていません(ばらつき 0)。
  • 分野の並びは固定されていません。2024 は物理・化学・生物・地学の順、2025 は地学・物理・物理・生物、2026 は化学・物理・生物・地学。どの位置に何の分野が来るかは年ごとに違うので、「大問 1 は物理」といった構えは作れません。ただし 3 年とも 4 分野のうち 3 分野以上が入ります。
  • 4 大問のうち 1 つは必ずと言ってよいほど会話文です(2024 大問 3「開智君」と先生、2025 大問 4「K 君」と先生、2026 大問 3「K 君」と先生の 3 年連続)。会話の空欄に語句・数値を入れる設問がその中に置かれます。

頻出単元と周期

16 年分の集計では、単元は特定の分野に偏らず散らばっています(上位 3 分野の占有率 22%)。3 年で 2 度以上顔を出したものだけ挙げます。

  • 地層・岩石・化石: 2024 大問 2(石灰岩)・2026 大問 4(ボーリング調査)。16 年でも最頻出です。
  • 音: 2024 大問 3(コウモリの超音波の往復時間)・2025 大問 2(レールの継ぎ目の通過音から車両の長さ・速さ)。どちらも「音が鳴った時刻の差から距離や速さを出す」計算です。
  • 人体: 2024 大問 3(コウモリの翼の骨とヒトの腕の骨の対応)・2026 大問 3(血液の成分と赤血球の個数)。
  • 熱と状態変化: 2025 大問 2(レールの伸び)。16 年の集計でも上位で、2020・2021・2022 にも登場しています。

問い方

  • 形式の比率は 16 年の集計で記号選択 43%・短答(語句と数値)41%・記述 6%。精読した 3 年では記号選択と短答がほぼ半々(2024 選択 46%/短答 46%、2025 選択 45%/短答 41%、2026 短答 50%/選択 35%)で、長い記述はほとんどありません。
  • 作図が 3 年連続です。しかも 3 年とも「表の数値からグラフの線を引く」設問が 1 問入ります(2024 大問 2 問 5「炭酸カルシウムの重さと発生する気体の体積の関係を表すグラフを…線で書きなさい」、2025 大問 2 問 3「温度とレールの長さの関係を表すグラフを書きなさい」、2026 大問 1 問 2「銅粉の重さと銅粉に結びついた物質の重さの関係を表すグラフを…線でかきなさい」)。同じ場所ではありませんが、同じ問い方が毎年あります。
  • グラフ以外の作図もあります。2024 大問 3 問 4(コウモリの翼の骨で腕にあたる部分を黒くぬる)、2025 大問 1 問 4(日時計の文字盤に「6」と「24」を書き込む)、2025 大問 3 問 4(水滴に入った赤色の光の道すじを実線で描く)、2026 大問 2 問 3(0.2 秒ごとに落としたおもり 4 個の 1 秒後の位置を「・」で描く)。図に描き込ませる設問は 3 年とも 2〜3 問あります。
  • 導入文が長いのも特徴です。実験の手順(【実験 1】【実験 2】)や会話がまず 1 ページ近く続き、そこに表が 2〜3 個つく形が多くなっています。
  • 数値の答えには桁の指定がつきます(2024 大問 3 問 5「割り切れない場合は小数第四位を四捨五入して小数第三位まで」、2026 大問 1 問 4「整数で答えなさい」)。
  • 語句の答えに「漢字で答えなさい」が入る年があります(2025 大問 3 問 1、2026 大問 4 問 4(1))。
  • 短い理由説明が年 0〜1 問。2026 大問 2 問 5 は「『問 4 の (1) と (2) を比べると』から始まる形で、『水の断面積』という言葉を用いて簡単に答えなさい」と、書き出しと使う語まで指定される形でした。

8-3. 社会(30 分・60 点)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

横にスクロールできます

年度 大問数/小問数 通し題材(1 本の長文) 記述の数
2024 1 / 30 校内の有志活動「開智お城サミット」— 全国の城をめぐった生徒のレポート(川越・箱崎・岡城・八代城・鹿児島城・島原城 …) 3 問
2025 1 / 29 日本の島(文章 1〜3)— 出島・北方領土・沖島・宝島・沖ノ鳥島・八丈島・大東島・佐渡島・ジャワ島 … 2 問
2026 1 / 30 駅弁と鉄道 — 全国の駅と駅弁をたどりながら(宇都宮・米原・長浜・益子・折尾・鎌倉・宮島 …) 3 問

