関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

世田谷学園中学校の過去問分析

男子私立東京都世田谷区

重要結論

  1. 4 科目とも出題の形が長年ほとんど変わらず、中身は毎年作り直されます。算数は大問 6・小問 16 という枠が、資料のある 14 年(2010〜2026)ずっと動きません(2026 だけ 19 問)。
  2. 社会は「大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 がテーマを立てた融合問題」という並びが資料のある 17 年(2010〜2026)動かず、記述は精読した 3 年とも大問 3 だけに集まります。
  3. 理科は 2020 年度から 7 年続けて大問 3 つですが、どの分野がどの位置に来るかは毎年作り直され、4 分野のうち 1 つが毎年抜けます。

今週やること

  1. 直近 2 年(2025・2026)の社会を、大問 3 の記述に 6〜8 分を残す配分で通して解き、30 分で足りるかどうかを確かめます。
  2. 算数の大問 1(一行問題=数行で終わる短い文章題が 6 問)を、年度を変えて 10 年分解きます。
  3. 社会の大問 3 の記述を 3 年分(計 8 問)年度を変えて続けて解きます。

分析年度: 2010〜2026 年度
入試回: 1 次試験相当
資料の範囲: 科目により 7〜17 年分
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 資料の冊子には入試の回の表記が無く、ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。算数特選(2 月 1 日午後・算数 1 科)の問題はこの分析に入っていません。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 1 題(2019 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて。最新の資料は 2020 年度)。前回の変化: 2016 → 2019 の間に 3 題 → 1 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 2 回: 2014・2019(間隔 5)
  • 理科: 3 題(2021 年度から、大問数を数えられた資料 4 冊すべて・数えられなかった年 2023・2024。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: 2019 → 2021 の間に 4 題 → 3 題(間の年は大問数を数えられていない)。変化の履歴: 3 回: 2014・2015・2021(間隔 1・6)。前回の変化のときの分野の並び: 物理|化学|生物|地学 → 地学|化学|物理
  • 社会: 3 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 6 冊すべて・数えられなかった年が 9 年。最新の資料は 2024 年度(2025 年度・2026 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2025 年度 3 題・2026 年度 3 題))。前回の変化: なし(2010〜2024 年度の、数えられた資料 6 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 算数: 6 題(2015 年度から、大問数を数えられた資料 5 冊すべて・数えられなかった年が 7 年。最新の資料は 2026 年度)。前回の変化: なし(2015〜2026 年度の、数えられた資料 5 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都世田谷区
男女 男子校
入試回と日程・科目 1 次 2 月 1 日午前/2 次 2 月 2 日/3 次 2 月 4 日 はいずれも 4 科(国語・算数・社会・理科)。算数特選 2 月 1 日午後は算数 1 科(2026 年度募集要項)
試験時間・配点(1 次・2 次・3 次) 算数 60 分 100 点・国語 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点
試験時間・配点(算数特選) 算数 1 科 60 分 100 点
理数コースの配点 理数コースを志望する場合は、算数 200 点・理科 100 点の傾斜配点になります

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 4 科目とも出題の形が長年ほとんど変わらず、中身は毎年作り直されます。算数は大問 6・小問 16 という枠が、資料のある 14 年(2010〜2026)ずっと動きません(2026 だけ 19 問)。
  2. 社会は「大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 がテーマを立てた融合問題」という並びが資料のある 17 年(2010〜2026)動かず、記述は精読した 3 年とも大問 3 だけに集まります。
  3. 理科は 2020 年度から 7 年続けて大問 3 つですが、どの分野がどの位置に来るかは毎年作り直され、4 分野のうち 1 つが毎年抜けます。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(一行問題=数行で終わる短い文章題が 6 問)を、年度を変えて 10 年分解きます。
  2. 社会の大問 3 の記述を 3 年分(計 8 問)年度を変えて続けて解きます。
  3. 国語の漢字の書き取りを毎日やります。

今週やる 1 つ

  1. 直近 2 年(2025・2026)の社会を、大問 3 の記述に 6〜8 分を残す配分で通して解き、30 分で足りるかどうかを確かめます。

注意

  1. 資料の冊子には入試の回の表記が無く、ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。算数特選(2 月 1 日午後・算数 1 科)の問題はこの分析に入っていません。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(年度ごとの大問の主要単元の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 資料の無い年・備考
算数 3 年(2024・2025・2026) 11 年 14 年(2010・2014〜2026) 2011〜2013。大問 6・小問 16 が長く動かない。2026 だけ 19 問
理科 3 年(2024・2025・2026) 13 年 16 年(2010・2012〜2026) 2011。2020 年度から大問 3 つ。図が多く、細部は設問文からの読み取りを含む
社会 3 年(2024・2025・2026) 14 年 17 年(2010〜2026) なし。4 科目で最も年数がそろっており、記述の文言まで読める
国語 3 年(2016・2019・2020) 4 年 7 年(2010・2011・2014〜2016・2019・2020) 2012・2013・2017・2018・2021 年度以降。2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 「3 年連続」と書いたものは、精読した年の範囲で確認したものです。構成だけ数えた年については「資料の並びでは」と断って書きました。
  • 入試の回は区別できません。この学校は 1 次試験(2 月 1 日午前・4 科)、算数特選(2 月 1 日午後・算数 1 科)、2 次試験(2 月 2 日・4 科)、3 次試験(2 月 4 日・4 科)の 4 回を行いますが、資料は校×年×科目で 1 冊ずつしかなく、どの回のものかが記されていません。ここでは 1 次試験相当として扱っています。算数特選(算数 1 科・60 分・100 点)の問題は、この分析には入っていない可能性が高いところです。
  • 試験時間と配点は募集要項によります(1 節にまとめました)。冊子には印刷されていません。
  • 図そのものは転写できないため、図形問題や装置図の細部は、設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。

