関東中学受験データasmon.ai/kanto — 265校・出所つき保存した学校

成城中学校の過去問分析

男子私立東京都新宿区

重要結論

  1. 科目によって固定の強さがはっきり違う学校です。社会と国語は形式が何年も動かず、算数は毎年作り直されます。
  2. 社会は大問 3 題・小問 18 問(記号選択 15 問+記述 3 問)という器が、精読した 2023・2024・2025 年度で完全に一致します。大問 1 は歴史、大問 2 は地形図から入る地理、大問 3 は時事的な文章を読ませてからの公民・経済、という並びも 3 年とも同じです。
  3. 理科は大問 3 題が 11 年連続(2015〜2025)で分量の予測が立てやすく、算数だけは大問数が動きます(2023 年が 9 題、2024・2025 年が 6 題)。

今週やること

  1. 社会の「地形図中から読み取れることとして正しいものを、1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」の形の設問だけを、2023・2024・2025 年度で続けて解きます。
  2. 社会は大問 2 の地形図の読図を、何年分も年度を変えて続けて解きます。
  3. 算数は大問 1 の計算(2016〜2025 の 10 年連続)を毎日 5 分。

分析年度: 2010〜2025 年度
入試回: 第 1 回相当
資料の範囲: 科目により 5〜16 年分
原本確認範囲(精読した年): 算数 3 年・理科 3 年・社会 3 年・国語 3 年
制約: 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2019 年度までのものです(→ 13 節)。

詳しい根拠を見る
  1. 大問数の変化点
  2. 1. この学校の基本情報
  3. 2. このページでわかること
  4. 3. まず結論だけ(10 行)
  5. 4. 資料の状況
  6. 5. 一番大きな結論
  7. 6. この学校らしさが出る場所
  8. 7. 今からやるなら
  9. 8. 科目別の詳細
  10. 9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
  11. 10. 形式面の注意
  12. 11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
  13. 12. この学校と出題構造が近い学校
  14. 13. 資料の限界

大問数の変化点

  • 国語: 3 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 5 冊すべて・数えられなかった年が 5 年。最新の資料は 2019 年度)。前回の変化: なし(2010〜2019 年度の、数えられた資料 5 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 理科: 3 題(2015 年度から、大問数を数えられた資料 8 冊すべて・数えられなかった年 2018。最新の資料は 2023 年度(2024 年度・2025 年度は読み取りの確度が低く数えていない。読み取りでは 2024 年度 3 題・2025 年度 3 題))。前回の変化: 2014 → 2015 の間に 4 題 → 3 題。変化の履歴: 1 回: 2015。前回の変化のときの分野の並び: 化学|生物|物理|地学 → 化学|生物|物理
  • 社会: 3 題(2010 年度から、大問数を数えられた資料 10 冊すべて・数えられなかった年が 6 年。最新の資料は 2025 年度)。前回の変化: なし(2010〜2025 年度の、数えられた資料 10 冊で変化なし)。変化の履歴: 0 回
  • 算数: 6 題(2024 年度から、大問数を数えられた資料 2 冊すべて。最新の資料は 2025 年度)。前回の変化: 2023 → 2024 の間に 9 題 → 6 題。変化の履歴: 6 回: 2014・2016・2017・2020・2022・2024(間隔 2・1・3・2・2)。原本(解答用紙・紙面)で確かめて訂正した年: 2024 年度(読み取りの確度が低く数えていなかった年を、原本で 6 題)・2025 年度(読み取りの確度が低く数えていなかった年を、原本で 6 題)。前回の変化のときの分野の並び: 計算|割合・文章題|割合・文章題|数の性質・規則性|平面図形|数の性質・規則性|割合・文章題|立体図形|立体図形 → 計算|場合の数・論理|数の性質・規則性|平面図形|立体図形|速さ

変化の間隔は過去の事実で、次の変化の時期を示すものではありません。全校の一覧は 出題の型の変化点。

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

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項目 内容
所在地 東京都新宿区
男女 男子校
入試回と日程・科目 第 1 回 2 月 1 日午前/第 2 回 2 月 3 日午前/第 3 回 2 月 5 日午前。3 回とも 4 科(国語・算数・社会・理科)
試験時間・配点 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/社会 30 分・60 点/理科 30 分・60 点(4 科合計 320 点)
面接 3 回とも面接はありません
旧称 成城学校(1886 年に改称)、私立成城中学校(1917 年に改称)

上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

このレポートは東京都新宿区の男子校、成城中学校のものです。世田谷区の共学校である成城学園中学校とは別の学校なので、過去問を買うときに取り違えないよう注意してください。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

「3. まず結論だけ(10 行)」を開く(上の要約と同じ内容です)

結論

  1. 科目によって固定の強さがはっきり違う学校です。社会と国語は形式が何年も動かず、算数は毎年作り直されます。
  2. 社会は大問 3 題・小問 18 問(記号選択 15 問+記述 3 問)という器が、精読した 2023・2024・2025 年度で完全に一致します。大問 1 は歴史、大問 2 は地形図から入る地理、大問 3 は時事的な文章を読ませてからの公民・経済、という並びも 3 年とも同じです。
  3. 理科は大問 3 題が 11 年連続(2015〜2025)で分量の予測が立てやすく、算数だけは大問数が動きます(2023 年が 9 題、2024・2025 年が 6 題)。

家でやること 3 つ

  1. 社会は大問 2 の地形図の読図を、何年分も年度を変えて続けて解きます。
  2. 算数は大問 1 の計算(2016〜2025 の 10 年連続)を毎日 5 分。
  3. 国語は漢字 10 問(資料のある 5 年すべてで大問 1)を、読みと書きの両方で毎日。

今週やる 1 つ

  1. 社会の「地形図中から読み取れることとして正しいものを、1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」の形の設問だけを、2023・2024・2025 年度で続けて解きます。

注意

  1. 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2019 年度までのものです(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の構成と単元の一覧だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