一番の特徴: 大問は 1 本だけ

精読した 3 年(2024〜2026)は、いずれも大問 1 つ・小問 29〜30 問でした。転写データの集計では 2023 年も 1 大問(23 問)で、4 年連続で「長文 1 本+下線部への設問」という形になっています。2022 年以前は 2〜3 大問の年もあり、さらに前には 10 大問・15 大問という年もあったので、この形は 2023 年前後から続いているものと読めます。

1 本の長文は「日本各地を移動しながら見聞きしたことを述べる」構成で 3 年とも共通です(城めぐり・島めぐり・駅と駅弁)。その文中に ①②③… と下線が振られ、下線ごとに地理・歴史・公民のどの分野からでも設問が飛んできます。分野別の大問が無いので、「地理は得意だから地理の大問で稼ぐ」という戦い方ができません。

頻出単元と周期

分野の偏りはほとんど無く(17 年集計で上位 3 分類の占有率 42%)、1 回の入試の中に地理・歴史・公民が混ざります。3 年で繰り返し出たものを挙げます。

  • 都道府県・地域の同定: 2024 問 1・問 28、2025 問 1、2026 問 1・問 4・問 21。地図・表・文中の手がかりから県名や地名を漢字で書かせる設問が 3 年とも複数問あります。
  • 近代の戦争と大正・昭和前期: 2024 問 11、2025 問 15・問 24、2026 問 5・問 6・問 7。3 年連続。
  • 日本国憲法: 2024 問 19・問 26、2025 問 2・問 17、2026 問 17(1)(2)。3 年連続で条文そのものを引用して空欄を埋めさせる設問があります(2024 は第 11 条と第 97 条、2025 は第 15 条「全体の〔 〕であって」、2026 は第 2 条)。
  • 前年〜前々年の出来事: 2024 問 3(2023 年 5 月のサミット開催地)、2025 問 10(大阪万博のキャラクター)、2026 問 12(3)(2024 年 3 月に米原が交通の要衝でなくなった出来事)。3 年連続で直近のニュースが 1〜2 問入ります。
  • 環境・持続可能性: 2024 問 8(タイヤ由来のマイクロプラスチック)・問 10・問 13(メガソーラーの問題点)、2025 問 13(2)(地球温暖化と排出量取引)、2026 問 8(家電リサイクル法)。
  • 農業・畜産/工業・産業構造: 統計表の読み取りとして 3 年とも登場(2024 問 2 の農作物生産量 2 位までの表、2026 問 14 の大型スーパー・コンビニ・通信販売・百貨店の販売額推移)。

問い方

  • 形式の比率は 17 年集計で記号選択 38%・短答 42%・記述 17%。精読した 3 年では記号選択 38〜57%・短答 33〜55%・記述 2〜3 問(全体の 7〜10%)です。
  • 記述は毎年 2〜3 問(2024 年 3・2025 年 2・2026 年 3)。字数指定は無く「わかりやすく説明しなさい」「簡単に説明しなさい」の形です。資料を読んで理由を考えさせるもので、暗記では書けません。実例を挙げます。
  • 2024 問 19「那覇市が孔子廟に市有地を無償提供したことを最高裁が憲法違反と判断した理由を、わかりやすく説明しなさい」
  • 2024 問 24「家綱の代以降、改易や減封の件数が減っていった理由は何でしょうか」(将軍ごとの改易件数のグラフと図を踏まえて)
  • 2025 問 11「十島村の村役場が島になく鹿児島市にある方が住民にとって都合がよい理由を、【表 1】と【表 2】を参考にして、考えて説明しなさい」
  • 2025 問 16「紙幣を大量に発行しても島が豊かにならない理由を、価値という言葉を用いてわかりやすく説明しなさい」
  • 2026 問 23「八幡製鉄所がなぜこの場所に建設されたのか。この立地の、鉄を作るうえでの利点を簡単に説明しなさい」
  • 使う言葉を指定する形(2025 問 16 の「価値」)や、資料を根拠にさせる形(2024 問 24・2025 問 11・2026 問 12(3))が中心で、知っていることを書く記述ではありません。
  • 短答には「漢字で答えなさい」「漢字 4 文字で」の指定が頻繁につきます(2024 問 3・問 21、2025 問 1、2026 問 4・問 17(1))。
  • 選択肢は「正しいものを一つ」と「誤っているものを一つ」が混在します(2024 問 6(1)・問 7 は誤り選び、2026 問 3 は正しいもの選び、問 5・問 15 は誤り選び)。設問ごとに向きが変わるので読み飛ばせません。
  • 並べ替え(2026 問 7「太平洋戦争に関する出来事を古いものから順に」)、正誤の組合せ(2026 問 20(2) の文 X・Y)、語句の組合せ(2026 問 2(1)(2))も出ます。
  • 会話や生徒のレポートの体裁を取ることが多く、2026 問 17(2) は「仮に漫画『サザエさん』の磯野家がこれと同じルールで一家のリーダーを決めるとしたら」と、条文を身近な場面に当てはめさせる問い方でした。