5. 一番大きな結論

世田谷学園は「4 科目とも出題の形が長年ほとんど変わらず、中身は毎年作り直される」学校です。

  • 算数は大問 6・小問 16 が、資料のある 14 年(2010〜2026)ずっと動きません。大問 1 は一行問題 6 問で、その (1) が分数と小数の混ざった四則計算という形が 2021〜2026 の 6 年続いています。大問 2〜6 の単元は毎年入れ替わり、同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した 3 年を読み比べたかぎり見つかりませんでした。
  • 社会は大問 3 つで、大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 がテーマを立てた融合問題という並びが動きません。大問 2 が歴史である並びは、資料のある 17 年(2010〜2026)続いています。しかも記述は精読した 3 年とも大問 3 だけに集まり、大問 1・2 には 1 問もありませんでした。
  • 理科は 2020 年度から 7 年続けて大問 3 つです。ただしどの分野がどの位置に来るかは毎年作り直されます。固定されているのは組み合わせのほうで、精読した 3 年とも「化学 1 題・物理 1 題・生物か地学 1 題」で、4 分野のうち 1 つが毎年抜けます。
  • 国語は 2016 年度までが「小説+論説+漢字」の 3 大問、2019・2020 は長文 1 本の 1 大問です。精読した 2019・2020 の 2 年は設問の並びがほぼ同じで、漢字 → 語群 → 接続語 → 語句の意味 → 記号選択群 → 抜き出し → 記述 → 全体の合致判定という順序でした。

ここで言う「同じ場所に同じものが来る」は、たとえば「大問 2 の出題位置(大問の番号と順番)に毎年かならず歴史が来る」という意味であって、同じ問題が出るという意味ではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出る、ということです。

したがってこの学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、①それぞれの出題位置に来る種類の問題を、位置ごとに年度を変えて続けて解いて手順を身につける、②時間配分を体に入れる——この二つに近くなります。とくに社会は「大問 3 に記述が 2〜3 問」と分かっているので、時間の設計がそのまま点差になります。

科目横断の要点

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科目 形式の固定度 中身の性格 時間をかける価値がとくに高いこと
算数 非常に高い。大問 6・小問 16(2026 は 19)・60 分。大問 1 は一行問題 6 問 速さ系は 14 年すべてに入る。大問 2〜6 の単元は毎年入れ替わり 大問 1 の 6 問を落とさない処理力と、速さ 4 系統(旅人算・流水・通過・時計)
理科 高い(大問 3・30 分が 7 年)。ただし分野の位置は毎年変わる 化学・物理は毎年、生物と地学は交互。1 題あたり 6〜12 小問と深い 過不足のある反応の計算と、回路図の読み取り
社会 非常に高い。3 大問・30 分・地理/歴史/融合の並びが 17 年。記述は大問 3 に集中 農産物の統計から都道府県を当てる問題が 3 年連続。歴史は通史 「誤っているものを一つ選ぶ」の精度と、資料から理由まで書く記述
国語 高い(精読した年に限れば)。2019 年度以降は長文 1 本 論説は働き方・技術・人間関係が題材。記述は 20〜90 字 漢字の書き取りと、字数に合わせて書き分ける記述

算数・理科は「深い問題を最後まで追う」試験、社会・国語は「決まった場所で決まった作業をこなす」試験という色分けになっています。


6. この学校らしさが出る場所

過去問でしか掴めない題材の色を、精読した年から挙げます。

  • 学校そのものが問題文に出てきます。 2026 の理科 大問 2 は「世田谷学園の生物部が、身近な植物であるアサガオについてさまざまな内容を調べました」で始まり、大問 3 は物理部が学園祭で展示する「イライラ棒」という手作りのゲームの配線から回路の話に入ります。2026 の社会 大問 1 は「世田谷君は、夏休みに遊びに行った八重山列島……」で始まり、問 10 では石垣島と東京都世田谷区の比較まで行きます。部活・学園祭・校名を、そのまま出題の入口にしているように見えます。
  • 身近な道具や遊びを、そのまま計算の題材にします。算数 2024 大問 6 は電動自転車の 3 つの走行モードとバッテリー残量から速さを扱い、2025 大問 1(3) は回転寿司で食べる順番、2026 大問 5 は「短針が 8 時間で 1 周する時計」という架空の時計を持ち出します。設定を読み替える力を、毎年どこかで試しているように見えます。
  • 理科は「1 つの題材を最後まで掘る」作りです。2024 の大問 1 は月だけで 12 問あり、形・方角・時刻・公転の図・周期を、共通の選択肢群から次々に選ばせます。2026 の大問 2 はアサガオの分類から光合成の実験、さらにつるの巻き方を長さと角度で計算させるところまで行きます。広く浅くではなく、狭く深くの作りです。
  • 社会は「資料を見て、理由まで書かせる」場所が決まっています。精読した 3 年とも記述は大問 3 だけです。2024 は工場法の条文を読んで「禁止されていないこと」を指定語つきで書かせ、2025 は国債にたよらない財政の政策とその政策が生む新たな課題まで書かせ、2026 は沖縄県の牛乳パックの写真から違いを見つけて理由を説明させます。答えが一つに定まらない問いを、資料の上に置く形が続いています。
  • 社会の大問 1 は、毎年ちがう入口から地理に入ります。2024 は夏休みの学習課題とタブレットへの返信、2025 は先生と生徒のグループ学習の会話、2026 は生徒の旅行記です。会話文や課題文という枠を借りて、統計・地形・気候・国際を一気に並べます。
  • 国語の論説は「働き方と技術」に寄っています。2019 はパン職人とイースト(労働と資本)、2020 はお掃除ロボットと人間の〈弱さ〉、2016 は図書館員が本を選ぶという行為です。いずれも人と仕組みの関係を扱う文章で、2020 は最後に「AI が仕事を肩代わりする時代に弱さは何をもたらすか」を自分の言葉で書かせました。