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科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 年数 判読の確度
算数 2023・2024・2025 精読した 3 年以外の年(大問構成と単元の一覧だけ) 2010〜2025 14 2024・2025 は転写の読み取り確度が低め。数式の細部に写し崩れがある
理科 2023・2024・2025 精読した 3 年以外の年(同上) 2010〜2025 15 2024・2025 は転写の読み取り確度が低め
社会 2023・2024・2025 精読した 3 年以外の年(同上) 2010〜2025 16 4 科目で最も年数が揃っている
国語 2016・2018・2019 2010・2014 2010・2014・2016・2018・2019 5 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)
  • 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
  • 過去問データベースは 1 校×1 年×1 科目につき 1 冊のみの掲載で、どの回の問題かは区別できません。本レポートは第 1 回相当として扱います。
  • 学校が公表している 2027 年度入試は 2 月 1 日・3 日・5 日の 3 回で、いずれも 4 科(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 60 点・理科 30 分 60 点、合計 320 点、面接なし)です。回ごとの傾向の違いは、この資料からは分かりません。
  • 「3 年連続」「毎年」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直して確認したものに限ります。確認できなかったことは「位置の記録では」と弱めるか、書いていません。
  • 図そのものは転写されないため、図形問題や地形図の細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。

5. 一番大きな結論

成城は「科目によって固定の強さがはっきり違う」学校です。社会と国語は形式が何年も動かず、算数は毎年作り直されます。

  • 社会が最も固定されています。大問 3 題・小問 18 問(記号選択 15 問+記述 3 問)という器が、精読した 2023・2024・2025 年度で完全に一致します。しかも大問 1 は歴史、大問 2 は地形図から入る地理、大問 3 は時事的な文章を読ませてからの公民・経済という並びも 3 年とも同じで、大問 2 に地形図が置かれる並びは位置の記録では 2010 年度以降ほぼ毎年続いています。記述は各大問の最後に必ず 1 問ずつ。さらに、地形図の設問文「地形図中から読み取れることとして正しいものを、1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」は 2023 年度問 7 と 2024 年度問 7 で一字一句同じです。
  • 国語も 3 大問(漢字 10 問→読解→読解)が資料のある 5 年すべてで同じです。ただし読解 2 題のジャンルの並び(小説が先か説明文が先か)は年によって入れ替わります。助詞・助動詞の識別と、文の並べ替えが 3 年連続で同じ問われ方をしています。
  • 理科は大問 3 題が 11 年連続(2015〜2025)で分量の予測は立てやすいのですが、どの出題位置(大問の番号と順番)にどの分野が来るかは決まっていません。物理系の計算大問が毎年 1 題以上入る点だけが共通です。
  • 算数だけは器が動きます。大問数は 2023 年が 9 題、2024・2025 年が 6 題。固定されているのは「大問 1 は計算」(2016〜2025 の 10 年連続)と「最後の大問は水量とグラフか速さ系の長い問題」だけで、その間に何がいくつ入るかは毎年作り直されます。
  • ここで言う出題位置の固定は、同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。地形図の場所も選択肢の中身も毎年別で、算数の数値も毎年新しくなります。

過去問の使い方は科目で変えます。社会と国語は「同じ大問を、年度を変えて解く」(何年分もの大問 2 だけを続けて解く、漢字と文法だけを続けて解く)が最も効きます。算数と理科は「単元の解き方を身につける」に近く、水量とグラフ・規則性・電気の計算といった頻出単元を手順ごと反復します。全科目に共通して、30 分・18 問(社会)、50 分・30 問(国語)といった分量が動かないので、時間の使い方は過去問で正確に決められます。


6. この学校らしさが出る場所

過去問でしか掴めない題材の色を挙げます。

  • 社会の大問 2 が「日本のどこか一つの土地を丸ごと掘り下げる」形になっています。 2023 年度は茨城県土浦市、2024 年度は愛知県瀬戸市、2025 年度は種子島。地形図で土地の形を読ませたあと、そのままその県の産業(栗・梨・ピーマン・メロン/瀬戸物と貿易港/大島紬とかんしょと牛)、人口、気候へと問いが広がります。地図を入口に一地域を立体的に見せるのが、この学校の社会の顔です。
  • 社会の大問 3 は毎年、直前 1〜2 年の話題の文章から始まります。2023 年度は SDGs の達成状況、2024 年度は財務省が発表した 2022 年度の貿易統計の記事、2025 年度は物流のトラック運転手不足。しかも問われるのは話題そのものではなく、その背後の制度(安全保障理事会・憲法 14 条/為替と GATT・WTO/労働基本権と働き方改革関連法)です。ニュースを制度の言葉に翻訳させる作りが 3 年続いています。
  • 社会の記述 3 問は「表やグラフの数字の差を一言で説明する」に統一されています。家電の普及率が下がった理由、団地の年齢構成の変化、かんしょの市場取扱量の差、トラック運転手の労働時間と収入の差。感想でも意見でもなく、資料の中に答えの根拠があります。
  • 理科は身近な道具や出来事から入ります。IH 調理器のしくみ(2024)、ろうそくのろうが固まるときの形(2025)、アリとカメムシの帰巣実験(2023)、鳥取砂丘(2025)。2025 年度の地学の大問は生徒 2 人の会話文で、地理研究部の話として進みます。「教室の外にあるものを理科の言葉で説明させる」姿勢が見えます。
  • 理科は前年の出来事も題材にします。火星探査車パーサヴィアランスの酸素生成装置(2023)、2023 年のクマの出没(2024)。ただし時事そのものを覚えているかは問われず、実験や生態の考え方に落とし込まれています。
  • 算数は長い設定文を読ませる問題が毎年あります。 メモの読み違いでイチゴの取り分がずれる話(2023)、3 色のいすを使ったいす取りゲームのルール(2024)、アメとガムの買い方(2025)。国語的な読みの負担が算数にもかかっているように見えます。
  • 国語は「構成を掴む」設問を重く見ているように見えます。2016 年度は大問 2・大問 3 の両方で「本文を二つの場面に分けるとしたら、後半の最初の五字」を問い、2018 年度も同じ趣旨の設問があります。文の並べ替えも 3 年連続です。