8-4. 国語(50 分・100 点)

国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2009〜2020 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。以下は 2017・2018・2020 年度の 3 年分を設問文で精読したものです。

年度×大問の題材表(2017・2018・2020)

横にスクロールできます

年度 大問数/小問数 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2017 4 / 36 漢字の書き取り 10 問 ことわざ・慣用句 5 組(空欄をひらがなで+生き物を語群から選ぶ) 論説(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』) 小説(伊井直行『ポケットの中のレワニワ』・コールセンターの派遣労働)
2018 4 / 31 漢字の読み 4 問+書き取り 6 問 俳句 5 句の季節を答える(季語に傍線つき) 論説(池内了『疑似科学入門』・健康と国家) 小説(森絵都『みかづき』・学習塾を立ち上げた夫婦)
2020 4 / 35 漢字の書き取り 10 問 慣用句 10 問(空欄に自然に関する漢字一字) 論説(村上陽一郎『科学者とは何か』・科学者という語の誕生) 小説(芥川龍之介『蜜柑』)

精読した 3 年に限れば

  • 大問 4 つ・小問 31〜36 問。大問 1 が漢字、大問 2 が語句・語彙、大問 3 が論説、大問 4 が小説(または近代の短編)という並びが 3 年とも同じです。それ以前(2009〜2016)は 2〜3 大問の年が多く、2017 年から 4 大問の形になっていると読めます。
  • 大問 1 の漢字は 3 年とも 10 問。2018 年だけ読み 4 問+書き 6 問で、他の 2 年は書き取り 10 問です。
  • 大問 2 は語彙の 1 大問がまるごと(3 年とも)。ことわざ・慣用句・季語と中身は年ごとに変わりますが、語彙で 1 大問分の配点があることは変わりません。動物・自然といったまとまったテーマで揃える作りが 2017(生き物)・2020(自然)で共通です。
  • 論説は科学・自然科学寄りの題材が 3 年とも(植物の進化・疑似科学と健康・科学者という職業の成立)。小説は働く大人が主人公の年(2017・2018)と近代文学の年(2020)があります。
  • 記述は 3 年とも 4〜5 問。字数指定のあるもの(二十字以内・三十字以内・六十字以内・八十字以内・百字以内)と、指定のないもの(「簡潔に説明しなさい」「分かりやすく言いかえて説明しなさい」)が混ざります。
  • 意見を書かせる設問が 2018 大問 3 問八にありました(「目的のための手段にすぎなかったものが目的になってしまっている例を、長生きや健康以外から挙げて説明しなさい」)。3 年で 1 回なので毎年とは言えませんが、備えの価値はあります。
  • 形式の比率は 11 年集計で記号選択 40%・短答 44%・記述 14%。精読した 3 年もほぼ同じです(記述 11〜14%)。図表は使いません。

問い方(精読した 3 年)