7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の一行問題 6 問を、年度を変えて 10 年分 — 四則計算・数の性質・割合・場合の数・角度が定位置です。1 問 2 分で回し、6 問を 12 分以内で取れる状態にすると後半が楽になります。秋までにこの形にしておく価値があります。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 算数・速さを 4 系統そろえる(旅人算(速さの違う 2 人の出会いと追いつき)・流水算(川の流れと船の速さ)・通過算(列車が橋やトンネルを通る)・時計算(長針と短針の作る角))— 資料のある 14 年すべてに入っています。どれが来ても崩れない状態にしておきます。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 算数・後半の重い大問 3 種と「求め方を書く」練習 — 立体の切断(2024 大問 5・2026 大問 6。切り口の形と体積の分割をセットで)、面積比を比の積み重ねで解く(2024 大問 3・2025 大問 2・2025 大問 1(6)。補助線より先に「同じ高さ」「同じ底辺」を探す手順を決めておきます)、つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から逆算)の応用(2025 大問 3・2026 大問 4。2026 は割引つきの 3 段階まで来ました)。あわせて、2026 に出た「求め方も書きなさい」の 3 問を、式の並びに一言ずつ理由を添える形で練習しておきます。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 社会・大問 3 の記述を 3 年分(計 8 問)年度を変えて続けて解く — 「資料から読み取る → 理由を述べる」の 2 段構成で、100〜150 字相当を 5 分で書く練習です。字数指定が無いので、解答らんの大きさから逆算する感覚を作ります。指定語句がある年もあります。あわせて経済の用語(実質と名目・エンゲル係数・プライマリーバランス・国債)を言葉で説明できるようにしておきます。2024・2025 の大問 3 で正面から出ています。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週 1 回] 社会・「誤っているものを一つ選び」と [X]・[Y] の正誤組み合わせを、根拠で切る — 4 つの文を一つずつ真偽判定し、消去法ではなく根拠で切ります。この学校で最も出題数の多い問い方で、2026 だけでも 5 か所あります。[X]・[Y] の形は 2 文の一方だけ判断できても得点にならないので、あいまいな知識をつぶす作業になります。文字種の指定(「漢字 4 字で」「アルファベットで」)を毎回声に出して確認する癖もここでつけます。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週 1 回] 社会・農産物の統計表から都道府県を当てる/歴史は通史で回す — 統計表の問題は 3 年連続で大問 1 に出ています。上位 3 県と全国シェアの組み合わせを、主要品目 20 種ほど覚えます。歴史は時代を切り分けた勉強より、原始から現代まで 1 本の年表を何度も往復する形が大問 2 に合います。(確認: 〜2026 年度)
  7. [週末 60 分] 理科・化学計算と回路図を軸に、1 題を最後まで追う — 過不足のある反応(銅・アルミの酸化、塩酸と重曹、メタンの燃焼。グラフの折れ曲がる点が何を意味するかを毎回言葉にします)と、回路図の読み取り(直列・並列の判別、スイッチと豆電球・ブザーの位置、電磁石とリレー。2026 は 7 問中 4 問が回路図の選択でした)。過去問は 1 大問ずつ通しで解き、途中の小問を飛ばしません。前半の値を後半で使う作りが多いためです。あわせて対照実験の考え方(どの条件を比べるか)と、「なぜその季節か」「なぜその順か」を 1〜2 文で書く練習、そして地学(地層・天体)を切らさないこと。地学は 2 年出ていないぶん、戻ったときに大問 1 つを失います。(確認: 〜2026 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語・漢字の書き取りと 3 点セット、字数の書き分け — 漢字の書き取りは精読した年すべてに必ず出ており、2019 は 10 問がまとめて問一に置かれました。接続語・語群の語・語句の意味の 3 点セットは長年同じ問い方で出ているので、過去問で年度を変えて続けて解きます。記述は 20 字・50 字・90 字を書き分ける練習(字数ごとに「要素をいくつ入れるか」を決めておきます)と、指定語つき・書き出し指定つきの形に慣れること。論説文(働き方・技術・社会)を読む量も増やします。2020 のような問いに備えて、自分の考えを 100 字前後で書く練習も——賛否ではなく「本文の考え方を別の場面に当てはめる」書き方をします。ただし国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無いので(→ 13 節)、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。(確認: 〜2020 年度)

8. 科目別の詳細

8-1. 算数(60 分・100 点・大問 6・小問 16〜19)

年度×大問の題材表(精読した 3 年・大問 1 の一行問題)

大問 1 は 3 年とも「次の □ にあてはまる数を求めなさい」で始まる一行問題 6 問です。中身は次のとおりです。

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年度 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
2024 四則計算(分数・小数の混合) 過不足算(みかんを 9 個ずつ/7 個ずつ配る) 数の性質(700 を割ると 7 余り、3300 を割ると 66 余る整数の和) 割合と比(3 人が同額を使い、残金の割合が違う) 場合の数(1・1・2・3・4 の 5 枚から 3 けたの数) 角度(正方形と正五角形の重なり)
2025 四則計算(分数・小数の混合) 割合(落とすと 2/3 はね上がるボール) 場合の数(回転寿司 6 皿を食べる順番) 数の性質(84cm×126cm×210cm を立方体で埋める) 資料の読み取り(40 人の身長のグラフ) 平面図形の面積比(平行四辺形と BE:EF:FC)
2026 四則計算(分数・小数の混合) 数の性質(A×B=98、B×C=84、C×A=168) 通過算(789m のトンネルと 342m の鉄橋) 売買損益(3 割 5 分の見込み利益) 消去算(ノートとペン) 円とおうぎ形(円の中心と直角二等辺三角形)

年度×大問の題材表(精読した 3 年・大問 2〜6)