7. 今からやるなら

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。過去問を使った演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [週 1 回] 社会・地形図の読図(大問 2 の入口・毎年)— 等高線から標高を比べる、経路上の地図記号を拾う、土地利用を読む。「地形図中から読み取れることとして正しいものを 1〜4 から選ぶ」形の設問だけを何年分も年度を変えて続けて解くと、選択肢の作られ方(距離・方位・標高・記号の入れ替え)が見えてきます。(確認: 〜2025 年度)
  2. [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算(2016〜2025 の 10 年連続)— 四則 3〜4 問+逆算(□にあてはまる数を求める計算)1 問を毎日 5 分。2025 年度の「2025×99−6075×23+10125×14」のように西暦を使った工夫計算(共通因数でくくる)が入ります。ここは 2016〜2025 年度の 10 年とも同じ出題位置なので、毎日 5 分の練習を同じ形で続けられます。(確認: 〜2025 年度)
  3. [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と、助詞・助動詞の識別 — 漢字は資料のある 5 年すべてで大問 1 です。読みと書きの両方を毎日。出題位置が固定されているので確実な得点源になります。あわせて助詞・助動詞の識別(2016「ぐらい」・2018「られる」・2019「ように」の 3 年連続。ほかに「そうだ」など)を、市販の文法問題集 1 冊で通します。(確認: 〜2019 年度)
  4. [週末 60 分] 社会・10〜30 字の記述 3 問 — 「書き出しに続けて 20 字以内」「句読点も 1 マス」という制約なので、長く書ける子ほど苦しみます。主語を書かない・原因を一つに絞る・表の数値の差を一言で、の 3 点で削ります。(確認: 〜2025 年度)
  5. [週末 60 分] 理科・電気の計算と、表・グラフの読み取り — 電気(2023・2024・2025 の 3 年連続)は電圧と電流の比、直列と並列、電熱線の発熱量(電流×時間×水の量)。表とグラフから比例と折れ曲がりを読む練習は、2024 大問 1(塩酸と金属の過不足)と 2025 大問 2(温度上昇)を並べて解くと、同じ読み方だと分かります。密度・浮力は「重さは同じで体積が変わる」を、ろう・氷・食塩水で言葉にできるまで。地層・火山灰・化石も一巡します(火山灰の厚さ→噴出量と風向、示準化石の条件)。あわせて「すべて選び」「2 つ選び」「適当でないもの」の設問だけを集めて、選択肢を 1 つずつ○×する練習を。記号選択が主軸の入試ではここが差になります。(確認: 〜2025 年度)
  6. [週末 60 分] 算数・水量とグラフ、規則性、面積比、長い導入文 — 水量とグラフ(2023 大問 9・2025 大問 6)は仕切りのある水そうと、おもりの入った容器の 2 パターンを、グラフの折れ曲がりが何を意味するかを説明できるまで。規則性(2023・2024・2025 の 3 年連続)は「n 番目を式にする」「和を求める」「逆に何番目か」の 3 方向。面積比は「何倍ですか」に長さを出さず比で答える練習で、正六角形の分割(2023)と折り返しの相似(2024)。長い導入文は 2023 大問 2・2024 大問 2・2025 大問 2 を、まず条件を箇条書きに直してから解きます。立体は切断・積み木・回転体の 3 方向を軽く一巡します。(確認: 〜2025 年度)
  7. [週 1 回] 社会・歴史の年代の順序と、統計表・ニュースの読み替え — 「3 番目に古いのはどれか」が毎年出るので、出来事を世紀・時代で仕分けできる状態に。統計表・グラフを読んで県や港や品目を当てる練習も(収穫量の上位 4 道県、貿易額、人口構成、降水量)。直近 1〜2 年のニュースを制度の言葉に翻訳する練習は、大問 3 の入口が毎年ここから来るので効きます(労働・貿易・国際目標・物流のような、経済と暮らしに関わる話題が続いています)。「誤っているものを選ぶ」設問だけを集めて、選択肢 4 つを 1 つずつ○×する練習も。(確認: 〜2025 年度)
  8. [週末 60 分] 国語・25〜35 字の条件つき記述と、構成をつかむ練習 — 「指定語を使う」「文末を『〜ことによって、〜から。』にする」「本文の語を用いる」の条件を必ず守る練習。文の並べ替えは、接続語と指示語を手がかりに 4〜5 文を並べます。文章を二つに分ける練習は、段落ごとに一言でまとめ、話題が変わる箇所を探します。体の部分の慣用句・ことわざ・対義語は語彙帳で。(確認: 〜2019 年度)

8. 科目別の詳細

まず 4 科目を見渡します。

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科目 形式の固定度 中身の性格 過去問で取り組む練習
算数 低い。大問 6〜9・小問 21〜24・50 分・すべて答えのみ 大問 1 の計算と最終大問の水量/速さだけが出題位置として動かない。中間は毎年入れ替わる 計算 4〜5 問の完答と水量とグラフ、規則性
理科 高い。大問 3・小問 19〜20・30 分 分野の並びは毎年変わる。記号選択が主軸で、実験の表から計算する問題が毎年 3〜6 問 電気の計算(3 年連続)と表・グラフの読み取り
社会 非常に高い。大問 3・小問 18(選択 15+記述 3)・30 分。8 年不変 大問 1 歴史/大問 2 地形図+地理/大問 3 時事文章+公民。問い方まで繰り返す 地形図の読図と 10〜30 字の短い記述
国語 高い(2019 年度まで)。大問 3・小問 29〜31・50 分 漢字 10 問+読解 2 題。記述 3〜4 問、記号選択 3〜5 割 漢字 10 問と助詞・助動詞の識別、25〜35 字の条件つき記述

科目ごとに要求されるものが違います。社会は「資料を読んで消去し、短く書く」、国語は「条件を守って書く」、理科は「表から計算する」、算数は「長い設定文を図表に直す」です。