  • 空欄 A〜D に接続語を入れる設問が 3 年とも大問 3 の問一(2017 問二・2018 問一・2020 問一)。
  • 波線部・二重傍線部の語句の意味を選ばせる設問が 3 年とも(2017「口ごもる」「拍子抜け」、2018「出不精」、2020「手を染める」「かんに障る」「うつらうつら」「合点のいく」)。
  • 「最も適切なものを次の中から一つ選び記号で答えなさい」が記号選択の定まった言い回しです。「適切でないものを」の年もあります(2020 大問 4 問四)。
  • 抜き出し(2018 大問 4 問五「はじめの五字を書き抜きなさい」、2020 大問 3 問五「漢字二字で抜き出しなさい」)、並べ替え(2020 大問 4 問一)、表現・構成を問う最終設問(2017 大問 4 問八、2020 大問 4 問八)も見られました。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

いずれも「16〜17 年の集計では常連なのに、直近 3 年で顔を出していない」ものです。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度を指します(算数・理科・社会は 2026 年度までを見ています)。

横にスクロールできます

科目 単元 最後に見えた年 最終確認年度 一言
算数 立体図形の求積 2022 の大問 3、2023 大問 1(8) の回転体 2023 年度 大問 3 が平面図形で 3 年続いているぶん、立体は大問 1 の 1 問として戻る余地があります
算数 水量とグラフ 2025 大問 1(8) 2025 年度 大問 1 の定番のひとつです
算数 流水算 2020・2021(転写の分類では 2021 は大問 2) 2021 年度(構成だけ数えた年) 速さの一系統。通過算・周回と並ぶ第 3 の系統です
算数 平均算 2020(転写の分類では大問 4) 2020 年度(構成だけ数えた年) 6 年空いています
理科 電気回路 2020 大問 1 2020 年度(構成だけ数えた年) 物理の定番。2020 以来 6 年空いています
理科 ばね 2016 2016 年度(構成だけ数えた年) 力のつり合いの計算がしばらくありません
理科 てこ・つり合い 2011 2011 年度(構成だけ数えた年) 同上。ばねより長く空いています
理科 水溶液の性質・中和 2024 大問 2(石灰岩と塩酸) 2024 年度 化学計算の定番です
理科 星・星座 2025 大問 1 は太陽の動き。星座そのものは 2025 以前 精読した 3 年には無し 天体は 2 年に 1 度前後で回っています
社会 世界地理のまとまった設問 2020(転写の分類では大問 2) 2020 年度(構成だけ数えた年) 直近は 2025・2026 に 1 問ずつ混ざる程度です
社会 国際社会・国際協力 2025 問 8・問 26 2025 年度 顔を出す程度にとどまっています
社会 選挙制度 2025 問 27 2025 年度 3 年で 1 問だけです
社会 貿易・資源エネルギーの統計 2024 問 20(積卸港別の貿易額) 2024 年度 統計表の読み取りとして戻りやすい単元です
社会 原始・古代 2025 問 25(1) の登呂遺跡 2025 年度 縄文・弥生・古墳が薄いので、戻る余地があります
  • 算数の大問 1 の中身は年ごとに入れ替わります。上の 4 つは、そこへ 1 問として戻ってくる可能性を見ておきたいものです。
  • 理科の物理の計算単元では、直近 3 年は浮力・熱膨張・落下運動と毎年ちがう題材が来ています。ばね・てこ・電気回路のような定番の計算単元がいつ戻ってもおかしくありません。
  • 社会は長文 1 本にどの分野を混ぜるかが年ごとに変わるので、上の 4 つはいつでも混ざり得ます。

10. 形式面の注意

横にスクロールできます

項目 算数 理科 社会 国語(2020 年度まで)
時間・配点 60 分・120 点 30 分・60 点 30 分・60 点 50 分・100 点
大問数 4(4 年不変) 4(16 年不変) 1(4 年) 4(精読した 3 年)
小問数 20(2024〜2026) 22〜26 29〜30 31〜36
記述 無し(精読した 4 年で 0 問) ほぼ無し(年 0〜1 問の短い理由説明) 毎年 2〜3 問(字数指定なし・「わかりやすく」「簡単に」) 4〜5 問(20〜100 字と指定なしが混在)
字数指定 — — 記述に字数指定は無い 二十字以内・三十字以内・六十字以内・八十字以内・百字以内
作図 精読した 4 年では無し 3 年連続であり(グラフを描く・図に描き込む) 無し 無し
漢字指定 — 「漢字で答えなさい」の年あり 頻繁(地名・県名・語句) 漢字の書き取り 10 問が大問 1
選択肢の向き — 「1 つ選び」「2 つ選び」が混在 「正しいもの」「誤っているもの」が混在 「最も適切なもの」「適切でないもの」が混在
単位・答え方 「何対何ですか」「何 cm ですか」の指定 桁指定(小数第三位まで・整数で) — 「句読点を含めて」の注記