大問 2〜6 は「短い設定文+(1)(2)」の形です(2026 だけ 3 小問の大問が 3 つ)。

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年度 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5 大問 6
2024 和差算・分配算(5 種類のパンから 2 個買った 10 通りの金額) 平面図形の面積比(長方形 2 枚の重なり・AH:HB=3:2) ニュートン算(牧草地の牛 52 頭で 12 日・37 頭で 21 日) 立体の切断(三角柱を 3 点で切った立体を机に置く) 速さ(電動自転車の 3 モードとバッテリー残量)
2025 平面図形の面積比(同じ平行四辺形 9 個の並び) つるかめ算(勝ち+5・負け−2・引き分けの持ち点) 水量(直方体の容器に円すいを沈める) 流水算(川の中央と岸で流れの速さが違う) 規則性(数の並びと「右・下との和」)
2026 仕事算(太郎 12 日+次郎 9 日+三郎 4 日) 規則性+面積(正三角形の中央をくりぬく工程を 5 回) つるかめ算(リンゴとキウイ 15 個・割引つき) 時計算(短針が 8 時間で 1 周する時計) 立体の切断(直方体を 2 回切る)

表に出てくる過不足算・消去算・和差算・分配算・仕事算・ニュートン算・つるかめ算・通過算・流水算・時計算・売買損益の中身は 用語集 にあります。いずれも受験用教材の単元です。

出題位置の固定(何年続いているか)

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位置 何が来るか 確認できた年
大問 1 一行問題 6 問 資料のある 14 年(2010〜2026)
大問 1 の (1) 分数と小数が混ざった四則計算 2021〜2026 の 6 年(資料の並びで確認。2020 年度は逆算=□にあてはまる数を求める計算の形)
大問の数 6 大問 資料のある 14 年すべて
小問の数 16 問 2010〜2025(2026 だけ 19 問。大問 3・4・5 が 3 小問に増えたため)
どこかの大問 速さ系(速さ・流水算・通過算・時計算) 資料のある 14 年すべて
後半の大問 立体(切断・投影・水量) 2024 大問 5・2025 大問 4・2026 大問 6 の 3 年連続
  • 大問 2〜6 の単元は毎年入れ替わります。精読した 3 年を読み比べたかぎり、同じ問題がそのまま再登場した例は見つかりませんでした。
  • 速さ系の内訳は、2024 が大問 6 の速さ、2025 が大問 5 の流水算、2026 が大問 1(3) の通過算と大問 5 の時計算です。
  • 立体の切断だけを取り出すと 2024・2026 の 2 回で、いずれも最後から 2 つめ以降の位置でした。

頻出単元と周期

資料のある 14 年分の大問の主要単元を数えると、次の順に厚くなります。

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単元グループ 目安 中身
速さ(旅人算・流水・通過・時計) 14 年すべて 往復・追いつき・条件が途中で変わる形が中心。2024 は「距離ではなくバッテリーの減り方」で速さを扱う変化球
割合・文章題(つるかめ・過不足・仕事・売買・消去・ニュートン) 14 年すべて 大問 1 の一行問題と大問 2〜4 の両方に入る。つるかめ算は 2025・2026 の 2 年連続で大問、ニュートン算は 2018・2023・2024
平面図形(面積比・円とおうぎ形) 14 年中 10 年前後 比で面積を追う形が主。相似そのものより「同じ高さの三角形の面積比」の積み重ね
立体図形(切断・投影図・水量) 14 年中 11 年前後 切断は 2017・2020・2024・2026。水量は 2022・2025
数の性質・規則性 14 年中 10 年前後 余りの条件、公約数・公倍数、工程をくり返す図形の規則(2026 大問 3)
場合の数・資料の読み取り 大問 1 の中に毎年 1〜2 問 2024(5) 並べ方、2025(3) 順番、2025(5) 身長のグラフ

問い方の特徴

  • 大問 1 の 6 問は 1 問 2 分以内で処理する前提の分量です。ここで 6 問取れるかどうかが、後半の大問に回せる時間を決めます。
  • 大問 2〜6 は (1) が (2) の足がかりになる誘導になっています。2024 大問 4 のニュートン算は (1) で「食べつくさない最大の頭数」を出させ、(2) でその値を使って日数を出させます。2026 大問 3 は (1) 個数 →(2) 面積 →(3) 周りの長さと、同じ工程を 3 通りに数え直させます。
  • 比で答えさせる問題が多くあります。「最も簡単な整数の比で答えなさい」は 2024 に 3 か所、2025 に 2 か所ありました。
  • 設定文が長い年があります。2024 大問 6 は電動自転車の 3 モードの説明だけで数行あり、条件を表に写す作業が要ります。

8-2. 理科(30 分・50 点・大問 3・小問 20〜28)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3
2024 月(東京から見た月の形・出入りの時刻・公転の図)12 問 ばね(グラフからのばね定数・棒とばね 3 本・輪軸)9 問 金属と水よう液(合金・銅とアルミの酸化・重さの比)7 問
2025 電磁石・磁石(磁界の強さ・2 本の導線・方位磁針)6 問 質量保存(銅の酸化)+燃焼(メタンと酸素の体積)7 問 植物(種子の呼吸商を測る実験・光の色と発芽)7 問
2026 気体(重曹と塩酸から出る二酸化炭素・濃度の年変化)8 問 植物(アサガオの分類・光合成・つるの巻き方)10 問 電気回路(学園祭の「イライラ棒」の配線とリレー)7 問

出題位置の固定(何年続いているか)

  • 大問は 3 つです。2020 年度から 2026 年度まで 7 年続けて 3 大問でした(2010〜2019 は 4〜5 大問)。小問は 20〜28 問で、年によって 8 問ほど動きます。
  • 位置と分野の結びつきは固定されていません。精読した 3 年でも、物理が大問 1 の年(2025)と大問 2・3 の年(2024・2026)があります。大問の並びは毎年作り直されると見るのが正確です。
  • 固定されているのは分野の組み合わせのほうです。精読した 3 年とも「化学 1 題・物理 1 題・生物か地学 1 題」で、化学と物理は 3 年皆勤。生物は 2025・2026 の 2 年、地学は 2024 の月だけでした。4 分野のうち 1 つが毎年抜ける構成なので、山を張ると大問 1 つぶんが空きます。
  • 大問 1 題あたりの小問が 6〜12 問と重く、1 つの題材を掘り下げる作りです。途中でつまずくと後半の小問がまとめて落ちる構造になっています。