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6〜9・小問 21〜24・すべて答えのみ)

年度×大問の題材表(原本で精読した 2023・2024・2025 年度)

前半の大問

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年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2023 計算 2 問(四則・逆算) 和差算(イチゴの取り分をメモの読み違いで) 売買損益(原価 1600 円・100 個・3 割の利益と値引き) 規則性(段ごとに奇数が増える三角形の数表) 平面図形(2 つの円と 2 つの正六角形の組み合わせ)
2024 計算 4 問+所持金のやりとり 場合の数(3 色のいすと 4 人のいす取りゲーム) 規則性(3 の倍数と 7 の倍数を合わせて並べる・会話文) 平面図形(1 辺 24 cm の正方形の折り紙を折る) 立体図形(積み木を積んだ立体・正面図と上面図)
2025 計算 4 問+平均算 3 問(9 人の点数表と欠席者) 過不足算・差集め算(20 円のアメと 50 円のガム) 規則性(黒白のご石を正方形に並べる) 平面図形(5 つの正三角形をつないだ図) 回転体(ひし形を直線のまわりに 1 回転)

後半の大問

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年度 大問 6 大問 7 大問 8 大問 9
2023 数の性質(1〜100 のカードを倍数ごとに裏返す) 仕事算(3 人の仕事量の比と報酬) 立体図形(立方体の切断・体積) 水量とグラフ(仕切りのある水そう・毎分 36 L)
2024 流水算(川の上流 C・下流 A・浮き輪) — — —
2025 水量とグラフ(円柱のおもりが入った直方体の容器) — — —

同じ場所に同じ種類の問題が出るか

  • 大問 1 は 10 年連続(2016〜2025)で計算です。 これはこの学校で最もはっきりした出題位置の固定です。中身は毎年違う数値ですが、置かれる位置と種類は動きません。2024・2025 は計算 4 問のあとに (2) として別単元(所持金のやりとり/平均算)が同じ大問 1 の中にぶら下がる形になっており、「大問 1 は計算だけ」ではなくなっている点に注意してください。
  • 最後の大問は水量とグラフか、それに準じる速さ系です。精読した 3 年では 2023 大問 9(仕切り水そう)・2025 大問 6(円柱のおもり)が水量とグラフ、2024 大問 6 が流水算。「試験の最後に、グラフを読みながら段階を追う長い問題が来る」という並びは 3 年とも共通です。
  • 規則性は真ん中あたりの出題位置(2023 大問 4・2024 大問 3・2025 大問 3)で 3 年連続です。数の並べ方は毎年違いますが、「あるきまりにしたがって数(ご石)が並んでいます」という導入の書き方は 2020〜2023 年度で繰り返し確認できます。
  • ただし大問の総数は固定されていません(2023 は 9 題、2024・2025 は 6 題)。大問 1・規則性・最終大問という 3 つの出題位置は動きませんが、その間に何題入るかは年によって作り直されます。時間配分を「大問 1 題あたり何分」で決め打ちすると、9 題の年に崩れます。

頻出単元と周期(精読した 3 年+位置の記録から)

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単元 精読した 3 年での出現 メモ
計算(四則・逆算) 3/3(大問 1) 逆算が毎年 1 問。2025 は「2025×99−6075×23+10125×14」のように西暦を仕込んだ工夫計算が入った
規則性・数列 3/3 段状の数表(2023)・2 つの倍数の合併列(2024)・ご石の正方形(2025)
平面図形の面積・面積比 3/3 正六角形と円(2023)・折り紙(2024)・正三角形の連結(2025)。「何倍ですか」で答えさせる面積比が多い
水量とグラフ 2/3(2023・2025) 仕切り・おもりの入った容器。グラフの折れ曲がりを読む
立体図形 2/3(2023 切断・2024 積み木)+2025 は回転体 3 年とも立体が 1 題ある
速さ系 1/3(2024 流水算) 2025 は速さの大問が無く、平均算・過不足算に置き換わっている
場合の数 1/3(2024 いす取り) 2025 も大問 2 (3) が場合の数の小問
売買損益・仕事算・数の性質 2023 のみ 大問数が多かった年に登場

問われ方の特徴

  • 全問が答えのみです。精読した 3 年で記述も記号選択もゼロ、作図もゼロ。求めるのは数値・比・「何段目の左から何番目」といった短い言葉です。
  • 1 大問あたり 2〜4 小問の階段構成で、(1) が状況の整理、(2)(3) がその結果を使う発展です。2024 大問 3 は会話文の空欄ア〜オを埋める形で、5 問すべてが同じ数列の話(会話を追えば最後まで届く作り)でした。
  • 「何倍ですか」「比を求めなさい」の割合表現が多くなっています。2023 大問 5 は「小さい正六角形の面積の何倍ですか」を 2 問続け、2025 大問 6 (2) は「直方体の底面積と円柱の底面積の比を求めなさい」。長さや体積を出さずに比だけで処理できると速くなります。
  • 導入文が長く設定を読み解かせる問題が毎年あります(2023 大問 2 のメモの読み違い、2024 大問 2 のゲームのルール、2025 大問 2 の買い物の条件)。「文章を図や表に直す」ところが最初の関門です。

8-2. 理科(30 分・60 点・大問 3・小問 19〜20)

年度×大問の題材表(原本で精読した 2023・2024・2025 年度)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3
2023 こん虫(アリとカメムシの帰巣実験・不完全変態) 電気回路(抵抗器 X・Y・Z の電圧と電流・比) 惑星と人工衛星(静止衛星の条件・火星の酸素生成装置)
2024 金属と塩酸の反応(発生気体の量的関係・表から比例) クマ(眼のつき方・食性の円グラフ・行動範囲の仮説とグラフの点) 電磁石(IH 調理器のしくみ・渦電流・アルミホイル)
2025 ろうと水の状態変化(密度・浮き沈み) 電流のはたらき(電熱線と水の温度上昇・電流と時間の関係) 地層と火山灰(鳥取砂丘・火成岩・火山灰層の厚さ・示準化石)