とくに気をつけたい 3 点を挙げます。

  1. 理科と社会が 30 分です。1 問 1 分強しかないのに、どちらも導入文が長くなっています。読む速さの練習を独立してやる価値があります。
  2. 社会の記述は資料を根拠にします。知識を書く記述ではないので、暗記量では埋まりません。
  3. 算数は答えのみです。途中式で部分点は期待できないので、検算に時間を残す配分が要ります。

科目ごとの細かい注意は次のとおりです。

  • 算数: 大問 4 つ・小問 20 問を 60 分。単純計算で 1 問 3 分ですが、大問 1 の 8 問は 20 分以内で抜けたいところです。図のある小問は全体の 27%(16 年分の集計)で、図は大問 2〜4 に集中し、大問 1 にも図つきの小問が 1 問入る年があります(2024 (8) の三角形、2026 (8) の平行四辺形と転がる円)。単位(cm・cm²・m・秒・分)と「何対何ですか」の答え方が設問ごとに指定されるので、比で聞かれている所に長さを書く取り違えに注意してください。2026 大問 1(5) は「1 里 =( )m」「1 マイル =( )m」を問題文が与えたうえでの単位換算で、問題文中の数値を読み落とすと解けない作りでした。
  • 理科: 30 分で 22〜26 問、1 問あたり 1 分強です。長い導入文を読んでから解くので、読む速さがそのまま点になります(設問文の分量は 16 年平均で 2700 字前後、導入文が別に 1000 字前後あります)。図のある小問は 16 年集計で 59% で、図・表を見ないと解けない設問が半分を超えるため、図を飛ばして設問だけ読む解き方は通用しません。解答用紙にグラフの枠や図が印刷されておりそこへ書き込むので、過去問演習でも解答用紙を印刷して使いたいところです。記号選択には「2 つ選び」の年があり(2024 大問 2 問 3)、「1 つ選び」と混在するので指示の読み落としに注意してください。
  • 社会: 30 分で 29〜30 問、1 問 1 分で、そのうち 2〜3 問が資料つきの記述です。記述に時間を残す配分をあらかじめ決めておきたいところです。図・表・写真・地図のある小問は 17 年集計で 33%。地形図(2024 問 12 の八代城周辺)、雨温図(2025 問 21)、統計表、写真(石垣の刻印・高床倉庫)と資料の種類が広く、長文の導入部分は 17 年平均で 2500 字前後あります。設問に入る前に読む文章が長いので、下線部の前後だけを拾う読み方の練習が要ります。解答は原則ボールペン等ではなく通常の記入ですが、漢字指定の設問で仮名書きすると点にならない点は徹底したいところです。
  • 国語: 字数制限のある設問には「句読点を含めて」の注記が本文冒頭に置かれます(精読した 3 年とも)。

11. 学年別ロードマップ

横にスクロールできます

段 何をするか この学校での重み
小 4(土台) 計算の正確さ(分数・小数・逆算)、図形(正方形・平行四辺形を描いて対角線を引く、線分比を目で見る)、読解、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本です。開智で最終的に効く入口は「逆算」「比の 3 用法」「書き出して数える癖」「都道府県を漢字で書く」 差はほぼありません。時間計測はまだしません。ただし書き出して数えるのを面倒がらない習慣は早いほどよいものです(大問 4 が 4 年連続で数え上げ・規則性)
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終える段です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と逆算・数の性質を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は 8-1 の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、次の順に置きます。逆算 → 和差算 → 過不足算 → 食塩水 → 仕事算 → 売買損益 → 数の性質 → 場合の数 → 通過算 → 流水算 → 平面図形の面積比 → 図形の移動 → 規則性(和差算・過不足算・仕事算・売買損益・通過算・流水算は受験用教材の単元です)。大問 1 に出る単元は範囲が広いので、ここでの一巡がそのまま大問 1 の 8 問になります。理科は 4 分野の計算単元(浮力・ばね・電気回路・溶解度・中和・地層・天体)と「表を見て比例か反比例か言う」習慣、グラフを自分で描く練習。社会は都道府県・地名を漢字で書ける状態に一巡し、憲法の条文を読みます。国語は漢字・ことわざ・慣用句・季語を切らさないこと。ただし国語は 2021 年度以降の資料がありません(13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください 理科・社会はここが本体です。毎年題材を作り直す科目なので、単元の幅がそのまま得点になります。算数も大問 1 の 8 問は全分野の一巡がものを言います
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目です。夏以降、算数は同じ大問を、年度を変えて解く(大問 3 だけを 4 年分、大問 4 だけを 3 年分)。理科・社会は年度通しで時間を計ります(30 分で理科 24 問/社会 30 問)。国語は記述の字数ごとの書き方を作ります。ただし国語は 2021 年度以降の資料がありません(13 節) 算数の出題位置が動かないので、ここでの縦の演習が最も効率よく効く学校です。理社は 30 分という短さに慣れることが半分を占めます