頻出単元と周期

  • 電気・磁気は 2023(電気回路)・2025(電磁石)・2026(電気回路)と 4 年で 3 回。2026 は回路図の読み取りが 7 問中 4 問を占め、リレーの仕組みまで踏み込みました。
  • 化学は「重さや体積の比を計算させる」形が 3 年連続です。2024 は銅とアルミの酸化、2025 は銅の酸化とメタンの燃焼、2026 は重曹と塩酸。いずれも過不足のある反応(一方が余る)を必ず含みます。
  • 植物は資料の並びで 2010 年代に何度も出た定番で、2025・2026 の 2 年連続。2026 は光合成の実験に加え、つるの巻き方を長さと角度で計算させるところまで行きました。
  • 地学は 2020〜2024 に地層・月が出たあと、2025・2026 の 2 年は出ていません。

問い方の特徴

  • 記号選択が主軸です。精読した 3 年で選択が 50〜56%、残りは短答(語句や数値を短く答える形式)でした。「最も適当なものを 1 つ選び」が基本形で、「2 つ選び」「3 つ選び」「すべて選び」も毎年あります(2024 大問 3 問 7 は 2 つ、2025 大問 3 問 6 は 3 つ、2026 大問 1 問 2(5) はすべて)。1 つ選ぶと思い込むと落とします。
  • 選択肢が本文と別の場所にまとめて置かれる年があります。2024 の大問 1 は「右のページの〔 〕内にある月の形(ア)〜(キ)」「方角の(ク)〜(サ)」「時間の(シ)〜」「日数の(チ)〜(ナ)」という共通の選択肢群から、12 問すべてを選ばせる作りでした。同じ記号の並びを何度も参照するので、ページを行き来する時間を見込んでおく必要があります。
  • 理由を説明させる小問が 2 年連続で 1 問あります。2025 大問 1 問 1「磁界を強い順に並べ、その理由を説明しなさい」、2026 大問 1 問 3「季節を選び、その季節を選んだ理由も答えなさい」。いずれも記号を選んだうえで一言添える形で、字数指定はありません。
  • 実験の条件を比べさせる問いが目立ちます。2025 大問 3 問 2 は「1 つだけ条件を変えて行う実験方法を何といいますか」と対照実験の名前を直接聞き、2026 大問 2 問 4 は「表 1 の条件 1〜4 のうちどの 2 つを比べればよいか」を答えさせます。
  • 計算はグラフや表から比を読み取る形が中心です。2024 大問 2 のばね定数、2025 大問 2 の銅と酸素の重さの比、2026 大問 1 の塩酸と重曹の過不足がその例です。

8-3. 社会(30 分・50 点・大問 3・小問 28〜30)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

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年度 大問 1(地理) 大問 2(歴史) 大問 3(テーマ融合・記述の置き場)
2024 夏休みの学習課題と生徒の返信(国連本部・島の定義・河川・万博)12 問 平安から戦時下までの通史(鎌倉の農業・浮世絵・寺社参詣)10 問 近代以降の日本経済(機械打ちこわし・工場法・比較生産費説・エンゲル係数)8 問
2025 先生と生徒のグループ学習(野菜の収穫量・雨温図・カルスト台地・EU)10 問 「否定的に評価された人物」から通史(田沼意次・大老・条約改正)10 問 お金のことわざから経済(物々交換・各国の硬貨・経済成長率・国債)8 問
2026 世田谷君の石垣島旅行(緯度経度・最西端の島・さとうきび・サンゴの白化)10 問 通史(ナウマンゾウ・聖徳太子・肖像画の正誤・日中戦争)10 問 「人と動物との関わり」の授業対話(肉の消費量・イヌイット・代替肉と SDGs)8 問

出題位置の固定(何年続いているか)

  • 大問 3 つ・「大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 がテーマを立てた融合問題」の並びが動きません。 大問数は資料のある 17 年(2010〜2026)すべて 3 です。大問 2 が歴史である並びは、資料で見るかぎり 17 年続いています。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。
  • 小問の配分も固定に近く、精読した 3 年は大問 1 が 10〜12 問、大問 2 が 10 問、大問 3 が 8 問。全体で 28〜30 問です。
  • 記述は精読した 3 年とも大問 3 だけに集まります。2024 が 3 問、2025 が 2 問+数値と丸囲みの混合 1 問、2026 が 3 問。大問 1・大問 2 には 3 年とも記述がありませんでした。どこで書かされるかが分かっているのは、時間配分を組むうえで大きいところです。
  • 大問 2 の歴史は通史(原始・古代から近現代まで 1 本の文章で走る形)で、時代の一点だけを深く問う形ではありません。精読した 3 年とも、鎌倉・室町と江戸と近代がそれぞれ 2〜3 問ずつ入ります。

頻出単元と周期

  • 農業・畜産の統計から都道府県を当てる問題は 3 年連続です。2024 大問 1 問 7(収穫量上位 3 位の統計を選ぶ)、2025 大問 1 問 1(ブロッコリー・レタス・ピーマン・トマトの表)、2026 大問 1 問 5(肉用牛・そば・さとうきび・すいか)。同じ形の表を、品目を替えて毎年出しています。
  • 都道府県・地域の同定と日本の地形は、資料の 17 年を通じて最も厚い主題です(大問 1 の主題として 2010・2011・2016・2018・2019・2023・2026 など)。
  • 環境問題・持続可能性は 2025(足尾)・2026(サンゴの白化・代替肉と SDGs)と 2 年連続。
  • 経済・財政は 2024・2025 の大問 3 で 2 年連続の主題です(エンゲル係数・実質経済成長率・プライマリーバランス・国債)。中学入試としては踏み込んだ用語まで出ます。
  • 歴史の中では鎌倉・室町が最も厚くなります(資料の並びで大問 2 の主題として 2010・2011・2015・2017・2019・2023・2024)。