同じ場所に同じ種類の問題が出るか

  • 大問は 3 題で 11 年連続(2015〜2025)です。 小問は 16〜21 の範囲に収まり、精読した 3 年では 19〜20。大問ごとの小問数の並び方もほとんど動きません。時間配分と分量の予測が非常に立てやすい科目です。
  • 一方で、どの出題位置にどの分野が来るかは固定されていません。2023 は生物→物理→地学、2024 は化学→生物→物理、2025 は化学(状態変化)→物理→地学。「大問 1 は必ず生物」といった約束は無く、分野の中身は毎年作り直されます。
  • 3 年とも物理系(電気・電熱線・電磁石・密度)が必ず 1 題以上入り、計算の重い大問になっています。ここが得点の分かれ目になりやすいところです。
  • 大問 1 は「次の文を読み、以下の問いに答えなさい」で始まるリード文つきが 3 年連続。2025 大問 3 は生徒 2 人の会話文が導入で、文章を読ませてから問う作りが定着しています。

頻出単元と周期

精読した 3 年に位置の記録(2015〜2025)を重ねると、次の 3 系統が繰り返し戻ってきます。

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系統 出現の記録 メモ
浮力・密度・状態変化 2015・2017・2019・2020・2022・2025 「重さは変わらず体積が変わる」を軸に、ろう・氷・水で問われる
電気(回路・電流のはたらき・電磁石) 2023・2024・2025 の 3 年連続 抵抗と電圧の比(2023)、電熱線の発熱量(2025)、電磁石と誘導(2024)
地層・岩石・化石 2010・2012・2020・2021・2025 火山灰の層の厚さから風向や噴出量を読む(2025)
生態系・食物連鎖 2014・2015・2017・2019・2021・2024 生物の大問はほぼこの系統か、こん虫・植物のつくり
惑星・太陽系 2022・2023 2023 は火星探査、2022 も同系統
気象 2013・2014・2015・2016 2017 年以降は独立した大問になっていない(2025 は火山灰の風向として小問に混ざる)

問われ方の特徴

  • 記号選択が主軸です(精読した 3 年で 45%・75%・68%)。「最も適当なものを、次のア〜オから選び、記号で答えなさい」が定番の言い回しで、2015・2016 年度にも同じ骨格の設問文が確認できます。
  • 「すべて選び」「2 つ選び」が毎年あります(2023 大問 1 問 5「次の 1〜8 から 2 つ選び」、2024 大問 1 (2)「すべて選び」・大問 3 問 2「すべて選び」、2024 大問 2 問 5「2 つ選び」)。一つでも取りこぼすと 0 点になる形なので、選択肢を全部吟味する習慣が要ります。
  • 「適当でないもの」「あてはまらないもの」を選ばせる設問も毎年出ます(2024 大問 2 問 7、2025 大問 3 問 1)。設問文の否定語を読み落とす失点が起きやすいところです。
  • 実験の表・グラフから数値を出す計算が毎年 3〜6 問あります。2024 大問 1 は塩酸の体積と発生気体の量の表から比例と過不足を読み、2025 大問 2 は電流・時間・水の体積を変えた実験表から温度上昇を求めます。「割り切れないときは小数第 1 位を四捨五入」「分数で答えなさい」の桁指定が付きます。
  • 仮説とデータの突き合わせを問う設問があります。2024 大問 2 問 4・問 5 は「記入ミスの点はどれか」「仮説にあてはまらない点を 2 つ」と、グラフの点を一つずつ検証させる作りです。
  • 記述はごく少なく、精読した 3 年で確認できたのは 2024 大問 2 問 6 の「20 字以内で書きなさい」1 問のみです。字数指定つきの短い理由説明でした。

8-3. 社会(30 分・60 点・大問 3・小問 18=記号選択 15+記述 3)

年度×大問の題材表(原本で精読した 2023・2024・2025 年度)

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年度 大問 1(歴史) 大問 2(地形図+その県の地理) 大問 3(時事の文章→公民・経済)
2023 通史(枕草子・元寇・江戸・明治・1930 年代)+家電の世帯普及率グラフ 茨城県土浦市の地形図(国道沿いの施設・利根川の支流・栗と梨とピーマンとメロン・つくば市などの人口表) SDGs と国連(安全保障理事会・再生可能エネルギー・憲法 14 条・ユニバーサルデザイン)
2024 A〜E の「戦い」5 つ(壬申の乱・西南戦争・応仁の乱・関ヶ原・幕末)を並べ替え 愛知県瀬戸市の地形図(標高比較・採土場・瀬戸市と愛知県の説明・4 港の貿易額・菱野団地の年齢別人口) 2022 年度の貿易統計の記事(財務省・為替レート・第二次石油危機・GATT と WTO・シンガポールとの EPA)
2025 通史(古墳・8 世紀・平将門・日光東照宮・治外法権)+足尾鉱毒 種子島の地形図(郵便局の標高・大島紬・種子島と父島の降水量・牛の飼養頭数) 物流のトラック運転手不足(労働基本権・内閣・働き方改革関連法・貨物輸送量・モーダルシフト)

同じ場所に同じ種類の問題が出るか

この学校で最も強く固定されているのが社会です。

  • 大問 3 題・小問 18 問・記号選択 15 問+記述 3 問が、精読した 3 年で完全に一致します。しかも記述は大問ごとに必ず最後の 1 問(問 6 相当)に置かれ、各大問は「記号選択 5 問+記述 1 問」の同じ形をしています。小問 18 問の器は 2018〜2025 年度の 8 年分の記録でも変わっていません。
  • 大問 1 は歴史、大問 2 は地形図から入る地理、大問 3 は時事的な文章を読ませてからの公民・経済。この並びが 3 年連続で同じです。位置の記録をさかのぼると、大問 2 に地形図が置かれる並びは 2010 年度以降ほぼ毎年で、10 年を超えて続いています。
  • 同じ問い方が毎年出ます。大問 2 の地形図の設問は「地形図中から読み取れることとして正しいものを、1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」という言い回しで、2023 年度と 2024 年度は問 7 に一字一句同じ形で登場します(2025 年度は問 6 の位置で「読み取れる内容として正しいものを」とわずかに変わるだけ)。同じ問い方が別の年に出ることは 2016・2017・2020・2022〜2025 年度でも確認できます。
  • 歴史の大問でも「〜として誤っているものを、1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」が繰り返し使われ、たとえば古墳をめぐる誤り選択は 2017・2021・2022・2023・2025 年度で同じ骨格が確認できます。
  • 注意すべきは「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということです。 選択肢の中身も地形図の場所も毎年別です。過去問で覚えるべきは答えではなく、問われ方と手順です。