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。算数の大問 3・大問 4 は、小 6 の秋に「同じ場所の問題を 3〜4 年分続けて解く」やり方が使える珍しい学校で、そこに時間を割けるかどうかが差になります。ただしその前提として、大問 1 の小問集合 8 問(=算数の 4 割)を落とさない単元の幅が小 5 までに要ります。理科・社会は 30 分で 24〜30 問という速さが最大の壁なので、小 5 のうちに「長い文章を読みながら数値と地名に印をつける」読み方を身につけておくと、小 6 が軽くなります。国語は漢字・語彙の 2 大問が小 4 からの積み上げでそのまま取れる場所です。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は出題構造が近いかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が重なります。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。

  • 晃華学園中学校(東京都・女子校)— 理科の近さが最も高い組み合わせです(4 大問・記号選択と短答が半々・図表が多い)。
  • 跡見学園中学校(東京都・女子校)— 4 科とも満遍なく近く、算数の小問集合+大問 3〜4 題という構えが似ています。
  • 東洋大学京北中学校(東京都・共学)— 国語の構成(漢字・語彙の独立大問+論説+小説)が近い組み合わせです。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

  • 数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
  • 社会の「大問 1 本・長文 30 問」という形は関東でも少数派なので、社会の演習を他校で代用するのは難しいところです。
  • 逆に算数の「小問集合 8 問+大問 3 題」は多くの学校と共通なので、大問 1 の練習は併願校の過去問でも積めます。開智の算数で独特なのは大問 2〜4 の出題位置の固定のほうで、そこは開智の過去問でしか練習できません。

13. 資料の限界

  • 入試回。この学校には 6 つの入試回がありますが、読める過去問の転写は 1 年につき 1 冊だけで、どの回かの区別ができません。このレポートは第 1 回相当として書いています。算数 1 科の「算数特待」や 2 月の「日本橋併願」(2 科・4 科選択、試験時間も 50/50/25/25 分と短い)は、ここで書いた形式と違う可能性が高くなります。回ごとの実物は市販の過去問集で確認してください。
  • 国語。2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためで、学校が出していないわけではありません)。8-4 に書いたのは 2017・2018・2020 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。とくに大問数(4 大問)と漢字 10 問・語彙 1 大問という構成が今も続いているかどうかは、確かめる価値があります。
  • 原本の読み取り。転写データは設問文・導入文・図の説明を文字に起こしたもので、図そのものは含まれません。図から読み取る問題(理科の 59%、算数の 27%)は説明文からの推定を含みます。読み取り確度が低めと記録されている年(算数 2018・2025、理科 2024 ほか計 9 年、社会 2026 ほか計 7 年)は、小問の数え方や単元の分け方に取りこぼしがある可能性があります。
  • 年数。出題位置の固定は算数で 4 年(2023〜2026)、社会の大問 1 本は 4 年(2023〜2026、うち 3 年は原本で確認)、理科のグラフ作図は 3 年(2024〜2026)分の確認です。それより前の年については転写データの単元分類を数えただけで、設問文までは読んでいません。
  • 触れていないこと。難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・入試結果・学校の理念や校風には、このレポートでは一切触れていません。併願の欄も出題構造が近いかだけを見ており、日程・通学圏・男女の別は考慮していません。

開智中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 出題構造が近い学校 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方


数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

この学校が載っているまとめ