問い方の特徴

  • 「〜について述べた文として誤っているものを、次の(ア)〜(エ)の中から一つ選び、記号で答えなさい」がこの学校の決まり文句です。資料を通して数えると、同じ言い回しが 2010・2011・2013・2014・2020・2021・2024・2026 と長年にわたって繰り返し使われています。2026 だけでも大問 1 問 2、大問 2 問 6・問 8、大問 3 問 5・問 6 と 5 か所あります。「正しいもの」ではなく「誤っているもの」を探す形が主で、読み違えると全滅します。
  • [X]・[Y] の正誤の組み合わせを選ばせる形が毎年あります(2024 大問 1 問 9・大問 2 問 4、2025 大問 1 問 6・大問 2 問 8、2026 大問 2 問 7 は肖像画 3 枚の正誤)。2 つとも判断できないと点になりません。
  • 年代を並べて「3 番目にくるもの」を選ばせる形が 2024・2025 の 2 年連続であります(2024 大問 2 問 5、2025 大問 2 問 9)。全部の順序が分からないと答えられません。
  • 語句は漢字指定が多くあります。「漢字 4 字で」(2024)「漢字で」(2025・2026 の複数箇所)「アルファベットで」(2024 の NATO)。
  • 記述は「資料を読んで、理由まで書く」形です。2024 大問 3 問 1「ハンマーで何をしようとしているのか、その理由もあわせて説明しなさい」、2026 大問 3 問 2「写真を見て異なっている点を一つ見つけ、その理由を資料から考えて説明しなさい」。指定語句を使わせる形(2024 大問 3 問 4「〈男性・時間〉を必ず使い、使った語句に下線を引く」)や、政策を考えさせたうえで新たな課題も書かせる形(2025 大問 3 問 8)もあります。字数指定は 3 年とも無く、解答らんの大きさで分量が決まります。

8-4. 国語(50 分・100 点。2010〜2020 の 7 年ぶんの資料で確認)

国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2011・2014・2015・2016・2019・2020 の 7 年に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2016・2019・2020 の 3 年です。

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 小問数
2016 小説(時間旅行をする三人組・大江健三郎『二百年の子供』)10 問 論説(図書館員が本を選ぶこと・松岡享子『子どもと本』)10 問 漢字の書き取り 10 問 30
2019 論説 1 本(パン職人とイースト・労働と資本 / 渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』)18 問 — — 20
2020 論説 1 本(お掃除ロボットと〈弱さ〉/『弱いロボット』)15 問 — — 17

資料の並びで見ると、2016 年度までは「小説+論説+漢字」の 3 大問(2010・2011 は 2 大問)で、2019・2020 は長文 1 本にすべてを詰め込む 1 大問になっています。資料のある年の中では 2019 年が切り替わりの年に見えます。ただし 2017・2018 と 2021 年度以降の資料が無いため、いつからいつまでこの形なのかは判断できません。

設問の並びで固定されているもの(2019・2020 の 2 年)

長文 1 本になった 2 年は、設問の並びがほぼ同じでした。

  1. 問一=漢字の書き取り(カタカナを漢字に直す。2019 は 10 問、2020 は 6 問)
  2. 語群から語を選び、必要があれば形を変えて答える(2019 は「取る・来る・切る・占める・浮く・割く」、2020 も同じ形式)
  3. 【a】〜【e】に入る接続語を選ぶ
  4. 傍線 A〜E の語句の意味を選ぶ
  5. 本文の流れに沿った記号選択が 6〜9 問
  6. 抜き出し(字数の上限つき・最初と最後の数字を書かせる形)
  7. 記述(2019 は 2 問、2020 は 3 問)
  8. 最後に本文全体の合致・正誤判定(2019 は「適当なものを一つ」、2020 は「合致するものに〇・しないものに×」)

この 2 年しか同じ形を確認できていないので「毎年」とは書けませんが、2〜4 の 3 点セット(語群・接続語・語句の意味)は、資料のある 2010・2014・2015 にも同じ問い方で出ています。設問の書き出しの文言まで揃っていて、この学校が長く使ってきた問い方だと分かります。

問い方の特徴

  • 記号選択が主軸です。資料のある 7 年で選択が全体の 5 割前後、漢字が 2 割強、記述が 1 割強という配分でした。
  • 記述には必ず字数か形式の指定がつきます。2016 は「二十字以内」「二十五字以内」「五十字以内」「四十字以上五十字以内」「二点説明しなさい」、2019 は「九十字以内」、2020 は「三十五字以内」「解答欄の形に合わせて」。20 字から 90 字まで幅があるので、字数に合わせて情報量を調整する練習が要ります。
  • 使う語を指定される記述があります。2016 大問 1 問四は「『否定』という言葉を用いて、『〜を恐れているから。』につながる形で二十字以内」。書き出しや結びの形まで決められます。
  • 国語なのに数値の資料を読ませます。2019 問十一はパンの生産販売の収支データ 2 種類を比べ、「数値を具体的に挙げながら」技術革新と利潤の関係を説明させました。
  • 自分の考えを書かせる問いが 2020 にあります。問十四 ii は、ロボットや AI が人の仕事を肩代わりする時代に「〈不完結さ〉や〈弱さ〉」がどんな役割を果たしうるかを書かせます。本文の読解の上に、自分の言葉で先を考える形です。
  • 抜き出しは「最初と最後の五字」形式が多く、探す範囲が「⑦より後の本文中より三十字以内」のように限定されます。
  • 論説文の題材は、働き方・技術・人間関係を社会の側から考えるものが続きます(2019 のパン屋と労働、2020 のロボットと弱さ、2016 の図書館と本の選び方)。小説は子どもの成長や家族を扱ったものです(2014 重松清『プラネタリウム』、2016 大江健三郎『二百年の子供』)。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