頻出単元と周期

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単元 出現 メモ
地形図の読図 大問 2 の入口として毎年 標高の比較(2024・2025)、経路上の施設(2023)、地図記号と土地利用
都道府県の産業・農畜産物 3/3 栗・日本梨・ピーマン・メロン(2023)、大島紬とかんしょと牛(2025)、瀬戸物と貿易港(2024)。「上位 4 道県の表からどれか当てる」形が定番
人口・都市問題 2/3(2023・2024) 年齢別人口構成の表を読む。2024 の団地の高齢化は記述にもなった
歴史の並べ替え・年代判定 3/3 「3 番目になるもの」(2023)、「三番目に古い」(2024)、年表の位置(2025)
憲法・三権分立 3/3 14 条(2023)、内閣総理大臣(2024・2025)、労働基本権(2025)
国際社会・貿易・資源 3/3 SDGs(2023)、貿易収支と EPA(2024)、貨物輸送(2025)
前年の出来事を制度に翻訳 3/3 大問 3 の入口の文章が毎年、直前 1〜2 年の話題(SDGs 達成状況・2022 年度貿易統計・物流の 2024 年問題)

問われ方の特徴

  • 記号選択はすべて「1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」です。記号ではなく番号で答える点、選択肢が 4 つで揃っている点が精読した 3 年で一貫しています。組み合わせを選ばせる形(「A・B・C に当てはまるものの組み合わせ」「a・b の正誤の組み合わせ」)も毎年あります。
  • 誤答を選ばせる設問が毎年複数出ます(「誤っているものを」)。正しいものを探す癖のままだと取りこぼします。
  • 記述 3 問はすべて字数の上限つきで、しかも短くなっています。精読した 3 年で 10 字以内・15 字以内・20 字以内・16〜30 字。しかも 3 年すべてに「解答欄の書き出しに続けて」「句読点は、他の文字と一緒にせず、一ます使いなさい」という同じ注意書きが付きます。
  • 記述はすべて資料(表・グラフ)を読んで理由を答える形です。2023 は家電の普及率が下がった理由・早場米にする理由・ユニバーサルデザインの定義、2024 は応仁の乱で文化が地方へ広がった理由・団地の人口変化の特徴・シンガポールと EPA を結んだ理由、2025 は足尾鉱毒の理由・かんしょの市場取扱量の理由・トラック運転手不足の理由でした。
  • 大問 3 は新聞記事や統計の文章がそのままリード文になり、下線部ア・イ・ウ…に沿って問う形が 3 年連続です。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 29〜31。2016・2018・2019 年度で確認)

先に断っておきます。国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)、ここに書いたのは 2010・2014・2016・2018・2019 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。

年度×大問の題材表(原本で精読した 2016・2018・2019 年度)

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年度 大問 1 大問 2 大問 3
2016 漢字 10 問(読み 2・書き 8) 小説(強運を表す手相「ひゃくにぎり」と道場の仲間) 説明文(『中学生からの大学講義』所収・なぜ学ぶのか)
2018 漢字 10 問(読み 5・書き 5) 小説(原田マハ『翔ぶ少女』・震災で親を亡くした丹華と「心の風邪」) 説明文(古井由吉『考える方法』言葉について・日本語とバイリンガル)
2019 漢字 10 問(読み 3・書き 7) 説明文(日髙敏隆『人間はどこまで動物か』・「ヒト」と「人間」の使い分け) 小説(マレーシアから帰国した中学生と短歌部)

参考: 2014 年度は大問 2 が佐藤多佳子『第二音楽室』、大問 3 が宇根豊『農は過去と未来をつなぐ』です。

同じ場所に同じ種類の問題が出るか

  • 「大問 1 が漢字 10 問、大問 2・大問 3 が長文読解」という 3 大問の構成が、資料のある 5 年すべてで同じです。 小問数も 29〜31 と一定で、時間配分が読みやすくなっています。
  • 大問 1 の導入文は「次の——部について、漢字をひらがなに、カタカナを漢字に直しなさい。(ていねいにはっきりと書くこと)」で、2016・2018・2019 年度が同じ言い回しです。読みと書きが混ざって 10 問で、比率は年によって 2:8〜5:5 と動きます。
  • ただし読解 2 題のジャンルの並びは固定されていません。2016・2018 は小説→説明文、2019 は説明文→小説。「大問 2 は必ず小説」とは思わない方がよいところです。
  • 語句・文法の設問が精読した 3 年すべての読解大問に 1 問ずつ入り、しかも同じ問い方をします。 2016「この『ぐらい』と同じ働きの『ぐらい』を含む文を選べ」、2018「この『られる』と同じ働きのものを選べ」、2019「この『ように』と同じ使い方のものを選べ」。助詞・助動詞の識別が 3 年連続で同じ形で出ています。
  • 文を並べ替えて空欄に入れる設問も 3 年連続です(2016 大問 3 問 3、2018 大問 3 問 8、2019 大問 2 問 6)。4〜5 文を正しい順に並べます。
  • 文章を二つに分ける設問が 2016(大問 2 と大問 3 の両方で「後半の最初の五字を答えなさい」)と 2018(「前半の終わりを〈ア〉〜〈オ〉から」)にあります。同じ設問文が同じ年の 2 つの大問に並んで置かれた例で、この学校が構成把握を重く見ていることがうかがえます。