年度ごとの大問の主要単元から数えたもので、構成だけ数えた年の細部までは保証できません。最終確認年度は、その単元を資料の上で最後に確認できた年度を指します。

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科目 単元 出ていた年 最終確認年度 なぜ警戒するか
理科 地層・岩石・化石 2010・2012・2014・2016・2019・2020・2021 2021 年度 2010〜2021 に 7 回出た最頻単元です。2021 を最後に 5 年、大問としては出ていません
理科 天体(星・星座・惑星・月) 2022(惑星)・2024(月) 2024 年度 地学が 2 年続けて抜けています。戻ると大問 1 つぶんが重くなります
理科 てこ・滑車・輪軸 2022(てこ)・2024(ばねと輪軸) 2024 年度 力のつり合いは 2 年おきに顔を出しています
理科 人体 2014・2023 2023 年度 生物が植物に寄っており 3 年ありません
理科 気象・熱と状態変化 2021(音)以前 2021 年度以前 以前は厚く出た分野ですが、大問としては長く出ていません
社会 選挙制度・三権分立 2010・2011・2012・2016 2016 年度 2010〜2016 は大問 3 の定番でした。10 年、政治のしくみが主題になっていません
社会 国際社会・国際協力 2014・2015・2024 2024 年度 大問 3 級の主題として出ています。2 年空いています
社会 地形図の読図 2014 2014 年度 大問としては長く出ていませんが、地図・写真の読み取りは毎年あります
社会 貿易・資源・エネルギー 2019(大問 3)・2024(小問) 2024 年度 エネルギーの統計は戻りやすいところです
社会 人口・都市問題 2012(大問 3)・2024・2026(小問) 2026 年度(小問) 大問 3 の主題としては 2012 年度が最後です
算数 食塩水 2014・2015・2022・2023 2023 年度 繰り返し出ていましたが、2023 を最後に 3 年出ていません
算数 図形の移動・転がり 2015・2019・2020・2021 2021 年度 4 年続いたあと 5 年ありません
算数 平均算・和差算 2016・2017・2024(和差算) 2024 年度 大問 1 の一行問題として戻りやすい位置です
算数 回転体 2015 2015 年度 立体が切断・水量に寄っています

10. 形式面の注意

4 科目に共通すること

  • 記述の量: 社会が毎年 2〜3 問(精読した 3 年とも大問 3 に集中・字数指定なし)、国語が 2〜3 問(20〜90 字の字数指定つき)、理科が 0〜1 問(理由を一言・2 年連続)、算数は 2024・2025 が 0 問で 2026 に「求め方も書きなさい」が 3 問。4 科目合わせて毎年 4〜9 問、必ず書かされます。
  • 字数指定: 国語の記述と抜き出しには必ず字数か形式の指定が付きます(「二十字以内」「四十字以上五十字以内」「九十字以内」「最初と最後の五字」)。社会・理科の記述には字数指定が無く、解答らんの大きさで分量が決まります。
  • 文字種の指定: 社会は「漢字で」「漢字 4 字で」「アルファベットで」が毎年あります。守れないと 0 点になります。
  • 選択肢の指定: 理科・社会とも「一つ選び」だけでなく「2 つ選び」「3 つ選び」「すべて選び」が毎年あります。社会は「誤っているものを一つ選び」が最も多く、[X]・[Y] の正誤の組み合わせも毎年出ます。
  • 作図: 精読した 3 年(社会・理科・算数)には、図やグラフを自分で描かせる指示は見当たりませんでした。社会は資料のある年を通しても見当たりません。ただし図を読む小問は多く、図のある小問は理科 60%・社会 44%・算数 44% です。
  • 円周率: 精読した算数 3 年の設問文には、円周率の断り書きが見当たりませんでした。冊子の表紙や注記にある可能性があるので、市販の過去問で確かめてください。
  • 時間: 国語 50 分・算数 60 分・理科 30 分・社会 30 分。算数が 60 分で 16〜19 問というのは 1 問に 3 分以上使える設計で、後半の重い大問に踏み込むことが求められます。一方で 30 分の理科・社会は読む量が多く、時間が足りなくなる側です。社会は 28〜30 問+記述 2〜3 問、理科は導入文が長い大問 3 つで、どちらも「読み切れずに終わる」のが最大の失点要因になる形をしています。理科・社会は年度通しの演習で 30 分の配分を先に決めておく価値があります。

算数

  • 2024・2025 は全問が答えのみです。ところが 2026 は「この問題については、答えだけではなく、求め方も解答用紙にかきなさい」が 3 問あります(大問 4(3)・大問 5(3)・大問 6(2))。いずれも各大問の最後の小問です。資料のある 14 年のうち求め方を書かせたのは 2026 だけで、これが続くかどうかは 1 年分では判断できません。市販の過去問集で最新年の指示を必ず確認してください。
  • 図のついた小問は 4 割強です。図そのものは転写できないため、図形問題の細部(2024 大問 3 の重なり方など)は設問文からの読み取りを含みます。
  • 単位は「何 cm² ですか」「何日ですか」「何時何分ですか」と、問いの末尾に必ず書かれています。

理科

  • 30 分で 20〜28 問。導入文が長く(精読した 3 年で 1 大問あたり数行〜十数行)、読む速さがそのまま点になります。
  • 図のついた小問が 6 割です。図そのものは転写できないため、配線図や装置図の細部は設問文からの読み取りを含みます。
  • 割り切れないときの処理の指示が付く年があります(資料の中では 2015・2021 に「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」という同じ言い回しが見つかりました)。精読した 3 年でも、答え方の指定は問いごとに書かれています。
  • 用語を漢字で書かせる指定、単位を付けて答えさせる指定が短答に付きます。

社会

  • 30 分で 28〜30 問、うち記述 2〜3 問。1 問 1 分を切るペースで、大問 3 の記述に 6〜8 分を残す配分をあらかじめ決めておく必要があります。
  • 図表のついた小問が 4 割強です。雨温図・統計表・写真・地図・グラフが毎年入ります。図そのものは転写できないため、細部は設問文からの読み取りを含みます。
  • 前年の出来事に触れる小問が毎年 1〜3 問あります(2024 の大阪・関西万博、2024 のニューヨーク・タイムズ紙「2023 年に行くべき場所」など)。ただし時事だけを集めた大問はありません。

国語

  • 漢字は書き取りのみで、読みを答えさせる問いは資料のある年にはありませんでした。2016 の大問 3 には「漢字はバランスを整えて、ていねいに記すこと」という指示が付いています。
  • 対になる漢字一字を答えさせる問い(2016 大問 2 問二、2020 問九)が複数年にあります。
  • 古文・漢文は、資料のある 7 年では出ていません。
  • 50 分で 17〜30 問。長文 1 本の年は本文が長く、記述 2〜3 問に時間を残す配分が要ります。

11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)

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段 この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。この学校でとくに効く入口は、①分数と小数が混ざった四則計算(算数の大問 1(1) は 6 年続けてこの形)、②日本地図と都道府県の産物(社会の大問 1 は地理で固定)、③漢字の書き取りの 3 つ。時間を測るのはまだ早い段階です。地図帳と食卓の産地表示を結びつけて話すだけでも、後の統計問題に効きます
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終えるのがこの学年の仕事です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は分数と小数の混ざった四則計算と漢字の書き取りを毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。8 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使ってください。算数は 割合 → 速さ(旅人算・流水算・通過算・時計算。いずれも受験用教材の単元)→ 平面図形 → 立体 → 規則性 → 数の性質 の順に一巡し、一行問題を分野をまたいで回す形に早めに移ります(大問 1 の 6 問がこの形です)。理科は 4 分野を薄く均等に——毎年 1 分野が抜ける形なので、捨てる分野を作ると大問 1 つを失います。社会は歴史を通史で 1 往復し、統計表から都道府県を当てる練習を始めます。国語は説明文の段落の役割を口で説明する習慣を。ただし国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目です。夏以降は同じ大問を、年度を変えて解く(算数の大問 1 を 10 年分、社会の大問 3 の記述を数年分、理科の大問を 1 題ずつ通しで)を主にし、1 年分を、時間を計って解く演習は理科・社会を中心に。記述(社会 2〜3 問・国語 2〜3 問・理科 0〜1 問・算数は 2026 に 3 問)は、添削してもらう回数を確保します

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差が出るのは、小 5 で全分野をひととおり学び終えることと、小 6 で出題位置ごとに反復することの両方です。並びが固まっているぶん、「大問 1 の 6 問」「社会の大問 3 の記述」のように場所を決めて年度を変えて続けて解いた経験がそのまま点になります。一方で中身は毎年作り直されるので、暗記だけでは届きません。とくに理科は 4 分野のうち 1 つが毎年抜ける形で、抜ける分野が読めません。理科の 4 分野を小 5 のうちにひととおり学び終え、小 6 は算数・社会の出題位置ごとの反復に時間を回す配分が、この学校の形に合います。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は出題構造が近いかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が重なります。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。

  • 東京都市大学付属中学校(東京都・男子校)— 8 校で最も近い組み合わせです。算数(90)と理科(91)がとくに近く、両科目の演習を相互に回せます。
  • 山手学院中学校(神奈川県・共学)— 理科が非常に近く(90)、長い導入文から入る大問の作りが共通です。
  • 成城中学校(東京都・男子校)— 4 科すべてが均等に近く(82〜84)、どの科目の演習も無駄になりにくい組み合わせです。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

  • 科目ごとに見ると、算数(大問 6・小問 16・一行問題 6 問から入る形)は東京都市大学付属・聖光学院・市川と近く、理科(30 分・大問 3・記号選択が主軸・長い導入文)は東京都市大学付属・山手学院・帝京大学・本郷・北里大学附属順天と近くて、8 校中 5 校で理科が最も近い科目になっています。国語(長文を深く読ませ、記述に字数指定)は本郷・市川・聖光学院、社会(3 大問・記述が最後の大問に集中)は聖光学院・成城です。
  • 帝京大学中学校と北里大学附属順天中学校は、国語の資料が足りず比較できていません(出題構造が近い学校のページの「—」がそれにあたります)。
  • 2027 年度は、山手学院・本郷とも 2 月 1 日の同じ時間帯に世田谷学園と入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
  • 近さの数字は出題構造の距離から出したもので、学校の優劣とは関係がありません。同じ問題が出るという意味でもありません。

13. 資料の限界

  • 入試の回が分かりません。資料は校×年×科目で 1 冊ずつしかなく、1 次試験・2 次試験・3 次試験のどれかが記されていません。ここでは 1 次試験相当として扱いましたが、別の回の問題が混じっている可能性は残ります。算数特選(2 月 1 日午後・算数 1 科・60 分・100 点)の問題は、この分析には入っていないと考えたほうがよいところです。1 次と 2 次・3 次は試験の構成が同じなので、形式面の話は 3 回に共通すると見てよいのですが、確認はできていません。
  • 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 節に書いたのは 2010〜2020 の 7 年に限った話で、直近 6 年の形式は市販の過去問集で確認してください。出典(著者・作品)についても同じ制約があります。
  • 算数は 2011〜2013、理科は 2011 の資料がありません。そのぶん「何年連続」の数え方には抜けがあります。
  • 精読したのは各科目 3 年ぶんだけです。それ以外の年については、年度ごとの大問の主要単元の並びを見たにとどまります。「資料の並びでは」と断って書いた箇所がそれにあたり、大問の中の小問までは確認していません。
  • 図は転写できません。図形問題の細部(2024 算数 大問 3 の長方形の重なり方、2026 理科 大問 3 の配線図など)は、設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。写真・地図・グラフを見て答える社会の小問も、実物を見ないと分からない部分が残ります。
  • 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけになる資料はありません。
  • 配点は問題冊子からは分かりません。科目ごとの合計点は募集要項に拠りましたが、小問ごとの配点は公表されていません。
  • 2026 年度の算数で「求め方も書きなさい」が 3 問出たことは、資料のある 14 年で初めての形です。これが翌年以降も続くかどうかは 1 年分では判断できません。最新年の指示は必ず市販の過去問集で確かめてください。
  • 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念には触れていません。これらは別のページの領分です。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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