頻出と問われ方の特徴

  • 記述は年 3〜4 問で、すべて字数の上下限つきです。精読した 3 年で確認できた指定は「十五字以内」「二十字以上三十字以内」「二十五字以上三十字以内」「三十字以上三十五字以内」「三十字以上四十字以内」「四十字以上五十字以内」。25〜35 字が中心です。
  • 記述の条件が細かくなっています。「本文中の言葉を用いて」「この段落中の言葉を用いて」「解答欄に合うように」が繰り返し付き、2019 大問 2 問 8 は「『種』『スケール』ということばを用いること」、2019 大問 3 問 2 は「『〜ことによって、〜から。』の形で答えること」と文末形まで指定されます。書き方の条件を外すと内容が合っていても失点します。
  • 空欄補充を記述で答えさせる形(次の文の I ・ II にあてはまることばを考えて、それぞれ十字以上十五字以内・二十字以上二十五字以内で)も 2019 にあります。
  • 記号選択が全体の 3〜5 割です。ア〜エの 4 択が主で、ア〜オの 5 択や「二つ選び」(2019 大問 3 問 5)もあります。心情説明・理由説明が中心です。
  • 抜き出しは年 1〜3 問で字数指定つきです(「五字以内で」「二十字で」「三十字以上三十五字以内で」)。
  • 接続語の空欄補充(A〜D にそれぞれ)、体の部分を使った慣用句(2019 大問 3 問 1 の胸・肩)、ことわざ(2016「何の背比べ」)、対義語(2019「抽象」の対義語を漢字二字で)といった知識の小問が読解の中に混ざります。
  • 表現技法・本文の表現の説明(2018 大問 2 問 9「あてはまらないものを」)もあります。

9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度です(記録とあるものは、設問文ではなく年度ごとの大問構成と単元の一覧で確認したものです)。

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科目 単元 出ていた年 最終確認年度 状況
算数 速さとグラフ・旅人算 位置の記録では 2017〜2021 年度に毎年 2024 年度(速さ系としては流水算) 2025 年度は速さの大問が無く、平均算と過不足算に置き換わった。戻る前提で用意する
算数 食塩水(濃度) — — 精読した 3 年でゼロ
算数 角度と平面の回転移動 2021 年度の記録 2021 年度(記録) 精読した 3 年では 2025 年度の回転体(立体)だけ
算数 論理・推理 2021 年度の最後に置かれていた 2021 年度(記録) 精読した 3 年では 2024 年度のいす取りゲームが近い
理科 気象(雲・前線・天気図) 2013・2014・2015・2016 年度 2016 年度 2016 年度を最後に独立した大問になっていない。2025 年度は火山灰の風向として小問に混ざっただけ
理科 中和と水溶液の性質 2018・2019 年度の記録 2019 年度(記録) 精読した 3 年では大問になっていない
理科 ばね・てこ・ふりこ 2017・2022 年度の記録 2022 年度(記録) しばらく空いている。電気が 3 年続いた反動が来る余地がある
理科 植物のつくりとはたらき 2018 年度の記録 2018 年度(記録) 大問としては確認できていない
社会 世界地理(世界地図・雨温図・世界の国当て) 位置の記録では 2013・2015・2023 年度に国際分野の大問 2023 年度 精読した 3 年では薄い。2025 年度に種子島と父島の降水量の比較があった程度
社会 選挙制度 2014・2016・2018 年度の記録 2018 年度(記録) 精読した 3 年では内閣・労働の側に寄っている
社会 地方自治 2021 年度の記録 2021 年度(記録) 精読した 3 年では確認できていない
社会 環境問題・防災 2020・2021 年度の記録 2025 年度(足尾鉱毒の公害が近い) 地形図とセットで自然災害を問う余地が残っている

10. 形式面の注意

算数

  • すべて答えのみです。精読した 3 年で記述・記号選択・作図はゼロでした。単位は設問文で指定されます(「何 cm³ ですか」「何分何秒後ですか」)。「最も簡単な整数比で」「小数第 2 位を四捨五入して」の指示が付きます。円周率の指定は転写に明示がありませんでした。
  • 図のある小問がおよそ半分です。図は問題冊子側にあり、転写では図そのものは再現されないため、本レポートは設問文と図の説明文から題材を起こしています。

理科

  • 記号選択が主軸で、記述は年 0〜1 問(2024 年度の「20 字以内」1 問のみ確認)。作図はゼロです。30 分で 19〜20 問という分量になります。
  • 語数指定(2023 大問 2 問 1「3 文字以内で答えなさい」、問 5 (2)「2 文字以内で」)、文字種の指定(2025 大問 3 問 5 (1)「漢字で答えなさい」)があります。計算には「割り切れないときは小数第 1 位を四捨五入」「分数で答えなさい」が付きます。
  • 図のある小問がおよそ半数です。図の説明は転写されますが図そのものは再現されないため、本レポートの記述は設問文と図の説明文に基づきます。

社会

  • 記号選択はすべて「1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい」です。記号ではなく番号です。30 分で 18 問、記号選択 15 問と 10〜30 字の記述 3 問という配分なので、記述に時間を溶かさない組み立てが要ります。
  • 記述 3 問はすべて字数上限つき(10 字以内〜30 字)で、3 年とも「解答欄の書き出しに続けて」「句読点は、他の文字と一緒にせず、一ます使いなさい」の注意書きが付きます。書き出しが印刷されているので、その続きとして日本語がつながるか、字数に収まるかを必ず確認します。句読点も 1 マス使うので、20 字以内なら実質 18〜19 字です。
  • 漢字指定・文字種指定は精読した 3 年で目立ちません。番号で答える形が主なので、書き取りより「表・グラフを読んで消去する」力が効きます。図表の量が多くなっています(地形図・年表・統計表・グラフ・写真)。

国語

  • 記述は字数の上限と下限の両方が指定されます(「二十字以上三十字以内」など)。「本文中の言葉を用いて」「解答欄に合うように」「指定語を用いる」「文末を『〜ことによって、〜から。』の形に」といった条件が付き、条件を外すと内容が合っていても失点します。下限もあるため短すぎても足りず、「解答欄に合うように」の年は解答欄の形が答えの形を決めるので、実寸の解答用紙で練習しておきたいところです。
  • 漢字は「ていねいにはっきりと書くこと」と毎年断りがあります。50 分で 29〜31 問、漢字 10 問と長文 2 本なので、読解 1 本にかけられるのは 20 分弱です。
  • 古文・漢文は資料のある年でゼロです。詩・短歌そのものを題材にした大問もありません(2019 大問 3 は短歌部が舞台の小説)。

4 科目共通

  • 配点は問題冊子・解答用紙のどちらにも書かれていません。科目の合計配点(国算 100・理社 60)は学校公表の募集要項によるものです。

11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

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段 やること
小 4(土台) 計算の正確さ(四則混合と逆算)、図形の基本量、音読と要約、20〜30 字で理由を書く練習、漢字の読み書き。時間を計るのはまだ先でかまいません。この学校で最後まで効くのは「計算」と「地図・地形図に親しむこと」なので、旅行や散歩で地図を広げて等高線と地図記号を眺める習慣が、そのまま社会の大問 2 につながります
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終えるのがこの段の目標です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の単元を、規則性 → 平面図形の面積比 → 水量とグラフ → 立体 → 速さの順に一巡させます。週末 60 分は、理科(電気 → 密度 → 地層 → 生態系の一巡)、社会(都道府県の産業と統計表の読み取り → 歴史の時代順)、国語(説明文と小説の両方を読み、25〜35 字で答える練習)に順に充てます。成城は算数の器が毎年動くので、算数はここでの一巡が本体になります。理科も分野の出題位置が決まっていないため、穴を作らないことが効きます。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無いので(→ 13 節)、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください
小 6(仕上げ) 7 節の「今からやるなら」の項目です。夏以降は社会と国語を「同じ年度を変えて」(大問 2 の地形図だけ何年分も、漢字と文法だけ何年分も)、算数と理科は年度通しで時間を計って解きます。社会は 30 分で 18 問、国語は 50 分で 30 問という分量が動かないので、時間配分は過去問でそのまま決められます

上の単元名のうち、和差算・過不足算・差集め算・平均算・売買損益・仕事算・流水算・旅人算は教科書ではなく受験用教材の単元です(中身は 用語集 にあります)。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡です。社会と国語は形式が動かないので、小 6 の秋から過去問を年度を変えて続けて解くだけでも形式には慣れます。逆に算数は毎年器を作り直すため、「大問 6 題の年」も「大問 9 題の年」も解ける幅が要ります。その幅は小 5 のうちに単元を一巡しておかないと作れません。理科も分野の出題位置が決まっていないので、4 分野に穴を残さないことが小 5 の課題になります。もう一つ、社会の地形図と統計表の読み取りは低学年から積み上げられる数少ない分野で、小 4 のうちから地図に親しんでおくと大問 2 が丸ごと味方になります。


12. この学校と出題構造が近い学校

観点は過去問演習が重なるかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。男女と日程の注記は学校情報からそのまま写しています。

  • 世田谷学園中学校(東京都・男子校)— 4 科目とも近く、算数・国語・理科・社会のどれか一つに偏らず全体の作りが似ているので、過去問演習がまるごと使いやすい相手です。
  • 東京都市大学付属中学校(東京都・男子校)— 算数と理科が近く、社会はやや離れます。2027 年度は 2 月 1 日・3 日・5 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
  • 獨協中学校(東京都・男子校)— 算数が近く、社会は離れます。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。

8 校の一覧・記述量・注意は 出題構造が近い学校のページ へ。

近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の言い回しの重なり」から測ったもので、同じ問題が出るという意味ではありません。とくに成城の社会は 3 大問 18 問という器と地形図の出題位置がかなり独特なので、社会だけは他校の過去問で代用しにくい点に注意してください。


13. 資料の限界

  • 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊のみで、入試回の表記が読み取れません。国語・算数 50 分/理科・社会 30 分の 4 科という構成は学校公表の 3 回すべてに当てはまるため、どの回の問題かは特定できません。第 2 回・第 3 回の傾向についてはここでは何も言えません。
  • 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があったのは 2010・2014・2016・2018・2019 年度の 5 年で、本文中の国語の記述は 2016・2018・2019 年度を原本で確認したものに限ります。直近 6 年の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。大問構成が続いているかどうかは、この資料からは分かりません。国語の出典(著者・作品)も同じ制約を受けます。
  • 原本を通しで読んだのは各科目 3 年ぶんです(算数・理科・社会が 2023〜2025 年度、国語が 2016・2018・2019 年度)。それより前の年について書いた年度は、年度ごとの大問構成と単元の一覧から拾ったもので、設問文そのものは確認していません。「3 年連続」「3 年とも」と書いたものだけが原本で確かめた反復です。
  • 算数の 2024・2025 年度、理科の 2024・2025 年度、社会の 2023・2024 年度は転写の読み取り確度が低めです。数式・表の数値・選択肢の細部には写し崩れがあり、実際に 2025 年度算数の大問 4 (1) は「何度ですか」と写っていますが、文脈上は長さを問うています。数値の細部は市販の過去問集で確認してください。
  • 算数は 2011・2013 年度、理科は 2011 年度の資料がありません。国語は 2011〜2013・2015・2017 年度と 2020 年度以降がありません。
  • 図そのものは転写されないため、算数の図形・理科の実験装置・社会の地形図の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。
  • 試験時間・配点は 2027 年度の募集要項の値で、過去の年度が同じだったかは確認していません。設問ごとの配点はどの年度にも印刷されていません。
  • 「毎年」「〜年連続」は原本または年度ごとの大問構成で反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
  • 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果はこのページでは扱っていません。
  • 成城学園中学校(東京都世田谷区・共学)とは別の学校です。 このレポートは新宿区の成城中学校(男子校)についてのものです。

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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。ページ生成日: 2026-10-14。

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